第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、政府による経済財政政策と日本銀行による金融緩和政策の実行や海外経済の成長を背景に、緩やかながらも景気の拡大が続きました。設備投資は、企業収益や業況感が改善するなか増加傾向が続き、個人消費も雇用や所得環境の着実な改善により緩やかに増加しております。

当社が属する不動産業界は、賃料の上昇期待や低金利により、相対的に安定した利回りを得られるわが国の不動産への投資ニーズが高く、引き続き投資需要は底堅い状況が続いております。地価公示も東京圏において5年連続で上昇するなど三大都市圏を中心に上昇を続けております。Jリート市場では、投資商品としての需要がJリート投信からJリートETFにシフトするなどの資金シフトが見られましたが、安定的かつ透明性の高い不動産投資商品としての需要は今後も底堅く推移することが見込まれます。オフィス市場では、都心5区の賃料が緩やかな上昇を継続しており、好調な企業業績と雇用拡大や労働環境の整備等を背景に、増床の動きも見られます。ホテル市場では、大量供給が続く一方、2020年の東京五輪開催や「観光立国」に向けた政府の各種政策等の効果もあり、アジア諸国を中心に訪日外国人観光客の増加傾向が続いております。

また、クリーンエネルギー事業においては、再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIT)の変更により、事業化の可否について選別が進む一方、すでに運転が開始されている太陽光発電所や開発権利の売買に関するセカンダリー市場が形成されつつあります。また、当期中には、太陽光発電所に投資する新たな投資法人が東京証券取引所インフラ市場に新規上場(IPO)を果たすなど、今後もインフラ投資市場の一層の活況と拡大が期待されます。

当社ではこのような事業環境下において、中期経営計画「Power Up 2019」の実現と持続的成長への基盤構築に向け、以下の施策を実施してまいりました。

 

「既存事業の成長と深化」

・ 「心築(しんちく)事業」(注)

 国内不動産の売買市場が活況を呈するなか、新たな取組みや不動産取得手法の創意工夫により事業領域の拡大を図りました。具体的には、東京都心部を中心に収益不動産事業を展開する株式会社セントロ(以下、「セントロ」という。)のM&Aの他、新たなアセットタイプであるロジスティクスやセルフストレージを取得いたしました。これら将来の収益源となり得る不動産の着実な取得を通じて、当期累計取得額は543億円、当期累計売却額は236億円となりました。また、当社の強みである心築の成功例とも言える収益性の高い物件の売却により、効率的な資金回収が行えたため、当初想定していた売却物件の一部を継続保有し、当社のストック収益である賃貸収益として取込むことといたしました。

 さらに徹底した現場主義による高品質のテナントサービスの提供とリーシングの強化を行っており、新たなチャレンジとして取組んでいるトレードピアお台場における大規模ビルの心築では、取得から1年強で稼働率、坪単価ともに大幅な向上を実現しております。

・ 「アセットマネジメント事業」

 いちごオフィスとの資産の入替えやいちごグリーンへの2発電所の譲渡、およびいちごホテルへのホテル取得支援など、いちごの3つの上場投資法人ともに成長支援を行いました。

・ 「クリーンエネルギー(太陽光発電等)事業」

 当期は、関東最大のメガソーラー「いちご昭和村生越ECO発電所」が当初計画に対し約4ヵ月前倒しで売電を開始し、当期9月より収益貢献しております。当該発電所は今後20年間にわたる安定した利益が見込めます。引き続き、メガソーラーのパイプラインを拡大しているほか、風力発電においても発電に向け順調に進捗しております。

(注)心築(しんちく)について

 心築とは、いちごの不動産技術とノウハウを活用し、物件取得後、一つ一つの不動産に心をこめた丁寧な価値向上を図り、既存不動産に新しい不動産価値を創造することをいいます。

 

「新規事業の創出」

・ 「不動産オーナーサービス事業」

 2017年3月1日に第4の事業の柱として「顧客ファースト」の「いちごオーナーズ株式会社」を設立いたしました。不動産オーナーのために当社の強みである心築技術を最大限活用することで不動産の価値向上を実現し、不動産オーナーが安心して長期保有できる不動産を提供していくことを目的としております。

