第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1) 業績

当事業年度の売上高は593,783千円(前事業年度比16.7%減)となりました。営業損失は70,263千円(前事業年度は営業損失57,111千円)、経常損失は71,188千円(前事業年度は経常損失60,511千円)となり、子会社株式評価損を特別損失として計上した結果、当期純損失は75,478千円(前事業年度は当期純損失68,195千円)となりました。

当社は、「ERPコンサルティング」「人事コンサルティング」「IT製品サービス」の3つの分野を柱としてITコンサルティング事業を行っております。各分野別の業績は次のとおりであります。

イ.ERPコンサルティング

当社の主要事業領域である「ERPコンサルティング」においては、当期に売上高を見込んでいた案件の失注とプロジェクトの開始時期の先送りが重なったため、当事業年度における計画値を達成することができませんでした。

来期については、先送りされた案件や提案中の案件を受注すべく営業活動を進めてまいります。JD Edwardsの利用中企業に対する追加開発やバージョンアップ案件については堅調に推移しており、クラウド化移行支援等のサービスを拡充し更なる売上高の拡大を目指してまいります。また、クラウドERP NetSuiteについては、当期に受注した大型案件が来期の売上高に貢献する見込みであり、新規案件を受注すべく努めてまいります。また、管理会計(CPM)領域への業務の拡大を進めており、当期に受注した案件の拡大、新規案件の開拓を進め、今後の商談機会の増加へ繋げてまいります。

ロ.人事コンサルティング

第2の事業の柱となる「人事コンサルティング」の分野においては、「働き方改革」に関連するコンサルティング案件の提案を進めております。企業における生産性向上のための対策として注目されているRPA (Robotics Process Automation)の商談機会を獲得していけるよう販売準備を進めています。人事制度改革支援や、人材配置、人材教育に利用するタレントマネジメントの導入コンサルティングなどのニーズがあり、人事コンサルタントの採用又は、育成が急務となっております。また、タレントマネジメントのライセンス販売案件の拡大を促進してまいります。

ハ.IT製品サービス

第3の事業の柱としてビジネス開拓を進めている「IT製品サービス」の分野においては、スケジュール同期ソフトである「GX_Sync」の商談が増加しています。引き続き、自社、販売代理店経由ともに受注を拡大していけるよう努めてまいります。また、クラウドサービスに関するコンサルティングや、クラウドストレージである「Box」、クラウドサービスの認証・セキュリティ強化ソリューション「IntelliTrust」の販売を拡大するよう、努めてまいります。

ニ.M&A

既存事業領域においてシナジー効果が期待できるIT関連企業とM&Aを実現させるための検討を進めております。複数の候補企業の情報収集を行い、提案のスキームの検討を継続して行ってまいります。

ホ.その他

第三者割当による増資を6月の下旬に行いました。既存事業の拡大、新規事業への進出等、M&Aを視野に入れた業容の拡大、人材の採用や育成、社内ITシステムの強化、有利子負債の減少等財務体質の改善を進めております。

また、安定的な収益性を確保するために以下の取り組みを継続して行ってまいります。

1.マーケティング活動の強化による見込み案件の獲得、売上の拡大

2.即戦力となるコンサルタントの採用、外部コンサルタントとの協業の促進

3.コンサルタントの育成によるスキルアップ及び多能化による収益率の改善

4.新規事業領域へ進出のため、ビジネスパートナーの開拓

5.M&Aによる事業領域の拡大と優秀な人材の確保の推進

6.TCSホールディングス株式会社との業務提携による事業の拡大の検討

 

(2) キャッシュ・フローの状況

 当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は、前事業年度末に比べ169,777千円増加し403,735千円となりました。当事業年度におけるキャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

  当事業年度における営業活動で使用した資金は91,444千円(前事業年度は43,222千円の支出)となりました。収入の主な内訳は、たな卸資産の減少額6,437千円であります。支出の主な内訳は、売上債権の増加額20,580千円であります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

  当事業年度における投資活動で使用した資金は60,167千円(前事業年度は8,532千円の支出)となりました。支出の主な内訳は、定期預金の預入による支出50,500千円であります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

