第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針及び中長期的な会社の経営戦略

当社グループは、福祉、医療、教育、文化の4分野を通じて社会貢献することを経営理念としております。これらの実現に向け、行動指針として「現場第一主義」を掲げ、顧客から最も支持され、信頼される企業となることを目指しております。また、福祉理念と市場原理の融合を図り、継続的に企業価値を高めることにより、株主をはじめとしたステークホルダー(利害関係者)の信頼と期待に応えるべく努めてまいります。

今後の経営環境につきましては、介護市場全体の伸びは継続的に推移するものの、異業種からの新規参入を受けた競争激化や労働力人口減少に伴う介護の担い手不足など、多くの課題を突き付けられており、厳しい経営環境が継続するものと考えられます。また、中国武漢に端を発する新型コロナウイルス感染症の業績への影響は、当連結会計年度におきましては軽微でありましたが、欧州を始めとする感染状況深刻化や新たな変異ウイルスの出現など、感染防止に努めてのサービス提供の長期化が見込まれることから、感染防止に伴うコスト増やサービス提供時の負担増といった負の影響に晒されるものと考えられます。

かかる状況下ではありますが、当社グループは、「人を大事にし、人を育てる」の人事政策に徹し、「最大ではなく最高の福祉サービス」、「人間の尊厳を尊重し、利用者本位の真心と優しさのこもったサービス」を継続して提供することにより、日本のヘルスケア産業のリーダー企業を目指してまいります。

また、コンプライアンスを遵守した経営に徹し、介護分野における顧客の多様なニーズに応えるため、在宅系の訪問介護事業を始め、有料老人ホーム、グループホーム等の施設系介護事業の積極的な展開、軽度介護者の受け入れや介護周辺業務の充実等、介護事業全体でのシェアの拡大への取り組みを進めてまいります。また、認可保育所、障がい児通所支援事業所、及び福祉用具サービス事業所についても積極的に開設、新規事業開発にも果敢に挑戦することに加え、中華人民共和国及びベトナム社会主義共和国に設立した在外子会社において、当社グループの経営理念や介護サービスの特徴について浸透を図り、本格的に海外展開を進めることによって、総合福祉企業としての地位確立に向けた取り組みを加速してまいります。

さらに、経営環境の変化にも柔軟に対応した経営革新やコストダウン、業務の効率化にも努力を傾注、とりわけ、シームレスな基幹業務システムの内製化を進めることにより、中長期的な事業展開の実現可能性を高め、継続的な企業価値の拡大を図ってまいります。

 

(2)目標とする経営指標

 当社グループでは、長期的・継続的な企業価値の向上及び株主資本の効率的活用が重要であると認識しており、売上高伸長率、売上高経常利益率並びにROE(自己資本利益率)を主要な経営指標として位置づけ、売上高伸長率については新規出店数に沿った着実な成長を、売上高経常利益率及びROEについては前年数値を継続的に上回ることをそれぞれ目標としております。これら目標の達成に邁進することにより、企業規模拡大と利益率向上を果たし、企業価値の最大化を実現してまいります。

 

 

(3)会社の対処すべき課題

当社グループの主要事業であります介護事業市場における変化や競争激化に対応するため、以下のテーマを重要課題として取り組んでまいります。

①人財の確保と育成

要介護認定者数の継続的な高い伸びや当社の営業拠点の拡大から、介護サービス提供者(介護福祉士・ホームヘルパー・ケアマネジャー・看護師等)が恒常的に不足しており、また、法改正によるサービス提供責任者の要件変更や当該サービスのクオリティー(質)に対する要求度も高まってきているところから、社内求職者紹介制度の活用などにより、引き続き優秀な人財を確保するとともに、適切な人財配置と教育研修による人財の育成及び雇用条件の向上により、社員及び顧客に安心・安全を提供できる環境をつくってまいります。これに併せて、2017年11月に技能実習法が施行され、外国人技能実習生の受け入れ人数拡大や制度の拡充が図られるなど、事業者にとってより有用な制度設計がなされたことから、当社グループにおいても当該制度を活用するとともに、外国人留学生についても積極的に受け入れを進めるなど、人財確保手段を多様化することでより安定的に人財が確保できるよう努めてまいります。

②社内管理体制の強化

社内管理体制におきましては、内部統制システムの更なる強化を推し進め、業務効率の向上を図るとともに、安心・安全な情報セキュリティー体制、迅速な経営判断と情報開示体制に基づく強固なコンプライアンス体制の構築に取り組んでまいります。

③新規事業

当社グループといたしましては、介護保険制度の変動リスクを軽減するとともに、ご利用者の安心・安全・利便・生きがいの向上に役立つ介護福祉周辺の新規事業開発やM&A案件等の取り組みを積極的に進め、体質強化を図ってまいります。

