第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針

 当社グループはハイクオリティなアウトプットを産み出すプロダクションの集合体であり、映像をはじめとした魅力的な作品を制作し、それをエンドユーザーに送り届けることにより、社会に貢献してまいります。当社にとってもっとも重要な資産は、社員一人一人のクリエイティビティと、これまで蓄積した映像の技術力(テクノロジー)です。この力をベースとして、様々な分野での創造的な作品に具現化し、会社全体の持続的な成長を図ってまいります。

 

(2)経営環境

 インターネットの進化拡大とともに、社会全体の映像コンテンツへのニーズは益々高まっておりますが、多様なデジタルプラットフォームや動画配信サービスのグローバル展開と普及拡大に伴い、従来のテレビメディアやマス広告市場は縮小しております。

 

(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 上述の認識のもと、当社は、2024年2月に中期経営計画を策定・公表いたしました。

 5年後の2029年3月期に向け「健全な収益性を伴った“総合クリエイティブプロダクション”」を目指す姿として掲げ、従来のメディアにとらわれず、クリエイティブ・エンターテインメント関連のあらゆる生活シーンにビジネスフィールドを拡大することを目指してまいります。

 中期経営計画では3つの重要テーマを掲げております。1つ目は「構造改革」であり、組織・人員再編による適正化及び収益性に基づいたポートフォリオにより、既存事業を「成長力強化」「収益力最大化」「適正規模化/効率化」に分類のもと、利益率の底上げを図ってまいります。2つ目は「新たな収益基盤の確保」であり、積極的な事業開発・投資(M&A等)を行ってまいります。3つ目は「財務・資本戦略の実行」であり、保有資産の有効活用と株主還元の強化を図ってまいります。

 この3つのテーマに約500億円を充て、積極的に実行してまいります。

 

 広告プロダクションにおいては、従来メディアのみならずSNSや動画配信をはじめとした多様なデジタルメディアへの接触増加に伴い、人々の行動様式が変容しつつある中、当社はTVCMを主軸としつつ、デジタル領域やリアル領域をも加えた統合的なプロモーションを提供することにより、広告主の課題に対するソリューション力を強化し、中長期的な成長を目指してまいります。

 コンテンツプロダクションにおいては、映像コンテンツの利用形態が変化していく中、当社の質の高い映像制作技術を活かし、ドラマ・映画等の大型案件獲得など、高付加価値の領域に注力し、市場におけるシェア拡大を図ってまいります。音響字幕制作は、引き続き映像配信サービスやゲーム・アニメ市場の拡大を取り込むべく、人材補強と営業強化を進めてまいります。デジタルプロダクションにおいては、既存ジャンルの縮小と事業整理を進める一方、強みである技術力を活かし、VFXとデジタルを主軸とした唯一無二のVFXプロダクションを目指してまいります。

 メディアにおいては、専門放送市場成熟化のトレンドを受け、事業の縮小や売却を進めつつ、当社の独自性の高い複数の専門チャンネルに経営資源を集中して効率化を目指してまいります。各領域において、ファンコミュニティを育成し、新たなビジネスを創出してまいります。

 プロパティにおいては、投資判断の合理化や組織的な対応力強化を進めるとともに、新たな手法での原作・脚本開発に取り組んでおります。リスクをコントロールしながら、継続的に事業育成に努める方針であります。

 

 当社グループにとって最も大切な資産は、社員一人一人です。そのアイデアや知恵、感性といった「クリエイティビティ」をベースとして、様々な分野での創造的な作品に具現化し、企業価値の向上に努めてまいります。

 

 なお、当社は2024年3月31日時点において、東京証券取引所スタンダード市場における上場維持基準において、流通株式比率が適合しない状態になったことにより、その状況を改善するために「上場維持基準の適合に向けた計画」を開示しております。流通株式比率向上に向けて、主要株主及び事業法人株主に対して、当社株主の保有比率の引下げを働きかけるとともに、中期経営計画の着実な推進、資本政策やIR活動強化を通じて、幅広い投資家の皆様に当社株式を保有していただけるよう、需要面での改善にも取り組んでまいります。具体的には四半期配当の導入や株式分割の施策を実行しております。今後も流通株式比率を改善し、上場維持基準の適合に向けて、積極的に施策を検討し、実行していく所存です。

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取り組みは次のとおりであります。

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。

 

 当社グループの使命は「映像文化の創造と発展」です。より豊かな社会の実現に貢献するため、自ら創造した成果によって、人々に新しい驚きや喜び、そして感動を与えることを使命としております。他に追随を許さないユニークな総合映像プロダクションとして、常に時代をリードし、新たな価値の創造と革新に寄与してまいります。

