第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営の基本方針

当社グループは1951年の㈱NJS創設以来、上下水道を中心とした水と環境のコンサルタント事業を展開してきました。当社グループのミッションは「水と環境のサービスを通じて豊かで安全な社会を創造する」ことであり、水と環境の事業、社会への貢献、人材育成を経営の基本方針としています。

また、経済のグローバル化・デジタル化に対して「水と環境のConsulting & Software」を掲げて、ソフトウェアや関連システムの開発を推進しています。

(2) 目標とする経営指標

当社グループは、2021年2月に21-23中期経営計画を策定し、当社グループの業績目標を、2023年に売上高220億円、営業利益28.5億円、親会社株主に帰属する当期純利益18.7億円としております。

(3) 経営環境及び中長期的な会社の経営戦略

新型コロナウイルスの感染拡大が社会経済に深刻な影響を与えています。世界人口の増加や経済活動が地球環境に影響を及ぼし、環境変化が社会の持続性を脅かす時代です。特に、気候変動に伴う災害の頻発と激化は顕著であり、温暖化の抑制と被害軽減の取り組みが急務となっています。わが国は、2050年に温室効果ガス排出量を実質ゼロにすると表明しており、これに基づく脱炭素化を着実に推進する必要があります。

上下水道は、国民の安全と衛生を守るインフラであり、感染症の流行や災害の甚大化の中でその重要性が高まっています。健全な機能の確保と災害対策の強化が不可欠であり、そのための効率的なマネジメントが必要となっています。一方で、施設老朽化、人口減少、財政逼迫、職員減少などの課題も山積しており、効率的な施設管理の確立、広域化・共同化、PPP/PFI、デジタル技術活用などの対策が急がれます。

当社グループの強みは、70年の歴史を通じて培ってきた水と環境の技術と信用、ソフトウェアを中心とした技術開発力、90か国に及ぶ海外業務実績です。こうした強みやソフトウェアを生かして、今日の社会課題に積極的に取り組み、従来の枠を超えた新事業を創出し、グローバルに活躍することを通じて、持続可能な社会に貢献していきます。当社グループが展開している主要ソフトウェアと関連ツールは次のとおりです。

・SkyScraper®     :施設管理から災害対策、運営管理まで対応するクラウド型統合管理システム

・AirSlider®      :閉鎖性空間の調査ドローン

・BioWin          :下水処理プロセスシミュレータ(カナダEnviroSim社と代理店契約締結)

・SkyManhole®     :IoT型の下水道水位観測システム

・ConnectedCollector®:設備センサーシステム

(4) 対処すべき課題 

パンデミックと気候危機を踏まえて、環境への取り組みを強化し「環境先進企業」を目指します。引き続き、“水と環境の Consulting & Software”をスローガンに掲げ、コンサルタントの領域を超えた幅広いサービスを提供し、国内外の水と環境に貢献していきます。分野別の課題は次のとおりです。

① コンサルティング

持続可能な社会に向けた、脱炭素化業務、防災・減災業務、水道関連業務を強化します。健康と安全を守るライフサイエンス事業に挑戦します。

② ソフトウェア

上下水道におけるデジタルトランスフォーメーション、コンサルティング、データ構築、運用支援、IoT・AI・ロボティックスを推進します。

③ インスペクション

インフラの劣化、損傷、異常を効率的に把握できる技術の開発と普及、予防保全の実現、インスペクションサービスに関する新事業の創出を推進します。

④ マネジメント

効率化とサービス向上を目的とした、PPP/PFI、広域化・共同化、アウトソーシング事業を推進します。マネジメントに関する新事業を創出します。

⑤ グローバル

世界の公衆衛生インフラの整備、インフラマネジメントの確立、災害対策事業を推進し、あわせて当社のインフラ管理技術を海外展開します。

 

⑥ イノベーション

革新的な価値創出を目的として、オープンイノベーション、アライアンス、M&Aを推進します。生産性の向上を目的として、BIM/CIMの普及を図ります。

⑦ 働き方改革

感染症対策の徹底とともに、テレワークやウェブ会議に対応したオフィス環境の整備を図り、多様で創造性・自律性の高いワークスタイルを実現します。

⑧ 人材育成

環境先進企業を明確にした採用活動の強化を図り、多様な人材の確保と育成、国内外をシームレスで対応できる人材の育成を推進します。

 

