当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、「技術力の向上」、「提案力の向上」、「業務効率と正確さの向上」の3つの向上を
テーマに、常にお客様の視点に立った仕事を行うことを心がけてまいりました。経営環境、市場ニーズは
刻々と変わっていきますが、今後もこの基本姿勢は忘れずに事業展開を行っていく所存です。
当社グループは引き続き、経営管理と事業執行の機能を分離することで、効率的な業務の推進及びグループ間でのシナジー強化を図り、更なる企業価値の向上を目指していく方針であります。
(2)経営戦略等
当社グループは、不動産事業、マンション管理事業、賃貸事業、家具・家電レンタル事業、ソフトウェア事業、ファイナンス事業の6事業体制によるグループ運営を行っております。各事業が当社の連結子会社13社の業務改善、経営指導を行い、恒常的に利益を生み出す仕組み作りを中長期的な会社の経営戦略に位置付け、今後の事業展開を行ってまいります。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは事業の継続性、株主に対する安定配当を実現するために、収益の確保を重視しつつ、売上高を増大させながら、売上高経常利益率を高めることで高収益企業を目指していきたいと考えております。売上高経常利益率5%以上を中長期的な主たる経営指標とし、また安定した経営を行うために自己資本比率20%以上の維持も目指しております。
当連結会計年度における売上高経常利益率は8.6%、当連結会計年度末における自己資本比率は17.6%となっております。引き続き自己資本の拡充により自己資本比率20%を目指し、同比率の向上に努めてまいります。
(4)経営環境
我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけが2類相当から5類感染症に移行したことに伴い、行動制限の緩和など社会経済活動が正常化してまいりました。国内観光需要の回復や訪日外国人観光客の増加、企業収益・設備投資の改善、大企業を中心とした賃上げの動きなど国内景気は緩やかな回復基調となっております。一方、ウクライナ情勢の長期化、中東情勢の緊迫化、燃料・資源価格の高止まり、欧米を中心とした世界的な金融引き締め、中国におけるゼロコロナ政策解除後の回復ペースの鈍化や不動産市況の出口の見えない長期低迷など、先行きが不透明な状況が続いております。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当連結会計年度におきましては、前連結会計年度に引き続き黒字を維持する事ができました。しかしながら当社グループの事業のうち、不動産事業は販売用不動産の取得資金等を主として金融機関からの借入によっており、有利子負債の割合が高く、金利動向に影響を受ける財務体質となっております。在庫回転期間を重視し、販売用不動産の在庫水準と財務バランスの安定性をみながら業容拡大を推進してまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次の通りであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)基本的な考え方
当社グループは、環境・社会・経済における多様な問題が発生している中で、世界的にESG(環境・社会・ガバナンス)に対応した経営が注目されており、経済的価値の創出のみならず、社会的な貢献・責任を果たしながら持続的に企業価値を向上させることが求められていると認識しております。
当社グループの主要事業である不動産事業は中古戸建住宅やマンションの中古居室をリノベーションし、販売する事業であります。本事業は、温室効果ガスの排出機会も限定的であり、基本的に環境に与える負荷が小さい事業であると考えております。また気候変動に係るリスク及び収益機会が当社グループの事業活動や収益等に与える影響についても軽微なものであると判断しております。
またサステナビリティに係る具体的な取組については、今後における重要な課題であると考えており、諸状況を勘案しつつ、サステナビリティに係る基本方針の策定と取組方法について検討してまいります。
(2)ガバナンス
サステナビリティ関連のリスク、機会の監視、管理するためのガバナンスの過程、統制及び手続については、当社グループの主要事業が環境に与える負荷が小さく、また気候変動に係るリスク及び収益機会が当社グループの事業活動や収益等に与える影響が小さいことから、「
(3)戦略
短期、中期及び長期にわたり当社グループの経営方針・経営戦略等に影響を与える可能性があるサステナビリティ関連のリスク及び機会に対処するための取組のうち、重要なものについては、該当事項はございませんので記載を省略しております。
人材の育成に関する方針
社是社訓を従業員一人ひとりが主体的に実践し、地域やお客さまの声を聴き、課題の解決やニーズに応える人材を育成してまいります。
社内環境整備に関する方針
社内環境としましては従業員一人ひとりが働きがいをもって能力を十分に発揮できる仕組みづくりと、安心して働き続けることができる働きやすい職場環境の整備に努めてまいります。
また、性別や年齢などに関係なく様々な人材が活躍できる環境や仕組みを整備し、多様な人材が意欲をもって活躍する活力ある組織の構築を進めてまいります。
(4)リスク管理
サステナビリティ関連のリスク及び機会を識別し、評価し、管理するための過程については、当社グループの主要事業が環境に与える負荷が小さく、また気候変動に係るリスク及び収益機会が当社グループの事業活動や収益等に与える影響が小さいことから、「
(5)指標及び目標
