(1)業績
当連結会計年度の我が国の経済は、堅調な企業業績を背景として設備投資が底堅く推移したものの、個人消費が伸び悩んだことや公共投資が減少したこと等から、総じて景気の停滞基調が継続しました。
我が国では、社会の高齢化を背景として医療費の増加が続く中、医療の効率的運営や予防医療の推進が必須の課題となっています。このような状況下、医療の適正かつ効率的な運用を目指す「EBM」(Evidence Based Medicine=科学的根拠に基づく医療)の機運が高まっているほか、国策としても、メタボリックシンドロームに着目した特定健康診査・特定保健指導の導入、全ての健康保険組合等における「データヘルス計画」(レセプト等のデータ分析に基づいた保健事業)の策定および実施の義務付け等が行われています。また、アベノミクスの第三の矢である成長戦略における規制改革の一環として、食品等の機能性表示の規制が緩和され、企業責任によりエビデンス(科学的根拠)をもとに食品等に機能性を表示できる新たな制度が施行される等、当社グループの事業への追い風となり得る環境の変化が生じています。
当社グループでは、大学発のバイオマーカー技術に基づくエビデンスの構築と活用に関する実績やノウハウ、医学界や医療界における幅広いネットワーク等を活かし、医薬、食品、化粧品、ヘルスケア関連サービス等の様々な領域において、社会のニーズに対応した商品やサービスを開発して提供することにより、事業の拡大を図ってまいる方針であります。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
(生体評価システム)
生体評価システム事業のうち評価試験事業におきましては、主に食品の有効性に関する臨床評価試験の受託手数料等189百万円(前期比24.5%増)の売上計上を行いました。また、受注状況につきましては、受注高198百万円(前期比20.5%増)、当連結会計年度末の受注残高は101百万円(前期末比10.3%増)となりました。
生体評価システム事業のうちバイオマーカー開発事業におきましては、売上(前期はなし)、受注高(前期はなし)及び当連結会計年度末の受注残高(前期末はなし)は何れもありませんでした。
生体評価システム事業のうち医薬臨床研究支援事業におきましては、主に糖尿病領域及び循環器病領域の医師主導型臨床研究の支援業務の受託手数料等436百万円(前期比7.5%減)の売上計上を行いました。当該事業につき
ましては、事業体制の強化にともなう人件費の増加等により売上原価率が上昇したことを主因として減益となりました。また、受注状況につきましては、受注高573百万円(前期比91.1%増)、当連結会計年度末の受注残高は739百万円(前期末比22.7%増)となりました。
これらの結果、生体評価システム事業の業績は、売上高626百万円(前期比0.3%増)、営業利益15百万円(前期比57.0%減)となりました。
(ヘルスケアサポート)
ヘルスケアサポート事業は、特定保健指導の受託を中心として、企業における社員の健康管理・増進のニーズや個人の健康意識の高まり等に関連した様々なサービスを健康保険組合等に提供する事業であり、生活習慣病の専門医から成る組織である一般社団法人専門医ヘルスケアネットワークと共同で事業展開しております。当連結会計年度末におきましては、特定保健指導、被扶養者を対象とした特定健康診査のサポート、糖尿病の重症化予防サービス、レセプト解析の受託手数料等168百万円(前期比19.0%増)の売上計上を行いました。
また、受注状況につきましては、受注高168百万円(前期比19.0%増)、当連結会計年度末の受注残高はありませんでした(前期末はなし)。なお、この事業の受注高は、主に特定保健指導の実績等に応じて事後的に決まるものでありますので、契約締結時点ではなく、当該実績等が確定した時点で計上しております。
この結果、ヘルスケアサポート事業の業績は、売上高168百万円(前期比19.0%増)、営業利益6百万円(前期は7百万円の営業損失)となりました。
(化粧品)
化粧品事業におきましては、通信販売部門の売上高は、定期購入顧客の減少や購入単価の下落等により苦戦が続いており、266百万円(前期比19.2%減)となりました。一方、卸売部門は、主にアジア市場向けの海外販売が増加したほか、インバウンド関連の国内卸先に対する販売が好調に推移しました。特に第3四半期連結会計期間以降は、卸売専用のフェイシャルマッサージ用ゲル「PHマッサージゲルPro.」がヒットし、供給能力の増強にも取り組んだことにより、販売の伸びが加速しました。以上のようなことから、卸売部門の売上高は、984百万円(前期比180.3%増)となりました。
この結果、化粧品事業の業績は、売上高1,250百万円(前期比83.7%増)、営業利益318百万円(前期比245.4%増)となりました。
(マーケティング)
マーケティング事業におきましては、フィンランドの大手飲料メーカーSinebrychoff社から導入したエナジードリンク「BATTERY」の販売を行いました。
この結果、マーケティング事業の業績は、売上高5百万円(前期はなし)、営業損失は17百万円(前期は11百万円の営業損失)となりました。
(健康補助食品)
健康補助食品事業におきましては、平成21年3月より、「疲労定量化及び抗疲労食薬開発プロジェクト」から生まれた製品である飲料「イミダペプチド」の販売を開始し、現在では、主力の飲料のほか、ソフトカプセル、錠剤、スポーツドリンク等の多種多様な商品ラインナップを有しております。
当連結会計年度においては、前連結会計年度の減益の要因となりました広告宣伝費投下の夏場への集中を緩和し、販売動向に応じた調整余地を持ちながら運営いたしました。しかしながら、特に第4四半期連結会計期間以降、インターネット広告に想定を超える反応があり、販売は拡大傾向で推移したものの、アフィリエイト型広告費や初回購入者限定の割引適用等の費用が先行したことを主因として減益となりました。
この結果、健康補助食品事業の業績は、売上高1,160百万円(前期比5.5%増)、営業利益は41百万円(前期比26.3%減)となりました。
これらに加えまして、セグメント間取引の消去や全社費用による営業損失は183百万円(前期は176百万円の営業損失)となりましたので、当連結会計年度の連結売上高は3,213百万円(前期比26.1%増)、連結営業利益は182百万円(前期は9百万円の営業損失)、連結経常利益は191百万円(前期は7百万円の経常利益)となりました。
また、特別損失として、投資有価証券評価損を19百万円、固定資産除却損を0百万円計上したことにより、当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は171百万円(前期は6百万円の税金等調整前当期純利益)となりました。
