第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針

当社グループは、「未来に資するとともに世界の人々の健康と豊かな暮らしの実現に貢献する」ことを経営理念とし、「基礎研究から診断までの各領域に強みをもつオンリー・ワンの創薬トータル支援企業を目指し、持続的成長を実現して企業価値向上を図る」ことを経営の基本方針としております。

 

(2)経営戦略等

この4年間(2018年3月期~2021年3月期)は、連結損益構造の安定・強化に向けて、創薬支援事業においては設備及び人員に対する先行投資を、TGBS事業においては当社投資基準に合致する投資先を選定しM&A投資を積極的に行ってまいりました。この結果、2021年3月期においては過去最高益を大幅に更新し、また、創薬支援事業とTGBS事業という二つの両輪によるHybrid型経営の強固な土台を作ることができました。この4年間の成果を受けて、次の4年間は更なる事業基盤強化・拡大に向けて以下の施策を着実に実行したいと考えております。

まず、連結事業収支の拡大及び財務基盤の強化を背景に、創薬支援事業においては、既存サービスの拡充及び新規サービス導入に向けた設備投資の強化や、高収益事業体確立に向けて、それを支える研究開発活動の強化を行ってまいります。次に、TGBS事業においても、更なる投資利益拡大に向けて、当社投資基準に合致する案件に対して、これまで以上に積極的に投資を行う方針であります。

 

(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、オンリー・ワンの創薬トータル支援企業グループを目指し、グループの持続的成長及び企業価値の持続的な増大を図っていくために、経営指標として「売上高及び営業利益の拡大」を目標としております。

 

 

2021年3月期実績

2022年3月期予想

売 上 高

11,046百万円(前期比  0.0%

12,000百万円(前期比 8.6%増)

営業利益

893百万円(前期比414.0%増

 1,200百万円(前期比34.3%増)

経常利益

891百万円(前期比839.3%増

 1,100百万円(前期比23.3%増)

親会社株主に帰属する当期純利益

546百万円(    -   )

   600百万円(前期比 9.8%増)

当連結会計年度につきましては、売上高は前期比0.0%減のほぼ同額に留まりましたが、営業利益は前期比414.0%増と大幅に拡大し、過去最高益を達成することができました。

2022年3月期の見通しにつきましては、創薬支援事業とTGBS事業について、双方の事業特性を活かしながら事業基盤の拡大を図ることで、売上高12,000百万円(前期比8.6%増)、営業利益1,200百万円(前期比34.3%増)、経常利益1,100百万円(前期比23.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益600百万円(前期比9.8%増)を予想しております。

 

(4)経営環境等

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載しております。

 

(5)事業上及び財務上の対処すべき課題

グループの成長を維持し企業価値の持続的向上を実現するためには、事業領域の両輪である創薬支援事業とTGBS事業について、双方の事業特性を活かしながら事業基盤の拡大を図っていくことが重要であると考えております。なお、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は3,030,149千円であり、今後の事業展開に必要な資金を十分確保しております。

 

① 創薬支援事業

当事業は、創薬の初期段階である探索基礎研究・創薬研究から、動物による非臨床試験、臨床試験、病理診断まで、創薬のあらゆるステージに対応できるシームレスなサービスをグループで展開しております。

当事業は、人材及び設備に対する先行投資や中長期的な先端技術の開発努力が必要とされる反面、成果獲得時には高収益が期待でき、中長期的に大きな成長が期待できます。

2021年4月には、遺伝子改変マウス事業を株式会社安評センターへ、抗体事業を医化学創薬株式会社へ事業譲渡し、グループの経営資源の集約を進め、高付加価値サービスの開発に一層注力する体制を整えました。今後も、グループ内でシナジーのある施策を進め、付加価値の向上に努めてまいります。

 

② TGBS事業

当事業では、M&Aによる新規事業の推進や事業承継等に係る助言・支援サービスを行っております。2017年11月に当事業を開始して以来、M&Aにより当社グループに加入した企業が着実に利益に貢献するとともに、下期に偏っていたグループの収益構造の平準化にも寄与してまいりました。

