医薬品事業は、製品化までに多額の資金と長い時間を要する等の特性があり、創薬ベンチャーである当社グループにおいては、継続的に営業損失及び営業キャッシュ・フローのマイナスを計上している状況にあります。そのため、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しております。
当社グループは当該状況を解消すべく、下記を重要な課題として取組んでおります。
①自社既存プロジェクトの推進
当社グループは、現在開発している医薬品等のプロジェクトを確実に進捗させることが当社グループの重要な課題と認識しております。
当社グループでは、2019年3月に国内初の遺伝子治療用製品コラテジェンの条件及び期限付承認を厚生労働省から取得し、同年9月から販売を開始いたしました。製造販売後承認条件評価のための目標症例数の患者登録が完了し本承認に向けた申請の準備を進めております。また、米国での閉塞性動脈硬化症を対象とした後期第Ⅱ相臨床試験は2022年度末までに当初目標症例の投与を完了し、2023年第1四半期連結累計期間において脱落例対応も完了し、投与後の経過観察を実施しております。
米国において後期第Ⅰ相臨床試験を実施した椎間板性腰痛症向けの核酸医薬NF-κBデコイオリゴDNAは、日本国内における第Ⅱ相臨床試験の準備を進めております。
Vasomune社と共同開発しているTie2受容体アゴニストはこれまで重度の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による肺炎を対象としておりましたが、重症化リスクが低いオミクロン株への置き換わりが進み、対象疾患をインフルエンザ等のウイルス性及び細菌性肺炎を含む急性呼吸切迫症候群(ARDS)に広げて米国FDAに申請し承認を受け前期第Ⅱ臨床試験を進めております。
これら開発中の医薬品について、今後も優先順位を意識しながら開発を進めてまいります。
②開発パイプラインの拡充と事業基盤の拡大
当社グループの主力事業である医薬品開発では、開発品の製品化は非常に難易度が高いため、常に開発パイプラインを充実させることが重要な課題と認識しております。
当社グループはゲノム編集における先進技術を持つ子会社のEmendo社において、究極の遺伝子治療ともいわれるゲノム編集で具体的なプロジェクト化に向けて準備を進めています。同社は、ゲノム編集の安全な医療応用を目指し、新規CRISPRヌクレアーゼを探索・最適化するプラットフォーム技術(OMNI Platform)を確立しており、血液、眼科、肝代謝などの疾患領域についてパイプラインを構築しており、最も進んだELANE関連重症先天性好中球減少症を対象としたプロジェクトは米国での臨床試験実施に向けFDAと協議を開始し、2023年度中の米国での臨床試験開始に向けた準備を進めております。同社はゲノム編集技術の開発をとおして、遺伝性希少疾患に加え様々な疾患へのゲノム編集技術による治療を検討しております。
当社グループは、大変希少な致死性の遺伝的早老症であるハッチンソン・ギルフォード・プロジェリア症候群及びプロジェロイド・ラミノパチーの治療薬Zokinvyの日本での独占販売契約を2022年5月に米国のバイオ医薬品企業 Eiger社と締結し、現在承認申請に向けた準備を進めております。
2020年3月より開発を進めていた新型コロナウイルス感染症の武漢型予防DNAワクチンの開発は中止に至りましたが、広範な免疫応答を刺激し、ウイルスの増殖防止、拡散の阻止が期待される改良型DNAワクチンの経鼻投与製剤に関する共同研究をスタンフォード大学と開始し、早期に臨床開発に移行し開発パイプライン拡大に繋げられるように取組んでまいります。
ACRLの「希少遺伝性疾患のオプショナルスクリーニング検査」は首都圏を対象として受託をしておりますが、今後は各自治体や民間の検査センター等との連携により追加スクリーニング検査の受託拡大活動を進めてまいります。さらに、これまでのスクリーニング検査に加え、希少遺伝性疾患の確定検査や治療の効果をモニタリングするバイオマーカーの検査など、希少遺伝性疾患の診断から治療に至るまでの包括的な検査を実施できる体制の構築を進めてまいります。
これらの開発パイプラインの拡充や事業基盤の拡大により、当社グループは遺伝子治療の世界でグローバルリーダーを目指します。
今後も、ライセンス導入や共同開発、創薬プラットフォーム技術の獲得を目指した事業提携に加え、他社に対する資本参加や他社の買収等により開発品パイプラインの拡充による事業基盤の拡大を図り、将来の成長を実現してまいります。
