(1) 業績
当連結会計年度におけるわが国の経済は、政府による経済政策や金融緩和により企業業績や雇用情勢に改善が見られ、緩やかな回復基調で推移いたしました。しかし、一方で、米国景気は堅調に推移したものの、中国経済における景気減速や欧州諸国における財務リスクに対する懸念など、景気の先行きにつきましては、不透明な状況下で推移いたしました。
こうした環境の下、介護業界におきましては、高齢化が年々上昇し、介護サービスの需要が益々高まりつつありますが、介護従事者については、有効求人倍率が高い数値で推移しており、人財の確保が経営上の最重要課題となっております。その対応策の一つとして、平成27年度介護保険法改正が施行され、本年4月より介護職員の処遇改善のための財源が増額されました。しかし、介護報酬全体としては大幅な引下げとなり、厳しい経営環境となりました。
このような状況の下、当社グループは、ご利用者に品質の高いサービスを提供するため、介護職員の処遇改善および研修体制の充実に努めるとともに、独自に創設した「誰伸び人事制度」のもと、雇用の安定に努めてまいりました。
これらの結果、当連結会計年度の売上高は207億7百万円(前年同期比12.8%増)、営業利益7億82百万円(同7.7%増)、経常利益6億58百万円(同9.7%増)、当期純利益3億37百万円(同17.5%増)となりました。
セグメント別の業績は次のとおりであります。なおセグメント別の各金額は、セグメント間取引等相殺消去前の金額によっております。
①在宅系介護事業
当事業におきましては、新規事業所のリーダーとなる人財の育成が継続的に可能となりましたが、環境の変化もあり慎重な出店計画と致しました。当連結会計年度の在宅系介護事業の新規出店は、大阪府に1拠点、愛知県に1拠点計2拠点であります。出店に際しては緻密なマーケティングと十分な人財育成をベースに推し進め、早期黒字化を図っております。その結果、当連結会計年度の売上高は80億88百万円(前年同期比8.0%増)、セグメント利益は14億5百万円(同7.4%増)となりました。
②施設系介護事業
当事業におきましては、当連結会計年度において、東京都に2施設、大阪府に4施設、京都府に2施設、兵庫県に1施設、福岡県に1施設の計10施設をオープンいたしました。その結果、当連結会計年度の売上高は96億76百万円(前年同期比18.7%増)、セグメント利益は介護保険制度改正の影響と新規施設の人件費等の負担により5億16百万円(同3.5%減)となりました。今後も引続き入居者獲得に注力し、収益改善に取り組んでまいります。
③その他
その他の事業におきましては、ご利用者の安心・安全・利便・生きがいを提供するため、福祉用具関連サービス、訪問看護サービス等において積極的な営業展開を図り、売上伸長に注力してまいりました。また、第2四半期連結会計期間において子会社化いたしました株式会社まごの手サービスを新たに連結範囲に含めております。また、連結子会社である株式会社EE21におきましては、介護人材の教育事業における営業基盤の拡大に努めてまいりましたが、先行投資の負担が重く、収支改善には至りませんでした。その結果、当連結会計年度の売上高は34億84百万円(前年同期比24.9%増)、セグメント利益は1億41百万円(同3.7%減)となりました。
なお、当連結会計年度より、セグメント別の営業費用について人件費の一部の集計方法を変更しており、前年同期数値も当連結会計年度と同様の方法で集計し比較しております。
地域別ステーション数の推移 ※訪問看護ステーションを含む
区分 | 平成26年10月期末 | 平成27年10月期末 | 増減 |
大阪府 | 85 | 82 | △3 |
兵庫県 | 21 | 18 | △3 |
京都府 | 4 | 5 | 1 |
東京都 | 51 | 45 | △6 |
神奈川県 | 3 | 3 | ― |
愛知県 | 9 | 10 | 1 |
福岡県 | 6 | 6 | ― |
広島県 | 1 | 1 | ― |
宮城県 | 2 | 2 | ― |
合 計 | 182 | 172 | △10 |
地域別施設介護事業所数の推移
区分 | 平成26年10月期末 | 平成27年10月期末 | 増減 | |
大阪府 | 有料老人ホーム | 9 | 10 | 1 |
グループホーム | 14 | 15 | 1 | |
デイサービス | 7 | 15 | 8 | |
その他 | ― | 2 | 2 | |
兵庫県 | グループホーム | 6 | 7 | 1 |
京都府 | 有料老人ホーム | 1 | 1 | ― |
グループホーム | 7 | 8 | 1 | |
デイサービス | 1 | 1 | ― | |
その他 | 2 | 3 | 1 | |
愛知県 | 有料老人ホーム | 1 | 1 | ― |
グループホーム | 2 | 6 | 4 | |
デイサービス | 2 | 2 | ― | |
その他 | 1 | 3 | 2 | |
東京都 | 有料老人ホーム | 3 | 3 | ― |
グループホーム | 8 | 8 | ― | |
