第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針

当社グループは、「未来に資するとともに世界の人々の健康と豊かな暮らしの実現に貢献する」という経営理念のもと、当社を取り巻く事業環境変化に迅速に反応し、事業モデル・構造を的確に変化させることで、グループの成長拡大を実現することを経営の基本方針としております。

 

(2)経営環境及び経営戦略等

当社グループは、最先端のバイオテクノロジー技術で展開する創薬支援事業と投資・コンサルティングを展開するTGBS事業との両輪によるHybrid型経営を推進することとしております。これまで当社グループは、連結損益構造の安定・強化に向けて、創薬支援事業においては設備及び人員に対する先行投資を実施し、TGBS事業においては当社投資基準に合致する投資先を選定しM&A投資を積極的に行ってまいりました。

当社グループが属する創薬支援・CRO業界においては、海外勢を含めた業界内での競争が激化しており、サービスの差別化へのシフトや業界再編などの動きも顕著となってきています。

このような中、当連結会計年度においても、創薬支援事業では、総額620百万円の設備投資を実施し着実に顧客ニーズに対応した試験・研究体制の基盤を構築しております。また、病理ピアレビュー分野のリーディングカンパニーである株式会社ルナパス毒性病理研究所がグループに加入するなど、グループのサービス提供分野の拡充についても確実に進捗しております。

また、TGBS事業でも、業界におけるM&A関連の投資額は年々高騰する傾向にあり、魅力的な投資先には競合が集中するなどさらなる専門的判断が求められる環境となっています。このような中、当連結会計年度に新たに株式会社ホープがグループに加入し、当事業の利益基盤の拡大に貢献しております。

連結事業収支の拡大及び財務基盤の強化を背景に、創薬支援事業においては、既存サービスの拡充及び新規サービス導入に向けた設備投資の強化や、高収益事業体確立に向けて、それを支える研究開発活動の強化を行ってまいります。また、TGBS事業においても、更なる投資利益拡大に向けて、当社投資基準に合致する案件に対して、これまで以上に積極的に投資を行う方針であります。

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載しております。

 

(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、グループの持続的成長及び企業価値の持続的な増大を図っていくため、成長性を重視し、経営指標として「売上高及び営業利益の拡大」を目標に掲げております。

2023年3月期の通期連結業績は、売上高11,500百万円、営業利益550百万円を見込んでおります。なお、コロナ禍を背景にPCR検査受託売上・利益を急激に伸ばした株式会社ジェネティックラボの全株式を譲渡したことにより、2022年3月期実績と比較して減収減益予想としておりますが、コロナ禍以前の過去最高業績数値である2019年3月期の数値と比較しても、いずれも伸長しており、不透明な経済見通しの中でも着実に事業基盤を拡大していると考えております。

 

(4)事業上及び財務上の対処すべき課題

 ① 創薬支援事業

当事業は、創薬の初期段階である探索基礎研究・創薬研究から、非臨床試験、臨床試験まで、創薬のあらゆるステージに対応できるシームレスなサービスをグループで展開しております。

当事業は、人材及び設備に対する先行投資や中長期的な先端技術の開発努力が必要とされる反面、成果獲得時には高収益が期待でき、中長期的に大きな成長が期待できます。

当社は、2021年4月に、当社遺伝子改変マウス事業を株式会社安評センターへ、当社抗体事業を医化学創薬株式会社へ事業譲渡し、グループ経営資源の集約を進め、高付加価値サービスの開発に一層注力する体制を整えました。今後もグループの経営資源の選択と集中を進め、グループ内でのシナジーを活かした研究開発体制をより一層強化し、創薬支援領域での付加価値の向上に努めてまいります。

 

② TGBS事業

当事業では、M&Aによる新規事業の推進や事業承継等に係る助言・支援サービスを行っております。M&Aによって当社グループに加入した企業へ適切なサポートを実施することにより、グループ各社が着実に利益貢献する基盤を構築し、グループ業績の拡大に寄与してまいりました。

後継者不足問題や国内市場の縮小による再編加速という環境の中、TGBS事業は、創薬支援事業と比較して短期間での成果獲得が可能であり、安定した業績成長が見込めると考えております。引き続き、これまでにグループで培ったノウハウを活かして、既投資先のさらなる収益力の向上に努めるとともに、リスク分散に配慮しながら投資先の発掘を行い、今後も積極的な投資を継続してまいります。

 

2【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のようなものがあります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)企業買収について

