第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当第3四半期連結累計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」から投資家の判断に影響を及ぼす可能性のある重要な変更および追加があった事項は、以下のとおりであり、当該変更及び追加箇所については下線で示しております。

また、以下の見出しに付された項目番号は、前事業年度の有価証券報告書における「第一部 企業情報 第2 事業の状況 4 事業等のリスク」の項目番号に対応したものです。

なお、文中の将来に対する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。 

 

(3) 研究開発について

一般に新薬の開発には、長期に亘る期間と多額の費用が必要です。それにもかかわらず、医薬品の開発は計画通りに進行するとは限らず、開発対象の新薬の臨床試験のために必要とされる患者の数が適時に確保できないこと、臨床試験の実施に係る各種業務を支援・代行するCRO(医薬品開発業務受託機関)における受託業務が計画通り進行しないこと等の様々な要因によって遅延する可能性があります。さらに、様々な試験の結果、期待した有効性を確認できなかったり、安全性に関する許容できない問題が生じたりした場合には、研究開発を中止するリスクがあります。このような場合には、当社グループの事業戦略や業績が影響を受ける可能性があります。   

 

(5) 販売について

 当社グループが開発中の医薬品については、国内、米国及び欧州等の各地域において、将来競合する可能性がある製品及び開発品があります。当社グループは、競争力の高い製品を早期に開発、上市することで、一定の市場シェアの獲得を目指しております。しかし、競合他社が当社の想定以上のシェアを獲得した場合には、当社グループが開発した製品が上市された場合においても期待通りの収益をあげられない可能性があります。

 また、日本や欧州においては新薬の価格は原則として国あるいはそれに準じる公的機関により決定され、また、米国においては保険会社・マネージドケア(健康保険運営団体)及びメディケア・プログラムとの交渉により決定されます。そのため、当社グループが開発した製品について当社グループが想定した薬価とならない場合には期待通りの収益をあげられない可能性があります。

 加えて、当社が販売する医薬品について、予期していなかった副作用が発生した場合には売上高の減少要因となり、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。

 

(14) 外国為替変動について

 当社グループは、事業活動をグローバルに展開しており、海外での研究開発活動、海外企業とのライセンス、海外からの製品及び治験薬の仕入等において外貨建取引が存在します。また、当社グループが現在開発を行っている製品は、日本のみならず、米国を含む海外市場での販売が見込まれます。そのため、急激な為替変動によって為替リスクが顕在化した場合には、当社グループの事業戦略や業績が影響を受ける可能性があります。

 

 

2 【経営上の重要な契約等】

 当第3四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約は行われておりません。
 

3 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績の分析

当第3四半期連結累計期間において当社グループ(当社及び連結子会社3社)では、遺伝子医薬品の研究開発を進めるとともに、ライセンス活動を推進するなど、事業の拡大を図ってきました。

当社グループでは、提携企業からの開発協力金や研究用試薬の一定率をロイヤリティとして、研究開発事業収益に計上しております。また、ムコ多糖症Ⅵ型治療薬「ナグラザイム®」の販売収入につきまして、商品売上高に計上しております。

当第3四半期連結累計期間における事業収益は、3億20百万円(前年同期比38百万円(+13.6%)の増収)となりました。ナグラザイム®の商品売上高が2億50百万円(前年同期比28百万円(+12.9%)の増収)、提携企業からの契約一時金等による研究開発事業収益が69百万円(前年同期比9百万円(+15.9%)の増収)となっております。

