第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

 当社グループは、経済・社会を支えるインフラを担う基幹産業として、顧客の競争力強化、情報社会の更なる発展に貢献していくことを使命と考えております。

 

 基本方針

 

「顧客第一主義」

 全ての判断基準はお客様にとっての価値とし、お客様の視点で思考することを基本と致します。

「重点主義」

 企業には人、モノ、金と時間の4つの要素があります。これらを最大限に活かすために、顧客第一主義により決定された最重要事項に経営資源を集約致します。

「総員営業主義」

 ユーザーオリエンテッドなサービスを提供するため、全社員が自立したビジネスパーソンとして社業発展に邁進致します。

 

 この基本方針のもと、社員一人ひとりが株主、顧客をはじめとするあらゆるステークホルダーと向かい合い、個人と組織のもつノウハウの全てを駆使して、更なる顧客満足を創出してまいります。

 

(2)目標とする経営指標

 当社グループは≪VISION 2026≫を策定し、2021年~2023年度までの第1次中期経営計画において以下の三つの指標を重視し、目標設定しております。

・株主にとっての企業価値向上の観点からROE13%以上

・収益性を計る指標として連結営業利益率9.0%

・従業員一人ひとりのパフォーマンスを高めていきたいとの趣旨から、従業員(海外子会社の従業員は除く)一人当たりの連結売上高23,000千円

 

 当期における状況は、以下のとおりです。

 1点目の指標であるROEは13.8%となりました。引き続き、資本効率を高め利益率の向上を図ることでROE13%以上を達成してまいります。

 2点目の指標である連結営業利益率は8.8%、3点目の指標である従業員一人当たりの連結売上高および従業員一人当たりの連結営業利益は、それぞれ22,548千円、1,985千円となりました。今後は、業務の効率化と教育研修の充実を図り、生産性・収益性の向上に取り組んでまいります。

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(3)中長期経営ビジョン≪VISION 2026≫について

 当社グループは、2012年に2020年度までの中長期経営ビジョン≪VISION 2020≫を策定し、「強みの強化」「SIビジネスの立ち上げ」「サービスメニューの創出」の3つのテーマに段階的に取り組み、新たな成長領域への展開やビジネスモデルの変革、海外での事業拡大を推進してまいりました。

 この実績と昨今の事業環境の大きな変容を踏まえ、2021年度を初年度とする2026年度までの中長期経営ビジョン≪VISION 2026≫を策定し、その実現に向けて各施策に取り組んでまいります。

 ≪VISION 2026≫では、社員一人ひとりが、事業を通じて社会に貢献し、事業成長を果たすとともに企業価値の向上を目指してまいります。そのために、「企画型+受託型ビジネスで事業成長を果たす」「社員自らが志とビジネスマインドを持ち、自ら考え、行動する」をミッション・ステートメントとして邁進してまいります。

 事業の方向性としては、以下の3つのビジネスモデルを強化推進する方針と目標をそれぞれ立案し、事業成長を進めてまいります。

 

・エンハンスビジネス

 お客様のビジネス環境の変化や新たな技術の進化に合わせて、システムの性能や品質を向上させ、システムの価値を高めるサービスで、当社がもっとも強みとしてきたビジネスモデルです。これまでも進めてきた高生産性、高収益性の実現に向けた取り組みを一層加速してまいります。

 

・SIビジネス

 システムの企画から、設計、開発、導入までを行うサービスです。マルチクラウド・マイクロサービス案件を軸としたシステムの提供と新しい運用モデルへの変革をテーマにレガシー環境のクラウド環境への移行(Lift)と新たな方法論の確立(Shift)による、Lift&Shiftモデルを確立してまいります。

 

・デジタルビジネス

 デジタル技術を活用した当社発の企画型ビジネスです。当社のノウハウを結集したコンサルティングサービス、自社プロダクト、当社発のソリューション、IP(知的財産)化などのアプローチによって新たな事業創出を目指します。そしてDXを通じて、お客様のビジネス変革を支援いたします。