 また、健全な企業文化を醸成するとともに誠実で公正な事業活動を通じて、持続可能(サステナブル)な社会の発展に貢献していく所存であります。

 

(1) 当社グループにおけるサステナビリティに関する考え方

当社グループは、サステナビリティに関する最重要課題(マテリアリティ)を「人的資本の強化」と位置付けております。それはクリエイティブの“質”を求められる市場環境において、総合映像プロダクションである当社グループにとっては「人材」、すなわち社員一人一人がかけがえのない経営資源であり、最大の企業競争力の源泉と認識しているからです。

当社グループは「PCTS(ピクツ)」(Passion, Creativity, Technology, Speed)を「わたしたちの精神」とし、社員各自の能力を伸ばし、かけがえのない一個の人格として、また、プロフェッショナルな職業人として、自ら主体性をもって決断し、自律自走する人材育成を基本方針としております。

・Passion(ほとばしる情熱)

情熱は、すべての根源的なエネルギーとなる。美しいものへの無垢な驚き、喜びや感動、創造にかける強靭な粘り、妥協を知らない探求心、それらはすべて、心の奥底から湧き出す純粋な情熱の発露である。ほとばしる情熱こそが、仕事の喜びの源泉である。

・Creativity(豊かな想像力)

創造には無限の可能性と価値がある。私たちは、感性を磨き、自らの知恵を絞り、汗を流し、手を動かすことによって、どこにもない、誰にもできない、人の心を動かす成果に到達する。常に柔軟な発想と新たな工夫が日々に確信をもたらす。すべての仕事に必要なものは、豊かな想像力である。

・Technology(最新技術の追求)

映像は、アートとテクノロジーが一体となった文化である。新しい技術は、新しい映像の可能性を広げる。私たちは、率先して新たな技術を取り入れ、自らのものとして磨き、新旧のあらゆる技術を駆使することで成長し続けてきた。技術の追求は、私たちの強みであり、発展の原動力である。

・Speed(変化への迅速な対応)

私たちを取り巻く環境は絶えず変化し、その速度はますます加速しつつある。仕事の進め方をはじめ、判断や行動に、かつてないスピードが求められている。私たちは、変化の兆しをいち早く感知し、的確に判断し、直ちに実行する。スピードは強力な武器である。

 

私たちは「映像文化の創造と発展」を実現するため、この「PCTS」を社員共通の思いとし、社員一人一人が最大限にパフォーマンスを発揮できる環境を整え、変化し続ける世界に先駆け、新たな時代を果敢に切り開くチャレンジングスピリットを後押しする制度や体制づくりに継続的に取り組んでまいります。

社員一人一人が仕事への情熱とこだわりを持ち、たゆみなく自己を向上させ、常に最上の品質を追求することが、社会の信頼と期待に応えることに繋がるものと考え、「人的資本の強化」を通じて持続可能(サステナブル)な社会の実現に向けた取り組みを推進してまいります。

 

(2) 当社グループにおけるサステナビリティに関する取り組み

①ガバナンス

当社グループは、多くのステークホルダーに支えられながら社会と共存しています。ステークホルダーに配慮しつつ、環境‐社会‐企業ガバナンスといった持続性を重視した経営に取り組んでまいります。

先般、当社は「中期経営計画-企業価値向上に向けた事業再構築-」を公表いたしました。編集ソフト等の発展・普及により、制作・編集業務の競争優位の源泉は、スタジオや機材等のハードウエアから人・ソフトウエアへ変化していることから、構造改革による既存事業の再構築として事業環境に合わせた組織・人員の再編成、人事・評価制度の見直しに取り組んでまいります。これにより組織・人材の再活性化を目指しますが、その過程においても人的資本の重要性は今後ますます高まっていくと認識しております。

そのため、当社では企業価値向上に向けた「人的資本の強化」のため、人事部が主体となって社員個々人のポテンシャルを最大限発揮できる適材適所の人材配置や人材採用、すべての社員が働きやすい環境づくりのための各種施策を提案・実行し、人的資本の維持・強化を統括しております。その状況は、月1回以上開催される取締役会に逐次報告されるとともに、社員の労務管理や労働環境についても適宜協議が行われ、社員の長時間労働や労働災害の減少に向けた提言などが行われております。人事部はその提言などを受けて諸施策を企画・立案し、人材育成や社内環境などの改善に努めております。なお、内部監査室は定期的に当社グループ社員の労務管理を含めた事業監査を行っており、その監査結果は取締役会及び監査等委員会へ直接報告しております。

