当社は、2025年7月8日開催の当社取締役会において、株主総会の承認が得られることを前提に、当社を株式交換完全親会社とし、株式会社ネクス(以下「ネクス」といいます。)を株式交換完全子会社とする株式交換(以下「本株式交換」といいます。)を実施することを決議し、同日付で株式交換契約を締結しました。また本株式交換に伴い、当社の特定子会社に異動が見込まれるため、金融商品取引法第24条の5第4項並びに企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第3号、第6号の2及び第8号の2の規定に基づき、本臨時報告書を提出するものであります。
(1) 取得対象子会社の概要
①商号、本店の所在地、代表者の氏名、資本金の額、純資産の額、総資産の額及び事業の内容
②最近3年間に終了した各事業年度の売上高、営業利益、経常利益及び純利益
③提出会社との間の資本関係、人的関係及び取引関係
(2) 取得対象子会社に関する子会社取得の目的
当社はネクスを完全子会社化するにあたり、現金での取得ではなく株式交換の手法を選択いたしました。これは主に資金調達の負担を軽減し、手元資金を留保することで、今後の迅速な成長投資やM&A資金に備えるものです。
当社グループは、金融業界向けを主とした銀行の決済システムや勘定システム開発、損保の顧客情報管理システム開発、暗号資産交換所に関するシステム開発などを行う「ITサービス事業」のほか、Web3ビジネスの拡大などに取り組む「金融サービス事業」を展開しております。高い信頼性や処理能力などが求められる金融業界向けのシステム開発や暗号資産交換所の運営経験などを通して蓄積してきた技術やノウハウなどに強みがあり、ブロックチェーン技術を活用した分野を戦略的注力分野に位置付けております。現在、自社発行の暗号資産であるカイカコインのサービス拡充や保有者拡大、流通促進を目指す暗号資産関連ビジネスや、Web3を活用した事業拡大を進めております。具体的にはNFT販売所「Zaif INO」の運営や「Zaif INO」でのカイカコイン利用の実績に加え、様々な分野で将来性が期待されているNFTにおいては、NFT(デジタル応援証明書)を購入することで漫画家の出版活動を支えるNFT漫画プロジェクトを実施しています。
また、ネクスは、NVIDIA製品を組み込んだエッジAI端末の開発・販売も行うなど、IoT機器、通信インフラ、エッジコンピューティングに関する高度な技術と実績を有しております。
当社としては、第4次産業革命の進展に伴い、AI、IoT、ブロックチェーンなどの先端技術を活用した産業構造の変革が加速する中、ネクスの有する技術を当社グループが保有するブロックチェーン、AI、セキュリティ等の先端技術と合わせ、第4次産業革命の重要技術をフルラインナップで備えることとなり、これにより、分散型技術とリアルデバイスを融合した新たなサービスの創出が可能となり、社会全体のデジタルトランスフォーメーション(DX)を加速する包括的なソリューションの提供を現実のものとできると考え、当社グループの中長期的な成長と社会的価値の創出を実現するため、ネクスの完全子会社化を決定いたしました。
当社は、本株式交換によるネクスの完全子会社化を、DX市場における当社グループの競争優位性を高めるとともに、持続可能かつ柔軟な経営基盤を築くための重要な戦略的施策として位置付けております。具体的には以下の施策を通じて当社グループの中長期的な企業価値の向上を図ることを想定しております。
① グループ内技術アセットの統合と製品ポートフォリオの拡充
ネクスは、LTE/5G通信端末やAIエッジコンピュータなどの企画・開発に強みを有し、国内通信キャリア向けを中心にODM供給を行う等、独自のポジションを築いています。当社が展開するクラウドサービスやデジタル金融領域に、ネクスのハードウェア資産を組み合わせることで、「端末+クラウド+セキュリティ」を包括的に提供する統合型ソリューションの実現を見込んでいます。
② 営業・顧客基盤の統合によるクロスセルと市場拡大
当社グループが有する金融・法人顧客との接点に、ネクスの製品群を提案することで、クロスセル機会の創出が可能になります。また、ネクスが保有する通信キャリアやMVNOとの商流に、当社のソリューションを展開することも期待され、双方の販路を補完する戦略的意義があります。
③ 開発・調達体制の効率化とコスト構造の最適化
当社は、システム設計・開発から運用・保守に至るまでの一貫したITサービスを提供しております。一方、ネクスはIoT機器等の製品開発に強みを持ち、ハードウェア分野における設計・調達・製造のノウハウを蓄積しています。
今回の子会社化により、両社の技術領域を補完し合い、当社が提供するソリューションの幅を広げることが可能となります。特に、ネクスの製品調達や開発に関する知見と当社のシステムインテグレーション力を組み合わせることで、顧客向けサービスのトータルコストを抑え、最適なリソース配分が実現されると見込んでいます。