 

 最終年度にあたる2026年度に向けて、エンハンスビジネスで創出した利益を源泉にSIビジネス、デジタルビジネスでの領域を拡大し、売上高構成比6:3:1を目指してまいります。そのために、当社グループの成長戦略を2つのステップに分けて推進してまいります。

 まず、2021年度から2023年度までの第1次中期経営計画では、新たなビジネスへの変革の時期としてビジネス資産を形成するとともに、成長を盤石なものにするために制度設計、事業推進上の体制整備等に注力し、事業成長の基盤を確立いたします。第1次中期経営計画の最終年度にあたる2023年度は、売上高190億円、営業利益率9.0%、ROE13.0%以上を計画しております。

 2024年度から2026年度までの第2次中期経営計画では、第1次中期経営計画で確立された基盤を活かし、エンハ

ンスビジネスでの圧倒的な生産性による収益の確保を行うとともに、デジタルビジネスおよびSIビジネスでの飛躍

的な事業成長を狙ってまいります。

 

(4)対処すべき課題

 今日の日本経済は、新型コロナウイルス感染症のワクチンや治療薬の開発が進み、経済社会活動の制限が緩和され景気回復へと向かう動きが見られたものの、ウクライナ情勢を契機とする急激な円安等、先行きは不透明かつ厳しい状況にあります。このような状況の中、業種・企業によっては機会と捉え積極的な投資や業態の変革により事業拡大を図る企業もあり二極化の傾向が依然として続いています。

 当社グループにおいては、中長期経営ビジョン≪VISION 2026≫の2年目を迎え、計画達成にあたり事業拡大、収益性の改善、人材価値の向上、品質向上、ガバナンス体制の強化、サステナビリティ経営の実践が課題と捉えております。

 

上記課題に対し、以下の取り組みを重点施策として実施してまいります。

 

 

①事業拡大と収益性の向上

 ICT投資では、データとデジタル技術(クラウド、AI、IoT等)を活用し、業務や企業運営のモデル自体を変革することで競争上の優位性を確立したり、生産性を向上したりする、「デジタルトランスフォーメーション」(以下、DX)への投資が依然として堅調です。

 当社においては、積極的な研究開発投資を行い、AIやブロックチェーン、クラウドサービス等の技術を強みに転化させ、新たなデジタル技術を有するパートナー企業との業務提携等により、サービスメニューの充実や事業化に向けた取り組みを推進してまいりました。

 また、これまでの強みと実績を基に、≪VISION 2026≫ではデジタルビジネス、SIビジネス、エンハンスビジネスの3つを事業の軸として推進し、収益性の高い領域の見極め、選択と集中を行うことで事業拡大と収益性の向上に努めてまいりました。今後においてもデジタルビジネスでは、システムコンサル事業や当社発の製品開発を目的に、DXビジネスの推進や、積極的に継続した技術投資を行ってまいります。SIビジネスにおいては、レガシー環境をクラウド環境に移行する(Lift)と新たな方法論を確立する(Shift)によるLift&Shiftモデルを確立します。マルチクラウド、マイクロサービスにおけるSIer/メーカーとの協業ビジネスの拡大、クラウドベンダーとの共創促進による特化技術の確立とエンドユーザービジネスの拡大を行ってまいります。エンハンスビジネスでは、これまでも進めてきた高生産性、高収益性の実現に向けた取り組みを一層加速してまいります。

 

②人材価値の向上

 エンジニアリングのスキルは当社グループの競争力強化、差別化に直結するため、システムエンジニアの継続的なスキルアップや社員の健康、働き方改革は重要な経営課題と捉えております。技術力強化に向けた研修プログラムの充実に加え、先進的な技術を取り入れたPJの推進等による成長機会の創出や、研究開発によるエンジニアリング力の向上に努めてまいります。