後継者不足問題や国内市場の縮小による再編加速という環境の中、TGBS事業は創薬支援事業と比較して短期間での成果獲得が可能であり、当初の投資後の追加投資負担が比較的少ないうえ、安定した業績成長が見込めると考えております。今までグループで培ったノウハウを活かして既投資先の更なる収益力の向上に努めるとともに、リスク分散に配慮しながら投資先の発掘を行い、成長を維持していきたいと考えております。

 

2【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のようなものがあります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営全般に係る事項

① 企業買収について

当社グループは、事業領域の拡大のため、業務提携や企業買収等を実施することがあります。これらの意思決定に際しては、対象となる企業の事業内容や財務内容、取引関係等について詳細な事前調査を実施し、十分にリスクを検討しております。しかし、事前調査で把握できなかった問題が生じた場合や、事業環境の変化等により当初想定した効果が得られない場合、企業買収で生じたのれんの減損処理等によって当社グループの財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 新型コロナウイルス感染症拡大の懸念について

新型コロナウイルス感染症の拡大は、人類の健康に対し重大な脅威を与えるとともに、経済活動を広範囲において制約し、景気に重大な影響を及ぼしています。当社グループは、このような環境下において、テレワーク体制の導入やWEBミーティングなどの対応を行い、顧客や従業員等の感染防止に配慮しながら事業活動の維持に努めております。

新型コロナウイルス感染症問題が収束する見通しは現時点ではたっておりませんが、その影響が長期化した場合は、企業活動そのものの極度の停滞や企業倒産数の増加や消費の極端な低迷により、当社業績が重大な影響を受ける可能性があります。

 

(2)各事業に関する事項

① 製薬業界の動向による影響について

創薬支援事業は、製薬企業からの非臨床試験、臨床試験の受託の売上高に占める比率が高く、比較的安定した受注を維持しておりますが、一方で、国内の製薬企業は薬価改定や後発薬の普及で事業環境が厳しくなり、近年は研究開発費を抑制する傾向にあります。当社グループは、このような製薬企業の研究開発活動の動向には留意を払っておりますが、製薬企業に急激な環境変化が生じた場合は、当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 

② 技術革新について

当社グループが属するバイオテクノロジー業界においては、日進月歩で技術開発が進められており、当社グループも独自の強みを生かした技術の開発に日々努めております。しかしながら、技術革新により市場に急激な変化が生じ、当社グループの競合他社に対する技術的優位性が失われた場合、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 公的研究機関及び大学等との関係について

創薬支援事業においては、当社グループは新たな技術導入及び移転を目的として、公的研究機関や国立大学法人熊本大学などの大学と共同研究を実施しておりますが、企業と公的研究機関等との関係は、法令などの改正や組織改正に影響を受ける可能性があります。従って、そのような改正により共同研究の方向性や権利関係の変更を余儀なくされる場合は、当社の事業戦略や業績に影響を及ぼす場合があります。

 

④ 知的財産権について

当社グループは、事業に関連した特許権等の知的財産権について第三者との間で訴訟やクレームが発生しないようにするため、新たな事業展開を行う場合、特許事務所に特許調査を依頼して問題発生を未然に防止するように努めております。しかしながら、事前に把握できなかった他社の特許等へ抵触し、第三者との間で予期せぬ訴訟等が生じた場合は、当社の事業戦略や業績に影響を及ぼす場合があります。

⑤ 法的規制について

a.実験動物関連

創薬支援事業の実験動物関連サービスに関して、動物愛護の観点などから、欧米特に欧州では実験動物使用禁止の規制導入が検討されています。当社グループでは、AAALAC(国際実験動物ケア評価認証協会)等の認証を受けるなど実験動物のケアに努めておりますが、日本において実験動物使用禁止の規制が導入された場合は、実験動物市場が閉塞し、当社グループの業績に多大な影響を及ぼす可能性があります。

 

b.遺伝子関連

当社グループは、DNAを生物に導入する際の設備や取扱いが定められている「遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律」や「組換えDNA技術工業化指針」などの法律及び指針を遵守しております。これらの規制が強化された場合、当社グループの事業内容及び業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥ 為替変動について

