第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益の改善が見られ、景気は緩やかな回復基調で推移しました。しかしながら、中国をはじめとした新興国経済の鈍化傾向は変わらず、英国のEU離脱問題、米国の新政権発足による不確実性など世界経済の下振れ懸念から、先行き不透明な状況が続きました。

このような経済環境下、雇用情勢については企業収益の改善が続く中で採用意欲の回復傾向は継続しており、当社の戦略地域である静岡県においては平成29年2月の有効求人倍率が前年同月比0.16ポイント上昇の1.42倍となり、雇用環境は底堅く推移しております。

このような状況において当社グループでは、魅力ある情報サービスを開発・展開し、商品力・販売力を強化することで地域の競争力強化と収益基盤の拡大を図ることに注力しました。

当社主力事業である求人情報事業では、企業の採用意欲が継続している市場環境下、既存商品であるフリーペーパー『DOMO(ドーモ)』、ネットサービス『DOMO NET(ドーモネット)』、『JOB(ジョブ)』、リアルイベント『シゴトフェア』等において、地域競争力の更なる強化を図るため、営業人員の増員、商品プロモーション活動のための広告販促費の集中投下等、営業力・商品力の強化を図りました。また、当連結会計年度におきましては、西三河地域に販路を拡大するとともに、愛知県内の商品構成の見直しを図りました。具体的には、『DOMO』名古屋版の発行エリアを広域に拡大し、商品名を『DOMO』あいち版に変更いたしました。『DOMO NET』につきましては専門ページ及び三河地域の市町フラグの追加等リニューアルを行いました。当社子会社が発行しておりました合同求人チラシ『求人あどむ』につきましては、発行主体を当社とし、商品名を『DOMOリーフ』に変更、ブランドの統一を図り、西三河地域で新たに3版の発行をいたしました。

ペット関連事業においては、『DOG(ドッグ)!フェスタ』を静岡県内東部地区、中部地区、西部地区で継続開催し、収益基盤の拡大に取組みました。また、ペット関連情報誌『Wonderful Style (ワンダフルスタイル)』においては、静岡版に続き、平成28年9月に名古屋市内及び名古屋近郊地域、西三河地域において『Wonderful Style』愛知版を創刊いたしました。

当連結会計年度に新規事業として、平成28年7月に静岡県浜松市に女性就業支援、グローバル人材の育成を目的とした「英語で預かる学童保育・プリスクール施設『Kids Duo(キッズデュオ)』浜松中央」を開校いたしました。また、前連結会計年度より開始しました外国人採用支援事業では、平成28年7月および平成29年2月に日本国内のミャンマー人を対象にした人材マッチングイベント『ミャンマーJobFair(ジョブフェア)』を継続開催いたしました。

以上の結果、当連結会計年度における当社グループの連結業績は、売上高は5,427百万円(前連結会計年度比3.5%増)となりました。売上原価は、1,591百万円(同2.2%増)、販売費及び一般管理費は3,165百万円(同18.3%増)となりました。営業利益は新規事業、エリア拡大、営業力・商品力強化費用等が増加したため670百万円(同33.6%減)、経常利益は664百万円(同34.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は469百万円(同38.1%減)となりました。

 

セグメント別の業績(セグメント間の内部取引消去前)を示すと、次のとおりであります。

 

(情報提供事業)

情報提供事業では、企業の旺盛な正社員需要の継続により、正社員向け転職・就職サイト『JOB』の販売が増加し、求人情報サイト『DOMO NET』の販売も堅調に推移したため、売上高は4,460百万円(前連結会計年度比4.6%増)となりました。セグメント利益は、新規事業・販路拡大費用、人件費、広告販促費等の増加により、1,199百万円(同19.5%減)となりました。

 

(販促支援事業)

販促支援事業では、主たる売上であるフリーペーパーの取次が、フリーペーパーの休刊等により減収であったものの、幼稚園、保育園に直接配布する無料クーポン冊子『Happyプレゼントクーポン』等のダイレクトプロモーションに係る販売は伸長したため、販促支援事業における売上高は1,014百万円(前連結会計年度比0.1%増)、セグメント利益は拡販による人件費等が増加したため、137百万円(同16.3%減)となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、3,849百万円(前連結会計年度末比162百万円増)となりました。

 

(a) 営業活動によるキャッシュ・フロー

営業活動の結果得られた資金は、665百万円(前連結会計年度は946百万円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益が664百万円、未払債務の増加額が95百万円となった一方で、未払消費税等の減少額が41百万円等となったためです。

 

(b) 投資活動によるキャッシュ・フロー

投資活動の結果使用した資金は、88百万円(同56百万円の支出)となりました。これは主に、無形固定資産の取得による支出が55百万円、有形固定資産の取得による支出が25百万円、敷金及び保証金の差入による支出が12百万円等となったためです。

