当第1四半期連結累計期間において、新たな事業等のリスクの発生及び前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当四半期報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 業績の状況
当第1四半期連結累計期間におけるわが国経済は、企業収益や雇用環境の改善などを背景として緩やかな回復基調にあるものの、個人消費の回復は足踏み状況が続いており、米国の保護主義政策や中国及び新興国の景気減速等もあり、先行き不透明な状況が継続しております。
当社グループが属するバイオ関連業界におきましては、人々の健康と豊かな生活の実現へ向け、産学連携による共同研究や企業の投資が活発化し、新製品の研究・開発が相次いでおります。
このような環境の中で、当社グループは、ジェノミクス事業においては、遺伝子改変マウス作製受託サービスの作製期間の短縮、さらにコスト低減が図れるゲノム編集技術(CRISPR/Cas9)を活用した受注に注力するとともに、コスト面では受注能力拡大を目的として製造及び販売両面において人員補強等の先行投資を行いました。また、大阪市立大学 森 啓 特任教授らが開発したアルツハイマー病モデルマウスとしてのAPPOSKマウス※1及び野生型TAU※2トランスジェニックマウスについて、大阪市立大学及び森 啓 特任教授とライセンス契約を締結し、需要の高い中枢神経系モデルマウスのラインナップ拡充を図りました。さらに、資本業務提携先である㈱免疫生物研究所と、同社が所有する抗体について上記APPOSKマウスを用いた非臨床試験によるアルツハイマー病治療薬開発に取り組むべく、共同研究開発契約を締結いたしました。
CRO※3事業においては、既存の顧客との取引を拡大・深化させるとともに、新規顧客の開拓に注力し受注強化を図りました。また、非臨床試験の更なる受注拡大に向け、顧客(主に製薬企業)の多様なニーズに応えるため、新しい病態モデルの研究開発に取り組みました。重要施策であるジェノミクス事業との連携強化については、ジェノミクス事業が保有するAPPOSKマウス等の有用な疾患モデルマウスを用いた非臨床試験での活用を推進してまいります。
先端医療事業においては、次世代シーケンサー※4を用いた肺がん・乳がん・卵巣がん・大腸がん・悪性黒色腫などを対象としたがんクリニカルシーケンス※5受託解析サービスを開始いたしました。また、がんクリニカルシーケンスに関しては、北海道がんセンターにおいて本年7月より開始される「網羅的がん遺伝子解析;プレシジョン検査」事業に参画することにいたしました。先端医療事業部においては、今後もクリニカルシーケンス事業の拡充を通じて、個別化医療に対して貢献するとともに業績拡大につなげてまいります。
病理診断事業においては、一層の品質向上及び事業効率化に取り組むとともに、豊富な病理診断技術を活かしたサービスの拡充に取り組んでまいりました。特に、子宮頸がんの早期発見に向け、自己採取を含むHPV※6併用検査サービスや、前期から開始した病理診断WEB報告システムにより付加価値を高めた病理診断サービスの営業及び受注拡大に注力いたしました。
これらの結果、当第1四半期連結累計期間における当社グループの業績は、売上高339,670千円(前年同期比13.8%減)、営業損失60,256千円(前年同期34,906千円)、経常損失63,516千円(前年同期47,872千円)、親会社株主に帰属する四半期純損失は49,148千円(前年同期37,222千円)となりました。
※1 APPOSKマウス :大阪市立大学 森 啓 特任教授らが開発した、アルツハイマーに特徴的な加齢に伴った認知機能障害等が認められるマウス
※2 TAU :中枢神経系に多量に存在し、脳内の神経軸索輸送に重要な働きを担う
※3 CRO :Contract Research Organization(医薬品開発業務受託機関)
※4 次世代シーケンサー :DNAを構成する塩基の配列を高速に読み取りゲノム情報を解読する装置で、得られた情報により病気の診断、治療、創薬に活用される
※5 クリニカルシーケンス :次世代シーケンサーを用いて、がん細胞の遺伝子変異を網羅的に解析し、診断や治療の参考となる知見を得るための解析手法
※6 HPV :Human papillomavirus(ヒトパピローマウイルス)
セグメントの業績は、次のとおりであります。各セグメントの業績数値につきましては、セグメント間の内部取引高を含めて表示しております。
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売上高 |
営業損益 |
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金額(千円) |
前年同期比(%) |
金額(千円) |
前年同期比(%) |
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ジェノミクス事業 |
58,685 |
27.4%減 |
△1,776 |
- |
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CRO事業 |
112,046 |
28.6%減 |
△10,529 |
- |
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先端医療事業 |
75,928 |
31.5%増 |
582 |
- |
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病理診断事業 |
94,848 |
4.8%減 |
△3,234 |
- |
① ジェノミクス事業
当事業では、遺伝子破壊マウスの作製受託、モデルマウスの販売及び抗体作製受託、新規バイオマーカーの開発などを行っております。当第1四半期連結累計期間の業績は、期首受注残高が前年に比し減少していたことにより、売上高は前期比減収となり、営業損益については損失となりました。
