(1)業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、政府および日銀の政策等により、企業業績および雇用情勢はおおむね好調に推移し、全体としては弱含みながらも緩やかな回復傾向を維持いたしました。一方で、原油価格の急落、中国経済の成長鈍化等の影響により、金融経済および実体経済ともに不透明性が増したことに加え、暖冬の影響等により個人消費の回復と物価の上昇に遅れが見られており、先行きにつきましても、為替動向の不安定さや、企業業績の回復の一巡等の点で不安要素が残っております。
当社および連結子会社(以下、「当社グループ」という。)が属する不動産業界におきましては、テナントの増床や規模拡大を伴う移転需要等により、東京および地方の主要都市でオフィスビルの空室率の改善が観測され、特に東京都心部では緩やかに賃料が上昇いたしました。J-REIT市場では、オフィス物件の取得は金額ベースで前年を下回った一方で、今後の内部成長が期待できるホテルは活発に取引され、また、社会的ニーズの高まりで注目を集めるヘルスケア施設に特化したJ-REITが新規上場するなど、用途の多様化が見られました。
クリーンエネルギー事業におきましては、太陽光発電の経済産業省による固定買取価格制度の変更に伴い、売電開始済みの案件や、同省の認定を取得し稼働可能と判断できる未着工案件の売買動向に注目が集まっていることに加え、導管性要件(注1)を満たしたインフラファンドに対して、非課税期間が20年間に延長されたことに伴い一定規模以上の売電事業者においては更なる事業の発展が期待されます。
当社グループでは、こうした環境下において、中期経営計画「Shift Up 2016」の完全実現に向け、平成27年11月に東京証券取引所市場第一部への市場変更を実現いたしました。また、いちごオフィスリートおよびいちごホテルリートの成長をサポートするためのリートブリッジ案件(注2)およびバリューアップ案件(注3)への積極的な投資、クリーンエネルギー(太陽光発電等)事業の推進による黒字化の達成等、以下の事項を実施してまいりました。
・東京証券取引所市場第一部への市場変更
・成長投資の拡大(リートブリッジ案件、バリューアップ案件)
・いちごオフィスリート及びいちごホテルリートの成長支援のためのスポンサーサポート
・クリーンエネルギー(太陽光発電等)事業の推進による黒字化の達成
・運用資産の環境対応、耐震性、機能性の向上等バリューアップの推進
・徹底した現場主義の実現による高水準の物件管理サービス提供、リーシング強化
・不動産運用における個人顧客向けサービスの立ち上げ
・借入金の調達期間の長期化、金利の低減等借入条件の改善
・資産の売却による資金回収および売却益の獲得
・いちごブランディングの積極的な推進業の規模拡大および事業化の進展
これらの結果、当連結会計年度における売上高につきましては、49,699百万円(前期比16.4%増)、営業利益につきましては15,417百万円(前期比88.3%増)、経常利益につきましては13,889百万円(前期比91.4%増)、当期純利益につきましては12,925百万円(前期比91.2%増)となりました。
(注1)導管性要件
導管性とは、法人課税を回避し、利子や配当課税等の二重課税を回避する仕組みであり、その要件はJ-REIT、インフラファンドでは配当可能利益の90%以上を投資主に分配することや筆頭投資主の保有比率が50%以下であること等があります。
(注2)リートブリッジ案件について
リートブリッジ案件とは、主に、当社グループが運用するJ-REITが適切な物件取得時期を迎えるまでの間、当社グループで先行して取得する不動産案件をいいます。
(注3)バリューアップ案件について
バリューアップ案件とは、主に、当社グループの不動産技術、ノウハウによりバリューアップの見込める案件を取得し、不動産のプロとしてのバリューアップを施し、売却益による高い収益性を目指して取得する不動産案件をいいます。
セグメントごとの業績は次のとおりであります。
①アセットマネジメント
当該セグメントの業績につきましては、私募ファンドの物件売却にかかるフィー収入、当社グループが運用するリートにおけるスポンサーサポートによる物件取得フィーおよび運用資産残高の増加によるフィー収入の増収等により、当該セグメントの売上高は6,400百万円(前期比30.3%増)、セグメント利益は2,879百万円(前期比269.4%増)と、増収増益となりました。
②「心築」(旧不動産再生)
当該セグメントの業績につきましては、オフィス物件およびホテル物件の積極的な取得に加え、バリューアップによる賃料収入の改善、スポンサーサポートとしていちごホテルリートに対し全9物件のホテル物件供給を実行したことにより、賃料収益および物件売却益ともに増加いたしました。以上の結果、当該セグメントの売上高は42,948百万円(前期比12.7%増)、セグメント利益は12,629百万円(前期比60.4%増)となりました。
