当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、「未来に資するとともに世界の人々の健康と豊かな暮らしの実現に貢献する」という経営理念のもと、当社を取り巻く事業環境変化に迅速に反応し、事業モデル・構造を的確に変化させることで、グループの成長拡大を実現することを経営の基本方針としております。
(2)経営環境及び経営戦略等
当社グループは、最先端のバイオテクノロジー技術で基礎研究~臨床試験までのシームレスなサポートを提供する創薬支援事業と幅広い事業分野を対象に事業承継型M&Aを展開する投資・コンサルティング事業との両輪によるHybrid型経営により、持続的な成長を目指しております。これまで当社グループは、連結損益構造の安定・強化に向けて、創薬支援事業においては設備及び人員に対する先行投資を実施し、投資・コンサルティング事業においては当社投資基準に合致する投資先を選定しM&A投資を積極的に行ってまいりました。今後も以下の経営環境を踏まえ、両事業の持続的な成長を目指してまいります。
創薬支援・CRO業界においては、顧客である公的研究機関の基礎研究費予算及び製薬企業の研究の研究開発費率は横ばい傾向にある中で、受託試験の実施に必要な先端機器導入コストや、試験技術習得コストについても上昇傾向にあり、技術優位性がない、あるいは財務基盤が弱い創薬支援事業体は、淘汰・再編の対象となる可能性があります。当社グループは、遺伝子改変・解析、糖鎖分野等の先端技術を活かすべく、財務健全性を背景として将来の成長分野へ向けた設備投資及び研究開発投資を行っております。また、2023年3月に、治験施設支援機関として長年の実績を有する株式会社MASCが子会社化によりグループに加入いたしました。既存の臨床試験事業との相乗効果により更なる成長を実現してまいります。
投資・コンサルティング事業においては、中小企業の廃業の多くは後継者不在が要因となっていることから、当事業が主として対象とする事業承継型M&A市場は今後も当面の間は拡大することが予想されます。魅力的な投資先には競合が集中し、投資先の選定に更なる専門的判断が求められる環境ではありますが、当社基準に合致した優良案件に投資を行い、買収前の経営手法や組織風土を尊重しながら強みである経営管理システム・財務支援を継続的に行うことで、中長期的に安定した成長を実現してまいります。
なお、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載しております。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、グループの持続的成長及び企業価値の持続的な増大を図っていくため、成長性を重視し、経営指標として「売上高及び営業利益の拡大」を目標に掲げております。
2024年3月期の通期連結業績は、売上高12,500百万円、営業利益300百万円を見込んでおります。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
① 創薬支援事業
当事業は、創薬の初期段階である探索基礎研究・創薬研究から、非臨床試験、臨床試験まで、創薬のあらゆるステージに対応できるシームレスなサービスをグループで展開しております。
当事業は、人材及び設備に対する先行投資や中長期的な先端技術の開発努力が必要とされる反面、成果獲得時には高収益が期待でき、中長期的に大きな成長が期待できます。
創薬支援事業の非臨床試験受託事業における主力子会社である株式会社安評センター(以下、「安評センター」といいます。)においては、本社研究所(静岡県磐田市)の拡充や人員補強を積極的に進めておりますが、受託試験数が増加するとともに、海外案件比率の増加に伴い受託試験の規模及び実施期間もより大型化・長期化しており、事業運営体制の更なる強化が課題となっております。一方、同事業領域におけるもう一つの主力子会社である株式会社新薬リサーチセンター(以下、「新薬リサーチセンター」といいます。)の中央研究所(北海道恵庭市)は、安評センターの施設と比較して拡張余地がないため、受託可能な試験の種類や規模の拡大に限界がある中、エネルギーや資材の価格が高騰する昨今、老朽化した施設の維持・稼働コストが増加傾向にあります。このため、新薬リサーチセンターの非臨床試験受託事業については、受託試験の実施状況を考慮しながら、施設の拡張が可能な安評センターへ従事する人員の再配置を進め、集約を行うことを2023年4月に決定いたしました。 当社グループは、エネルギーや資材の価格が高騰する環境の中、人員や施設等の経営資源の集約により抜本的な経営効率の向上を実現するとともに、更なる受注能力の強化を図ってまいります。
