第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度において当社グループ(当社及び連結子会社2社)では、遺伝子医薬品の研究開発を進めるとともに、新たな提携候補先との契約交渉を行うなど、事業の拡大を図ってきました。

当連結会計年度の連結業績は、以下のとおりです。

当連結会計年度における事業収益は、5億14百万円(前年同期比84百万円(+19.6%)の増収)となりました。当社グループでは、提携企業からの開発協力金や研究用試薬の一定率をロイヤリティとして、研究開発事業収益に計上しております。また、ムコ多糖症Ⅵ型治療薬「ナグラザイム®」の販売収入につきまして、商品売上高に計上しております。

当連結会計年度においては、商品売上高が3億46百万円(前年同期比3百万円(△0.9%)の減収)、研究開発事業収益は1億67百万円(前年同期比87百万円(+109.2%)の増収)となっております。研究開発事業収益の増収は、提携企業からの契約一時金の増加によるものです。

当連結会計年度における研究開発費は41億88百万円(前年同期比6億55百万円(+18.6%)の増加)となりました。主に、HGF遺伝子治療薬の臨床試験にかかる費用、NF-κBデコイオリゴDNAのアトピー性皮膚炎治療薬の第Ⅲ相臨床試験にかかる費用及び椎間板性腰痛症の非臨床試験にかかる費用が増加したことにより、研究用材料費が34百万円、外注費が6億24百万円増加しております。

研究開発の詳細は本報告書「第一部 企業情報 第2事業の状況 6研究開発活動」をご参照ください。

販売費及び一般管理費は9億14百万円(前年同期比24百万円(+2.8%)の増加)となりました。コンサルタント費用の増加により、支払手数料が24百万円増加しております。また、法人事業税の資本割の税率変更及び増資により、租税公課が45百万円増加しております。

 この結果、当連結会計年度の営業損失は、47億63百万円(前年同期の営業損失は41億71百万円)となり、前年同期より5億91百万円損失が拡大しております。

 当連結会計年度の経常損失は、48億47百万円(前年同期の経常損失は40億89百万円)となりました。前年同期においては、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術開発機構からの助成金を計上しておりましたが、当期においては発生しなかったことにより、補助金収入が72百万円減少しております。前年同期においては為替差益が21百万円発生しておりましたが、当期においては為替差損が4百万円となっております。新株の発行に伴い、株式交付費が67百万円増加しております。

 当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純損失は、47億76百万円(前年同期の親会社株主に帰属する当期純損失は41億43百万円)となり、前年同期より6億33百万円損失が拡大しております。特別利益において、失効した新株予約権を戻し入れたことに伴い、新株予約権戻入益が42百万円発生しております(前年同期は57百万円)。保有する株式を売却したことに伴い、投資有価証券売却益が44百万円発生しております。特別損失においては、前年同期において投資有価証券評価損92百万円を計上しておりましたが、当連結会計年度においては発生しておりません。

 

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ10億73百万円減少し、9億95百万円となりました。当連結会計年度末のキャッシュ・フローの状況は次のとおりです。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度末における営業活動による資金の減少は、49億83百万円(前年同期は45億円99百万円の減少)となりました。仕入債務が1億41百万円増加、前渡金が2億55百万円減少しましたが、税金等調整前純損失47億60百万円に加え、売上債権が1億63百万円、たな卸資産が5億3百万円増加しております。その結果、前年同期と比べ、3億84百万円の支出増加となっております。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度末における投資活動による資金の減少は、8億29百万円(前年同期は69百万円の減少)となりました。主にバイカル社株式の購入に伴い、投資有価証券の取得による支出が8億7百万円発生しております。研究用機器の購入により、有形固定資産の取得による支出49百万円が発生しております。ソフトウエアの購入及び特許費用の発生により、無形固定資産の取得による支出21百万円が発生しております。保有する株式の売却に伴い、投資有価証券の売却による収入49百万円が発生しております。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度末における財務活動による資金の増加は、47億93百万円(前年同期は7億16百万円の増加)となりました。新株予約権の発行による収入が26百万円、新株予約権の行使による株式の発行による収入が47億67百万円発生しております。

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 仕入実績

当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

生産高(千円)

前年同期比(%)

医薬品

232,728

+16.3

合計

232,728

+16.3

 

(注) 1  金額は仕入価格によっております。

2  金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 受注実績

当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

医薬品

346,792

△0.9

合計

346,792

△0.9

 

(注)  金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

医薬品

514,269

+19.6

合計

514,269

+19.6

 

(注) 1  金額には、消費税等は含まれておりません。

2  主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、以下のとおりであります。

 

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

ティーエスアルフレッサ株式会社

159,875

37.2

176,242

34.3

アルフレッサ株式会社

190,237

44.2

170,549

33.2

森下仁丹株式会社

155,000

30.1

田辺三菱製薬株式会社

50,000

11.6

 

 

 

3 【対処すべき課題】

 

当社グループは、創薬系バイオベンチャーとして、次世代のバイオ医薬品である遺伝子医薬(DNAプラスミド製剤、核酸医薬)や治療ワクチンなどの医薬品開発と製造販売の事業を推進しており、長期間の臨床試験と多額の先行投資を必要とします。実用化による収益を得るまでの間、下記を重要な課題として取り組んでおります。

 (1) 資金調達の実施

当社グループにとって、研究開発推進のため継続的に資金調達を行うことが必要です。過去、株式上場以降も公募増資、第三者割当増資、新株予約権の発行などによって資金調達をしてまいりました。今後も、各プロジェクトの推進のために機動的な資金調達の可能性を適時検討してまいります。

 