これらの結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は46百万円(前期は5百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
なお、当連結会計年度より、「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日)等を適用し、「当期純利益又は当期純損失」を「親会社株主に帰属する当期純利益又は親会社株主に帰属する当期純損失」としております。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」といいます。)は、前連結会計年度末に比べ83百万円増加(前期は179百万円の増加)し、当連結会計年度末には2,068百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、190百万円(前連結会計年度に使用した資金は71百万円)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益を171百万円計上したこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、227百万円(前連結会計年度に得られた資金は251百万円)となりました。これは主に長期性預金の預入による支出300百万円によるものでありますが、短期の運用目的で保有している有価証券の償還による収入(純額)100百万円等の計上により一部相殺されております。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は、120百万円(前期はなし)となりました。これは連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の売却による収入120百万円によるものであります。
(1) 生産実績
当社グループは、サービスの提供にあたり、製品の生産をおこなっていないため、生産実績について記載すべき事項はありません。
(2) 仕入実績
当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成27年7月1日 至 平成28年6月30日) |
前年同期比(%) |
|
|
化粧品 |
(千円) |
468,095 |
250.8 |
|
マーケティング |
(千円) |
8,071 |
- |
|
健康補助食品 |
(千円) |
427,924 |
107.2 |
|
合計 |
(千円) |
904,091 |
154.3 |
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.生体評価システム及びヘルスケアサポートでは商品を取り扱っていないため、仕入実績は記載しておりません。
(3) 受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
受注高(千円) |
前年同期比(%) |
受注残高(千円) |
前年同期比(%) |
||
|
生体評価システム |
|
772,446 |
166.0 |
840,981 |
121.1 |
|
|
|
評価試験 |
|
198,954 |
120.5 |
101,109 |
110.3 |
|
|
バイオマーカー開発 |
|
- |
- |
- |
- |
|
|
医薬臨床研究支援 |
|
573,492 |
191.1 |
739,871 |
122.7 |
|
ヘルスケアサポート |
|
168,950 |
119.0 |
- |
- |
|
|
マーケティング |
|
- |
- |
- |
- |
|
|
合計 |
|
941,397 |
155.0 |
840,981 |
121.1 |
|
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額は、契約締結日を基準として集計しております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
4.医薬臨床研究支援の受注額は、主に業務遂行及び獲得症例等の実績に応じて決定されるものであり、上記の当該事業の受注高及び受注残高の数値は、契約条件及び臨床研究実施計画等に基づいて算出した受注見込額を含んでおります。また、既受注分について契約条件及び臨床研究実施計画等の変更により受注見込額の増額または減額が生じた場合には、それに応じて受注高及び受注残高の数値に加算または減算を行っております。
(4) 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成27年7月1日 至 平成28年6月30日) |
前年同期比(%) |
||
|
生体評価システム |
(千円) |
626,088 |
100.3 |
|
|
|
評価試験 |
(千円) |
189,495 |
124.5 |
|
|
バイオマーカー開発 |
(千円) |
- |
- |
|
|
医薬臨床研究支援 |
(千円) |
436,592 |
92.5 |
|
ヘルスケアサポート |
(千円) |
168,950 |
119.0 |
|
|
化粧品 |
(千円) |
1,250,320 |
183.7 |
|
|
マーケティング |
(千円) |
5,312 |
- |
|
|
健康補助食品 |
(千円) |
1,160,908 |
105.5 |
|
|
|
報告セグメント計 |
(千円) |
3,211,581 |
126.1 |
|
調整額 |
(千円) |
1,500 |
100.0 |
|
|
合計 |
(千円) |
3,213,081 |
126.1 |
|
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合につきましては、販売した相手先の総販売実績に対する割合が全て100分の10未満であるため、記載しておりません。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(1) 疲労プロジェクトの推進
疲労プロジェクトは、疲労を客観的に定性化・定量化するための評価システムを確立し、これまで適正な評価方法が無かったために有効性を評価することが不可能であった抗疲労候補成分等について、その効果を検証することによって抗疲労トクホ及び抗疲労医薬品を世に送り出すことを目的とする産官学連携プロジェクトであります。疲労プロジェクトは、主として文部科学省科学技術振興調整費研究「疲労および疲労感の分子・神経メカニズムとその防御に関する研究」にて得られた研究成果を、当該研究を行った大学研究者の参加を得てヒトを対象として実用化するものであり、既に複数の抗疲労トクホの申請が行われました。なお、「疲労および疲労感の分子・神経メカニズムとその防御に関する研究」にて得られた研究成果の多くは、当社及び研究者が共同で特許出願を行っております。