 また、事業展開を推し進める中核人材の育成に加え、女性社員の活躍推進やグローバルで活躍できる人材を育成するため、人員配置も含め社員が果敢にチャレンジできる機会を創出すると同時にフォロー・サポートのサイクルを確立し、実施してまいります。

 今期においては引き続き新卒・中途採用の強化を継続するとともに、人材価値の向上を目的に、キャリアフィールドの整備やスキルの可視化を行い、事業成長を推進する人材育成を立案し、実行してまいります。また、人材開発会議を通じて、当社のあるべき人材像への成長のスピードアップを図り、高付加価値サービスを担う人的リソースを確保いたします。

 

③品質向上の取り組み

 当社の主要サービスであるシステム開発業務では、予期せぬ不採算案件の発生による収益性の低下リスクが懸念されます。これを回避するためにシステム開発会議を設け、見積もり・提案時のみならず、重要度の高いプロジェクトに対しては、全社横断的に工程毎のプロジェクトの状況把握・確認、次工程判定等のプロセスを経て全社に影響を及ぼすプロジェクトリスクを共有し、対策を講じております。今後も継続的にプロセスの見直しや品質マネジメントシステムの改善により品質を確保し、顧客満足を向上することで不採算案件の低減に努めてまいります。

 

④ガバナンス体制の整備

 前述の重点施策の実施をはじめ、お客様に満足いただけるソリューション・サービスを提供し続けるために、公正かつ効率的な経営に取り組むべく、コーポレートガバナンスの充実を重要課題と捉えております。会社の意思決定や伝達プロセスが有効かつ効率的に機能する体制の構築に努め、適切・適正な監督・モニタリングと意思決定の適正化・迅速化を図ることで、経営の実効性を高めております。また、事業戦略、人事戦略、コンプライアンス、セキュリティといった経営リスクに対しての報告を強化し、対策について議論検討を進めてまいります。

 パンデミックや、その他災害への対策、地政学的リスク等を加味した事業継続プログラム(BCP)の改善も進めていくことで、持続可能な運営に努めてまいります。

 

⑤サステナビリティ経営

 当社グループは、社員一人ひとりが社会発展のために果たすべき義務や役割を理解し、事業や地域貢献などの活動を通じて企業価値向上と社会課題解決の双方の実現を目指しております。また、その基盤となる法令や企業倫理などのコンプライアンスを徹底し、社会や環境に負の影響を与えうる企業活動のリスク軽減に取り組んでおります。

 この方針に基づいて、これまで培ってきた強固な「財務資本」と多様な「非財務資本」を活用し、ビジョン実現に向けた事業活動を通じて持続的な社会の発展に貢献し、企業価値向上を図る仕組みを価値創造モデルとしています。

 さらに、社会課題の解決やSDGsの達成にあたっては、ステークホルダーとの対話によって、当社自らが課題を発見し解決策を直接提供する方式と、お客様への高付加価値サービスを通じて寄与する間接的な社会還元があります。いずれも、ステークホルダーの声を経営に活かしていくことで、価値創造モデルを循環させ、持続的な成長を実現します。

 当社グループは、これからもステークホルダーとの対話を通じ、ビジョンを実現するための成長戦略を描いてまいります。

 

 

(ご参考)

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2【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項について、現時点で想定される主なものを記載いたしました。
 なお、文中記載の事項のうち将来に関するものについては、有価証券報告書提出日(2022年6月24日)現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)当社グループを取り巻く事業環境について

 当社グループが属する情報サービス産業では、営業・販売活動のデジタル化への取り組みや、それらを支援する新たなネットワークサービスの開発などに加え、AI・IoT技術を活用したシステムインテグレーションおよび管理運営受託が堅調に推移しております。しかしながら、デジタル人材の供給面に目を向けると、慢性的なシステム/ネットワークエンジニアの不足が拡大しております。

 当社では継続した積極的技術投資を行い対応に努めておりますが、他業種からの新規参入や海外企業の台頭による想定以上の価格競争の発生、DX等による顧客のビジネスモデルの変革や広範な領域における急速な技術革新が発生した場合、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。