② CRO事業
当事業では、医薬品・食品の臨床試験受託及び薬理薬効試験、安全性薬理試験、薬物動態試験などの非臨床試験受託を行っております。当第1四半期連結累計期間の業績は、期首受注残高が前年に比し減少していたことにより、売上高は前期比減収となり、営業損益については損失となりました。
③ 先端医療事業
当事業では、遺伝子解析受託サービス及び個別化医療に向けた創薬支援サービスを行っております。当第1四半期連結累計期間の業績は、売上高は前期比増収となり、前期は損失であった営業損益についても利益を計上いたしました。
④ 病理診断事業
当事業は㈱ジェネティックラボの中核事業であり、病理専門医による豊富な診断実績及び最新のバイオマーカー解析技術による高品質な病理診断サービスを提供しております。当第1四半期連結累計期間の業績は、受託検体数の伸び悩みにより、売上高は前期比減収となり、営業損益については損失となりました。
(2) 財政状態
(資産)
当第1四半期連結会計期間末における流動資産は1,687,749千円となり、前連結会計年度末に比べ9,351千円減少いたしました。これは主に、現金及び預金、仕掛品、その他の流動資産がそれぞれ、101,679千円、80,319千円、29,153千円増加した一方、受取手形及び売掛金が224,182千円減少したことによるものであります。固定資産は2,183,526千円となり、前連結会計年度末に比べ21,799千円減少いたしました。これは主に、有形固定資産の減価償却及び無形固定資産の「のれん」の償却によるものであります。
(負債)
当第1四半期連結会計期間末における流動負債は342,152千円となり、前連結会計年度末に比べ146,120千円減少いたしました。これは主に、未払金62,260千円、未払法人税等40,669千円、その他流動負債31,718千円がそれぞれ減少したことによるものであります。固定負債は182,375千円となり、前連結会計年度末に比べ58,451千円減少いたしました。これは主に、未払金への振替により長期未払金が57,805千円減少したことによるものであります。
(純資産)
当第1四半期連結会計期間末における純資産は3,346,748千円となり、前連結会計年度末に比べ173,420千円増加いたしました。これは主に、新株予約権の行使により資本金及び資本剰余金が合計で218,970千円増加したことによるものであります。
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、重要な変更はありません。
買収防衛策について
当社は財務及び事業の方針の決定を支配する者のあり方に関する基本方針を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は次のとおりであります。
① 基本方針の内容
当社グループは「生物個体からゲノムにいたる生命資源の開発を通して、基盤研究及び医学・医療の場に遺伝情報を提供し、その未来に資するとともに、世界の人々の健康と豊かな暮らしの実現に貢献する」を経営理念とし、主として創薬の探索研究ステージにおいて遺伝子改変マウスをツールとして提供するジェノミクス事業、探索研究支援および対外診断薬候補物質の開発研究を展開する先端医療事業、創薬候補物質の評価を行うCRO事業、さらに病理診断を行う診断事業により、創薬研究のトータル支援企業として事業展開しております。これらの事業における技術革新は日進月歩であることから、蓄積された技術力に基づくノウハウや高い専門性、最先端の新規技術の迅速な事業化および収益化が求められます。
従って、当社の経営には上記のような事業特性を前提とした経営のノウハウならびに創薬支援ビジネスに関する高度な知識、技術、経験を有する使用人、大学・企業との共同研究先及び取引先等のステークホルダーとの間に築かれた関係等が重要であり、これらへの事業の説明責任と十分な理解を得ることが不可欠であると考えております。
② 不適切な支配の防止のための取組み
当社取締役会は、公開会社として当社株式の自由な売買を認める以上、当社株式の売買は、株主、投資家の自由意思に委ねられるべきものと考えており、特定の者の大規模買付行為においても、これに応じて当社株式の売却を行うか否かは、最終的には当社株式を保有される当社株主の皆様の判断に委ねられるべきものであると考えております。しかしながら、当社の事業に対する理解なくして行われる当社株式の大規模買付行為がなされた場合には当社の企業価値ひいては株主共同の利益は毀損されることになると考えております。
以上の理由により、当社取締役会は、定時株主総会で株主の皆様の合理的な意思の確認ができることを条件として、当社株式の大規模買付行為に関する対応策(買収防衛策)の導入を決定いたしました。同買収防衛策の導入は、平成18年6月28日開催の当社第8期定時株主総会にてご承認をいただいております。
(注)買収防衛策の詳しい内容については、当社ウェブサイト
(http://www.transgenic.co.jp/pressrelease/2006/05/post_44.php)をご参照ください。
③ 上記②の取組みについての取締役会の判断
ⅰ 当社取締役会は、上記②の取組みが当社の上記①の基本方針に沿って策定された当社の企業価値、株主共同の利益を確保するための取組みであり、株主の皆様の共同の利益を損なうものではないと考えております。
ⅱ 当社取締役会は、上記②の取組みは、あくまで株主の皆様の自由な意思決定を行うための前提となる必要な情報・機会を確保することを目的として、それに必要かつ相当なルールを設定するものであり、現経営陣の保身に利用されることや不当に株主の株式売却に対する自由を妨害することにつながるという弊害は生じないものと考えております。
(4) 研究開発活動
当第1四半期連結累計期間における当社グループの研究開発活動の金額は、10,232千円(前年同期12,452千円)であります。
なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。