疲労プロジェクトで開発された製品である「イミダペプチド」は、長年にわたる販売活動やマスコミ掲載等により既に抗疲労トクホの表示許可取得に先立つ形で社会的な認知を受けつつあるほか、平成27年4月に施行された機能性表示食品の届出が受理され、現状においても「日常の生活で生じる身体的な疲労感を軽減する」という機能性を表示することができますが、抗疲労トクホは依然として当社グループの大きな目標の一つであり、また、トクホ市場の活性化にもつながるものでありますので、引き続き最善の対応を行ってまいります。
(2) 大学との関係
当社グループは大学との関係を重要な事業背景としており、今後、大学との関係を一層強化するとともに、権利関係の明確化にも配慮した運営を行っていく方針であります。特に国公立大学の独立行政法人化により、大学自らが積極的に民間への技術移転に取組むことが期待されますが、当社グループでは、これまで大学及び大学研究者と良好な関係を築き、大学の研究成果を導入して事業展開を行ってきたという実績をアピールし、今後につきましても精力的に大学への働きかけを行います。
(3) 知的財産権への対応
当社グループでは、研究開発の成果として生ずる成分や製品等について、大学研究者等との共同または当社グループ単独にて特許権その他の知的財産権を取得することにより、その権利の確保を図っております。また、当社グループの事業に必要な大学研究成果が当社グループ以外で利用されることを防ぐため、当該研究成果について、一定の対価を支払う代わりにその特許を受ける権利の一部を譲り受け、発明者と当社の共同で特許を出願することも行っております。今後、疲労プロジェクト等において有用な知見が得られることが期待されることもあり、引き続き知的財産権を戦略的に取得または活用していきます。
(4) 人材の確保及び組織的対応の強化
当社グループの事業におきましては、医学、薬学等の分野での専門性の高い人材の確保が不可欠であり、また、新規事業の立ち上げや推進に対応してマーケティングや営業等の幅広い人材が必要となっており、さらには事業の多様化や拡大にともなって内部管理等の人材も充実させる必要があります。当社グループでは、今後とも積極的に優秀な人材の採用等を進め、かつストックオプション等による適切なインセンティブの付与等により、社員の意識向上と組織の活性化を図るとともに、優秀な人材の定着を図る方針であります。
(5) 医療機関ネットワークの拡充及び整備
当社グループでは、医薬臨床研究支援事業、食品の市販後調査等を行うマーケティング事業、特定保健指導の受託等におきまして、医療機関とのネットワークを重要な事業基盤としております。
当社グループでは、医療機関ネットワークのさらなる拡充に加え、構築した医療機関ネットワークを効率的に運用するためのインフラの整備も進めてまいります。
当社グループの経営成績、財政状態及び株価等に影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。当社グループは、これらのリスクの存在を認識した上で、その発生を未然に防ぎ、かつ、万が一発生した場合でも適切に対処するよう努める所存でありますが、当社株式への投資判断は、本項及び本資料中の本項以外の記載も併せまして、慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) トクホについて
トクホは、生体評価システム事業における主要な対象領域であり、また、健康補助食品事業において抗疲労トクホの許可取得を目指していること等もあり、当社グループの事業において重要性の高い事業分野であります。
トクホ市場は、平成3年の制度発足から、国民の健康意識の高まりを背景として成長を続け、特に平成14年頃からは複数のヒット商品もあり成長市場として注目されましたが、消費動向の鈍化や一部の商品に安全性に関する問題が生じたこと等もあり、平成21年度には市場規模が制度発足以来初めて前年度比で減少しました。このような市場環境の影響を受け、生体評価システム事業の業績も大きく落ち込んでおりますが、今後とも、トクホ市場の動向が、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
また、トクホは、平成21年9月に所管官庁が厚生労働省から消費者庁に移行しましたが、その後、消費者庁においてトクホを含む我が国の健康食品制度のあり方について様々な議論がなされております。トクホは、健康増進法、栄養改善法及び食品衛生法等の法規に基づくものであり、当社グループの事業は、これらの関連法規の改廃及び所管官庁の運用の変化等の影響を受ける可能性があります。
(2) 評価試験事業について
評価試験事業の受注は食品・製薬企業等におけるトクホの新規開発が前提となりますが、昨今、血圧や血糖値等といった一般的な健康表示のトクホの開発が一巡したこと等を背景として、新規の開発案件が減少する傾向が続いております。もともとトクホを開発できるほどの開発力や資金力等のある企業の数も多いとは言えず、そのような企業の経営環境、経営方針、事業戦略、予算等の動向により、今後とも現在のような傾向が続き、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 疲労プロジェクトについて
疲労プロジェクトは、疲労を客観的に定性化・定量化するための評価システムを確立し、以前は適正な評価方法が無かったために有効性を評価することが不可能であった抗疲労候補成分等について、その効果を検証することによって抗疲労トクホ及び抗疲労医薬品を世に送り出すことを目指す産官学連携プロジェクトであります。
疲労プロジェクトから生まれた製品につきましては、当社グループの日本予防医薬㈱も含め、既に複数の参加企業が、臨床試験の実施及びその結果の論文化を経て抗疲労効果の表示許可に向けたトクホ申請を行いました。また、日本予防医薬㈱が販売する健康補助食品である「イミダペプチド」等として、疲労プロジェクトから生まれた食品が既に発売されております。「イミダペプチド」は、抗疲労トクホの許可取得に先立つ形で、様々なマスコミで取り上げられたこと等により社会的認知を得つつありますが、抗疲労トクホの許可取得は当社グループの重要な目標であります。
抗疲労トクホにつきましては、トクホは国の許可制度でありますので最終的に許可が得られるかは不確実であり、また、許可が得られる場合も、審査に要する期間等が制度において決まっているものではなく、さらには現時点において抗疲労トクホの市場規模を予測することは困難でありますので、抗疲労トクホが当社グループの業績に寄与する時期及びその程度も不確実であります。
