第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

 当中間連結会計期間において、当半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項の発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)財政状態及び経営成績の状況

 当中間連結会計期間におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善に加え、物価高対策を含む政府の内需支援策の効果もあって、回復基調を維持しております。また、円安の継続に伴いインバウンド需要が拡大しており、個人消費も所得の改善を背景に持ち直しの動きが見られました。

 先行きについては、こうした底堅い内需が引き続き景気を支えると見込まれる一方、米国の通商政策(関税措置など)や欧州の高金利の継続、中国の不動産市場の調整といった海外要因が、下振れリスクとして警戒されます。さらに、中東地域の地政学的リスク、それに伴うエネルギー価格の変動や金融資本市場の不安定な動きにも十分な注意が必要です。

 国内では、企業物価指数の上昇が続き、特にエネルギーや食料品にかかる仕入コストの増加が、企業のコスト構造を圧迫しています。加えて、慢性的な人手不足に伴う人件費の増加もあり、収益性への影響が懸念される状況です。これらのコスト上昇は為替や国際情勢に左右されやすく、今後の経営環境の不確実性を高める要因となっております。

 一方で、家計部門では名目賃金が上昇しているものの、消費者物価の伸びがこれを上回る局面も見られ、実質賃金の停滞が個人消費の制約要因となっております。特に耐久消費財への支出に選別的な傾向が強まり、個人消費全体の回復力には慎重な見方が必要です。

 主力である介護事業においては、高齢化の進行を背景にサービス需要は堅調に推移しておりますが、介護人財の確保が引き続き大きな課題となっております。有効求人倍率は依然として高く、他産業との賃金格差も解消されていないため、採用競争が継続しています。

 当社グループでは、これらの課題に対応すべく、「インクルーシブカンパニー(※多様な人財が活躍できる企業)」の実現を掲げ、国籍・世代・雇用形態を問わず働きやすい職場づくりを推進しています。その一環として、定年制度の撤廃、パートタイマーの無期雇用への転換、外国籍人財の積極採用と育成を進めております。

 また、業務効率化にも取り組んでおり、社内システムの内製化や消耗品の最適調達、エネルギーコスト対策などを通じて、収益構造の改善に努めております。

 こうした取り組みのもと、施設系介護サービスでは入居者数の持ち直しが継続しており、利用控えの傾向にも一定の改善が見られました。一方で、人員確保に要する採用・教育コストや水道光熱費の高止まりといったコストの上昇は継続しており、費用面での経営負担は引き続き大きい状況です。

 これらの結果、当中間連結会計期間の売上高は236億13百万円(前年同期比7.6%増)、営業損失10百万円(前年同期は6億31百万円の営業損失)、経常損失1億55百万円(前年同期は3億19百万円の経常損失)、親会社株主に帰属する中間純損失は34百万円(前年同期は4億70百万円の親会社株主に帰属する中間純損失)となりました。

 

 セグメント別の業績は次のとおりであります。なお、セグメント別の各金額は、セグメント間取引等相殺消去前の金額によっております。

 

① 在宅系介護事業

 当事業におきましては、当中間連結会計期間において愛知県に2拠点、大阪府に1拠点、滋賀県に1拠点、岡山県に1拠点、山口県に1拠点(当社として初の出店となります)の計6拠点を出店いたしました。出店に際しては、緻密な市場分析を行った上で出店することで、早期黒字化を図るとともに、M&Aも選択肢としております。また、人財育成の場としても新規出店は有用であり、共に働く仲間の新規開拓にも力を入れ、介護職全体の処遇改善に努めてまいりました。その結果、当中間連結会計期間の売上高は73億81百万円(前年同期比1.0%増)、セグメント利益は14億11百万円(前年同期比16.8%増)となりました。

 