・ 「デザインホテル事業」

 当社の心築技術により、歴史ある「横浜国際ホテル」に新たな価値を創造し、歴史・コト・モノ・ヒトを「結ぶ」をコンセプトとしたいちご初となるデザインホテル「THE KNOT YOKOHAMA(ザ ノット ヨコハマ)」が2017年12月1日にグランドオープンしております。当社では、米国や欧州では多数存在し高い人気を得ているラグジュアリーホテルとバジェットホテルの中間に位置する新たなクラスのホテルとして、今後も各地において提供を進めてまいります。第二弾として東京都新宿区で「THE KNOT TOKYO(仮称)」のプロジェクトが始動しております。

・ 「セルフストレージ事業」

 セントロのM&Aに伴い、セルフストレージ事業に参入しております。わが国の住宅事情から今後の成長余地が大きな市場であると考えております。当社が提供するセルフストレージは、屋内型で「安心・安全・きれい」をモットーとしており、業界トップクラスのセキュリティと空調管理システムを擁しております。引き続き、当社の資金力と情報力により出店の加速を進めてまいります。

・ 「いちご土地心築株式会社」

 当社の心築事業のさらなる成長とともに、社会への一層の貢献を目指し、50年先を見据えた「まちづくり」を実現するため、2017年10月17日にいちご土地心築株式会社を設立いたしました。

・ 「ホテルシステムにおけるAIシステムの協業」

 ホテルシステムの大手であり、AI(人工知能)技術や不動産と親和性の高い IoT (Internet of Things)を有する富士通グループの株式会社富士通九州システムズと AI システムにおいて協業を開始いたしました。本 AI システムではホテルの価値向上を目指し、ホテル顧客の満足度向上とホテル収益の最大化を図る IT ソリューションを開発・導入してまいります。

 

「借入の長期化・固定化・無担保化、自社株買い、JPX400への継続的組入、ブランディング」

・ 当社の心築をよりサステナブルな事業とするため、借入期間の長期化と借入コストの削減、包括的な金利ヘッジによる金利上昇リスクの低減、無担保資金の調達等の幅広い財務施策の推進により、財務基盤のさらなる安定化を進展させております。

・ 1株当たり純利益(EPS)の向上と豊富な資金力を背景として、当期中に2度の自己株式の取得を実施いたしました。

・ 資本の効率的活用や投資家を意識した経営観点等、グローバルな投資基準に求められる諸要件を満たす会社で構成される「JPX日経インデックス400」に、2016年8月に続き、2017年においても選定されました。なお、中期経営計画「Power Up 2019」最終年度では、2019年8月に選定される上位 200 社にランキングされることを目指しております。

・ その他、企業価値向上を目的とした各種いちごブランディングを継続的に推進しております。

 

これらの結果、当連結会計年度の業績は、売上高57,846百万円(前期比47.1%減)、営業利益20,858百万円(同4.2%減)、経常利益19,185百万円(同2.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益14,018百万円(同5.9%減)となりました。

 

セグメントごとの業績は次のとおりであります。

①アセットマネジメント

当該セグメントの業績につきましては、前連結会計年度にいちごオフィスおよびいちごホテルの運用資産残高が順調に推移したこと等により期中運用フィーが増加した一方で、第1四半期に当社の100%子会社であったタカラビルメン株式会社を売却したことによる施設管理収入の減少等により、当該セグメントの売上高は3,440百万円(前期比44.2%減)、セグメント利益は2,043百万円(同12.2%減)となりました

②心築(しんちく)

当該セグメントの業績につきましては、前連結会計年度において、いちごオフィスおよびいちごホテルへの物件供給のタイミングが集中したことによる影響で、不動産販売収入が減少いたしましたが、利益率の高い大型心築物件の売却、前連結会計年度および当連結会計年度に取得した物件にかかる賃貸収益の増加の影響等により、当該セグメントの売上高は51,865百万円(前期比43.7%減)、セグメント利益は17,993百万円(同11.0%増)となりました。