② 投資・コンサルティング事業
当事業では、M&Aによる新規事業の推進や事業承継等に係る助言・支援サービスを行っております。M&Aによって当社グループに加入した企業へ適切なサポートを実施することにより、グループ各社が着実に利益貢献する基盤を構築し、グループ業績の拡大に寄与してまいりました。
後継者不足問題や国内市場の縮小による再編加速という環境の中、投資・コンサルティング事業は、創薬支援事業と比較して短期間での成果獲得が可能であり、安定した業績成長が見込めると考えております。円安傾向や物流コストの増加等で厳しい経営環境が予想されますが、これまでにグループで培ったノウハウを活かして、既投資先の収益力の向上に努めるとともに、リスク分散に配慮しながら投資先の発掘を行い、今後も積極的な投資を継続してまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)ガバナンス
社会環境の変化に伴い当社グループを取り巻く環境も変化しており、持続的な成長を実現するうえで必要となる課題も変化しております。サステナビリティに関連した課題については、取締役会の中で適宜、その内容及び当該課題に対する取組について所管の取締役が報告し、重要な課題については対応策の検討を行っております。
(2)戦略
当社は、「未来に資するとともに 世界の人々の健康と豊かな暮らしの実現に貢献する」を経営理念としております。
このような経営理念のもと、創薬支援事業におきましては、医薬品の開発や健康や安全食品や農薬等の健康・環境に関連する試験の受託を行っておりますが、動物愛護の観点などから実験動物使用に対する社会的な抵抗感もある中で、実験動物のケアに努めAAALAC(国際実験動物ケア評価認証協会)等の認証を受けるなど、社会的なリスクを機会ととらえております。また、ヒトの健康に対する影響のみならず、環境に配慮した農薬品等の開発の高まりを受け、その開発に資するべく生態系の各種生物への影響に対する影響評価試験の受託も積極的に行っております。
投資・コンサルティング事業におきましても、資源リサイクルへの意識の高まりを受け、子会社の株式会社ホープにおいて複合機やプリンターの再生品を販売しており、事業を通じて環境負荷軽減へ向けた取組を積極的に行っております。また、子会社の株式会社TGMにおいて、エネルギー効率の改善による持続可能な都市化の推進のため、複層ガラス用副資材の取扱いを積極的に行っております。
人材の育成及び社内環境整備に関しましては、働きやすい環境づくりに関する意識が従来にも増して重要であることを認識しております。そのため、変形労働時間制やテレワークの併用など、職務の内容に応じた環境づくりを推進するとともに、引き続き女性管理職の登用も行ってまいります。また、海外との取引の増加に伴い人材の多様性も一層必要とされてきており、引き続き外国籍従業員の雇用も行ってまいります。
(3)リスク管理
当社は、不測の事態または危機の発生に備え、「リスク管理規程」を定め、子会社を含む企業集団全体のリスクを網羅的に把握・管理する体制の構築を行っておりますが、サステナビリティに関連するリスクにつきましても当該規程に基づきリスク管理を行っております。また、今後の状況に応じて、サステナビリティに関連するリスク管理の強化を検討してまいります。
(4)指標及び目標
サステナビリティ関連のリスク及び機会に関して、当社グループの実績を長期的に評価し管理・監視するために用いられる情報のうち重要なものについて、該当事項はありません。
また、
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)企業買収について
当社グループは、事業領域の拡大のため、業務提携や企業買収等を実施することがあります。これらの意思決定に際しては、対象となる企業の事業内容や財務内容、取引関係等について詳細な事前調査を実施し、十分にリスクを検討しております。しかし、事前調査で把握できなかった問題が生じた場合や、事業環境の変化等により当初想定した効果が得られない場合、企業買収で生じたのれんの減損処理等によって当社グループの財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)新型コロナウイルス感染症再拡大の懸念について
新型コロナウイルス感染症の拡大は、人類の健康に対し重大な脅威を与えるとともに、経済活動を広範囲において制約し、景気に重大な影響を及ぼしてきました。現在は、感染者数は落ち着き経済活動への影響も限定的でありますが、再び感染が拡大する状況になれば、当社グループや顧客の事業活動に支障をきたし、当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
