(1)事業等のリスク
また、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更はありません。
(2)継続企業の前提に関する重要事象等
医薬品事業は、製品化までに多額の資金と長い時間を要する等特色があり、創薬ベンチャーである当社グループにおいては、継続的な営業損失の発生および営業キャッシュ・フローのマイナスを計上している状況にあります。そのため、一部のプロジェクトにおいては提携先を確保し、開発協力金等を得ることにより開発資金の低減に努めているほか、ムコ多糖症Ⅵ型治療薬「ナグラザイム®」の販売を行なっておりますが、全ての開発投資を補うに足る収益は生じておりません。当社グループは、平成28年12月期第1四半期連結会計期間末において現金及び預金8億61百万円を有しているものの、全てのプロジェクトを継続的に進める十分な資金が不足していることから、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在しております。
当第1四半期連結累計期間において当社グループ(当社及び連結子会社3社)では、遺伝子医薬品の研究開発を進めるとともに、新たな提携候補先との契約交渉を行うなど、事業の拡大を図ってきました。
当第1四半期連結累計期間の事業収益は83百万円(前年同期比1百万円(+1.6%)の増収)となりました。当社グループでは、提携企業からの開発協力金や研究用試薬の一定率をロイヤリティとして、研究開発事業収益に計上しております。また、ムコ多糖症Ⅵ型治療薬「ナグラザイム®」の販売収入につきまして、商品売上高に計上しております。
当第1四半期連結累計期間においては、商品売上高が81百万円(前年同期比7百万円(+10.2%)の増収)、研究開発事業収益は1百万円(前年同期比6百万円(△82.3%)の減収)となっております。
当第1四半期連結累計期間における事業費用は、12億67百万円(前年同期比2億24百万円(+21.5%)の増加)となりました。当第1四半期連結累計期間における売上原価は、42百万円(前年同期比5百万円(+16.4%)の増加)となりました。これは、前年同期と比べて商品売上高が増加していることに伴うものです。当第1四半期連結累計期間における研究開発費は9億91百万円(前年同期比2億30百万円(+30.4%)の増加)となりました。主にNF-κBデコイオリゴDNAのアトピー性皮膚炎治療薬の第Ⅲ相臨床試験及び非臨床試験にかかる費用が増加したことにより、外注費が1億48百万円増加しております。HGF遺伝子治療薬の国際共同第Ⅲ相臨床試験にかかる費用が増加したことにより、研究用材料費が20百万円増加しております。また業務委託にかかる費用の増加により、支払手数料が22百万円増加しております。当社グループのような研究開発型バイオベンチャー企業にとって研究開発は生命線でありますので、提携戦略により財務リスクの低減を図りながら、今後も研究開発投資を行っていく予定です。研究開発の詳細については、本報告書「(4) 研究開発活動」をご参照ください。当第1四半期連結累計期間における販売費及び一般管理費は2億33百万円(前年同期比12百万円(△5.0%)の減少)となりました。業務委託にかかる費用の減少により、支払手数料が25百万円減少しております。
この結果、当第1四半期連結累計期間の営業損失は11億83百万円(前年同期の営業損失は9億60百万円)となり、前年同期より2億23百万円損失が拡大しております。
当第1四半期連結累計期間の経常損失は、12億30百万円(前年同期の経常損失は8億80百万円)となりました。前年同期においては、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術開発機構からの助成金を計上しておりましたが、当期においては発生しなかったことにより、補助金収入が69百万円減少しております。また、前年同期においては為替差益18百万円が発生しておりましたが、当第1四半期連結累計期間においては為替差損29百万円が発生しております。
当第1四半期連結累計期間の親会社株主に帰属する四半期純損失は、12億30百万円(前年同期の親会社株主に帰属する四半期純損失は8億83百万円)となりました。特別利益において、失効した新株予約権を戻し入れたことに伴い、新株予約権戻入益が7百万円発生しております。
当第1四半期連結会計期間末の総資産は37億67百万円(前連結会計年度末比9億84百万円の減少)となりました。 流動資産は、当期事業費用への充当に伴い、現金及び預金が12億12百万円減少しております。NF-κBデコイオリゴDNAのアトピー性皮膚炎治療薬の第Ⅲ相臨床試験にかかる費用を前払いしたこと等に伴い、前渡金が1億70百万円増加しております。また、前年度の消費税が還付されたことに伴い、未収消費税等が減少しております。これにより、流動資産は10億46百万円の減少となりました。
固定資産は、研究開発用機器の購入に伴い、有形固定資産が29百万円増加しております。投資その他の資産においては、保有する株式の評価額の上昇に伴い、投資その他の資産が32百万円増加しております。