 (2) 継続企業の前提に関する重要な疑義の解消

医薬品事業は、製品化までに多額の資金と長い時間を要する等の特性があり、創薬ベンチャーである当社グループにおいては、継続的な営業損失の発生及び営業キャッシュ・フローのマイナスを計上している状況にあります。そのため、一部のプロジェクトにおいては提携先を確保し、開発協力金等を得ることにより開発資金の低減に努めているほか、ムコ多糖症Ⅵ型治療薬「ナグラザイム®」の販売を行っておりますが、全ての開発投資を補うに足る収益は生じておりません。当社グループは、当連結会計年度末において現金及び預金9億95百万円(前連結会計年度末は20億74百万円)を有しているものの、全てのプロジェクトを継続的に進める十分な資金が不足していることから、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在しております。

当社グループは当該状況を解消すべく、以下の諸施策により取り組んでまいります。
  ①選択と集中による開発対象の選別   
  ②資金の調達 

①に関しましては、当社グループの開発プロジェクトの選択を行い、開発の最終段階にあるプロジェクト及び早期に製薬企業等に導出することで一時金等の収入や研究開発費の負担削減が見込めるプロジェクトを中心に開発を行ってまいります。 
 ②に関しましては、新規提携先確保による契約一時金等の調達及びエクイティファイナンスによる早期の資金調達等の施策を実行してまいります。
 当社グループは、上記の各施策を確実に実行することによって、継続企業の前提に関する重要な疑義の解消を目指してまいります。

 

(3) 開発プロジェクトにおける提携先の確保

一般的に、医薬品開発においては多額の資金と長い時間が必要とされ、また予定通りに開発が進捗するとは限らない等、開発上のリスクが存在いたします。このため、当社グループでは、開発プロジェクトのリスクを低減するために、製薬会社と提携し、契約金・マイルストーンや開発協力金を受け取ることにより財務リスクを回避しながら開発を進めるという提携モデルを基本方針としております。

現在、重症虚血肢を対象疾患としたHGF遺伝子治療薬について、米国と日本を対象とした独占的販売契約を田辺三菱製薬株式会社と締結しております。また、CIN治療用ワクチンにつきましては、日米英中の開発販売権を森下仁丹株式会社へ再許諾する契約を締結しております。

今後も、製薬会社との提携を進めることにより、事業基盤の強化に努めてまいります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

4 【事業等のリスク】

当社グループ(当社及び連結子会社2社)の事業展開その他に関してリスク要因と考えられる主な事項は以下のようなものがあります。
 また、投資家の投資判断上、重要であると考えられる事項については、本報告書「第一部 企業情報  第2 事業の状況」の他の項目、「第一部 企業情報 第5 経理の状況」等にも記載しておりますので、併せてご参照ください。将来に関する事項については平成28年12月末現在において判断したものであります。なお、当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針ですが、当社株式に関する投資判断は、以下の記載事項及び本項以外の記載事項を慎重に検討したうえで行われる必要があると考えております。

 

(1) 遺伝子治療の現状について

遺伝子治療とは、遺伝子を用いて病気を治療することです。世界初の遺伝子治療は1990年に米国で、アデノシン・デアミナーゼ(ADA)欠損症という先天的に免疫が正常に働かない遺伝子疾患を対象に実施されました。その後、遺伝子疾患に加え、有効な治療法がない癌や後天性免疫不全症候群などに対しても、遺伝子治療が実施されてきました。国内でも1995年に北海道大学においてADA欠損症を対象とした初めての遺伝子治療が行われ以来、過去20年間に亘り数多くの臨床試験が行われてきました。

遺伝子治療が有効と考えられる対象疾患としてはまず、遺伝子の変異が原因の遺伝子疾患があります。遺伝子疾患では、遺伝子治療により正常な遺伝子を補充することで治療効果が期待しやすいと考えられます。

さらに癌領域でも遺伝子治療が期待されております。癌領域では従来の治療法では十分な治療効果が得られない場合が多く、新しい治療法である遺伝子治療に期待が高まっております。癌の遺伝子治療には、癌抑制遺伝子を投与する方法や、患者の免疫力を高める遺伝子を投与する方法などが研究されています。

最近では血管疾患や心臓疾患、神経変性疾患など慢性疾患も遺伝子治療の対象として研究が進められております。特に、当社が開発を進めているHGF遺伝子治療の対象である足の血管が詰まる閉塞性動脈硬化症や、心筋に酸素や栄養を送る冠動脈の硬化によって起こる虚血性心疾患は、患者数が非常に多い疾患領域であり、事業性の面からも注目されております。

ただし遺伝子治療薬については、これまで米国を中心に数多くの臨床試験が実施されてきたものの、本格的な普及には至っていません。これまで先進国で承認された製品は、稀な代謝疾患であるLPL(リポプロテインリパーゼ)欠損症とADA欠損症を対象とした2例(共に欧州での承認)にとどまっています。遺伝子治療は新規性が高い治療法であることから、現段階では未知のリスクを否定できず、幅広い実用化には至らないリスクがあります。

 

(2) 今後の事業展開について

事業収益は、各プロジェクトの開発に関して提携先から得られる収益及び「ナグラザイム®」の販売による収益によって構成されております。
「ナグラザイム®」は平成20年4月に発売され、当社グループは「ナグラザイム®」の販売による収益を計上しています。今後、対象疾患であるムコ多糖症Ⅵ型の患者に対する啓蒙活動により国内売上の増加が見込まれます。しかしながら、見込み通り患者の増加が実現しない可能性があります。

重症虚血肢を適応症としたHGF遺伝子治療薬に関しては、田辺三菱製薬株式会社に対し末梢性血管疾患を対象とした米国と日本における独占的販売権を付与しており、開発の進捗に伴ったマイルストーン、さらに上市後には売上高の一定率を対価として受け取る予定です。しかしながら、臨床開発の失敗その他の理由により、製造販売承認を取得できない可能性があります。