 

(2)特定の取引先への依存度について

 当社グループの当連結会計年度末における野村総合研究所グループ及び富士通グループへの販売実績の総販売実績に対する割合は、それぞれ51.5%及び19.3%となっております。このため、上記顧客の受注動向等は当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
 これに対して、当社グループは常にエンドユーザーに密着したサービスを提供することを志向し、上記顧客との関係を維持しながら、新規領域の獲得を目指し、サービスの最終的な利用者であるエンドユーザーとの緊密な関係の構築に注力することで、当社グループの経営成績に及ぼす悪影響の軽減を図っております。

 

(3)プロジェクトの品質・損益管理について

 当社グループでは、システム開発技術の向上・蓄積及び将来の受注拡大を目的として、収益性の低いプロジェクト又は赤字になると見込まれるプロジェクトであっても積極的に受託する可能性があります。また、当社グループの提供するサービスは原則として請負契約となるため、受注時に採算が取れると見込まれるプロジェクトであっても、想定外の仕様変更や当初の見積りを超える追加作業の発生等により収益性が低下し、不採算となる可能性があります。

 今後、DX事業の推進により顧客から要求されるシステムの高難度化が進み、品質の確保が困難な局面は増加傾向にあると考えられます。また、顧客との認識相違や当社の技術力・マネジメント不足による品質不良が発生した場合、2020年4月に施行された民法改正での契約不適合期間の延長による長期の修補責任や、売上の減額請求を行われる可能性があり、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
 その対策として、システム開発会議において工程ごとのレビューを徹底することでプロジェクトに内包するリスクの早期共有や見える化を図るとともに、各プロジェクトに対するモニタリング機能の強化による品質向上、さらにDX事業を筆頭とし契約形態を準委任契約へ変更することでリスクコントロールしてまいります。

 

(4)情報管理・情報漏洩に関するリスク

 当社グループが顧客に提供するシステムソリューション・サービスにおいては、当社グループの従業員及び当社グループが委託するビジネスパートナーの従業員が、顧客企業の保有する機密情報へアクセス可能な環境にある場合があります。当社グループでは顧客及び従業員情報の保全や機密情報の適切な管理及び情報セキュリティ・マネジメントシステムの強化・改善を重要課題と位置づけ、昨今のビジネス環境の変化によるセキュリティリスクへの対応も含め、様々な取組みを行っております。また、当社の社内環境や開発環境がサイバー攻撃にさらされるというリスクについても適正な対策を行っております。しかしながら、これらの施策にもかかわらず個人情報や企業情報が万一漏洩した場合には、損害賠償責任を負う可能性があるほか、社会的信用の失墜等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)事業継続について

 当社グループは、昨今の新型コロナウイルス感染拡大のようなパンデミックや、その他災害対策、地政学的リスク、災害等の発生の影響により顧客へのサービス提供の中断が不可避となった場合等を加味した事業継続プログラム(BCP)の再構築を行い、その実効性の点検や課題の解決を図っております。しかしながら、災害規模が想定よりも甚大な場合には顧客と合意した水準でのサービス提供が困難となり、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。

 なお、新型コロナウィルス感染症による当社グループへの影響につきましては、顧客企業による新規開発案件の凍結や商談機会の減少など営業活動への影響が続いた一方で、社会活動を維持するためのICTの積極活用により、企業規模に関わらずDXを中心とした需要が継続的に伸びております。IT投資の二極化が進む環境下で、デジタル技術を駆使することで品質を維持しながら分散型、非接触型でのサービス提供に努めることで事業活動を推進してまいります。

 

(6)海外子会社を含めた海外での事業活動について

 当社グループは、海外での事業拡大を進めております。しかし多くの海外市場において、日本とは異なる法制度、商慣習及び労使関係や経済の動向並びに為替相場の変動、その他政治的及び社会的要因といった様々な要因の発生が見込まれ、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。