  当事業年度における財務活動で取得した資金は321,389千円(前事業年度は17,714千円の支出)となりました。収入の主な内訳は、株式の発行による収入367,500千円であります。支出の主な内訳は、長期借入金の返済による支出58,110千円であります。

 

 

2【生産、受注及び販売の状況】

 当社は、ITコンサルティング事業を営んでおり、当社におけるセグメントは、「ITコンサルティング事業」のみの単一セグメントであります。

 

(1)生産実績

 当事業年度の生産実績は、次のとおりであります。

セグメントの名称

当事業年度

(自 平成29年1月1日

至 平成29年12月31日)

前期比(%)

ITコンサルティング事業 (千円)

455,840

81.75

合計       (千円)

455,840

81.75

   (注)1.金額は売上原価によっております。

  2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)仕入実績

 当事業年度の仕入実績は、次のとおりであります。

セグメントの名称

当事業年度

(自 平成29年1月1日

至 平成29年12月31日)

前期比(%)

ITコンサルティング事業  (千円)

45,682

109.16

合計        (千円)

45,682

109.16

   (注)1.金額は仕入価格によっております。

  2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(3)受注状況

 当事業年度の受注状況は、次のとおりであります。

セグメントの名称

当事業年度

(自 平成29年1月1日

至 平成29年12月31日)

受注高(千円)

前期比(%)

受注残高(千円)

前期比(%)

ITコンサルティング事業

576,436

78.36

133,128

88.47

合計

576,436

78.36

133,128

88.47

   (注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

 (4)販売実績

 当事業年度の販売実績は、次のとおりであります。

セグメントの名称

当事業年度

(自 平成29年1月1日

至 平成29年12月31日)

前期比(%)

ITコンサルティング事業 (千円)

593,783

83.29

合計               (千円)

593,783

83.29

   (注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2.最近2事業年度の主な取引先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前事業年度

(自 平成28年1月1日

至 平成28年12月31日)

当事業年度

(自 平成29年1月1日

至 平成29年12月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

 日産自動車㈱

107,563

15.1

105,440

17.8

 シマノセールス㈱

74,955

10.5

70,793

11.9

 ㈱メディコン

95,973

13.5

(注)1.上記の金額には消費税等は含まれておりません。

2.当事業年度の株式会社メディコンへの販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、当該割合が100分の10未満となっているため記載を省略しております。

 

3【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本

当社は、コンサルティングファームとして、ICTの知識・ノウハウを十分に発揮し「ICTを利活用し顧客企業における様々な課題解決を支援する」という企業理念のもと、顧客企業における「事業の拡大」「業務の効率化」「コストの削減」において、より質の高いコンサルティングサービスの提供に注力しております。

当社の事業分野であるICTサービス業界では、日々技術が進化し多種多様なサービスが出現しているため、常にICT技術動向に目を向け、顧客企業が求める最適なICTソリューションを提供してまいります。

 

(2)目標とする経営指標

当社は、経営上の業績管理指標を「収益力(売上高営業利益率)」としております。業績の回復に努め、収益の安定化を目指しております。

 

(3)中長期的な会社の経営戦略

当社は、業績の回復を進めるために、2020年度を最終年度とした中期事業計画を策定致しました。この中期事業計画では、2017年度から2020年度を「ビジネス変革期」と位置づけ、重点施策として財務基盤の強化、新規事業領域への拡大、人材の育成・採用に取り組んでおります。また、M&Aを含めた資本業務提携等を推進し社外のリソースを積極的に活用してまいります。

なお、事業状況が当初想定よりも変化していることを鑑み、今後、現中期事業計画を見直し、平成31年度を初年度とする新たな中期事業計画の策定を検討しております。

 

(4)会社の対処するべき課題

当社が属するICTサービス業界におきましては、クラウドコンピューティングの普及、グローバル化の進展、自動化の拡張など、事業環境が大きく変化しております。このような状況において、当社では将来成長が見込める領域へ事業の拡大を進め、継続的に収益を確保し、事業の安定化を図ってまいります。

①財務体質の健全化

当社は組織の活性化を促進し、収益構造の変革により黒字化を図り、財務の安定化並びに収益の継続黒字計上を目指してまいります。

②事業基盤の強化

会計業務・基幹業務・人事関連業務に関するコンサルティング事業において臨機応変に事業領域の拡大を進め、旧来のビジネスモデルからの脱皮を図り、新たなる収益の柱となる事業の構築を進めております。

