当第2四半期連結累計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更があった事項は、次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
また、以下の見出しに付された項目番号は、前事業年度の有価証券報告書における「第一部 企業情報 第2 事業の状況 4 事業等のリスク」の項目番号に対応したものです。
(1)研究開発活動について
③研究および開発の進展を目的とした子会社・関連会社の設立について
当社は、当社の事業機会である創薬シーズ(がん関連遺伝子等)を最大限有効活用するため、平成16年8月に株式会社医学生物学研究所と、抗体医薬の開発・製造・販売を行うイムナス・ファーマ株式会社を設立致しました。なお、イムナス・ファーマ株式会社は、平成19年9月21日に当社が、株式会社医学生物研究所所有の株式を取得したことにより、当社の子会社となっております。
平成22年5月には、フランスでの抗体医薬をはじめとしたがん治療薬の研究開発体制を確立し、開発をより加速、充実させる目的で、現地子会社Laboratoires OncoTherapy Science France S.A.R.L.を設立致しました。
また、がん遺伝子の大規模解析検査ならびにがん免疫療法の研究開発を行う子会社として株式会社Cancer Precision Medicineを平成29年7月に設立致しました。本書提出日現在、当社の事業部門であった腫瘍免疫解析部について会社分割(簡易分割)し、株式会社Cancer Precision Medicineに事業承継させております。
今後も、研究及び開発の進展を目的として子会社や関連会社の設立を行う可能性がありますが、これら子会社、関連会社の研究及び開発活動が計画通りに実施できる保証はなく、また事業展開に伴う研究開発費用の増加等が当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
1. 当社は、平成29年7月11日に開催された取締役会において、がん遺伝子の大規模解析検査ならびにがん免疫療法の研究開発を行う子会社として、株式会社Cancer Precision Medicine(以下「CPM社」という)を設立することを決議いたしました。CPM社に対しては、グローバルなゲノム・トランスクリプトム・エピゲノム等の次世代シークエンス解析サービスを行っているTheragen Etex Co., Ltd.(本社:韓国、以下「TE社」)が資本参加・業務提携し、CPM社は、当社とTE社との合弁会社となっておます。また、同取締役会において、当社の事業部門であり、オンコアンチゲンをはじめとしたがん免疫療法の研究開発、及び最先端の取組みとして次世代シークエンサーを用いてT細胞/B細胞受容体の解析サービスを行っている腫瘍免疫解析部については、会社分割(簡易分割)をし、CPM社に事業を承継させることについて決定、同年9月29日にCPM社と吸収分割契約に関する契約を締結しました。
会社分割の概要は次のとおりであります。
(1)会社分割の目的
当社は、がん免疫療法の研究開発、及びこれまで研究用途で実施しているTCR/BCR解析事業の臨床用途に対する事業に加え、本格的なゲノム解析事業、リキッドバイオプシー事業、ネオアンチゲン関発事業を実施する子会社としてCPM社を設立しました。
がんは遺伝子の異常により引き起こされる病気です。がん細胞での遺伝子の網羅的な解析は、がんの診断ならびにがん治療薬・治療法を選択するために非常に重要です。この解析を利用して、予防に役立てたり、がん患者さん一人ひとりの遺伝子情報に基づいた治療薬・治療法の選択をすることや新規の免疫療法につなげていくことを「がんプレシジョン医療」といい、近年、より効果的ながん治療をがん患者さんに提供できる手段として注目されています。
当社の研究開発は、平成13年4月からの東京大学医科学研究所中村祐輔教授(現シカゴ大学教授)との共同研究により出発致しました。当該研究は、各がん種において特異的に発現する遺伝子を網羅的に解析することにより、創薬ターゲットとなるがん関連遺伝子及び遺伝子産物を単離することをベースとしております。当社事業は、より医薬品の開発に近い創薬研究へと拡大しており、低分子医薬、がん特異的ペプチドワクチン、抗体医薬の各領域において、臨床応用を目指した創薬研究を複数のがん種を対象に実施しております。当社は、オンコアンチゲン由来のがんペプチドワクチンによる免疫療法の分野でのパイオニアであり、さらに、国内外において、各提携先製薬企業と共同でまたは当社グループ独自で、第Ⅰ相から第Ⅲ相の複数の臨床試験を実施しております。また、がん免疫療法における最先端の取組みとして、次世代シークエンサーを用いてTCR/BCR解析事業も行っております。