 これらに対して、一極集中を避けるために、国内ニアショアの活用など国内外の拠点の再配置の検討をすすめてまいります。

 

(7)投資有価証券の価値の棄損について

 当社グループは、取引先との関係強化や情報収集を目的に保有する上場株式の他に、業務提携等で取得した未上場株式や資金運用を目的とする債券を保有しております。また、新技術を保有するベンチャー企業の発掘を目的に投資事業組合への出資を行っております。これらの投資有価証券は、発行体の業績悪化や経営破綻等が発生した場合には、会計上減損処理を行うことや、投資額を回収できないことがあり、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。

 これらのリスクに対して、市場並びに運用先のモニタリングを充実させ、適切な対処を行ってまいります。

 

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。

 なお、当連結会計年度より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用しております。

 また、当連結会計年度においては、新型コロナウイルス感染症による影響は発生しておりません。

 

①財政状態及び経営成績の状況

a.経営成績

 当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う緊急事態宣言等による経済社会活動の抑制が続きましたが、ワクチンや治療薬の開発が進み感染症への懸念が和らぐ中で、経済社会活動の制限が緩和され、景気回復へと向かう動きがみられました。一方で、ウクライナ情勢を契機とする資源価格の上昇や急激な円安等、先行きは不透明な状況が続いております。

 このような状況の中、業種・企業によっては機会と捉え積極的な投資や業態の変革により事業拡大を図る等、二極化の傾向が依然として続きました。企業の情報化投資においては、デジタル庁設立に後押しされ、企業規模に関わらずDXを中心とした需要が継続的に伸びており、IT投資が更に拡大する傾向にあります。その結果、当社の属する情報サービス産業では、営業・販売活動のデジタル化への取り組みや、それらを支援する新たなネットワークサービスの開発などに加え、AI・IoT技術を活用したシステムインテグレーションおよび管理運営受託が堅調に推移しております。しかしながら、デジタル人材の供給面に目を向けると、慢性的なシステム/ネットワークエンジニアの不足が拡大しております。

 当社グループにおきましては、このような環境下で、デジタル人材の育成に努めるとともに人的リソースの再配置等を機動的に進めることによって、運送事業会社ならびに通信会社向けシステム構築案件での受注が拡大し、当連結会計年度における売上高は16,099百万円(前年同期比8.9%増)と堅調に推移いたしました。また、利益面におきましては事業構造モデルの改革に向けたSIビジネス(Lift&Shift※)へのリソースの集約化による高収益化および既存マーケットからの派生開発案件の拡大により、営業利益は1,417百万円(同20.7%増)、経常利益は1,432百万円(同10.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は944百万円(同11.9%増)となりました。

※レガシー環境をクラウド環境へ移行(Lift)し、クラウド環境に最適化しながらシステム再構築を段階的に進めていく(Shift)こと

 

 事業の品目別の業績を示すと次のとおりであります。

(システムインテグレーション・サービス)

 運輸業における運送事業会社向けシステム構築案件の拡大および流通業における総合スーパー向けシステム構築案件の拡大等により、売上高は11,968百万円(前期比13.6%増)となりました。

(システムアウトソーシング・サービス)

 金融業におけるカード会社向けシステム構築案件の縮小およびデータセンター向け案件の終了に伴う縮小等により、売上高は1,834百万円(同15.8%減)となりました。

(プロフェッショナル・サービス)

 通信業における通信会社向けシステム構築案件の拡大および流通業向けシステム構築案件の拡大等により、売上高は2,296百万円(同10.7%増)となりました。

 

b.財政状態

(資産)

 当連結会計年度末における流動資産は7,805百万円となり、前連結会計年度末と比べ551百万円増加いたしました。これは主に現金及び預金の増加590百万円によるものです。また、固定資産合計は2,259百万円となり、前連結会計年度末と比べ68百万円増加いたしました。これは主に投資有価証券の増加108百万円、繰延税金資産の減少44百万円によるものです。