NF-κBデコイオリゴDNAについては、塩野義製薬株式会社との間でアトピー性皮膚炎などを治療する外用剤全般の全世界における独占的な販売権を付与する契約を締結しており、その契約に基づいて当社グループは、開発の進捗に伴いマイルストーンを受け取り、事業収益に計上しております。しかしながら、当社が開発を進めているNF-κBデコイオリゴDNAのアトピー性皮膚炎の治療薬(AMG0101、軟膏剤)の国内第Ⅲ相臨床試験の解析速報において主要評価項目である投与開始から4週間(28日間)後における主有効性評価部位の「皮膚症状スコア」の変化について、NF-κB デコイオリゴDNA投与群とプラセボ投与群の間で統計学的な有意差は示されませんでした。当社は当該臨床試験の結果の解析を進めておりますが、上記の解析結果を踏まえると、NF-κBデコイオリゴDNAのアトピー性皮膚炎の治療薬(AMG0101、軟膏剤)を医薬品として承認申請を行うことは極めて困難な状況であり、今後開発の中止を決定する可能性があります。このような場合には、当社グループの事業戦略や業績が影響を受ける可能性があります。

また、NF-κBデコイオリゴDNAの新たな対象疾患として、椎間板性腰痛を対象とした臨床開発の実施を計画しています。初期段階の臨床試験の結果が良好であれば、その後大手製薬企業に開発・販売権を導出する計画であり、実現すれば契約締結に伴う一時金、開発の進捗に伴ったマイルストーン、さらに上市後には売上高の一定率を対価として受け取る予定です。しかしながら、臨床開発の失敗その他の理由により、こうした事業計画が実現しない可能性があります。

当社は遺伝子治療薬、デコイオリゴDNAに続く第三の事業の柱としてDNAワクチン事業の推進を掲げています。その一環として高血圧を対象としたDNAワクチンの臨床開発の実施を計画しています。初期段階の臨床試験の結果が良好であれば、その後大手製薬企業に開発・販売権を導出する計画であり、実現すれば契約締結に伴う一時金、開発の進捗に伴ったマイルストーン、さらに上市後には売上高の一定率を対価として受け取る予定です。しかしながら、臨床開発の失敗その他の理由により、こうした事業計画が実現しない可能性があります。

また、当社グループはDNAワクチン事業推進の目的のため長期的観点から、バイカル社に資本参加しています。しかしながら、同社の事業が計画通りに進展しなかった場合やその他の理由により、投資資金を回収できない可能性があります。また、当社グループはバイカル社との間でAllovectin®に関する研究開発契約を締結しており、アジア地域における独占的開発販売権の許諾を受けています。転移性メラノーマ(悪性黒色腫)以外の癌疾患への適用可能性を検討しておりますが、今後、適切な対応策を見いだせない場合には、Allovectin®による将来の収入が見込めない可能性があります。

 

(3) 研究開発について

一般に新薬の開発には、長期に亘る期間と多額の費用が必要です。それにもかかわらず、医薬品の開発は計画通りに進行するとは限らず、臨床試験のために必要とされる症例数を適時に確保できないこと、臨床試験の実施に係る各種業務を支援・代行するCRO(医薬品開発業務受託機関)における業務が計画通り進行しないこと等の様々な要因によって遅延する可能性があります。さらに、様々な試験の結果、期待した有効性を確認できなかったり、安全性に関する許容できない問題が生じたりした場合には、研究開発を中止するリスクがあります。このような場合には、当社グループの事業戦略や業績が影響を受ける可能性があります。

 

(4) 製造について

当社グループは、製品及び治験薬等を自社で製造しておらず、他社からの供給に依存しております。従って、製品や治験薬等について、何らかの要因により、品質上の問題が生じたり、もしくは予定通りに必要な数量を確保できない場合には、開発に遅れが生じたり、製品供給の不足により当社グループの業績が影響を受けたりする可能性があります。

 

(5) 販売について

当社グループが開発中の医薬品については、国内、米国及び欧州等の各地域において、将来競合する可能性のある製品及び開発品が存在します。当社グループは、競争力の高い製品を早期に開発、上市することで、一定の市場シェアの獲得を目指しております。しかしながら、競合他社が当社の想定以上のシェアを獲得した場合には、当社グループが開発した製品が上市された場合においても期待通りの収益をあげられない可能性があります。

また、日本や欧州においては新薬の価格は原則として政府あるいはそれに準じた公的機関により決定され、また、米国においては保険会社・マネージドケア(健康保険運営団体)及び政府のメディケア・プログラムとの交渉により決定されます。そのため、当社グループが開発した製品について当社グループが想定した薬価とならない場合があり期待通りの収益をあげられない可能性があります。

加えて、当社が販売する医薬品について、予期しない副作用が発生した場合には売上高の減少要因となり、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。

 

(6) 薬事法制による規制について

薬事法制は、医薬品・医療機器等の品質、有効性、安全性確保の観点から、企業が行う開発・製造・販売等に関して必要な規制を行う法律であり、当社グループが実施している医薬品の研究開発は日本をはじめ各国の薬事法制の規制を受けております。

各国において、治療環境の変化など様々な要因による承認要件の変更、さらに薬事法制度の変更により、承認を計画通りに取得できない可能性があります。このような場合には、当社グループの事業戦略や業績が影響を受ける可能性があります。

 

(7) 知的財産権について

①  特許戦略

当社グループが現在展開しているHGF遺伝子治療薬、NF-κBデコイオリゴDNAの研究開発活動は、主に当社グループが保有する又は当社グループが実施権を有する特許権あるいは特許出願中の権利に基づき実施しております。以下において、それらのうち特に重要なものを記載しております。

しかしながら、当社グループが現在出願中の特許が全て登録されるとは限りません。また、当社グループの研究開発を超える優れた研究開発により当社グループの特許が淘汰される可能性は、常に存在しております。仮に当社グループの研究開発を超える優れた研究開発がなされた場合、当社グループの事業戦略や経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

さらに、当社グループの今後の事業展開の中でライセンスを受けることが必要な特許が生じ、そのライセンスが受けられなかった場合には、当社グループの事業戦略や経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

