第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、政府による経済・金融政策の継続による円安・株高傾向を背景に、企業収益の改善が見られ、景気は緩やかな回復基調で推移しました。しかしながら、中国をはじめとする新興国の景気減速の懸念や中東の情勢不安、米国の金融政策の変更等海外景気の下振れリスクが存在しており、先行き不透明な状況が続いております。

このような経済環境下、雇用情勢につきましては、企業収益の改善や日本国内の労働人口構造の変化に伴う若年層労働力確保に向け企業の採用意欲は持続しており、当社の事業基盤である静岡県においては、平成28年2月の有効求人倍率は1.25倍(前年同月比で0.12ポイント上昇)と雇用情勢は改善傾向にありました。

このような状況において当社グループでは、魅力ある情報サービスを開発・展開し、商品力・販売力を強化することで地域の競争力強化と収益基盤の拡大を図ることに注力しました。

当社の主力事業である求人情報事業では、人員等の増員により営業力の強化を図り、地域競争力の強化に努めました。また、紙媒体(『DOMO(ドーモ)』・『求人あどむ』)、ネットサービス(『DOMO NET(ドーモネット)』・『JOB(ジョブ)』・『TSUNORU(ツノル)』、リアルイベント(『シゴトフェア』)、人材紹介等、多様な商品ラインナップを揃え、お客様の様々な求人ニーズに応えるべく人材サービスの拡大・拡充に努めました。

ペット関連事業では、ペット関連情報誌『WONDERFUL STYLE (ワンダフルスタイル)』において、ユーザー満足度の向上を図るため平成27年6月にリニューアルをいたしました。また、関連イベントである『DOG!(ドッグ)フェスタ』は平成23年に初開催してから継続5年目に入り、地域に根差したペット関連イベントとしての認知が定着してまいりました。

新規事業としましては、当連結会計年度より外国人採用支援事業を開始しました。外国人採用支援事業では、平成27年5月、平成28年2月の2回、日本国内のミャンマー人を対象にした人材マッチングイベント『ミャンマーJobFair(ジョブフェア)』を開催しました。また、IT関連及びデジタルコンテンツの人材を養成する『デジタルハリウッドSTUDIO静岡』を平成28年1月、静岡市内に開校いたしました。

以上の結果、当連結会計年度における当社グループの連結業績は、売上高が5,243百万円(前連結会計年度比8.3%増)となりました。売上原価は、販促支援事業における売上増加に伴う仕入増により1,557百万円(同12.6%増)となりました。販売費及び一般管理費は営業力強化による人件費の増加及び前連結会計年度に取得した子会社に係る流通費用の増加により2,677百万円(同6.9%増)となりました。その結果、営業利益は1,008百万円(同5.7%増)、経常利益は1,008百万円(同5.3%増)、当期純利益は税金費用の増加により758百万円(同11.5%減)となりました。

 

セグメント別の業績(セグメント間の内部取引消去前)を示すと、次のとおりであります。

 

(情報提供事業)

情報提供事業では、既存商品である『DOMO』の販売は横ばいに推移したものの、『DOMO NET』及び『JOB』等の求人サイトや前連結会計年度に取得した子会社が発行する合同求人チラシ『求人あどむ』の販売が寄与し、情報提供事業における売上高は4,264百万円(前連結会計年度比6.8%増)、セグメント利益は1,489百万円(同0.6%増)となりました。

 

(販促支援事業)

販促支援事業では、主たる売上であるフリーペーパーの取次において既存顧客における掲出量の増加傾向は継続しており、販売は好調に推移いたしました。また、関西以西への販路拡大による販売増加、ダイレクトプロモーションにおける顧客獲得が順調に進んだことも寄与し、販促支援事業における売上高は1,013百万円(同15.3%増)、セグメント利益は164百万円(同18.9%増)となりました。

 

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、3,687百万円(前連結会計年度末比420百万円増)となりました。

 

(a) 営業活動によるキャッシュ・フロー

営業活動の結果得られた資金は、946百万円(前連結会計年度は793百万円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益が1,008百万円、減価償却費が51百万円となった一方で、法人税等の支払額が98百万等となったためです。

 

(b) 投資活動によるキャッシュ・フロー

投資活動の結果使用した資金は、56百万円(同86百万円の支出)となりました。これは主に、無形固定資産の取得による支出が24百万円、有形固定資産の取得による支出が17百万円、敷金及び保証金の差入による支出が15百万円等となったためです。

 

(c) 財務活動によるキャッシュ・フロー

財務活動の結果使用した資金は、470百万円(同409百万円の支出)となりました。これは、配当金の支払額が254百万円、自己株式の取得による支出が215百万円となったためです。