 これらの結果、総資産は10,064百万円となり、前連結会計年度末に比べ620百万円増加いたしました。

(負債)

 当連結会計年度末における流動負債は2,199百万円となり、前連結会計年度末に比べ158百万円減少いたしました。これは主に未払法人税等の減少139百万円、短期借入金の減少40百万円によるものです。固定負債は650百万円となり、前連結会計年度末に比べ79百万円増加いたしました。これは主に株式報酬引当金の増加80百万円によるものです。

 これらの結果、負債合計は2,850百万円となり、前連結会計年度末に比べ78百万円減少いたしました。

(純資産)

 当連結会計年度末における純資産は7,214百万円となり、前連結会計年度末に比べ698百万円増加いたしました。これは主に自己株式の減少による増加438百万円、利益剰余金の増加357百万円によるものです。

 

②キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ568百万円増加し、5,015百万円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果得られた資金は1,015百万円(前期比2.6%減)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益の計上額1,432百万円および法人税等の支払額579百万円の資金減少によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は134百万円(前年同期は58百万円の獲得)となりました。これは主に投資有価証券の取得による支出76百万円、有形固定資産の取得による支出43百万円によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果使用した資金は324百万円(前期比50.6%増)となりました。これは主に配当金の支払額282百万円によるものであります。

 

③生産、受注及び販売の実績

 当社グループは、システムソリューション・サービスの単一セグメントのため、生産、受注及び販売の実績については、セグメントに代えて品目別に示しております。

 a.生産実績

 当連結会計年度における品目毎の生産実績を示すと、次のとおりであります。

品目

金額(千円)

前期比(%)

システムインテグレーション・サービス

11,968,883

113.6

システムアウトソーシング・サービス

1,834,663

84.2

プロフェッショナル・サービス

2,296,290

110.7

合計

16,099,838

108.9

  (注)金額は販売価格によっております。

 

 b.受注実績

 当連結会計年度における品目毎の受注実績を示すと、次のとおりであります。

品目

受注高(千円)

前期比(%)

受注残高(千円)

前期比(%)

システムインテグレーション・サービス

11,895,691

106.5

3,324,778

97.8

システムアウトソーシング・サービス

1,742,551

89.4

338,103

78.6

プロフェッショナル・サービス

2,434,526

125.2

613,888

129.1

合計

16,072,769

106.7

4,276,770

99.4

  (注)金額は販売価格によっております。

 

 c.販売実績

 当連結会計年度における品目毎の販売実績を示すと、次のとおりであります。

品目

金額(千円)

前期比(%)

システムインテグレーション・サービス

11,968,883

113.6

システムアウトソーシング・サービス

1,834,663

84.2

プロフェッショナル・サービス

2,296,290

110.7

合計

16,099,838

108.9

(注)最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりで

あります。

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

株式会社野村総合研究所

6,131,338

41.5

7,107,178

44.1

富士通株式会社

2,414,423

16.3

2,891,826

18.0

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

  なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 ①重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

 当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表」に記載のとおりであります。

 

 ②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

  a.売上高

 当社グループの当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ1,310百万円増加し、16,099百万円(前期比8.9%増)となりました。
 品目別では、システムインテグレーション・サービスの売上高は、前連結会計年度に比べ1,433百万円増加(同13.6%増)しております。主な要因としましては、運輸業における運送会社向けシステム構築案件の拡大および流通業における総合スーパー向けシステム構築案件の拡大によるものであります。

 システムアウトソーシング・サービスの売上高は、前連結会計年度に比べ344百万円減少(同15.8%減)しております。主な要因としましては、金融業におけるカード会社向けシステム構築案件の縮小およびデータセンター向け案件の終了による縮小によるものであります。

