文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、米国を起点とする貿易摩擦による世界経済の鈍化や労働力不足による人件費上昇の影響などで先行きが懸念されるものの、企業の収益や景況感の改善とともに緩やかな回復基調が持続しました。
当社グループが属するバイオ関連業界におきましては、大手製薬企業の中には成長の鈍化の中で事業の整理や人員の削減を図る企業もある反面、ベンチャー企業などにおいては新製品の研究・開発の動きが活発化しました。このような環境の中で、当社グループは次のような活動を行いました。
なお、第1四半期連結会計期間より、報告セグメントの区分を次のとおり変更しております。従来の「ジェノミクス事業」と「CRO事業」とを統合し、「CRO事業」として区分表示しております。また、従来の「先端医療事業」と「病理診断事業」とを統合し、「診断解析事業」として区分表示しております。
CRO※1事業においては、既存顧客との取引を拡大・深化させるとともに新規顧客の開拓に注力し、受注強化に努めました。また、非臨床試験の更なる受注拡大に向け、顧客(主に製薬企業)の多様なニーズに応えるため、「生体ストレス可視化マウス※2」や「アトピー性皮膚炎モデルマウス」などの新しい病態モデルの販売を株式会社トランスジェニックにおいて開始し、ラインナップの更なる拡充を図るとともに、モデルマウスの非臨床試験での活用に取り組みました。さらに、連結子会社である株式会社安評センターが本年4月1日に公益財団法人食品農医薬品安全性評価センターより事業を譲受けたことで当第2四半期連結会計期間末におけるCRO事業の受注残高が1,127,929千円(前年同期比163.4%増)と飛躍的に増加するとともに、幅広い領域での非臨床安全性試験の受注能力も大きく拡大いたしました。
診断解析事業においては、一層の品質向上及び事業効率化に取り組むとともに、遺伝子解析技術及び豊富な病理診断技術を活かしたサービスの拡充に取り組み、網羅的がんクリニカルシーケンス※3サービスの採用医療機関の確保に努め、さらにDTC(Direct To Consumer:消費者向け)遺伝子検査サービスの営業強化を図りました。また、子宮頸がんの早期発見に貢献すべく、HPV※4リスク検査の有用性の啓蒙活動及び営業活動に注力するとともに子宮頸がん検診の普及に取り組む地方自治体との検査委受託契約締結を推進いたしました。
TGBS事業においては、Eコマース事業において売れ筋商品の仕入れに努めるとともに、プラットフォーム(大手通販サイト)経由の販路拡大に注力いたしました。また、Eコマース事業以外では、事業承継コンサルティング業務の取り組みを強化いたしました。
これらの結果、当第2四半期連結累計期間における当社グループの売上高は、前年同期にはグループの事業にはなかったTGBS事業のうちEコマース事業の売上が大きく寄与するとともに、事業を譲受けた株式会社安評センターの売上がCRO事業に加わったため、4,324,250千円(前年同期比405.7%増)となり、前年同期比で大幅な増収となりました。また、営業利益につきましても、同様に、Eコマース事業の利益が損益に大きく寄与するとともに、株式会社安評センターの利益が、CRO事業の利益拡大に大きく貢献したため、前年同期と比較して大幅に改善し103,138千円(前年同期は81,404千円の営業損失)の黒字となりました。なお、経常利益につきましても、同様に、73,857千円(前年同期は89,997千円の経常損失)、親会社株主に帰属する四半期純利益も28,352千円(前年同期は73,334千円の親会社株主に帰属する四半期純損失)と、前年同期比で大幅な改善となりました。
※1 CRO :Contract Research Organization(医薬品開発業務受託機関)
※2 生体ストレス可視化マウス:目でみえない細胞ストレスについて、ストレスが生じた時にだけ光により可視化することを可能にする生体ストレス可視化トランスジェニックマウス
※3 クリニカルシーケンス :次世代シーケンサー(DNAを構成する塩基の配列を高速に読み取り、ゲノム情報を解読する装置)を用いて、がん細胞の遺伝子変異を網羅的に解析し、診断や治療の参考となる知見を得るための解析手法
※4 HPV :Human papillomavirus(ヒトパピローマウイルス)
セグメントの経営成績は、次のとおりであります。各セグメントの業績数値につきましては、セグメント間の内部取引高を含めて表示しております。
なお、第1四半期連結会計期間より、報告セグメントの区分を変更しており、以下の前年同期比較については、前年同期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。
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セグメント |
売上高 |
営業損益 |
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金額 (千円) |
前年同期比 |
金額 (千円) |
前年同期比 |
||||
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増減額 (千円) |
増減率 (%) |
増減額 (千円) |
増減率(%) |
||||
|
CRO事業 |
993,955 |
492,259 |
98.1 |
171,063 |
163,152 |
2,062.5 |
|
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診断解析事業 |
367,252 |
12,704 |
3.6 |
△6,228 |
△5,682 |
- |
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TGBS事業 |
2,972,696 |
- |
- |
35,635 |
- |
- |