対象

表題

保有者

登録(出願)状況

HGF遺伝子治療薬

肝実質細胞増殖因子及びそれをコードする遺伝子

田辺三菱製薬株式会社
(旧 三菱ウェルファーマ株式会社)(注)1

米国にて成立済。

HGF遺伝子からなる医薬

当社

日本、米国、欧州(EP)、カナダ、豪州、中国、韓国、台湾にて成立済。

リンパ管新生促進剤

当社

日本、欧州(EP)にて成立済。

NF-κBデコイオリゴDNA

NF-κBに起因する疾患の治療及び予防剤

当社

米国、欧州(EP)にて成立済。
日本においては、物質特許及び虚血性疾患・臓器移植・癌などの医薬用途特許について成立済。

デコイを含む薬学的組成物及びその使用方法(アトピー性皮膚炎が対象)

当社

日本、米国、欧州(EP)にて成立済。なお日本においては乾癬に対する用途特許も分割出願として成立済。

椎間板の疾患を治療、阻害及び回復するための方法及び組成物

当社

ラッシュ大学(米国)

日本、米国、欧州(EP)、カナダ、にて成立済。

 

(注)1 当社は当該特許の実施権を有しております。

 

②  知的財産権に関する訴訟、クレーム

平成28年12月31日現在において、当社グループの開発に関連した特許権等の知的財産権について、第三者との間で訴訟やクレームが発生したという事実はありません。 

 ただし、他社が当社グループと同様の研究開発を行っていないという保証はなく、今後とも知的財産について問題が発生しないという保証はありません。
 当社グループとしても、このような問題を未然に防止するため、事業展開にあたっては特許調査を実施しており、当社グループ特許が他社の特許に抵触しているという事実は認識しておりません。しかしながら、当社グループのような研究開発型企業にとって、このような知的財産権侵害問題の発生を完全に回避することは困難であります。

 

(8) 業績の推移について

当社グループの主要な経営指標等の推移は以下のとおりであります。

 

 

第14期

第15期

第16期

第17期

第18期

平成24年12月期

平成25年12月期

平成26年12月期

平成27年12月期

平成28年12月期

(1) 連結経営指標等

 

 

 

 

 

 

事業収益

(千円)

444,509

491,311

909,922

430,154

514,269

経常損失

(千円)

△1,716,366

△1,383,225

△2,395,329

△4,089,362

△4,847,297

親会社株主に帰属する当期純損失

(千円)

△1,708,366

△1,409,686

△2,369,205

△4,143,335

△4,776,780

純資産額

(千円)

1,738,562

3,543,534

7,734,440

4,221,356

3,869,382

総資産額

(千円)

2,260,229

3,904,164

8,183,524

4,751,994

4,539,201

営業活動による
キャッシュ・フロー

(千円)

△1,631,074

△1,456,637

△2,703,624

△4,599,416

△4,983,694

投資活動による
キャッシュ・フロー

(千円)

7,174

△27,203

△52,082

△69,371

△829,815

財務活動による
キャッシュ・フロー

(千円)

387,160

3,389,880

6,426,732

716,713

4,793,388

現金及び現金同等物の期末残高

(千円)

354,778

2,295,153

6,011,329

2,068,825

995,620

(2) 個別経営指標等

 

 

 

 

 

 

事業収益

(千円)

442,075

441,311

909,922

430,154

514,269

経常損失

(千円)

△1,704,583

△1,436,883

△2,421,204

△4,131,649

△4,762,602

当期純損失

(千円)

△1,684,339

△1,468,456

△2,386,709

△4,169,657

△4,683,230

資本金

(千円)

9,848,427

11,552,853

14,847,066

15,214,941

17,651,190

純資産額

(千円)

1,703,887

3,414,403

7,556,177

4,017,595

3,777,897

総資産額

(千円)

2,146,939

3,790,381

8,049,938

4,572,839

4,452,862

 

(注) 1 「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日)等を適用し、当連結会計年度より、「当期純損失」を「親会社株主に帰属する当期純損失」としております。 

(注) 2  事業収益には消費税等は含まれておりません。

 

当社グループは、事業のステージが先行投資の段階にあるため、現時点では、上記記載のように、第14期から第18期において親会社株主に帰属する当期純損失を計上しておりますが、現在の事業計画に沿って研究開発を着実に進め、将来、医薬品の販売から得られる収益によって損益を改善し、さらには利益を拡大する計画であります。

ただし、現在の事業計画に沿った医薬品の研究開発や販売が実現しない場合には、当社グループが将来においても親会社株主に帰属する当期純利益を計上できない可能性もあります。

また、上記記載のように、第14期から第18期においては、営業活動によるキャッシュ・フローもマイナスであり、現状の事業計画に沿った医薬品の研究開発や販売が実現しない場合には、将来においても営業活動によるキャッシュ・フローがプラスにならない可能性もあります。

 

(9) 経営上の重要な契約等について

当社のビジネス展開上重要と思われる契約の内容を本報告書「第一部 企業情報 第2 事業の状況 5 経営上の重要な契約等」に記載しております。なお、当社グループは、これらの契約に関して、いずれも当社グループの根幹に関わる重要な契約であると認識しております。したがって、当該契約の破棄が行われた場合、当社グループにとって不利な契約改定が行われた場合及び契約期間満了後に契約が継続されない場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(10)組織体制について

①  人材の確保

当社グループの競争力は研究開発力にあり、専門性の高い研究及び開発担当者の確保が不可欠です。また、事業の成長拡大を支えるためには事業開発、営業、製造、内部管理等の人材も充実させる必要があります。当社グループは、優秀な人材の確保及び社内人材の教育に努めますが、人材の確保及び社内人材の教育が計画どおりに進まない場合には、当社グループの業務に支障をきたす可能性があります。