(3)知的財産権について
当社グループは、事業に関連した特許権等の知的財産権について第三者との間で訴訟やクレームが発生しないようにするため、新たな事業展開を行う場合、特許事務所に特許調査を依頼して問題発生を未然に防止するように努めております。しかしながら、事前に把握できなかった他社の特許等へ抵触し、第三者との間で予期せぬ訴訟等が生じた場合は、当社の事業戦略や業績に影響を及ぼす場合があります。
(4)製薬業界の動向による影響について
創薬支援事業は、製薬企業からの非臨床試験、臨床試験の受託の売上高に占める比率が高く、比較的安定した受注を維持しておりますが、一方で、国内の製薬企業は薬価改定や後発薬の普及で事業環境が厳しくなり、近年は研究開発費を抑制する傾向にあります。当社グループは、このような製薬企業の研究開発活動の動向には留意を払っておりますが、製薬企業に急激な環境変化が生じた場合は、当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
(5)技術革新について
当社グループが属するバイオテクノロジー業界においては、日進月歩で技術開発が進められており、当社グループも独自の強みを活かした技術の開発に日々努めております。しかしながら、技術革新により市場に急激な変化が生じ、当社グループの競合他社に対する技術的優位性が失われた場合、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
(6)公的研究機関及び大学等との関係について
創薬支援事業においては、当社グループは新たな技術導入及び移転を目的として、公的研究機関や国立大学法人熊本大学などの大学と共同研究を実施しておりますが、企業と公的研究機関等との関係は、法令などの改正や組織改正に影響を受ける可能性があります。従って、そのような改正により共同研究の方向性や権利関係の変更を余儀なくされる場合は、当社の事業戦略や業績に影響を及ぼす場合があります。
(7)法的規制について
①実験動物関連
創薬支援事業の実験動物関連サービスに関して、動物愛護の観点などから、欧米特に欧州では実験動物使用禁止の規制導入が検討されています。当社グループでは、AAALAC(国際実験動物ケア評価認証協会)等の認証を受けるなど実験動物のケアに努めておりますが、日本において実験動物使用禁止の規制が導入された場合は、実験動物市場が閉塞し、当社グループの業績に多大な影響を及ぼす可能性があります。
②遺伝子関連
当社グループは、DNAを生物に導入する際の設備や取扱いが定められている「遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律」や「組換えDNA技術工業化指針」などの法律及び指針を遵守しております。これらの規制が強化された場合、当社グループの事業内容及び業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
(8)為替変動について
投資・コンサルティング事業では、一部の子会社において商品・製品の大半を海外より調達しており、為替予約取引を実施するなど、為替変動による業績への影響を最小限にとどめるよう努めております。しかしながら、予測を超えた急激な為替レートの変動があった場合には、当社グループの業績に重大な影響を与える可能性があります。
(9)非臨床試験の実施費用について
非臨床試験は、動物飼育及び試験の実施過程で大量のエネルギーを使用しますが、近年のエネルギー価格高騰に伴い、非臨床試験施設の水道光熱費が上昇傾向にあります。また、一部の試験用動物の受給が逼迫し、調達価格も上昇傾向にあります。このような傾向を踏まえて事業計画を策定しておりますが、予測を超えた価格の高騰が生じた場合は、当社グループの業績に重大な影響を与える可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
なお、当連結会計年度より報告セグメントの名称及び区分を変更しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおりであります。
① 経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、ライフスタイルが新型コロナウイルス感染症との共存へと徐々に変化する中で経済回復の動きも見られましたが、エネルギー及び原材料価格の高騰や円相場の急激な変動が経済活動に大きな影響を及ぼし、依然として先行き不透明な状況が続きました。