(4) 研究開発について
当社グループは、身体や病気の状態を客観的かつ定量的に評価するための指標であるバイオマーカーとそれを利用した生体評価システムを開発し、従来は適正な評価方法が存在しなかったために開発が不可能であった病態や疾病等に関して、新たなトクホや医薬品等を世に送り出すことを目指しており、疲労プロジェクトを始め、「評価システムの確立による新たな食薬市場等の開拓」というビジネスを様々な病態等をターゲットとして展開しております。また、当社グループにおいては、バイオマーカー及びそのバイオマーカーを利用した生体評価システムの開発に留まらず、当社グループ独自の食品または化粧品等の最終商品の新規開発にも取り組んでおります。このような研究開発には相当の費用と時間を費やすことになりますが、必ずしも事業化に成功する保証はなく、また仮に事業化に成功した場合でも、期待どおりの収益が得られる保証はありません。ターゲットとする分野の設定、商品の企画及び研究開発費用の支出には、その採算性に十分注意を払いますが、事業の多様化や研究領域の拡大を背景として、今後、研究開発費用が増加する可能性があり、それにより当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。
加えて、当社グループでは、消費者・生活者のニーズを実現するために必要な大学発研究成果を収集し、選択的に利用するという形態にて研究開発活動を行っておりますが、何らかの原因により必要な研究成果について当社グループへの提供が受けられない場合や、不可欠な研究成果について過大な対価を求められた場合等には、当社グループの事業運営に悪影響が生ずるおそれがあります。
(5) 知的財産権について
開発したバイオマーカー及び生体評価システムならびにそれらにより開発された成分や製品等について、その権利を保全するため、特許権その他の知的財産権を確保することは極めて重要であると考えられます。また、当社グループでは、当社グループの事業に必要と考えられる大学研究者の発明について、その特許を受ける権利の一部を譲り受け、共同で特許出願することにより、当該発明が当社グループ以外では実用化されないようにしております。
当社グループは、今後も、知的財産権を戦略的に取得または活用していく方針でありますが、特許等を申請した全ての研究成果について必ずしもその権利を取得できるとは限りません。また、より優れた研究成果が当社グループ以外で生まれた場合には、当社グループの研究成果が淘汰される可能性があります。
(6) 代表取締役社長の小池眞也について
当社の代表取締役社長の小池眞也は、外資系製薬会社のマーケティング部門等を経て当社グループに入社し、平成21年9月に代表取締役社長に就任いたしました。
当社グループは、昨今の事業環境に鑑み、評価試験事業等の食品の開発支援の事業から、健康補助食品事業等の自社製品の開発及び販売ならびにマーケティング事業や医薬臨床研究支援事業等のエビデンス構築及びマーケティング支援等の事業への事業構造の変革を図っており、同取締役は、このような当社グループの経営及び事業運営全般において中心的な役割を果たしているため、何らかの理由により同取締役の当社業務の遂行が困難となった場合には、当社グループの事業戦略や経営成績等に重大な影響を与える可能性があります。
(7) 取締役の梶本修身について
当社の取締役梶本修身は、当社の創業者であり、大阪市立大学大学院医学研究科疲労医学講座教授であります。同取締役は、当社の有限会社としての創業時より、「精神検査方法及び精神機能検査装置(ATMT)」の開発のほか、ビジネスモデル構築やノウハウ蓄積の中心的役割を担ってきました。平成9年6月に大阪外国語大学保健管理センター講師(当時)に就任するにあたって当社の前身である有限会社総合医科学研究所を退社いたしましたが、その後同大学の承認を得て当社非常勤取締役を兼業し、現在は大阪市立大学の承認を得て当社非常勤取締役を兼業しております。当社グループでは、同取締役のかかる兼業は、当社グループの学術的価値の創出及び大学との関係増進のため事業戦略上不可欠のものと位置付けており、また、同取締役の同大学における研究対象である精神疲労の分野は、当社グループの事業と密接な関係があります。
当社グループは、事業運営において組織的対応の強化を図ってまいりましたが、大学及び大学研究者との関係を根拠とした高い学術レベルを事業の背景としておりますので、大学及び大学研究者とのネットワークの構築や維持及び当社グループが生み出す成果物への権威付け等の点において、同取締役は極めて重要な役割を果たしております。この点につきましては、当社グループは、以前から組織的対応の強化等により、学術面における同取締役への依存度を低下させるべく体制の整備を進めております。しかし、何らかの理由により同取締役の当社業務の遂行が困難となった場合には、当社グループの事業戦略や経営成績等に重大な影響を与える可能性があります。
(8) 大学との関係について
当社グループは大学の研究成果を導入することによって事業を行っておりますので、大学との関係が重要な事業基盤となりますが、この点について以下のようなリスクがあると考えております。
国立大学の独立行政法人化の根拠法となる国立大学法人化法や、公務員である大学の研究者が適用を受ける国家公務員法、地方公務員法、人事院規則等の改廃、または関係当局の運用の変化等の影響を受ける可能性があります。また、国公立大学の独立行政法人化にともない、大学が生み出す知的財産等の取り扱いの変化、研究の委託や研究成果の提供の対価についての見直し等、今後、民間企業と大学との関係に変化が生じる可能性があり、当社グループの事業にも影響を与えるおそれがあります。
当社グループは、大学研究者に対して、寄付金の形態で当社グループにとって有用と思われる研究について資金供与を行うことがありますが、形式上は寄付金であることから、研究成果として生まれたものに関して、必ずしも当社グループが利益を享受できないおそれがあります。
(9) 役職員の確保について
当社グループ事業におきましては、医学及び薬学等の分野での専門性の高い人材の確保が不可欠であり、また、新規事業の立ち上げや推進に対応してマーケティングや営業等の幅広い人材が必要となっており、さらには事業の多様化や拡大にともなって内部管理等の人材も充実させる必要があります。当社グループでは、今後とも積極的に優秀な人材の採用等を進め、かつストックオプション等による適切なインセンティブ付与等により、社員の意識向上と組織の活性化を図るとともに、優秀な人材の定着を図る方針であります。しかしながら、人材の確保及び社内人材の教育が計画通りに進まない場合には、当社グループの業務及び事業運営に支障をきたすおそれがあります。
(10) 訴訟リスクについて
