【注記事項】
(継続企業の前提に関する事項)

医薬品事業は、製品化までに多額の資金と長い時間を要する等の特性があり、創薬ベンチャーである当社においては、継続的に営業損失及び営業キャッシュ・フローのマイナスを計上している状況にあります。そのため、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在しております。

当社は当該状況を解消すべく、下記を重要な課題として取組んでおります。

①自社既存プロジェクトの推進

当社は、現在開発している医薬品等のプロジェクトを確実に進捗させることが当社の重要な課題と認識しております。

当社では、2019年3月に国内初の遺伝子治療用製品「コラテジェン®」の条件及び期限付承認を厚生労働省から取得し、同年9月から販売を開始いたしました。現在、製造販売後承認条件評価を行うとともに米国での閉塞性動脈硬化症を対象とした後期第Ⅱ相臨床試験を進めております。また、米国において第Ⅰ相臨床試験を実施した椎間板性腰痛症向けの核酸医薬NF-κBデコイオリゴDNAは、2023年1月30日に日本国内における第Ⅱ相臨床試験を行うことを決定いたしました。また、2020年3月より開発を進めていた新型コロナウイルス感染症の武漢型予防DNAワクチンの開発は中止に至りましたが、広範な免疫応答を刺激し、ウイルスの増殖防止、拡散の阻止が期待される改良型DNAワクチンの経鼻投与製剤に関する共同研究をスタンフォード大学と開始いたしました。Vasomune社と共同開発しているTie2受容体アゴニストは2022年1月より重度の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による肺炎を対象に前期第Ⅱ相臨床試験を米国及び南米で進めておりましたが、対象疾患をインフルエンザ等のウイルス性及び細菌性肺炎を含むARDSに広げて継続的に進めております。

これら開発中の医薬品について、今後も優先順位を意識しながら開発を進めてまいります。

②開発パイプラインの拡充と事業基盤の拡大

当社の主力事業である医薬品開発では、開発品の製品化は非常に難易度が高いため、常に開発パイプラインを充実させることが重要な課題と認識しております。

当社はゲノム編集における先進技術を持つ子会社のEmendo社において、究極の遺伝子治療ともいわれるゲノム編集で具体的なプロジェクト化に向けて準備を進めています。同社は、ゲノム編集の安全な医療応用を目指し、新規CRISPRヌクレアーゼを探索・最適化するプラットフォーム技術(OMNI Platform)を確立しており、血液、眼科、肝代謝などの疾患領域についてパイプラインを構築しており、最も進んだELANE関連重症先天性好中球減少症を対象としたプロジェクトは米国での臨床試験実施に向けFDAと協議を開始しております。Emendo社ではゲノム編集技術の開発をとおして、遺伝性希少疾患に加え様々な疾患へのゲノム編集技術による治療を検討しております。

また、当社は、大変希少な致死性の遺伝的早老症であるハッチンソン・ギルフォード・プロジェリア症候群及びプロジェロイド・ラミノパチーの治療薬Zokinvyの日本での独占販売契約を2022年5月に米国のバイオ医薬品企業 Eiger社と締結し、現在承認申請に向けた準備を進めております。また、新型コロナウイルス感染症を含むウイルス性肺疾患に対する改良型DNAワクチンの経鼻投与製剤についてスタンフォード大学と開始した共同研究を進め、早期に臨床開発に移行し開発パイプライン拡大に繋げられるように取組んでまいります。

また、2021年に開設いたしましたACRLの「希少遺伝性疾患のオプショナルスクリーニング検査 」はこれまで首都圏を対象として受託をしておりましたが、今後は対象地域の拡大並びに民間の検査会社などからの受託を目指し受託活動を進めてまいります。さらに、これまでのスクリーニング検査に加え、希少遺伝性疾患の確定検査や治療の効果をモニタリングするバイオマーカーの検査など、希少遺伝性疾患の診断から治療に至るまでの包括的な検査を実施できる体制の構築を進めてまいります。