④財務体質の改善

当社グループは介護事業の市場拡大基調が継続するとの予測の下、積極的に事業の拡大を図っております。当社グループでは、開設時の初期投資軽減のため、主に長期リース契約にて物件を確保してまいりましたことから、有利子負債比率が高い水準にあります。その一方で、介護市場の拡大基調は鮮明であり、このような環境においては必要な投資を着実に実行していくことこそが、当社グループの長期にわたる事業拡大と利益成長の礎となるものと認識しております。以上を踏まえ、今後も積極的に新規投資を実施いたしますが、投資資金調達については案件に応じ最適化を図ることにより、有利子負債をコントロールすることで、当社グループの財務体質の改善を図ってまいります。

 

 

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、当社の財政状態、経営成績及び株価等に影響を及ぼす可能性のある主な事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)介護保険制度等について

当社グループが行っている介護事業は、主に介護保険法に基づく介護サービスが中心であり、同法及び関連諸法令の規制を受けます。介護サービスを行うには、サービス毎に都道府県等自治体の指定を受ける必要があり、これら法令には介護報酬減額や指定取消事由も細かく定められる等、コンプライアンスを強く意識した運営が求められる事業であります。介護保険制度については、3年毎に介護報酬の改定が行われることとされており、2021年4月に改正介護保険法の施行及び介護報酬の改定が行われました。この改正で、介護報酬は、小幅ながらもプラス改定となりましたが、今後、介護報酬の引き下げ等の介護事業者にとって不利な改正がなされた場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

当社グループでは、介護周辺事業を中心とした新規事業へ積極的に参入し、介護報酬改定が財政状態及び経営成績に及ぼす影響を緩和するための取り組みを進めております。

(2)法的規制について 

当社グループが行っている介護事業は、以下の法的規制を受けております。なお、現時点において、当社グループが行っている各事業に許認可等取消事由や営業停止事由は発生しておりません。

介護保険法においては、在宅系の「居宅介護支援事業」を行うには「指定居宅介護支援事業者」の指定を、訪問介護その他の「居宅サービス事業」を行うには「指定居宅サービス事業者」の指定を、それぞれ都道府県等各自治体から受けることが必要とされております。厚生労働省令第37号では、従業員の資格要件及び人員数要件、設備などの一定要件、さらにサービス区分と介護報酬等についても詳細に規定されており、これらの規定に従って事業を遂行する必要があります。

施設系の「有料老人ホーム事業」は、介護保険法による「特定施設入居者生活介護」及び老人福祉法による「介護付有料老人ホーム」との位置づけで、都道府県等各自治体の指定を受ける必要があり、「グループホーム事業」は、介護保険法による「認知症対応型共同生活介護」との位置づけで、市(区)町村長の指定を受ける必要があります。在宅系と同様に厚生労働省令第37号では、「入居者3名に対し、職員1名以上」を配置する人員数規定や、管理者及び計画作成担当者等の人員配置とそれぞれの資格要件等並びに設備などの一定の要件が定められており、これらの規定に従って事業を遂行する必要があります。

また、障害者総合支援法においては、「居宅介護、重度訪問介護、同行援護」を行うには都道府県等各自治体より「指定障害者福祉サービス事業者」の指定を受けることが必要とされております。厚生労働省令第171号では、事業等の人員、設備及び運営に関する基準が規定されており、これらの規定に従って事業を遂行する必要があります。

介護保険法には、第77条、第78条及び第84条において、指定基準等未充足や介護報酬の不正請求等指定の取消事由に該当する場合に指定を取り消すことができる旨が規定されております。また、第70条、第78条及び第79条において、6年毎に指定の更新を受けなければ、その期間の経過によって、効力を失う旨が規定されております。

万が一これらの基準が充足できない事態が生じ、監督官庁から行政処分を受けることとなった場合、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、社内研修の充実、人員配置状況のモニタリング徹底等の施策を推進することにより、法令遵守体制の整備に努めております。

(3)人財確保について

当社グループは、今後もコンプライアンスを遵守し、積極的に事業を拡大していく方針であり、これに伴い介護サービスを提供するための人財が必要不可欠と認識しております。上記の「(1)介護保険制度等について」及び「(2)法的規制について」に記載のとおり、介護サービス事業においては、資格要件を充足した従業員によるサービスの提供を義務付けられているものが多く、今後も、有資格者を中心とした人財の獲得や、教育研修制度を通じて人財の育成及びサービスの質の向上に積極的に取り組む方針であります。

 

しかしながら、介護業界におきましては、要介護認定者数の継続的な高い伸びや競合の激化から、有資格者や優秀な人財に対する需要が高まっており、その確保が難しくなっております。当社グループは、雇用条件の見直しや、教育研修制度の充実などにより人財確保が行いやすく、かつ人財定着率の向上に資する環境整備に意を用いておりますが、計画どおりに人員を確保できなかった場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

(4)競合について

介護保険制度の開始以降、介護サービス利用者は年々増加しており、今後も高齢化の進行に伴い利用者は増加基調が継続するものと予想され、異業種からの新規参入や同業他社の事業拡大が一層加速するものと考えられます。当社はサービスメニューを拡充するとともに、サービスの品質向上に努める等、新規利用者の獲得促進と利用者の長期にわたるサービス利用の実現に努めておりますが、当社が事業展開している地域において、新規参入等により想定を超える競争激化や品質向上のためのコスト増が生じた場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