TE社はヒトゲノム解析を2009年から、さらにグローバルなゲノム・トランスクリプトム・エピゲノム等の次世代シークエンス解析サービスを2011年から行っており、当社は両社の経験・ノウハウを融合することにより、より治療効果が高く副作用の少ないがん治療薬・治療法をがん患者さんに届けるという当社の企業使命がより加速されると考え、両社の合弁企業としてCPM社を設立することといたしました。
さらに、オンコアンチゲンやネオアンチゲン等のがん特異的抗原を持つがん細胞を消失させるがん免疫療法は、非常に効果的ながん治療法の1つと考えられており、当社はがん特異的ペプチドワクチンや樹状細胞療法、TCR導入細胞療法等の個別化免疫治療の開発を加速させるために、腫瘍免疫解析部をCPM社に分割譲渡いたします。加えて、TE社は次世代シークエンス解析技術とバイオインフォマティクスに関するノウハウを提供することによってCPM社内に大規模遺伝子解析センターを立ち上げるためにCPM社をサポートします。その大規模遺伝子解析センターにおいて、がん細胞の詳細な遺伝子解析サービスや、血中のがん細胞を早期検出するためのリキッドバイオプシー解析サービスを提供します。
CPM社の設立によって、当社ならびにTE社によるがん遺伝子網羅的解析およびがん免疫分野のシナジー効果が生まれ、がん個別化医療をより加速させることが見込まれます。
(2)会社分割の方法
当社を吸収分割会社とし、CPM社を吸収分割承継会社とする吸収分割(簡易分割)
(3)分割期日
平成29年11月1日
(4)分割に際して発行する株式及び割当
CPM社は、本件会社分割に際して、普通株式305株を当社に割り当てます。
(5)割当株式数の算定根拠
本件分割に際しまして、CPM社が交付する株式の算定につきましては、当社が腫瘍免疫解析部の資産等をCPM社が事業を行ううえで必要な、解析に関する研究開発ノウハウ等の無形資産を含む資産、負債の時価評価を時価純資産方式によって算定した金額を基礎として、TE社とも慎重に協議のうえ、305百万円と算定、割当株式数を決定しました。
(6)分割する腫瘍免疫解析部事業の経営成績
売上高 85百万円
(7)分割する資産、負債の状況
固定資産 18百万円
前払費用 3百万円
負債は、該当事項ありません。
(8)株式会社Cancer Precision Medicineの概要
代 表 者 代表取締役社長 森 隆弘
住 所 神奈川県川崎市
資 本 金 325百万円(平成29年9月30日現在)
事業内容 がん遺伝子の大規模解析検査ならびにがん免疫療法の研究開発
2.当第2四半期連結会計期間において、契約期間満了により終了した契約は以下のとおりであります。
契約
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契約会社名 |
主な契約内容 |
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小野薬品工業株式会社 |
① 当社は、3種のオンコアンチゲン由来のペプチドワクチンに関して、肝細胞癌をはじめとした全てのがん腫を対象として、日本・韓国・台湾における独占的な開発・製造・販売権を小野薬品工業株式会社に供与する。 ② 当社は、テリトリーを全世界に拡大できるオプション権を小野薬品工業株式会社に供与する。 ③ 当社は、小野薬品工業株式会社に対して、開発に必要な協力を行う。 ④ 当社は、本契約締結に伴い、契約一時金、開発の進捗に応じたマイルストーンならびに上市後は売上高の目標達成に応じたマイルストーン、売上高に応じたロイヤルティーを小野薬品工業株式会社から受け取る。さらに、小野薬品工業株式会社がテリトリーを全世界に拡大できるオプション権を行使した場合は、オプション権行使に伴う一時金を受け取る。小野薬品工業株式会社は、当社に対し、一定額の一時金を支払い、また一定の条件を満たす場合、それぞれ一定額のマイルストーンを支払う。 |
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間末日現在において、当社グループが判断したものであります。なお、当社及び連結子会社は単一事業であり、当社及び連結子会社のセグメントは「医薬品の研究及び開発」となっておりますので、セグメントごとの記載はしておりません。
