第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

 当第1四半期連結累計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」について変更があった事項は、次のとおりとなります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当第1四半期連結累計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。

 また、以下の見出しに付された項目番号は、前事業年度の有価証券にける「第一部 企業情報 第2 事業の状況 2 事業等のリスク」の項目番号に対応したものであります。

 

⑨M&A等の事業投資について
 当社グループが事業展開するインターネット業界は、関連技術およびビジネスモデルの変化が非常に早く、競争環境は大きく変化します。当社グループは、既存事業の強化および新規事業育成とともに、M&A等の事業投資による経営戦略の実行も有効な手段であると認識しております。

 当社グループは従来のM&A等の事業投資に加えて、デジタルシフト企業への転換に向けて、既存事業及びデジタルシフト関連の投資を従来よりも積極的に実施することを予定しております。これらの投資は既存事業の再編、新規事業の立ち上げ、ジョイントベンチャーを含む新会社の設立、他社株式や持分の取得など多様な投資形態に及ぶことが想定されます。

 M&A等の事業投資を行う際には、対象事業の内容や契約関係についてデューデリジェンス等を行い、十分な精査を行いリスクの回避に努めておりますが、偶発債務、未認識債務等の発生、事業環境の変化等により、計画通りに事業を展開することが出来ず、当社グループの財政状況及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績の分析

 当社グループは、「デジタル産業革命を支援・変革・創造する」という考えのもと、急速に進展するデジタル産業革命に対応し、企業のあらゆる「デジタルシフト」を牽引することにより、企業価値及びキャッシュ・フローの最大化を図ることを方針としております。

 現在の主力事業であるインターネット広告代理店に加え、デジタルシフトカンパニーとして、以下の3軸による戦略(3DS戦略)を展開してまいります。1つ目は「デジタルシフト支援(for clients)」として、現在のプロモーション活動の支援(1P)に留まらず、より幅広いマーケティングソリューション(7P:Promotion, Product, Price, Place, Personnel, Process and Physical Evidence)をクライアント企業に提供することで、当社グループのサービス及び商品の幅の拡充を図ってまいります。2つ目に「デジタルシフト変革(with clients)」として、クライアント企業との提携や合弁企業設立等を通じて、企業のデジタルシフトの加速、変革を担ってまいります。最後に「デジタルシフト創造(by ourselves)」として、既存の業態や業界慣行にとらわれないデジタルサービスをゼロから創造してまいります。これらを通じ、当社グループにおけるビジネスモデルの多様化を実現してまいります。

 また、当社グループでは、企業価値向上のため、強固な財務基盤を維持する一方で、キャッシュを中心とした経営資源を積極的に活用することを経営戦略の基本方針としております。具体的には、投資リターン目標としてIRR(Internal Rate of Return:内部収益率)10%以上を基準としつつも、今後3年程度でデジタルシフト関連の事業投資として既存事業を中心とした200億円程度の投資の実施や、既存事業とは別枠で「デジタルシフト創造」関連のM&Aを検討しており、中長期のEPS成長を加速させることで株主還元を最大化することを目標としております。

 当第1四半期ではデジタルシフトへの取り組みの一環として、顧客の社員様向けにデジタル化教育を支援する株式会社デジタルシフトアカデミーや国内中小企業の製品を中国市場へ輸出し、マーケティングを支援する株式会社オプトチャイナを設立しました(効力発生日は2019年4月1日)

 

 上記経営方針に基づいた事業推進の結果、当社グループの当第1四半期連結累計期間における売上高は21,555百万円(前年同期比5.3%減)、売上総利益4,178百万円(前年同期比10.0%減)、営業利益406百万円(前年同期比59.7%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益242百万円(前年同期比52.9%減)となりました。

 

 セグメント別の業績は次のとおりであります。

 当社グループは、マーケティング事業、シナジー投資事業の2つの報告セグメント及びHD管理コストについて、業績分析を行い、報告を行っております。マーケティング事業及びシナジー投資事業は、HD管理コスト配賦前の損益を表示しております。

 

<マーケティング事業>

 マーケティング事業は、主に大手企業向けにインターネット広告、デジタルマーケティング及びその関連サービス等を提供する株式会社オプト及びその他連結子会社6社からなる大手領域、地方中小企業向けに各種デジタルマーケティングソリューションを提供するソウルドアウト株式会社及びその連結子会社5社からなる地方中小領域の2つのサブセグメントで構成されています。

 マーケティング事業の当第1四半期連結累計期間における業績は下記のとおりとなりました。

 