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

① 官公庁への依存度について

当社グループの国内業務の売上高は大部分が官公庁等(国土交通省他省庁、公団、都道府県、市町村等)向けであり、民間会社からの受注はあるものの、この大半も官公庁発注案件であります。したがって、当社グループの業績は国及び地方公共団体の整備計画、財政政策等に基づく公共投資動向の影響を受ける可能性があります。

② 業績の季節変動について

当社グループの売上高は、官公庁等からの受注によるものが大半を占め、その納期に対応して官公庁等の年度末が含まれる第2四半期連結累計期間(1月~6月)に売上計上が集中するため、連結会計年度の前半6ヶ月間の売上高と後半6ヶ月間の売上高の間に著しい相違があり、業績に季節的変動があります。

③ 入札制度について

当社グループの売上高は、官公庁等からの受注によるものが大半を占め、各発注者の定めに従い、競争入札方式によるものが大きな割合を占めております。この入札条件や入札制度そのものに予期せぬ変更が生じた場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

④ 成果品やサービスの品質について

当社グループの業務は、契約に定める仕様を充足する成果品やサービスを顧客に提供する業務が大半を占めております。当社グループでは顧客第一主義を掲げ、顧客とのコミュニケ―ションを密にし品質の確保・向上に努めておりますが、予期せぬ対応費用が発生した場合や、当社グループの成果品やサービスに起因して賠償責任を負った場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。

⑤ 為替変動について

当社グループは海外に拠点を設置しグローバルに事業を展開しており、外国為替相場の変動は外貨建て取引の円貨換算及び外貨建て資産・負債の円貨換算に伴って当社グループの業績や財務状況に影響を与える可能性があります。

⑥ 退職給付債務について

当社グループの従業員退職給付債務及び費用は、主として割引率や年金資産の期待運用収益率等の数理計算上で設定される基礎率に基づいて算出されております。実際の結果が基礎率と相違した場合や基礎率を変更した場合には、その影響額(数理計算上の差異)はその発生の翌連結会計年度に一括処理することとしております。したがって、年金資産の運用利回りの悪化や超低金利の長期化による割引率の変更等が当社グループの翌連結会計年度の業績に影響を与える可能性があります。

⑦ 海外での事業活動について

当社グループは世界各国で事業活動を行っておりますが、当社グループが事業拠点を置く国や地域において、戦争・テロ・暴動等による政情の不安定化、法制度の予期せぬ変更など事業環境に著しい変化が生じた場合、当社グループの業績や財政状況に影響を与える可能性があります。

⑧ 新型コロナウィルス感染症について

新型コロナウイルス感染症の感染拡大による当社グループ従業員、協力業者への感染により業務の中断や遅延が発生する可能性があります。また、海外でのロックダウン等による業務の中断や工期延長等が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並び経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1) 経営成績等の状況の概要

① 経営成績の状況

当期の世界経済及び国内経済は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、人や物の移動や経済活動が制限され、歴史的な後退となりました。ワクチンの普及により感染症の収束と経済の回復が期待されていますが、先行きは不透明な状況です。パンデミックは人々の生活スタイルや価値観に変容をもたらし、社会経済のあり方を変えようとしています。

感染症のさなか、令和2年7月豪雨により熊本県を中心に深刻な被害が発生しました。気候変動に伴う自然災害の多発化と激甚化が進行しており、災害対策の強化とともに温暖化ガスの排出削減が急務となっています。温暖化ガスについては、世界の平均気温の上昇を産業革命前と比べて1.5℃に抑えるためには、2050年までに排出量を実質ゼロにする必要があり、わが国も2050年の脱炭素化を表明しました。

上下水道事業については、パンデミックや気候危機に対して、都市の安全と衛生を支えるインフラとして重要性が高まっています。人口減少、施設老朽化、災害激化、財政逼迫などの課題に対して、健全な機能の維持・強化を図るとともに効率的なマネジメントを確立していく必要があります。さらに脱炭素化の取り組みやデジタルトランスフォーメーションも積極的に推進していく必要があります。

これに対して当社グループは、“水と環境のConsulting & Software”をスローガンに、コンサルティングサービスの拡充とデジタル技術による新事業の創出に注力してきました。代表的なソフトウェアには、総合情報システムSkyScraper®、点検調査ドローンAirSlider®、下水処理シミュレータBioWin、マンホール情報システムSkyManhole®、IoTセンサーシステムConnectedCollector®などがあります。