(1)業績の状況
経営成績の分析
当第2四半期連結累計期間における事業収益につきましては、提携先製薬企業からのマイルストーンの受領等により、201百万円(前年同四半期比167百万円の増加)となりました。
また、医薬品候補物質等の基礎研究、創薬研究の継続的な実施による研究開発費用の計上に加え、低分子医薬、がん特異的ペプチドワクチン、抗体医薬の3つの領域についての臨床開発進展による費用計上を主な要因として、営業損失は1,425百万円(前年同四半期は1,519百万円の損失)、経常損失は1,422百万円(同 1,502百万円の損失)、親会社株主に帰属する四半期純損失は1,367百万円(同 1,497百万円の親会社株主に帰属する四半期純損失)となりました。
(2)財政状態の分析
当第2四半期連結会計期間の総資産は、9,206百万円(前連結会計年度末比1,386百万円減少)となりました。内訳としては、流動資産は8,890百万円(同 1,398百万円減少)、これは現金及び預金が1,386百万円減少したことが主な要因となっております。固定資産は316百万円(同 12百万円増加)となりました。
負債の合計は376百万円(前連結会計年度末比112百万円減少)となりました。流動負債は256百万円(同 112百万円減少)となりました。これは、未払金が62百万円、未払法人税等が52百万円減少したことが主な要因となっています。固定負債は119百万円(同 0百万円増加)となりました。
純資産は、8,830百万円(前連結会計年度末比1,274百万円減少)となりました。これは、利益剰余金が1,367百万円減少したことが主な要因となっております。
(3)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、8,686百万円(前第2四半期連結累計期間比2,729百万円減少)となりました。
当第2四半期連結累計期間における営業活動によるキャッシュ・フローは、1,498百万円の資金の減少(前第2四半期連結累計期間は1,647百万円の減少)となりました。これは、税金等調整前四半期純損失1,369百万円を計上したことが主な要因となっております。
当第2四半期連結累計期間における投資活動によるキャッシュ・フローは、37百万円の資金の減少(同9百万円の減少)となりました。これは、主として差入保証金の差入による支出34百万円によるものです。
当第2四半期連結累計期間における財務活動によるキャッシュ・フローは、150百万円の資金の増加(前第2四半期連結累計期間は2百万円の増加)となりました。これは、非支配株主からの払込みによる収入150百万円が主な要因となっております。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において、新たに発生した事業上及び財務上の対処すべき課題はありません。
なお、当社は財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は次のとおりであります。
① 基本方針の内容
当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、当社の財務及び事業の内容や当社の企業価値の源泉を十分に理解し、当社の企業価値・株主共同の利益を確保、向上していくことを可能にする者であるべきと考えています。
当社は、金融商品取引所に株式を上場していることから、当社株式の取引は、株主、投資家の自由意思に委ねるのが原則であり、大規模買付行為がなされた場合においても、当社の企業価値・株主共同の利益の確保、向上に資するものである限り、これをすべて否定するものではありません。最終的には、株式の大規模買付提案に応じるべきかどうかは株主の皆様の決定に委ねられるべきと考えています。
しかしながら、大規模買付提案の中には、例えばステークホルダーとの良好な関係を保持し続けることが困難であると予測されるなど、当社グループの企業価値・株主共同の利益を損なう恐れのあるものや、当社グループの企業価値を十分に反映しているとは言えないもの、あるいは株主の皆様が最終的に決定をされるために必要な情報が十分に提供されずに、大規模買付行為が行われる可能性も否定できません。