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(Eコマース) |
(2,770,767) |
- |
- |
(21,015) |
- |
- |
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(その他) |
(201,928) |
- |
- |
(14,620) |
- |
- |
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(注)括弧内の金額は、TGBS事業の各内訳金額であります。なお、TGBS事業は前第3四半期連結会計期間に開始した事業であるため、前年同期比の増減額及び増減率(%)は「-」で表示しております。
① CRO事業
当事業では、医薬品・食品の臨床試験受託及び薬理薬効試験、安全性薬理試験、薬物動態試験、農薬・食品関連物質などの安全性試験などの非臨床試験受託を行っております。また、遺伝子改変マウスの作製受託、モデルマウスの販売や作製モデルマウスを用いた非臨床試験の受託、抗体作製受託、及び新規バイオマーカーの開発などを行っております。当第2四半期連結累計期間の経営成績は、株式会社安評センターが本年4月に事業譲受けした安全性試験等の収益が大きく貢献し、売上高は前年同期比で大幅な増収(前年同期比98.1%増)となりました。また、営業損益につきましても大幅に改善し、171,063千円の黒字(前年同期比163,152千円増)を計上いたしました。
② 診断解析事業
当事業では、病理専門医による豊富な診断実績及び最新のバイオマーカー解析技術を生かした高品質な病理診断サービス、遺伝子解析受託サービス及び個別化医療に向けた創薬支援サービスを行っております。当第2四半期連結累計期間の経営成績は、病理診断の検体数の増加及びDTCを中心とした遺伝子解析受託サービスの伸びにより、売上高は前年同期比で増収(前年同期比3.6%増)となりました。しかし、補助金を受けて行う研究開発の費用が先行し、営業損益につきましては6,228千円の損失(前年同期は545千円の損失)を計上いたしました。
③ TGBS事業
当事業は、昨年11月に設立した株式会社TGビジネスサービスによる事業であり、M&Aによる新規事業の推進と幅広い分野における事業承継及び事業再生分野に係る助言・支援サービスを行っております。当第2四半期連結累計期間の経営成績は、主としてEコマース事業の販売が堅調に推移し、売上高は2,972,696千円、営業損益につきましても35,635千円の黒字を計上いたしました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは182,002千円の収入(前年同期は19,936千円の収入)となりました。これは、税金等調整前四半期純利益73,857千円(前年同期は89,997千円の損失)に必要な調整項目を加減して算定しておりますが、その主な加算要因は、売上債権の減少額248,451千円、非資金費用である減価償却費の計上額57,767千円及びのれん償却費の計上額34,521千円であります。一方、主な減算要因は、たな卸資産の増加額80,894千円、未払金の減少額58,994千円、前受金の減少額108,435千円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは599,771千円の支出(前年同期は27,243千円の支出)となりました。この主な要因は、有形固定資産の取得による支出74,907千円、関係会社株式の取得による支出80,000千円、事業譲受による支出429,083千円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは29,912千円の支出(前年同期は151,872千円の収入)となりました。この主な要因は、短期借入れ及び長期借入れによる収入が合計で204,602千円、長期借入金の返済による支出409,752千円、長期未払金の返済による支出57,805千円、新株予約権の行使による株式の発行による収入241,332千円であります。
以上の結果、当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ447,422千円減少し、1,325,077千円(前年同期間末1,203,747千円)となりました。
(3) 財政状態
(資産)
当第2四半期連結会計期間末における流動資産は2,733,771千円となり、前連結会計年度末に比べ259,074千円減少いたしました。これは主に、仕掛品が372,443千円、その他流動資産が29,463千円、それぞれ増加した一方、「受取手形及び売掛金」が207,891千円減少したほか、主として株式会社安評センターにおける事業譲受対価の支払い等により「現金及び預金」が447,422千円減少したことによるものであります。
固定資産は3,343,504千円となり、前連結会計年度末に比べ401,670千円増加いたしました。これは主に、株式会社安評センターにおける事業譲受けにより、有形固定資産が433,789千円及び無形固定資産の「のれん」が38,226千円それぞれ増加したほか、購入による取得で有形固定資産が62,816千円、投資その他の資産の「その他」が17,602千円それぞれ増加した一方、減価償却57,767千円、「のれん」の償却34,521千円をそれぞれ計上したほか、保有株式の時価評価等に伴い投資有価証券が64,453千円減少したことによるものであります。
(負債)
当第2四半期連結会計期間末における流動負債は1,068,597千円となり、前連結会計年度末に比べ212,824千円増加いたしました。これは主に、未払法人税等が26,486千円、その他流動負債が267,519千円それぞれ増加した一方、未払金が49,037千円減少したこと、並びに、借換えにより短期借入金が80,000千円増加するとともに「1年内返済予定の長期借入金」が108,189千円減少したことによるものであります。