また、常勤の取締役から構成される定例の経営運営会議においては新卒・中途社員の採用方針や社員の育成方針を検討するとともに、組織・人材の再活性化のための方策の協議が行われており、社員のワーク・ライフ・バランスを尊重した働き方改革について一定の方針が示されたところであります。

当社社長、取締役及び監査等委員から構成されるコンプライアンス委員会では当社グループ社員の労働状況について適宜報告されるとともに、各部門の管理者と産業医から構成される衛生委員会では社員の労働時間や健康管理、勤怠状況、有給休暇取得状況などが報告され、管理者から社員に対し、仕事と休養のメリハリをつけるなどの周知、指導を行っております。

 

②戦略

クリエイティビティがビジネスを支える総合映像プロダクションである当社グループでは「人」は最も重要な経営基盤であるとの考えに基づき、人々に新しい喜び、驚き、感動を感じていただける会社であり続けるために、多様性を尊重し、創造性豊かな「個の才能」を受け入れ、相互に刺激し合う新しい価値を生む「個性集団」であり続けるための人材採用・育成と組織づくりに取り組んでおります。

人材の採用においては、新卒採用では「1day仕事体験」と題したインターンシップ制度を実施し、社員によるプロジェクト紹介や座談会などを通して就職希望者に対し企業理解を深めてもらう取組みを行っております。加えて新卒社員を対象として、希望職種以外の部門研修を行い、部門評価のみならず本人との面談を通じて特性を理解し、適材適所の配属を行っております。

人材育成の具体的な施策として、社員一人一人が日々新たな研鑽を重ね、各自の能力を伸ばしていくため、キャリアアップを目的とする「チャレンジシート」を用いた個人の目標設定と考課評定を行っております。また、社員の個性・才能の発掘・共有を目的とし、社員が自ら講師を務める「TFC-LAB」と題した学びの場の環境整備や、階層別に応じた各種研修の実施、英語力を含めた自身の能力向上を希望する社員に向けた自己啓発援助制度などを導入しております。さらに音響字幕制作部門においては若手社員とベテラン社員の業務経験の乖離を埋めるべく、知識やノウハウの伝承のため部門独自の講習を行っており、部門の底上げを目標に前事業年度から定期的に勉強会を実施しております。全社的にはコンプライアンスや人権教育のためのeラーニング研修制度を導入し、社員全員に受講を義務付けるとともに、理解促進に努めております。

人材の活性化・社員へのインセンティブとして、当社グループでは、具体的な功績・成果を上げた社員に報いるため、年に1回、当社グループ全社員の中から活躍した個人やチーム、プロジェクトなどを功労するため社内表彰を実施しております。また当社の競争力の源泉である「クリエイティビティ」を具現化する制作職を対象とした表彰制度など社員のインセンティブ向上のための各種施策を講じております。

当社グループでは、貴重な人材流出・離職防止のため、「仕事と育児・介護との両立」を重視し、施策を講じております。育児・介護との両立のために有益な情報(当社オリジナルのコンテンツやハンドブックなど)の提供をはじめ、介護離職者を出さないための職場・チーム体制づくりの支援、育児休暇(育休)取得前から復帰後まで活用できる資料の提供、男性育休取得者と現業職として育休復帰した女性社員のインタビュー記事を好事例集として社内広報するなど、仕事もプライベートも充実した労働環境、性別に関わらず復職後も不安なく仕事に取り組める職場環境の形成に努めております。

当社では、仕事とライフイベントとの両立等をサポートするために、ヘルスケアを軸としたDEI(ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン)推進支援サービスも導入し、不妊治療等のサポートに加え、健康やダイバーシティ、ジェンダー、環境など現代の社会環境に即したセミナーの場を希望する社員に提供しております。

当社は産学協同講座にも長年参画し、大学生を対象に当社の強みである映像コンテンツプロデュースをはじめとする映像制作全般に関する芸術総合講座を開催し、次世代の「映像文化の創造と発展」を担う人材育成に積極的に取り組んでおります。

組織づくりの観点では、セキュアな在宅勤務(リモートワーク)を実現するICT基盤を構築しております。時間と場所に縛られることなく社員一人一人がワークスタイルを自律的にデザインすることが可能なリモートワークと、リアルな対面でのコミュニケーションがより強固なチームワークや新たな気付きを生み出すオフィスワーク、それぞれの良さを融合することで最高のパフォーマンスが発揮できるよう時代に即した働き方を模索し、確立してまいります。