当第1四半期連結会計期間末の負債は7億81百万円(前連結会計年度末比2億50百万円の増加)となりました。主にナグラザイム®の購入に伴い、買掛金が1億90百万円増加しております。また、当期費用の増加に伴い、未払金が56百万円増加しております。
純資産は29億85百万円(前連結会計年度末比12億35百万円の減少)となりました。親会社株式に帰属する四半期純損失12億30百万円の計上により、利益剰余金が減少しております。
当第1四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更、及び新たに生じた課題はありません。
当第1四半期連結累計期間の研究開発費の総額は9億91百万円であります。
当社グループでは、以下のプロジェクトを中心に研究開発を進めました。
■HGF遺伝子治療薬(一般名:ベペルミノゲンペルプラスミド、開発コード:AMG0001)(自社品)
<対象疾患:重症虚血肢>
重症虚血肢を対象疾患としたHGF遺伝子治療薬の開発については、平成26年第4四半期に開始した海外での承認取得を目的とした国際共同第Ⅲ相臨床試験を進めております。本試験は米国FDA(米国食品医薬品局)とSPA(Special Protocol Assessment、特別プロトコール査定)を合意しており、平成22年9月には米国FDAからFast Track指定を取得しています。また、平成24年10月には田辺三菱製薬株式会社との間で米国における末梢性血管疾患を対象とした独占的販売権許諾契約を締結致しました。本契約により今後当社は、開発の進捗に応じたマイルストーン、および上市に至った際には売上高に応じた一定の対価を受領致します。
また、当該第Ⅲ相臨床試験のプロトコールによるフィージビリティ(実施可能性)を確認する目的で、少数例のオープンラベルの臨床試験を平成26年3月より実施しております。
国内では、大阪大学附属病院が主導する医師主導型臨床研究が平成26年10月より実施されております。当社は、この臨床研究の結果も合わせ、条件及び期限付承認制度(平成26年11月に施行された「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(医薬品医療機器等法)」に導入された再生医療等製品の早期実用化を目指した新しい承認制度)を活用することで重症虚血肢を対象とした日本国内での承認申請を行うことを目指しております。なお、日本国内におけるHGF遺伝子治療薬の末梢性血管疾患を対象とした独占的販売権の許諾については、田辺三菱製薬株式会社と平成27年2月に基本合意の上、平成27年6月に本契約を締結いたしました。
<対象疾患:リンパ浮腫>
リンパ管の障害によりリンパ流が停滞して手足等が高度に腫れる疾患であるリンパ浮腫に対する治療薬の実用化を目指したHGF遺伝子治療薬の開発については、平成25年10月に原発性リンパ浮腫患者を対象とした第Ⅰ/Ⅱ相臨床試験を開始し、平成28年4月に症例登録を完了したことを発表いたしました。この試験は世界で初めてのリンパ浮腫に対する遺伝子治療薬の臨床試験であり、原発性リンパ浮腫患者に対するHGF遺伝子治療薬の有効性と安全性を探索的に確認することを目的としております。
■NF-κBデコイオリゴDNA(自社品)
<対象疾患:アトピー性皮膚炎>
NF-κBデコイオリゴDNAのアトピー性皮膚炎の治療薬(AMG0101、軟膏剤)の開発については、平成27年3月から国内第Ⅲ相臨床試験を進めてまいりましたが、平成28年2月には全症例の観察期間を完了いたしました。現在、各症例のデータを回収し、解析を進めています。本試験では、顔面に中等症以上の皮疹を有するアトピー性皮膚炎患者約200例を対象として本剤の安全性と有効性を確認し、良好な結果が得られた場合には、平成28年に国内で承認申請を行う予定です。なお、NF-κBデコイオリゴDNAのアトピー性皮膚炎を含む皮膚疾患適応について、当社は塩野義製薬株式会社に対し全世界における独占的な販売権を許諾する契約を締結しております。
<対象疾患:椎間板性腰痛症>
NF-κBデコイオリゴDNAの新たな適用疾患として椎間板性腰痛症を含む腰痛疾患を適応症とした開発も進めています(AMG0103、注射剤)。当社は、FDAから臨床試験開始許可(IND)を取得後、米国において第Ⅰ/Ⅱ相臨床試験を開始する予定であり、現在準備を進めております。
<対象疾患:血管再狭窄>
NF-κBデコイオリゴDNAをPTAバルーンカテーテルの外表面に塗布した新規医療機器(AMG0102、薬剤塗布型PTAバルーンカテーテル)の開発については、透析シャントの血管狭窄を有する被験者を対象とした臨床試験を平成24年9月より開始し、平成27年1月に当該臨床試験の症例登録を完了後、同9月に全症例の観察期間が終了いたしました。現在、各被験者のデータを回収し、統計解析の準備を進めております。本製品の既存のPTAバルーンカテーテルに対する有意差が示され、計画通り進捗した場合には、平成28年に国内の製造販売承認申請が行われる見込みです。本製品については、平成24年1月にメディキット株式会社と国内の治験から上市に渡る共同開発および製造販売に関する契約を締結しました。本製品はバルーン拡張による血管炎症や再狭窄を抑制することが期待され、世界で初めての抗炎症薬塗布型のPTAバルーンカテーテルを目指して開発を進めております。