TGBS事業では、株式会社TGMやギャラックス貿易株式会社などにおいて商品・製品の大半を海外より調達しており、為替予約取引を実施するなど、為替変動による業績への影響を最小限にとどめるよう努めております。しかしながら、予測を超えた急激な為替レートの変動があった場合には、当社グループの業績に重大な影響を与える可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で経済活動の停滞が続き、景気の低迷が長期化しました。

当社グループにつきましても、新型コロナウイルス感染症拡大により事業活動にとっては厳しい局面が生じましたが、顧客や従業員等の健康・安全確保や事業への影響を最小限に抑える必要な対応を最優先としつつ、テレワーク体制の導入などにより新型コロナウイルス感染防止に配慮しながら事業活動の維持に努め、概ね全事業所において通常稼働を維持することができました。このような環境の中、当社グループは、次のような活動を行いました。

なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更し、従来の「CRO事業」と「診断解析事業」とを統合し、「創薬支援事業」として区分表示しております。

創薬支援事業においては、新型コロナウイルス感染症が拡大する中、検査数の増加に対する支援を行うため、株式会社ジェネティックラボが札幌市及び北海道から新型コロナウイルス検査(PCR検査)の受託を開始し、検査数の増加に対応すべく検査に必要な機器の増設を進めました。また、非臨床試験の受託につきましては、株式会社安評センターにおいて、強みである農化学薬品等の安全性試験に加え、前期に大型動物飼育管理施設の整備を完了したことを受け、従来の中・小型動物に加え大型動物の非臨床試験の新規受注に注力いたしました。なお、新型コロナウイルス感染症の影響で受注活動の低下を余儀なくされておりました臨床試験や非臨床試験受託も、WEB面談等を中心としたコロナ禍での営業活動の取り組みが定着してきたことを受けて新規受注が順調に回復いたしました。

さらに、医化学創薬株式会社においては、新型コロナウイルスに対する抗体の開発プロジェクトに取り組んでおりましたが、糖ペプチド抗原を免疫原として、SARS-CoV-2スパイクタンパク質※1の変異が発生しにくい糖鎖付加部位をターゲットとする抗体の取得に成功し、その取得抗体について国内外の診断薬メーカーや製薬企業向けに2021年1月に販売を開始いたしました。

TGBS事業においては、Eコマース事業において新型コロナウイルス感染症拡大に伴う巣ごもり需要を意識した売れ筋商品の仕入れにより粗利の確保に努めるとともに、新型コロナウイルス感染症対策に対する必要な対応を行いながら仕入・出荷体制の維持に努めました。

これらの結果、当連結会計年度における当社グループの売上高は、創薬支援事業のPCR検査の受託売上や、2020年3月に連結グループに加入したギャラックス貿易株式会社(TGBS事業のうち「Eコマース」)の売上が寄与したものの、株式会社TGM(TGBS事業のうち「その他」)において、景気が低迷する中で企業が設備投資を抑制したため前期と比較して大型の機械販売が少なかったことや、消費低迷による株式会社アウトレットプラザの売上減少等が影響し、11,046,139千円(前期比0.0%減)と前期比でほぼ同額に留まりました。

一方、営業利益につきましては、創薬支援事業におけるPCR検査の受託件数の伸長や、TGBS事業のEコマース事業における子会社の増加及び粗利の改善による利益増が大きく寄与し、前期比で大幅増益となる893,195千円(前期比414.0%増)となりました。

経常利益につきましても、助成金収入や保険解約返戻金などの営業外収益73,288千円を計上した一方、支払利息や買収関連費用などの営業外費用74,611千円を計上し、前期比で大幅増益となる891,871千円(前期比839.3%増)となりました。

また、親会社株主に帰属する当期純利益につきましても、補助金収入や固定資産売却益の特別利益57,665千円を計上した一方、減損損失や投資有価証券評価損などの特別損失254,335千円、「法人税、住民税及び事業税」142,923千円、法人税等調整額16,756千円、過年度法人税等△6,913千円(△は利益)及び非支配株主に帰属する当期純損失3,854千円を計上した結果、546,289千円(前期は440,715千円の親会社株主に帰属する当期純損失)となり、前期比で大幅な増加となりました。

なお、営業利益、経常利益及び親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、すべて過去最高益であります。

 