 プロフェッショナル・サービスの売上高は、前連結会計年度に比べ221百万円増加(同10.7%増)しております。主な要因としましては、通信業における通信会社向けシステム構築案件の拡大および流通業向けシステム構築案件の拡大によるものであります。

  b.売上原価、売上総利益

 売上原価は、前連結会計年度に比べ701百万円増加し、12,649百万円(前期比5.9%増)となりました。これは主に運輸業および通信業における受注拡大に伴う経費の増加によるものです。売上総利益は、前連結会計年度に比べ609百万円増加し、3,450百万円(同21.4%増)となりました。主な要因としましては、事業構造モデルの改革に向けてSIビジネス(Lift&Shift)へのリソース集約を図り、高収益化を実現したことによるものであります。

  c.販売費及び一般管理費、営業利益

 販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ366百万円増加し、2,032百万円(前期比22.0%増)となりました。これは主にガバナンス及び管理体制強化に伴う費用の増加によるものです。営業利益は、前連結会計年度に比べ243百万円増加し、1,417百万円(同20.7%増)となっております。

  d.経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益

 経常利益は、前連結会計年度に比べ137百万円増加し、1,432百万円(前期比10.6%増)となりました。

 親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ100百万円増加し、944百万円(同11.9%増)となりました。これは主に営業利益の増加によるものであります。

 

 ③当連結会計年度の財政状態の分析

 「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 b.財政状態」をご覧ください。

 

 ④資本の財源及び資金の流動性についての分析

  資金調達について

   金融経済環境が大きく変化する中、コミットメントライン契約の締結により、運転資金枠を確保し、資金調達
  の機動性と安定性を高め、積極的な事業展開を図るとともに、資金効率を高め、財務体質の強化に努めてまいり

  ます。

 

4【経営上の重要な契約等】

  当社グループの更なる事業拡張を図るため、ビジネスパートナーと契約を締結しております。

  (1)keyパートナー契約

契約相手先

締結年月

契約の概要

 株式会社システムクリエイト

  2005年5月

 技術・研究開発面をはじめ、営業、調達等あらゆる面で情報を共有化し、システムソリューション・サービス事業においてビジネスチャンスの拡大を図ると共に、品質・技術の向上、情報セキュリティ管理、人材育成プログラム等に係わる経営管理手法の改善・効率化にも取組み、サービスレベルの向上を図り、相互の企業価値が向上することを目的とした業務提携であります。契約期間は2年であり、契約の更新に関しては、別段の申し出がない限り1年間自動的に更新するものとなっております。契約に係る対価等は特にありません。

 

  (2)資本業務提携契約

契約相手先

締結年月

契約の概要

 株式会社トリプルアイズ

  2018年8月

 トリプルアイズ社が強みとするAI、IoT、ブロックチェーン技術と、当社が強みとする金融・流通・通信・エネルギーなどの様々な業界で培ってきた業務知識、ソフトウェア開発力の融合による協創、共同研究等を進めることによる新たな事業創出や受注拡大を図り、AI、IoTおよびブロックチェーン技術に精通した人材育成を進めることを目的とした資本業務提携であります。

 

 

5【研究開発活動】

 当社グループは、先進技術に係る積極投資、新規事業創発、新技術の社内展開を目的に、クラウドソリューション、AI、ブロックチェーンに係る研究開発活動を行っております。

 具体的には、クラウドソリューションではSaaS製品に対する技術調査、評価、当社の提供サービス適用に向けたソリューション開発、AI及びブロックチェーンでは、自社プロダクトの開発投資に取り組んでおります。特に自社プロダクトの一つである「スマイルシェアプロダクト」はブロックチェーン技術を活用したピアボーナスネットワークプラットフォーム、AI画像認識技術を活用した非接触型決済システムを構築し、社員間のコミュニケーション可視化の仕組みづくりとして研究開発に取り組みました。

 今後に関しましては、社内ではウェルビーイング向上を目的としたプロダクト活用を促進し、社外展開への活動として外販に向けた製品化への取り組みとアプローチを実施してまいります。
 なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は100百万円であります。