第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1)会社の経営の基本方針と中長期的な経営戦略

 当社グループは、「デジタル産業革命を支援・変革・創造する」という考えのもと、急速に進展するデジタル産業革命に対応し、企業のあらゆる「デジタルシフト」を牽引することにより、企業価値及びキャッシュ・フローの最大化を図ることを方針としており、現在取り組んでいる事業構造改革においては、主力事業を従来の顧客のプロモーション支援を中心としたマーケティング事業からデジタルシフト関連事業へ事業領域を拡大し、既存事業成長を中心とした従来の目標「2030年に売上高1兆円」から、「2030年に企業価値1兆円」を達成することを新たな目標としております。

 上記目標を達成するため、既存ネット広告マーケティング事業の収益性改善に取り組むとともに、将来の成長を牽引する具体的施策として、①首都圏の中堅・成長ベンチャー顧客へのプロモーション提案を行う専門組織の設立、②ソウルドアウトグループとの共同出資によるマーケティング事業のプロダクト開発・提供を行うジョイントベンチャーの設立、③デジタルシフトに関するプロフェッショナル人材を取り扱う人材派遣事業/コンサルティング事業への参入、④既存アセットを利用した更なるオープンイノベーションの拡大を展開し、当社グループにおけるビジネスモデルの多様化を実現してまいります。

 また、当社グループでは、企業価値向上のため、強固な財務基盤を維持する一方で、キャッシュを中心とした経営資源を積極的に活用することを経営戦略の基本方針としております。具体的には、投資リターン目標としてIRR(Internal Rate of Return:内部収益率)10%以上を基準としつつ、2019年度から3年程度でデジタルシフト関連の事業投資として既存事業を中心とした約200億円の投資の実施や、既存事業とは別枠で「デジタルシフト創造」関連のM&A投資を検討しており、中長期のEPS成長を加速させることで株主還元を最大化することを目標としております。

 

(2)目標とする経営指標

 当社グループが重要視している経営指標は、Non-GAAP指標であるEBIT(※1)、EBITDA(※2)、フリー・キャッシュ・フロー(※3)、AUM(※4)であります

 

※1:EBIT=税金等調整前当期純利益+支払利息-受取利息

※2:EBITDA=EBIT+その他金融関連損益+減価償却費+無形固定資産償却費+長期前払費用償却費+非資金損益

※3:フリー・キャッシュ・フロー=営業キャッシュ・フロー+投資キャッシュ・フロー+調整額(一時的なキャッシュ・フロー項目)

※4:AUM(Assets under management)=子会社株式・関連会社株式の帳簿価額及び営業投資有価証券・投資有価証券の公正価値(Fair Market Value)(※5)の合計額

※5:FMV(Fair Market Value):取引の知識がある自発的な当事者が独立の第三者間取引において資産を交換又は負債を決済する場合の金額

 

(3)対処すべき課題

 当社グループは、以下の点を主な経営課題と捉えております。

① マーケティング事業におけるターゲット顧客の拡大

② 顧客営業力の強化及びエンジニアによる技術力の強化

③ 生産性向上のための業務プロセスの効率化・自動化

④ デジタルプロフェッショナル人材の確保及び育成

⑤ 新規デジタルシフト事業のサービス拡大

⑥ グループ連携強化及びグループアセットの活用

⑦ ガバナンス及び経営スピードを両立できるグループ経営管理体制の構築

 

2【事業等のリスク】

 当社グループの事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項は以下のものがあります。また、必ずしも事業上のリスクに該当しない事項についても、投資家の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資家に対する情報開示の観点から積極的に開示しております。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、本株式に関する投資判断は、以下の記載事項及び本項以外の記載事項を、慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。なお、以下記載の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、また、本株式への投資に関連するリスクをすべて網羅するものではありませんので、ご留意ください。

① インターネット広告事業について

 当社グループのマーケティング事業が属するインターネット広告市場は、インターネット利用者数の増加やスマートフォンの普及に伴い、広告媒体として急速に拡大してまいりました。今後の市場規模の拡大については、景気の動向や広告主の広告戦略の動向に左右されるため、当社グループにおける業績もこれらの要因に影響を受け、当社グループが想定しない業績の変動が生ずる可能性があります。

 また、インターネット広告等を顧客に販売するため、特定の媒体運営会社より各種広告枠及びサービス等を仕入れております。売上原価に占めるこうした媒体運営会社の占める比率は高く、取引条件の変更等により広告枠やサービスの仕入れができなくなった場合には、当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 加えて、インターネット広告市場には複数の競合会社が存在しており、激しい競争環境であります。その中で、当社グループは競合優位性を確立し競争力を高めるべく様々な施策を講じております。しかしながら、必ずしもこのような施策が奏功し競合優位性の確立につながるとは限らず、その場合、当社グループ業績に影響を与える可能性があります。