サステナビリティ関連のリスク及び機会に関する連結会社の実績を長期的に評価し、管理し、及び監視するために用いられる情報のうち、重要なものについては、該当事項はございませんので記載を省略しております。
人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績については現時点において定めておりません。指標及び目標につきましては今後必要に応じて検討・協議してまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営環境の変化について
当社グループは各事業会社において、「不動産事業」「マンション管理事業」「賃貸事業」「家具・家電レンタル事業」「ソフトウェア事業」「ファイナンス事業」を行っております。今後国内外の経済情勢や景気動向等の理由により当社グループの財政状態及び経営成績に影響が出る可能性があります。
(2)競合について
当社グループが展開しております各事業においては競合他社が複数社存在しております。参入企業の増加等、競争が激化した場合にはその対策のためのコスト負担等により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響が出る可能性があります。
(3)M&A及び業務提携について
当社グループは、既存サービスの強化や新事業への展開等を目的として、M&Aや業務提携を実施することにより当社グループの事業やそれに関わるリソースを補完・強化することが出来ると考えており、事業規模拡大のための有効な手段の一つであると位置づけております。今後においてもM&Aや業務提携により業容拡大を図る方針であります。
M&Aの実行に際しては、対象企業に対して財務、税務および法務等の各方面からの詳細なデューデリジェンスを行い、各種リスクの低減に努めてまいります。しかしながら対象企業の事業の状況が当社グループに与える影響を確実に予想することが困難な場合もあり、投資額を回収できなかった場合や減損処理が必要となった場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(4)小規模組織であるリスクについて
当社グループは2024年3月末現在で従業員数215名(臨時雇用者数除く)の小規模な組織であり、今後の成長のために優秀な人材の確保が不可欠であると認識しておりますが、当社グループが必要とする人材を適時に確保できる保証はありません。当社グループが必要とする人材が適時に確保できなかった場合、あるいは従業員数の増加に対して管理体制の構築が進まなかった場合には、当社グループの業務に支障をきたす可能性があります。
また、人員の増加、教育及びシステム等の設備増強に伴い、固定費の増加から収益性の悪化をもたらし、当社グループの業績等に影響を与える可能性があります。
(5)システム・リスクについて
当社グループの事業はコンピュータ・システムとそれらを結ぶ通信ネットワークに依存しており、自然災害や事故等によってその通信ネットワークが切断された場合には業務遂行に支障が生じる可能性があります。
また当社グループのシステムは適切なセキュリティ手段を講じて外部からの不正アクセスを回避できるよう努めておりますが、予測不可能な様々な要因によってシステムがダウンした場合や、ウイルスの侵入等によりシステム障害が発生した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響が出る可能性があります。
(6)情報セキュリティ・リスクについて
当社グループは事業を推進していく上で、顧客の機密情報や個人情報を取り扱う機会があります。情報管理については必要な措置を講じておりますが、不測の事態によりこれらの情報が流出した場合には、当社グループの社会的信用、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(7)代表者への依存について
当社の代表取締役社長である尾﨑朝樹は、当社グループの事業展開において経営方針の策定や経営戦略の決定、業界における人脈の活用等、当社グループの業務執行において重要な役割を果たしております。
当社グループでは、組織体制の充実や職務分掌及び職務権限規程に基づく権限の委譲など、同氏に過度に依存しない体制構築が課題であると認識しております。人材の育成、充実が進むにつれて同氏への依存度は相対的に低下するものと考えておりますが、そうした経営体制への移行の過程において、何らかの理由により同氏の業務執行が困難となった場合には、当社グループの業績及び事業展開に影響を及ぼす可能性があります。
不動産事業に関する事項
① 法的規制等について
会社法や金融商品取引法の規制のほか、当社グループが属する不動産業界では、「国土利用計画法」、「宅地建物取引業法」、「建築基準法」、「建築物における衛生的環境の確保に関する法律」等により法的規制を受けております。
また当社グループは、不動産業者として「宅地建物取引業法」等に基づく免許を受け不動産販売及び関連事業を行っておりますが、これらの改廃や新たな法的規制の新設によっては当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
② 経済情勢、金利動向等の変動による影響について
不動産販売に係る事業計画においては、様々な面を考慮し、販売価格を慎重に検討した上で物件の販売を行っておりますが、事業計画において決定した価格での販売が、景気動向・経済情勢、金利、税制、地価の動向等による需給バランスの悪化や、競合他社との間の価格競争の激化等によって計画通りに進展しない場合、また計画予定外のコスト負担が生じた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 資産価値の下落による影響について