当第3四半期連結累計期間における事業費用は33億45百万円(前年同期比10億15百万円(+43.6%)の増加)となりました。売上原価は、1億27百万円(前年同期比19百万円(+17.8%)の増加)となりました。これは、主に前年同期と比べて商品売上高が増加していることに伴うものです。 研究開発費は25億84百万円(前年同期比8億74百万円(+51.2%)の増加)となりました。主に、HGF遺伝子治療薬の国際共同第Ⅲ相臨床試験にかかる費用及びNF-κBデコイオリゴDNAのアトピー性皮膚炎治療薬の第Ⅲ相臨床試験にかかる費用が発生したことにより、外注費が8億35百万円増加しております。また、人員の増強により、給料及び手当が1億19百万円増加しております。当社グループのような研究開発型バイオベンチャー企業にとって研究開発は生命線でありますので、提携戦略により財務リスクの低減を図りながら、今後も研究開発投資を行っていく予定です。研究開発の詳細については、本報告書「(3) 研究開発活動」をご参照ください。販売費及び一般管理費は6億33百万円(前年同期比1億21百万円(+23.6%)の増加)となりました。寄付講座への支出により寄付金が27百万円、業務報酬にかかる費用が増加したため支払手数料が25百万円、人員の増強により給料及び手当が20百万円増加しております。
 この結果、当第3四半期連結累計期間の営業損失は30億25百万円(前年同期の営業損失は20億48百万円)となり、前年同期より9億77百万円損失が拡大しております。

当第3四半期連結累計期間の経常損失は、29億54百万円(前年同期の経常損失は21億21百万円)となり、前年同期より8億33百万円損失が拡大しております。前年同期と比べると、営業外収益においては、主に国立研究開発法人新エネルギー・産業技術開発機構(NEDO)からの助成金を受領したこと等により、補助金収入が11百万円増加しております。また、前年同期においては為替差損が13百万円発生しておりましたが、当期においては為替差益が11百万円発生しております。営業外費用においては、前年同期はライツ・オファリングの実施に伴う新株の発行により、株式交付費が1億18百万円発生しておりましたが、当期は19百万円の発生となっております。

 当第3四半期連結累計期間の四半期純損失は、30億7百万円(前年同期の四半期純損失は20億90百万円)となり、前年同期より9億17百万円損失が拡大しております。特別利益において、失効した新株予約権を戻し入れたことに伴い、新株予約権戻入益が49百万円発生いたしました(前年同期は37百万円)。特別損失においては、保有する株式の評価額が下落したことに伴い、投資有価証券評価損が92百万円発生しております。

 

(2) 財政状態の分析

 当第3四半期連結会計期間末の総資産は61億69百万円(前連結会計年度末比20億13百万円の減少)となりました。第三者割当増資に伴う7億35百万円を受領いたしましたが、当期事業費用への充当により、現金及び預金は26億38百万円減少し、33億78百万円となりました。主にNF-κBデコイオリゴDNAの原薬製造にかかる費用、NF-κBデコイオリゴDNAのアトピー性皮膚炎治療薬の第Ⅲ相臨床試験及び前臨床試験にかかる費用を前払いしたことに伴い、前渡金が5億54百万円増加しております。また、主にHGF遺伝子治療薬の製造に伴い、原材料が3億80百万円増加したことにより原材料及び貯蔵品が増加しております。

当第3四半期連結会計期間末の負債は7億17百万円(前連結会計年度末比2億67百万円の増加)となりました。商品仕入及びHGF遺伝子治療薬の原薬製造にかかる費用を計上したことに伴い、買掛金が2億53百万円増加しております。

純資産は54億52百万円(前連結会計年度末比22億81百万円の減少)となりました。第三者割当増資に伴い、資本金及び資本剰余金がそれぞれ3億67百万円増加しておりますが、当四半期純損失30億7百万円の計上により利益剰余金が減少しております。

 

(3) 研究開発活動

当社グループでは、以下のプロジェクトを中心に研究開発を進めました。

 

■HGF遺伝子治療薬(一般名:ベペルミノゲンペルプラスミド、開発コード:AMG0001)(自社品)