③開発プロジェクトにおける提携先の確保
当社グループでは、製薬会社との提携により、開発リスクを低減するとともに、契約一時金・マイルストーンや開発協力金を受け取ることにより財務リスクを低減しながら開発を進め、上市後にロイヤリティを受領するという提携モデルを基本方針としております。
コラテジェンに関しましては、日本と米国を対象とした独占的販売契約を田辺三菱製薬と締結しており、マイルストーン収入やロイヤリティ収入が見込めます。また、イスラエルにおきましては、独占的販売権の許諾について2019年に基本合意書を締結したKamada社が、2022年にイスラエル保健省に承認申請を行い受理されました。さらにトルコにおいては、2020年にスペシャルティ薬(特定疾患専門薬)を扱うEr-Kim社と独占的販売権許諾に関する基本合意書を締結しました。
今後も、更なる製薬会社等との提携を検討するとともに、開発プロジェクトに協力いただける企業を開拓し、事業基盤の強化に努めてまいります。
④資金調達の実施
当社グループにとって、研究開発活動及び事業基盤の拡大を推進することは継続的な発展のために重要であり、そのためには状況に応じ機動的に資金調達を行うことが必要となります。2022年10月12日に発行したCantor Fitzgerald & Co.を割当先とする第42回新株予約権(第三者割当て)について2023年3月末日までにその一部が行使され、調達開始から46億55百万円(新株予約権発行による入金を含む)を調達いたしました。今後も、研究開発活動推進及び企業活動維持のために必要となる資金調達の可能性を適宜検討してまいります。
しかしながら、現時点において上記に記載したプロジェクトを継続的に進めるための資金調達の方法、調達金額、調達時期については確定しておらず、継続企業の前提に関する重要な不確実性が存在していると判断しております。
なお、連結財務諸表は継続企業を前提としており、上記のような継続企業の前提に関する重要な不確実性の影響を連結財務諸表には反映しておりません。
「時価の算定に関する会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第31号 2021年6月17日。以下「時価算定会計基準適用指針」という。)を当第1四半期連結会計期間の期首から適用し、時価算定会計基準適用指針第27-2項に定める経過的な取扱いに従って、時価算定会計基準適用指針が定める新たな会計方針を将来にわたって適用することとしております。これによる、四半期連結財務諸表に与える影響はありません。
当第1四半期連結累計期間に係る四半期連結キャッシュ・フロー計算書は作成しておりません。なお、第1四半期連結累計期間に係る減価償却費(のれんを除く無形固定資産に係る償却費を含む。)及びのれんの償却額は、次のとおりであります。
前第1四半期連結累計期間(自 2022年1月1日 至 2022年3月31日)
1 配当金支払額
該当事項はありません。
2 基準日が当第1四半期連結累計期間に属する配当のうち、配当の効力発生日が当第1四半期連結会計期間の末日後となるもの
該当事項はありません。
3 株主資本の著しい変動
該当事項はありません。
当第1四半期連結累計期間(自 2023年1月1日 至 2023年3月31日)
1 配当金支払額
該当事項はありません。
2 基準日が当第1四半期連結累計期間に属する配当のうち、配当の効力発生日が当第1四半期連結会計期間の末日後となるもの
該当事項はありません。
3 株主資本の著しい変動
当社は、2023年1月1日から2023年3月31日までの間に、Cantor Fitzgerald & Co.から新株予約権の権利行使による払込みを受けました。この結果、当第1四半期連結累計期間において資本金が538,962千円、資本準備金が538,962千円増加し、当第1四半期連結会計期間末において資本金が35,685,330千円、資本剰余金が18,006,655千円となっております。
【セグメント情報】
Ⅰ 前第1四半期連結累計期間(自 2022年1月1日 至 2022年3月31日)
Ⅱ 当第1四半期連結累計期間(自 2023年1月1日 至 2023年3月31日)
(収益認識関係)
顧客との契約から生じる収益を分解した情報
(1)財又はサービスの種類別の内訳
前第1四半期連結累計期間(自2022年1月1日 至2022年3月31日)
当第1四半期連結累計期間(自2023年1月1日 至2023年3月31日)
1株当たり四半期純損失金額及び算定上の基礎は、以下のとおりであります。