当社グループは、事業領域の拡大のため、業務提携や企業買収等を実施することがあります。これらの意思決定に際しては、対象となる企業の事業内容や財務内容、取引関係等について詳細な事前調査を実施し、十分にリスクを検討しております。しかし、事前調査で把握できなかった問題が生じた場合や、事業環境の変化等により当初想定した効果が得られない場合、企業買収で生じたのれんの減損処理等によって当社グループの財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)新型コロナウイルス感染症拡大の懸念について

新型コロナウイルス感染症の拡大は、人類の健康に対し重大な脅威を与えるとともに、経済活動を広範囲において制約し、景気に重大な影響を及ぼしています。当社グループは、このような環境下において、テレワーク体制の導入やWEBミーティングなどの対応を行い、顧客や従業員等の感染防止に配慮しながら事業活動の維持に努めております。

現時点ではワクチン接種の普及による感染収束が期待されていますが、経済活動への影響は予断を許さない状況であり、再び感染拡大する状況となれば、当社グループや顧客の事業活動に支障をきたし、当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)知的財産権について

当社グループは、事業に関連した特許権等の知的財産権について第三者との間で訴訟やクレームが発生しないようにするため、新たな事業展開を行う場合、特許事務所に特許調査を依頼して問題発生を未然に防止するように努めております。しかしながら、事前に把握できなかった他社の特許等へ抵触し、第三者との間で予期せぬ訴訟等が生じた場合は、当社の事業戦略や業績に影響を及ぼす場合があります。

 

(4)製薬業界の動向による影響について

創薬支援事業は、製薬企業からの非臨床試験、臨床試験の受託の売上高に占める比率が高く、比較的安定した受注を維持しておりますが、一方で、国内の製薬企業は薬価改定や後発薬の普及で事業環境が厳しくなり、近年は研究開発費を抑制する傾向にあります。当社グループは、このような製薬企業の研究開発活動の動向には留意を払っておりますが、製薬企業に急激な環境変化が生じた場合は、当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)技術革新について

当社グループが属するバイオテクノロジー業界においては、日進月歩で技術開発が進められており、当社グループも独自の強みを活かした技術の開発に日々努めております。しかしながら、技術革新により市場に急激な変化が生じ、当社グループの競合他社に対する技術的優位性が失われた場合、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)公的研究機関及び大学等との関係について

創薬支援事業においては、当社グループは新たな技術導入及び移転を目的として、公的研究機関や国立大学法人熊本大学などの大学と共同研究を実施しておりますが、企業と公的研究機関等との関係は、法令などの改正や組織改正に影響を受ける可能性があります。従って、そのような改正により共同研究の方向性や権利関係の変更を余儀なくされる場合は、当社の事業戦略や業績に影響を及ぼす場合があります。

 

(7)法的規制について

①実験動物関連

創薬支援事業の実験動物関連サービスに関して、動物愛護の観点などから、欧米特に欧州では実験動物使用禁止の規制導入が検討されています。当社グループでは、AAALAC(国際実験動物ケア評価認証協会)等の認証を受けるなど実験動物のケアに努めておりますが、日本において実験動物使用禁止の規制が導入された場合は、実験動物市場が閉塞し、当社グループの業績に多大な影響を及ぼす可能性があります。

 

②遺伝子関連

当社グループは、DNAを生物に導入する際の設備や取扱いが定められている「遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律」や「組換えDNA技術工業化指針」などの法律及び指針を遵守しております。これらの規制が強化された場合、当社グループの事業内容及び業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 

(8)為替変動について

TGBS事業では、一部の子会社において商品・製品の大半を海外より調達しており、為替予約取引を実施するなど、為替変動による業績への影響を最小限にとどめるよう努めております。しかしながら、予測を超えた急激な為替レートの変動があった場合には、当社グループの業績に重大な影響を与える可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

なお、当連結会計年度より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用しております。

詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)」に記載のとおりであります。

 

① 経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症拡大に対するワクチン接種普及等により、一部経済回復の動きもありましたが、冬場以降、感染が再拡大する等依然として先行き不透明な状況が継続しています。

当社グループにつきましては、創薬支援事業の経営効率化と機能強化を目的として、当社子会社である株式会社安評センターに対して当社遺伝子改変マウス事業を、当社子会社である医化学創薬株式会社に対して当社抗体事業をそれぞれ2021年4月1日に事業譲渡し、多角化グループに適したグループガバナンス体制である純粋持株会社へ移行いたしました。また、新型コロナウイルス感染症拡大による事業環境の変化に対応すべく、経営資源の選択と集中を促進し、収益構造の改善や事業基盤の強化を図りました。

