第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、輸出や生産面に新興国経済の減速の影響がみられるものの、国内需要の面では、企業収益が明確な改善を続ける中で、設備投資が緩やかな増加基調にある他、雇用・所得環境の着実な改善を背景に、個人消費は底堅く推移するなど、緩やかな回復を続けております。一方で原油価格の急落や為替の変動等、景気の先行きについては不透明な部分も残されております。

介護サービス業界においては、引き続き高齢化が進むなか、介護サービス受給者数が増加し、介護サービスの需要は高まっております。その一方で、介護サービスの担い手である介護従事者の確保については、有効求人倍率が依然高い数値で推移するなど難しい状況にあります。こうした中で、平成27年4月に行われた介護報酬改定においては、介護職員の処遇改善のための加算が拡充されたものの、全体の基本報酬単価はデイサービスを中心に大きく引き下げられ、あわせてサービス提供体制の強化、中重度の要介護者・認知症高齢者に対する対応等への加算が強化されるなど、介護事業者それぞれの対応力が求められるものとなっております。

このような状況の中、当社グループでは、サービス提供体制の見直しを行い、介護保険法に定める要件を満たすことで積極的に各種加算の取得を進め、あわせて新規お客様の獲得に注力し、介護報酬改定による基本報酬単価減少の影響を補うよう対応してまいりました。また、スタッフの処遇改善により人件費は増加傾向にあるものの、その他費用を抑制し、利益の確保に努めてまいりました。

この結果、売上高は359億52百万円(前年同期比8.2%増)、営業利益は18億18百万円(同15.0%増)、経常利益は17億13百万円(同9.6%増)及び親会社株主に帰属する当期純利益は8億67百万円(同11.9%増)となりました。

営業所数につきましては、持分法適用会社を含め26都道府県497ヶ所(平成27年3月期末比11ヶ所増)となりました。

 

当連結会計年度におけるセグメントの業績を示すと、次のとおりであります(セグメント間取引を含む)。

 

・介護サービス事業

主に訪問看護サービス、居宅介護支援サービス、小規模多機能型居宅介護サービスにおいて、新規お客様の獲得により稼働効率が高まったこと、加えて、株式会社虹の街を当第2四半期連結会計期間より連結子会社化したことにより、売上及び利益が増加しました。その一方で、デイサービスやショートステイ等で介護報酬改定のマイナス影響を補いきれず、収益力が低下しました。これらの結果、売上高は349億95百万円(前年同期比8.5%増)、営業利益は12億71百万円(同9.2%増)となりました。

 

・その他

その他では、セントワークス株式会社において介護保険請求ASPシステムの販売が順調に推移した一方で、株式会社アイエヌジーにおいてペット事業及び動物病院事業を会社分割のうえ、株式譲渡したことによる売上高の減少があり、売上高は14億43百万円(同1.2%減)、営業利益は2億73百万円(同26.0%増)となりました。

 

(2)キャッシュ・フローの状況

  当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、35億53百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

  営業活動の結果得られた資金は、19億49百万円となりました。これは主に税金等調整前当期純利益及び賞与引当金の増減額によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

  投資活動の結果使用した資金は、2億82百万円となりました。これは主に定期預金の預入による支出、連結範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出及び有形固定資産の取得による支出があった一方で、定期預金の払戻による収入によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

  財務活動の結果使用した資金は、1億33百万円となりました。これは主に配当金の支払額によるものであります。

 

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)生産実績

該当事項はありません。

 

(2)商品仕入実績

当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

仕入高(千円)

前年同期比(%)

介護サービス事業

1,104,907

112.0

その他

49,563

159.3

合計

1,154,471

113.5

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.金額は仕入価格によっております。

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(3)受注実績

該当事項はありません。

 

(4)販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

介護サービス事業

34,991,715

108.5

その他

960,810

98.1

合計

35,952,525

108.2

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

相手先

前連結会計年度

(自  平成26年4月1日

至  平成27年3月31日)

当連結会計年度

(自  平成27年4月1日

至  平成28年3月31日)

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

千葉県国民健康保険団体連合会

4,407,717

13.3

4,564,087

12.7

神奈川県国民健康保険団体連合会

4,189,136

12.6

4,402,477

12.2

 

