当中間連結会計期間において、当半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項の発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 経営成績の状況
当中間連結会計期間におけるわが国経済は、賃上げによる雇用・所得環境の改善やインバウンドの増加等により、国内景気は緩やかな回復基調となりました。また、少子高齢化等による人手不足の進行に伴い、生成AIの活用をはじめとするDX関連投資も増加の傾向にあります。一方で、ウクライナ情勢の長期化による資源価格の高騰、米国の通商政策の影響による景気の下振れリスクの高まりや、国内の物価上昇の長期化などの景気減速リスクについて、依然として先行き不透明な状況が続いております。
当社グループの事業領域であるプライズ事業を含むアミューズメント市場におきましては、外国人観光客の増加や技術の進化などに伴い、アミューズメント施設の集客も好転しておりますが、引き続き人件費の高騰や電気料金の度重なる値上げによるコストの増加等、厳しい事業環境が続いております。
情報通信分野におけるAIの市場概況におきましては、我が国におけるAIシステム市場規模(支出額)は、2024年に1兆3,412億円(前年比56.5%増)となっており、同市場の2024年~2029年の年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)は25.6%で推移し、2029年の市場規模は2024年比で3.1倍の4兆1,873億円に拡大していくものと予測されております。
人材関連ビジネス業界におきましては、我が国では急速な少子高齢化の進行に伴い、労働力人口の減少が長期的な課題となっております。2025年6月の有効求人倍率は、1.14倍と2024年6月から0.02ポイント減少したものの、2014年以降は求人倍率が1倍を超えて推移しており、人材不足は引き続き事業者にとって大きな課題となることが予想されております。特に医療業界や物流業界及びIT業界において即戦力となる人材不足が深刻となっており、人材サービス業界へのニーズはさらに高まっていくものと考えられます。
このような経済状況の中、当社グループにおいては、主力事業であるプライズ事業・AI関連事業を中心に事業収益の拡大を図ってまいりました。また、2025年3月31日に、総合人材サービス事業を展開する株式会社antzの全株式を取得し、新たに総合人材サービス事業に参入いたしました。なお、これに伴い当中間連結会計期間において総合人材サービス事業の従業員数が103名増加いたしました。
これらの結果、当中間連結会計期間の営業収益は3,753,956千円(前年同期比70.9%増)、営業利益は188,451千円(前年同期は営業損失68,203千円)、経常利益は197,506千円(前年同期は経常損失60,539千円)、親会社株主に帰属する中間純利益は172,447千円(前年同期は親会社株主に帰属する中間純損失75,704千円)となりました。
セグメント別の経営成績は次のとおりであります。
なお、「第4 経理の状況 1 中間連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおり、報告セグメントを変更しており、当中間連結会計期間の業績説明及び比較分析は変更後の区分に基づいて記載しております。
①プライズ事業
プライズ事業につきましては、株式会社ブレイクがクレーンゲーム機等のプライズゲーム用景品の企画・製作・販売を行っております。
当中間連結会計期間においては、キャラクターグッズや雑貨系商材を中心に受注件数が堅調に推移し、外国人観光客の増加等により、アミューズメント施設の集客が好調となり、売上高は前年同期を上回りました。また、輸送費や原材料費が高騰する中、継続した原価低減策による原価率の改善、事務所移転等による固定費の削減に努めた結果、セグメント利益が増加いたしました。
以上の結果、売上高は1,497,626千円(前年同期比24.3%増)、セグメント利益は127,416千円(前年同期比49.2%増)となりました。
②コンテンツ事業
コンテンツ事業につきましては、株式会社ポップティーンが電子書籍配信サイト「モビぶっく」の運営を行っております。
当中間連結会計期間においては、電子書籍配信サイト「モビぶっく」において、引き続き広告宣伝費の抑制に努めながらも、費用対効果の高いプロモーション施策を継続することで、新規顧客の獲得に努めてまいりました。また、既存ユーザーに対しては、取扱い作品数の拡充やサイトのユーザビリティの向上を図ることで、顧客継続率を高めるための施策を行い、セグメント損失は改善いたしました。
以上の結果、売上高は41,120千円(前年同期比1.5%増)、セグメント損失は5,158千円(前年同期はセグメント損失7,940千円)となりました。
③イベント事業
イベント事業につきましては、株式会社ブレイクが各地の大型商業施設の催事場にて著名なコンテンツの展示販売を中心に行っております。
当中間連結会計期間においては、「PSYCHOVISION hide MUSEUM Since 2000」FINAL企画展の大型イベントを開催したことにより、セグメント利益は増加いたしました。
以上の結果、売上高は173,157千円(前年同期比385.4%増)、セグメント利益は19,594千円(前年同期はセグメント損失22,456千円)となりました。
④マスターライツ事業
マスターライツ事業につきましては、主に株式会社ポップティーンが出版事業を行っております。