当社グループは、バイオマーカー等に関する研究開発及びその事業化を推進しておりますが、他社が当社グループと同様の研究開発を行っている可能性も皆無ではないため、他社の知的財産権を侵害し、その結果訴えを提起されることがないとはいえません。その場合は当社グループの事業戦略及び業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。当社グループとしましても、そのような事態を未然に防止するため、事業展開にあたっては特許事務所等を通じた特許調査を実施しており、当社グループの特許が他社の特許に抵触しているという事実は認識しておりません。しかしながら、当社グループのような研究開発型企業にとって、知的財産権侵害の発生を完全に回避することは困難であります。
(11) 配当政策について
前述のとおり、当連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純利益46百万円を計上することとなりましたが、安定的な利益計上を行うには一層の事業の拡大による業績の改善が必要であり、事業基盤の拡充や業務体制の強化に向けた費用の投下も積極的に行う必要があると考えております。このようなことから、誠に遺憾ながら、当連結会計年度の配当につきましては、無配とさせていただきたいと存じます。
一方、次期につきましては、当連結会計年度に比して業績がさらに改善することを予想しており、早期に株主への利益還元を図る観点から、配当の実施を見込んでおります。
今後につきましても、将来の研究開発活動等に備えるための内部留保充実の必要性等を総合的に勘案しつつ、安定的な配当を通じて、株主への利益還元を図りたいと考えておりますが、業績動向等によっては無配となる可能性があります。
(12) ストックオプションについて
当社グループはストックオプション制度を採用しており、今後、優秀な人材や社外協力者の確保のために新株予約権を付与する可能性があります。ストックオプションは、取締役等の企業価値向上への意識を高めるため、必ずしも既存の株主の利益と相反するものではありませんが、権利行使が行われた場合には、1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。また、新株予約権の行使により取得した株式が市場で売却された場合は、市場の需給バランスに変動を生じ株価形成に影響を及ぼす可能性があります。
(13) マーケティング事業について
当社グループでは、平成18年1月に大手広告代理店である㈱博報堂との合弁により㈱エビデンスラボを設立いたしました。同社は、健康補助食品等のマーケティングリサーチ及び市販後調査等を事業としております。同社の事業は、医療の変革の時代に対応した独自性の高いサービスであり、また、当社グループの強みであるトクホ等の開発段階における事業に加え、大手広告代理店と共同でトクホ等のマーケティングも展開するものであることから、当社グループ内における他の事業とのシナジー効果も大きく、当社グループの成長戦略において重要な位置付けとなるものであります。しかしながら、健康補助食品の市販後調査事業がこれまでに前例のない事業ということもあり、現時点におきましては、期待通りの業績が計上できるかは不確実であります。
同社の市販後調査事業については、一般社団法人大阪府内科医会及び一般社団法人日本病態情報医学会等の医師組織や学会等との契約に基づいて推進しておりますが、他の当社グループの事業とのシナジー効果もあり、今後とも医療機関ネットワークの拡充及び効率的運用のためのインフラ整備等を行う方針であり、そのための費用負担が発生し、一方で期待通りの収益が得られない場合には、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、同社と医師組織や学会等との間において、契約の解消または契約上の義務の不履行等が生じた場合は、同社の事業運営に重大な支障が生じ、その結果、業績に悪影響を及ぼすおそれがあります。
(14) 化粧品事業について
当社グループでは、連結子会社の㈱ビービーラボラトリーズが化粧品事業を行っており、当該事業は次のようなリスクを有しております。
① 運転資金の増加
化粧品事業においては、販売に先立って、原材料の購入や製品製造外注委託費の支払等が発生するため、販売代金の回収までの期間についての運転資金が必要になり、当社グループの運転資金が増加することとなります。
② 与信リスク
化粧品事業の販売先は、個人顧客への通信販売及び卸先への卸売上に大別されますが、これらの販売チャネルの何れの場合にも、販売代金の回収不能という事態が起こり得ます。当社グループでは、滞留債権については債権管理回収会社へ回収事務を委託する等回収に努めている一方で、相当の貸倒引当金を計上し貸倒れの発生に備えておりますが、当該貸倒引当金の額を上回る貸倒れが発生した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に重要な影響を与える可能性があります。
③ 在庫リスク
化粧品事業においては、原材料の発注及び製品製造外注委託について、市場の需要動向や商品在庫状況等を勘案した上での見込み発注を行っております。そのため、常に販売計画等とその実績との乖離要因を把握し、適正在庫の維持に努めておりますが、競合他社との競争激化、消費者の需要の動向等の要因により販売計画と実績との乖離が顕著に発生した場合には、結果として商品在庫の陳腐化等により商品評価損を計上する可能性があり、当社グループの財政状態及び経営成績に重要な影響を与える可能性があります。
④ 海外販売
化粧品事業においては、現状は国内市場での販売が大部分でありますが、ロシア、香港、シンガポール、マレーシア等の海外市場での販売も行っております。また、平成25年1月には、主力商品である「水溶性プラセンタエキス原液」(中国名「苾莱宝浄白精華素」)について、中国国家食品薬品監督管理局(SFDA)より化粧品の輸出許可(中国における輸入許可)を取得しており、今後、中国市場での販売を本格的に展開していく方針としております。化粧品事業では、海外販売の拡大余地が十分にあると捉えており、海外販売の強化を重要戦略の一つと位置づけておりますが、海外販売については、現地の法規制や行政当局の運用、商慣習等が国内とは異なるほか、顧客の信用力等の情報収集にも限界があることから、不測の損害が発生したり、期待通りの業績が計上できない恐れがあります。
(15) 健康補助食品事業について
当社グループでは、日本予防医薬㈱が健康補助食品事業を行っており、当社グループが有するバイオマーカー技術、食薬開発にかかるノウハウや経験等を活かした独自性ある健康補助食品を開発し、販売しております。現在は、疲労プロジェクトから生まれた製品である「イミダペプチド」の飲料及びソフトカプセルを主力製品とし、通信販売による直販及びドラッグストア等への卸売りを展開しております。健康補助食品事業も、基本的な事業構造は化粧品事業と類似していることから、上記(14)と同様に運転資金の増加に関するリスク、与信リスク、在庫リスクを抱えております。