景気動向や不動産市況の悪化等により、保有する販売用不動産及び賃貸等不動産の資産価値が低下した場合には、販売用不動産の簿価の切下げ並びに固定資産の減損損失処理が必要となり、その場合には当社グループの業績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
④ 販売用不動産土地仕入時において予想できないリスクについて
販売用不動産土地の取得に際して様々な調査を行い、土地取得の意思決定を行っておりますが、取得時には予想がつかない土壌汚染や地中埋設物等の瑕疵が発見された場合には追加費用の発生により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 有利子負債への依存について
販売用不動産の取得資金について金融機関からの借入金により調達しており、有利子負債依存度が高い水準にあります。今後においても、事業拡大に伴い有利子負債は高い水準で推移するものと想定され、資金調達が十分に実行できない場合や金利が上昇した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
マンション管理事業に関する事項
① 他社との競合について
マンション管理業界は非常に競争が激化している分野です。当社グループといたしましては、マンション管理会社の総管理戸数20,000戸を目標とし新規受託を最重要施策と位置付けております。更なる企業価値の向上を目指し、管理体制の強化を図り、スケールメリットを活かした事業展開を行うとともに、新たな管理物件の獲得も目指し、より質の高いサービスの向上に努め、他社との差別化を図ることによる企業価値の向上を経営目標とする所存であります。しかしながら、管理物件の確保が順調に行われなかった場合には、当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
② 訴訟等について
分譲マンションの管理業は、その性質上管理組合や住民との訴訟行為になることがある業種です。当社グループではリスク回避のため、問題の大小にかかわらず迅速な対応をとり、早期の問題解決を行っていく所存ですが、全てのものが完全に回避できる保証はありません。そのため、訴訟等が発生した場合は、当社グループの業績及び資金面において影響を及ぼす可能性があります。
賃貸事業に関する事項
経済情勢、金利動向等の変動による影響について
不動産賃貸事業について、賃料下落や空室率の上昇に対するリスク対策を講じておりますが、景気動向・経済情勢等の影響もしくは、店舗事務所等における主要テナントの退去及び利用状況等によっては、賃料下落や保有資産の稼働率が低下することもあり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
家具・家電レンタル事業に関する事項
① 季節的変動について
家具・家電のレンタルは住宅取得または住み替え時に主にその需要が喚起されます。特に住み替えにおいては進学、就職または転勤に伴う毎年3月末前後の転居時にその需要が集中しますため、この季節的変動を考慮した計画策定を行っておりますが、何らかの理由により計画通りに受注を獲得できなかった場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
② 売上期間と償却期間の差異について
家具・家電レンタル事業においては、レンタル需要の増加と顧客ニーズに対応すべく、レンタル商品の更新と増強を積極的に行っております。しかしながらレンタル資産はその投入額の償却期間と、投入後のレンタル売上期間とは必ずしも一致するものではなく、通常はレンタル売上期間の方が長くなっております。よって、レンタル事業の拡大の一時期においては、売上原価としての償却額の増加に見合うだけのレンタル売上が計上されず業績悪化要因となる可能性があります。
ソフトウェア事業に関する事項
① 特定の取引先への依存度が高いことについて
ソフトウェア事業の販売手段として株式会社リコーを中心とした特定大手販売会社数社の代理店販売が中心になっておりますが、売上バランスの均一化を図る為直販も実施しており、ここ数年は販売会社を経由した売上高は減少傾向にあります。その中で株式会社リコーに対する売上高はソフトウェア事業の31.2%を占めており、同社の経営方針次第では、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
② 品質管理について
ソフトウェア事業が提供する製品及び当該製品に係る技術サポートや受託開発等において、当社グループに責務のある原因で不具合(誤作動・バグ・納期遅延等)が生じた場合、損害賠償責任の発生やエンドユーザーの信頼喪失、案件によっては解決時間と費用を要し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ パッケージソフトウェアにかかる知的財産権について
ソフトウェア業界においては、多くの特許出願がなされております。当社グループといたしましては、第三者と知的財産権に関する問題が発生した場合、顧問弁護士と対応を協議していく方針ですが、案件によっては当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
ファイナンス事業に関する事項
① 貸倒れに係るリスク
与信管理には留意しておりますが、財務基盤が万全でない企業と取引を実施し不測の事態で破綻等が発生した場合及び融資先企業からの返済が遅延又は不能の事態が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