マネジメント分野では、高知県須崎市のコンセッション事業をはじめ多くの包括的民間委託事業、PPP/PFI事業を展開しています。連結子会社の㈱NJS・E&Mでは、コンサルタントのノウハウを生かして幅広いアウトソーシングサービスを提供しています。

業務上の感染防止対策については、マスク、手指消毒、三密回避の徹底とともに、テレワーク、ウェブ会議、ペーパーレス化を促進しています。また、デジタルトランスフォーメーションによる、生産性の向上、環境負荷の削減、仕事と生活の質の向上を推進しています。

この結果、当連結会計年度における当社グループの業績は、連結受注高は18,827百万円(前連結会計年度比5.6%増)、連結売上高は18,951百万円(同9.3%増)となりました。

利益面では、積極的な技術開発への投資及び生産性向上の取り組みにより、営業利益は2,469百万円(同9.5%増)、経常利益は2,507百万円(同8.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,703百万円(同1.5%増)となりました。

 

セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。

(国内業務)

国内事業については、インフラ再構築に向けた調査・設計、甚大化する災害に対応した防災・減災・復旧業務、上下水道事業の効率化に向けたPPP業務等に取り組んでまいりました。なお、新型コロナウイルス感染症拡大により、一部の業務で工期延長等が発生しましたが、業績への影響は軽微に留まりました。

この結果、受注高は17,290百万円(前連結会計年度比8.7%増)、売上高は15,408百万円(同8.4%増)、営業利益は2,597百万円(同16.5%増)となりました。

 

(海外業務)

海外事業については、アジア、中東等の新興国における水インフラ整備プロジェクトを推進してきましたが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響を受け、新規案件の発注遅延や渡航制限等による業務遅延が発生しました。

この結果、受注高は1,537百万円(前連結会計年度比20.3%減)、売上高は3,348百万円(同15.0%増)、営業損失は205百万円(前連結会計年度は営業損失75百万円)となりました。

 

② 財政状態の状況

当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ122百万円増加し25,667百万円となりました。この主な要因は、現金及び預金の増加1,272百万円、受取手形及び完成業務未収入金の減少347百万円、未成業務支出金の減少769百万円であります。

当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ714百万円減少し5,509百万円となりました。この主な要因は、未成業務受入金の減少463百万円、業務未払金の減少204百万円であります。

当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べ836百万円増加し20,157百万円となりました。この主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益と配当金支払いの純額による利益剰余金の増加1,215百万円、自己株式取得による減少347百万円であります。

この結果、自己資本比率は78.5%となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ、1,272百万円増加し、14,343百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は2,500百万円(前連結会計年度は239百万円の獲得)となりました。

収入の主な内訳は、税金等調整前当期純利益2,459百万円、未成業務支出金の減少762百万円であり、支出の主な内訳は、法人税等の支払額584百万円であります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は371百万円(前連結会計年度は224百万円の使用)となりました。

主な内訳は、有形固定資産の取得による支出107百万円、無形固定資産の取得による支出127百万円であります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は852百万円(前連結会計年度は535百万円の使用)となりました。

主な内訳は、配当金の支払額486百万円、自己株式の取得による支出354百万円であります。

 

なお、当社グループのキャッシュ・フロー指標のトレンドは次のとおりであります。

 

指標

2016年12月

2017年12月

2018年12月

2019年12月

2020年12月

自己資本比率

(%)

71.2

76.2

71.8

75.6

78.5

時価ベースの自己資本比率

(%)

59.4

70.9

61.3

67.7

75.8

キャッシュ・フロー対有利子負債比率

(年)

0.0

0.0

0.1

0.0

インタレスト・カバレッジ・レシオ

(倍)

1,756.1

10,683.5

295.9

16,652.9

 

(注) 各指標は、いずれも連結ベースの財務諸表数値により以下のとおり算出しております。

(1) 自己資本比率:自己資本/総資産

(2) 時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

 株式時価総額は、自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。

(3) キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業活動によるキャッシュ・フロー

(4) インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業活動によるキャッシュ・フロー/利息支払額

 

(資本の財源及び資金の流動性)

当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としており、運転資金及び設備投資資金は、自己資金を基本としておりますが、必要に応じて銀行借入による調達も行っております。

なお、当連結会計年度末時点で、重要な資本的支出の予定はありません。

 

(3) 生産、受注及び販売の実績

 a.生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2020年1月1日

至 2020年12月31日)