健康補助食品事業におきましては、平成20年8月より、医科向け専用食品である「フロメド・シリーズ」の販売を行いましたが、医師及び患者において十分な認知を得るに至らず販売が伸び悩んだことから、平成23年4月をもって販売を終了いたしました。「イミダペプチド」につきましては、通信販売の顧客の増加やドラッグストア等への販路の拡大等により販売も増加傾向で推移しておりますが、まだ事業拡大の途上でありますので、現時点におきましては、今後、当該事業において期待通りの業績が計上できるかは不確実であります。
また、日本予防医薬㈱では、疲労プロジェクトの成果として、抗疲労トクホの申請を行いました。抗疲労トクホの表示許可の取得に向け引き続き注力する方針でありますが、同製品について必ず抗疲労トクホの表示許可が得られるという保証はありません。抗疲労トクホの表示許可が得られない場合には、今後の当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(16) 医薬臨床研究支援事業について
当社グループでは、長年にわたりトクホの許可取得を目的とした食品の評価試験や市販後調査、疲労プロジェクト等を通じて、エビデンスの取得、構築及び活用に向けた事業を行ってまいりました。また、医師主導型の医療用医薬品等の臨床研究や疫学研究を支援する医薬臨床研究支援事業は、事業開始後、順調に受託を積み上げておりますが、当該事業は次のようなリスクを有しております。
① 市場動向について
当社グループでは、医薬臨床研究支援事業が対象とする医師主導型の医療用医薬品等の臨床研究や疫学研究は、「EBM」(Evidence Based Medicine=科学的根拠に基づく医療)の概念の浸透によるエビデンスの取得のニーズの高まり等から今後とも増加し、市場規模が拡大していくものと考えております。評価試験事業の受注が大きく落ち込んでいる中、当社グループは、新たな収益の柱の一つとして当該事業に注力する方針でありますが、期待どおりに市場が拡大しない場合は、当社グループの事業の拡大に影響を与える可能性があります。
② 新規受注について
当社グループは、長年にわたる食品の評価試験や市販後調査、疲労プロジェクト等を通じて、エビデンスの取得、構築及び活用に関するノウハウ、経験及び事業基盤を有していること等から、新規事業である医薬臨床研究支援事業につきましても、実績の少ない状況でありながら順調に受託を積み上げております。しかしながら、他社との競合や受注環境の悪化等により、当社グループの想定どおりに受託が増加しない可能性があり、その場合には今後の当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
③ 事業基盤の強化について
医薬臨床研究支援事業につきましては、昨今のEBMの概念の浸透によるエビデンスの取得のニーズの高まり等から、研究主体である学会や医師組織等からの引き合いが活発であります。このような状況下、当社グループにおける医療機関ネットワークの拡充や人材の確保等により事業基盤を強化し、受託余力を創出することが課題となっております。このため、事業基盤の強化が当社グループの想定どおりに進まない場合には、当該事業の拡大に支障を生じ、今後の当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
④ 公的ガイドラインについて
医薬臨床研究支援事業は、厚生労働省が施行する「臨床研究に関する倫理指針」及び「疫学研究に関する倫理指針」等の公的ガイドラインの適用を受けます。このため、このような公的ガイドラインの改定または新設等により、事業運営が困難になったり、追加的なコストが必要になったりする恐れがあります。
⑤ 中途解約について
医薬臨床研究支援事業の対象とする医師主導型の医療用医薬品等の臨床研究や疫学研究は、その目的とする研究の内容等によっては、期間が数年に及ぶものもあります。このため、研究の実施途中において、症例のエントリーが想定どおりに進まず研究の完了が困難になった場合や他で新たな知見が発表され研究計画が変更になる場合等は、研究が中止になり、当社グループとの契約が中途解約される可能性があります。
⑥ 売上計上及び売上債権管理について
医薬臨床研究支援事業において当社グループが受領する報酬につきましては、契約条件により、獲得した症例数に応じた成果報酬、獲得した症例数にかかわらず遂行した業務の内容及び量等に応じて支払われる業務報酬の二つに大別されます。これらの報酬の何れにつきましても、獲得した症例数が目標数に達しなかったり、何らかの理由により業務の遂行が計画どおりに進捗しなかったりした場合等には、計上する売上高が減少する可能性があります。また、当該事業の主な顧客である学会や医師組織等は、製薬・食品企業等と比べると財務基盤が脆弱であり、当社グループでは、適切に顧客の信用状況の把握し、債権管理を行う方針でありますが、何らかの理由により顧客の信用力の低下が生じた場合には、売上債権の回収が困難になる恐れがあります。
(17) ヘルスケアサポート事業について
㈱総合医科学研究所が行うヘルスケアサポート事業は、当社グループの有する医療機関ネットワークを活用し、各種健康診断や特定保健指導に関する業務受託、主に被扶養者を対象とする特定健康診査の受診勧奨サポート、糖尿病の重症化予防サービス等、健康保険組合等が行う疾病予防及び健康管理への様々な取り組みを支援するサービスを提供する事業であります。当該事業には次のようなリスクがあります。
① 関連法令等について
ヘルスケアサポート事業におけるサービスには、特定健康診査および特定保健指導の根拠法令である「後期高齢者の医療の確保に関する法律」、定期健康診断の根拠法令である「労働安全衛生法」等、関連法令等の適用を受けるものがあります。このため、これらの関連法令等の改廃が行われた場合には、当該事業の業績に影響を及ぼす可能性があります。
② 受注高について
ヘルスケアサポート事業の受注高は特定保健指導等の対象者の受診実績に応じて事後的に決まることから、当該事業の受注高は、契約締結時点ではなく受診実績が確定した時点で計上しております。受診は対象者の意思に依存するため、受注済の業務であっても受注高を正確に予想することは困難であり、また、結果として受診率が伸びない場合には当該事業の業績に悪影響を及ぼすことになります。
③ 業績について
ヘルスケアサポート事業の当連結会計年度の業績は、売上高が前期比で19.0%増加し、営業利益を計上いたしました。今後、一層の事業の拡大を図るとともに、業務の効率化にも取り組むことにより継続的に営業利益計上を目指す方針でありますが、期待通りに事業の拡大等が進まない場合には、当該事業の業績の改善に時間を要し、その結果、当社グループの連結業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(18) 新規事業について