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

当社グループの主体である求人情報誌の発行等は、提供するサービスの性格上、生産実績を把握することが困難であるため、生産実績の記載を省略しております。なお、当社グループは、業務上、求人情報誌等の印刷は、印刷会社に外注しており、印刷費用は次のとおりであります。

 

 

当連結会計年度

(自 平成27年3月1日

至 平成28年2月29日)

金額(千円)

前年同期比(%)

情報誌の印刷費相当額

592,288

105.0

 

 

(注) 1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2 上記のうち、最近2連結会計年度における主な相手先別の取扱額及び総取扱額に対する割合は次のとおりであります。

 

相手先

前連結会計年度

(自 平成26年3月1日

至 平成27年2月28日)

当連結会計年度

(自 平成27年3月1日

至 平成28年2月29日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

大日本印刷株式会社

563,849

100.0

592,288

100.0

 

      

(2) 受注実績

当社グループの主体である求人情報誌の発行等は、提供するサービスの性格上、受注実績を把握することが困難であるため、受注実績の記載を省略しております。

 

(3) 販売実績

  当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成27年3月1日

至 平成28年2月29日)

前年同期比(%)

金額(千円)

割合(%)

情報提供事業

4,264,379

81.3

106.8

販促支援事業

979,281

18.7

115.1

合計

5,243,661

100.0

108.3

 

 

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

3 【対処すべき課題】

当社グループの事業を取り巻く環境は、政府による経済・金融政策の継続による円安・株高傾向を背景に、企業収益の改善が見られましたが、中国をはじめとする新興国の景気減速の懸念や中東の情勢不安、米国の金融政策の変更等海外景気の下振れリスクが存在しており、先行き不透明な状況が続いております。雇用環境につきましては、企業収益の改善や日本国内の労働人口構造の変化に伴う若年層労働力確保に向け企業の採用意欲は持続しております。一方で、雇用に係る法律の改正や地方創生の動向等、事業に影響し得る動きにつきましては注視していく必要があります。

そのような事業環境において当社グループでは、人材サービス関連のマーケットの変化や価格・サービス競争が熾烈化する中において、商品・サービスを差別化し、求職者・顧客に支持を得る必要があると考えております。

そのため当社グループでは、そのため当社グループでは、当社グループの資産を有効に活用し、展開地域・サービスカテゴリーにおいて価値の高いサービスを創出することが必要であると考えております。

具体的には、新たなエリアへの進出や新たな顧客を獲得するための「事業拡大に向けた積極的な投資」、グループ資産を有効に活用しながら事業を展開していく「グループ総合力強化による事業推進」、顧客接点を大切にし、自ら考え行動する自立人材を積極的に活用、支援する「現場主義による自立的発展」を基本戦略として事業に邁進してまいります。

 

 

4 【事業等のリスク】

以下において、当社グループの事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項及びその他投資者の判断に重要な影響を及ぼすと考えられる事項を記載しております。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避、発生した場合の対応に努める方針でありますが、当社の経営状況についての判断は、以下の事項を慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。また以下の記載は当社グループの事業展開上のリスクを全て網羅したものではありません。

 

(1) 事業環境について

当社グループは、主に求人情報の提供を主力事業としているため、景気動向や法改正といった外部環境の変化により、当社グループの経営成績または財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 競合企業の戦略への対応

当社グループは、内部留保の充実や「持たざる経営」による健全な財務体質の維持に加え、機動的な経営判断を可能にする組織編成により、競合企業の戦略への対応力向上に努めています。しかしながら、現時点では企業体力に大きな開きがあるため、競合企業の戦略への対応の成否によっては、当社グループの経営成績または財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) システムの誤作動・機能停止に関するリスク

当社グループは、インターネット媒体を活用した事業を展開しております。従いまして、予測不可能な大規模自然災害、コンピューターウィルス、テロといった多くの事象によって引き起こされる災害、停電及び同様の混乱による影響により、当社グループの利用するサーバーの作動不能、または従業員による誤った操作などの事由により、システム障害が発生した場合、業務活動が部分的に停止する可能性があります。このような場合、当社グループの経営成績または財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(4) 求人情報媒体事業への依存度の高さ

事業別売上高

(金額:百万円)
(構成比:%)

平成28年2月期実績

平成27年2月期実績

平成26年2月期実績

金額

構成比

金額

構成比

金額

構成比

連結売上高

5,243

100.0

4,842

100.0

4,406

100.0

 求人情報紙媒体

3,244

61.9

3,128

64.6

2,870

65.1

 求人情報サイト

855

16.3

733

15.2

681

15.5

 FP取次

979

18.7

850

17.6

739

16.8

 その他

164

3.1

128

2.7

114

2.6

 

(注)求人情報誌:『DOMO』・『求人あどむ』
求人情報サイト:『DOMO NET』・『JOB』・『TSUNORU(ツノル)』
FP取次:フリーペーパー取次
『求人あどむ』については、平成26年9月1日に子会社化した株式会社名古屋adMが発行する合同求人チラシであります。