※1 スパイクタンパク質

ウイルス粒子の表面に存在するスパイク(突起)状のタンパク質。ウイルスは、自分のスパイクタンパク質に糖鎖を付加させることにより細胞に侵入(感染)します。

 

セグメントの経営成績は、次のとおりであります。各セグメントの業績数値につきましては、セグメント間の内部取引高を含めて表示しております。

 

セグメント

売上高

営業損益

金額

(千円)

前期比

金額

(千円)

前期比

増減額

(千円)

増減率

(%)

増減額

(千円)

増減率

(%)

創薬支援事業

3,583,469

787,892

28.2

745,421

755,914

TGBS事業

7,486,475

△772,339

△9.4

325,415

△44,242

△12.0

 

(Eコマース)

(5,283,880)

(△50,074)

△0.9

(234,414)

(152,754)

187.1

(その他)

(2,202,595)

(△722,264)

△24.7

(91,001)

(△196,996)

△68.4

(注) 括弧内の金額は、TGBS事業の各内訳金額であります。

 

a.創薬支援事業

当事業では、創薬の初期段階である探索基礎研究・創薬研究から、動物による非臨床試験、臨床試験、病理診断まで、創薬のあらゆるステージに対応できるシームレスなサービスを行っております。その主なものとして、遺伝子改変マウスの作製受託、抗体作製や糖鎖の解析・合成の受託のほか、医薬品、農薬・食品関連物質などの薬効薬理試験及び安全性試験などの非臨床試験や臨床試験の受託、遺伝子解析受託及び個別化医療に向けた創薬支援サービス、豊富な診断実績をもつ専門医による高品質な病理診断を行っております。また、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う検査数の増加に対応すべく、新型コロナウイルス検査(PCR検査)の受託を行っております。

当連結会計年度の業績につきましては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で一定期間にわたり受注活動の低下を余儀なくされた非臨床試験及び臨床試験の受注につきましては、コロナ禍での営業活動の取り組みが定着してきたことを受けて順調に回復し、一方で、2020年4月に受託を開始した新型コロナウイルス検査(PCR検査)も、北海道における新型コロナウイルス感染症の検査数の拡大に伴い、2020年の夏以降受託件数が大きく伸長いたしました。その結果、売上高については前期比787,892千円増(前期比28.2%増)の大幅な増収となり、営業損益につきましても745,421千円(前期は10,493千円の損失)と大幅な増益となりました。

 

b.TGBS事業

当事業は、株式会社TGビジネスサービスによる事業であり、M&Aによる新規事業の推進と幅広い分野における事業承継及び事業再生分野に係る助言・支援サービスを行っております。なお、内訳としてEコマース事業と「その他」事業とに区分しております。

Eコマース事業につきましては、2020年3月に連結グループに加入したギャラックス貿易株式会社の売上が寄与しましたが、コロナ禍の消費低迷の影響を受けたほか、前期は消費税率引き上げ前の駆け込み需要があったこともあり、株式会社アウトレットプラザの売上は前期比で減少した一方で、巣ごもり需要に対応した売れ筋商品の仕入れに努め粗利率の改善に努めたほか、ギャラックス貿易株式会社も、独自の仕入ルートの強みを活かしたトレンド商品の取り扱いにより利益についても大きく寄与いたしました。その結果、売上高は前期比50,074千円減(前期比0.9%減)の減収となりましたが、営業損益につきましては234,414千円の利益となり、前期比152,754千円増(前期比187.1%増)の大幅な増益となりました。

「その他」事業につきましては、株式会社TGMにおいて、景気が低迷する中で企業の設備投資抑制により大型の機械販売売上が前期と比較して減少したことや、その他の子会社も景気低迷の影響を受けたことから、売上高は前期比722,264千円減(前期比24.7%減)の減収となり、営業損益につきましても91,001千円の利益となり、前期比196,996千円減(前期比68.4%減)の減益となりました。

この結果、当連結会計年度のTGBS事業の経営成績は、売上高は前期比772,339千円減(前期比9.4%減)の減収となり、営業損益につきましても325,415千円の利益となり、前期比44,242千円減(前期比12.0%減)と減益となりました。

 