当中間連結会計期間においては、Popteenモデルの「2025年専属モデルオーディション」の開催、女子小中学生向け雑誌「Cuugal」の発売に加えて、Popteen編集部及びCuugal編集部共同による「ポップキューフェス2025」の開催を実施しました。
以上の結果、売上高は81,919千円(前年同期比7.3%減)、セグメント損失は5,418千円(前年同期はセグメント利益4,373千円)となりました。
⑤AI関連事業
AI関連事業につきましては、株式会社AI Tech SolutionsがAIを活用した事業効率化ツールの開発、AI開発支援向けGPUサーバーの販売及び販売代理を行っております。
当中間連結会計期間においては、GPUサーバーの販売促進策が功を奏し多額の案件を複数獲得したことにより、業績が順調に推移いたしました。また、本報告書提出日現在において、生成AIを活用した「退院サマリーシステム」のローンチが完了しており、当該案件に係る売上及び売上原価については、第3四半期連結累計期間に計上する予定です。
以上の結果、売上高は1,437,800千円(前年同期は売上高22,200千円)、セグメント利益は94,214千円(前年同期比368.4%増)となりました。
⑥物流関連事業
物流関連事業につきましては、株式会社エムが一般貨物自動車運送事業及び貨物利用運送事業を行っております。
当中間連結会計期間においては、取引先の見直しを行い取扱高が減少したものの、収益性の高い案件に注力したことにより、業績は順調に推移しております。
以上の結果、売上高は90,033千円、セグメント利益は44,375千円となりました。
⑦総合人材サービス事業
総合人材サービス事業につきましては、2025年3月31日に株式会社antzを完全子会社化したことに伴い、当中間連結会計期間より事業を開始しており、当該子会社が一般労働者派遣及び作業請負業務等を行っております。
当中間連結会計期間においては、既存の顧客の需要開拓に加えて、新規の顧客開拓を派遣事業及び請負型のITソリューション事業で推進したことにより、売上高が堅調に推移しております。
以上の結果、売上高は432,298千円、セグメント利益は339千円となりました。
(2) 財政状態
①総資産
当中間連結会計期間末における総資産は前連結会計年度末に比べて1,886,938千円増加し5,452,295千円となりました。主な要因と致しましては、現金及び預金の増加880,401千円、のれんの増加315,141千円、前渡金の増加205,220千円、短期貸付金の増加191,399千円、保険積立金の増加147,075千円等によるものであります。
②負債
当中間連結会計期間末における負債は前連結会計年度末に比べて1,584,589千円増加し2,649,957千円となりました。主な要因と致しましては、前受金の増加978,890千円、長期借入金の増加368,590千円、1年内返済予定の長期借入金の増加126,304千円、未払金の増加119,520千円等によるものであります。
③純資産
当中間連結会計期間末における純資産は前連結会計年度末に比べて302,349千円増加し2,802,338千円となりました。主な要因と致しましては、自己株式の減少185,007千円、親会社株主に帰属する中間純利益172,447千円を計上したことによるものであります。
(3) キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べて815,363千円増加し、2,219,392千円となりました。当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況及びこれらの要因は次のとおりであります。
①営業活動によるキャッシュ・フロー
当中間連結会計期間の営業活動によるキャッシュ・フローは、1,035,553千円の収入(前年同期は190,980千円の収入)となりました。主な要因と致しましては、売上債権の減少190,793千円、前渡金の増加205,245千円、前受金の増加978,890千円、仕入債務の減少95,972千円及び税金等調整前中間純利益197,506千円を計上したこと等によるものであります。
②投資活動によるキャッシュ・フロー
当中間連結会計期間の投資活動によるキャッシュ・フローは、87,966千円の支出(前年同期は62,027千円の支出)となりました。主な要因と致しましては、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による収入110,790千円、貸付による支出310,000千円及び貸付金の回収による収入126,920千円を計上したこと等によるものであります。
③財務活動によるキャッシュ・フロー
当中間連結会計期間の財務活動によるキャッシュ・フローは、126,162千円の支出(前年同期は5,090千円の支出)となりました。主な要因と致しましては、長期借入金の返済による支出120,710千円を計上したこと等によるものであります。
(4) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(5) 経営方針・経営戦略等
当中間連結会計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(6) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(7) 研究開発活動
該当事項はありません。
当社は、2025年3月14日開催の取締役会において、株式会社antzの全株式を取得し、子会社化することについて決議し、2025年3月31日に全株式を取得しております。詳細につきましては、「第4 経理の状況 1 中間連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」をご参照下さい。