デイサービス | 4 | 5 | 1 | |
千葉県 | 有料老人ホーム | 1 | 1 | ― |
グループホーム | 2 | 2 | ― | |
神奈川県 | 有料老人ホーム | 1 | 1 | ― |
グループホーム | 3 | 3 | ― | |
埼玉県 | 有料老人ホーム | 2 | 2 | ― |
福岡県 | グループホーム | 1 | 1 | ― |
デイサービス | 4 | 5 | 1 | |
宮城県 | デイサービス | 1 | 1 | ― |
広島県 | グループホーム | 1 | 1 | ― |
合 計 | 84 | 107 | 23 | |
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の期末残高は、前連結会計年度末に比べ6億11百万円増加し、16億24百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況と増減要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動により得られた資金は、12億10百万円(前年同期は5億94百万円の収入)となりました。これは主として税金等調整前当期純利益6億26百万円、減価償却費6億31百万円、法人税等の支払額2億72百万円、売上債権の増加3億17百万円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動の結果使用した資金は、4億21百万円(前年同期は6億9百万円の支出)となりました。これは主として有形固定資産の取得による支出1億12百万円、差入保証金の差入による支出2億41百万円、無形固定資産の取得による支出73百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動の結果使用した資金は、1億76百万円(前年同期は61百万円の支出)となりました。これは主として短期借入金の純増による収入1億90百万円、長期借入金の純増による収入1億62百万円、リース債務の返済による支出3億22百万円、自己株式の取得による支出89百万円、配当金の支払額1億18百万円によるものであります。
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 平成26年11月1日 至 平成27年10月31日) | |
仕入高(千円) | 前年同期比(%) | |
施設系介護事業 | 409,295 | 87.7 |
その他 | 453,784 | 144.1 |
合計 | 863,080 | 110.4 |
(注) 1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2 「その他」の仕入の主な内容は、福祉用具、食材及び介護用品、並びに教材の仕入等に係るものであります。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 平成26年11月1日 至 平成27年10月31日) | ||
販売高(千円) | 前年同期比(%) | ||
在宅系介護事業 | 8,088,545 | 108.0 | |
施設系介護事業 | 9,676,123 | 118.7 | |
その他 | 2,942,815 | 108.4 | |
合計 | 20,707,484 | 112.8 | |
(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先 | 前連結会計年度 (自 平成25年11月1日 至 平成26年10月31日) | 当連結会計年度 (自 平成26年11月1日 至 平成27年10月31日) | ||
金額(千円) | 割合(%) | 金額(千円) | 割合(%) | |
大阪府国民健康保険 | 5,727,722 | 31.2 | 6,047,765 | 29.2 |
東京都国民健康保険 | 3,062,774 | 16.7 | 3,297,901 | 15.9 |
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
該当事項はありません。
今後の経営環境につきましては、介護市場全体の伸びは継続的に推移するものの、厳しい経営環境が継続するものと思われます。
当社グループといたしましては、法令を遵守し、緻密なマーケティングに基づいた出店の促進と営業力の強化を図り、業績の向上に努力するとともに、次の項目を重要課題として取り組んでまいります。
要介護認定者数の継続的な高い伸びや当社の営業拠点の拡大から、介護サービス提供者(介護福祉士・ホームヘルパー・ケアマネジャー・看護師等)が恒常的に不足しており、また、法改正によるサービス提供責任者の要件変更や当該サービスのクオリティー(質)に対する要求度も高まってきているところから、引き続き優秀な人財を確保するとともに、適切な人財配置と教育研修による人財の育成及び雇用条件の向上により、社員及び顧客に安心・信頼を提供できる環境をつくってまいります。