③クリーンエネルギー

当該セグメントの業績につきましては、引き続き、既存発電所の順調な稼働状況から、安定した売電収入が得られております。また、第3四半期より、関東最大級のいちご昭和村生越ECO発電所の売電が開始し、収益に寄与しております。しかしながら、前連結会計年度において、東京証券取引所インフラ市場に上場したいちごグリーンに太陽光発電所13物件を売却した影響により、売電収入および施設売却収入が減少いたしました。その結果、当該セグメントの売上高は3,426百万円(前期比72.3%減)、セグメント利益は847百万円(同74.3%減)となりました

④その他

当該セグメントの業績につきましては、営業投資有価証券の売却および関連費用計上に伴い、当該セグメントの売上高は122百万円(前期比721.1%増)、セグメント損失は50百万円(前期は165百万円の損失)となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、39,365百万円となり、前連結会計年度末の41,369百万円と比較して2,003百万円の減少となりました。各キャッシュ・フローとそれらの要因は以下のとおりです。

①営業活動によるキャッシュ・フロー

 当連結会計年度において営業活動により税金等調整前当期純利益20,109百万円、いちごグリーンへの売却による販売用発電設備の減少額996百万円、営業投資有価証券の減少額1,663百万円等により23,587百万円の資金が増加いたしましたが、物件の仕入れ等の先行投資が順調に推移したことによる販売用不動産、前渡金等の増加額7,116百万円および法人税等の支払額5,868百万円があったことにより、当連結会計年度において営業活動により得られた資金は10,603百万円(前期比50.8%減)となりました。

②投資活動によるキャッシュ・フロー

 当連結会計年度において投資活動により使用した資金は、5,645百万円(前期比52.7%減)となりました。これは主に、連結範囲の変更を伴う子会社株式等の取得による支出2,619百万円、連結範囲の変更を伴う子会社株式等の売却による収入2,096百万円および有形固定資産の取得による支出4,796百万円があったことによるもので

③財務活動によるキャッシュ・フロー

 当連結会計年度において財務活動により使用した資金は、6,124百万円(前連結会計年度は6,377百万円の収入)となりました。これは主に、長期借入れによる収入32,660百万円、長期借入金の返済による支出13,402百万円、長期ノンリコースローンの借入れによる収入3,518百万円、長期ノンリコースローンの返済による支出22,366百万円、自己株式の取得による支出2,999百万円および配当金の支払額2,513百万円があったことによるものです。

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)生産実績

当社で行う事業につきましては、生産実績を定義することが困難であるため、記載を省略しております。

 

(2)受注状況

当社は、受注生産を行っていないため、受注実績の記載はしておりません。

 

(3)販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2017年3月1日

  至 2018年2月28日)

 前年同期比(%)

 アセットマネジメント(百万円)

2,433

△48.7

 心築(百万円)

51,864

△43.7

 クリーンエネルギー(百万円)

3,426

△72.3

 その他(百万円)

122

721.1

合計(百万円)

57,846

△47.1

(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。

2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績および総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

 

相手先

前連結会計年度

(自 2016年3月1日

  至 2017年2月28日)

当連結会計年度

(自 2017年3月1日

  至 2018年2月28日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

 いちごオフィスリート投資法人

30,943

28.3

8,914

15.4

 いちごホテルリート投資法人

28,415

26.0

483

0.8

 三信株式会社、東洋プロパティ株式会社

14,209

24.6

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1)経営方針

当社は、「日本を世界一豊かに。その未来へ心を尽くす一期一会の『いちご』」という理念の実現を最大の目標とし、不動産の保有期間の賃料収入を享受しつつ、いちごの不動産技術、ノウハウを最大限に活かすことで心築(しんちく)による資産価値の向上を図ります。オフィス、ホテル、商業施設等不動産以外にも、遊休地の有効活用策として地球に優しく安全性に優れた太陽光発電所の開発と運営を北海道から沖縄まで全国で行っております。不動産の価値向上が完了後、売却益の獲得等による高い収益を実現しております。