他方で、時代の変化に伴い、働く人々の価値観やライフスタイルが多様化する中、チームや社員同士の繋がり、社員の働きがいは業務のクオリティや会社の成長に直結する不可欠な要素であるとの考えに基づき、エンゲージメントサーベイ(社員の視点から見た、会社との心の繋がりを可視化する調査)を新規導入し、前事業年度から実施しております。会社の組織風土及び職場環境は、生産性向上やクリエイティビティの追求、優秀な人材の定着・獲得などマテリアリティそのものに大きな影響を与えることから、調査結果に基づき、社員と会社との繋がりを一層強化するための施策を検討してまいります。

 

③リスク管理

マテリアリティである「人的資本の強化」に関して、従業員の長時間残業は健康障害や心身の不調、円滑な業務の遂行に支障をきたす危険性があるだけでなく、これらを起因とする労働災害など重大な事故が発生した場合は、社員のクリエイティビティの毀損による企業競争力の低下、会社に対する損害賠償請求等の経済的損失、さらには社会的信用の失墜など人的資本に関する多くのリスクが顕在化します。

そのため当社グループでは人事部が主体となり、長時間労働の抑制のため働き方改革を推進し、労務管理においては組織ごとに勤務状況の確認を行うとともに、各部門の労働状況に関して人事部・内部監査室がモニタリングを行い適正な労務管理を促しております。特に映像制作部門はその職務上、不規則な生活リズムや健康被害につながる勤務形態になりやすい性質を有していることから、コーポレート部門を中心として導入していたフレックスタイム制(社員各人が労働時間を選択できる時間)を映像制作部門にも適用するとともに、コアタイム制(必ず労働しなければならない時間)を廃止し、原則として全社的にフレックスタイム制を導入することといたしました。そのほか働き方全般のルールを刷新し、社員各人の自立自走を促すとともに、ワーク・ライフ・バランスを尊重しながら労働生産性向上に資するための施策を講じてまいります。

加えて当社グループでは従業員支援プログラム(EAP:Employee Assistance Program)を2014年から導入し、社員の職場での困りごとだけでなく家庭や健康の悩み事にも精神保健福祉士や臨床心理士など専門資格を有するカウンセラーが相談に応じる仕組みを設置しております。本プログラムは社員に限定されることなく同居の家族やパートナーも利用でき、幅広く手厚いサポート体制を社員やその家族などに提供することで、各種リスクの軽減に努めております。

社員の業務遂行上のリスク管理においては総務部が主体となり、必要に応じ顧問弁護士等の助言・指導を受けながら関係部署と連携し対応しております。また、不測の事態が発生した場合の手続を含む危機管理体制を整備し、迅速かつ適正な対応により損害の拡大を防止し、被害を最小限にとどめるよう努め、決して社員個人に過重な負荷がかかることのないよう、組織として問題解決を図る体制構築に取り組んでおります。

 

④指標及び目標

前述のとおり、当社グループではサステナビリティにおけるマテリアリティを「人的資本の強化」と位置付けております。サステナビリティの実践に向けて、仕事と子育てを両立させることができ、すべての社員が働きやすく、自身の能力を十分に発揮できる環境の整備が必要と考えております。

そのため、性別に関わりなく育児休業取得を促進すること、また女性社員にとって将来管理職を目指したくなるボトムアップ型意識改革及びキャリア経営支援のための各階層に向けた研修の実施や、女性のキャリア形成に資する柔軟な働き方を諸施策として検討し人事制度の中に組み込むことを目的に、次の指標を用いております。当該指標に関する目標及び実績は、次のとおりであります。

 

<指標と目標>

 ◇育児・休業取得率

  <目標>女性従業員…100%の維持、男性従業員…15%以上

 ◇管理職に占める女性の割合

  <目標>20%

  (出典:東北新社次世代育成支援対策推進法・女性活躍推進法一般事業主行動計画、2020年3月31日)

   (注)上記目標は、提出会社である株式会社東北新社のものであります。

 

 

<当社及び主要連結子会社(5社)の指標の推移>

 

2023年3月期

2024年3月期

当社及び主要連結子会社の合計(%)

当社及び主要連結子会社の合計(%)

女性育児休業取得率

100.0

110.5

男性育児休業取得率

40.9

56.3

育児休業からの復帰率(全体)