 

中長期的には、無料求人媒体事業の強化を通じて収益拡大を図りつつ、新規事業の開発により収益基盤の拡充を目指す方針ですが、当面は求人情報媒体事業への収益の依存度が高くなるため、その業績によっては、当社グループの経営成績または財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 求人広告収入の季節性

季節調整値(自社調べ)

 

第1四半期
(3-5月)

第2四半期
(6-8月)

第3四半期
(9-11月)

第4四半期
(12-2月)

上半期
(3-8月)

下半期
(9-2月)

通期
(3-2月)

季節調整値(%)

25.7

23.8

26.8

23.7

49.5

50.5

100.0

 

(注)暦年ベースで平成18年より平成27年まで10年間のDOMO静岡3版の売上高をもとに算出。

一般的に、非正社員は繁閑に応じて機動的に募集するため、非正社員系求人広告市場の季節変動は、正社員系より大きい傾向が見られます。主力商品である『DOMO』の求人情報の大半は非正社員向けであるため、その収益は季節変動が大きいという特徴があります。季節性としては、年度の変わり(3月~4月頃)、学生の夏期休暇前(7月頃)、年末商戦前(9月~11月頃)などの時期に増加要因があり、その間に谷間が来る傾向が見られます。

なお、当社グループの求人情報媒体事業は、売上総利益率が高い一方で、販売費及び一般管理費の対売上高比率が高いことから、広告収入の増加局面においては利益が大きく増加する一方で、減少局面においては人件費等の固定費負担を吸収しきれずに利益が大きく減少する特徴があります。

 

(6) 個人情報を始めとする情報セキュリティ対策

平成17年4月1日より「個人情報保護に関する法律(個人情報保護法)」が全面的に施行され、当社グループも平成16年2月期より、個人情報を含めた機密情報のセキュリティ対策プロジェクトチームを発足し準備を進めてきました。当社グループが収集する代表的な個人情報としては、求人情報サイトにおける登録ユーザーの個人情報、『DOMO』などにおけるアンケート返信者の個人情報、広告主である顧客の個人情報、当社株主の個人情報、当社グループ従業員の個人情報などが存在します。当プロジェクトチームはプライバシーポリシーの策定、システムのチェック・改修、従業員への啓蒙など様々な準備を進め、今後も継続的に実施していく方針ですが、その対応の成否によっては当社グループの経営成績または財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 大規模自然災害、事故等について

当社グループは、自然災害等によってフリーペーパーの発行やインターネット媒体の運営に不都合が生じた場合には、当社グループのサービスが通常通りの運営が不可能になる可能性があります。このような場合、当社グループの経営成績または財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

該当事項はありません。

 

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における財政状態及び経営成績の分析は、以下のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項については、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。重要な会計方針につきましては、本報告書「第一部 企業情報 第5 経理の状況」に記載しております。連結財務諸表の作成にあたり、貸倒引当金、賞与引当金等の各引当金の計上、繰延税金資産の回収可能性の判断等につきましては、過去の実績や他の合理的な方法により見積りを行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

 

(2) 当連結会計年度の財政状態の分析

当連結会計年度末の財政状態は、総資産が5,412百万円(前連結会計年度末比4.9%増)、負債が655百万円(同5.6%減)、純資産が4,757百万円(同6.5%増)となりました。また、自己資本比率は87.8%となり、1株当たり純資産は171.05円となりました。

資産の部では、流動資産が4,537百万円(同5.8%増)となりました。内訳として、現金及び預金が3,687百万円(同12.9%増)、営業債権(売掛金)が610百万円(同2.3%減)等となったためです。

固定資産は874百万円(同0.4%増)となりました。内訳として、有形固定資産が625百万円(同0.0%減)、無形固定資産が74百万円(同6.7%減)、投資その他の資産が175百万円(同5.6%増)となったためです。

負債は655百万円(同5.6%減)となりました。内訳として、未払金が365百万円(同3.2%減)、賞与引当金が88百万円(4.6%減)等となったためです。

純資産は4,757百万円(同6.5%増)となりました。これは、当期純利益の計上により利益剰余金が4,760百万円(同11.8%増)、自己株式の取得により自己株式が1,005百万円(前連結会計年度末は792百万円)となったためです。

 

(3) 当連結会計年度の経営成績の分析

当連結会計年度の経営成績の分析については、「第2[事業の状況] 1[業績等の概要] (1)業績」の記載をご参照ください。

 

(4) キャッシュ・フローの分析

キャッシュ・フローの分析については、「第2[事業の状況] 1[業績等の概要] (2)キャッシュ・フローの状況」の記載をご参照ください。