また、重複する業務機能の見直しにより間接費の圧縮が期待できるほか、開発・技術人員の再配置によって両社の人的資源の有効活用を図ることが可能です。
④ 中長期的な企業価値向上と経営統合効果の最大化
完全子会社化により、グループ内の意思決定スピードや予算執行の柔軟性が向上し、資本・経営の一体性を確保できます。これにより、M&A後の統合効果(PMI)を早期に発揮し、中長期的には当社グループ全体の企業価値向上に資するものと判断しています。
(3) 取得対象子会社に関する子会社取得の対価の額
該当事項はありません。
2. 株式交換の決定
(1) 当該株式交換の相手会社に関する事項
① 商号、本店の所在地、代表者の氏名、資本金の額、純資産の額、総資産の額及び事業の内容
上記「1.子会社取得の決定」の「(1)取得対象子会社の概要 ①商号、本店の所在地、代表者の氏名、資本金の額、純資産の額、総資産の額及び事業の内容」をご参照ください。
② 最近3年間に終了した各事業年度の売上高、営業利益、経常利益及び純利益
上記「1.子会社取得の決定」の「(1)取得対象子会社の概要 ②最近3年間に終了した各事業年度の売上高、営業利益、経常利益及び純利益」をご参照ください。
③ 大株主の氏名及び発行済株式の総数に占める大株主の持株数の割合
④ 提出会社との間の資本関係、人的関係及び取引関係
上記「1.子会社取得の決定」の「(1)取得対象子会社の概要 ③提出会社との間の資本関係、人的関係及び取引関係」をご参照ください。
(2) 当該株式交換の目的
上記「1.子会社取得の決定」の「(2)取得対象子会社に関する子会社取得の目的」をご参照ください。
(3) 本株式交換の方法
当社及びネクスは、2025年7月8日付で株式交換契約を締結いたしました。本株式交換は当社を株式交換完全親会社、ネクスを株式交換完全子会社とし、その効力を生ずる日を2025年10月16日として行う予定です。
(4) 本株式交換に係る割当ての内容
(注1)株式の割当比率
ネクス株式1株に対して、当社の普通株式571株を割当交付いたします。なお、上記株式交換比率は、算定の根拠となる諸条件に重大な変更が生じた場合、ネクス及び当社が協議した上で、合意により変更することがあります。
(注2)本株式交換により交付する当社の株式数
当社は、本株式交換に際して、本株式交換により当社がネクス株式の全てを取得する時点の直前時(以下「基準時」といいます。)のネクスの株主に対し、その保有するネクス株式に代えて、本株式交換比率に基づいて算出した数の当社株式を割当交付いたします。当社の交付する株式は、新たに発行する普通株式にて充当する予定です。
(注3)単元未満株式の取扱い
本株式交換に伴い、当社の単元未満株式(100株未満)を保有することとなるネクスの株主については、金融商品取引所市場においてその保有する単元未満株式を売却することはできませんが、会社法第192条第1項の規定に基づき、当社に対し自己の保有する単元未満株式の買取りを請求することができます。また、当社の株主は、株式取扱規程に定めるところにより、その有する単元未満株式と併せて単元株式数となる数の株式を売り渡すことを当社に請求することができます。
(5) その他の株式交換契約の内容
当社がネクスとの間で、2025年7月8日に締結した株式交換契約書の内容は以下のとおりです。
株式交換契約書
株式会社CAICA DIGITAL(以下「甲」という。)と株式会社ネクス(以下「乙」という。)とは、以下のとおり株式交換契約(以下「本契約」という。)を締結する。
第1条(株式交換)
甲及び乙は、本契約に定めるところに従い、甲を乙の株式交換完全親会社とし、乙を甲の株式交換完全子会社とする株式交換(以下「本株式交換」という。)を行い、甲は、本株式交換により、乙の発行済株式の全部を取得する。
第2条(当事会社の商号及び住所)
甲及び乙の商号及び住所は、以下のとおりである。
甲 商号:株式会社CAICA DIGITAL
住所:東京都港区南青山五丁目11番9号
乙 商号:株式会社ネクス
住所:岩手県花巻市椚ノ目第2地割32番地1
第3条(本株式交換に際して交付する株式等及びその割当てに関する事項)
1 甲は、本株式交換に際して、本株式交換により甲が乙の発行済株式の全部を取得する時点の直前時(以下「本株式交換基準時」という。)における乙の株主(以下「本割当対象株主」という。)に対して、その保有する乙の普通株式に代わり、その保有する乙の普通株式の合計数に、571を乗じて得た数の甲の普通株式を交付する。本株式交換に際して割当交付する甲の普通株式については、甲の普通株式を新たに発行することにより行うものとする。
2 甲は、本株式交換に際して、本割当対象株主に対して、その保有する乙の普通株式1株につき、甲の普通株式571株の割合をもって、甲の普通株式を割り当てる。