<心築(しんちく)>

いちごでは、「心で築く、心を築く」を信条に、私たちの創造する新たな不動産価値に「心築」という言葉を使用しております。お客様目線に立ち、提供する一つ一つのサービスを心をこめて丁寧に取り組むことで、いちご独自の新たな価値を社会に提供してまいります。

 

私たちの行動指針

・プロフェッショナル

私たちは、どんな場面においても、お客様との永続的な信頼関係を築き、高品質なサービスを提供することに

集中します。そのために、私たちは、誠実かつフェアな精神、高潔で謙虚な態度、高度かつ柔軟な専門知識を

備えるための自己研鑽を惜しみません。

・ベンチャー・スピリット&ダイバーシティ

私たちは、創造性と多様性を大切にし、積極的な姿勢で、革新的な経営を目指します。

・チームワーク

私たちは、チームワークを通じ、お客様へ貢献します。経営幹部は、この行動指針を常に実践し範を示すとと

もに、最適なチームワークを形成します。

 

(2)経営環境及び対処すべき課題等

当社は、中期経営計画「Power Up 2019」においては、本業のさらなる成長と深化に加え、新規事業の創出を掲げており、2017年2月期以降は、中長期的に好調を維持する不動産市況の変化に対応し、持続的成長への基盤構築を行っております。

本業においては、アセットマネジメント事業、心築事業、クリーンエネルギー事業ともに着実な成長を遂げており、収益の向上を図っております。

アセットマネジメント事業においては、Jリートおよびインフラ投資法人の市場と現物資産との評価の乖離が大きく、投資口が過少に評価されていると考えられることから、保有物件の売却による潜在利益の顕在化や今後の成長投資資金の確保、価値向上CAPEX(資本的支出)を積極的に実施するとともに、資産の入替え、借入余力の活用による新規資産の取得等による収益向上を進めております。心築事業においてはロジスティクスやセルフストレージ等、新たなアセットタイプの取得を着実に遂行しており、クリーンエネルギー事業においては太陽光発電に加え、風力発電にも取組んでおります。また、不動産オーナーサービス事業やセルフストレージ事業をはじめとした新規事業の成長による新たな収益源の確保を加速することで、持続的成長を果たしてまいります。

 

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4【事業等のリスク】

 以下において、当社の事業の展開上、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を記載しております。なお、必ずしも事業上のリスクとは捉えていない事項についても、投資家の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資家に対する情報開示の観点から積極的に開示しております。

 ここに記載したリスク以外にも、当社を取り巻く環境には様々なリスクを伴っており、ここに記載したものが全てではありません。

 また、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであり、実際は見通しと乖離する可能性があります。

 

(1) 当社の事業を取り巻く経営環境について

① 不動産市況の動向

当社の事業において、不動産市況の動向は、他の経済指標と比較して重要性が高いものとなっております。当社は、不動産投資および不動産ファンド組成の際に、長期的かつ安定的な収入を獲得できるようなスキームを構築すると共に、対象不動産のデューデリジェンスを精緻に行うこと等により、不動産市場の動向が当社の財政状態および経営成績に及ぼす影響を少なくするよう細心の注意を払っております。しかし、不動産市況が著しく変動した場合、当社の財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

また、経済環境や不動産市場が不安定になった場合には、不動産市場全体の流動性が低下する可能性があり、当社が保有する不動産を売却できなくなる可能性や想定通りの時期に売却できなくなる可能性、又は計画よりも低い価格での売却を余儀なくされる可能性があります。その場合、当社の財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

② 災害等の影響

当社では、不動産ファンドのアセットマネジメントを行うとともに、自己資金による不動産投資も行っております。当社が保有している不動産が所在する地域において、地震、戦争、テロ、火災等の災害が発生した場合には、当該不動産の価値が毀損する可能性があります。その結果、手数料収入が減少したり、確保できない場合や当社の投資資金が回収できない場合には、当社の財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