③クリーンエネルギー
当該セグメントの業績につきましては、事業投資を継続しているため発電所の先行コストを負担している状況は続いておりますが、前連結会計年度において売電を開始した案件が期首から業績に寄与したことに加え、当連結会計年度に新たに7件の発電所において売電収入が発生し始めたことにより、当該セグメントの売上高は1,628百万円(前期比168.9%増)、セグメント利益は323百万円(前期は△93百万円)となり、黒字化を達成いたしました。
④その他
当該セグメントの業績につきましては、アドバイザリーフィーの発生等により、売上高は59百万円(前期比137.0%増)と増収となり、セグメント利益は△32百万円(前期は△66百万円)と損失が縮小いたしました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、28,368百万円となり、前連結会計年度末の18,972百万円と比較して9,396百万円の増加となりました。各キャッシュ・フローとそれらの要因は以下のとおりであります。
①営業活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度において営業活動により税金等調整前当期純利益14,022百万円、営業投資有価証券の減少額1,239百万円等により17,025百万円の資金が増加いたしましたが、物件の仕入れ等の先行投資が順調に推移したことによる販売用不動産の増加額63,070百万円、預り保証金の増加額2,380百万円、前渡金の増加額990百万円があったこと等により、当連結会計年度において営業活動により使用した資金は44,654百万円(前期比30.2%増)となりました。
②投資活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度において投資活動により使用した資金は、7,052百万円(前期比43.5%減)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出6,628百万円、投資有価証券の取得による支出671百万円、投資有価証券の売却による収入296百万円及び差入保証金の差入による支出37百万円があったことによるものであります。
③財務活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度において財務活動により得られた資金は、63,318百万円(前期比52.0%増)となりました。これは主に、長期借入れによる収入64,866百万円、長期借入金の返済による支出19,192百万円、長期ノンリコースローンの借入れによる収入18,150百万円、長期ノンリコースローンの返済による支出2,772百万円、短期借入金の純増額771百万円、配当金の支払額646百万円及び少数株主からの払込みによる収入2,000百万円があったことによるものであります。
(1)生産実績
当社グループで行う事業につきましては、生産実績を定義することが困難であるため、記載を省略しております。
(2)受注状況
当社グループは、受注生産を行っていないため、受注実績の記載はしておりません。
(3)販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成27年3月1日 至 平成28年2月29日) |
前年同期比(%) |
|
アセットマネジメント(百万円) |
5,067 |
127.7 |
|
「心築」(百万円) |
42,944 |
112.7 |
|
クリーンエネルギー(百万円) |
1,628 |
268.9 |
|
その他(百万円) |
58 |
236.0 |
|
合計(百万円) |
49,699 |
116.4 |
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 平成26年3月1日 至 平成27年2月28日) |
当連結会計年度 (自 平成27年3月1日 至 平成28年2月29日) |
||
|
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
|
いちごオフィスリート投資法人 |
22,243 |
52.1 |
5,264 |
10.6 |
|
いちごホテルリート投資法人 |
- |
- |
20,935 |
42.1 |
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
これまで不動産価格の上昇を牽引してきた期待利回りの低下は、現在も依然として継続しており、不動産に対する期待利回りの水準はリーマンショック前の最低水準に既に到達しているものと思われます。