 <対象疾患:重症虚血肢>
 重症虚血肢を対象疾患としたHGF遺伝子治療薬の開発については、平成26年第4四半期に開始した海外での承認取得を目的とした国際共同第Ⅲ相臨床試験を進めております。本試験は米国FDA(米国食品医薬品局)とSPA(Special Protocol Assessment、特別プロトコール査定)を合意しており、平成22年9月には米国FDAからFast Track指定を取得しています。また、平成24年10月には田辺三菱製薬株式会社との間で米国における末梢性血管疾患を対象とした独占的販売権許諾契約を締結致しました。本契約により今後当社は、開発の進捗に応じたマイルストーンの支払い、および上市に至った際には売上高に応じた一定の対価を受領致します。
 また、当該第Ⅲ相臨床試験のプロトコールによるフィージビリティ(実施可能性)を確認する目的で、少数例のオープンラベルの臨床試験を平成26年3月より実施しております。
 国内では、大阪大学附属病院が主導する医師主導型臨床研究が平成26年10月より実施されております。当社は、この臨床研究の結果も合わせ、条件及び期限付承認制度(平成26年11月に施行された「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(医薬品医療機器等法)」に導入された再生医療等製品の早期実用化を目指した新しい承認制度)を活用することで重症虚血肢を対象とした日本国内での承認申請を行うことを目指しております。なお、日本国内におけるHGF遺伝子治療薬の末梢性血管疾患を対象とした独占的販売権許諾については、田辺三菱製薬株式会社と平成27年2月に基本合意の上、平成27年6月に本契約を締結いたしました。

<対象疾患:リンパ浮腫>
 リンパ管の障害によりリンパ流が停滞して手足等が高度に腫れる疾患であるリンパ浮腫に対する治療薬の実用化を目指したHGF遺伝子治療薬の開発については、平成25年10月に原発性リンパ浮腫患者を対象とした第Ⅰ/Ⅱ相臨床試験を開始し、当第3四半期においても引き続き臨床試験を進めました。この試験は世界で初めてのリンパ浮腫に対する遺伝子治療薬の臨床試験であり、原発性リンパ浮腫患者に対するHGF遺伝子治療薬の有効性と安全性を探索的に確認することを目的としています。
 

 

■NF-κBデコイオリゴDNA(自社品)

<対象疾患:アトピー性皮膚炎> 
 NF-κBデコイオリゴDNAのアトピー性皮膚炎の治療薬(AMG0101、軟膏剤)の開発については、平成27年3月に開始した国内第Ⅲ相臨床試験を進めております。本試験では、顔面に中等症以上の皮疹を有するアトピー性皮膚炎患者約200例を対象として本剤の安全性と有効性を確認し、良好な結果が得られた場合には、国内で承認申請を行う予定です。なお、NF-κBデコイオリゴDNAのアトピー性皮膚炎を含む皮膚疾患適応について、当社は塩野義製薬株式会社に対し全世界における独占的な販売権許諾を供与する契約を締結しております。

<対象疾患:椎間板性腰痛症>
 NF-κBデコイオリゴDNAの新たな適用疾患として椎間板性腰痛症を含む腰痛疾患を適応症とした開発も進めています(AMG0103、注射剤)。当社は、平成26年12月に改定した本治療薬の開発戦略の下、米国FDAから臨床試験開始許可(IND)を取得後、平成28年に第Ⅰ/Ⅱ相臨床試験を開始する予定であり、現在準備を進めております。

<対象疾患:血管再狭窄>
 NF-κBデコイオリゴDNAをPTAバルーンカテーテルの外表面に塗布した新規医療機器(AMG0102、薬剤塗布型PTAバルーンカテーテル)の開発については、透析シャントの血管狭窄を有する被験者を対象とした臨床試験を平成24年9月より開始し、平成27年1月に当該臨床試験の症例登録を完了後、同9月に全症例の観察期間が終了いたしました。今後は、各被験者のデータを回収し、統計解析を行います。本製品の既存のPTAバルーンカテーテルに対する有意差が示され、計画通り進捗した場合には、平成28年に国内の製造販売承認申請が行われる見込みです。本製品については、平成24年1月にメディキット株式会社と国内の治験から上市に渡る共同開発および製造販売に関する契約を締結しました。本製品はバルーン拡張による血管炎症や再狭窄を抑制することが期待され、世界で初めての抗炎症薬塗布型のPTAバルーンカテーテルを目指して開発を進めています。