 一方、当社グループは、業務遂行体制の充実に努めますが、小規模組織であり、限りある人的資源に依存しているために、社員に業務遂行上の支障が生じた場合、あるいは社員が社外流出した場合には、当社グループの業務に支障をきたす可能性があります。

②  特定人物への依存

 当社グループの事業の推進者は、代表取締役である山田英です。代表取締役山田英は、当社グループの最高責任者として、当社グループの経営戦略の決定、研究開発、事業開発及び管理業務の遂行に大きな影響力を有しております。また、当社メディカルアドバイザーである森下竜一には、研究開発の面でアドバイスを受けております。

 当社グループではこれらの特定人物に過度に依存しない体制を構築すべく、経営組織の強化を図っていますが、当面の間はこれらの特定人物への依存度が高い状態で推移すると見込まれます。このような状況のなかで、これらの特定人物が何らかの理由により当社グループの業務を継続することが困難になった場合には、当社グループの事業戦略や経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

(11)訴訟について

当社グループは、医薬品の副作用、製造物責任、知的財産権及び労務問題等に関して、訴訟を提起される可能性があります。将来、当社グループが提訴された場合には、その内容次第で当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。

 

(12)配当政策について

当社グループは、創薬系バイオベンチャーであり、平成20年4月よりムコ多糖症Ⅵ型治療薬「ナグラザイム®」を販売しているものの、主要なプロジェクトにおいては医薬品を開発中であり、事業のステージは、先行投資の段階にあります。このため、現時点においては、親会社株主に帰属する当期純損失を計上しており、剰余金の配当は実施しておりません。

ただし、株主への利益還元については重要な経営課題と認識しており、将来、現在開発中の新薬が上市され、その販売によって利益が計上され分配可能額が生じる時期においては、経営成績及び財政状態を勘案しながら、剰余金の配当を検討したいと考えております。

 

(13)新株予約権の付与(ストック・オプション)制度について

当社はストック・オプション制度を採用しております。当該制度は会社法第236条、第238条及び第239条の規定に基づき、新株予約権を付与する方式により、当社従業員並びに当社子会社の取締役及び従業員に対して付与することを株主総会において決議されたものです。

 これらの新株予約権の目的となる株式の数は平成28年12月31日現在で合計21,000株となり、発行済株式数の0.03%となっております。これらの新株予約権の行使が行われた場合には、当社の1株当たりの株式価値は希薄化する可能性があります。

 

(14)外国為替変動について

当社グループは、事業活動をグローバルに展開しており、海外での研究開発活動、海外企業とのライセンス、海外からの製品及び治験薬の仕入等において外貨建取引が存在します。また、当社グループが現在開発を行っている製品は、日本のみならず、米国を含む海外市場での販売が見込まれます。そのため、急激な為替変動によって為替リスクが顕在化した場合には、当社グループの事業戦略や業績が影響を受ける可能性があります。

 

 

(15)継続企業の前提に関する重要事象等について

医薬品事業は、製品化までに多額の資金と長い時間を要する等特性があり、創薬ベンチャーである当社グループにおいては、継続的な営業損失の発生及び営業キャッシュ・フローのマイナスを計上している状況にあります。そのため、一部のプロジェクトにおいては提携先を確保し、開発協力金等を得ることにより開発資金の低減に努めているほか、ムコ多糖症Ⅵ型治療薬「ナグラザイム®」の販売を行っておりますが、全ての開発投資を補うに足る収益は生じておりません。当社グループは、当連結会計年度末において現金及び預金9億95百万円を有しているものの、全てのプロジェクトを継続的に進めるための十分な資金が不足していることから、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在しております。

 

5 【経営上の重要な契約等】

当社の経営上の重要な契約は以下のとおりであります。

 

(1) 導入

相手先名

契約内容

対価の支払

契約期間

田辺三菱製薬株式会社
(旧  三菱ウェルファーマ株式会社)

HGF遺伝子物質特許の遺伝子治療分野における非独占的実施権の取得

契約一時金及び一定料率のロイヤリティ

平成14年2月14日から、各国ごとに本特許権の全ての満了後5年間

大日本住友製薬株式会社

HGF遺伝子を遺伝子治療に用いるための基本特許の譲渡

一定料率のロイヤリティ

平成12年9月1日から、本特許権の満了日又は発売後10年間の何れか遅く到来する日

バイカル社
(米国)

HGF遺伝子治療薬の投与に関する特許のHGF遺伝子投与についての独占的実施権の取得

契約一時金、マイルストーン、及び一定料率のロイヤリティ

平成17年5月24日から、本特許権の満了日

アステラス製薬株式会社

NF-κBデコイオリゴDNAに関する特許の譲渡

一定料率のロイヤリティ

平成12年8月8日から、本特許権の満了日

バイオマリン ファーマシューティカル インク
(米国)

ナグラザイムの国内における開発、販売権の取得

契約一時金、マイルストーン

平成18年12月29日から12年間

株式会社バイオリーダース(韓国)

子宮頸部前がん治療ワクチンに関する国内、米国、英国及び中国における開発、製造、販売に関する独占的実施権の取得

一定料率のロイヤリティ

平成25年4月3日から、本特許権の満了日

 

 

(2) 導出

相手先名

契約内容

対価の受取

契約期間(契約日)

田辺三菱製薬株式会社

HGF遺伝子治療薬の末梢性血管疾患分野における国内独占的販売権の許諾

契約一時金、マイルストーン及び一定料率の対価

平成27年6月22日から、本製品の販売終了まで。

HGF遺伝子治療薬の末梢性血管疾患における米国での独占的販売権の許諾

契約一時金、マイルストーン及び一定料率の対価

平成24年10月24日から、本製品の販売終了まで。

塩野義製薬株式会社

NF-κBデコイオリゴDNAの皮膚疾患を適用対象とした外用剤の全世界における独占的販売権の許諾

マイルストーン、開発協力金、及び一定料率のロイヤリティ

平成22年12月27日から本製剤が販売されている期間中、存続する

メディキット株式会社

NF-κBデコイオリゴDNA塗布型PTAバルーンカテーテルの日本における開発製造販売契約

マイルストーン、開発協力金、及び一定料率のロイヤリティ

平成24年1月26日(契約日), 平成28年12月6日合意解約

森下仁丹株式会社

バイオリーダースから許諾を受けている「子宮頸部前がん治療ワクチン」に関する国内、米国、英国及び中国における開発、製造、販売に関する独占的再実施権の許諾

契約一時金及び一定料率のロイヤリティ

平成28年12月6日から、特許権の満了日まで。

 