加えて円高基調であることや、世界の中で見た東京の賃料・価格の上昇期待の相対ポジションがやや後退してきたことから、期待利回り(キャップレート)の低下圧力は弱まっていくものと思われます。
しかしながら、平成28年2月16日より適用されたマイナス金利政策の導入により、不動産市場への資金流入圧力は依然強く、日本や欧州を初めとして世界的な金融緩和と低金利の状況は当面継続すると考えており、実物投資である不動産に対する期待は大きく、不動産に対する期待利回りは、低下余地は小さくなったものの、短期的には比較的高い利回りを確保できる地方都市を中心にわずかに低下し、中期的には横ばいで推移することが予想されます。
このような状況下において当社グループでは、「成長と深化」により持続的に成長を果たし、企業力をさらに深掘りし、次の成長エンジンとする、新中期経営計画「Power Up 2019」を策定し、平成28年4月19日付で公表いたしました。当社グループは当該新中期経営計画「Power Up 2019」の完全実現に向け、全社一丸となって取り組み、以下の重点施策を実施してまいります。
(1)本業のさらなる強化と深化による強力な収益基盤の構築
・新投資法人のインフラファンド市場への上場
・いちごオフィスリート(8975)およびいちごホテルリート(3463)の持続的成長を支援
・高機能、安心、安全、環境に優しい不動産を提供するため、エンジニアリングチームを強化
・不動産収益の最大化を図るための専門リーシングチームを新設
(2)新規事業の創出
・現物不動産への投資ニーズに対応する新たなビジネスの創出
・国策である「観光立国」の支援と、いちごホテルリートとのシナジーをもたらすホテル等宿泊施設の提供
・不動産×IT「不動テック」を活用したビジネスの創出
(3)財務基盤の強化
・持続的成長を可能とする、財務安定性のさらなる強化と収益力向上
・借入の無担保化および長期化、借入コスト低減、格付取得、社債発行等の幅広い財務施策の推進
(4)高い資本効率と内部成長率の実現
・自己資本利益率(ROE)15%以上
(5)「働きがい」の向上
・健康経営の推進
・「日本一チャンス溢れる会社」を目指す
(6)グローバルベストプラクティスに適応した、ガバナンス・コンプライアンス態勢の継続的強化
以下において、当社グループの事業の展開上、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を記載しております。なお、必ずしも事業上のリスクとは捉えていない事項についても、投資家の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資家に対する情報開示の観点から積極的に開示しております。
ここに記載したリスク以外にも、当社グループを取り巻く環境には様々なリスクを伴っており、ここに記載したものが全てではありません。
また、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、実際は見通しと乖離する可能性があります。
①当社グループの事業を取り巻く経営環境について
(a) 不動産市況の動向
当社グループの事業において、不動産市況の動向は、他の経済指標と比較して重要性が高いものとなっております。当社グループは、不動産投資および不動産ファンド組成の際に、長期的かつ安定的な収入を獲得できるようなスキームを構築すると共に、対象不動産のデューデリジェンスを精緻に行うこと等により、不動産市場の動向が当社グループの財政状態及び経営成績に及ぼす影響を少なくするよう細心の注意を払っております。しかし、不動産市況が著しく変動した場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
また、経済環境や不動産市場が不安定になった場合には、不動産市場全体の流動性が低下する可能性があり、当社グループが保有する不動産を売却できなくなる可能性や想定通りの時期に売却できなくなる可能性、又は計画よりも低い価格での売却を余儀なくされる可能性があります。その場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(b) 災害等の影響
当社グループでは、不動産ファンドのアセットマネジメントを行うとともに、自己資金による不動産投資も行っております。当社グループが保有している不動産が所在する地域において、地震、戦争、テロ、火災等の災害が発生した場合には、当該不動産の価値が毀損する可能性があります。その結果、手数料収入が減少したり、確保できない場合や当社グループの投資資金が回収できない場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(c) 株式市況の動向