<その他>
 NF-κBデコイオリゴDNAのその他の開発については、NF-κBデコイオリゴDNAの次世代型である新規構造を有するハイブリッド型デコイ核酸を対象に難治性炎症性疾患に対する核酸医薬品の開発を目指し探索研究を進めております。
 

■CIN治療ワクチン(GLBL101c、導入開発品) 

 当社は、韓国のBioLeaders Corporation(バイオリーダース)より、子宮頸部上皮内腫瘍性病変(CIN)の治療ワクチン(CIN治療ワクチン)について日米英中の開発、製造、使用および販売の独占的実施権を取得しています。現在、東京大学医学部附属病院では、川名敬准教授のもと、本剤を用いた「HPV16型陽性の子宮頸部中等度上皮内腫瘍性病変(CIN2)に対する乳酸菌を利用したCIN治療薬の探索的臨床研究」(プラセボ対照二重盲検比較試験)が進められています。本試験の経費については、厚生労働科学研究費補助金(医療技術実用化総合研究事業(臨床研究・治験推進研究事業))が使用されています。現在、世界各国で発売中の子宮頸がん予防ワクチンは、ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染予防を目的としたワクチンでありHPV既感染者に対して癌化を防ぐような治療効果は得られません。一方、当社が開発するCIN治療ワクチンは、HPVのE7蛋白質に対する特異的な細胞性免疫を効率的に誘導することで子宮頸部の高度異形性を消失させ、子宮頸がんへの移行を回避できる画期的な世界初の治療ワクチンとして期待されます。平成21年より東京大学付属病院にて実施された探索的臨床研究では良好な結果が得られており、この詳細な結果は平成26年9月に発表されています。

 

■がん治療薬「Allovectin(アロベクチン)」(導入開発品)

がん治療薬 Allovectin(アロベクチン)は、腫瘍組織に接種することによって細胞障害性T細胞によるがん細胞の攻撃を促し、腫瘍を縮小または消失させるという新規メカニズムを持つがん治療薬です。当社は米国バイカル社よりアジアの開発権を取得しており、現在開発計画を検討しております。

 

 

  医薬品・医療機器の開発の状況

(自社品)

区分

製品名/プロジェクト

適応症

地域

開発段階

主な提携先

 


 

 

 

 

 

HGF遺伝子治療薬

重症虚血肢
(閉塞性動脈硬化症及びバージャー病)

日本

  第Ⅲ相終了、
医師主導臨床研究※

田辺三菱製薬株式会社
(販売権供与)

欧米

第Ⅲ相

田辺三菱製薬株式会社
(販売権供与(米国))

リンパ浮腫

日本

第I/Ⅱ相

未定

NF-κBデコイオリゴDNA

アトピー性皮膚炎

日本

(軟膏剤)
第Ⅲ相

塩野義製薬株式会社
(販売権供与(全世界))

 

(新製剤)前臨床

椎間板性腰痛症

米国

第I/Ⅱ相準備中

未定

医療
機器

 
 

薬剤塗布型
PTAバルーン
カテーテル

血管再狭窄予防

日本

臨床試験

メディキット株式会社
(共同開発販売権供与)

 

※ 日本は今後、条件及び期限付承認制度を活用して承認申請を行う計画

 

 

(導入開発品)

区分

製品名/プロジェクト

適応症

当社の権利

開発段階

導入元

 

 

 

CIN治療ワクチン

子宮頸がん
前がん病変

日米英中の開発販売権

研究者主導
探索的臨床研究

(日本)

バイオリーダース (韓国)

Allovectin
(遺伝子治療薬)

がん

アジアの開発販売権

検討中

バイカル社(米国)