100.0

100.0

女性管理職比率

13.9

18.5

採用数の女性比率

52.8

48.1

新規採用に対する中途採用数の女性比率

53.1

35.4

労働者の男女の平均賃金の差異

78.6

78.1

(注)1.2023年3月期の実績は、提出会社である株式会社東北新社並びに主要連結子会社である株式会社二番工房、株式会社ソーダコミュニケーションズ、株式会社オムニバス・ジャパン及びナショナル物産株式会社の4社を含めた従業員の状況でしたが、当社グループ管理強化につき、2024年3月期より株式会社ENJINを主要連結子会社に含んでおります。なお、ナショナル物産株式会社はスーパー事業を2023年9月29日付で会社分割により新設会社に承継させ、当該新設会社の株式を譲渡しております。

2.女性育児休業取得率は、前期出産社員の育児休暇期間が当期にまたがるため100%を超えることがあります。

 

3【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると認識している事項を記載しております。当社はこれらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存であります。本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は当連結会計年度末現在において判断したものであります。

〔経済情勢に関する重要なリスク〕

 国内外における景気の変動は、当社グループの主たる事業である広告関連事業においてその景況の悪化等に伴いクライアント広告・宣伝費の支出が減少した場合には、当社グループの業績に大きな影響を与えることが考えられます。

 これに対し、当社グループは広告関連事業などの特定のビジネスに依拠しない総合映像プロダクションとしての事業ポートフォリオを構築することによってリスクを分散させ、また当社グループのクリエイティビティを高めることによって普遍的な価値を生み出すことで景況の変化に対応してまいります。

 

〔事業戦略上の重要なリスク〕

(1)広告プロダクションに関するリスク

 広告関連における事業環境は、昨今のインターネット、ソーシャルメディア等の発展に伴い、宣伝広告の手法が変化してきております。広告制作における市場での競合状況、制作手法等の変化に当社グループが適応できない場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、クリエイティブな人材を積極的に育成し、既存のTVCM等広告制作におけるクリエイティビティを維持して各クライアントとの安定的な取引が確保できるよう努めるとともに、デジタルやインタラクティブ、またAI生成等を用いた新しいコミュニケーション手法への対応も進め、クライアントに対して統合的なソリューションを提供することによって競争力を強化してまいります。

 

(2)コンテンツプロダクションに関するリスク

 映像コンテンツ関連における事業環境は、配信・サイネージ等プラットフォームが多様化してきており、従来の番組・CM等の既存映像だけに依存し市場の変化に適切に対応できなかった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、この市場変化を踏まえ、新しいプラットフォームに対応できるようスキルを獲得しサービス提供をベースとした業態への転換を図るとともに、ワークフローの見直しや固定費の削減等効率化を進めることで競争力の強化に努めてまいります。また、音響字幕関連の事業環境においては、AI技術の進歩により吹替市場が縮小した場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループはAIの脅威が少ないと想定されるゲームやアニメの市場の拡大をするとともに、外画市場ではAIを活用した日本語版制作の実績・検証を行い、AI活用のビジネスモデルを確立し、業界内における優位性を保持してまいります。

 

(3)メディアに関するリスク

① 有料放送市場の変化によるリスク

 当社グループが各種専門チャンネルを運営する有料放送市場においては、衛星放送、CATV等の従来の有料多チャンネル放送プラットフォームと異なる配信系サービスが台頭し、視聴デバイスや視聴ニーズの多様化はますます加速しております。有料放送市場の縮小等に伴う市場変化に適切に対応できなかった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは存続可能なチャンネルの選択と集中を行い、放送関連業務及び間接業務の固定費の削減等の効率化を推進し、事業の適正規模化を早期に実現してまいります。また、独自性の高いIPの活用による配信事業の強化、IP強化のためのオリジナル制作番組の検討を進めて、他社との差別化を打ち出し収益力の向上を図ってまいります。

② テクニカルセンターの大規模災害等に関するリスク

 テクニカルセンターは、衛星放送に不可欠な番組送出設備を保有し、衛星放送関連の受託業務を行っております。地震・火災等の大規模災害によりこれら設備が被害を受ける可能性があり、保険等による対処は行っておりますが、業務再開までに長期間が必要となる場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)プロパティに関するリスク

 当社グループでは、映像使用権を国内外の権利元から買い付けております。永年培ってきたこれら権利元との関係維持・強化を図っておりますが、国内外の権利元において映像使用権の自社での独占使用等販売方針の転換が生じた場合には、映像使用権の買付けに影響が出ることが考えられ、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、引き続き権利元との関係維持・強化を図るとともに、独立系の作品発掘も強化し、買付けへの影響を低減してまいります。