当社グループでは、過去において国内外の株式等を投資対象としており、現在においても一部保有をしております。このため、株式市場における株価動向により、投資対象の株式等を当該株式等の取得原価を上回る価額で株式市場等において売却できない場合は、期待されたキャピタルゲインが実現しない可能性、投資資金を回収できない可能性、キャピタルロスまたは評価損が発生し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(d) 有利子負債への依存度および金利の動向
当社グループの「心築」事業およびクリーンエネルギー事業における投資は自己資金によるエクイティ投資のほか、主として個別案件毎に金融機関からの借入金により調達しており、総資産に占める有利子負債比率が上昇しております。これに伴い、将来において、金利水準が上昇した場合は、資金調達コストの増加、顧客投資家の期待利回りの上昇、不動産価格の下落等の事象が生じる可能性があり、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。金利の上昇リスクに対しては、一部金利スワップを利用してリスク・ヘッジを行っております。
(e) 財務制限条項について
当社グループの一部の借入契約には、財務制限条項が付されております。今後これらの条項に抵触した場合、借入契約の貸付人より期限の利益を喪失しないために必要な同意を得られる保証はなく、必要な同意が得られなかった場合には、当該借入金を一括して返済する必要が生じ、当社グループの財政状態に影響を与える可能性があります。
(f) 外国為替の変動
当社グループでは、これまで中国を中心としたアジア・パシフィック地域での投資活動を行ってまいりました。これらの投資は、米国ドルまたは現地通貨を中心とした外貨建てとなっております。外国為替相場の動向によっては、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(g) その他新規事業について
当社グループは、新規事業の立ち上げ、既存事業の拡大(不動産の利用目的の一つとしての大規模太陽光発電所の建設等を含みますが、これに限りません。)などを目的として、企業買収、子会社の設立等を行っています。これら事業への参入や参入後の業績には様々な不確実性を伴うため、可能な限りリスクを想定した内部管理体制の構築、人材の充実、保険の付保等を行っておりますが、想定を超えるリスクの発生、法令や諸規制の変更によっては、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
②競合について
当社グループの営む事業は、不動産投資に関する高い専門能力と知識、経験が不可欠であります。しかしながら、競合他社との間で投資対象となる収益不動産案件の獲得競争が厳しくなっていることから、当該収益不動産案件の確保が出来なかった場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
③人材の確保について
当社グループの営む事業は、高度な知識と数々の経験に基づく能力を有する人的資本により成り立っております。しかしながら、役員はもとより、各従業員に業務遂行上の支障が生じた場合や社外に流出した場合、または当社グループの求める人材が十分に確保できなかった場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
④特有の法的規制について
当社グループは、現時点の各種規制に従って、業務を遂行しておりますが、将来において各種規制が変更された場合には、当社グループの事業推進に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループが規制を受ける主なものは、金融商品取引法、宅地建物取引業法、各税法、資産の流動化に関する法律(改正SPC法)、投資事業有限責任組合契約に関する法律(ファンド法)、貸金業法、一般法人及び一般財団法人に関する法律(旧中間法人法)、建築士法等があります。
当社グループでは、上記の法令等に基づき、主たる事業において以下の許認可及び登録(以下、「許認可等」という。)を受けております。
(いちごグループホールディングス株式会社)
|
許認可等の名称 |
所管官庁等 |
登録番号 |
有効期間 |
取消、解約その他の事由 |
|
宅地建物取引業免許 |
東京都 |
東京都知事(2) 第90527号 |
平成31年5月22日まで |
不正な手段による免許の取得や役員等の欠格条項に該当する場合は免許の取消 (宅地建物取引業法第66条) |
(いちご不動産投資顧問株式会社)
|
許認可等の名称 |
所管官庁等 |
登録番号 |
有効期間 |
取消、解約その他の事由 |