 

(c) 財務活動によるキャッシュ・フロー

財務活動の結果使用した資金は、413百万円(同470百万円の支出)となりました。これは、配当金の支払額が249百万円、自己株式の取得による支出が164百万円となったためです。

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

当社グループの主体である求人情報誌の発行等は、提供するサービスの性格上、生産実績を把握することが困難であるため、生産実績の記載を省略しております。なお、当社グループは、業務上、求人情報誌等の印刷は、印刷会社に外注しており、印刷費用は次のとおりであります。

 

 

当連結会計年度

(自 平成28年3月1日

至 平成29年2月28日)

金額(千円)

前年同期比(%)

情報誌の印刷費相当額

586,637

99.0

 

 

(注) 1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2 上記のうち、最近2連結会計年度における主な相手先別の取扱額及び総取扱額に対する割合は次のとおりであります。

 

相手先

前連結会計年度

(自 平成27年3月1日

至 平成28年2月29日)

当連結会計年度

(自 平成28年3月1日

至 平成29年2月28日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

大日本印刷株式会社

592,288

100.0

586,637

100.0

 

      

(2) 受注実績

当社グループの主体である求人情報誌の発行等は、提供するサービスの性格上、受注実績を把握することが困難であるため、受注実績の記載を省略しております。

 

(3) 販売実績

  当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成28年3月1日

至 平成29年2月28日)

前年同期比(%)

金額(千円)

割合(%)

情報提供事業

4,459,951

82.2

104.6

販促支援事業

967,448

17.8

98.8

合計

5,427,399

100.0

103.5

 

 

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

3 【対処すべき課題】

当社グループの事業を取り巻く環境は、企業収益の改善が見られ、景気は緩やかな回復基調で推移しておりましたが、中国をはじめとした新興国経済の鈍化傾向は変わらず、英国のEU離脱問題、米国の新政権発足による不確実性など世界経済の下振れ懸念から、先行き不透明な状況が続いております。雇用環境につきましては、企業収益の改善や日本国内の労働人口構造の変化に伴う若年層労働力確保に向け企業の採用意欲は持続しております。一方で、雇用に係る法律の改正や地方創生の動向等、事業に影響し得る動きにつきましては注視していく必要があります。

そのような事業環境において、当社グループでは、当社グループ資産を有効に活用し、それぞれの地域や課題、人々のライフワークにあった新たな商品・サービスを創出していくことで事業ニーズの提供者の支持を得ることが必要であると考えております。

 

 

4 【事業等のリスク】

以下において、当社グループの事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項及びその他投資者の判断に重要な影響を及ぼすと考えられる事項を記載しております。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避、発生した場合の対応に努める方針でありますが、当社の経営状況についての判断は、以下の事項を慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。また以下の記載は当社グループの事業展開上のリスクを全て網羅したものではありません。

 

(1) 事業環境について

当社グループは、主に求人情報の提供を主力事業としているため、景気動向や法改正といった外部環境の変化により、当社グループの経営成績または財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 競合企業の戦略への対応

当社グループは、内部留保の充実や「持たざる経営」による健全な財務体質の維持に加え、機動的な経営判断を可能にする組織編成により、競合企業の戦略への対応力向上に努めています。しかしながら、現時点では企業体力に大きな開きがあるため、競合企業の戦略への対応の成否によっては、当社グループの経営成績または財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) システムの誤作動・機能停止に関するリスク

当社グループは、インターネット媒体を活用した事業を展開しております。従いまして、予測不可能な大規模自然災害、コンピューターウィルス、テロといった多くの事象によって引き起こされる災害、停電及び同様の混乱による影響により、当社グループの利用するサーバーの作動不能、または従業員による誤った操作などの事由により、システム障害が発生した場合、業務活動が部分的に停止する可能性があります。このような場合、当社グループの経営成績または財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(4) 求人情報媒体事業への依存度の高さ

事業別売上高

(金額:百万円)
(構成比:%)

平成29年2月期実績

平成28年2月期実績

平成27年2月期実績

金額

構成比

金額

構成比

金額

構成比

連結売上高

5,427

100.0

5,243

100.0

4,842

100.0

 求人情報紙媒体

3,195

58.9

3,244

61.9

3,128

64.6

 求人情報サイト

1,017

18.8

855

16.3

733

15.2

 FP取次

967

17.8

979

18.7

850

17.6

 その他

246

4.5

164

3.1

128

2.7

 

(注)求人情報紙媒体:『DOMO』、『DOMOリーフ』
求人情報サイト:『DOMO NET』、『JOB』、『TSUNORU(ツノル)』
FP取次:フリーペーパー取次・ダイレクトプロモーション