 

(5)減損損失に関するリスク

 当社グループの成長に資するものとして行われるM&Aや設備投資において、これら投資に係る事業が目論見通りの収益を上げられなかった場合、のれんや有形固定資産の減損損失を計上する必要が生じ、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。このような投資を行う際には、十分な事前調査や精緻な投資回収計画をもとに意思決定するとともに、投資後の事業の進捗状況のモニタリングを行い、当該リスクの低減に努めてまいります。

 

〔コーポレートガバナンス上の重要なリスク〕

(1)コンプライアンスに関するリスク

 法令等の違反によって社会的信用の失墜を招くことや、制裁金等経済的損失を被ることなどのないよう、コンプライアンス基本方針並びに当社社長を委員長とするコンプライアンス委員会の体制のもと、役職員のコンプライアンスに対する意識の徹底、定着を図り、コンプライアンス違反の防止に取り組んでおります。

 

(2)法的規制に関するリスク

 当社グループは事業活動を行う上で放送法などの法規制の適用を受けており、必要な許認可を取得し事業を行っております。今後これらの法規制において、予期せぬ変更や行政の指導方針の変更等が生じた場合、業務遂行に支障が生じ、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは関連法令の改正情報等の収集及び分析を実施し、対応方法の事前検討を行い、当該リスクの低減に努めてまいります。

 

(3)個人情報保護及び情報セキュリティに関するリスク

 当社グループは、関連チャンネルの加入者情報をはじめとした個人情報の保護や広告主の新商品情報等の重要情報の管理については社内管理体制を整備し、細心の注意を払っております。しかしながら、第三者による不正アクセス等により個人情報が流出した場合には、社会的信用の低下や不測のコスト負担等によって当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)労務管理に関するリスク

 従業員の長時間労働は、健康障害や心身の不調につながる恐れがあり円滑な業務の遂行に支障をきたす可能性があるだけでなく、これに起因して労働災害等重篤な事故が発生すると、損害賠償等経済的な損失や、社会的信用の失墜を招く可能性があります。当社グループでは、長時間労働の是正推進のため、2024年4月より「みなし労働時間制」を原則撤廃し、「フレックスタイム制」を適用しました。労務管理においては組織ごとに勤務状況の確認を行うとともに、各部門の労働状況に関して人事部・内部監査室がモニタリングを行い適正な労務管理を促しております。更に個々が毎月遵守すべき労働時間をリアルタイムで日々確認できる勤怠システムへの変更を行うとともに、深夜残業及び休日出勤の事前申請・承認の徹底等を行い、管理体制を強化して、適正な労務管理に取り組んでまいります。

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

[経営成績等の状況の概要]

 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

(1) 経営成績の状況

当連結会計年度の経営成績は、売上高52,819百万円(前期比5.5%減)、営業利益2,678百万円(前期比36.3%減)、経常利益2,214百万円(前期比54.1%減)となりました。減収に加え、一部の従業員に対する手当の見直し等による人件費の増加や保有する投資事業組合の運用損の発生等が影響し、減益となりました。一方、当社の連結子会社が営むスーパー事業の譲渡や当社保有の不動産及び非上場株式の売却等による特別利益の計上、さらに当社の連結子会社スター・チャンネルの株式譲渡契約締結に伴い株式評価損等に係る一時差異がスケジューリング可能となった結果、法人税等調整額(益)を計上したこと等により親会社株主に帰属する当期純利益は4,021百万円(前期比28.3%増)となりました。

 

 セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。

 

① 広告プロダクション

広告プロダクションの売上高は、前期に比べ4.7%増の27,382百万円となり、営業利益は前期に比べ15.5%増の2,337百万円となりました。CM制作部門の受注が好調だったことや株式会社ENJINの決算期を12月から3月に変更したことに伴う増収効果もあり、セグメント全体で増収となりました。利益に関しては、当セグメントは従業員に対する手当の見直し等による人件費増加の影響が大きかったものの、利益率の改善や販管費の削減を推進し、増益を確保しました。

 

② コンテンツプロダクション

コンテンツプロダクションの売上高は、前期に比べ9.7%減の12,325百万円となり、営業利益は前期に比べ64.2%減の564百万円となりました。映像制作部門において、グループチャンネル向け等の売上が減少したこと、また音響字幕制作部門において、前期好調だった動画配信サービス会社からの受注が減少したことに加え、全米俳優組合のストライキによる洋画、海外ドラマ、ゲーム等の製作中止や延期の影響等も加わり、減収減益となりました。