② 施設系介護事業

 当事業については、当中間連結会計期間において、東京都に1拠点、京都府に1拠点の計2拠点を出店いたしました。入居ペースの鈍化は一定の改善が見られ、利用状況は回復基調を示しております。一方で、食材費や水道光熱費は依然として高水準で推移しており、原材料価格およびエネルギーコストの上昇がコスト構造に対して継続的な負担となっています。収益性の確保に向けてコスト抑制の取り組みを継続しておりますが、売上の回復を費用増加が上回る構図となり、採算性の改善にはなお時間を要する状況です。その結果、当中間連結会計期間の売上高は124億19百万円(前年同期比8.7%増)、セグメント利益は6億11百万円(前年同期は10百万円のセグメント損失)となりました。

 

③ その他

 その他の事業については、当中間連結会計期間において、ダイニング事業にて1拠点、訪問看護事業にて2拠点を出店いたしました。前連結会計年度に開設した障がい事業および保育事業を中心に、売上及び利益伸長に注力いたしました。その結果、当中間連結会計期間の売上高は56億86百万円(前年同期比13.6%増)、セグメント利益は3億49百万円(前年同期比30.6%減)となりました。

 

 財政状態は、次のとおりであります。

(資産)

 当中間連結会計期間末の流動資産は、前連結会計年度末に比べ4億87百万円増加し、126億80百万円となりました。これは主として、現金及び預金の増加5億34百万円、売掛金の増加1億41百万円および、流動資産その他の減少1億85百万円によるものであります。固定資産は前連結会計年度末に比べ9億20百万円減少し、185億53百万円となりました。これは主として、リース資産(純額)の減少4億2百万円、投資有価証券の減少6億67百万円によるものであります。この結果、資産合計は前連結会計年度末に比べ4億33百万円減少し、312億34百万円となりました。

 

(負債)

 当中間連結会計期間末の流動負債は、前連結会計年度末に比べ4億14百万円増加し、123億73百万円となりました。これは主として、1年内返済予定の長期借入金の増加1億8百万円、未払金の増加3億12百万円によるものであります。固定負債は、前連結会計年度末に比べ2億9百万円減少し、147億73百万円となりました。これは主として、長期借入金の増加2億4百万円、およびリース債務の減少4億9百万円によるものであります。この結果、負債合計は前連結会計年度末に比べ2億5百万円増加し、271億46百万円となりました。

 

(純資産)

 当中間連結会計期間末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ6億39百万円減少し、40億87百万円となりました。これは主として、その他有価証券評価差額金が4億18百万円減少したこと、配当金を1億34百万円支払ったこと等により利益剰余金が1億69百万円減少したことによるものであります。

 

(2)キャッシュ・フローの状況

 当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ5億34百万円増加し、36億10百万円(前年同期比16億11百万円増)となりました。当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況と要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動により得られた資金は、8億17百万円(前年同期は18百万円の支出)となりました。これは主として、減価償却費6億86百万円、未払金の増加額3億18百万円、税金等調整前中間純利益98百万円による資金の増加、および利息の支払額2億43百万円、売上債権の増加額1億41百万円、法人税等の支払額66百万円による資金の減少によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動により使用した資金は、54百万円(前年同期は12億52百万円の支出)となりました。これは主として、投資有価証券の売却による収入2億68百万円による資金の増加、差入保証金の差入による支出1億10百万円、有形固定資産の取得による支出74百万円による資金の減少によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動により使用した資金は、2億9百万円(前年同期は6億70百万円の収入)となりました。これは主として、長期借入れによる収入16億円による資金の増加、および長期借入金の返済による支出12億86百万円、リース債務の返済による支出4億35百万円、配当金の支払額1億34百万円による資金の減少によるものであります。

 

(3)経営方針・経営戦略等

 当中間連結会計期間において、当社グループの経営方針・経営戦略等に重要な変更はありません。

 

(4)事業上及び財務上の対処すべき課題

 当中間連結会計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。

 

(5)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

 

(6)研究開発活動

 該当事項はありません。

 

3【経営上の重要な契約等】

 当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。