当社が提供するサービスにおいて収益を安定的に得るためには、他社との差別化を図り、高い専門性を持つ質の高いコンサルティングを提供することが不可欠であり、新たな技術の習得を含めた人材の育成を強化してまいります。

また、社外のリソースを積極的に活用するためにビジネスパートナーの開拓を進めるとともに、シナジー効果が見込めるICT企業との資本業務提携や営業提携を積極的に取り組んでまいります。

 

4【事業等のリスク】

 当社の経営成績、財政状態及び株価等に影響を及ぼす可能性のある事項には以下のようなものがあります。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において、当社が判断したものであります。

 

① パッケージソフトウェア等のベンダーの動向について

 当社は、平成7年のコンサルティング業務開始以来、ERPパッケージ等の導入を中心とするシステムコンサルティングが事業全体の中での重要な位置を占めており、数々の実績を積み重ねるとともに、顧客企業及びソフトウェアベンダーより高い評価を得ております。現在、当社は日本オラクル株式会社のERPパッケージである「JD Edwards」、及びクラウドERP「NetSuite」、SAPジャパン社のERP、HCMパッケージ、コーナーストーンオンデマンド社のタレントマネジメント製品、サバ・ソフトウェア社のタレントマネジメント製品、BoxJapan社の「BOX」、エントラスト・ジャパン社の「IntelliTrust」等の導入コンサルティングを行っており、これらのパートナー企業と安定した取引関係を継続しております。しかしながら、パートナー企業各社の経営方針等の変更やM&Aによる組織変更があった場合、各社製品の市場訴求力に大きな変動が生じた場合には、当社の経営成績に影響を及ぼす可能性が否定できません。

② 今後の事業展開について

 当社は、これまでのITコンサルティング事業を通して培ったノウハウを活用し、会計・人事・ITコンサルティングの専門化としてサービスラインのさらなる拡充を図っていく方針であります。当社のITコンサルティング事業の主軸であるシステムコンサルティング分野を拡大するとともに上流コンサルティング分野の事業の拡大を目指します。また、継続してクラウド製品サービス分野に注目し、取扱製品、及びサービスラインを拡充していきます。

 事業領域、提供サービスの拡大を行う際には、市場調査を行い、事業リスク等を慎重に検討し、実行の判断を行うように努めておりますが、市場動向の変化や人材の確保が予定通りできない、競合他社の参入等の事情により、新規展開を行った事業領域における事業展開が計画どおりに進捗しない場合には、当社の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

③ M&A等の投資について

 当社は、新たな事業領域への進出、既存ビジネス規模の拡大、人材の確保を目的として、資本業務提携・M&A、子会社や関連会社の設立等により組織形態の変更を行う可能性があります。これらの資金は自己資金だけでなく、社債の発行、増資または投資機関、金融機関等からの融資、借入金により賄われる場合もあります。このような意思決定を行う際には、対象会社の財政状態や経営成績、進出事業のリスク等を慎重に検討し、総合的な判断のもとに的確な決定を行うように努めておりますが、当該会社の財政状態や経営成績の状況等によって有価証券に評価損が発生し、当社の経営成績あるいは資金繰り等に影響を及ぼす可能性があります。

④ 人材の確保について

 当社のITコンサルティング事業における売上は、会計・人事・ITの専門的知識を有するコンサルタントの役務提供により賄われております。

 当社がITコンサルティング事業を拡大していくためには、優秀な人材を確保する必要があります。

 IT技術の進化とともにIT人材の不足が拡大傾向にあり、高度な能力を有する人材を継続して採用、維持、育成を行うことは容易なことではありません。そのため、必要とされる人材を確保できなかった場合、あるいは重要な人材が大量に流出した場合には、当社の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

⑤ 知的財産権について

 当社は、現時点において、第三者から知的財産権に関する侵害訴訟等を提起されたり、そのような通知を受けておりませんが、将来、当社の事業活動に関連して第三者が知的財産権の侵害を主張する可能性があり、その場合、当社の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