(5)事業展開について

当社グループは、拡大する訪問介護サービスのニーズに対応できるサービス提供能力を確保するため、営業拠点数の増強、介護サービスの提供者(介護福祉士・ホームヘルパー・ケアマネジャー・看護師等)の積極的な採用、当該サービスの質の更なる向上を実現するため、教育研修体制の強化を進める方針であります。また同時に、顧客ニーズの高い福祉用具販売・レンタルサービス・住宅改修サービス等を充実し、事業間の相乗効果を高めていく方針であります。

また、これらの事業に加え、デイサービス及び小規模多機能型居宅介護の通所系事業、有料老人ホーム及びグループホームの介護施設、並びに保育事業等の福祉施設を積極的に出店することに加え、介護福祉周辺の新規事業開発を積極的に進め、望ましい事業ポートフォリオを構築することにより、当社グループの体質強化を図っていく方針であります。

しかしながら、こうした課題への対処が適切かつ迅速に行われなかった場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

(6)新規出店について

当社グループでは、出店にあたり緻密なマーケティングと十分な人財育成をベースに介護施設や保育施設の新規開設を推し進めております。また、充分な新規開設案件数確保のため専門部署の設置と機能強化に努めておりますが、好立地に物件を確保できない場合や、地域的及び経済的要因、並びに人員確保が円滑に進まない等、開設事業計画に大幅な乖離が生じた場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 (7)高齢者介護に付随する安全管理・健康管理について

当社グループが提供する介護サービスのうち、在宅系介護事業及び施設系介護事業のサービス受給者は、主に要介護認定を受けた高齢者等であり、サービスの提供時においては、当該サービス受給者の転倒事故・食物誤嚥事故等高齢者特有の事故の発生や体調悪化等が生じる可能性が高いといえます。また、特に施設系介護事業においては、集団感染や食中毒が発生する恐れもあります。

当社グループは、介護サービス提供中における安全管理・健康管理に細心の注意を払うとともに、研修センターにおける徹底したスキルアップ研修やマニュアルの整備等により、事故の発生防止や緊急時対応について積極的に取り組んでおりますが、万が一、介護サービス提供時に事故やサービス受給者の体調悪化等が発生し、過失責任が問われるような事態が生じた場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 (8)情報管理について

当社グループの介護サービス提供対象者は、主に要介護認定を受けた高齢者等であり、その個人情報については、高度な機密性が必要なものと認識しております。当該情報に関しては、介護保険法及び個人情報保護法等の関連諸法令を遵守し、その取り扱いには管理体制の充実と細心の注意を払っておりますが、万が一、外部からの不正アクセスや社内管理の不手際等から、情報の漏洩が発生した場合、損害賠償請求や社会的信用の失墜等により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える場合があります。

また、当社グループは、顧客管理や業務の効率化を目的として、基幹業務システムを使用しておりますが、かかるサーバの故障等に備えデータの定期的なバックアップ体制を整備しております。しかしながら、地震などの天変地異によるオンライン不能やサーバの停止等により、業務遂行に大きな支障をきたした場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

 (9)施設の賃貸借契約について

当社グループが運営する「有料老人ホーム」「グループホーム」は、主に初期投資を抑えるために家主との間で一棟毎の賃貸借契約を締結しております。賃貸借契約時に敷金、建設協力金を差し入れており、当連結会計年度末時点での差入保証金の残高が2,472,908千円となっており、総資産に占める比率は6.6%となっております。また、契約期間は主として20~25年間であり、家主にとっては長期安定収入が得られ、当社にとっても安定継続的に施設を賃借・運営できます。しかしながら、短期間での施設閉鎖や入居費用の見直しが困難であることから、近隣家賃や同業者の入居費用相場等が大幅に下落し、既存施設の競争優位性が損なわれた場合や、家主の信用状況の悪化等により、差し入れている敷金、建設協力金の一部又は全額について回収できなくなった場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

(10)減損について

当社グループが保有する固定資産について、今後当社グループ各社の収益性が低下した場合、減損損失の計上が必要となり、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。当社グループではこの影響を軽減するため、個々の投資案件の収益性を厳しく見定めるとともに、事業所別の損益管理を厳格化することを通じ、減損の兆候が生じる事業所を減らせるよう努めております。

(11)有利子負債依存度について 

当社グループは、「(5)事業展開について」及び「(6)新規出店について」において記載の通り、介護福祉分野を中心とした新規事業所開設を積極的に推し進める方針を取っておりますが、こうした事業計画を達成するためには多額の資金が必要となります。上記を鑑みて、当社グループでは従来、施設建物を主に家主からの長期リース契約とすることで、新規事業所の初期投資を抑えるよう努めるとともに、不足する資金を銀行からの借入れにより賄ってきたことから、当連結会計年度末時点での有利子負債の残高が22,964,523千円(内、リース債務18,447,787千円)となっており、総資産に占める有利子負債残高の比率は61.1%(内、リース債務見合いの比率49.1%)と有利子負債依存度が高い水準にあります。

以上のことから、金融情勢の変化などにより計画通りに資金が調達出来ない場合や金利水準が上昇した場合、事業計画の修正や支払利息の増大により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 (12)リース会計基準変更の可能性について