3【対処すべき課題】

(1)人材の採用への取り組み

 介護サービス業界では、サービスの提供にあたり、運営基準上必要となる有資格者(看護師・介護支援専門員(ケアマネジャー)・介護福祉士等)が必要不可欠であるものの、慢性的に人材が不足しております。

 当社グループとしましても、これらの有資格者の確保は、今後の介護事業者に求められるサービス品質の向上、運営基準の遵守のために重要な課題であると認識しております。

 採用活動につきましては、広く優秀な人材の採用を強化するため、平成28年4月に西日本エリアにおける採用活動拠点となるオフィスを新たに開設し、新規学卒者をはじめ有資格者確保に向けた体制を拡充しました。また、当社の人事部門は介護サービス事業を行う子会社の採用担当と連携し、地域毎の人員状況に応じた採用手法をとることで、より効果的な採用活動を推進しております。

 

(2)収益性の向上について

介護サービス業界においては、高齢化に伴う介護ニーズが更に増加する一方で、将来において持続可能な介護保険制度とするための適正化の影響により、介護給付費の抑制傾向は強まるものと予想されます。

当社グループとしましては、介護福祉士等の資格取得支援の教育研修プログラムの拡充や有資格者の育成及び採用を強化することで、専門性の高いサービスを提供できる体制を構築し、積極的に介護保険法の定める各種加算の取得を図り、収益性を確保した事業展開を目指してまいります。

 また、新規営業所については、訪問看護や看護小規模多機能型居宅介護といった、地域包括ケアシステムの核となる医療との連携を担う拠点の開設を推進するとともに、これまで蓄積してきたノウハウを活かし、開設前の営業への注力や既存営業所との連携、日々の稼働状況を適切に把握することにより、早期黒字化に注力してまいります。

 

(3)サービス品質の向上への対応

当社グループの規模拡大に伴い新しいお客様とスタッフが増加していく中で、サービス品質の向上とお客様の安全確保の強化が課題となっております。特に、急激な増加が予想される認知症や医療ニーズの高いお客様への対応においては、サービスや法令に関する正しい知識とお客様の尊厳を守る高い意識が必要となります。

 当社グループとしましては、認知症への理解と対応及び虐待防止に関する研修、法令遵守に係る業務管理体制の整備、内部通報制度の運用などを行い、継続的な改善に努めております。

 

4【事業等のリスク】

当社グループの経営成績、株価及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のある事項には以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)介護保険制度について

当社グループの主要な事業であります介護サービス事業のうち、介護保険法上の訪問介護、訪問入浴介護、居宅介護支援、訪問看護、福祉用具販売・貸与、通所介護(デイサービス)、認知症対応型共同生活介護(グループホーム)、小規模多機能型居宅介護、特定施設入居者生活介護(介護付有料老人ホーム)、短期入所生活介護(ショートステイ)等のサービスが、当社グループの連結売上高の大部分を占めるため、当社グループの事業は介護保険法の影響を強く受けることとなり、次のようなリスクがあります。

①  法的規制について

介護保険法に基づく介護サービスを行うには、指定事業者としての指定を都道府県知事(地域密着型サービスについては市町村長)から受ける必要があります。指定事業者は、サービス毎に定められた事業の人員、設備及び運営に関する基準、並びに労働法規(労働基準法及び最低賃金法等)を遵守する必要があります。この基準並びに労働法規を遵守することができなかった場合やサービス費を不正に請求した場合などにおいては、指定の取消又は停止処分を受ける可能性があります。

また、事業所の指定取消処分がなされ、その理由となった不正行為に対して事業者の組織的関与が認められた場合、当該事業者及びそのグループ会社(当該事業者の親会社、子会社、兄弟会社)は、同一のサービス類型の他事業所について新規指定や更新を受けることができないものとされております(連座制)。なお、指定事業者としての指定は6年ごとに更新を受けなければ効力を失うものとされております。

当社グループでは、介護サービスを提供する子会社各社において、選任された法令遵守責任者を中心とした業務管理体制の中で事業所の運営体制を常時指導・監督するとともに、当社品質企画本部を中心として、各種マニュアルの整備及び研修を充実させることで管理体制の強化や教育の徹底を行い、適切な事業経営に努めております。また、当社総務・人事部を中心として各事業所における労働法規の遵守に努めております。