このような環境の中、創薬支援事業につきましては、PCR検査の受託等の診断解析事業を行っていた株式会社ジェネティックラボの全株式を2022年1月に譲渡したことにより売上高及び営業利益が減少いたしました。また、非臨床試験の主力である株式会社安評センター(以下、「安評センター」といいます。)において施設の拡充や人員補強を積極的に進め、受注活動も順調に推移いたしましたが、受注試験の規模がより大型化し、試験実施期間もより長期化したため、試験完了時期が来期以降となる試験が増加したことで、当期完了予定の試験が想定より少なくなりました。このように、受託試験数の増加とともに、海外案件比率の増加に伴い受託試験の規模及び実施期間もより大型化・長期化しており、安評センターにおいては事業運営体制の更なる強化が課題となっております。一方で、株式会社新薬リサーチセンター(以下、「新薬リサーチセンター」といいます。)の中央研究所(北海道恵庭市)は、安評センターの施設と比較して拡張余地がなく、受託可能な試験の種類や規模の拡大に限界があり、エネルギーや資材の価格が高騰する昨今、老朽化した施設の維持・稼働コストが増加傾向にあります。このため、新薬リサーチセンターの非臨床試験受託事業については、受託試験の実施状況を考慮しながら、施設の拡張が可能な安評センターへ従事する人員の再配置を進め、集約を行うことを決定いたしました。
投資・コンサルティング事業につきましても、前期にグループに加入した子会社の貢献に加え、一部の既存子会社の営業活動の成果で増収となったものの、価格転嫁の動きが急速な円安の進行や物流コストの増加に追い付かず、海外からの調達が事業基盤であるグループ会社は利益率の低下を余儀なくされました。
これらの結果、当連結会計年度における当社グループの売上高は11,429,684千円(前期比9.1%減)となりました。また、営業損益につきましても25,150千円の損失(前期は1,837,301千円の利益)となりました。
経常利益につきましては、保険解約返戻金等の営業外収益395,276千円を計上した一方、買収関連費用等の営業外費用170,895千円を計上した結果、199,229千円(前期比89.0%減)となりました。
また、親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、固定資産売却益等の特別利益41,559千円を計上した一方、非臨床試験受託事業の集約化に伴う事業再編損283,131千円、設備及びのれんの減損損失239,188千円等の特別損失572,598千円を計上したほか、「法人税、住民税及び事業税」21,829千円、過年度法人税等△10,262千円(△は利益)、法人税等調整額96,527千円及び非支配株主に帰属する当期純損失30,236千円を計上した結果、409,668千円の損失(前期は1,876,340千円の利益)となりました。
セグメントの経営成績は、次のとおりであります。各セグメントの業績数値につきましては、セグメント間の内部取引高を含めて表示しております。
|
セグメント |
売上高 |
営業損益 |
||||
|
金額 (千円) |
前期比 |
金額 (千円) |
前期比 |
|||
|
増減額 (千円) |
増減率 (%) |
増減額 (千円) |
増減率 (%) |
|||
|
創薬支援事業 |
2,253,161 |
△2,514,020 |
△52.7 |
20,659 |
△1,755,508 |
△98.8 |
|
投資・コンサルティング事業 |
9,181,996 |
1,359,308 |
17.4 |
163,720 |
△107,515 |
△39.6 |
a.創薬支援事業
当連結会計年度の業績につきましては、2022年1月に株式会社ジェネティックラボの全株式を譲渡したことにより、新型コロナウイルス感染症に係るPCR検査の受託売上を含む同社が営んでいた診断解析事業の売上高相当分が減少いたしました。しかし、子会社である株式会社新薬リサーチセンターにおけるサルやブタなどの大動物試験の受注が底堅く推移し、株式会社安評センターにおいても設備投資と人員補強を進め、海外からの遺伝毒性試験や大動物試験などの受注が活発化いたしました。一方で、受注試験の規模の長期化・大型化及び海外案件比率の増加に伴い、実施した試験に対して顧客が確認に要する期間もこれまでより長くなってきており、試験の完了時期が来期以降となる試験が大幅に増加いたしました。
この結果、売上高は2,253,161千円(前期比52.7%減)となり、営業利益につきましても20,659千円(前期比98.8%減)となりました。
b.投資・コンサルティング事業