当社グループでは、「(9)施設の賃貸借契約について」及び「(11)有利子負債依存度について」において記載の通り、「有料老人ホーム」「グループホーム」開設に際して、施設建物・土地を主に家主からの長期リース契約としておりますが、賃貸借契約の内容を踏まえて一部をオペレーティング・リースとして処理していることから、これらについては貸借対照表に計上されておりません。しかしながら、今後リース会計基準が改正され、オペレーティング・リースについても資産・負債を計上することになった場合には、建物・土地の使用権相当額が資産・負債として貸借対照表に計上されることとなります。この変更に伴い、当社グループの自己資本比率が現状より低下するとともに、減損対象資産の増加により減損損失計上が必要となった場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 (13)教育事業について

当社グループが行う介護人財の教育事業は、新たな介護保険法の改正がおこなわれ、介護報酬が引き下げられた場合、介護サービス従事者の待遇改善の課題がより深刻化し、介護業界離れが進行することにより受講者数が減少し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

(14)人財サービス事業について

当社グループが行う人財サービス事業は、「労働者派遣法」に基づく一般労働者派遣事業許可を受けて行っている事業及び「職業安定法」に基づく有料職業紹介事業許可を受けて行っている事業です。

今後、何らかの理由により当該許可の取消事由及び欠格事由に該当した場合、業務の全部若しくは一部の停止が命ぜられることにより、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(15)保育事業について

当社グループの保育事業においては、介護事業同様、人員基準及び設置基準が厚生労働省令及び各自治体条例で規定されています。このため、保育事業においても有資格者や優秀な人財に対する需要が高まっており、計画通り人員が確保できない場合、当社グループの事業運営に影響を与える可能性があります。また、感染症の蔓延、不測の事故等による監督官庁からの行政処分やその風評による2次的影響を受けた場合や、我が国における少子化が、想定を超えて進行した場合、計画通りの稼働が出来ないことにより、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

(16)風評等の影響について 

当社グループが事業を展開する介護業界は、利用者及びその介護に関わる関係者の信頼や評判が当社グループの事業運営に大きな影響を与えるものと認識しております。当社グループでは、経営理念を浸透させるとともに、充実した研修等を実施することにより、利用者の信頼を得られる高品質なサービスを提供できるよう努めておりますが、何らかの理由により当社グループの評判を棄損する情報や風評が流れた場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 (17)食中毒について

当社グループが運営する介護施設においては、ご利用者に対し食事を提供しております。厨房の整理・整頓及び食材の安心・安全な調達・調理に取り組んでおりますが、喫食されたご利用者の中から食中毒による集団感染が広がった場合、営業停止等の行政処分やご利用者離れにより、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 (18)自然災害について

当社グループが運営する介護施設においては、地震や水害等の大規模な自然災害が発生した場合に備え、各施設においてBCP(事業継続計画)を策定するとともに、定期的に防災訓練を実施しておりますが、想定を上回る規模の自然災害が発生した場合、事業運営に支障をきたし、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 (19)海外における事業展開について

当社グループは、中華人民共和国及びベトナム社会主義共和国に設立した在外子会社において、本格的な海外展開の基盤構築のための取り組みを進め、中長期的には海外事業を成長の柱に育てることを計画しておりますが、海外事業の展開には、これら子会社が所在する地域での政治・経済情勢の変化、予期しえない法規・租税制度等の変更、商慣行の相違、自然災害や感染症の発生、為替レートの変動等、数多のリスクが内在し、これらリスクの顕在化により当初計画通りに事業が展開できない場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

このようなリスクを極小化するため、当社グループでは、拙速な海外展開を厳に慎み、現地におけるマーケティングと当社グループの経営理念や介護サービスの特徴についての浸透を優先するとともに、現地への従業員派遣に加えて、海外展開に精通したコンサルティング会社との情報交換を密に行うことにより、現地情勢の適時、適確な把握に努めております。

 (20)新型コロナウイルス感染症に関するリスクについて

新型コロナウイルス感染症の業績への影響は、当連結会計年度におきましては軽微でありました。一方で、国内における感染状況には落ち着いているものの、欧州を始め他国では感染拡大傾向が見られていることに加えて、新たな変異ウイルスの出現など、依然予断を許さない状況であります。今後の感染状況によっては、行政からのサービス休止・縮小要請、従業員やご利用者への感染による事業所の一時的な閉鎖、サービスのキャンセル増加などにより、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

当社グループでは、アルコール、次亜塩素酸等の消毒剤やマスク、防護服等の保護具の備蓄に努め、WEB会議システムや面会システムの導入、事務所及び会議室へのパーテーション設置に加えて、感染の疑いがある場合には、直ちにPCR検査を受診するなどの対策により、新型コロナウイルス感染症予防に努めております。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度より会計方針を変更しております。詳細は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)」をご参照ください。前年同期及び前期末との比較については、遡及適用後の数値で比較分析を行っております。

(経営成績等の状況の概要)