固定負債は491,691千円となり前連結会計年度末に比べ245,390千円減少いたしました。これは主に、返済により長期借入金が176,961千円、未払金への振替により長期未払金が57,805千円それぞれ減少したことによるものであります。
(純資産)
純資産は4,516,987千円となり、前連結会計年度末に比べ175,162千円増加いたしました。これは主に、新株予約権及びストック・オプションの行使により資本金及び資本剰余金がそれぞれ123,060千円増加したこと、親会社株主に帰属する四半期純利益を28,352千円計上したこと、並びに、その他有価証券評価差額金が90,494千円減少したことによるものであります。
(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において、重要な変更はありません。
買収防衛策について
当社は財務及び事業の方針の決定を支配する者の存り方に関する基本方針を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は次のとおりであります。
① 基本方針の内容
当社グループは「未来に資するとともに世界の人々の健康と豊かな暮らしの実現に貢献する」を経営理念とし、主として、創薬の探索研究ステージにおいて遺伝子改変マウス等のツールの提供及び創薬候補物質の検査段階において非臨床試験や臨床試験を通じてその評価を行うCRO事業、探索研究支援および体外診断薬候補物質の開発研究や病理診断を展開する診断解析事業により、創薬研究のトータル支援企業として事業展開しております。これらの事業における技術革新は日進月歩であることから、蓄積された技術力に基づくノウハウや高い専門性、最先端の新規技術の迅速な事業化および収益化が求められます。
従って、当社の経営には上記のような事業特性を前提とした経営のノウハウならびに創薬支援ビジネスに関する高度な知識、技術、経験を有する使用人、大学・企業との共同研究先及び取引先等のステークホルダーとの間に築かれた関係等が重要であり、これらへの事業の説明責任と十分な理解を得ることが不可欠であると考えております。
② 不適切な支配の防止のための取組み
当社取締役会は、公開会社として当社株式の自由な売買を認める以上、当社株式の売買は、株主、投資家の自由意思に委ねられるべきものと考えており、特定の者の大規模買付行為においても、これに応じて当社株式の売却を行うか否かは、最終的には当社株式を保有される当社株主の皆様の判断に委ねられるべきものであると考えております。しかしながら、当社の事業に対する理解なくして行われる当社株式の大規模買付行為がなされた場合には当社の企業価値ひいては株主共同の利益は毀損されることになると考えております。
以上の理由により、当社取締役会は、定時株主総会で株主の皆様の合理的な意思の確認ができることを条件として、当社株式の大規模買付行為に関する対応策(買収防衛策)の導入を決定いたしました。同買収防衛策の導入は、2006年6月28日開催の当社第8期定時株主総会にてご承認をいただいております。
(注)買収防衛策の詳しい内容については、当社ウェブサイト
(http://www.transgenic.co.jp/pressrelease/2006/05/post_44.php)をご参照ください。
③ 上記②の取組みについての取締役会の判断
ⅰ 当社取締役会は、上記②の取組みが当社の上記①の基本方針に沿って策定された当社の企業価値、株主共同の利益を確保するための取組みであり、株主の皆様の共同の利益を損なうものではないと考えております。
ⅱ 当社取締役会は、上記②の取組みは、あくまで株主の皆様の自由な意思決定を行うための前提となる必要な情報・機会を確保することを目的として、それに必要かつ相当なルールを設定するものであり、現経営陣の保身に利用されることや不当に株主の株式売却に対する自由を妨害することにつながるという弊害は生じないものと考えております。
(5) 研究開発活動
当第2四半期連結累計期間における当社グループの研究開発活動の金額は、31,757千円(前年同期28,500千円)であります。
なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(6) 従業員数
当第2四半期連結累計期間において、株式会社安評センターが事業を譲受けたことにより、CRO事業の従業員数は、前連結会計年度末に比べ54名増加し、130名となりました。
なお、従業員数は就業人員数であり、契約社員、パートタイマー、アルバイト及び派遣社員を除いております。
(7) 生産、受注及び販売の実績
当第2四半期連結累計期間において、株式会社安評センターが事業を譲受けたことにより、CRO事業の受注残高が著しく増加いたしました。当第2四半期連結会計期間末における受注残高は1,127,929千円(前年同期比163.4%増)であります。
(8) 主要な設備
当第2四半期連結累計期間において、連結子会社である株式会社安評センターがCRO事業を譲受けたことに伴い、以下の設備が当社グループの主要な設備となりました。
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会社名 |
事業所名 (所在地) |
セグメントの名称 |
設備の内容 |
帳簿価額(千円) |
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建物及び 構築物 |
土地 (面積㎡) |
リース資産 |
合計 |
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株式会社 安評センター |
本社 (静岡県磐田市) |
CRO事業 |
非臨床試験 設備等 |
268,437 |
190,540 (34,080.03) |
3,788 |
462,766 |
当第2四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。