金額(千円)

前年同期比(%)

国内業務

15,407,285

8.5

海外業務

3,318,328

14.2

その他

226,373

△1.0

合計

18,951,988

9.3

 

(注) 1.当社グループの業務は、業務の性格上生産として把握することが困難であるため販売実績を記載しております。

2.セグメント間取引については、相殺消去しております。

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

b.受注実績

当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2020年1月1日

至 2020年12月31日)

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

国内業務

17,290,047

8.7

18,659,975

11.2

海外業務

1,537,363

△20.3

5,313,451

△26.3

合計

18,827,410

5.6

23,973,427

△0.0

 

(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

c.販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2020年1月1日

至 2020年12月31日)

金額(千円)

前年同期比(%)

国内業務

15,407,285

8.5

海外業務

3,318,328

14.2

その他

226,373

△1.0

合計

18,951,988

9.3

 

(注) 1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3.当連結会計年度の販売実績を地域別に示すと、次のとおりであります。

 

地域

当連結会計年度

(自 2020年1月1日

至 2020年12月31日)

売上高(千円)

構成比(%)

北海道

1,692,097

8.9

東北

1,107,094

5.8

関東

3,771,344

19.9

中部

3,843,007

20.3

近畿

1,283,895

6.8

中国

1,180,446

6.2

四国

660,710

3.5

九州

2,095,062

11.1

国内計

15,633,659

82.5

海外

3,318,328

17.5

合計

18,951,988

100.0

 

4.本表の金額には、消費税等は含まれておりません。

5.前連結会計年度及び当連結会計年度における主な相手先別販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

 

相手先

前連結会計年度

(自 2019年1月1日

至 2019年12月31日)

当連結会計年度

(自 2020年1月1日

至 2020年12月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

日本下水道事業団

3,048,770

17.6

3,354,571

17.7

 

6.本表の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

(4) 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載されているとおりであります。

当社グループは、退職給付会計、税効果会計、たな卸資産の評価、投資その他の資産の評価などに関して、過去の実績や当該取引の状況に照らして合理的と考えられる見積り及び判断を行い、その結果を資産・負債の帳簿価額及び収益・費用の金額に反映して連結財務諸表を作成しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

特に、退職給付会計における割引率や年金資産の期待運用収益率の見積りについては、当社グループの連結財務諸表に重要な影響を与える可能性があるため、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載しております。

 

4 【経営上の重要な契約等】

(連結子会社の吸収合併)

当社は、2020年9月29日開催の取締役会において、当社の完全子会社である株式会社NJSコンサルタンツを吸収合併することを決議し、同日付で合併契約を締結し、2020年11月1日付で吸収合併いたしました。

詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」に記載のとおりであります。

 

 

5 【研究開発活動】

当社グループは、2018年2月に事業環境の変化や技術開発の取り組みを勘案し、2017年2月に策定した中期経営計画の一部見直しを行いました。見直し計画では、事業の基本方針に“水と環境のConsulting & Software”を掲げ、中長期的な社会環境の変化ならびに顧客ニーズに応えつつ、ライフサイクルを通したインフラ管理を実現するため、時代に即したコンサルティング技術を開発するとともに、ICTやIoTを活用した管理運営のデジタル化・効率化に貢献するソフトウェアの開発に取り組んでいくこととし、2020年12月期はその最終年期にあたります。

2020年12月期の技術開発は、政府の重点事項となっているインフラメンテナンスに対応するため、上下水道事業分野におけるConsulting・Software分野の開発に加えて、他事業へのビジネス展開を目標にインフラの再構築と効率的運用に向けたインフラ管理ビジネスの開発を加速しました。

Consulting分野では、事業方針の戦略的な実現を目指し、「インフラ管理」、「災害対策」、「環境保全」、「管理運営」分野で開発本部及び開発担当部所、技術推進PJの連携により実施しました。特に、政府が推進するデジタル化社会への対応として「点検・調査・診断技術」、「BIM/CIM」、「雨水対策」の技術開発・展開を強力に推進しました。

Software分野では、ソサエティ5.0の実現への取り組みとして、CPS/IoTサービスの開発を継続し効率的なインフラ管理を推進しました。特に、「マネジメントソフトウェア(SkyScraperFC、PL、RM、EA)」、「アナリティクスソフトウェア(SkyScraperML、BI)」、「IoT、クラウド基盤(SkyManhole含む)」の機能強化を推進・展開しました。