(1) 経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の度重なる感染拡大を受け、多くの自治体に、緊急事態宣言、まん延防止等重点措置が断続的に実施されました。そして、8月下旬以降感染状況が急速に改善したことを受け、2021年9月末で緊急事態宣言、まん延防止等重点措置が全ての対象地域で解除されたことから、個人消費に改善傾向が見られました。しかしながら、感染再拡大に対する懸念が根強いことから、勢いを欠いた経済活動を余儀なくされました。

海外においては、主に先進諸国で、政府による追加経済支援策や新型コロナウイルス感染状況の改善を受けた行動制限の緩和による社会経済活動の正常化など、景気回復基調の継続への期待感から、ニューヨーク市場における株価指数の史上最高値更新を始め、世界的な株価指数の高騰が見られました。その一方で、変異ウイルスによる感染再拡大や供給網の混乱、原油価格高騰などを背景としたインフレ進行などに加えて、中東や東南アジアにおいて政情不安が高まりを見せるなど、様々な下振れリスクを抱えながら推移いたしました。

一方、景気の先行きにつきましては、感染の世界的大流行に対処した行動変容による生産性の向上や新型コロナワクチン接種の進展に伴う感染状況の改善が期待されております。しかしながら、一部先進国でブースター接種が開始される一方、国民の大半が未接種者の国が存在するなど、ワクチン供給の偏りが一層深刻化しており、パンデミックの終息になお長期間を要するとともに各国内、各国間双方において経済格差の更なる拡大が懸念されるところであります。その他、更なるインフレ高進、米国長期金利上昇、米中間緊張関係長期化など様々なリスクに晒されており、予断を許さない状況が予想されます。

介護業界におきましては、高齢化率が年々上昇し、介護サービスの需要が益々高まりつつありますが、介護従事者については、有効求人倍率が高い数値で推移しており、人財の確保が経営上の最重要課題となっております。その対応策の一つとして、2019年10月には消費増税による負担増の緩和のため、基本報酬が増額改定されるとともに、介護職員特定処遇改善加算が制定されました。また、2021年4月に介護報酬が改定され、基本報酬の増額や新型コロナウイルス対応のための時限的報酬増額など事業者に有利な改定がなされる一方、介護事業者に新たな取り組みが課されるなど負担増となる内容も含まれております。

このような状況の下、当社グループは、ご利用者に品質の高いサービスを提供するため、介護職員の処遇改善及び研修体制の充実に努めるとともに、独自に創設した「誰伸び人事制度」の更なる進化に加え、社内求職者紹介制度の積極的な活用、更には、あらゆる世代の従業員が生きがいを持って働き続けられるための定年制度撤廃や全パートタイマーの有期から無期雇用契約への変更等、従業員が働きやすい環境を整備することによって雇用の安定 に努めております。

また、上述の介護職員特定処遇改善加算については、事業所のリーダー層及びリーダー候補層の処遇改善を重視した還元策を導入・実施し、これら中核層の従業員の満足度向上にも努めております。2021年度の介護報酬改定については、内容の精査に努め、コストと報酬のバランスを見極めた上で、加算報酬の算定に向けた取り組みを進めております。

緊急事態宣言下において、多くの業界で営業自粛が求められる中、介護業界に関してはご利用者やご家族が健やかな生活を送る上で必要不可欠なサービスであることから、政府、自治体から事業継続要請がなされました。

当社グループにおきましては、福祉サービスがご利用者の生活に必要不可欠なサービスであると改めて強く認識するとともに、特に介護の現場においては高齢のご利用者と直に触れ合うことを前提に、新しい生活様式の趣旨を勘案し、感染リスク、感染拡大リスクを可能な限り抑制するため感染症対策を徹底しつつ、ご利用者に寄り添った介護を継続できるよう最善を尽くしてまいりました。

なお、当連結会計年度において、介護サービス事業者への感染症対策に関する交付金が支給されました。当該交付金を活用し購入した備品等1億47百万円を販売費及び一般管理費に計上し、営業利益に影響を与えておりますが、支給された交付金を営業外収益に計上していることから、経常利益に影響はございません。

 

これらの結果、当連結会計年度の売上高は363億61百万円(前年同期比7.0%増)、営業利益15億6百万円(同12.5%増)、経常利益16億77百万円(同51.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は9億37百万円(同33.0%増)となりました。

セグメント別の業績は次のとおりであります。なお、セグメント別の各金額は、セグメント間取引等相殺消去前の金額によっております。

①在宅系介護事業

当事業におきましては、当連結会計年度において、大阪府に3拠点、東京都に3拠点、愛知県に2拠点、兵庫県に2拠点、京都府に1拠点、千葉県に1拠点、福岡県に1拠点の計13拠点を出店いたしました。出店に際しては緻密なマーケティングと十分な人財育成をベースに推し進め、早期黒字化を図るとともに、介護職の処遇改善に努めてまいりました。その結果、当連結会計年度の売上高は123億39百万円(前年同期比7.7%増)、セグメント利益は19億65百万円(同33.8%増)となりました。