 

 

6 【研究開発活動】

当連結会計年度における研究開発費は41億88百万円(前年同期比6億55百万円(+18.6%)の増加)となりました。主に、HGF遺伝子治療薬の臨床試験にかかる費用、NF-κBデコイオリゴDNAのアトピー性皮膚炎治療薬の第Ⅲ相臨床試験にかかる費用及び椎間板性腰痛症の非臨床試験にかかる費用が増加したことにより、研究用材料費が34百万円、外注費が6億24百万円増加しております。

  当社グループでは、以下のプロジェクトを中心に研究開発を進めました。

 

■HGF遺伝子治療薬(一般名:ベペルミノゲンペルプラスミド、開発コード:AMG0001)(自社品)

<対象疾患:重症虚血肢>

重症虚血肢を対象疾患としたHGF遺伝子治療薬の海外での開発については、平成28年6月に決定した開発計画の変更に基づき、早期に承認申請データを取得することを目的とした米国での試験計画の策定を進めております。今後、新たな第Ⅲ相臨床試験について米国FDAと協議を開始する予定です。

国内では、大阪大学附属病院が主導する医師主導型臨床研究が平成26年10月より実施されております。当社は、この臨床研究の結果も合わせ、条件及び期限付承認制度(平成26年11月に施行された「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(医薬品医療機器等法)」で導入された再生医療等製品の早期実用化を目指した新しい承認制度)を活用することで重症虚血肢を対象とした日本国内での承認申請を行うことを目指しております。なお、日本国内におけるHGF遺伝子治療薬の末梢性血管疾患を対象とした独占的販売権の許諾については、田辺三菱製薬株式会社と平成27年6月に契約を締結しております。

 

 <対象疾患:リンパ浮腫>

リンパ管の障害によりリンパ流が停滞して手足等が高度に腫れる疾患であるリンパ浮腫に対する治療薬の実用化を目指したHGF遺伝子治療薬の開発については、平成25年10月に原発性リンパ浮腫患者を対象とした第Ⅰ/Ⅱ相臨床試験を開始し、平成28年4月に症例登録を完了したことを発表いたしました。この試験は世界で初めてのリンパ浮腫に対する遺伝子治療薬の臨床試験であり、原発性リンパ浮腫患者に対するHGF遺伝子治療薬の有効性と安全性を探索的に確認することを目的としております。

 

■NF-κBデコイオリゴDNA(自社品) 

 <対象疾患:アトピー性皮膚炎> 

NF-κBデコイオリゴDNAのアトピー性皮膚炎の治療薬(AMG0101、軟膏剤)の開発については、平成27年3月から国内第Ⅲ相臨床試験を進めてまいりました。本試験については、解析速報において主要評価項目でプラセボ群に対する統計学的な有意差が示されなかったことが判明し平成28年7月5日に発表いたしました。現在、試験の結果を詳細に解析しており、今後の開発方針について検討しております。なお、NF-κBデコイオリゴDNAのアトピー性皮膚炎を含む皮膚疾患適応について、当社は塩野義製薬株式会社に対し全世界における独占的な販売権を許諾する契約を締結しております。

 <対象疾患:椎間板性腰痛症>

NF-κBデコイオリゴDNAの新たな適用疾患として椎間板性腰痛症を含む腰痛疾患を適応症とした開発を進めています(AMG0103、注射剤)。当社は、平成29年3月23日(現地時間)米国FDAに対し新薬臨床試験開始届け(IND)を申請しました。本申請後30日以内に米国FDAから通知がなければ、臨床試験実施が承認されたことになり、平成29年半ばよりカリフォルニア州立大学サンディエゴ校などで第Ⅰb相臨床試験を開始する予定です。

 <対象疾患:血管再狭窄>

NF-κBデコイオリゴDNAをPTAバルーンカテーテルの外表面に塗布した新規医療機器(AMG0102、薬剤塗布型PTAバルーンカテーテル)の開発については、透析シャントの血管狭窄を有する被験者を対象とした臨床試験を平成24年9月より開始し、平成27年1月に当該臨床試験の症例登録を完了後、同9月に全症例の観察期間が終了いたしました。データ解析の結果、本製品の治療群と既存のPTAバルーンカテーテル群の間で主要評価項目について統計学的な有意差は得られなかったため、本製品の開発を中止することを決定し、提携先であったメディキット株式会社との共同開発契約を終了したことを平成28年12月6日に発表いたしました。

 <その他>

デコイオリゴDNAのその他の開発については、これまでNF-κBデコイオリゴDNAの次世代型デコイの研究を行ってきましたが、NF-κBとSTAT6の2つの転写因子を同時に抑制する働きを持った「キメラデコイ」の基盤技術開発を完了し、この開発を進めていく方針を決定いたしました。NF-κBのみをターゲットとした従来のデコイに比べ、炎症を抑える効果が格段に高いことが期待されます。

また、新たなドラッグデリバリーシステム(DDS)技術に関する共同研究契約を大阪大学と締結いたしました。DDSとは、必要な量の薬物を目標とする細胞に効率的に送達するための技術です。当社が開発を手がける遺伝子医薬は、従来の低分子医薬とは異なる新たなメカニズムで効果を発揮します。反面、低分子医薬に比べサイズが大きいため細胞内に入りにくいという課題があります。このため、DDSの開発は遺伝子医薬の実用化において極めて重要です。まずはこの新規DDS技術をキメラデコイに適用し、炎症性疾患向けの治療薬への応用を検討いたします。