|
宅地建物取引業免許 |
東京都 |
東京都知事(1) 第99098号 |
平成33年4月28日まで |
不正な手段による免許の取得や役員等の欠格条項に該当する場合は免許の取消 (宅地建物取引業法第66条) |
|
取引一任代理等認可 |
国土交通省 |
国土交通大臣認可第42号 |
有効期間の定めはありません。 |
不正な手段による認可の取得や業務に関し取引の相手に損害を与えた場合は認可の取消 (宅地建物取引業法第67条の2) |
|
金融商品取引業登録 (投資運用業、投資助言・代理業、第二種金融商品取引業) |
関東財務局 |
関東財務局長 (金商)第318号 |
有効期間の定めはありません。 |
不正な手段による登録や資本金不足、業務又は財産の状況に照らし支払不能に陥る恐れがある場合は登録の取消 (金融商品取引法第52条) |
(いちご地所株式会社)
|
許認可等の名称 |
所管官庁等 |
登録番号 |
有効期間 |
取消、解約その他の事由 |
|
宅地建物取引業免許 |
東京都 |
東京都知事(1) 第93181号 |
平成28年7月15日まで |
不正な手段による免許の取得や役員等の欠格条項に該当する場合は免許の取消 (宅地建物取引業法第66条) |
|
金融商品取引業登録 (投資助言・代理業、第二種金融商品取引業) |
関東財務局 |
関東財務局長 (金商)第18号 |
有効期間の定めはありません。 |
不正な手段による登録や資本金不足、業務又は財産の状況に照らし支払不能に陥る恐れがある場合は登録の取消 (金融商品取引法第52条) |
当社グループでは、法令規則等の遵守を徹底しており、これまで重要な行政処分を受けたことはありません。また、当社グループは、これらの許認可等を受けるための諸条件及び関係法令の遵守に努めており、現時点において当該許認可等が取消となる事由は発生しておりません。しかしながら、今後何らかの理由により当社グループが業務の遂行に必要な許認可等の取消などの行政処分を受けた場合には、当社グループの事業活動に支障をきたし、財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
⑤連結の範囲決定に関する事項
(投資事業組合等の連結会計上の取扱いについて)
当社グループは、「投資事業組合に対する支配力基準及び影響力基準の適用に関する実務上の取扱い」(企業会計基準委員会 実務対応報告第20号 平成23年3月25日改正)を適用しており、各投資事業組合等毎に個別に支配力及び影響力の有無を判定した上で連結子会社及び関連会社を判定し、連結の範囲を決定しております。
今後、新たな会計基準の設定や、実務指針等の公表により、投資事業組合等に関する連結範囲の決定について、当社グループが採用している方針と大きく異なる会計慣行が確立された場合には、当社グループの連結範囲決定方針においても大きな変更が生じ、当社グループの財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑥大株主について
当社の大株主である、いちごトラスト・ピーティーイー・リミテッド(以下、「いちごトラストPTE」という。)は平成28年2月29日現在、当社の総議決権の59.55%を保有しております。
いちごトラストPTEは、投資を事業目的とする、法人格を有さない外国籍のユニット・トラストである、いちごトラストから100%の出資を受けております。
いちごトラスト及びいちごトラストPTEはIchigo Asset Management International, Pte. Ltd.に投資を一任しており、Ichigo Asset Management International, Pte.Ltd.に対しては、いちごアセットマネジメント株式会社が投資助言を行っております。
Ichigo Asset Management International, Pte. Ltd.及びいちごアセットマネジメント株式会社は当社グループとの間に資本関係はございませんが、当社の取締役並びに代表執行役会長であるスコット キャロンは当社の取締役及びいちごアセットマネジメント株式会社の代表者を兼任しており、Ichigo Asset Management International, Pte. Ltd.の大株主であります。
なお、スコット キャロンは、Ichigo Asset Management International, Pte. Ltd.の業務執行を行っておらず、Ichigo Asset Management International, Pte. Ltd.の当社株式の売買に関する投資判断には関与しておりません。