とりわけ当社グループは「有効性が高く、より副作用の少ないがん治療薬・治療法を一日も早くがんに苦しむ患者さんに届けること、がんとの闘いに勝つこと」を企業使命として掲げており、患者様の生命や健康に直結する事業を進めていることから、その経営においては高い倫理観とバイオテクノロジーに関する専門的な知識・ノウハウ等が要求されます。
このようなことから、当社は、大規模買付行為がなされた場合には、株主の皆様に提供される情報、検討機会を十分確保する方策が必要であると考えています。
② 基本方針の実現に資する取組み
当社の研究開発は、平成13年4月からの東京大学医科学研究所との共同研究により出発致しました。当該研究は、各がん種において特異的に発現する遺伝子を網羅的に解析することにより、創薬ターゲットとなるがん関連遺伝子及び遺伝子産物を単離することを目的としており、主に基礎研究領域に重点を置いたものとなっています。
その後、基礎研究の継続的な実施による進展とともに、当社グループの事業領域は、より医薬品の開発に近い創薬研究へと拡大しており、低分子医薬、がん特異的ペプチドワクチン、抗体医薬の各領域において、臨床応用を目指した創薬研究を実施しております。さらに、国内外において、各提携先製薬企業と共同で、または当社グループ独自で複数の臨床試験を実施しております。
このように、当社グループは「有効性が高く、より副作用の少ないがん治療薬・治療法を一日も早くがんに苦しむ患者さんに届けること、がんとの闘いに勝つこと」という企業使命の実現のため、日々研究開発を推進しています。当社グループは、これらの研究開発の進展こそが当社グループの企業価値向上の源泉であると考えています。
③ 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み
当社は、上記基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みの一つとして、平成21年5月27日に取締役会において、当社株式の大規模買付行為に関する対応策(以下「本プラン」といいます)を導入することに関して決定を行い、平成21年6月26日開催の第8回定時株主総会において承認可決され、平成24年5月28日の取締役会において原施策に軽微な修正を施したうえで内容に大幅な変更無く継続導入することに関して決定を行い、平成24年6月27日開催の第11回定時株主総会において承認可決、平成27年5月27日の取締役会において内容に大幅な変更無く継続導入することに関して決定を行い、平成27年6月22日開催の第14回定時株主総会において承認可決されております。
(a)本プランの概要
(ⅰ)本プランに係る手続きの設定
本プランは以下のアまたはイに該当する当社株式の買付けまたはこれに類似する行為(但し、当社取締役会が承認したものを除きます。当該行為を、以下、「大規模買付け等」といいます。)がなされる場合を適用対象とします。大規模買付け等を行い、または行おうとする者(以下、「買付者等」といいます。)は、予め本プランに定められる手続きに従わなければならないものとします。
ア.当社が発行者である株式について、保有者の株式保有割合が20%以上となる買付け
イ.当社が発行者である株式について、公開買付けに係る株式の株式所有割合およびその特別関係者の株式所有割合の合計が20%以上となる公開買付け
(ii)対抗措置の内容
上記(ⅰ)記載の対抗措置として、当社は、上記(ⅰ)記載の買付者による行使は認められないとの条項及び当社が当該買付者以外の者から当社株式と引き換えに当該新株予約権を取得する旨の条項等が付された新株予約権を、当社株式1株に対し1個を上限として、当社取締役会が本新株予約権無償割当決議において別途定める割合で、その時点の全ての株主に対して割り当てる手法による無償割当て、その他法令または当社定款が取締役会の権限として認める措置を行います。
(b)本プランの有効期間
本プランの有効期間は、平成27年3月期の事業年度に関する定時株主総会終結の時から平成30年6月開催予定の定時株主総会終結の時までと定めています。
(c)本プランの廃止および変更
当社の株主総会において本プランの変更または廃止の決議がなされた場合には、本プランは当該決議に従い、その時点で変更または廃止されるものとします。また、当社の株主総会で選任された取締役で構成される取締役会により本プランの廃止の決議がなされた場合には、本プランはその時点で廃止されるものとします。