 

③ メディア

メディアの売上高は、前期に比べ7.7%減の11,041百万円となり、営業利益は前期に比べ21.2%減の1,399百万円となりました。関連チャンネル子会社2社の決算期を12月から3月に変更したことに伴う増収効果はありましたが、前期に株式を譲渡した株式会社ザ・シネマの連結除外の影響及び契約世帯数の減少もあり、減収となりました。利益に関しては、大幅な費用削減に努めましたが、減収をカバーするには至らず、減益となりました。

 

④ プロパティ

プロパティの売上高は、前期に比べ37.5%減の2,257百万円となり、営業損失は208百万円(前期は338百万円の営業利益)となりました。前期に比べ『牙狼<GARO>』関連案件の売上等が減少したこと、また当期は出資作品の償却費が発生したこと等により、減収減益となりました。

 

⑤ 物販

物販の売上高は、前期に比べ34.5%減の3,360百万円となり、営業利益は前期に比べ479.4%増の170百万円となりました。売上高はスーパー事業の譲渡に伴い減収となりましたが、インテリア部門の受注好調に加え、退職給付費用の減少もあり増益となりました。

 

(注)上記セグメントの売上高は、セグメント間の内部売上高を含んだ金額を記載しております。

 

(2) 財政状態の状況

 (資産)

 当連結会計年度末における資産の残高は、97,871百万円であり、前連結会計年度末に比べ723百万円増加いたしました。この主な要因は、現金及び預金の増加8,126百万円、受取手形、売掛金及び契約資産の減少3,706百万円、映像使用権の減少430百万円及び土地の減少1,519百万円等であります。

(負債)

 当連結会計年度末における負債の残高は、15,451百万円であり、前連結会計年度末に比べ3,749百万円減少いたしました。この主な要因は、買掛金の減少1,384百万円、短期借入金の減少700百万円及び繰延税金負債の減少1,336百万円等であります。

(純資産)

 当連結会計年度末における純資産の残高は、82,419百万円であり、前連結会計年度末に比べ4,473百万円増加いたしました。この主な要因は、利益剰余金の増加3,149百万円及びその他有価証券評価差額金の増加670百万円等であります。

 

(3) キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ8,055百万円増加し43,343百万円となりました。

 各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動による資金の増加は、6,087百万円(前連結会計年度は4,655百万円の増加)となりました。これは、税金等調整前当期純利益の計上4,145百万円、売上債権の減少3,455百万円等による資金の増加があった結果であります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動による資金の増加は、4,062百万円(前連結会計年度は1,223百万円の減少)となりました。これは、定期預金の預入による支出5,189百万円等による資金の減少があったものの、定期預金の払戻による収入5,269百万円及び有形固定資産の売却による収入3,330百万円等による資金の増加があった結果であります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動による資金の減少は、2,173百万円(前連結会計年度は1,341百万円の減少)となりました。これは、配当金の支払854百万円、短期借入金の純減額700百万円及び長期借入金の返済による支出386百万円等による資金の減少があった結果であります。

 

(4) 生産、受注及び販売の実績

① 仕入実績

 当連結会計年度の仕入実績をセグメント毎に示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2023年4月1日

至 2024年3月31日)

前年同期比(%)

広告プロダクション(百万円)

13

△17.5

コンテンツプロダクション(百万円)

14

△17.3

メディア(百万円)

2,700

3.9

プロパティ(百万円)

1,114

△31.5

物販(百万円)

2,103

△38.0

合計(百万円)

5,947

△22.3

 

② 生産実績

 当社グループの制作物の種類及び金額はそれぞれに異なっており、また、制作過程も一様でなく生産実績の表示が困難でありますので記載を省略しております。

③ 受注実績

 当連結会計年度の受注実績をセグメント毎に示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高

前年同期比(%)

受注残高

前年同期比(%)

広告プロダクション(百万円)

28,146

4.3

6,007

7.2

コンテンツプロダクション(百万円)

10,413

△17.8

4,225

△13.0

メディア(百万円)

プロパティ(百万円)

物販(百万円)

合計(百万円)

38,560

△2.8

10,232

△2.1

 (注)1.コンテンツプロダクションにおける以下の当社部門及び子会社は受注生産を行っておりません。

当社の映像テクノアカデミア、株式会社ティーエフシープラスの一部の部門、株式会社東北新社クリエイツ、株式会社オフィスPAC、COSUCO INC.、CENTE SERVICE CORP.及び8981 INC.