さらに、Ichigo Asset Management International, Pte. Ltd.は、日本国の法令規則等を遵守するとともに、コンプライアンス等に係る社内規則を定め、未公表の重要事実の入手時における売買停止を実施する等、必要とする情報統制の体制を整備し運用しております。
当社は、事業活動を行う上での機関決定等に際し、いちごトラスト及びいちごトラストPTEから制約を受けることはなく、当社グループの事業展開における意思決定は当社グループの責任のもとで行われ業務が執行されており、独立性を確保しているものと考えております。
いちごトラストは当社が平成20年8月に実施した第三者割当増資を引き受けて以来、当社株式を長期安定株主として保有する方針の下、当社グループに対し事業及び資金支援を行い、当社グループの安定収益基盤の確立と財務基盤の強化支援に努めてまいりました。現時点においても、将来にわたり長期安定株主として一定数を保有する方針でありますが、今後の経済情勢及び国際情勢が著しく変動した場合は保有方針等が変更される可能性があります。その場合には当社グループの経営方針及び業務遂行に対して影響を及ぼす可能性があります。
⑦クリーンエネルギー(太陽光発電等)について
当社グループでは、再生エネルギーを創生し、環境に配慮した発電事業として社会的意義があり、かつ当社グループの安定収益基盤の拡大を目指す事業としてクリーンエネルギー(太陽光発電等)事業を展開しております。
平成28年2月29日現在において、電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法により定められた全量固定価格買取制度に基づき、当社グループの売電価格が電力会社との契約により20年間保証されております。
しかしながら、電力会社が当該契約通りに買取を行わなかった場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
また、当該事業における太陽光発電設備の発電量は気象条件に大きく左右されるほか、天災・火災等の災害に見舞われた場合には、設備の損傷等により発電量が大幅に低下する可能性があり、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑧税務上の繰越欠損金について
当社及び一部の連結子会社は、過年度に生じた税務上の繰越欠損金を有しております。法人税、住民税及び事業税の課税所得の算定に当たっては、課税所得を一定の率まで繰越欠損金と相殺することで、法人税等の税金の納付額が軽減されております。繰越欠損金が解消された場合、通常の課税所得の算出に基づく法人税、住民税及び事業税の負担が発生し、当社グループの当期純利益およびキャッシュ・フロー等に影響を与える可能性があります。
(いちごオフィスリートとの「スポンサー追加サポート基本合意書」の締結について)
当社は、平成27年4月9日付でいちごオフィスリートと「スポンサー追加サポート基本合意書」を締結いたしました。当社は従来、平成26年3月26日付で締結した「スポンサーサポート契約」(注)に基づき、当該契約で定めるサポート業務を無償でいちごオフィスリートに提供しておりました。この度の合意は、いちごオフィスリートが投資法人として継続的かつ安定的に成長し発展するにあたり、最適なタイミングで物件を取得できること等を目的として、いちごオフィスリートの信用を補完する必要が生じた場合に、いちごオフィスリートの要請に従い、有償で信用補完業務をサポートするものであります。
(1)締結の理由
いちごオフィスリートは、平成27年4月期および平成27年10月期の1年間を成長戦略のステージIV「資産規模の大幅拡大」の期間と位置づけ、安定的かつ収益成長が見込める中規模オフィスを中心としたポートフォリオを構築するとともに、資産規模を大幅に拡大することにより、収益の安定性を確保しながら成長性を追求し、1口当たり分配金および投資主価値の向上を目指しております。
当該成長戦略に対し、当社はスポンサーとして、いちごオフィスリートの継続的かつ安定的な成長・発展のために、いちごオフィスリートが最適なタイミングで物件を取得できるよう、いちごオフィスリートが当社に信用補完の提供を求めることができる「スポンサー追加サポート基本合意書」を、平成27年4月9日付でいちごオフィスリートと締結いたしました。
当社がこのようなサポートを行うことにより、いちごオフィスリートの成長に寄与する物件の取得に際し、売主が物件をいちごオフィスリートに譲渡することを合意するうえで、合意に至るまでの一定の有意な効果をもたらすものと考えております。いちごオフィスリートの継続的かつ安定的な成長は、当社グループにおけるアセットマネジメント事業の強化に不可欠なものであると考えており、今後も、当社グループ全体でいちごオフィスリートに対し、適切なバックアップを行う方針であります。
(2)基本合意書の内容