財政状態につきましては、当連結会計年度末における流動資産は5,811,831千円となり、前連結会計年度末に比べ1,478,017千円増加いたしました。これは主に、受取手形及び売掛金が118,090千円、仕掛品が105,462千円それぞれ増加したほか、子会社の資金調達や営業利益の獲得、保有社債の償還等により現金及び預金が1,426,819千円増加した一方、保有していた社債である有価証券が200,000千円減少したことによるものであります。

固定資産は3,106,981千円となり、前連結会計年度末に比べ130,889千円減少いたしました。これは主に、購入による取得等で有形固定資産が55,181千円増加した一方、主として医化学創薬株式会社の連結子会社化に伴い投資有価証券が149,866千円減少したほか、回収により長期貸付金が101,388千円、貸倒引当金が105,349千円それぞれ減少したことによるものであります。

 

当連結会計年度末における流動負債は2,164,538千円となり、前連結会計年度末に比べ159,822千円増加いたしました。これは主に、未払金が226,839千円、前受金が207,008千円それぞれ増加したほか、長期への借り換えにより1年内返済予定の長期借入金が51,716千円増加した一方で、短期借入金が400,000千円減少したことによるものであります。

固定負債は1,717,371千円となり、前連結会計年度に比べ567,109千円増加いたしました。これは主に、新型コロナウイルス感染症の影響に備えて手元資金を厚くするための子会社の資金調達により、社債が71,000千円、長期借入金が463,967千円それぞれ増加したことによるものであります。

 

当連結会計年度末における純資産は5,036,903千円となり、前連結会計年度末に比べ620,196千円増加いたしました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益を546,289千円計上したほか、持分法適用関連会社であった医化学創薬株式会社の連結子会社化等により非支配株主持分が120,355千円増加したことによるものであります。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ1,280,344千円増加したほか、医化学創薬株式会社の連結子会社化に伴う増加146,474千円もあり、3,030,149千円となりました。

当連結会計年度の各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは1,222,364千円の収入(前年同期は20,988千円の支出)となりました。これは、税引前当期純利益695,201千円(前年同期は249,659千円の税引前当期純損失)に必要な調整項目を加減して算定しておりますが、その主な加算要因は、未払金の増加額199,894千円、前受金の増加額207,008千円、非資金費用である減価償却費の計上額170,202千円、のれん償却費の計上額81,267千円、減損損失74,344千円のほか、特別損失の固定資産圧縮損36,442千円、投資有価証券評価損42,388千円であります。一方、主な減算要因は、売上債権の増加額85,831千円、たな卸資産の増加額118,204千円、法人税等の支払額100,503千円であります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは48,434千円の収入(前年同期は318,602千円の支出)となりました。これは主に、有価証券の償還による収入200,000千円や貸付金の回収133,959千円により資金が増加した一方、有形固定資産の取得による支出145,807千円や出資金の払込による支出101,200千円により資金が減少したためであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは10,039千円の収入(前年同期は666,729千円の収入)となりました。これは主に、社債の発行による収入98,890千円、長期借入れによる収入765,000千円により資金が増加した一方、短期借入金の返済による支出400,000千円、長期借入金の返済による支出249,316千円、長期未払金の返済による支出73,881千円により資金が減少したためであります。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

当社グループでは、生産実績を定義することが困難であるため、「生産実績」は記載しておりません。

 

b.受注実績

当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(千円)

前期比(%)

受注残高(千円)

前期比(%)

創薬支援事業

3,832,327

136.02

1,317,751

125.73

TGBS事業

7,538,999

90.55

416,088

115.40

合計

11,371,327

102.04

1,733,839

123.09

(注)1.金額には、消費税等は含まれておりません。

2.セグメント間取引を相殺消去しております。

 

c.販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

前期比(%)

創薬支援事業

(千円)

3,562,669

127.44

TGBS事業

(千円)

7,483,470

90.70

合計

11,046,139

100.00

(注)1.セグメント間取引を相殺消去しております。

2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自  2019年4月1日

至  2020年3月31日)

当連結会計年度

(自  2020年4月1日

至  2021年3月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

AGCグラスプロダクツ株式会社

1,294,179

11.7

1,303,517

11.8

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.経営成績の分析

(売上高)