なお、当社取締役会は、会社法、金融商品取引法、その他の法令若しくは金融商品取引所規則の変更またはこれらの解釈・運用の変更、または税制、裁判例等の変更により合理的に必要と認められる範囲で独立委員会の承認を得た上で、本プランを修正し、または変更する場合があります。当社は、本プランが廃止または変更された場合には、当該廃止または変更の事実および(変更の場合には)変更内容その他当社取締役会が適切と認める事項について、情報開示を行います。
④ 上記取組みが基本方針に沿い、当社の株主の共同の利益を損なうものではなく、当社役員の地位の維持を目的とするものでないことおよびその理由
本プランは、経済産業省及び法務省が平成17年5月27日に発表した「企業価値・株主共同の利益の確保または向上のための買収防衛策に関する指針」の定める三原則(企業価値・株主共同の利益の確保・向上の原則、事前開示・株主意思の原則、必要性・相当性確保の原則)を充足しています。また、本プランは、企業価値研究会が平成20年6月30日に発表した「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」を踏まえて設計されているものです。
(a)企業価値・株主共同の利益の確保・向上の原則
本プランは、上記に記載の通り、当社株式に対する大規模買付け等がなされた際に、当該大規模買付け等に応じるべきか否かを株主がご判断し、あるいは当社取締役会が代替案を提示するために必要な情報や期間を確保し、株主の皆様のために買付者等と交渉を行うこと等を可能とすることにより、当社の企業価値・株主共同の利益を確保し、向上させるという目的をもって導入されるものです。
(b)事前開示・株主意思の原則
本プランは、定時株主総会において株主の承認を得たうえで導入するものです。また、株主総会において本プランの変更または廃止の決議がなされた場合には、本プランも当該決議に従い変更または廃止されることになります。従いまして、本プランの導入及び廃止には、株主の意思が十分反映される仕組みとなっています。
(c)必要性・相当性確保の原則
(ⅰ)独立委員会による判断の重視と情報開示
本プランは、大規模買付け等への対抗措置の発動等に関する取締役会の恣意的判断を排し、取締役会の判断及び対応の客観性及び合理性を確保することを目的として独立委員会を設置します。独立委員会は、当社の業務執行を行う経営陣から独立している、当社社外取締役、当社社外監査役または社外の有識者(実績のある会社経営者、官庁出身者、弁護士、公認会計士若しくは学識経験者またはこれらに準じる者)から選任される委員3名以上により構成されます。また、当社は、その判断の概要については株主及び投資家の皆様に情報開示を行うこととし、当社の企業価値・株主共同の利益に資するよう本プランの透明な運営が行われる仕組みを確保しています。
(ⅱ)合理的かつ客観的な発動要件の設定
本プランは、合理的かつ客観的な発動要件が充足されなければ発動されないように設定されており、当社取締役会による恣意的な発動を防止するための仕組みを確保しています。
(ⅲ)デッドハンド型の買収防衛策ではないこと
本プランは、当社の株主総会で選任された取締役で構成される取締役会により、いつでも廃止することができるものとされています。従って、本プランは、デッドハンド型買収防衛策(取締役会の構成員の過半数を交代させても、なお発動を阻止できない買収防衛策)ではありません。
(5)研究開発活動
当第2四半期連結累計期間の研究開発費の総額は1,489百万円であります。
当社グループは、元東京大学医科学研究所ヒトゲノム解析センター長(現、シカゴ大学教授)中村祐輔教授と共同で、ほぼ全てのがんを対象とした網羅的な遺伝子発現解析等を実施し、既にがん治療薬開発に適した多くの標的分子を同定しております。また、それらの標的に対し、低分子医薬、がん特異的ペプチドワクチン、抗体医薬等の、各領域における創薬研究を積極的に展開し、これら創薬研究の成果を基にした複数の臨床試験を実施しており、臨床試験準備中の医薬品候補物質も複数有しております。
なお、平成29年9月30日現在、当社は全世界で442件の特許を取得しております。
<基礎研究領域>
創薬ターゲットの特定等を行う基礎研究領域においては、ヒト全遺伝子の遺伝子発現パターンを網羅的に検索できるcDNAマイクロアレイのシステムによる大腸がん、胃がん、肝臓がん、非小細胞肺がん、小細胞肺がん、食道がん、前立腺がん、膵臓がん、乳がん、腎臓がん、膀胱がんおよび軟部肉腫等について発現解析が終了しております。これらの発現解析情報からがんで発現が高く正常臓器では発現がほとんどない遺伝子を選択し、更に機能解析により、がん細胞の生存に必須な多数の遺伝子を分子標的治療薬の標的として同定しております。