社内管理体制におきましては、内部統制システムの更なる強化を推し進め、業務効率の向上を図るとともに、安心・安全な情報セキュリティー体制、迅速な経営判断と情報開示体制に基づく強固なコンプライアンス体制の構築に取り組んでまいります。
当社グループといたしましては、介護保険制度の変動リスクを軽減するとともに、ご利用者の安心・安全・利便・生きがいの向上に役立つ介護福祉周辺の新規事業開発やM&A案件等の取り組みを積極的に進め、体質強化を図ってまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは、拡大する訪問介護サービスのニーズに対応できるサービス提供能力を確保するため、営業拠点数の拡大、介護サービスの提供者(介護福祉士・ホームヘルパー・ケアマネジャー・看護師等)の積極的な採用、当該サービスの質の更なる向上を図るための教育研修体制の充実を進めていく方針であります。また同時に、顧客ニーズの高い福祉用具販売・レンタルサービス・住宅改修サービス等を充実し、事業間の相乗効果を図っていく方針であります。
また、これらの事業に加え、有料老人ホーム事業、グループホーム事業、デイサービス事業及び介護福祉周辺の新規事業開発を積極的に進め、体質強化を図っていく方針であります。
しかしながら、こうした課題への対処が適切かつ迅速に行われなかった場合には、当社グループの将来業績に影響を及ぼす可能性があります。
介護保険法においては「居宅介護支援事業」を行うには「指定居宅介護支援事業者」の指定を、訪問介護その他「居宅サービス事業」を行うには「指定居宅サービス事業者」の指定を、それぞれ都道府県知事から受けることが必要とされております。
また、厚生労働省令第37号では、従業員の資格要件及び人員数要件、設備などの一定要件、さらにサービス区分と介護報酬等についても詳細に規定されており、これらの規定に従って事業を遂行する必要があります。
障害者総合支援法においては、訪問介護その他「居宅介護事業」を行うには都道府県知事より「指定障害者福祉サービス事業者」の指定を受けることが必要とされております。
また、厚生労働省令第171号では、事業等の人員、設備及び運営に関する基準が規定されており、これらの規定に従って事業を遂行する必要があります。
介護保険法においては、「有料老人ホーム事業」は「特定施設入居者生活介護」との位置づけで、都道府県知事の指定を受ける必要があり、「グループホーム事業」は「認知症対応型共同生活事業」との位置づけで、市(区)町村長の指定を受ける必要があります。
また、厚生労働省令第37号では、「入居者3名に対し、職員1名以上」を配置する人員数規定や、管理者及び計画作成担当者等の人員配置とそれぞれの資格要件等並びに設備などの一定要件を定めており、これらの規定に従って事業を遂行する必要があります。
・人材サービス事業の法的規制(労働者派遣法・職業安定法)
当社グループが行う人材サービス事業は、「労働者派遣法」に基づく一般労働者派遣事業許可を受けて行っている事業及び「職業安定法」に基づく有料職業紹介事業許可を受けて行っている事業です。今後何らかの理由により当該許可の取消事由及び欠格事由に該当した場合には、業務の全部若しくは一部の停止が命ぜられることにより、当社グループの業績は影響を受ける可能性があります。
・給食・配食サービス事業の法的規制(食品衛生法)
当社グループが行う給食・配食サービス事業は、「食品衛生法」により規制を受けております。当社グループでは衛生管理、品質管理等を徹底して取り組んでおりますが、今後何らかの理由により食中毒事故を起こす等、当該規定に抵触した場合には営業許可の取消し、営業停止等の処分を受けることがあり、当社グループの業績は影響を受ける可能性があります。
当社グループは、今後もコンプライアンスを遵守し、積極的に事業を拡大していく方針であり、これに伴い介護サービスを提供するための人財が必要不可欠と認識しております。上記の「法的規制について」に記載のとおり、介護サービス事業においては、介護職員初任者研修修了者等によるサービスの提供を義務付けられているものが多く、今後も、有資格者を中心とした人財の獲得や、教育研修制度を通じて人財の育成及びサービスの質の向上に積極的に取り組む方針であります。
しかしながら、介護業界におきましては、要介護認定者数の継続的な高い伸びや競合の激化から、有資格者や優秀な人財に対する需要が高まっており、その確保が難しくなっております。当社グループは、雇用条件の見直しや、教育研修制度の充実などにより人財確保が行いやすい環境整備に意を用いておりますが、計画どおりに人員を確保できなかった場合は、事業戦略や業績に影響を与える可能性があります。
当社グループが提供する介護サービスのうち、在宅系介護事業及び施設系介護事業のサービス受給者は、主に要介護認定を受けた高齢者等であり、サービスの提供時においては、当該サービス受給者の体調悪化等が生じる可能性があり、また、不測の事故の危険性も否定できません。