当社グループは、評価試験事業等の食品の開発支援の事業から、健康補助食品事業等の自社製品の開発及び販売並びにマーケティング事業や医薬臨床研究支援事業等のエビデンス構築及びマーケティング支援等の事業への事業構造の変革を図っており、今後とも、このような戦略に合致する新規事業を立ち上げる可能性があります。新規事業の立ち上げ及び推進には、相応の物的・人的資源の投下が必要となりますが、期待通りの成果が得られる保証はありません。そのような場合、固定費負担の増加等が、当社グループの業績に悪影響を及ぼす恐れがあります。
当社グループの経営上の重要な契約は以下のとおりであります。
(1)特許を受ける権利譲渡契約
大学研究者等の発明に関しまして、当社の連結子会社と大学研究者等が共同で特許を申請する際に締結しているものであります。特に、疲労プロジェクトにおきましては、複数の大学研究者等の発明を組み合わせる形でプロジェクトを推進するため、プロジェクトに必要な発明について、当社の連結子会社と大学研究者等との間で特許の共同申請に関する契約を締結することは極めて重要な意義を有しております。契約者(発明者)及び発明内容は以下のとおりであり、現在、当社の連結子会社及び契約者が共同で特許申請を行っております。なお、契約の内容は各発明について概ね共通であり、各契約者が保有する特許を受ける権利の50%を当社が譲り受け、特許化された後もその権利の50%の持分を当社の連結子会社が保有し、当社の連結子会社は特許を実施することにより得た収入(経費控除後)の50%を対価として契約者に支払うというものとなっております。また、契約期間は、契約締結日から特許有効期間満了日までとしております。
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契約会社名 |
相手先の名称 (発明者) |
発明内容 |
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㈱総合医科学研究所 (連結子会社) |
渡辺 恭良氏 (理化学研究所ライフサイエンス技術基盤研究センター長) 倉恒 弘彦氏 (関西福祉科学大学教授) |
抗疲労効果をもつ新たな組成物であって、トランス-2-ヘキセナール(※1)及びシス-3-ヘキセノール(※2)の少なくとも一種を含有する抗疲労組成物。 |
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㈱総合医科学研究所 (連結子会社) |
渡辺 恭良氏 (理化学研究所ライフサイエンス技術基盤研究センター長) 倉恒 弘彦氏 (関西福祉科学大学教授) |
脈波、特に加速度脈波(※3)の波形変化を指標としてヒトの疲労度を評価する方法。 |
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㈱総合医科学研究所 (連結子会社) |
渡辺 恭良氏 (理化学研究所ライフサイエンス技術基盤研究センター長) |
抗疲労効果をもつ新たな組成物であるテトラヒドロビオプテリン(※4)を含有する抗疲労組成物。 |
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㈱総合医科学研究所 (連結子会社) |
葛谷 恒彦氏 (大阪樟蔭女子大学教授) |
抗酸化(※5)力測定装置及び抗酸化力測定システムを用いて非侵襲的に簡便かつ定量的に抗酸化物の生体における抗酸化力を測定する方法。 |
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㈱総合医科学研究所 (連結子会社) |
白岩 俊彦 (白岩内科医院院長) 金藤 秀明 (川崎医科大学教授) 宮塚 健 (大阪大学大学院特任講師) 藤谷 与士夫 (群馬大学教授) |
膵ベータ細胞(※6)量及び膵ベータ細胞機能の解析方法及びその利用。 |
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㈱総合医科学研究所 (連結子会社) |
渡辺 恭良氏 (理化学研究所ライフサイエンス技術基盤研究センター長) 倉恒 弘彦氏 (関西福祉科学大学教授) |
血液中のアミノ酸濃度を指標として、ヒトの疲労度を評価する方法、キット及びその利用法。 |
<用語解説>
※1 「トランス-2-ヘキセナール」とは、アルコールが酸化したアルデヒドの一種で、植物特有の青臭い香の成分の一つであり「青葉アルデヒド」とも呼ばれています。シス-3-ヘキセノールとともに「緑の香」の成分の一つであり、抗疲労効果が期待できることが分かってきています。
※2 「シス-3-ヘキセノール」はアルコールの一種で、植物特有の青臭い香の成分の一つであり「青葉アルコール」とも呼ばれています。トランス-2-ヘキセナールとともに「緑の香」の成分の一つであり、抗疲労効果が期待できることが分かってきています。
※3 「加速度脈波」とは、脳波測定計により得られる指尖容積脈波を2回微分して得られる二次微分脈波を指します。加速度脈波は変曲点を強調して、波形の評価を容易にし、血液循環動態を捉えていると考えられます。原波形の変曲点が鋭角であればあるほど、二次微分波形の変曲点の振幅も大きくなるため変曲点による波形のパターンの認識や測定が容易となり、生理機能との関連や血行動態の研究に適していると考えられています。
※4 「テトラヒドロビオプテリン」はBH4と略称され、ドパミンやセロトニン合成の補助因子であることが知られています。これらの神経伝達物質の欠乏は神経症状の原因となることから、BH4はいくつかの脳障害を処置するうえで有効であるとの報告があり、そのような報告の中には、6歳児における自閉症やうつ病に対する有効例があります。
※5 生体における「酸化」とは、体内に存在する酸素が生体中の様々な成分と結合することをいい、生体おける各種機能に異常を生じさせるための生活習慣病や癌等の原因ともなり得ることが分かっています。
※6 「ベータ細胞」とは、膵臓のランゲルハンス島にあるインスリン産生細胞を指します。インスリンは、血中のブドウ糖が筋肉や肝臓に取り込まれることを助け、血糖値が一定以上に上昇しないよう調節する役割を持っています。ベータ細胞の量が減少したり、働きが悪くなったりしますと、インスリンの分泌に異常を生じ血中の糖濃度が高くなります。この症状が耐糖能異常であり、これが一定以上に進行すると糖尿病ということになります。
当連結会計年度においては、主に平成15年10月に発足した疲労プロジェクトの推進及び商品ラインナップ拡充のための研究開発活動等を実施しており、研究開発費の総額は49百万円となりました。