⑥ 機密情報、顧客情報の取り扱いについて

 当社は、ITコンサルティング事業を行っていく上で、顧客企業の個人情報を含む機密情報を取り扱う場合があります。その際には秘密保持契約等により顧客企業に対して守秘義務を負っております。このため、顧客情報の取り扱いについて厳重な管理を行っております。

 しかしながら、外部からの不正手段によるコンピュータ内への侵入や、役員及び従業員の過誤等により、機密情報の漏洩が発生した場合には、当社の信用が低下する他、損害賠償等の訴えを提起された場合には、当社の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑦ 法規制について

 当社は、一般的な法規制のもと運営しております。将来においてこれらの法規制の改正が行われた場合には、当社の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

5【経営上の重要な契約等】

当事業年度において、特記すべき経営上の重要な契約等はありません。

 

6【研究開発活動】

当事業年度において、特記すべき研究開発活動はありません。

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中における将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成に当たりましては、決算日における資産及び負債の状況に基づき、将来の費用として発生が見込まれるものにつきましては一般に合理的と認められる方法により、慎重な見積り及び判断を行っておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性がありますため、これらの見積りと異なる場合があります。

 

(2) 財政状態の分析

(流動資産)

 当事業年度末における流動資産は、前事業年度末に比べ233,884千円増加し、570,106千円となりました。これは主に、現金及び預金の増加219,678千円及び売掛金の増加24,857千円によるものであります。

(固定資産)

 当事業年度末における固定資産は、前事業年度末に比べ4,181千円減少し43,191千円となりました。これは主

に、ソフトウェア仮勘定の減少3,605千円によるものであります。

(流動負債)

 当事業年度末における流動負債は、前事業年度末に比べ47,689千円減少し72,302千円となりました。これは

主に、短期借入金の減少28,000千円によるものであります。

(固定負債)

 当事業年度末における固定負債は、前事業年度末に比べ14,629千円減少し34,993千円となりました。これは主

に、長期借入金の減少15,350千円によるものであります。

(純資産の部)

 当事業年度末における純資産合計は、前事業年度末に比べ292,021千円増加し506,002千円となりました。これ

は主に、資本金の増加183,750千円、資本剰余金の増加183,750千円及び利益剰余金の減少75,478千円によるものであります。

 

(3) 経営成績の分析

「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (1) 業績」に記載のとおりであります。

 

(4) 経営成績に重要な影響を与える要因について

「第2 事業の状況 4 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

(5) 経営戦略の現状と見通し

 当社は、独立系コンサルティングファームとして、ビジネスコンサルティング、システムコンサルティング事業をもって、国内上場企業、中堅企業、海外企業をお取引先として、ERPやHCMソリューションの導入・運用支援のサービスを提供してまいりました。

 最近の当社を取り巻く市場環境を見渡してみると、当社の主力事業であるERPソリューションに関連するコンサルティング事業においては、大企業での導入が一巡し中堅中規模企業での導入が活発化しつつあり、クラウドERPを取扱う当社にとって成長できる機会が残されています。また、HCMソリューション分野においては、大手企業を中心にタレントマネジメントシステムの採用が急速に拡大しております。さらに今後、ITを活用した教育事業やソフトウェアロボットを活用した業務効率化支援、海外クラウド事業者の提供するサービスに日本国内の商習慣や法規制対応等の付加価値を加えた事業領域に需要が見込まれるものと考えています。このため、これまで準備を進めてきた新規取扱製品であるクラウドERP、クラウドタレントマネジメント、自社製品等において事業を展開するために、「人的資源の確保と育成」、「営業拠点の拡大」を進めると同時に、新規に「クラウドサービス事業者との販売代理店契約の締結」、「資本業務提携の締結」等により業容拡大を図ってまいります。

 次期事業年度の見通しにつきましては、売上高666,000千円(当事業年度比12.2%増)、営業利益4,000千円、経常利益3,500千円、当期純利益2,600千円を見込んでおります。

 

(6) 資本の財源及び資金の流動性についての分析

 「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

 

(7) 経営者の問題認識と今後の方針について

 経営者の問題認識と今後の方針については、「第2 事業の状況 3 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」及び「第2 事業の状況 7 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (5)経営戦略の現状と見通し」に記載のとおりであります。