当連結会計年度の業績につきましては、2021年9月末に連結子会社化した株式会社ホープの売上が貢献したほか、株式会社TGMなど既存の連結子会社の受注活動の成果により、当事業は前期比で増収となりました。しかし、物価高による消費低迷によりEC事業を行うグループ会社の売上の伸びが鈍化し、急速な円安の進行や物流コストの増加の影響を受け、輸入調達が基盤となるグループ会社も価格の転嫁を進めたものの利益率の低下を余儀なくされました。また、輸入商品の価格上昇を受けた市場環境の変化及び保有在庫状況を踏まえ、期末在庫の評価をより精緻に実施し、在庫の評価損も増加いたしました。
この結果、売上高は9,181,996千円(前期比17.4%増)となり、営業利益につきましては163,720千円(前期比39.6%減)となりました。
② 財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は7,562,372千円となり、前連結会計年度末に比べ147,469千円減少いたしました。これは主に、受取手形、売掛金及び契約資産が189,340千円、商品及び製品が328,829千円、その他流動資産が311,121千円、それぞれ増加した一方、現金及び預金が1,159,074千円減少したことによるものであります。
固定資産は3,110,559千円となり、前連結会計年度末に比べ379,690千円増加いたしました。これは主に、子会社株式の取得に伴うのれんの増加により無形固定資産が189,919千円、繰延税金資産等の投資その他の資産が190,777千円、それぞれ増加したことによるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は2,743,992千円となり、前連結会計年度末に比べ84,568千円増加いたしました。これは主に、未払金が140,576千円、未払法人税等が242,086千円、それぞれ減少した一方、買掛金が152,729千円、前受金が194,419千円、その他流動負債が178,524千円、それぞれ増加したことによるものであります。
固定負債は1,806,419千円となり前連結会計年度末に比べ661,914千円増加いたしました。これは主に、銀行借入れにより長期借入金が688,921千円増加したことによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は6,122,519千円となり、前連結会計年度末に比べ514,262千円減少いたしました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純損失を409,668千円計上し、100,906千円の剰余金の配当を行ったことによるものであります。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ1,159,074千円減少し、3,459,447千円となりました。
当連結会計年度の各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは1,430,031千円の支出となりました。これは、税金等調整前当期純損失331,809千円に必要な調整項目を加減して算定しております。その主な加算要因は、仕入債務の増加額87,437千円、前受金の増加額195,409千円、非資金費用である減価償却費の計上額123,716千円及びのれん償却費59,799千円のほか、特別損失の減損損失239,188千円及び事業再編損283,131千円であります。一方、主な減算要因は、売上債権の増加額115,445千円、棚卸資産の増加額467,665千円、未払金の減少額517,141千円のほか、営業外収益の保険解約返戻金367,498千円、法人税等の支払額489,890千円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは216,017千円の支出となりました。これは主に、保険積立金の解約による収入494,300千円、定期預金の払戻による収入140,000千円により資金が増加した一方、有形固定資産の取得による支出306,276千円、新たに2社を連結子会社化したことに伴う支出693,317千円により資金が減少したためであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは484,981千円の収入となりました。これは主に、長期借入れによる収入1,240,000千円により資金が増加した一方、短期借入金の返済による支出220,000千円、長期借入金の返済による支出386,473千円、配当金の支払額100,906千円により資金が減少したためであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループでは、生産実績を定義することが困難であるため、「生産実績」は記載しておりません。