創薬支援事業においては、株式会社ジェネティックラボが北海道において新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)のPCR検査を受託してまいりました。当上期までは当該検査数は高い水準で推移したものの、その後12月までは感染者数及び検査数も減少傾向となりました。

このような事業環境の中、当社グループの継続的企業価値向上の実現及び創薬支援事業における選択と集中について慎重に検討した結果、今後の当社グループ及びジェネティックラボの新たなるステージでの発展を実現するために、2022年1月に分析とラボサービス分野のグローバルリーダーであるEurofins group 傘下のEurofins Clinical Testing Japan Holding 株式会社にジェネティックラボの全株式を譲渡いたしました。

医化学創薬株式会社においては、診断薬及び治療薬への活用を目的として取得してきた SARS-CoV-2 スパイクタンパク質※1に対する抗体の性能評価に関する共同研究を国立大学法人熊本大学と実施している中で、感染症メカニズムの解明等を目的として当社独自技術を用いて開発した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)研究用エクソンヒト化マウスを活用することにいたしました。また、株式会社新薬リサーチセンター及び株式会社安評センターにおける非臨床試験や臨床試験の受託につきましても、withコロナ時代に即した営業活動の取り組みに注力し、臨床試験を中心に新規受注が順調に推移いたしました。

さらに、近年需要が高まっている長期毒性試験やがん原性試験に関する病理ピアレビュー※2を、国内の主な製薬企業及びCRO企業に対して実施している株式会社ルナパス毒性病理研究所の全株式を取得し、連結の範囲に加えております。

TGBS事業においては、「Eコマース事業」における消費低迷の逆風の中で、売れ筋商品の仕入れ確保に努めるとともに、「その他事業」においてもコロナ禍で総じて低迷していた売上を回復すべく受注活動に努めました。

これらの結果、当連結会計年度における当社グループの売上高は、創薬支援事業において、当上期までに、北海道における新型コロナウイルス感染症の検査数が急増し、前期に比べ新型コロナウイルスPCR検査の受託件数が大幅に増加したことから、12,576,568千円(前期比13.9%増)と前期比で大幅な増収となりました。

 

 

 

※1 スパイクタンパク質

 

 

 

※2  病理ピアレビュー

 

ウイルス粒子の表面に存在するスパイク(突起)状のタンパク質。ウイルスは、自分のスパイクタンパク質に糖鎖を付加させることにより細胞に侵入(感染)します。

 

個人の経験・知識に依存する病理組織学的所見に対し、他の病理学者が公正に評価・論評することで、主観的判定のリスクを軽減し、診断の質と信頼性を高めるものです。

 

営業利益につきましては、創薬支援事業におけるPCR検査の受託件数の伸長や、TGBS事業の一部子会社における利益増が寄与し、前期比で大幅増益となる1,837,301千円(前期比105.7%増)となりました。

また、経常利益につきましても、支払利息や買収関連費用等の営業外費用88,370千円を計上した一方で、為替差益や保険解約返戻金等の営業外収益70,503千円を計上した結果、前期比で大幅増益となる1,819,433千円(前期比104.0%増)となりました。

さらに、特別利益としてジェネティックラボ株式の売却による関係会社株式売却益1,473,088千円及び補助金収入288,951千円を計上し、特別損失として減損損失383,648千円、固定資産圧縮損288,951千円及び投資有価証券評価損130,790千円を計上したほか、「法人税、住民税及び事業税」954,676千円を計上しております。これらにより、親会社株主に帰属する当期純利益は1,876,340千円(前期比243.5%増)となり、前期比で大幅な増益となりました。

なお、営業利益、経常利益及び親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、過去最高益であります。

 

セグメントの経営成績は、次のとおりであります。各セグメントの業績数値につきましては、セグメント間の内部取引高を含めて表示しております。

セグメント

売上高

営業損益

金額

(千円)

前期比

金額

(千円)

前期比

増減額

(千円)

増減率

(%)

増減額

(千円)

増減率

(%)

創薬支援事業

4,767,182

1,183,712

33.0

1,776,167

1,030,746

138.3

TGBS事業

7,822,688

336,212

4.5

271,236

△54,179

△16.6

 