(注)潜在株式調整後1株当たり四半期純利益金額については、ストック・オプション制度導入に伴う新株予約権残高がありますが、1株当たり四半期純損失が計上されているため記載しておりません。
1.資本金及び資本準備金の額の減少並びに剰余金の処分
当社は、2023年2月24日開催の取締役会において、2023年3月30日開催の第24期定時株主総会に、資本金、資本準備金の額の減少並びに剰余金の処分について付議することを決議し、同株主総会で承認可決され2023年5月10日に効力が発生しております。
当社は、2022年12月31日現在、繰越利益剰余金の欠損が16,202,244,725円となり、一方で資金調達に伴い、資本金35,146,368,604円、資本準備金15,076,868,981円となりました。
今後の成長戦略を的確に実施していく財務戦略の一環として、上記の欠損金を填補し資本構成を是正し、財務体質の健全化を図ることにより、資本政策の機動性及び柔軟性の確保を目的として、会社法第447条第1項及び会社法第448条第1項の規定に基づき、資本金及び資本準備金の額を減少した上で、会社法第452条の規定に基づき、剰余金の処分を行うものであります。
なお、本議案は、発行済株式総数を変更することなく、資本金及び資本準備金の額を減少するものであるため、株主様が所有する株式数に影響を与えるものではありません。
また、今回の資本金及び資本準備金の額の減少によって当社の純資産額及び発行済株式総数にも変更はありませんので、1株当たりの純資産額に変更を生じるものではありません。
(1)資本金の額の減少
会社法第447条第1項の規定に基づき、2022年12月31日現在の資本金の額35,146,368,604円を1,125,375,744円減少して34,020,992,860円とし、減少する資本金の額の全額を、その他資本剰余金に振り替えております。
(2)資本準備金の額の減少
会社法第448条第1項の規定に基づき、2022年12月31日現在の資本準備金の額15,076,868,981円を全額減少して0円とし、減少する資本準備金の額の全額を、その他資本剰余金に振り替えております。
(3)剰余金の処分の内容
会社法第452条の規定に基づき、上記(1)及び(2)に記載した資本金及び資本準備金の額の減少の効力発生を条件に、資本金及び資本準備金の額の減少により振り替えられたその他資本剰余金の合計額16,202,244,725円全額を繰越利益剰余金に振り替えることにより、欠損の填補に充当いたします。これにより、繰越利益剰余金の欠損が解消されることとなります。
①減少する剰余金の項目及びその額
その他資本剰余金 16,202,244,725円
②増加する剰余金の項目及びその額
繰越利益剰余金 16,202,244,725円
(4)日程
定時株主総会決議日 2023年3月30日
債権者異議申述公告日 2023年4月3日
債権者異議申述最終日 2023年5月8日
効力発生日 2023年5月10日
2.第42回新株予約権(第三者割当て)(行使価額修正条項付)の取得及び消却
当社は、2022年10月12日に発行いたしました第42回新株予約権(第三者割当て)(行使価額修正条項付)(以下「本新株予約権」といいます。)につき、2023年4月24日に下記のとおり、当社代表取締役が残存する全ての本新株予約権の行使を停止したうえで取得することを決定し、また、同日開催の取締役会において、下記のとおり、取得後直ちに取得した全ての本新株予約権を消却することを決議いたしました。
本決定および決議に基づき本新株予約権の取得及び消却を2023年5月9日に実施いたしました。
(1)取得及び消却する本新株予約権の内容
(2)本新株予約権の取得及び消却の理由
当社は、ゲノム編集技術の研究開発を行う子会社であるEmendo社の運営資金及び当社の事業基盤強化のための資金として、2022年10月12日に本新株予約権を発行いたしました。
本新株予約権は、下限行使価額を124円とし、本新株予約権発行後の当社株価は当該下限行使価額を上回って推移した結果、本新株予約権が行使され、資金調達を進めることができました。しかしながら、足元では当社株価が本新株予約権の下限行使価額を下回る水準で推移していることから、その残数(38,500個)の行使は進んでおりません。
当社は、本新株予約権の発行以降の株価動向、当社グループの今後の資本政策及び今後の市場環境等を総合的に判断した結果、残存する本新株予約権を取得及び消却することといたしました。
該当事項はありません。