2.メディア、プロパティ及び物販は受注生産を行っておりません。

 

④ 販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメント毎に示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2023年4月1日

至 2024年3月31日)

 前年同期比(%)

広告プロダクション(百万円)

27,202

4.8

コンテンツプロダクション(百万円)

9,684

△6.7

メディア(百万円)

10,888

△7.6

プロパティ(百万円)

1,797

△36.3

物販(百万円)

3,246

△34.7

合計(百万円)

52,819

△5.5

 (注)1.上記はセグメント間取引消去後の金額を記載しております。

2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

当連結会計年度

(自 2023年4月1日

至 2024年3月31日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

株式会社電通

8,253

14.8

7,395

14.0

株式会社博報堂

6,263

11.2

6,089

11.5

 

[経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容]

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1)当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

① 当連結会計年度の経営成績の分析

A.売上高、売上総利益及び営業利益

 当連結会計年度における当社グループの売上高は、前連結会計年度に比べ3,102百万円減少し、52,819百万円(前期比5.5%減)となりました。売上高が減少した主な要因は、コンテンツプロダクションの映像制作部門において受注が減少したこと及び音響字幕制作部門において全米俳優組合のストライキにより製作中止や延期等の影響を受けたこと、また物販において連結子会社が営むスーパー事業の譲渡に伴い減収となったためであります。

 売上総利益は、前連結会計年度に比べ1,962百万円減少し、13,800百万円(前期比12.5%減)となり、営業利益は前連結会計年度に比べ1,523百万円減少し、2,678百万円(前期比36.3%減)となりました。

B.営業外損益及び経常利益

 当連結会計年度の営業外損益は、前連結会計年度に比べ1,082百万円減少し、463百万円の損失となりました。経常利益は、前連結会計年度に比べ2,605百万円減少し、2,214百万円(前期比54.1%減)となりました。その主な要因は、連結子会社の投資運用に関する損失906百万円を計上したことによるものであります(前連結会計年度は245百万円の利益)。

C.特別損益及び親会社株主に帰属する当期純利益

 当連結会計年度の特別損益は1,930百万円の利益となりました。その主な要因は、連結子会社が営むスーパー事業の譲渡や当社保有の不動産及び非上場株式の売却等による特別利益を計上したことによるものであります。

 以上の結果、税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度に比べ941百万円減少し、4,145百万円(前期比18.5%減)となりました。連結子会社スター・チャンネルの株式譲渡契約締結に伴い株式評価損等に係る一時差異がスケジューリング可能となった結果、法人税等調整額(益)を計上したこと等により、法人税、住民税及び事業税及び法人税等調整額を加減した親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ887百万円増加し、4,021百万円(前期比28.3%増)となりました。

② 経営成績に重要な影響を与える要因について

 当社グループの経営成績は、各事業を取り巻く事業環境、例えば当社の提供するサービスに対する顧客の支出動向、技術的優位性、他社との競合状況等により影響を受けます。また、人件費、為替動向、金利水準、固定資産や投資有価証券の評価損・売却損益等も経営成績に影響を与えます。経営成績に重要な影響を及ぼす可能性のある主な事項は「3 事業等のリスク」に記載いたしました。

③ 課題及び戦略について

 当社グループの経営課題については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載いたしました。継続的成長を実現すべく組織体制の整備、人的資源の配置、自社プロパティへの投資等を積極的に実施いたしております。

(2)資本の財源及び資金の流動性

① キャッシュ・フロー

 当連結会計年度のキャッシュ・フローについては、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 [経営成績等の状況の概要](3)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

② 資金需要

 当社グループの主な資金需要は、CM制作費の支払、オリジナルコンテンツの製作や購入等の投資並びに人件費をはじめとする販売費及び一般管理費の支払であります。

 これらの資金需要に対応するため、貸付極度額15,000百万円の貸出コミットメント契約を締結しております。

 なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は839百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は43,343百万円となっております。

 

(3)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

5【経営上の重要な契約等】

その他の経営上の重要な契約

当社は、当社の連結子会社である株式会社スター・チャンネルの株式譲渡に向け、2024年3月29日に株式会社ジャパネットホールディングスと基本合意書を、2024年4月19日に同社及び同社の子会社である株式会社ジャパネットブロードキャスティングと株式譲渡契約を、それぞれ締結いたしました。

なお、当該契約による子会社株式の譲渡に関しては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」に記載のとおりであります。

 

6【研究開発活動】

 該当事項はありません。