(Eコマース)

(4,700,081)

(△583,799)

△11.0

(156,599)

(△77,814)

△33.2

(その他)

(3,122,607)

(920,011)

41.8

(114,636)

(23,635)

26.0

(注) 括弧内の金額は、TGBS事業の各内訳金額であります。

 

a.創薬支援事業

当事業では、創薬の初期段階である探索基礎研究・創薬研究から、非臨床試験、臨床試験まで、創薬のあらゆるステージに対応できるシームレスなサービスを行っております。その主なものとして、遺伝子改変マウスの作製受託、抗体作製や糖鎖の解析・合成の受託のほか、医薬品、農薬・食品関連物質に対する薬効薬理試験及び安全性試験をはじめとする非臨床試験や臨床試験の受託等の創薬支援サービスを行っております。

当連結会計年度の業績につきましては、当上期までに、北海道における新型コロナウイルス感染症の検査数が急増し、前期に比べPCR検査関連の売上が大幅に増加しました。また、非臨床試験や臨床試験の受託は、前期においてはコロナ禍で試験の実施や受注活動に制約を受けたため落ち込んだものの、当期はwithコロナ時代に即した取り組みが奏功し、売上高が回復するとともに、受注高も臨床試験を中心に増加いたしました。さらには、受注高の増加に伴い、高い稼働率を維持したことで原価率も改善いたしました。この結果、売上高につきましては4,767,182千円(前期比33.0%増)と大幅な増収となり営業損益につきましても1,776,167千円(前期比138.3%増)と大幅な増益となりました。

 

b.TGBS事業

当事業は、株式会社TGビジネスサービスによる事業であり、M&Aによる新規事業の推進と幅広い分野における事業承継及び事業再生分野に係る助言・支援サービスを行っております。なお、内訳として「Eコマース事業」と「その他事業」とに区分しております。

「Eコマース事業」につきましては、ギャラックス貿易株式会社が独自の仕入ルートの強みを活かしたトレンド商品の取り扱いにより前期比で売上を伸ばしたものの、前期に見られた巣ごもり需要やテレワーク対応需要の一巡により株式会社アウトレットプラザの売上高が大幅に減少し、売上高は4,700,081千円(前期比11.0%減)と減収となり、営業損益につきましても156,599千円(前期比33.2%減)と減益となりました。また、「その他事業」につきましては、株式会社TGMにおいて機械販売等の売上が大型案件の納入により大幅に増加したことや株式会社ホープの連結子会社化により、売上高は3,122,607千円(前期比41.8%増)と増収となり、営業損益につきましても114,636千円(前期比26.0%増)と増益となりました。

この結果、当連結会計年度のTGBS事業の経営成績は、売上高は7,822,688千円(前期比4.5%増)と増収となりましたが、営業損益につきましては「Eコマース事業」における減益の影響により、271,236千円(前期比16.6%減)と減益となりました。

 

② 財政状態の状況

(資産)

財政状態につきましては、当連結会計年度末における流動資産は7,709,841千円となり、前連結会計年度末に比べ1,898,010千円増加いたしました。これは主に、受取手形、売掛金及び契約資産が245,218千円減少した一方、現金及び預金が1,588,371千円、商品及び製品が336,250千円、仕掛品が118,935千円それぞれ増加したことによるものであります。

固定資産は2,730,868千円となり、前連結会計年度末に比べ376,112千円減少いたしました。これは主に、減損損失を計上したことにより、有形固定資産が132,448千円、のれんが156,662千円減少したことによるものであります。

 

(負債)

当連結会計年度末における流動負債は2,659,423千円となり、前連結会計年度末に比べ494,885千円増加いたしました。これは主に、未払金が135,013千円減少した一方、短期借入金が290,000千円、未払法人税等が199,375千円、前受金が246,562千円、それぞれ増加したことによるものであります。

固定負債は1,144,504千円となり前連結会計年度末に比べ572,866千円減少いたしました。これは主に株式会社ジェネティックラボの連結除外に伴う社債の減少399,000千円のほか、1年内返済予定の長期借入金への振替により長期借入金が140,212千円減少したことによるものであります

 

(純資産)

当連結会計年度末における純資産は6,636,782千円となり、前連結会計年度末に比べ1,599,878千円増加いたしました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益を1,876,340千円計上し、配当金の支払52,103千円、自己株式の取得298,599千円があったことによるものであります。

 

③ キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ1,588,371千円増加し、4,618,521千円となりました。