当社グループは、研修センターにおける徹底したスキルアップ研修やマニュアルの整備等により、事故の発生防止や緊急時対応について積極的に取り組んでおりますが、万一、介護サービス提供時に事故やサービス受給者の体調悪化等が発生し、過失責任が問われるような事態が生じた場合は、事業の展開及び業績に影響を与える可能性があります。
当社グループの介護サービス提供対象者は、主に要介護認定を受けた高齢者等であり、その個人情報については、高度な機密性が必要なものと認識しております。当該情報に関しては、介護保険法及び個人情報保護法等の関連諸法令を遵守し、その取り扱いには管理体制の充実と細心の注意を払っておりますが、万一、外部からの不正アクセスや社内管理の不手際等から、情報の漏洩が発生した場合、損害賠償請求や社会的信用の失墜等により、事業展開及び業績に影響を与える場合があります。
当社グループは、顧客管理や業務の効率化を目的として、基幹業務システムを使用しておりますが、かかるサーバの故障等に備えデータの定期的なバックアップ体制を整備しております。しかしながら、地震などの天変地異によるオンライン不能やサーバの停止等により、業務遂行に大きな支障をきたした場合、事業の展開や業績に影響を与える可能性があります。
当社グループが運営する「有料老人ホーム」「グループホーム」は、主に初期投資を抑えるために家主との間で一棟毎の賃貸借契約を締結しております。契約期間は主として20~25年間であり、家主にとっては長期安定収入が得られ、当社にとっても安定継続的に施設を賃借・運営できます。しかしながら、短期間での施設閉鎖や入居費用の見直しが困難であることから、施設の稼働率が大きく低下した場合や、近隣家賃や同業者の入居費用等の相場が大きく下落した場合には、事業の展開や業績に影響を与える可能性があります。
(8)教育事業について
当社グループが行う介護人材の教育事業は、新たな介護保険法の改正がおこなわれ、介護報酬が引き下げられた場合、介護サービス従事者の待遇改善の課題がより深刻化し、介護業界離れが進行することにより受講者数が減少し、当社グループの業績は影響を受ける可能性があります。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成しております。
(1) 財政状態
当連結会計年度末における資産は、前連結会計年度末に比べ21億50百万円増加し、168億65百万円となりました。
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産は、前連結会計年度末に比べ10億57百万円増加し、54億96百万円となりました。これは主として売上の増加に伴う売掛金の増加3億67百万円、現金及び預金の増加6億11百万円等によるものであります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産は、前連結会計年度末に比べ10億92百万円増加し、113億68百万円となりました。これは主としてリース資産の増加5億57百万円、投資有価証券の増加3億57百万円、新規出店等に伴う差入保証金の増加1億65百万円等によるものであります。
当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末に比べ17億42百万円増加し、136億85百万円となりました。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債は、前連結会計年度末に比べ10億18百万円増加し、53億98百万円となりました。これは主として短期借入金の増加1億90百万円、未払金の増加3億85百万円、賞与引当金の増加1億45百万円等によるものであります。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債は、前連結会計年度末に比べ7億24百万円増加し、82億86百万円となりました。これは主としてリース債務(固定)の増加5億70百万円、繰延税金負債の増加69百万円等によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べ4億7百万円増加し、31億80百万円となりました。これは主として当期純利益の計上による利益剰余金の増加3億37百万円、剰余金の配当による利益剰余金の減少1億17百万円、その他有価証券評価差額金の増加2億77百万円、自己株式取得による自己株式の増加89百万円によるものであります。
(2) 経営成績
「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (1) 業績」をご参照ください。
(3) キャッシュ・フロー
「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2) キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。