③ 有利子負債への依存度および金利の動向

当社の心築事業およびクリーンエネルギー事業における投資は自己資金によるエクイティ投資のほか、主として個別案件毎に金融機関からの借入金により調達しており、総資産に占める有利子負債比率が上昇しております。これに伴い、将来において、金利水準が上昇した場合は、資金調達コストの増加、顧客投資家の期待利回りの上昇、不動産価格の下落等の事象が生じる可能性があり、当社の財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。金利の上昇リスクに対しては、一部金利スワップおよび金利キャップを利用してリスク・ヘッジを行っております。

財務制限条項について

当社の一部の借入契約には、財務制限条項が付されております。今後これらの条項に抵触した場合、追加の担保設定を必要とされる、期限の利益を喪失して当該借入金を一括返済する必要が生じる等の可能性があり、当社の財政状態および経営成績に影響を与える可能性があります。

⑤ その他新規事業について

当社は、新規事業の立ち上げ、既存事業の拡大などを目的として、企業買収、子会社の設立等を行っています。これら事業への参入や参入後の業績には様々な不確実性を伴うため、可能な限りリスクを想定した内部管理体制の構築、人材の充実、保険の付保等を行っておりますが、想定を超えるリスクの発生、法令や諸規制の変更によっては、当社の財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(2) 競合について

当社の営む事業は、不動産投資に関する高い専門能力と知識、経験が不可欠であります。しかしながら、競合他社との間で投資対象となる収益不動産案件の獲得競争が厳しくなっていることから、当該収益不動産案件の確保が出来なかった場合には、当社の財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 人材の確保について

当社の営む事業は、高度な知識と数々の経験に基づく能力を有する人的資本により成り立っております。しかしながら、役員はもとより、各従業員に業務遂行上の支障が生じた場合や社外に流出した場合、または当社の求める人材が十分に確保できなかった場合、当社の財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 特有の法的規制について

当社は、現時点の各種規制に従って、業務を遂行しておりますが、将来において各種規制が変更された場合には、当社の事業推進に悪影響を及ぼす可能性があります。当社が規制を受ける主なものは、金融商品取引法、宅地建物取引業法、各税法、資産の流動化に関する法律(改正SPC法)、投資事業有限責任組合契約に関する法律(ファンド法)、貸金業法、一般法人及び一般財団法人に関する法律(旧中間法人法)、建築士法等があります。

当社では、上記の法令等に基づき、主たる事業において以下の許認可及び登録(以下、「許認可等」という。)を受けております。

(いちご株式会社)

許認可等の名称

所管官庁等

登録番号

有効期間

取消、解約その他の事由

宅地建物取引業免許

東京都

東京都知事(2)

第90527号

2019年5月22日まで

不正な手段による免許の取得や役員等の欠格条項に該当する場合は免許の取消

(宅地建物取引業法第66条)

(いちご投資顧問株式会社)

許認可等の名称

所管官庁等

登録番号

有効期間

取消、解約その他の事由

宅地建物取引業免許

東京都

東京都知事(1)

第99098号

2021年4月28日まで

不正な手段による免許の取得や役員等の欠格条項に該当する場合は免許の取消

(宅地建物取引業法第66条)

取引一任代理等認可

国土交通省

国土交通大臣認可第42号

有効期間の定めはありません。

不正な手段による認可の取得や業務に関し取引の相手に損害を与えた場合は認可の取消

(宅地建物取引業法第67条の2)

金融商品取引業登録

(投資運用業、投資助言・代理業、第二種金融商品取引業)

金融庁

関東財務局長

(金商)第318号

有効期間の定めはありません。

不正な手段による登録や資本金不足、業務又は財産の状況に照らし支払不能に陥る恐れがある場合は登録の取消

(金融商品取引法第52条)

不動産特定

共同事業者許可

金融庁、

国土交通省

金融庁長官・

国土交通大臣

第69号

有効期間の定めはあり
ません。

役員や法人としての欠格条項に該当する場合や不正な手段による登録がある場合は登録の取消
(不動産特定共同事業法第36
条)

 

(いちご地所株式会社)

許認可等の名称

所管官庁等

登録番号

有効期間

取消、解約その他の事由

宅地建物取引業免許

東京都

東京都知事(2)

第93181号

2021年7月15日まで

不正な手段による免許の取得や役員等の欠格条項に該当する場合は免許の取消

(宅地建物取引業法第66条)