②施設系介護事業

当事業におきましては、当連結会計年度において、大阪府に2施設、兵庫県に1施設、広島県に1施設の計4施設をオープンいたしました。また、緊急事態宣言、まん延防止等重点措置等の影響により、営業活動への制約や入居時期の先送りが見られるとともに、感染対策経費が増大したものの、的を絞った営業活動により当事業の業績は改善傾向にあります。その結果、当連結会計年度の売上高は187億41百万円(前年同期比2.8%増)、セグメント利益は9億53百万円(同12.9%増)となりました。今後も引き続き入居者獲得に注力し、収益改善に取組んでまいります。

③その他

その他の事業におきましては、ご利用者の安心・安全・利便・生きがいを提供するため、介護人財の教育事業にて4拠点、障がい者(児)通所支援サービスにて3拠点、ダイニング事業にて5拠点、医療サポート事業にて1拠点、保育事業にて3拠点、新規事業である学童事業にて1拠点の計17拠点を出店するなど積極的な営業展開を図り、売上伸長に注力いたしました。また、当連結会計年度において、東京都及び大阪府において開設いたしました認可保育所に対して自治体から支給が決定された補助金を営業外収益に計上しております。その結果、当連結会計年度の売上高は79億89百万円(前年同期比18.2%増)、セグメント利益は7億96百万円(同58.8%増)となりました。

 

地域別在宅系介護事業所数の推移

区分

2020年10月期末

2021年10月期末

増減

大阪府

訪問介護

71

73

2

居宅介護支援

30

30

デイサービス

6

6

その他

3

3

兵庫県

訪問介護

21

24

3

居宅介護支援

4

4

その他

1

1

京都府

訪問介護

7

8

1

居宅介護支援

1

1

デイサービス

1

1

その他

7

7

東京都

訪問介護

47

50

3

居宅介護支援

26

27

1

デイサービス

5

5

その他

1

△1

神奈川県

訪問介護

4

4

千葉県

訪問介護

1

1

居宅介護支援

1

1

埼玉県

訪問介護

1

1

居宅介護支援

1

1

愛知県

訪問介護

7

8

1

居宅介護支援

2

3

1

デイサービス

3

3

その他

3

3

福岡県

訪問介護

6

7

1

居宅介護支援

1

1

デイサービス

4

4

その他

1

1

広島県

訪問介護

2

2

宮城県

訪問介護

4

4

居宅介護支援

1

1

合 計

 

271

285

14

 

 

 

地域別施設系介護事業所数の推移

区分

2020年10月期末

2021年10月期末

増減

大阪府

有料老人ホーム

11

12

1

グループホーム

18

19

1

兵庫県

有料老人ホーム

6

7

1

グループホーム

12

12

京都府

有料老人ホーム

2

2

グループホーム

12

12

東京都

有料老人ホーム

11

11

グループホーム

14

14

千葉県

有料老人ホーム

3

3

グループホーム

2

2

神奈川県

有料老人ホーム

3

3

グループホーム

3

3

埼玉県

有料老人ホーム

3

3

愛知県

有料老人ホーム

3

3

グループホーム

6

6

福岡県

グループホーム

4

4

広島県

有料老人ホーム

1

1

グループホーム

2

3

1

宮城県

グループホーム

1

1

合 計

117

121

4

 

 

 

その他の事業所数の推移

区分

2020年10月期末

2021年10月期末

増減

大阪府

訪問看護

4

5

1

障がい児通所支援

12

14

2

認可保育所

3

5

2

介護人財の教育

8

8

ダイニング

14

17

3

その他

8

9

1

兵庫県

訪問看護

2

2

障がい児通所支援

2

2

介護人財の教育

2

3

1

ダイニング

6

7

1

その他

2

2

京都府

訪問看護

2

2

介護人財の教育

1

2

1

ダイニング

1

1

その他

1

1

奈良県

介護人財の教育

1

1

滋賀県

介護人財の教育

1

1

東京都

訪問看護

1

1

障がい児通所支援

2

3

1

認可保育所

3

4

1

介護人財の教育

5

8

3

ダイニング

14

16

2

その他

7

7

千葉県

介護人財の教育

1

1

ダイニング

3

3

神奈川県

介護人財の教育

1

1

ダイニング

3

3

埼玉県

介護人財の教育

1

1

ダイニング

3

3

愛知県

介護人財の教育

4

4

ダイニング

3

3

岐阜県

介護人財の教育

1

1

福岡県

訪問看護

1

1

介護人財の教育

1

1

広島県

ダイニング

1

1

合 計

 

125

144

19

 

 

 

(2) 財政状態の状況

① 資産

当連結会計年度末における資産は、前連結会計年度末に比べ14億4百万円増加し、376億円となりました。

② 負債

当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末に比べ2億95百万円減少し、308億26百万円となりました。

③ 純資産

当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べ16億99百万円増加し、67億74百万円となりました。

 