b.受注実績
当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
受注高(千円) |
前期比(%) |
受注残高(千円) |
前期比(%) |
|
創薬支援事業 |
2,382,070 |
48.05 |
1,653,356 |
108.89 |
|
投資・コンサルティング事業 |
9,255,399 |
109.33 |
1,137,271 |
107.04 |
|
合計 |
11,637,469 |
86.70 |
2,790,628 |
108.13 |
(注)1.セグメント間取引を相殺消去しております。
2.PCR検査の受託等の診断解析事業を行っていた株式会社ジェネティックラボの全株式を2022年1月に譲渡したことにより、創薬支援事業における受注高が前期比で著しく減少しております。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
前期比(%) |
|
|
創薬支援事業 |
(千円) |
2,247,161 |
47.24 |
|
投資・コンサルティング事業 |
(千円) |
9,180,572 |
117.41 |
|
合計 |
11,427,734 |
90.87 |
|
(注)1.セグメント間取引を相殺消去しております。
2.上記の他に、各報告セグメントに含まれない収入1,950千円が計上されております。
3.PCR検査の受託等の診断解析事業を行っていた株式会社ジェネティックラボの全株式を2022年1月に譲渡したことにより、創薬支援事業における販売実績が前期比で著しく減少しております。
4.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
||
|
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
|
AGCグラスプロダクツ株式会社 |
1,392,756 |
11.1 |
1,658,452 |
14.5 |
|
札幌市保健所 |
1,916,797 |
15.2 |
- |
- |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績の分析
(売上高)
創薬支援事業におきましては、2022年1月に株式会社ジェネティックラボの全株式を譲渡したことにより、新型コロナウイルス感染症に係るPCR検査の受託売上等の診断解析事業の売上高相当分が減少いたしました。また、非臨床試験の受注は総じて底堅く推移したものの、受注試験の規模の長期化・大型化及び海外案件比率の増加に伴い、実施した試験に対して顧客が確認に要する期間もこれまでより長くなってきており、試験の完了時期が来期以降となる試験が大幅に増加し売上高は伸び悩みました。この結果、売上高につきましては2,253,161千円(前期比52.7%減)となりました。
一方、投資・コンサルティング事業におきましては、2021年9月末に連結子会社化した株式会社ホープの売上が貢献したほか、株式会社TGMなど既存の連結子会社の受注活動の成果により、売上高は9,181,996千円(前期比17.4%増)となりました。
この結果、連結売上高は、は11,429,684千円(前期比9.1%減)となりました。
(売上原価、売上総利益)
創薬支援事業におきましては、上記のとおり比較的利益率の高かった診断解析事業がグループから外れたことに伴い売上総利益は減少いたしました。
また、投資・コンサルティング事業におきましても、急速な円安の進行や商品調達コストの増加の影響を受け輸入調達が基盤となるグループ会社の利益率が低下したほか、市場環境の変化及び保有在庫状況を踏まえ期末在庫の評価をより精緻に実施し在庫の評価損が増加したことから、売上総利益率が低下いたしました。
この結果、連結の売上総利益は1,994,836千円(前期比48.0%減)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
販売費及び一般管理費につきましては、前連結会計年度に比べ21,319千円増加し、2,019,986千円となりました。これは、連結子会社の増加等によるものであります。
この結果、営業損益につきましては25,150千円の損失(前期は1,837,301千円の利益)となりました。
(営業外損益、経常利益)