<その他>
NF-κBデコイオリゴDNAのその他の開発については、NF-κBデコイオリゴDNAの次世代型である新規構造を有するハイブリッド型デコイ核酸を対象に難治性炎症性疾患に対する核酸医薬品の開発を目指し探索研究を進めております。
■CIN治療ワクチン(GLBL101c、導入開発品)
当社は、韓国のBioLeaders Corporation(バイオリーダース)より、子宮頸がん前がん病変の治療ワクチン(CIN治療ワクチン)について日米英中の開発、製造、使用および販売の独占的実施権を取得しています。現在、東京大学医学部附属病院では、川名敬准教授のもと、本剤を用いた「HPV16型陽性の子宮頸部中等度上皮内腫瘍性病変(CIN2)に対する乳酸菌を利用したCIN治療薬の探索的臨床研究」(プラセボ対照二重盲検比較試験)が進められています。本試験の経費については、厚生労働科学研究費補助金(医療技術実用化総合研究事業(臨床研究・治験推進研究事業))が使用されています。現在、世界各国で発売中の子宮頸がん予防ワクチンは、ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染予防を目的としたワクチンでありHPV既感染者に対して癌化を防ぐような治療効果は得られません。一方、当社が開発するCIN治療ワクチンは、HPVのE7蛋白質に対する特異的な細胞性免疫を効率的に誘導することで子宮頸部の高度異形性を消失させ、子宮頸がんへの移行を回避できる画期的な世界初の治療ワクチンとして期待されます。平成21年より東京大学付属病院にて本剤を用いた探索的臨床研究が実施されております。
■がん治療薬「Allovectin(アロベクチン)」(導入開発品)
がん治療薬 Allovectin(アロベクチン)は、腫瘍組織に接種することによって細胞障害性T細胞によるがん細胞の攻撃を促し、腫瘍を縮小または消失させるという新規メカニズムを持つがん治療薬です。当社は米国バイカル社よりアジアの開発権を取得しており、現在開発計画を検討しております。
医薬品開発の状況
(自社品)
区分 | 製品名/プロジェクト | 適応症 | 地域 | 開発段階 | 主な提携先 | |
医
| HGF遺伝子治療薬 | 重症虚血肢 | 日本 | 第Ⅲ相終了、 | 田辺三菱製薬株式会社 | |
欧米 | 第Ⅲ相 | 田辺三菱製薬株式会社 | ||||
リンパ浮腫 | 日本 | 第I/Ⅱ相 | 未定 | |||
NF-κBデコイオリゴDNA | アトピー性皮膚炎 | 日本 | (軟膏剤) | 塩野義製薬株式会社 | ||
椎間板性腰痛症 | 米国 | 第I/Ⅱ相準備中 | 未定 | |||
医療 | | 薬剤塗布型 | 血管再狭窄 | 日本 | 臨床試験 | メディキット株式会社 |
※ 日本は今後、条件及び期限付承認制度を活用して承認申請を行う計画
(導入開発品)
区分 | 製品名/プロジェクト | 適応症 | 当社の権利 | 開発段階 | 導入元 |
医
薬
品
| CIN治療ワクチン | 子宮頸がん | 日米英中の開発販売権 | 研究者主導 (日本) | バイオリーダース社(韓) |
Allovectin® | 癌全般 | アジアの開発販売権 | 検討中 | バイカル社(米) |
(5) 事業のリスクに記載した重要事象等についての分析及び改善するための対応方法
当社グループは、平成28年12月期第1四半期連結会計期間末において現金及び預金8億61百万円を有しているものの、全てのプロジェクトを継続的に進める十分な資金が不足していることから、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在しております。
当社グループは当該状況を解消すべく、以下の諸施策に取り組んでおります。
①選択と集中による開発対象の選別
②資金の調達
①に関しましては、当社グループの開発プロジェクトの選択を行い、国内のHGF遺伝子治療薬(適応症:重症虚血肢)およびNF-κBデコイオリゴDNA(適応症:アトピー性皮膚炎)等申請を控えたプロジェクトを中心に開発を行なってまいります。
②に関しましては、新規提携先確保による契約一時金等の調達及びエクイティファイナンスによる早期の資金調達等の施策を実行してまいります。
当社グループは、上記の各施策を確実に実行することによって、継続企業の前提に重大な疑義を生じさせる状況を解消または改善することも可能であると考えており、平成28年3月25日開催の取締役会において、第27回新株予約権(第三者割当て)の発行を決議し、重要な後発事象に記載のとおり平成28年4月18日までに新株予約権が全数行使され、30億72百万円の資金調達をいたしました。しかしながら、すべてのプロジェクトを継続的に進めるための十分な資金には至っておらず、将来のキャッシュ・フロ-が不確実であるため、現時点において、継続企業の前提に関する重要な不確実性が存在していると判断しております。
なお、四半期連結財務諸表は継続企業を前提としており、上記のような継続企業の前提に関する重要な不確実性の影響を四半期連結財務諸表には反映しておりません。