 

■CIN治療ワクチン(GLBL101c、導入・導出開発品)  

 当社は、韓国のBioLeaders Corporation(以下「バイオリーダース社」といいます。)より、子宮頸がん前がん病変(CIN) の治療ワクチン(CIN治療ワクチン)について日米英中の開発、製造、使用及び販売の独占的実施権を取得しています。本開発品については、当社が保有する権利を森下仁丹株式会社に独占的に再許諾する契約を平成28年12月6日に同社と締結し、同日発表いたしました。当社は同社から契約一時金を受領しており、今後商業化時のロイヤリティを受け取ります。同契約により、本開発品の開発主体は当社から森下仁丹株式会社に移管されます。

 

■高血圧DNAワクチン(開発コード:AGMG0201)(自社品)

 当社は遺伝子治療薬、核酸医薬につづく遺伝子医薬の第三の事業として、DNAワクチンの開発を本格化させることとし、最初の開発品として高血圧DNAワクチンの臨床開発を開始することを決定いたしました。平成29年度の臨床試験開始に向け、現在,準備を進めております。

 

■バイカル社との戦略的な事業協力

 当社は平成28年12月8日にバイカル社と戦略的事業提携を締結し、DNAワクチン分野を中心に広範な事業協力を進めていくことで合意しました。今後、共同開発の可能性を含め、協力の具体策を検討してまいります。

 また当社は、がん治療薬 Allovectin®(アロベクチン)に関し、バイカル社よりアジアの開発権を取得しており、開発計画を検討しております。
 
 

 

 

 

 

医薬品開発の状況

(自社品)

区分

製品名/プロジェクト

適応症

地域

開発段階

主な提携先

 


 

 

 

 

 

HGF遺伝子治療薬

重症虚血肢
(閉塞性動脈硬化症及びバージャー病)

日本

  第Ⅲ相終了、
医師主導臨床研究※1

田辺三菱製薬株式会社
(販売権供与)

米国

第Ⅲ相計画中

田辺三菱製薬株式会社
(販売権供与)

リンパ浮腫

日本

第I/Ⅱ相

未定

高血圧DNA治療  ワクチン

高血圧症

 

第Ⅰ相準備中
(オーストラリア)

未定

NF-κBデコイオリゴDNA

アトピー性皮膚炎

日本

(軟膏剤)
第Ⅲ相終了※2

塩野義製薬株式会社
(販売権供与(全世界))

椎間板性腰痛症

 

第Ib相
準備中(米国)

未定

 

 ※1 日本は今後、条件及び期限付承認制度を活用して承認申請を行う計画です。

 ※2 主要評価項目においてプラセボ投与群との間に統計学的な有意差は示されませんでした。詳細な結果を検証し、今後の開発方針を決定する予定です。

 

(導入開発品)

区分

製品名/プロジェクト

適応症

当社の権利

開発段階

導入元

 

 

 

CIN治療ワクチン

子宮頸がん
前がん病変

日米英中の開発販売権  

研究者主導
臨床研究

(日本)

バイオリーダース社  (韓国)から導入し、森下仁丹株式会社に導出

Allovectin®
(遺伝子治療薬)

癌全般

アジアの開発販売権

検討中

バイカル社(米国)

 

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。重要な会計方針については、本報告書「第一部 企業情報 第5 経理の状況」に記載のとおりであります。連結財務諸表及び注記事項等の作成上、必要な会計上の見積りを行っておりますが、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。

 

(2) 当連結会計年度の経営成績の分析

<事業収益>

 

事業別

第16期

(自  平成26年1月1日

至  平成26年12月31日)

第17期

(自  平成27年1月1日

至  平成27年12月31日)

第18期

(自  平成28年1月1日

至  平成28年12月31日)

金額(千円)

構成比
(%)

金額(千円)

構成比
(%)

金額(千円)

構成比
(%)

医薬品

909,922

100.0

430,154

100.0

514,269

100.0

合計

909,922

100.0

430,154

100.0

514,269

100.0

 

(注)  金額には消費税等は含まれておりません。

 

当連結会計年度における事業収益は、5億14百万円(前年同期比84百万円(+19.6%)の増収)となりました。当社グループでは、提携企業からの開発協力金や研究用試薬の一定率をロイヤリティとして、研究開発事業収益に計上しております。また、ムコ多糖症Ⅵ型治療薬「ナグラザイム®」の販売収入につきまして、商品売上高に計上しております。

当連結会計年度においては、商品売上高が3億46百万円(前年同期比3百万円(△0.9%)の減収)、研究開発事業収益は1億67百万円(前年同期比87百万円(+109.2%)の増収)となっております。研究開発事業収益の増収は、提携企業からの契約一時金の増加によるものです。

 

<研究開発費>

当連結会計年度における研究開発費は41億88百万円(前年同期比6億55百万円(+18.6%)の増加)となりました。主に、HGF遺伝子治療薬の臨床試験にかかる費用、NF-κBデコイオリゴDNAのアトピー性皮膚炎治療薬の第Ⅲ相臨床試験にかかる費用及び椎間板性腰痛症の非臨床試験にかかる費用が増加したことにより、研究用材料費が34百万円、外注費が6億24百万円増加しております。

当社グループのような研究開発型バイオベンチャー企業にとって研究開発は生命線でありますので、提携戦略により財務リスクの低減を図りながら、今後も積極的な研究開発投資を行っていく予定です。研究開発の詳細については、本報告書「第一部 企業情報 第2 事業の状況 6 研究開発活動」をご参照ください。

 