3 前二項の規定に従って本割当対象株主に対して割り当てるべき甲の普通株式の数に、1株に満たない端数がある場合には、甲は、会社法第234条その他関係法令の規定に従って処理するものとする。
第4条(本株式交換の効力発生日)
本株式交換がその効力を生ずる日(以下「本効力発生日」という。)は、2025年10月16日とする。但し、本株式交換の手続進行上の必要性その他の事由により必要な場合には、甲及び乙が協議し合意の上、本効力発生日を変更することができる。
第5条(資本金及び準備金の額)
本株式交換により増加する甲の資本金の額は0円とし、増加する準備金の額は、会社計算規則第39条の定めに従い、甲が定める金額とする。
第6条(株主総会)
甲及び乙は、本効力発生日の前日までに、それぞれの株主総会を招集し、本契約の承認及び本株式交換に必要な事項の承認決議を求めるものとする。但し、本株式交換の手続進行上の必要性その他の事由により必要な場合には、甲乙協議の上、これを変更することができる。
第7条(善管注意義務)
甲及び乙は、本契約締結日から本効力発生日までの間、それぞれ善良なる管理者の注意をもって自己の業務の執行及び財産の管理・運営を行い、その財産又は権利義務について重大な影響を及ぼすおそれのある行為を行おうとする場合には、事前に相手方と協議の上、これを行うものとする。
第8条(自己株式の消滅)
乙は、本株式交換基準時において保有する自己株式(本株式交換に関して行使される反対株主の株式買取請求に応じて取得する自己株式を含む。)がある場合、本効力発生日の前日までになされる取締役会の決議により、その全てを本株式交換基準時において消却するものとする。
第9条(本契約の変更及び合意解除)
甲及び乙は、本契約締結日から本効力発生日の前日までの間に、甲又は乙のいずれかの財政状態、経営成績、事業その他に重大な影響を及ぼす事象その他本株式交換の実行に重大な影響を及ぼす事象が判明又は発生した場合には、協議し合意の上、本契約の変更又は解除を行うことができるものとする。
第10条(本契約の効力)
本契約は、次の各号のいずれかに該当する場合にはその効力を失う。
(1) 甲又は乙の第6条に定める株主総会において本契約又は本株式交換に必要な事項に関する承認が得られなかった場合
(2) 本株式交換に関し、法令に基づき、本効力発生日までに必要な関係官庁等からの許可、承認等の取得、関係官庁等に対する届出手続が完了しない場合
(3) 前条に基づき本契約が解除された場合
第11条(準拠法及び裁判管轄)
1 本契約は、日本法に準拠し、日本法に従って解釈される。
2 本契約に関して甲及び乙の間に生じる一切の紛争の解決については、東京地方裁判所を第一審の専属的合意管轄裁判所とする。
第12条(協議事項)
本契約に規定のない事項、又は本契約の条項の解釈について疑義が生じた事項については、甲及び乙が誠実に協議の上、これを解決するものとする。
以上、本契約の締結を証するため、本契約書2通を作成し、甲及び乙がそれぞれ記名押印の上、各1通を保有する。
2025年7月8日
(6) 株式交換に係る割当ての内容の算定根拠
① 算定の概要
当社株式については、当社が東京証券取引所スタンダード市場に上場しており、市場株価が存在することから、市場株価法(算定基準日は、直近の株式市場の状況を反映するために2025年7月7日を基準日とし、算定基準日の終値及び算定基準日から遡る1か月、3か月、6か月の各期間の株価終値の単純平均値)を用いて算定いたしました。
その結果、当社株式の1株当たり株式価値の評価額は以下のとおりです。
一方、ネクスについては非上場会社であり、市場株価が存在しないため、時価純資産方式を採用いたしました。
その結果、ネクス株式の1株当たりの株式価値の評価レンジは以下の通りです。
② 上場廃止となる見込み及びその事由
本株式交換により、当社は株式交換完全親会社となり、また株式交換完全子会社となるネクスは非上場のため、該当事項はありません。
(7) 当該株式交換の後の株式交換完全親会社となる会社の商号、本店の所在地、代表者の氏名、資本金の額、純資産の額、総資産の額及び事業の内容
(8) 本株式交換の日程
3.特定子会社の異動
(1) 当該異動に係る特定子会社の名称、住所、代表者の氏名、資本金の額及び事業の内容
(2) 当該異動の前後における当社の所有に係る特定子会社の議決権の数及び特定子会社の総株主等の議決権に対する割合
① 当社の所有に係る特定子会社の議決権の数
② 総株主等の議決権に対する割合
(3) 当該異動の理由及びその年月日
① 異動の理由
当社は、2025年7月8日開催の当社取締役会において、本株式交換を行うことを決議し、同日付で、ネクスとの間で本株式交換契約を締結いたしました。本株式交換の効力発生日である2025年10月16日をもってネクスは当社の完全子会社となり、ネクスの資本金の額が当社の資本金の額の100分の10以上に相当し、特定子会社に該当することとなるためです。
② 異動の年月日 2025年10月16日(予定)