② 法的規制に係るリスク
ファイナンス事業は貸金業法等による規制を受けております。今後、法令等の改正が行われた場合、また新たに規制する法令が制定された場合には、事業内容の変更や新たなコスト発生等により当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績
当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけが2類相当から5類感染症に移行したことに伴い、行動制限の緩和など社会経済活動が正常化してまいりました。国内観光需要の回復や訪日外国人観光客の増加、企業収益・設備投資の改善、大企業を中心とした賃上げの動きなど国内景気は緩やかな回復基調となっております。一方、ウクライナ情勢の長期化、中東情勢の緊迫化、燃料・資源価格の高止まり、欧米を中心とした世界的な金融引き締め、中国におけるゼロコロナ政策解除後の回復ペースの鈍化や不動産市況の出口の見えない長期低迷など、先行きが不透明な状況が続いております。
このような経済状況のもとで、当社グループは、収益構造の強化・収益基盤の拡大を目的として、各事業部門の永続的な収益確保を意識した業績管理をより一層徹底し、グループ全体の業容拡大を目指してまいりました。
その結果、当連結会計年度のグループ全体の連結売上高は13,409,224千円(前年同期比9.8%増)、営業利益1,331,316千円(同11.3%増)、経常利益1,157,741千円(同15.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益743,129千円(同15.2%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
売上高及びセグメント損益前年同期比較 (単位:千円)
|
セグメントの名称 |
前連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
前連結会計年度比較 |
|||
|
売上高 |
セグメント利益又はセグメント損失(△) |
売上高 |
セグメント利益又はセグメント損失(△) |
売上高 |
セグメント利益又はセグメント損失(△) |
|
|
不動産事業 |
8,712,075 |
844,392 |
9,329,600 |
844,435 |
617,524 |
43 |
|
マンション管理事業 |
1,646,442 |
735 |
1,875,988 |
△28,472 |
229,545 |
△29,208 |
|
賃貸事業 |
1,186,321 |
402,326 |
1,253,586 |
443,127 |
67,264 |
40,800 |
|
家具・家電 レンタル事業 |
541,390 |
16,841 |
650,319 |
25,453 |
108,929 |
8,612 |
|
ソフトウェア事業 |
184,617 |
32,262 |
206,137 |
49,769 |
21,519 |
17,507 |
|
ファイナンス事業 |
226,136 |
40,519 |
325,406 |
162,773 |
99,269 |
122,254 |
(注)売上高にはセグメント間の内部売上高または振替高が含まれております。
(不動産事業)
前期における大口の販売用不動産の売却の反動減により利益はほぼ横ばいとなりました。
2025年3月期においては、地域拠点として以前より取り組んでまいりました熊本地域に続き、大阪地域を重点地域としてその拡充に努め、グループの業容拡大の牽引力となるべく体制を整えてまいります。
当連結会計年度における不動産事業の売上高は9,329,600千円(前年同期比7.1%増)、セグメント利益は844,435千円(同0.0%増)となりました。
(マンション管理事業)
分譲マンションを中心としたマンション管理事業を行っております。管理戸数は前期末比15組合713戸増加し、当期末348組合15,481戸となりました。今後も、管理組合数・管理戸数の増加による企業基盤の強化を図るとともに、高品質なサービスの提供に努めてまいります。
当連結会計年度におけるマンション管理事業の売上高は1,875,988千円(前年同期比13.9%増)、セグメント損失は28,472千円(前期はセグメント利益735千円)となりました。
(賃貸事業)
当社グループが保有する賃貸等不動産による賃料収入事業と、マンション管理物件の賃貸仲介事業など、グループの営業資産・情報力を基にシナジー効果を最大限に発揮させ、収益につなげる事業を拡大して行っております。
管理戸数は前期末比60戸増加し当期末1,724戸へ、また一棟管理棟数は前期末比6棟増加し当期末40棟となっております。
引き続き管理戸数等の増加による更なる営業基盤の強化を図ってまいります。
当連結会計年度における賃貸事業の売上高は1,253,586千円(前年同期比5.7%増)、セグメント利益は443,127千円(同10.1%増)となりました。
(家具・家電レンタル事業)
賃貸住宅入居者向けの他、賃貸物件オーナー・法人向けに家具・家電のレンタル事業を展開しております。
レンタル品納品先数は前期末比1,483先増加し、当期末8,229先となっております。
当連結会計年度における家具・家電レンタル事業の売上高は650,319千円(前年同期比20.1%増)、セグメント利益は25,453千円(同51.1%増)となりました。
(ソフトウェア事業)