金融商品取引業登録

(投資助言・代理業、第二種金融商品取引業)

金融庁

関東財務局長

(金商)第18号

有効期間の定めはありません。

不正な手段による登録や資本金不足、業務又は財産の状況に照らし支払不能に陥る恐れがある場合は登録の取消

(金融商品取引法第52条)

(いちごオーナーズ株式会社)

許認可等の名称

所管官庁等

登録番号

有効期間

取消、解約その他の事由

宅地建物取引業免許

東京都

東京都知事(1)

第100428号

2022年4月7日まで

不正な手段による免許の取得や役員等の欠格条項に該当する場合は免許の取消

(宅地建物取引業法第66条)

 

当社では、法令規則等の遵守を徹底しており、これまで重要な行政処分を受けたことはありません。また、当社は、これらの許認可等を受けるための諸条件及び関係法令の遵守に努めており、現時点において当該許認可等が取消となる事由は発生しておりません。しかしながら、今後何らかの理由により当社が業務の遂行に必要な許認可等の取消などの行政処分を受けた場合には、当社の事業活動に支障をきたし、財政状態および経営成績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 連結の範囲決定に関する事項

(投資事業組合等の連結会計上の取扱いについて)

当社は、「投資事業組合に対する支配力基準及び影響力基準の適用に関する実務上の取扱い」(企業会計基準委員会 実務対応報告第20号 2011年3月25日改正)に基づき、各投資事業組合等毎に個別に支配力及び影響力の有無を判定した上で連結子会社及び関連会社を判定し、連結の範囲を決定しております。

今後、新たな会計基準の設定や、実務指針等の公表により、投資事業組合等に関する連結範囲の決定について、当社が採用している方針と大きく異なる会計慣行が確立された場合には、当社の連結範囲決定方針においても大きな変更が生じ、当社の財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 大株主について

当社の大株主である、いちごトラスト・ピーティーイー・リミテッド(以下、「いちごトラストPTE」という。)は2018年2月28日現在、当社の総議決権の49.81%を保有しております。

いちごトラストPTEは、投資を事業目的とする、法人格を有さない外国籍のユニット・トラストである、いちごトラストから100%の出資を受けております。

いちごトラストおよびいちごトラストPTEはIchigo Asset Management International, Pte. Ltd.(以下、「Ichigo Asset International」という。)に投資を一任しており、Ichigo Asset Internationalに対しては、いちごアセットマネジメント株式会社が投資助言を行っております。

Ichigo Asset Internationalおよびいちごアセットマネジメント株式会社は当社との間に資本関係はございませんが、当社の取締役並びに代表執行役会長であるスコット キャロンは当社の取締役およびいちごアセットマネジメント株式会社の代表者を兼任しており、Ichigo Asset Internationalの大株主であります。

なお、スコット キャロンは、Ichigo Asset Internationalの業務執行を行っておらず、Ichigo Asset Internationalの当社株式の売買に関する投資判断には関与しておりません。

さらに、Ichigo Asset Internationalは、日本国の法令規則等を遵守するとともに、コンプライアンス等に係る社内規則を定め、未公表の重要事実の入手時における売買停止を実施する等、必要とする情報統制の体制を整備し運用しております。

当社は、事業活動を行う上での機関決定等に際し、いちごトラストおよびいちごトラストPTEから制約を受けることはなく、当社の事業展開における意思決定は当社の責任のもとで行われ業務が執行されており、独立性を確保しているものと考えております。

いちごトラストは当社が2008年8月に実施した第三者割当増資を引き受けて以来、当社株式を長期安定株主として保有する方針の下、当社に対し事業および資金支援を行い、当社の安定収益基盤の確立と財務基盤の強化支援に努めてまいりました。現時点においても、将来にわたり長期安定株主として一定数を保有する方針でありますが、今後の経済情勢および国際情勢が著しく変動した場合は保有方針等が変更される可能性があります。その場合には当社の経営方針および業務遂行に対して影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) クリーンエネルギー(太陽光発電等)について