これらの開発パイプラインの拡充や事業基盤の拡大により、当社は遺伝子治療の世界でグローバルリーダーを目指します。

今後も、ライセンス導入や共同開発、創薬プラットフォーム技術の獲得を目指した事業提携に加え、他社に対する資本参加や他社の買収等により開発品パイプラインの拡充による事業基盤の拡大を図り、将来の成長を実現してまいります。

③開発プロジェクトにおける提携先の確保

当社では、製薬会社との提携により、開発リスクを低減するとともに、契約一時金・マイルストーンや開発協力金を受け取ることにより財務リスクを低減しながら開発を進め、上市後にロイヤリティを受領するという提携モデルを基本方針としております。

HGF遺伝子治療用製品「コラテジェン®」に関しましては、日本と米国を対象とした独占的販売契約を田辺三菱製薬と締結しており、マイルストーン収入やロイヤリティ収入が見込めます。また、イスラエルにおきましては、独占的販売権の許諾について2019年2月に基本合意書を締結したKamada社が、2022年にイスラエル保健省に承認申請を行い受理されました。さらにトルコにおいて、2020年10月にスペシャルティ薬(特定疾患専門薬)を扱うEr-Kim社と独占的販売権許諾に関する基本合意書を締結しました。

今後も、更なる製薬会社等との提携を検討するとともに、開発プロジェクトに協力いただける企業を開拓し、事業基盤の強化に努めてまいります。

④資金調達の実施

当社にとって、研究開発活動及び事業基盤の拡大を推進することは継続的な発展のために重要であり、そのためには状況に応じ機動的に資金調達を行うことが必要となります。2022年10月12日に発行したCantor Fitzgerald & Co.を割当先とする第42回新株予約権(第三者割当て)について2022年12月末日までにその一部が行使され、35億89百万円(新株予約権発行による入金を含む)を調達いたしました。今後も、研究開発活動推進及び企業活動維持のために必要となる資金調達の可能性を適宜検討してまいります。

しかしながら、現時点において上記に記載したプロジェクトを継続的に進めるための資金調達の方法、調達金額、調達時期については確定しておらず、継続企業の前提に関する重要な不確実性が存在していると判断しております。

なお、財務諸表は継続企業を前提としており、上記のような継続企業の前提に関する重要な不確実性の影響を財務諸表には反映しておりません。

 

 

 

(重要な会計方針)

1  有価証券の評価基準及び評価方法

  (1) その他有価証券

市場価格のない株式等以外のもの

時価法

(評価差額は、全部純資産直入法により処理し、売却原価は、移動平均法により算定)

市場価格のない株式等

移動平均法による原価法

なお、投資事業有限責任組合への出資(金融商品取引法第2条第2項により有価証券とみなされるもの)については、組合契約に規定される決算報告日に応じて入手可能な直近の決算書を基礎とし、持分相当額を純額で取り込む方法によっております。

  (2) 子会社株式、関連会社株式及びその他関係会社有価証券

移動平均法による原価法

2  棚卸資産の評価基準及び評価方法

評価基準は原価法(収益性の低下による簿価切下げの方法)によっております。

  (1) 製品、原材料

移動平均法による原価法(貸借対照表価額は収益性の低下に基づく簿価切下げの方法によって算定)

  (2) 貯蔵品

個別法による原価法(貸借対照表価額は収益性の低下に基づく簿価切下げの方法によって算定)

3  固定資産の減価償却の方法

  (1) 有形固定資産(リース資産を除く)

定率法

但し、2016年4月1日以降に取得した建物附属設備及び構築物については、定額法を採用しております。

なお、主な耐用年数は以下のとおりであります。

建物

8年~18年

工具、器具及び備品

8年~15年

 

4  繰延資産の処理方法

  (1) 株式交付費及び新株予約権発行費

支出時に全額費用として計上しております。

5 重要な収益及び費用の計上基準

当社は、医薬品の研究開発を行っており、製品販売収入及び手数料収入を得ております。当社の顧客との契約から生じる収益に関する主な履行義務の内容及び当該履行義務を充足する通常の時点(収益を認識する通常の時点)は以下のとおりであります。