創薬支援事業におきましては、2020年4月に受託を開始した新型コロナウイルス検査(PCR検査)が、新型コロナウイルス感染症の検査数の拡大に伴い、2020年の夏以降受託件数が大きく伸長し、売上高は前期比で787,892千円増加しました。

一方、TGBS事業におきましては、2020年3月に連結グループに加入したギャラックス貿易株式会社の売上が寄与したものの、コロナ禍による消費低迷の影響を受けたため株式会社アウトレットプラザの売上は前期比で減少し、Eコマース事業の売上高は前期比で50,074千円減少しました。また、株式会社TGMにおいて、景気が低迷する中で企業の設備投資抑制により大型の機械販売売上が前期と比較して減少したことなどから、その他事業の売上高も前期比で722,264千円減少し、TGBS事業全体の売上高は前期比で772,339千円減少しました。

この結果、連結売上高は、11,046,139千円(前期比0.0%減)と前期比でほぼ同額に留まりました。

 

(売上総利益)

創薬支援事業におきましては、上記のとおりPCR検査の受託収入が増加しましたが、同検査は比較的変動費比率が低いことから、検査数の増加に伴い売上総利益が大幅に増加するとともに売上高総利益率も上昇いたしました。

TGBS事業におきましては、上記のとおりEコマース事業は前期比で売上高は減少したものの、巣ごもり需要に対応した売れ筋商品の仕入れに努め粗利率の改善に努めたほか、独自の仕入ルートの強みを活かしたトレンド商品の取り扱いに注力した結果、売上総利益は前期比で増加し売上総利益率も前期比で上昇いたしました。一方、その他事業は上記のとおり売上高の減少が影響したため、売上総利益は前期比で減少し売上総利益率も前期比で低下いたしました。TGBS事業全体では売上総利益は前期比で増加し売上総利益率も前期比で上昇いたしました。

この結果、連結売上総利益は、前期比で997,380千円増の2,777,105千円となり、連結売上高総利益率は25.1%(前期は16.1%)と前期比で上昇いたしました。

 

(営業利益)

創薬支援事業におきましては、売上総利益の増加に伴い営業利益も前期比で755,914千円増の745,421千円と大幅に増加し、売上高営業利益率も20.8%(前期は10,493千円のセグメント損失)と前期比で大幅に改善いたしました。

TGBS事業におきましては、Eコマース事業は売上総利益と同様に前期比152,754千円増の234,414千円となり売上高営業利益率も4.4%(前期は1.5%)と前期比で改善いたしました。一方、その他事業は売上総利益と同様に前期比196,996千円減の91,001千円となり売上高営業利益率も4.1%(前期は9.8%)と前期比で低下いたしました。

この結果、連結営業利益は前期比で719,423千円増の893,195千円となり、連結売上高営業利益率も8.1%(前期は1.6%)と前期比で大幅に上昇いたしました。

 

(経常利益)

助成金収入や保険解約返戻金などの営業外収益73,288千円を計上した一方で、支払利息や買収関連費用などの営業外費用74,611千円を計上いたしました。その結果、経常利益につきましても、前期比で大幅増益となる891,871千円(前期比839.3%増)となりました。

 

(親会社株主に帰属する当期純損失)

補助金収入や固定資産売却益の特別利益57,665千円を計上した一方で、固定資産の減損損失や投資有価証券評価損などの特別損失254,335千円を計上いたしました。また、「法人税、住民税及び事業税」142,923千円、法人税等調整額16,756千円、過年度法人税等△6,913千円(△は利益)及び非支配株主に帰属する当期純損失3,854千円を計上した結果、546,289千円(前期は440,715千円の親会社株主に帰属する当期純損失)となり、前期比で大幅な増加となりました。

 

b.経営成績に重要な影響を与える要因について

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載しております。

 

c.財政状態の分析

当連結会計年度末における総資産は8,918,812千円となり、前連結会計年度末に比べ1,347,128千円増加いたしました。また、純資産は5,036,903千円となり、前連結会計年度末に比べ620,196千円増加いたしました。

なお、当連結会計年度末における有利子負債の合計2,129,506千円に対し3,030,149千円の現金及び預金を保持しており、流動比率(流動資産÷流動負債)も268.5%もあるため、十分な支払能力を確保していると判断しております。