経常利益につきましては、保険解約返戻金等の営業外収益395,276千円を計上した一方、買収関連費用等の営業外費用170,895千円を計上した結果、199,229千円(前期比89.0%減)となりました。
(特別損益、親会社株主に帰属する当期純利益)
特別損益につきましては、固定資産売却益等の特別利益41,559千円を計上した一方、非臨床試験受託事業の集約化に伴う事業再編損283,131千円、設備及びのれんの減損損失239,188千円等の特別損失572,598千円を計上いたしました。
また、親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、「法人税、住民税及び事業税」21,829千円、過年度法人税等△10,262千円(△は利益)、法人税等調整額96,527千円及び非支配株主に帰属する当期純損失30,236千円を計上した結果、409,668千円の損失(前期は1,876,340千円の利益)となりました。
b.経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載しております。
c.財政状態の分析
当連結会計年度末における総資産は10,672,931千円となり、前連結会計年度末に比べ232,220千円増加いたしました。また、純資産は6,122,519千円となり、前連結会計年度末に比べ514,262千円減少いたしました。
なお、当連結会計年度末における有利子負債の合計2,461,125千円に対し3,459,447千円の現金及び預金を保持しており、流動比率(流動資産÷流動負債)は275.60%であるため、十分な支払能力を確保していると判断しております。
前連結会計年度末と比較した変動要因につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ② 財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
当連結会計年度は、主としてM&Aや設備投資に充当する目的で1,240,000千円の長期借入金による資金調達を実施いたしました。
当社グループの主要な資金需要は、事業活動のための運転資金に加え、中長期的な成長のための設備投資やM&Aに係る投資ですが、これらの資金需要に対し、上記の自己資金や金融機関からの借入金も含め、最適な方法による資金調達を実施していく方針です。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。
該当事項はありません。
当社グループは、「未来に資するとともに世界の人々の健康と豊かな暮らしの実現に貢献する」ため、各分野にわたって研究開発に取り組んでおり、今後の事業の中心となる製品及びサービスの研究開発を進めております。
当連結会計年度における各セグメント別の研究の目的、主要課題、研究成果、及び研究開発費は次のとおりであります。
なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は
子会社の株式会社安評センターにおいては、病態メカニズムの解明や治療薬の研究開発に貢献するために、遺伝子改変技術を用いて各種モデルマウスの導入及び開発の取組みを行っており、これらの病態モデルマウスを用いた非臨床試験事業の拡大を目指しております。特に、化学物資による遺伝子突然変異を検出するMutaマウスにつきましては、遺伝毒性試験での活用が好調に推移しております。また、国際特許出願中の当社の独自技術であるエクソンヒト化マウス技術を用いて、本来のヒトに近い感染状況を再現するACE2エクソンヒト化マウスモデルの開発が完成し、また、アミロイドーシス治療法開発に向けたTTRエクソンヒト化マウスは販売を開始しており、引き続き臨床研究に有効なエクソンヒト化モデルマウスの共同開発を進めております。さらに、ヒトと疾患ゲノム類似性が高く次世代薬剤スクリーニング技術として期待されるゼブラフィッシュを用いたトランスジェニックゼブラフィッシュモデル(以下、「TGZF」といいます。)の共同研究開発を開始しており、今後の創薬スクリーニングサービスに展開可能なTGZFの開発を進めております。
また、子会社の医化学創薬株式会社においては、新型コロナウイルスに対する抗体の開発プロジェクトに取り組んでおりますが、糖ペプチド抗原を免疫原として、SARS-CoV-2スパイクタンパク質※の変異が発生しにくい糖鎖付加部位をターゲットとする抗体の取得に成功し販売を開始しておりますが、より有用な抗体の取得を目指し研究開発を継続しております。
※スパイクタンパク質:ウイルス粒子の表面に存在するスパイク(突起)状のタンパク質。ウイルスは、自分のスパイクタンパク質に糖鎖を付加させることにより細胞に侵入(感染)します。