② デジタルシフト事業について

 当社は、1994年の設立以来、主にマーケティング事業を主業務として運営してまいりました。一方で、デジタル産業革命は勢いを増し、社会やお客様を取り巻く環境は日々変化する中、マーケティング事業だけには留まらない“あらゆるデジタルシフト”に対応することが社会や企業の繁栄のための課題となり、また当社グループの発展にも必要不可欠となっております。

 その中、当社グループでは、従来のマーケティング事業が運営するデジタルマーケティングに加え、デジタルプロフェッショナル人材育成、デジタルを活用した新規事業開発等、企業全体のデジタル化を全面的にサポートするデジタルシフト事業の拡大に取り組んでまいりました。

 今後、更にデジタル産業革命の勢いが増し、当社グループのお客様を取り巻く環境は日々変化していくことが予想されます。当社グループが中長期にわたり持続的な成長と企業価値の向上を実現していくにあたり、マーケティングだけに留まらない“デジタルシフト事業拡大”が必要不可欠であることから、主事業をマーケティング事業から“デジタルシフト事業”へと事業構造改革をするため、新たな戦略・経営体制によりデジタルシフトカンパニーへ進化していくことといたしました。

 しかしながら、将来の事業環境の変化をはじめとした様々な予測困難なリスクの発生により、当初の事業計画を達成できない場合は、当社グループの事業展開及び業績等に影響を与える可能性があります。

③ 法的規制について

 当社グループは、事業ごとに各種法令・規制の適用を受けており、国内事業においては、インターネット広告及び関連サービスにおける個人情報及びインフォマティブデータ等の取扱いに対する規制、IoT・AIに関連する法令の整備、また、海外事業においては、中国での電子商取引(越境EC)に関する輸入規制及び投資規制の強化など様々な側面から法的規制の変化、さらには働き方改革への対応などにより、各種事業活動に影響が生じうることがあり、その内容によっては、当社グループの業績及び今後の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。

④ 人材の確保、教育・育成及び特定経営者への依存について

 当社グループは競争優位性を確保する上で、人材を重要な経営資源として捉えており、優秀な人材の確保及び教育・育成を重要な課題と認識しております。人材採用と教育・育成には、有効と考えうる施策を講じておりますが、人材市場環境の変化等により、必要な人材の確保や教育・育成が想定どおり進展しない場合には、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 また、代表取締役である鉢嶺登、野内敦は、創業以来当社グループの事業活動全般において重要な役割を果たしております。これら役員が何らかの理由により業務執行が困難となるような事態が生じた場合、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

⑤ 個人情報管理に関わるリスク

 当社グループでは、事業を通じて、個人情報を取り扱うことがあります。当社グループは、個人情報が極めて機密性の高い情報であることを認識し、「情報セキュリティポリシー」をグループで定めるなど情報管理体制を整えております。また、株式会社オプト及び株式会社ハートラスなどの子会社においては、「プライバシーマーク」を取得しており、当社グループとして、個人情報の管理体制の強化に努めております。

 また、個人情報保護法(Cookieの利用規制強化等)やEU一般データ保護規則(GDPR)、米カリフォルニア州消費者プライバシー法(CCPA)などの保護規制の動向を注視し、個人情報保護に関する対策をしております。

 しかしながら、システム上の問題、関係者の過失や犯罪行為等によって、個人情報が流出する可能性は否定できず、当社グループの社会的信用の失墜や損害賠償請求により、当社グループの事業、業績及び財務状態に影響を及ぼす可能性があります。

⑥ 知的財産権に関わるリスク

 当社グループは、マーケティング事業を中心に各事業活動を行う他、オウンドメディアの運営、AIを活用したデータ分析等を展開していく上で、知的財産権の管理を重要なものと位置付け、従業員に対する意識啓発を行うなど対策に努めております。

 しかしながら、役員及び従業員の過失等の要因により、第三者の知的財産権を侵害してしまい、損害賠償や差止めの請求を受ける場合があり、一方で、当社グループが有する知的財産権を侵害されてしまい、訴訟提起等の対応を行う場合があります。それらの結果によっては、当社グループの信用低下や経済的損失が生じる可能性があります。これらの場合には、当社グループの事業、業績及び財務状態に影響を及ぼす可能性があります。

⑦ 業務遂行について

 当社グループは、適正に業務が遂行されるよう対策を講じておりますが、役員及び従業員による不正行為、不適切な行為、事務処理のミス、労務管理上の問題、広告主との間のトラブル等が発生し、適切な対処ができなかった場合、社会的信用を失うとともに、企業イメージを損なうこと等により当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

⑧ システムダウン及び情報セキュリティについて

 当社グループは、インターネットを利用したサービスを提供しているため、自然災害や事故等によりインターネット網が切断された場合には、当社グループのサービスが提供不能となる可能性があります。また、予期しない急激なアクセス増による一時的な過負荷によるサーバーのダウン、当社グループや取引先のハードウェアやソフトウエアの欠陥等により、当社グループのサービスが停止する可能性があります。顧客へのソリューションサービスの運用に上記のトラブル等が発生し、機能が十分に生かせないような事態が発生した場合には、当社グループの競争力が低下し、業績の低下に繋がる可能性があります。また、コンピューターウィルスの混入、外部からの不正な手段による社内ネットワークへの侵入、役員及び従業員の過誤等による社内インフラの停止、重要なデータの消去又は不正流出等の事態が発生した場合には、当社グループに直接的・間接的な損害が発生する可能性があるほか、当社グループサービスへの信頼が失墜する可能性があります。