しかし万一、一部の事業所において指定の取消又は停止処分を受けた場合には、当該事業所の収益を失う可能性があります。さらに、連座制が適用された場合には、当該子会社及びグループ各社における当該サービス類型の事業所の新規指定及び更新を受けられず、計画している収益を達成できない可能性があります。

②  介護保険制度の改正について

介護保険法については、定期的に法律全般に関する検討が加えられ、その結果に基づき必要な見直し等が行われるとともに、3年に1度介護報酬の改定が行われることとされており、平成27年4月に改正介護保険法の施行及び介護報酬の改定が行われました。

介護サービスに係る単位数、地域区分による一単位の単価及び一人当たりの支給限度額等については、介護保険法及びその他の省令により定められているため、その変更等は当社グループの収益性に影響を与える可能性があります。さらに、高齢化に伴い年金・医療・介護等の社会保障財政に問題が生じ、お客様や介護サービス事業者に不利な制度改正が行われた場合には、お客様数や売上単価の減少によって当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(2)有資格者の確保について

当社グループがお客様に提供するほとんどの介護サービスについては、看護師・介護支援専門員(ケアマネジャー)・介護福祉士・ホームヘルパー等の有資格者によるサービスが義務付けられております。

当社グループでは、給与や待遇の改善により労働環境の改善を図り、有資格者の採用を強化すると同時に、実務経験に応じた段階的な技術向上を図り資格の取得を推奨するなど、有資格者の確保に努めております。

しかし、いずれの職種においても同業他社及び医療機関等と雇用関係で競合しているため、今後有資格者の確保が思うように進まない場合、当社グループの事業の維持、拡大に影響を与える可能性があります。

 

(3)安全管理及び健康管理について

当社グループの提供する介護サービス事業のお客様は主に要介護認定を受けた高齢者を対象としており、お客様の転倒事故の発生や状態急変といった体調悪化の危険が高いものと考えられます。また、感染症等が流行した場合には、お客様の体調悪化等によりサービスの提供を中止しなければならない状況が生じるおそれがあるほか、スタッフが感染した場合には稼働が不可能となる状況が生じるおそれがあります。

当社グループは、介護サービス手順のマニュアルによる標準化や社内研修の充実により、事故の発生防止や感染症の感染・拡大の防止、お客様の状態急変等の緊急時対策について積極的に取り組んでおりますが、万一サービス提供時に事故等が発生し、又は感染症が拡大し、当社グループの責任が問われた場合には、当社グループへの信用が低下し、業績に影響を与える可能性があります。

 

(4)災害等発生時の対応について

グループホームや有料老人ホーム等の介護施設において地震・洪水等の災害や火災が発生した場合、入居されているお客様は主に要介護認定を受けた高齢者であるため、避難させることが困難となる危険性を有しております。

当社グループでは、お客様が宿泊される全ての施設においてスプリンクラーを設置しております。また、災害時マニュアルを作成し周知徹底するほか、防火管理者等を選任し避難訓練や防火訓練を実施する等火災の予防や被害発生の最小化に努めております。

しかし、万一災害等が発生し、当社グループの責任が問われた場合には、当社グループへの信用が低下し、業績に影響を与える可能性があります。

 

(5)お客様の情報管理について

当社グループが提供しているサービスは主にお客様個人を対象としているため、当社グループのスタッフは、お客様本人の個人情報はもちろん、そのご家族等を含めた様々な個人情報に接することになります。これらの情報は、その機密保持について十分な配慮をしなければならないと認識しております。

当社グループでは、個人情報の管理方法についての教育研修を定期的に実施するほか各種マニュアルを整備するなど、様々な機会でその重要性を周知徹底しておりますが、万一情報管理上の問題が発生した場合、当社グループへの信用が低下し、業績に影響を与える可能性があります。

 

(6)コンプライアンスについて

  当社グループが提供している介護サービスは、社会的信用が企業価値に大きな影響を及ぼすものと認識しております。当社グループでは、コンプライアンスの徹底による社会的信用の構築を図るため、コンプライアンス推進の方針を定め、教育研修を行うなどにより、コンプライアンスの啓蒙・強化に努めております。

  しかし、万一コンプライアンスに反する、お客様の尊厳を損なう様な不適切なサービスが発生した場合などには、当社グループへの社会的信用が低下し、業績に影響を与える可能性があります。

 