当社では、再生エネルギーを創生し、環境に配慮した発電事業として社会的意義があり、かつ当社の安定収益基盤の拡大を目指す事業としてクリーンエネルギー(太陽光発電等)事業を展開しております。

2018年2月28日現在において、電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法により定められた全量固定価格買取制度に基づき、当社の売電価格が電力会社との契約により20年間保証されております。

しかしながら、電力会社が当該契約通りに買取を行わなかった場合、当社の財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

また、当該事業における太陽光発電設備の発電量は気象条件に大きく左右されるほか、天災・火災等の災害に見舞われた場合には、設備の損傷等により発電量が大幅に低下する可能性があり、当社の財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

5【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

 該当事項はありません。

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであります。

(1)重要な会計方針および見積り

 当社の連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。

 当社は、この連結財務諸表の作成にあたって、販売用不動産の評価、有価証券の減損、減価償却資産の耐用年数の設定、税効果会計等に関して、過去の実績や当該取引の状況に応じて、合理的と考えられる見積りおよび判断を行い、その結果を資産・負債や収益・費用の金額に反映して連結財務諸表を作成しておりますが、実際の結果は見積りによる不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

(2)財政状態の分析

①資産

 当連結会計年度末の資産合計は296,512百万円となり、前連結会計年度末と比較して23,053百万円増加(前期比8.4%増)いたしました。
 これは主に、販売用不動産の増加12,983百万円、有形固定資産の増加12,903百万円に対し、現金及び預金の減少2,168百万円があったことによるものです

②負債

 当連結会計年度末の負債合計は203,787百万円となり、前連結会計年度末と比較して13,771百万円増加(前期比7.2%増)いたしました。
 これは主に、借入金の増加20,238百万円、ノンリコースローンの減少8,247百万円があったことによるものです。

③純資産

 当連結会計年度末の純資産合計は92,725百万円となり、前連結会計年度末と比較して9,282百万円増加(前期比11.1%増)いたしました。
 これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上14,018百万円、剰余金の配当2,516百万円、自己株式の取得による減少2,999百万円があったことによるものです。なお、自己資本比率は30.1%(前期比0.7ポイント増加)となりました。

(3)経営成績の分析

①売上高

 連結売上高は57,846百万円となり、前連結会計年度比47.1%の減少となりました。

 これは主に、不動産販売収入35,732百万円(前年同期比53.9%減)、不動産賃貸収入16,002百万円(同10.2%増)、アセットマネジメント事業における不動産フィー収入2,341百万円(同0.6%増)、売電収入1,954百万円(同4.6%減)および発電設備販売収入1,473百万円(同85.6%減)があったことによるものであります。

②営業利益

 営業利益は20,858百万円となり、前連結会計年度比4.2%の減少となりました。これは売上原価が31,920百万円(前年同期比61.3%減)となったほか、販売費及び一般管理費5,067百万円(同0.8%増)となったことによるものであります。

③営業外損益

 営業外収益は161百万円となり、前連結会計年度比37.0%の増加となりました。これは主に、受取配当金57百万円(前年同期比32.2%減)があったことによるものであります。

 営業外費用は1,835百万円となり、前連結会計年度比14.4%の減少となりました。これは主に、支払利息1,266百万円(前年同期比2.8%減)、デリバティブ評価損244百万円(前年同期比532.2%増)、融資関連費用159百万円(前年同期比72.9%減)、その他営業外費用165百万円(前年同期比23.4%減)があったことによるものであります。

④特別損益

 特別利益は1,263百万円(前期は2,466百万円)となりました。これは主に関係会社株式売却益1,221百万円があったことによるものであります。

 特別損失は339百万円(前期は1,590百万円)となりました。これは主に、減損損失327百万円があったことによるものであります。

⑤親会社株主に帰属する当期純利益

 法人税、住民税及び事業税は5,665百万円となりました。

 また、当連結会計年度において法人税等調整額を258百万円計上しました。
 これらの結果、親会社株主に帰属する当期純利益は14,018百万円となり、前連結会計年度比5.9%の減少となりました。

 

(4)資金の源泉および流動性についての分析

 「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載しております。