<創薬研究領域>
医薬品候補物質の同定および最適化を行う創薬研究領域においては、医薬品の用途毎に、より製品に近い研究を積極的に展開しております。
低分子医薬につきましては、7種のがん特異的タンパク質を標的とする創薬研究を進めております。そのうち1種の標的であるリン酸化酵素(キナーゼ)については、医薬品候補化合物の臨床試験を実施中です。(詳細は、以下、<医薬開発領域>低分子医薬をご覧ください。)他の1種のリン酸化酵素については、これまでに得た高活性化合物に基づきリード最適化作業を進め、in vivoで強力な腫瘍増殖抑制効果を示すOTS964等複数の高活性化合物を同定しております。これらについては、医薬品候補化合物として臨床開発する為の薬効薬理・薬物動態・毒性試験を進めております。さらに、別の3種の標的酵素タンパク質に関して、これまでの構造活性相関研究の結果得られた多数の高活性化合物に基づきリード最適化作業を進め、有望化合物に対してin vivoでの薬効試験を実施中です。また、さらに別の2種の標的タンパク質に関して、大規模化合物ライブラリのスクリーニングから得た高活性化合物骨格につき、リード化合物獲得に向けた新規化合物合成と構造活性相関研究を進めております。
がん特異的ペプチドワクチンにつきましては、これまでに日本人および欧米人に多く見られるHLA-A*24:02およびA*02:01を中心に、大腸がん、胃がん、肺がん、膀胱がん、腎臓がん、膵臓がん、乳がんおよび肝臓がんなどを標的とした計43遺伝子を対象としたエピトープペプチドを既に同定しておりますが、それら以外にもA*11:01, A*33:03, A*01:01およびA*03:01など、様々なHLAに対応したより多くのエピトープペプチドを同定しております。
このように、独創的な分子標的治療薬の創製を目指した創薬研究を中心に積極的に展開しております。
<医薬開発領域>
医薬開発領域においては、当社グループ独自で、ならびに複数の製薬企業との提携による開発を、以下の通りそれぞれ進めております。
低分子医薬
がん幹細胞の維持に重要な分子であるMELK(Maternal Embryonic Leucine zipper Kinase) を標的としたOTS167については、急性骨髄性白血病に対する第Ⅰ/Ⅱ相臨床試験を米国シカゴ大学及びコーネル大学にて実施しております。この臨床試験は、急性骨髄性白血病の患者さんを対象とし、OTS167の静脈内反復投与における安全性および推奨投与量の確認を行い、確認後には、急性骨髄性白血病を含む予後不良の各種白血病についてのPOC(Proof of Concept : 有効性や安全性を含めて作用機序などが臨床において妥当であることの証明)を獲得することを目的とするものです。また、OTS167の乳がんに対する第Ⅰ相臨床試験を米国コーネル大学及びテキサス州立大学MDアンダーソンがんセンターにて実施しております。この臨床試験は、トリプルネガティブ乳がんを含む乳がんの患者さんを対象とし、OTS167のカプセル剤による経口投与における安全性および推奨投与量の確認を主目的とし、副次的にトリプルネガティブ乳がんに対する臨床上の有効性を確認するものです。なお、OTS167は、オーストラリアで実施しておりました健常成人を対象とした経口投与による消化管吸収性(バイオアベイラビリティ)の確認を主たる目的とする臨床試験において、ヒトでの良好な経口吸収性が確認されています。
OTS167の標的は、新規キナーゼのMELK (Maternal Embryonic Leucine zipper Kinase)であり、がん幹細胞に高発現し、その維持に重要な役割をしているタンパク(キナーゼ)です。そのキナーゼを阻害し、強い細胞増殖抑制効果が期待できる新しい作用機序(ファースト・イン・クラス)の分子標的治療薬です。 OTS167 は、すでに動物試験において、肺がん、前立腺がん、乳がん、膵臓がんなどに対し、強力な抗腫瘍効果が確認されています。
また、細胞分裂に重要ながん特異的新規標的分子(TOPK)に対する最終化合物を同定しております。動物実験で、がんの消失等顕著な結果が得られたことから、臨床試験開始を目指し、製剤化検討および非臨床試験を進めております。なお、TOPK阻害剤OTS964は、米国立がん研究所が提供するがん治療薬候補化合物特性評価及び安全性評価プログラム(NCL characterization プログラム)に採択されており、本化合物の非臨床試験開発が促進されることが期待されます。