5【経営上の重要な契約等】

(1) 当社は、平成27年6月30日付で、株式会社虹の街及び株式会社虹の街企画の全株式を取得する株式譲渡契約

を締結いたしました。

詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」に記載のとおりであります。

 

(2) 当社は、平成27年8月14日付で、当社を株式交換完全親会社とし、株式会社福祉の街を株式交換完全子会社とす

る株式交換契約を締結いたしました。

詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」に記載のとおりであります。

 

 

6【研究開発活動】

該当事項はありません。

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)財政状態の分析

当社は、今後展開する事業活動のための資金確保を前提とした、健全なバランスシートの維持に努めることを財務方針としております。

 

当連結会計年度末の総資産は前連結会計年度末(以下「前期末」という)より25億99百万円(前期末比15.6%)増加し、192億19百万円となりました。

流動資産は、前期末より19億79百万円(同28.6%)増加の89億6百万円となりました。流動資産増加の主な要因としては、現金及び預金が前期末より13億34百万円(同60.2%)、売掛金が前期末より6億3百万円(同14.9%)増加したことによるものであります。

固定資産は、前期末より6億19百万円(同6.4%)増加し、103億13百万円となりました。固定資産増加の主な要因としては、建物及び構築物(純額)3億15百万円(同16.0%)、リース資産(純額)2億53百万円(同8.1%)の有形固定資産が増加したことによるものであります。

 

当連結会計年度末の負債は前期末より19億29百万円(同18.3%)増加し、124億95百万円となりました。

流動負債は、前期末より8億73百万円(同18.6%)増加し、55億63百万円となりました。流動負債増加の主な要因としては、1年内返済予定の長期借入金が1億33百万円(同14.9%)、未払法人税等が1億78百万円(同52.5%)、賞与引当金が4億38百万円(同112.3%)増加したことによるものであります。

固定負債は、前期末より10億55百万円(同18.0%)増加し、69億32百万円となりました。固定負債増加の主な要因としては、長期借入金が前期末より6億77百万円(同44.2%)、リース債務が前期末より3億12百万円(同9.4%)増加したことによるものであります。

 

当連結会計年度末の純資産は、前期末より6億70百万円(同11.1%)増加し、67億23百万円となりました。純資産増加の主な要因としては、利益剰余金が6億73百万円(同16.5%)増加したことによるものであります。

 

(2)経営成績の分析

当連結会計年度の売上高は359億52百万円(前年同期比8.2%増)、営業利益は18億18百万円(同15.0%増)、経常利益は17億13百万円(同9.6%増)及び親会社株主に帰属する当期純利益は8億67百万円(同11.9%増)となりました。各指標の主な変動要因は以下のとおりとなります。

売上高は、株式会社虹の街(以下、虹の街)を当連結会計年度より連結子会社化したことにより10億85百万円の増加がありました。また平成27年4月の介護報酬改定(以下、報酬改定)による基本報酬単価の減少の影響が9億89百万円あったものの、地域区分単価の増加、処遇改善加算、特定事業所加算など各種加算の取得により相殺し、報酬改定関係で5億26百万円の売上高増加がありました。この他、お客様増加に伴う稼働改善により各サービスの売上高が訪問看護サービスで3億70百万円、小規模多機能型居宅介護サービスで2億27百万円増加しました。

営業利益は、デイサービスの報酬改定により1億44百万円減少したものの、虹の街の連結子会社化により1億9百万円、訪問看護サービスの稼働改善により1億52百万円、居宅介護支援サービスの稼働改善及び報酬改定により1億8百万円それぞれ増加しました。

 

(3)キャッシュ・フローの分析

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、35億53百万円(前期末比15億33百万円増)となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

営業活動によるキャッシュ・フローは、主に、売上が堅調に推移し税金等調整前当期純利益が17億円となったこと、賞与引当金の増減額が4億33百万円増加したことにより、19億49百万円の収入(前年同期比5億6百万円増)となりました。

投資活動によるキャッシュ・フローは、主に、定期預金の払戻による収入7億42百万円があった一方で、定期預金の預入による支出2億9百万円、連結範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出5億87百万円、有形固定資産の取得による支出1億63百万円により、2億82百万円の支出(同4億99百万円減)となりました。

財務活動によるキャッシュ・フローは、主に、配当金の支払額による支出1億94百万円により、1億33百万円の支出(同2億76百万円減)となりました。