 <販売費及び一般管理費>

当連結会計年度における販売費及び一般管理費は9億14百万円(前年同期比24百万円(+2.8%)の増加)となりました。コンサルタント費用の増加により、支払手数料が24百万円増加しております。また、法人事業税の資本割の税率変更及び増資により、租税公課が45百万円増加しております。

 

<営業損失>

当連結会計年度の営業損失は47億63百万円(前年同期の営業損失は41億71百万円)となりました。契約一時金の増加により、事業収益は前年同期比84百万円の増収となりました。主に研究用材料費及び外注費の増加により研究開発費が6億55百万円増加し、主に支払手数料及び租税公課の増加により販売費及び一般管理費が24百万円増加しております。その結果、営業損失は前年同期より5億91百万円拡大しております。

 

<経常損失>

 当連結会計年度の経常損失は、48億47百万円(前年同期の経常損失は40億89百万円)となりました。前年同期においては、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術開発機構からの助成金を計上しておりましたが、当期においては発生しなかったことにより、補助金収入が72百万円減少しております。前年同期においては為替差益が21百万円発生しておりましたが、当期においては為替差損が4百万円となっております。新株の発行に伴い、株式交付費が67百万円増加しております。

 

<親会社株主に帰属する当期純損失>

 当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純損失は、47億76百万円(前年同期の親会社株主に帰属する当期純損失は41億43百万円)となり、前年同期より6億33百万円損失が拡大しております。特別利益において、失効した新株予約権を戻し入れたことに伴い、新株予約権戻入益が42百万円発生しております(前年同期は57百万円)。保有する株式を売却したことに伴い、投資有価証券売却益が44百万円発生しております。特別損失においては、前年同期において投資有価証券評価損92百万円を計上しておりましたが、当連結会計年度においては発生しておりません。

 

(3) 当連結会計年度の財政状態の分析

当連結会計年度末の総資産は45億39百万円(前連結会計年度末比2億12百万円の減少)となりました。流動資産は、新株予約権の発行及び行使に伴う48億72百万円の入金はありましたが、当期事業費用への充当及びDNAワクチン事業の強化・推進を目的としたバイカル社への出資により、現金及び預金は10億79百万円の減少となっております。HGF遺伝子治療薬、NF-κBデコイオリゴDNA及び高血圧DNAワクチンの原薬を製造したことに伴い、原材料及び貯蔵品が4億45百万円増加しております。また、主にNF-κBデコイオリゴDNAのアトピー性皮膚炎の臨床試験及び高血圧DNAワクチンの非臨床試験が終了したことに伴い、前渡金が2億57百万円減少しております。これにより、流動資産は6億23百万円の減少となりました。

固定資産は、バイカル社株式の追加取得等に伴い、投資有価証券が4億5百万円増加しております。

当連結会計年度末の負債は6億69百万円(前連結会計年度末比1億39百万円の増加)となりました。主にナグラザイム®の仕入に係る債務が増加したことにより、買掛金が1億42百万円増加しております。

 純資産は38億69百万円(前連結会計年度末比3億51百万円の減少)となりました。新株予約権の行使による株式の発行に伴い、資本金及び資本剰余金がそれぞれ24億36百万円増加しております。親会社株主に帰属する当期純損失47億76百万円の計上により、利益剰余金が減少しております。保有する株式の評価額の下落に伴い、その他有価証券評価差額金が3億86百万円減少しております。

 

(4) 当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析

本報告書「第一部 企業情報 第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

(5)事業のリスクに記載した重要事象等についての分析及び改善するための対応方法

当社グループは、当連結会計年度末において現金及び預金9億95百万円を有しているものの、全てのプロジェクトを継続的に進める十分な資金が不足していることから、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在しております。

当社グループは当該状況を解消すべく、以下の諸施策により取り組んでまいります。
    ①選択と集中による開発対象の選別   
    ②資金の調達
  ①に関しましては、当社グループの開発プロジェクトの選択を行い、開発の最終段階にあるプロジェクト、及び早期の製薬企業等に導出することで一時金等の収入や研究開発費の負担削減が見込めるプロジェクトを中心に開発を行ってまいります。 
  ②に関しましては、新規提携先確保による契約一時金等の調達及びエクイティファイナンスによる早期の資金調達等の施策を実行してまいります。

当社グループは、上記の各施策を確実に実行することによって、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせる状況を解消または改善することも可能であると考えており、第27回新株予約権(第三者割当て)の発行により、平成28年4月に30億72百万円を、また、第28回新株予約権(第三者割当て)の発行により、平成28年8月から10月までの間に18億円を調達いたしました。さらに、平成28年12月19日開催の取締役会において第29回新株予約権(第三者割当て)発行の決議を行いました。しかしながら、すべてのプロジェクトを継続的に進めるための十分な資金には至っておらず、将来のキャッシュ・フロ-が不確実であるため、現時点において、継続企業の前提に関する重要な不確実性が存在していると判断しております。

 なお、連結財務諸表は継続企業を前提としており、上記のような継続企業の前提に関する重要な不確実性の影響を連結財務諸表には反映しておりません。
 

(6) 将来の見通し

①  事業の見通し

次期の見通しについては、連結業績予想として、事業収益3億60百万円、営業利益、経常利益及び親会社株主に帰属する当期純利益とも△34億円を見込んでおります。
 事業収益については、ムコ多糖症Ⅵ型治療薬「ナグラザイム®」の販売量増加を見込みますが、提携企業からの契約一時金の減少により、当期に比べ減収となる見込みです。
 営業利益、経常利益及び親会社株主に帰属する当期純利益に関しては、NF-κBデコイオリゴDNAのアトピー性皮膚炎を対象とした国内での第Ⅲ相臨床試験費用等の削減により、研究開発費が減少することから、当期に比べ増益となる見込みです。

②  見通しの前提及び見通しに関する注意事項

将来の見通しについては、当連結会計年度末において、入手可能な情報及び将来の業績に与える不確実要因に関しての仮定を前提としております。