前連結会計年度末と比較した変動要因につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

資本政策につきましては、財務健全性に配慮しながら、配当による株主への還元と将来の成長へ向けて必要な投資を実施することを基本としております。具体的には、運転資金、設備投資及び研究開発活動に係る資金需要については、内部資金より充当することを基本としており、大規模な設備投資やM&A等の自己資金のみでは賄えない資金需要については、新株の発行や借入等の資金調達方法を検討する方針としております。

当連結会計年度は、過去最高益を背景に営業活動によるキャッシュ・フローは前期比で1,243,352千円増加し1,222,364千円の収入となりました。また、投資活動によるキャッシュ・フローにつきましても、必要な設備投資を実施したものの、保有有価証券の償還もあり、48,434千円の収入となりました。さらに、新型コロナウイルス感染症問題が顕在化して以降、不測の事態に備えて資金を確保すべく積極的に銀行借入等で資金調達を進めましたが、一方で、フリーキャッシュ・フローの増加を背景に短期借入金を中心に銀行借入の返済を進めたため、財務活動によるキャッシュ・フローも10,039千円の収入となりました。

なお、活動区分毎のキャッシュ・フローの詳細につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

(単位:千円)

 

 

当期

増減

営業活動によるキャッシュ・フロー

1,222,364

△20,988

1,243,352

投資活動によるキャッシュ・フロー

48,434

△318,602

367,037

フリーキャッシュ・フロー※

1,270,798

△339,591

1,610,389

財務活動によるキャッシュ・フロー

10,039

666,729

△656,690

現金及び現金同等物期末残高

3,030,149

1,603,330

1,426,819

(※) 営業活動によるキャッシュ・フローから投資活動によるキャッシュ・フローを控除した純額

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。

連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。

 

4【経営上の重要な契約等】

重要な事業譲渡について

当社は、2021年2月24日開催の取締役会において、当社子会社である株式会社安評センター(以下、「安評センター」)に対して当社遺伝子改変マウス事業(以下、「マウス事業」)を、当社子会社である医化学創薬株式会社(以下、「医化学創薬」)に対して当社抗体事業(以下、「抗体事業」)をそれぞれ譲渡することを決議し、2021年4月1日付で当該事業の譲渡と純粋持株会社への移行を完了いたしました。

詳細は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」に記載のとおりであります。

5【研究開発活動】

 当社グループは、「未来に資するとともに世界の人々の健康と豊かな暮らしの実現に貢献する」ため、各分野にわたって研究開発に取り組んでおり、創薬支援事業において、今後の事業の中心となる製品及びサービスの研究開発を進めております。

 当連結会計年度における各セグメント別の研究の目的、主要課題、研究成果、及び研究開発費は次のとおりであります。

 なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は26,776千円となっております。

 

当社グループにおいては、治療薬の研究開発に貢献するために、遺伝子改変技術を有する当社が主体となり各種モデルマウスの導入及び開発の取り組みを行っており、これらの病態モデルマウスを用いた非臨床事業の拡大を目指しております。当連結会計年度においては、突然変異を検出するマウスであるMutaマウスについて、子会社である株式会社安評センターの遺伝毒性試験での活用が順調に進んでおります。

また、国際特許出願中の当社の独自技術であるエクソンヒト化マウス技術を用いて、新型コロナウイルスの感染に必要な受容体のエクソンをヒト化したマウスの開発を進めるとともに、エクソンヒト化マウス作製受託サービスを開始いたしました。

子会社の医化学創薬株式会社においては、新型コロナウイルスに対する抗体の開発プロジェクトに取り組んでおりますが、糖ペプチド抗原を免疫原として、SARS-CoV-2スパイクタンパク質の変異が発生しにくい糖鎖付加部位をターゲットとする抗体の取得に成功し、その取得抗体について国内外の診断薬メーカーや製薬企業向けに2021年1月に販売を開始いたしました。

 

スパイクタンパク質:ウイルス粒子の表面に存在するスパイク(突起)状のタンパク質。ウイルスは、自分のスパイクタンパク質に糖鎖を付加させることにより細胞に侵入(感染)します。