福岡本社の他、東京・大阪営業所にて全国対象に業種系ソフトウェアの開発、販売を行っております。特に現在では、消防設備点検業向けの様々な製品開発を行っており、Windows用のソフトウェアを基本として、iOS、AndoroidOSにて稼働するアプリ等を開発し提供しております。
主な製品:消防設備点検結果報告書作成・消防設備業向け積算システム「消防くん」
電気設備業向け積算システム「でんきやさん」
管・設備業務向け積算システム「せつびやさん」等
当連結会計年度におけるソフトウェア事業の売上高は206,137千円(前年同期比11.7%増)、セグメント利益は49,769千円(同54.3%増)となりました。
(ファイナンス事業)
事業者向け不動産担保貸付を主として行っております。
当連結会計年度におけるファイナンス事業の売上高は325,406千円(前年同期比43.9%増)、セグメント利益は162,773千円(同301.7%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、3,578,359千円(前年同期比13.8%増)となりました。なお、当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果取得した資金は1,000,152千円(前年同期は3,361,079千円の使用)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益1,150,985千円、減価償却費451,723千円、棚卸資産の減少494,929千円、営業貸付金の増加841,220千円、法人税等の支払496,283千円があったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は733,063千円(前年同期は1,947,862千円の使用)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出が722,442千円あったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果取得した資金は166,495千円(前年同期は5,749,749千円の取得)となりました。これは主に長期借入金の返済による支出が1,371,754千円ありましたが、短期借入金の純増額574,247千円、長期借入れによる収入997,952千円があったことによるものです。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
ソフトウェア事業(千円) |
158,580 |
110.0 |
|
合計 |
158,580 |
110.0 |
(注)1.金額は販売価格によっております。
2.不動産事業、マンション管理事業、賃貸事業、家具・家電レンタル事業、ファイナンス事業については、事業の性質上、該当事項がないため記載しておりません。
b.受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
受注高(千円) |
前年同期比(%) |
受注残高(千円) |
前年同期比(%) |
|
ソフトウェア事業 |
79,363 |
113.2 |
- |
- |
|
合計 |
79,363 |
113.2 |
- |
- |
(注)不動産事業、マンション管理事業、賃貸事業、家具・家電レンタル事業、ファイナンス事業については、事業の性質上、該当事項がないため記載しておりません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
不動産事業(千円) |
9,329,600 |
107.1 |
|
マンション管理事業(千円) |
1,875,988 |
113.9 |
|
賃貸事業(千円) |
1,253,586 |
105.7 |
|
家具・家電レンタル事業(千円) |
650,319 |
120.1 |
|
ソフトウェア事業(千円) |
206,137 |
111.7 |
|
ファイナンス事業(千円) |
325,406 |
143.9 |
|
合計(千円) |
13,641,038 |
109.2 |
(注)1.売上高にはセグメント間の内部売上高または振替高が含まれております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、当該割合が100分の10未満のため記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであり、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態の分析
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は17,708,394千円であり、その主な内訳は、現金及び預金3,578,359千円、販売用不動産9,046,695千円、営業貸付金4,569,750千円であります。
主要な変動要因としましては、現金及び預金の増加433,585千円、販売用不動産の減少496,151千円、営業貸付金の増加841,220千円によるものであります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は10,837,869千円であり、その主な内訳は、建物及び構築物3,947,551千円、土地6,072,845千円であります。
主要な変動要因としましては、土地の増加337,964千円によるものであります。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は16,394,735千円であり、その主な内訳は、短期借入金13,455,307千円、1年内返済予定の長期借入金1,542,241千円、未払法人税等227,703千円であります。