インフラ管理の分野では、AirSliderの他事業インフラへのビジネス展開を強化し、各種ソフトウェアの開発・展開によりビジネス戦略を推進しました。特に、「上下水道事業」に加え、「電力事業」、「農業事業」、「道路事業」への対応に向けた開発を加速しました。

 

Ⅰ.Consulting分野

A.インフラ管理

(1)点検・調査・計画

・ 新たな設備調査・診断方法の開発(施設)

・ 診断ツールの開発

・ 新たな業務領域の開発

(2)BIM/CIM

・ BIM/CIMデータと数量計算との連携検討

・ 建築設備及びプラント設備のBIM/CIMモデル作成作業効率化検討

・  NJS版:BIM/CIM標準策定

・  NJS版:BIM/CIM教育プログラムの構築

・ SkyScraperFCとBIM/CIMの連携

(3)機能評価・運転支援

・ 下水道指針(改訂版)の社内普及

(4)海外技術評価

・ 海外技術の評価

B.災害対策

(1)雨水対策

・ 簡易計測機器(雨量・水位)の更新・整備

・ 雨天時浸入水営業ツールの作成

・  雨天時浸水スクリーニング技術の開発

・ リアルタイムキャリブレーション技術の開発

・ リアルタイム浸水情報提供のビジネスモデル調査、業務パッケージの開発

(2)地震対策

・ 耐震・耐津波作業担当人材育成

・ 動的解析による解析手法の開発

・ 水道施設への危機耐性の適用事例の作成

・ 非線形有限要素技術を用いたせん断力に対する評価手法の開発

C.環境保全

(1)環境・エネルギー

・ 下水道資源・ストック活用エネルギー省・創・自立化技術の研究

・ 水素の製造・利用技術の研究

・ 未来低炭素まちづくりの再生可能エネルギー(バイオマス含む)導入手法の研究

 

D.管理運営

(1)会計

・ 中小規模下水道経営手法の普及展開

・  ABC・SWOTの成果まとめ(マニュアル化)

・ 広域連携業務事務所支援

(2)官民連携関連

・ 資本・業務連携(コンセッション)

・  下水道事業の運営支援

・ 水道、工水のコンセッション具体研究

(3)計画手法

・ 計画手法の水平展開

 

Ⅱ.Software分野

A.SkyScraper(クラウド型統合インフラ管理システム)

・ SkyScraperFC(施設情報システム)      機能拡張

・ SkyScraperPL(管路情報システム)      機能拡張

・  SkyScraperPL_WEBGIS(管路維持管理システム) 機能拡張

・ SkyScraperFI(現場点検システム)      製品開発

・ SkyScraperEM(イージーモニター)      機能拡張

・ SkyScraperRM(雨量情報システム)      機能拡張

・ SkyScraperRI(管内水位観測システム)    機能拡張

・ SkyScraperFA(固定資産システム)      機能拡張

・ SkyScraperEA(企業会計システム)      機能拡張

・ SkyScraperBC(料金徴収システム)      機能拡張

・ SkyScraperCV(管内画像解析システム)    製品開発

・ クラウド基盤整備

・ IoT・AI基盤整備(SkyScraperML(機械学習)、SkyScraperBI(意思決定支援)共通ソフト含む)

B.KanroKarte(下水道管路ストックマネジメント支援ツール) 販売促進

C.SkyManhole(LPWAを活用したIoTセンサー)         製品開発

D.BioWin   (下水処理プロセスシミュレーター)       販売促進

 

Ⅲ.インフラ管理分野

A.点検・調査

・ 新たな土木・建築構造物点検調査方法の開発(水道)

・ 下水道管劣化予測に関する実証

B.AirSlider(閉鎖性空間点検調査用ドローン)

・ AirSider(AS400、600、2000)        製品開発

・ 鉄管膜厚測定機器開発            製品開発

・ 背面空洞探査装置              製品開発

・ 道路排水用点検機器開発           製品開発

 

なお、当連結会計年度(自 2020年1月1日 至 2020年12月31日)の研究開発費の総額は686,888千円であります。

 

 注)FC:Facility database、PL:PipeLine database、FI:Field Inspection、EM:Easy Monitor、

RM:Rain Management、RI:RainManagement Indicator、FA:FixedAssets database、

EA:Enterprise Accounting、BC:Billing&Collection、CV:Computer Vision、

ML:Machine Learning、BI:Business Intelligence