セグメントごとの研究開発活動の内容は次のとおりであります。
(1)生体評価システム事業
生体評価システム事業における研究開発活動の主となる疲労プロジェクトでは、疲労の定量評価技術の確立、抗疲労効果成分の同定、抗疲労食品の開発を行いました。また、疲労プロジェクトの成果を応用し、食薬以外の製品の「癒し」効果等を評価する事業も展開しております。
当連結会計年度においては、疲労プロジェクトに関して、引き続き疲労の定量評価のためのバイオマーカーの研究等を推進しました。
このようなことから、当事業に係る研究開発費は26百万円となりました。
(2)化粧品事業
化粧品事業におきましては、中国市場における化粧品販売の推進を目的に資本業務提携した中国の化粧品会社とのブランドの共同開発や、商品ラインナップ拡充のための新商品の開発に取り組んでおります。当事業に係る研究開発費は21百万円となりました。
(3)健康補助食品事業
健康補助食品事業におきましては、疲労プロジェクトから生まれた飲料「イミダペプチド」のトクホ申請に必要となる栄養分析や商品ラインナップ拡充のための新商品の開発を行いました。
このようなことから、当事業に係る研究開発費は1百万円となりました。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
なお、当連結会計年度より、「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日)等を適用し、「当期純利益又は当期純損失」を「親会社株主に帰属する当期純利益又は親会社株主に帰属する当期純損失」としております。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針及び見積りの概要については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載されているとおりであります。
(2)財政状態の分析
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べて547百万円増加(12.5%増)し、4,938百万円となりました。これは主に、資金運用目的で保有する有価証券が100百万円減少したものの、現金及び預金が383百万円、受取手形及び売掛金が189百万円それぞれ増加したこと等によるものであります。
負債は、前連結会計年度末に比べて360百万円増加(136.8%増)し、623百万円となりました。これは主に、買掛金が98百万円、未払法人税等が93百万円、その他流動負債が86百万円それぞれ増加したこと等によるものであります。
純資産は、前連結会計年度末に比べて186百万円増加(4.5%増)し、4,314百万円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益を46百万円計上したほか、資本剰余金が43百万円、非支配株主持分が83百万円それぞれ増加したこと等によるものであります。
なお、キャッシュ・フローの状況については、「第2 事業の状況 1 業績等の概要」に記載のとおりであります。
(3)経営成績の分析
当連結会計年度の経営成績は、売上高3,213百万円、営業利益182百万円、経常利益191百万円、親会社株主に帰属する当期純利益46百万円となりました。当連結会計年度における経営成績の分析は以下のとおりであります。
売上高の主な内訳は、生体評価システム事業が626百万円(前期比0.3%増)、ヘルスケアサポート事業が168百万円(前期比19.0%増)、化粧品事業が1,250百万円(前期比83.7%増)、健康補助食品事業が1,160百万円(前期比5.5%増)となっております。生体評価システム事業のうち、医薬臨床研究支援事業が減収となったものの、卸売専用のフェイシャルマッサージ用ゲル「PHマッサージゲルPro.」がヒットし、供給能力の増強にも取り組んだことにより卸売部門が伸長した化粧品事業が大幅に増収となり、全社合計では前期比26.1%の増収となりました。
販売費及び一般管理費は1,692百万円(前期比15.4%増)となり、営業利益は182百万円(前期は9百万円の営業損失)となりました。販売費及び一般管理費の増加の主な要因は、化粧品事業において、広告販促活動を積極的に推進したことにより広告宣伝費が前期比12百万円(27.0%)、販売促進費が前期比43百万円(51.0%)それぞれ増加となったことや、中国市場における化粧品販売の推進を目的に資本業務提携した中国の化粧品会社と、ブランドの共同開発に取り組んだことにより研究開発費が前期比19百万円(前期は1百万円)増加したほか、事業規模拡大に伴う人員増強等により、化粧品事業において、人件費関連費用が前期比31百万円(25.1%)増加したこと等によるものであります。
特別損失には、投資有価証券評価損を19百万円、固定資産除却損を0百万円計上したことにより、合計では20百万円(前期は1百万円)となりました。
これらのことから、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は46百万円(前期は5百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
(4)経営者の現状認識及び経営戦略について
当社グループでは、最近数年のトクホの開発案件の減少傾向から、過去に主要事業であった評価試験事業及びバイオマーカー開発事業の業績が大きく落ち込んでおります。
このため、当社グループは、評価試験事業等の食品の開発支援の事業から、健康補助食品事業等の自社製品の開発及び販売ならびにマーケティング事業や医薬臨床研究支援事業等のエビデンス構築及びマーケティング支援等の事業への事業構造の変革を図るとともに、経営資源の適正配分や経営合理化を通じたコスト削減にも徹底して取り組むことにより、業績の回復、拡大を図っております。この成果により、当連結会計年度の連結業績は上記のとおり前期比で増収及び増益の計上となっており、本報告書提出日現在において、次期の見通しについても増収及び増益であることから、業績を回復軌道に乗せることが出来ているものと認識しております。
トクホの開発案件の短期的な増加は見込み難いものの、国民の健康意識の高まりや医療の適正かつ効率的な運用を目指す「EBM」(Evidence Based Medicine=科学的根拠に基づく医療)の概念の普及にともない、医薬、食品、化粧品、ヘルスケア関連サービス等の様々な領域において、当社グループの強みであるエビデンスの構築及び活用のニーズが高まっております。当社グループは、市場ニーズを適切に把握しつつ、引き続き上述の経営戦略を推し進めることにより、業績の回復、拡大を図ってまいる方針であります。