主要な変動要因としましては、短期借入金の増加574,247千円、1年内返済予定の長期借入金の増加626,952千円によるものであります。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は7,125,581千円であり、その主な内訳は、長期借入金6,977,900千円であります。
主要な変動要因としましては、長期借入金の減少1,000,754千円によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は、親会社株主に帰属する当期純利益743,129千円、剰余金の配当29,042千円、その他有価証券評価差額金の増加6,932千円により、5,025,947千円となりました。
b.経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度に比べて1,198,089千円増加し、13,409,224千円となりました。これは主に不動産販売収入の増加によるものであります。
(売上総利益)
当連結会計年度における売上原価は、前連結会計年度に比べて926,711千円増加し、9,982,602千円となりました。これは主に不動産販売原価の増加によるものであります。この結果、当連結会計年度における売上総利益は、前連結会計年度に比べて271,377千円増加し、3,426,621千円となりました。
(営業利益)
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は前連結会計年度に比べて136,567千円増加し、2,095,304千円となりました。これは主に役員報酬が40,332千円、給与手当が71,740千円、賞与引当金繰入額が38,232千円増加したこと等によるものであります。この結果、当連結会計年度における営業利益は、前連結会計年度に比べて134,809千円増加し、1,331,316千円となりました。
(経常利益)
当連結会計年度における営業外収益は、前連結会計年度に比べて22,380千円増加し、53,602千円となり、営業外費用は前連結会計年度に比べて5,234千円増加し、227,178千円となりました。この結果、当連結会計年度における経常利益は、前連結会計年度に比べて151,956千円増加し、1,157,741千円となりました。
(税金等調整前当期純利益)
当連結会計年度は、特別利益として固定資産売却益810千円、特別損失として投資有価証券評価損5,000千円、固定資産除却損2,566千円を計上しました。この結果、当連結会計年度における税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度に比べて145,200千円増加し、1,150,985千円となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度における法人税等は、前連結会計年度に比べて47,215千円増加し、407,856千円となりました。この結果、当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べて97,984千円増加し、743,129千円となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フローの状況
「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.資本の財源及び資金の流動性について
当社グループの資金需要は、不動産の仕入に要するものであり、主に金融機関からの借入等により調達しております。当社グループでは、特定金融機関に依存することなく個別物件毎に融資の打診を行い、条件の良い金融機関からの借入を行うことで資金調達手段の多様化に取り組むとともに、健全な財務体質の構築に注力しております。
なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は21,992,781千円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は3,578,359千円となっております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。連結財務諸表の作成にあたっては、会計上の見積りを行う必要があり、特に以下の事項は、経営者の会計上の見積りの判断が財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼすと考えております。
(販売用不動産の評価)
当社は販売用不動産について、正味売却価額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を正味売却価額まで減額し、当該減少額を評価損として計上いたします。正味売却価額の算定にあたっては慎重に検討しておりますが、販売計画や市場環境の変化により、その見積額の前提とした条件や仮定に変更が生じ正味売却価額が帳簿価額を下回る場合には評価損が必要となる可能性があります。なお、販売用不動産における正味売却価額の見積りについては、販売用不動産の所在する地域の市場動向や価格情報、物件における収益利回り等に基づいて算定しております。
該当事項はありません。
当連結会計年度の研究開発費は
ソフトウェア事業における販売ソフト「消防くん」の次期製品の設計・開発など、次期成長戦略のベースとなるソフトウェアの開発活動に活かしております。