 

中長期的には、無料求人媒体事業の強化を通じて収益拡大を図りつつ、新規事業の開発により収益基盤の拡充を目指す方針ですが、当面は求人情報媒体事業への収益の依存度が高くなるため、その業績によっては、当社グループの経営成績または財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 求人広告収入の季節性

季節調整値(自社調べ)

 

第1四半期
(3-5月)

第2四半期
(6-8月)

第3四半期
(9-11月)

第4四半期
(12-2月)

上半期
(3-8月)

下半期
(9-2月)

通期
(3-2月)

季節調整値(%)

25.8

23.5

26.7

24.0

49.3

50.7

100.0

 

(注)暦年ベースで平成19年より平成28年まで10年間のDOMO静岡3版の売上高をもとに算出。

一般的に、非正社員は繁閑に応じて機動的に募集するため、非正社員系求人広告市場の季節変動は、正社員系より大きい傾向が見られます。主力商品である『DOMO』の求人情報の大半は非正社員向けであるため、その収益は季節変動が大きいという特徴があります。季節性としては、年度の変わり(3月~4月頃)、学生の夏期休暇前(7月頃)、年末商戦前(9月~11月頃)などの時期に増加要因があり、その間に谷間が来る傾向が見られます。

なお、当社グループの求人情報媒体事業は、売上総利益率が高い一方で、販売費及び一般管理費の対売上高比率が高いことから、広告収入の増加局面においては利益が大きく増加する一方で、減少局面においては人件費等の固定費負担を吸収しきれずに利益が大きく減少する特徴があります。

 

(6) 個人情報を始めとする情報セキュリティ対策

平成17年4月1日より「個人情報保護に関する法律(個人情報保護法)」が全面的に施行され、当社グループも平成16年2月期より、個人情報を含めた機密情報のセキュリティ対策プロジェクトチームを発足し準備を進めてきました。当社グループが収集する代表的な個人情報としては、求人情報サイトにおける登録ユーザーの個人情報、『DOMO』などにおけるアンケート返信者の個人情報、広告主である顧客の個人情報、当社株主の個人情報、当社グループ従業員の個人情報などが存在します。当プロジェクトチームはプライバシーポリシーの策定、システムのチェック・改修、従業員への啓蒙など様々な準備を進め、今後も継続的に実施していく方針ですが、その対応の成否によっては当社グループの経営成績または財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 大規模自然災害、事故等について

当社グループは、自然災害等によってフリーペーパーの発行やインターネット媒体の運営に不都合が生じた場合には、当社グループのサービスが通常通りの運営が不可能になる可能性があります。このような場合、当社グループの経営成績または財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

該当事項はありません。

 

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における財政状態及び経営成績の分析は、以下のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項については、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。重要な会計方針につきましては、本報告書「第一部 企業情報 第5 経理の状況」に記載しております。連結財務諸表の作成にあたり、貸倒引当金、賞与引当金等の各引当金の計上、繰延税金資産の回収可能性の判断等につきましては、過去の実績や他の合理的な方法により見積りを行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

 

(2) 当連結会計年度の財政状態の分析

当連結会計年度末の財政状態は、総資産が5,538百万円(前連結会計年度末比2.3%増)、負債が725百万円(同10.7%増)、純資産が4,813百万円(同1.2%増)となりました。また、自己資本比率は86.9%となり、1株当たり純資産は177.55円となりました。

資産の部では、流動資産が4,636百万円(同2.2%増)となりました。内訳として、現金及び預金が3,849百万円(同4.4%増)、売掛金が623百万円(同2.0%増)等となったためです。

固定資産は902百万円(同3.2%増)となりました。内訳として、有形固定資産が621百万円(同0.6%減)、無形固定資産が106百万円(同43.4%増)、投資その他の資産が174百万円(同0.3%減)となったためです。

負債は725百万円(同10.7%増)となりました。内訳として、未払金が455百万円(同24.7%増)、賞与引当金が84百万円(同5.4%減)等となったためです。

純資産は4,813百万円(同1.2%増)となりました。これは、親会社株主に帰属する当期純利益の計上、剰余金の配当及び自己株式の消却により利益剰余金が4,854百万円(同2.0%増)、自己株式の取得及び消却により自己株式が1,043百万円(前連結会計年度末は1,005百万円)となったためです。

 

(3) 当連結会計年度の経営成績の分析

当連結会計年度の経営成績の分析については、「第2[事業の状況] 1[業績等の概要] (1)業績」の記載をご参照ください。

 

(4) キャッシュ・フローの分析

キャッシュ・フローの分析については、「第2[事業の状況] 1[業績等の概要] (2)キャッシュ・フローの状況」の記載をご参照ください。