 国内のインターネット広告の需要はテレビやチラシ等の既存メディアからの切り替えが継続する中で、インターネットメディアの多様化に伴い、クライアント企業のデジタルマーケティング及びデジタルシフトへのニーズの一層の高まりが見られました。一方で、景気拡大が踊り場に差し掛かっている業種もあり、一部クライアント企業でマーケティング予算を抑制する動きも顕在化しております。

 こうした市場環境の中で、当社グループでは新規顧客の獲得に加え、これまでのデジタルマーケティング領域のみならず、クライアント企業のデジタルシフト支援を目指した提案営業、ソリューション開発、自社プロダクトの開発に努めてまいりました。

 マーケティング事業の当第1四半期連結累計期間における売上高は、20,298百万円(前年同期比4.5%減)、営業利益855百万円(前年同期比39.5%減)となりました。

 当連結会計年度におけるマーケティング事業の主な取り組みは、以下のとおりとなります。

・株式会社オプトを中心に、メーカーや流通小売業等の大型顧客を開拓。

・株式会社オプトの主な取り組み

- TikTokの広告サービス販売に向けて、TikTok独特の世界観に最適化させたクリエイティブ制作パッケージの提供を開始。若年層を中心に幅広い年代をターゲットとしたマーケティング支援を強化。

- 「Criteo Certified Partners(スター代理店制度)」にて4期連続で国内最高ランクのファイブスター代理店に認定。

- 有店舗事業者のデジタルシフトを推進していくためにCDPを活用したマーケティング支援を開始。CDP(カスタマー・データ・プラットフォーム)とは、個人を特定せず顧客一人ひとりの属性や行動データを収集・蓄積・統合するためのデータプラットフォームを指す。あらゆる顧客接点の情報を顧客IDで統合することにより、販売員の接客やプロモーションの質の向上につなげる。「米国CDP協会」に国内広告代理店として初加盟し、CDPに関するイベント・セミナーの開催やグローバルのCDP活用事例を積極的に発信することにより、本領域のリーディングカンパニーを目指す。

- 消費者のインサイト解析ツール「Basis」の開発、提供を開始。1万以上のパネルを対象に、購買情報や生活に関する価値観を調査し、37属性×63項目×ログデータを掛け合わせた独自のデータベースを構築。想定ユーザーのイメージを具体化することにより、効率の良いマーケティングを支援する。

- LINE株式会社が提供する法人向けサービスの販売・開発のパートナーを認定する「LINE Biz-Solutions Partner Program Award 2019 1st half」において、「LINE Account Connect」部門「Sales Partner」「Technology Partner」の「Gold」を受賞、「LINE Ads Platform」部門「Sales Partner」の「Silver」を受賞。

・地方中小領域を担うソウルドアウト株式会社(証券コード6553)を中心として、国内21拠点で営業活動を実施し、新規顧客を開拓。

・ソウルドアウト株式会社の主な取り組み

- 2019年3月22日に東証一部へ市場変更。

- 「LINE Biz-Solutions Partner Program」の「LINE Biz-Solutions Partner Award 2019 1st half」において、「LINE Ads Platform」部門「Sales Partner」の「Bronze」を受賞。

- ソウルドアウト株式会社の連結子会社である株式会社テクロコにおいて、LINEトーク画面上でGoogleマイビジネス(以下、GMB)の登録・更新・効果の改善操作ができるツール「ライクルGMB」をリリース。LINE社、Google社との共同開発により実現したシームレスな操作性が本サービスの強み。店舗事業者がGMBを通して店舗の魅力的な情報を正確、手軽に広められるようサポートし、認知、来店促進を支援する。

 

<シナジー投資事業>

 シナジー投資事業は、事業開発投資領域及び金融投資領域で構成されます。事業開発投資領域は、主にAI関連事業を手掛ける株式会社SIGNATE及び中国での越境EC事業、金融投資事業はOPT Ventures1号ファンド、2号ファンド、OPT Americaにて運用を行う投資事業等で構成されています。また海外におけるマーケティング事業も含まれております。

 シナジー投資事業の当第1四半期連結累計期間の業績は以下のとおりとなりました。

 

 シナジー投資事業の当第1四半期連結累計期間における売上高は、1,260百万円(前年同期比18.5%減)、営業利益86百万円(前年同期比166.1%増)となりました。

 当連結会計年度におけるシナジー事業の主な取り組みは、以下のとおりとなります。

・オプトベンチャーズ2号投資事業有限責任組合のファーストクローズを終了し、第一号案件として開発者のコードレビュー業務をAIで支援するSider株式会社、第二号案件として無線を利用したリアルタイム位置計測と時間同期システムの開発と販売を行う米国企業Zainar, Inc.への出資を実施。