いちごオフィスリートは、次に掲げる事項に関し、当社よりいちごオフィスリートの信用補完を得る必要があると判断した場合、当社に対し、当該信用補完を得る必要のある具体的事項および当該信用補完の提供に係る合理的な対価を事案に応じて検討の上、通知し、当社との協議により決定した金額で当社によるいちごオフィスリートの信用補完を要請することができます。
・いちごオフィスリートに対する金融機関による融資
・いちごオフィスリートに対する投資家による出資
・いちごオフィスリートによる不動産または不動産を信託財産とする信託受益権の取得
・前各号に関連する事項
・その他いちごオフィスリートの運営に資する事項
当社は、いちごオフィスリートの要請があった場合において、いちごオフィスリートの要請に応じることが法令その他の規則・ガイドライン等に反することなく、かつ、本合意書の目的に合致するとその裁量によって判断した場合には、いちごオフィスリートとの間で個別合意書を締結した上で、当該個別合意書において定められた事項に関し、スポンサーレターの提出、保証契約の締結等の方法により、いちごオフィスリートの信用を補完する措置をとります。
いちごオフィスリートは、当社の要請がある場合、当社が前項の判断を行う上で必要な資料および情報を提供します。
(注)平成26年3月26日付締結の「スポンサーサポート契約」とは、下記の業務をいちごオフィスリートに無償提供することでいちごオフィスリートの成長を促進させ、当社のアセットマネジメント事業への寄与を期待して締結したものであります。
・いちごオフィスリートに対して融資を提供する金融機関の紹介、及びその実現に向けた協力
・いちごオフィスリートに対して出資する投資家の紹介、及びその実現に向けた協力
・いちごオフィスリートが取得検討する物件及び取得先の紹介、いちごオフィスリートが保有する物件の売却先の紹介、並びにそれらの実現に向けた協力
・いちごオフィスリートによる取得機会の確保のための物件の取得及び保有
・いちごオフィスリート及びいちごオフィスリートの資産運用会社の事業全般に関するコンサルタント業務、他の事業者の紹介及びその他の補助的業務
(いちごホテルリートとの「スポンサーサポート契約」の締結について)
当社は、平成27年10月2日付で、平成27年7月22日付で設立いたしましたいちごホテルリートとの間で「スポンサーサポート契約」(以下、「本契約」という。)を締結いたしました。
(1)締結の理由
当社グループは、投資家の資産運用ニーズに更に応えるべく、新たなアセットタイプとして、当社グループとして2本目のリートである、ホテルを投資対象とするいちごホテルリートを設立しております。
当社は、今後のいちごホテルリートの継続的かつ安定的な成長と発展のために、当社グループの物件取得力および与信力を活かし、いちごホテルリートが最適な時期に物件を取得できるよう、当社グループ全体でバックアップを行うべく、平成27年10月2日付で本契約を締結いたしました。
いちごホテルリートとの本契約締結は、当社グループのアセットマネジメント事業の強化において重要な取り組みであり、資産の順回転を加速し、更なる収益拡大を目指すものであります。また、投資ニーズが高いホテルを投資対象とする、いちごホテルリートの安定的な成長と発展は、リート市場の投資家に対し広く投資機会を提供すると共に、投資主価値の最大化を目指すものであります。
(2)契約の内容
①本契約の締結により提供される業務
当社は、以下の業務を無償でいちごホテルリートに提供します。但し、下記業務には、貸金業法(昭和58年法律第32号。その後の改正を含む。)第2条第1項に規定する貸金業および金融商品取引法(昭和23年法律第25号。その後の改正を含む。)第2条第8項に規定する金融商品取引業に係る業務は含みません。
・いちごホテルリートに対して融資を提供する金融機関の紹介およびその実現に向けた協力
・いちごホテルリートに対して出資する投資家の紹介およびその実現に向けた協力
・いちごホテルリートが取得検討する物件および取得先の紹介、いちごホテルリートが保有する物件の売却先の紹介、並びにそれらの実現に向けた協力
・いちごホテルリートによる取得機会の確保のための物件の取得および保有
・いちごホテルリート及びその資産運用会社の事業全般に関するコンサルタント業務、他の事業者の紹介およびその他の補助的業務
②別途合意書を締結する必要のある業務
いちごホテルリートは、以下に掲げる事項に関し、当社よりいちごホテルリートの信用補完を得る必要があると判断した場合、当社に対し、当該信用補完を得る必要のある具体的事項および当該信用補完の提供に係る合理的な対価を事案に応じて検討の上、通知し、当社との協議により決定した金額で当社によるいちごホテルリートの信用補完を要請することができます。
・いちごホテルリートに対する金融機関による融資