(3) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ1億1百万円減少し、28億23百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況と要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動により得られた資金は、26億11百万円(前年同期は28億75百万円の収入)となりました。これは主として、税金等調整前当期純利益14億68百万円、減価償却費13億82百万円、賞与引当金の増加額2億46百万円による資金の増加、及び利息の支払額6億59百万円、法人税等の支払額4億63百万円、売上債権の増加額2億59百万円による資金の減少によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動により使用した資金は、13億80百万円(前年同期は11億6百万円の支出)となりました。これは主として、有形固定資産の取得による支出10億31百万円、無形固定資産の取得による支出1億64百万円、差入保証金の差入による支出61百万円による資金の減少によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動により使用した資金は、13億34百万円(前年同期は77百万円の支出)となりました。これは主として、長期借入れによる収入15億円による資金の増加、及び長期借入金の返済による支出16億27百万円、リース債務の返済による支出9億82百万円、配当金の支払額2億23百万円による資金の減少によるものであります。

 

(4) 生産、受注及び販売の実績

① 仕入実績

当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2020年11月1日

至 2021年10月31日)

仕入高(千円)

前年同期比(%)

在宅系介護事業

78,697

92.2

施設系介護事業

138,379

87.8

その他

1,282,935

107.4

合計

1,500,012

104.4

 

(注) 1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2 「その他」の仕入の主な内容は、福祉用具、食材及び介護用品、並びに教材の仕入等に係るものであります。

3 セグメント間取引については、相殺消去しております。

 

② 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2020年11月1日

至 2021年10月31日)

販売高(千円)

前年同期比(%)

在宅系介護事業

12,339,264

107.7

施設系介護事業

18,741,823

102.8

その他

5,279,914

122.7

合計

36,361,002

107.0

 

(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2019年11月1日

至 2020年10月31日)

当連結会計年度

(自 2020年11月1日

至 2021年10月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

大阪府国民健康保険
団体連合会

7,669,820

22.6

8,170,278

22.5

東京都国民健康保険
団体連合会

4,667,081

13.7

4,868,528

13.4

 

3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

③ 生産、受注の状況

該当事項はありません。

 

(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。

当社グループは、連結財務諸表作成にあたって、適切な会計方針を選択し、減損会計における将来キャッシュ・フローの見積りを始めとする、固有の見積りや判断が必要な事象については過去の実績等を勘案して合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるためこれらの見積りと異なる場合があります。詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」をご参照ください。

なお、当社グループが採用した会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)5 会計方針に関する事項」をご参照ください。

また、新型コロナウイルス感染症の国内における感染状況については、感染状況の改善を受け、2021年9月末を以って緊急事態宣言、まん延防止等重点措置が全ての適用地域で解除されるなど、感染は収束に向かっておりますが、欧州で感染が急拡大するなど、世界的には感染が拡大傾向にあることに加えて、新たな変異ウイルスが出現するなど、依然として収束時期は不透明であります。こうした状況を踏まえ、感染症の影響は少なくとも次期(2022年10月期)いっぱいはあるものと想定しております。このような環境下ではありますが、当社グループが主力とする介護事業は、ご利用者やそのご家族が健やかな生活を送る上で必要不可欠なサービスであることから、翌連結会計年度以降においても、事業環境が著しく悪化する可能性は極めて低いと仮定し、当該仮定を会計上の見積りに反映しております。

 

 

(2) 財政状態

当連結会計年度末における資産は、前連結会計年度末に比べ14億4百万円増加し、376億円となりました。

(流動資産)

当連結会計年度末における流動資産は、前連結会計年度末に比べ1億74百万円増加し、98億2百万円となりました。これは主として、売掛金の増加2億59百万円、及び現金及び預金の減少1億1百万円によるものであります。

(固定資産)

当連結会計年度末における固定資産は、前連結会計年度末に比べ12億29百万円増加し、277億98百万円となりました。これは主として、投資有価証券の増加15億33百万円、建物(純額)の増加6億63百万円、及びリース資産(純額)の減少12億41百万円によるものであります。

 

当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末に比べ2億95百万円減少し、308億26百万円となりました。

(流動負債)

当連結会計年度末における流動負債は、前連結会計年度末に比べ4億56百万円増加し、92億27百万円となりました。これは主として、賞与引当金の増加2億46百万円、1年内返済予定の長期借入金の増加1億99百万円、未払金の増加1億59百万円、及び預り金の減少1億97百万円によるものであります。

(固定負債)

当連結会計年度末における固定負債は、前連結会計年度末に比べ7億52百万円減少し、215億98百万円となりました。これは主として、リース債務の減少10億13百万円、長期借入金の減少3億26百万円、及び繰延税金負債の増加5億15百万円によるものであります。

 

(純資産)

当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べ16億99百万円増加し、67億74百万円となりました。これは主として、親会社株主に帰属する当期純利益を9億37百万円計上する一方、配当金を2億24百万円支払ったことによる利益剰余金の増加7億12百万円、及びその他有価証券評価差額金の増加9億71百万円等によるものであります。

 

(3) 経営成績

①売上高

当連結会計年度は、全セグメントに共通する売上増加要因として、2021年4月の介護報酬のプラス改定がありました。各セグメント固有の増減要因については、在宅系介護事業セグメントにおいて、主に訪問介護事業所を積極的に開設したことに加え、加算報酬の取得を進めたことにより売上高が拡大いたしました。施設系介護事業セグメントにおいては、開設数は多くなかったものの、既存施設の入居促進に集中したことが奏功し売上高が拡大いたしました。また、その他のセグメントにおいては、介護人財の教育事業が好調であったことに加えて、保育事業、障がい児通所支援事業、訪問看護事業等で新規出店を進めたことから売上高が拡大いたしました。これらの結果、当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べて23億76百万円増加し、363億61百万円となりました。