 (1) 製品販売収入

医薬品の販売による収益は、医薬品に対する支配を顧客に移転することにより履行義務が充足されるときに認識することとなりますが、当社グループにおける医薬品等の国内の販売において、出荷時から当該医薬品の支配が顧客に移転されるときまでの期間が通常の期間であるため、「収益認識に関する会計基準の適用指針」第98項に定める代替的な取り扱いを適用して出荷時に収益を認識しております。

  (2) 手数料収入

オプショナルスクリーニング検査事業におきましては、新生児の希少遺伝性疾患に関する検査の受託を行っており、顧客との契約に基づいて、検査結果を報告する履行義務を負っております。当該履行義務は、検査結果を顧客に報告した一時点において、顧客が当該測定結果に対する支配を獲得することから、当該時点で収益を認識しております。

6  外貨建の資産及び負債の本邦通貨への換算基準

外貨建金銭債権債務は、決算日の直物為替相場により円貨に換算し、換算差額は損益として処理しております。

 

 

(重要な会計上の見積り)

1.関係会社株式の評価

(1) 当事業年度の財務諸表に計上した金額

 

 

(千円)

 

前事業年度

当事業年度

関係会社株式

20,344,113

20,344,113

 

当事業年度の財務諸表に計上されている関係会社株式のうち、EmendoBio Inc.に係るもの19,516,851千円(前事業年度19,516,851千円)が含まれております。

 

(2) 識別した項目に係る重要な会計上の見積りの内容に関する事項

関係会社株式のうち、EmendoBio Inc.に係る株式は市場価格のない株式等であり、実質価額に超過収益力を反映しております。超過収益力を反映した実質価額が著しく低下し、その回復可能性が認められない場合に、帳簿価額を回収可能価額まで減額します。

当社は、株式取得時に見込んだ超過収益力が将来に亘って発現するかに着目し、子会社化した際の事業計画における研究開発計画について、実際の進捗を確認した上で超過収益力を反映した実質価額を算定しております。

事業計画及びその前提となる仮定は、経営者の最善の見積りによって決定しておりますが、将来の研究開発の進捗等によって影響を受ける可能性があり、仮定の見直しが必要となった場合には翌事業年度の財務諸表において、関係会社株式の金額に重要な影響を与える可能性があります

 

(会計方針の変更)

(収益認識に関する会計基準等の適用)

「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という。)等を当事業年度の期首から適用し、約束した財又はサービスの支配が顧客に移転した時点で、当該財又はサービスと交換に受け取ると見込まれる金額で収益を認識することといたしました。

収益認識会計基準等の適用については、収益認識会計基準第84項ただし書きに定める経過的な取扱いに従っており、当事業年度の期首より前に新たな会計方針を遡及適用した場合の累積的影響額を、当事業年度の期首の利益剰余金に加減し、当該期首残高から新たな会計方針を適用しております。

この結果、当事業年度の損益への影響はありません。また、利益剰余金の当期首残高への影響はありません。

また、収益認識基準第89-3項に定める経過的な取扱いに従って、前事業年度に係る顧客との契約から生じる収益を分解した情報を記載しておりません。

 

(時価の算定に関する会計基準等の適用)

「時価の算定に関する会計基準」(企業会計基準第30号 2019年7月4日。以下「時価算定会計基準」という。)等を当事業年度の期首から適用し、時価算定会計基準第19項及び「金融商品に関する会計基準」(企業会計基準第10号 2019年7月4日)第44-2項に定める経過的な取扱いに従って、時価算定会計基準等が定める新たな会計方針を、将来にわたって適用することといたしました。なお、財務諸表に与える影響はありません。

 

 

(損益計算書関係)

※1  (前事業年度)

 製品売上高から製品売上原価を差し引いた売上総利益は、13,951千円であります。

 手数料収入から手数料売上原価を差し引いた売上総利益は、△6,524千円であります。

 