・既存投資先であった株式会社ライトアップ株式の全保有株を売却。

・株式会社SIGNATEにおいてAI・機械学習モデルの管理・運用及び再学習をサポートするプラットフォーム「Aldebaran(アルデバラン)」をリリース。Aldebaranの利用企業は、弊社データサイエンティストによるサポートのもと初期設定を行うだけで、AI・機械学習モデルの実行環境を構築することなく、APIベースでAI・機械学習モデルを利用することが可能となり、SIGNATEはこれまで提供してきたAI・機械学習モデルの「開発」に加え、開発したモデルの「管理・運用・再学習」までを一気通貫でサポートすることが可能になります。

中国事業は今後の収益拡大とグループ経営の観点から、当社の運営する中国事業を承継する株式会社オプトチャイナを新設分割により設立(効力発生日は2019年4月1日)。オプトチャイナでは、販売先が越境専門ECサイトに限定されていた従来の越境ECモデルから一般貿易モデルにビジネスモデルを変更するとともに仕入元を中小メーカー中心にシフトし、当社が独占販売ライセンスの供与を受けたメーカーとともに人気商品育成に注力する仕組みに注力することでビジネスの拡大を目指します。

 

<HD管理コスト>

 当第1四半期連結累計期間におけるHD管理コストは下記のとおりとなりました。

 

 HD管理部門においては、中期経営計画の実現にあたり、人材の採用・育成を経営上の重要な課題と認識しており、中途採用及び人材育成を強化しております。加えて、2018年9月には企業価値向上へのインセンティブとなる譲渡制限付株式報酬制度を導入した結果、HD管理部門の当第1四半期連結累計期間における販売費及び一般管理費は、△538百万円(前年同期は△447百万円)となりました。

 

(2) 財政状態に関する説明

 「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 2018年2月16日)等を当第1四半期連結会計期間の期首から適用しており、財政状態については遡及処理後の前連結会計年度末の数値で比較を行っております。

 

(資産)

 当第1四半期連結会計期間末における資産の合計は、前連結会計年度末に比べて8,314百万円増加し、64,866百万円となりました。

 流動資産は58,431百万円となり、前連結会計年度末に比べて8,340百万円増加しております。これは主に、現金及び預金が1,036百万円減少したこと及び売上債権が752百万円減少したものの、営業投資有価証券が10,228百万円増加したことによるものであります。

 固定資産は6,434百万円となり、前連結会計年度末に比べて25百万円減少しております。これは主に、投資有価証券が55百万円増加、敷金及び保証金が42百万円増加並びに無形固定資産が40百万円増加したものの、繰延税金資産等を含む投資その他の資産のその他が179百万円減少したことによるものであります。

 

(負債)

 当第1四半期連結会計期間末における負債の合計は、前連結会計年度末に比べ1,300百万円増加し、30,718百万円となりました。

 流動負債は17,092百万円となり、前連結会計年度末に比べて1,486百万円減少しております。これは主に、賞与引当金が478百万円減少したこと、未払法人税等が474百万円減少したこと及び仕入債務が467百万円減少したことによるものであります。

 固定負債は13,626百万円となり、前連結会計年度末に比べて2,787百万円増加しております。これは主に、長期借入金が400百万円減少したものの、主に営業投資有価証券の時価評価等に伴い生じた繰延税金負債が3,182百万円増加したことによるものであります。

 

(純資産)

 当第1四半期連結会計期間末における純資産の合計は、前連結会計年度末に比べ7,013百万円増加し、34,147百万円となりました。

 これは主に、営業投資有価証券の時価評価に伴いその他有価証券評価差額金が7,140百万円増加したことによるものであります。

(3) キャッシュ・フローの状況

 当第1四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末より1,035百万円減少し、18,562百万円となりました。これは営業活動、投資活動及び財務活動により資金を使用したことによるものであります。

 当第1四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は以下のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果減少した資金は131百万円(前年同期は486百万円の増加)となりました。

 これは主に、売上債権が682百万円減少したこと、税金等調整前四半期純利益を438百万円計上したこと及び減価償却費を128百万円計上したものの、法人税等の支払が501百万円あったこと、賞与引当金が484百万円減少したこと及び仕入債務が460百万円減少したことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果減少した資金は373百万円(前年同期は878百万円の増加)となりました。

 これは主に、事業譲渡による支出が177百万円発生したこと及び無形固定資産の取得による支出が172百万円発生したことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果減少した資金は527百万円(前年同期は565百万円の減少)となりました。

 これは主に、非支配株主からの払込みによる収入が206百万円発生したものの、配当金の支払による支出が431百万円発生したこと及び長期借入金の返済による支出が250百万円発生したことによるものであります。

 

(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題

 当第1四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき事業上及び財務上の課題に、新たな発生及び重要な変更はありません。

 

(5) 研究開発活動

 該当事項はありません。

 

3【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。