当連結会計年度の各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは1,789,202千円の収入(前年同期は1,222,364千円の収入)となりました。これは、税金等調整前当期純利益2,767,583千円(前年同期は695,201千円の税金等調整前当期純利益)に必要な調整項目を加減して算定しておりますが、その主な加算要因は、売上債権の減少額123,929千円、前受金の増加額352,806千円、非資金費用である減価償却費の計上額152,125千円及びのれん償却費の計上額75,835千円のほか、特別損失の減損損失383,648千円、固定資産圧縮損288,951千円及び投資有価証券評価損130,790千円であります。一方、主な減算要因は、棚卸資産の増加額353,437千円、仕入債務の減少額102,534千円のほか、特別利益の関係会社株式売却益1,473,088千円及び補助金収入288,951千円、法人税等の支払額215,732千円であります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは981,869千円の収入(前年同期は48,434千円の収入)となりました。これは主に、子会社株式の売却による収入1,438,990千円や補助金の受取額242,189千円により資金が増加した一方、有形固定資産の取得による支出532,050千円や新たに2社を連結子会社化したことに伴う支出185,578千円により資金が減少したためであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは1,183,198千円の支出(前年同期は10,039千円の収入)となりました。これは主に、長期借入れによる収入220,000千円により資金が増加した一方、社債の償還による支出223,140千円、短期借入金の返済による支出410,000千円、長期借入金の返済による支出327,943千円、自己株式の取得による支出298,599千円により資金が減少したためであります。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

当社グループでは、生産実績を定義することが困難であるため、「生産実績」は記載しておりません。

 

b.受注実績

当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(千円)

前期比(%)

受注残高(千円)

前期比(%)

創薬支援事業

4,957,378

129.36

1,518,447

115.23

TGBS事業

8,465,643

112.29

1,062,445

255.34

合計

13,423,021

118.04

2,580,893

148.85

(注)セグメント間取引を相殺消去しております。

 

c.販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

前期比(%)

創薬支援事業

(千円)

4,756,682

133.52

TGBS事業

(千円)

7,819,286

104.49

合計

12,576,568

113.85

(注)1.セグメント間取引を相殺消去しております。

2.上記の他に、各報告セグメントに含まれない収入600千円が計上されております

3.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自  2020年4月1日

至  2021年3月31日)

当連結会計年度

(自  2021年4月1日

至  2022年3月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

札幌市保健所

904,277

8.2

1,916,797

15.2

AGCグラスプロダクツ株式会社

1,303,517

11.8

1,392,756

11.1

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.経営成績の分析

(売上高)

創薬支援事業におきましては、当上期までに、北海道における新型コロナウイルス感染症の検査数が急増し、前期に比べPCR検査関連の売上が大幅に増加し、非臨床試験や臨床試験の受託についてもwithコロナ時代に即した取り組みが奏功し、売上高が回復しました。この結果、売上高につきましては4,767,182千円(前期比33.0%増)と大幅な増収となりました。

一方、TGBS事業におきましては、ギャラックス貿易株式会社が独自の仕入ルートの強みを活かしたトレンド商品の取り扱いにより前期比で売上を伸ばしたものの、前期に見られた巣ごもり需要やテレワーク対応需要の一巡により株式会社アウトレットプラザの売上高が大幅に減少したことにより、Eコマース事業の売上高は4,700,081千円(前期比11.0%減)となりました。また、株式会社TGMにおいて機械販売等の売上が大型案件の納入により大幅に増加したことや株式会社ホープの連結子会社化により、その他事業の売上高は3,122,607千円(前期比41.8%増)となり、TGBS事業全体の売上高7,822,688千円(前期比4.5%増)と増収となりました。

この結果、連結売上高は、12,576,568千円(前期比13.9%増)と前期比で大幅な増収となりました。

 

(売上原価、売上総利益)

売上総利益については、創薬支援事業において、上記のとおりPCR検査の受託収入が増加しましたが、同検査は比較的変動費比率が低いことから、検査数の増加に伴い売上総利益が大幅に増加するとともに売上高総利益率も上昇いたしました。

この結果、売上総利益は、3,835,968千円(前期比38.1%増)と前期比で大幅な増益となりました。

 

(販売費及び一般管理費、営業利益)

販売費及び一般管理費については、前連結会計年度に比べ114,757千円増加し、1,998,667千円となりました。これは主に人件費の増加及びマーケティング費用の増加等によるものであります。