②売上原価

当連結会計年度は、在宅系介護事業セグメントにおいて、訪問介護事業所の積極的開設に伴う、当事業の従業員数増加により人件費が増加いたしました。施設系介護事業セグメントにおいても、新規施設開設に伴う従業員数増加による人件費を始めとする固定費増加により、売上原価が増加いたしました。また、その他のセグメントにおいては、保育事業、障がい児通所支援事業、訪問看護事業等で新規に出店したことから、これら事業所に係る人件費を始めとする固定費の増加により、売上原価が増加いたしました。これらの結果、当連結会計年度の売上原価は、前連結会計年度に比べて13億15百万円増加し、276億26百万円となりました。その結果、売上総利益は前連結会計年度に比べて10億61百万円増加し、87億34百万円となりました。

 

③販売費及び一般管理費

当連結会計年度は、各セグメント共通の販売費及び一般管理費増加要因として、国及び自治体から介護サービス事業者に対して支給された交付金を活用し購入した備品等1億47百万円を販売費及び一般管理費に計上したことから、各セグメントに配賦される共通経費が前連結会計年度以上に増大したことが挙げられます。なお、これにより、営業利益にも影響を与えておりますが、支給された交付金を営業外収益に計上していることから、経常利益への影響はございません。各セグメント固有の増減要因については、在宅系介護事業セグメントにおいて、訪問介護事業所の積極的開設に伴う、初期投資及び固定費の増加により、販売費及び一般管理費が増加いたしました。施設系介護事業セグメントにおいては、主にエリアマネージャーの増員及び新規開設に伴う管理費増加を受けて、販売費及び一般管理費が増加いたしました。その他のセグメントにおいては、保育事業、障がい児通所支援事業、訪問看護事業等で新規に出店したことから、これら事業所に係る家賃を始めとした固定費増加に加えて、新規事業及び海外事業において、先行投資に係るコストの発生により、販売費及び一般管理費が増加いたしました。また、管理部門において、人財獲得に向けて様々な施策に取り組んだことに加えて、課税仕入れの増大に伴い控除対象外消費税が増加したことから、販売費及び一般管理費が増加いたしました。これらの結果、当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べて8億93百万円増加し、72億27百万円となりました。その結果、営業利益は前連結会計年度に比べて1億67百万円増加し、15億6百万円となりました。

④営業外損益

当連結会計年度の営業外収益は、前連結会計年度に比べて3億98百万円増加し、8億85百万円となり、また、当連結会計年度の営業外費用は、前連結会計年度に比べて3百万円減少し、7億14百万円となりました。営業外収益増加の主因は、主に、その他のセグメントにおいて、保育施設の開設が2拠点から3拠点に増加したことに伴い整備補助金が増加したことに加えて、国及び各自治体から支給された新型コロナウイルス関連補助金を各セグメントに計上したことによって、補助金収入が3億78百万円増加したことであります。その結果、経常利益は前連結会計年度に比べて5億69百万円増加し、16億77百万円となりました。

⑤特別損益

当連結会計年度は特別利益が発生せず、前連結会計年度に比べて35百万円減少いたしました。また、当連結会計年度の特別損失は、前連結会計年度に比べて1億6百万円増加し、2億9百万円となりました。特別損失増加の主因は、減損損失が1億7百万円増加したことであります。その結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べて2億32百万円増加し、9億37百万円となりました。

 

(4) 経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループでは、長期的・継続的な企業価値の向上及び株主資本の効率的活用が重要であると認識しており、売上高伸長率、売上高経常利益率並びにROE(自己資本利益率)を主要な経営指標として位置づけております。

当社グループは、介護事業の市場拡大基調が継続するとの予測に基づき、売上高及び市場占有率拡大を優先することが経営指標の持続的向上に寄与するとの判断から、積極的に事業所の開設を進めてまいりました。このような方針の下、当連結会計年度の売上高伸長率は7.0%となりました。また、売上高経常利益率は、前連結会計年度比1.4ポイント改善し4.6%、ROE(自己資本利益率)は、前連結会計年度比0.8ポイント改善し15.8%となりました。今後も引き続き、在宅系介護事業セグメントでは稼働時間の増加、施設系介護事業セグメントでは空床率及び入院率の低減を図ることによって、これらの指標を向上させるべく努めてまいります。

 

(5) 資本の財源及び資金の流動性に関する情報

当連結会計年度に係るキャッシュ・フローにつきましては、「経営成績等の状況の概要 (3) キャッシュ・フローの状況」に記載の通りであります。

当社グループの資金需要のうち主なものは、新規開設に係る設備資金(主に、介護施設備品、保育所建設工事等の初期投資)と人件費であります。人件費については自己資金、新規開設に係る設備資金については金融機関からの借入金により賄い、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

該当事項はありません。