 (当事業年度)

 製品売上高から製品売上原価を差し引いた売上総利益は、△14,053千円であります。

 手数料収入から手数料売上原価を差し引いた売上総利益は、△12,775千円であります。

 

※2  研究開発費の主要な費目及び金額は次のとおりであります。

 

前事業年度

(自  2021年1月1日

至  2021年12月31日)

当事業年度

(自  2022年1月1日

至  2022年12月31日)

給料及び手当

260,437

千円

279,080

千円

支払手数料

306,560

 

409,181

 

外注費

5,554,100

 

5,661,809

 

研究用材料費

1,810,960

 

1,235,798

 

減価償却費

6,346

 

7,061

 

 

 

※3  販売費に属する費用の割合は3.7%、一般管理費に属する費用の割合は96.3%であります。

 主要な費目及び金額は次のとおりであります。

 

前事業年度

(自  2021年1月1日

至  2021年12月31日)

当事業年度

(自  2022年1月1日

至  2022年12月31日)

役員報酬

119,111

千円

142,816

千円

給料及び手当

168,629

 

173,073

 

支払手数料

692,796

 

644,027

 

租税公課

247,064

 

265,093

 

減価償却費

3,799

 

2,799

 

地代家賃

34,244

 

33,111

 

 

 

(有価証券関係)

前事業年度(自  2021年1月1日  至  2021年12月31日)

子会社株式及び関連会社株式(貸借対照表計上額  子会社株式 19,568,841千円 関連会社株式 775,271千円)は、市場価格がなく、時価を把握することが極めて困難と認められることから、記載しておりません。

 

当事業年度(自  2022年1月1日  至  2022年12月31日)

子会社株式及び関連会社株式(貸借対照表計上額  子会社株式 19,568,841千円 関連会社株式 775,271千円)は、市場価格のない株式等のため、時価を記載しておりません。

 

 

(税効果会計関係)

1  繰延税金資産及び繰延税金負債の発生の主な原因別の内訳

 

前事業年度
(2021年12月31日)

当事業年度
(2022年12月31日)

繰延税金資産

 

 

 減価償却費

30,590千円

84,359千円

 有価証券等評価損

327,478

25,461

 繰越欠損金

9,521,740

 11,197,542

  委託研究認定損

1,238,739

1,538,044

 その他

635,478

682,638

繰延税金資産小計

11,754,026

 13,528,047

 税務上の繰越欠損金に係る

 評価性引当額 

△9,521,740

△11,197,542

  将来減算一時差異等の合計に

 係る評価性引当額

△2,192,373

△2,304,389

評価性引当額小計

△11,714,114

 △13,501,932

繰延税金資産合計

39,912

26,115

繰延税金負債

 

 

 寄附金認定損

△11,785

  その他有価証券評価差額金

△16,082

 △8,734

 その他

△28,126

△26,115

繰延税金負債合計

△55,995

△34,849

繰延税金負債の純額

△16,082

 △8,734

 

 

2  法定実効税率と税効果会計適用後の法人税等の負担率との差異の原因となった主な項目別の内訳

 

前事業年度
(2021年12月31日)

当事業年度
(2022年12月31日)

法定実効税率

30.6%

30.6%

(調整)

 

 

交際費等永久に損金に算入されない項目

△0.1

△0.1

住民税均等割

△0.1

 △0.1

繰越欠損金の期限切れ

△6.4

△8.3

評価性引当額の増減

△24.3

△22.1

その他

0.2

△0.1

税効果会計適用後の法人税等の負担率

△0.1

△0.1

 

 

(収益認識関係)

顧客との契約から生じる収益を理解するための基礎となる情報は、連結財務諸表「注記事項(収益認識関係)」における記載事項と同一のため、記載を省略しております。

 

(重要な後発事象)

連結財務諸表「注記事項(重要な後発事象)」に同一の内容を記載しているため、注記を省略しております。