・いちごホテルリートに対する投資家による出資
・いちごホテルリートによる不動産又は不動産を信託財産とする信託受益権の取得
・前各号に関連する事項
・その他いちごホテルリートの運営に資する事項
当社は、上記の事項に基づくいちごホテルリートの要請があった場合において、いちごホテルリートの要請に応じることが法令その他の規則・ガイドライン等に反することなく、かつ、本契約の目的に合致するとその裁量によって判断した場合には、いちごホテルリートとの間で「スポンサー追加サポート個別合意書」を締結したうえで、当該個別合意書において定められた事項に関し、スポンサーレターの提出または保証契約の締結その他の方法により、いちごホテルリートの信用を補完する措置をとります。
いちごホテルリートは、当社の要請がある場合、当社が上記の判断を行う上で必要な資料および情報を提供します。
該当事項はありません。
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
当社グループは、この連結財務諸表の作成にあたって、有価証券の減損、減価償却資産の耐用年数の設定、税効果会計等に関して、過去の実績や当該取引の状況に応じて、合理的と考えられる見積り及び判断を行い、その結果を資産・負債や収益・費用の金額に反映して連結財務諸表を作成しておりますが、実際の結果は見積りによる不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
(2)財政状態の分析
①資産
当連結会計年度末の資産合計は251,757百万円となり、前連結会計年度末と比較して79,012百万円増加(前期比45.7%増)いたしました。
これは主に、販売用不動産の増加63,063百万円、有形固定資産の増加5,225百万円、現金及び預金の増加9,396百万円、営業貸付金の減少1,006百万円があったことによるものであります。
②負債
当連結会計年度末の負債合計は179,591百万円となり、前連結会計年度末と比較して65,224百万円増加(前期比57.0%増)いたしました。
これは主に、コーポレートローンの増加46,445百万円及びノンリコースローン・社債の増加15,408百万円があったことによるものであります。
③純資産
当連結会計年度末の純資産合計は72,166百万円となり、前連結会計年度末と比較して13,788百万円増加(前期比23.6%増)いたしました。
これは主に、当期純利益の計上12,925百万円、少数株主持分の増加1,852百万円及び剰余金の配当648百万円があったことによるものであります。なお、自己資本比率は26.8%(前期比5.4ポイント減少)となりました。
(3)経営成績の分析
①売上高
連結売上高は49,699百万円となり、前連結会計年度比16.4%の増加となりました。
これは主に、不動産販売収入29,920百万円(前年同期比5.9%増)、不動産賃貸収入12,326百万円(同36.2%増)、不動産フィー収入2,865百万円(同95.5%増)、売電収入1,628百万円(同178.8%増)及び施設管理受託収入2,184百万円(同12.2%減)があったことによるものであります。
②営業利益
営業利益につきましては15,417百万円となり、前連結会計年度比88.3%の増加となりました。これは売上原価が29,835百万円(前年同期比2.3%減)となったほか、販売費及び一般管理費4,446百万円(同11.8%増)となったことによるものであります。
③営業外損益
営業外収益は215百万円となり、前連結会計年度比1.2%の増加となりました。これは主に、受取配当金79百万円(前年同期比1.5%増)及び負ののれん償却90百万円があったことによるものであります。
営業外費用は1,743百万円となり、前連結会計年度比52.0%の増加となりました。これは主に、支払利息1,277百万円(前年同期比35.3%増)及びその他営業外費用465百万円(前期は202百万円)があったことによるものであります。
④特別損益
特別利益は223百万円(前年同期比285.5%増)となりました。これは主に投資有価証券売却益があったことによるものであります。
特別損失は89百万円(前年同期比3.5%減)となりました。これは主に、投資有価証券評価損49百万円及び貸倒引当金繰入額31百万円があったことによるものであります。
⑤当期純利益
法人税、住民税及び事業税は1,330百万円となりました。
また、当連結会計年度において法人税等調整額を△369百万円計上しました。
これらの結果、当期純利益は12,925百万円となり、前連結会計年度比91.2%の増加となりました。
(4)資金の源泉及び流動性についての分析
「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載しております。