がん特異的ペプチドワクチン
がん特異的ペプチドワクチンにつきましては、提携先製薬企業との戦略的対話を促進し、提携先が実施する臨床開発の側面支援、後方支援を強化して参りました。
塩野義製薬株式会社とは、当社がライセンスアウトしているがん特異的ペプチドワクチンS-588410の臨床開発を支援する目的で、食道がん患者さんを対象とした第Ⅲ相臨床試験実施に関する覚書を締結しており、塩野義製薬株式会社が臨床試験を実施しております。なお、塩野義製薬株式会社は、S-588410の食道がん第Ⅲ相臨床試験のほか、膀胱がんを対象としたS-588410について日欧で第Ⅱ相臨床試験(目標症例数登録完了)を、頭頸部がんを対象としたS-488210は欧州で第Ⅰ/Ⅱ相臨床試験を、それぞれ実施しております。
抗体医薬
がん治療用抗体OTSA101 については、肉腫治療の世界的権威であり、欧州がん研究・治療機構(European Organization for Research and Treatment of Cancer:EORTC)元会長のJean-Yves Blay 教授主導のもと、軟部肉腫の1種である滑膜肉腫に対する第Ⅰ相臨床試験を実施しておりましたが、臨床試験の主目的であった、安全性と体内集積につきまして良好な結果が確認でき終了いたしました。今回の臨床試験の結果を踏まえ、企業主導の次の臨床試験を計画し、日米欧の承認申請を目指してまいります。
また、当社連結子会社であるイムナス・ファーマ株式会社が協和発酵キリン株式会社にライセンスアウトしております抗アミロイドβ(Aβ)ペプチド抗体KHK6640については、協和発酵キリン株式会社が、アルツハイマー型認知症に対する第Ⅰ相臨床試験を欧州ならびに日本にて実施しております。
<がん個別化医療への取組み>
TCR/BCR解析サービス
がん免疫療法における最先端の取組みとして、当社グループは、シカゴ大学医学部中村祐輔研究室において開発された、次世代シーケンサーを用いてT/B細胞受容体を解析する方法を導入し、当社ワクチン事業を、科学的エビデンスを重視して推進するとともに、製薬企業、医療機関、研究機関等に対してTCR/BCR解析サービスを提供する事業を行っております。学会発表やセミナー開催による啓蒙活動により、がん領域の研究者を中心に事業を拡大する見込みです。
がん遺伝子の大規模解析検査ならびにがん免疫療法の研究開発を行う合弁会社設立
当社は、平成29年7月24日、がん遺伝子の大規模解析検査ならびにがん免疫療法の研究開発を行う子会社として、株式会社Cancer Precision Medicine(以下「CPM社」という)を設立いたしました。CPM社に対しては、グローバルなゲノム・トランスクリプトム・エピゲノム等の次世代シークエンス解析サービスを行っているTheragen Etex Co., Ltd.(本社:韓国、CEO:Tae Soon (Samuel) Hwang、以下「TE社」という)が資本参加・業務提携したことからCPM社は、当社とTE社との合弁会社となっております。また、本書提出日現在、当社の事業部門であり、オンコアンチゲンをはじめとしたがん免疫療法の研究開発、及び最先端の取組みとして次世代シークエンサーを用いてT細胞/B細胞受容体の解析サービスを行っている腫瘍免疫解析部について、会社分割(簡易分割)をし、CPM社に事業を承継させました。CPM社の設立によって、当社ならびにTE社によるがん遺伝子網羅的解析およびがん免疫分野のシナジー効果が生まれ、がん個別化医療をより加速させることが見込まれます。
DCワクチンコンソーシアムとの樹状細胞療法による治療法の共同研究の開始
当社は、大阪、福岡、東京を拠点とする3医療法人(医療法人 協林会 大阪がん免疫化学療法クリニック、医療法人 慈生会 福岡がん総合クリニック、医療法人社団 ビオセラ会 ビオセラクリニック)からなる樹状細胞免疫療法懇話会(DCワクチンコンソーシアム)と、当社がライセンスを保有するペプチドワクチンについて、その非独占的実施権をDCワクチンコンソーシアムに供与し、樹状細胞療法による治療法の研究・開発を共同で進めております。この共同研究により、当社および子会社であるCPM社が支援する、がん臨床領域での個別化医療の実施において、オンコアンチゲンやネオアンチゲンを利用した免疫療法に大きな役割を果たすと考えております。