この結果、営業利益につきましても、1,837,301千円(前期比105.7%増)と前期比で大幅な増益となりました。

 

(営業外損益、経常利益)

営業外収益については、保険解約返戻金31,991千円や為替差益20,281千円などにより、70,503千円を計上した一方で、営業外費用については、支払利息22,636千円や買収関連費用38,092千円などにより、88,370千円を計上いたしました。

この結果、経常利益につきましても、1,819,433千円(前期比104.0%増)と前期比で大幅な増益となりました。

 

(特別損益、親会社株主に帰属する当期純利益)

特別利益については、ジェネティックラボ株式の売却による関係会社株式売却益1,473,088千円及び補助金収入288,951千円により1,762,039千円を計上した一方で、特別損失については、固定資産の減損損失383,648千円、固定資産圧縮損288,951千円及び投資有価証券評価損130,790千円などの特別損失813,889千円を計上いたしました。また、「法人税、住民税及び事業税」954,676千円、法人税等調整額△46,995千円、及び非支配株主に帰属する当期純損失16,437千円を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は1,876,340千円(前期比243.5%増)となり、前期比で大幅な増加となりました。

 

b.経営成績に重要な影響を与える要因について

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載しております。

 

c.財政状態の分析

当連結会計年度末における総資産は10,440,710千円となり、前連結会計年度末に比べ1,521,897千円増加いたしました。また、純資産は6,636,782千円となり、前連結会計年度末に比べ1,599,878千円増加いたしました。

なお、当連結会計年度末における有利子負債の合計1,880,300千円に対し4,618,521千円の現金及び預金を保持しており、流動比率(流動資産÷流動負債)は289.91%であるため、十分な支払能力を確保していると判断しております。

前連結会計年度末と比較した変動要因につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

当連結会計年度において、過去最高益を背景に営業活動によるキャッシュ・フローは1,789,202千円の収入となり、現金及び現金同等物は4,618,521千円と、前連結会計年度末に比べ1,588,371千円増加いたしました。

当社の資金需要は、事業活動のための運転資金に加え、中長期的な成長のための設備投資やM&Aに係る投資ですが、これらの資金需要に対し、上記の自己資金や金融機関からの借入金も含め、最適な方法による資金調達を実施していく方針です。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。

連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。

 

4【経営上の重要な契約等】

当社は、2021年12月10日開催の取締役会において、当社の連結子会社である株式会社ジェネティックラボの全株式をEurofins group 傘下のEurofins Clinical Testing Japan Holding 株式会社に譲渡することを決議し、同日付で株式譲渡契約を締結いたしました。

詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)に記載のとおりであります。

 

5【研究開発活動】

 当社グループは、「未来に資するとともに世界の人々の健康と豊かな暮らしの実現に貢献する」ため、各分野にわたって研究開発に取り組んでおり、今後の事業の中心となる製品及びサービスの研究開発を進めております。

 当連結会計年度における各セグメント別の研究の目的、主要課題、研究成果、及び研究開発費は次のとおりであります。

 なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は40,210千円であり、すべて創薬支援事業に係るものであります。

 

創薬支援事業においては、治療薬の研究開発に貢献するために、遺伝子改変技術を有する当社が主体となり各種モデルマウスの導入及び開発の取り組みを行っており、これらの病態モデルマウスを用いた非臨床事業の拡大を目指しております。突然変異を検出するマウスであるMutaマウスについて、子会社である株式会社安評センターの遺伝毒性試験での活用が好調に推移しております。

また、国際特許出願中の当社の独自技術であるエクソンヒト化マウス技術を用いて、新型コロナウイルスの感染に必要な受容体のエクソンをヒト化したマウスの開発を進めるとともに、エクソンヒト化マウス作製受託サービスを実施しております。

子会社の医化学創薬株式会社においては、新型コロナウイルスに対する抗体の開発プロジェクトに取り組んでおりますが、糖ペプチド抗原を免疫原として、SARS-CoV-2スパイクタンパク質の変異が発生しにくい糖鎖付加部位をターゲットとする抗体の取得に成功し、販売を開始すると同時に、より有用な抗体の取得を目指し研究開発を継続しております。

 

スパイクタンパク質:ウイルス粒子の表面に存在するスパイク(突起)状のタンパク質。ウイルスは、自分のスパイクタンパク質に糖鎖を付加させることにより細胞に侵入(感染)します。