⑨ 取引先の選定及び与信について

 当社グループは、取引先の選定にあたって事前の与信調査を可能な範囲で行っておりますが、通常予測しえない何らかの事情により取引先の与信が低下し、債権回収の不調等による経済的損失が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

⑩ グループ経営について

 当社グループは、当社を持株会社とし、子会社や関連会社を通じてマーケティング事業を展開する一方で、シナジー投資事業として営業投資有価証券及び投資有価証券への投資を行っております。当該子会社及び関連会社の事業状況等の悪化、もしくは投資先の業績悪化により、減損損失の発生、支援費用発生等、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

⑪ M&A等の事業投資について

 当社グループが事業展開するインターネット業界は、関連技術及びビジネスモデルの変化が非常に早く、競争環境は大きく変化します。当社グループは、既存事業の強化及び新規事業育成とともに、M&A等の事業投資による経営戦略の実行も有効な手段であると認識しております。

 当社グループは従来のM&A等の事業投資に加えて、デジタルシフト企業への転換に向け、既存事業及びデジタルシフト関連へのより積極的な投資の実施を検討しております。これらの投資は既存事業の再編、新規事業の立ち上げ、ジョイントベンチャーを含む新会社の設立、他社株式や持分の取得など多様な投資形態に及ぶことが想定されます。

 M&A等の事業投資を行う際には、対象事業の内容や契約関係についてデューデリジェンス等を行い、十分な精査を行うことでリスクの回避に努めておりますが、偶発債務、未認識債務等の発生、事業環境の変化等により、計画通りに事業を展開することが出来ず、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

⑫ 海外事業について

 当社グループは、海外の子会社及びファンドを保有しております。各国特有の商習慣、政府規制、競合環境等の潜在的リスクに対応できない場合には、事業の推進等が困難となり、投資回収ができず、当社グループの事業及び業績に与える影響があります。

⑬ 金融市場の影響について

 当社グループは、海外子会社・関連会社、海外投資ファンド、上場有価証券等を保有しており、為替や株式等金融市場の影響を受けます。金融市場の動向によっては、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

⑭ 資金運用について

 当社グループは、常に余裕を持った資金繰りを行うことができるよう資金調達や運用状況の分析を行っておりますが、資金調達と資金運用の期間のミスマッチや予期せぬ資金の流出等により資金繰りが困難になる、あるいは著しく高い金利での調達を余儀なくされる可能性があります。このような場合、資金調達コストの上昇が当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

⑮ インターネット等による風評被害について

 ソーシャルメディアの急激な普及に伴い、インターネット上の掲示板への書き込みや、それを起因とするマスコミ報道等による風評被害が発生・拡散した場合、その内容の正確性にかかわらず、当社の経営にとってネガティブな影響が生じ、当社グループの事業、業績及び財務状態に影響を及ぼす可能性があります。

⑯ 自然災害等によるリスクについて

 地震、台風等の自然災害や火災、パンデミック等の発生により、当社グループの事業活動及び業績に影響を与える可能性があります。これらの災害等が発生した場合、当社グループは適切かつ速やかに全社的な危機管理・復旧対応を行うよう努めてまいりますが、災害等による物的・人的損害が甚大である場合には、事業活動自体が困難又は不可能となる可能性があります。

 

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績等の状況

 当社グループは、「デジタル産業革命を支援・変革・創造する」という考えのもと、急速に進展するデジタル産業革命に対応し、企業のあらゆる「デジタルシフト」を牽引することにより、企業価値及びキャッシュ・フローの最大化を図ることを方針としており、現在取り組んでいる事業構造改革においては、主力事業を従来の顧客のプロモーション支援を中心としたマーケティング事業からデジタルシフト関連事業へ事業領域を拡大し、既存事業成長を中心とした従来の目標「2030年に売上高1兆円」から、「2030年に企業価値1兆円」を達成することを新たな目標としております。

 上記目標を達成するため、既存ネット広告マーケティング事業の収益性改善に取り組むとともに、将来の成長を牽引する具体的施策として、①首都圏の中堅・成長ベンチャー顧客へのプロモーション提案を行う専門組織の設立、②ソウルドアウトグループとの共同出資によるマーケティング事業のプロダクト開発・提供を行うジョイントベンチャー設立、③デジタルシフトに関するプロフェッショナル人材を取り扱う人材派遣事業/コンサルティング事業への参入、④既存アセットを利用した更なるオープンイノベーションの拡大を展開し、当社グループにおけるビジネスモデルの多様化を実現してまいります。

 また、当社グループでは、企業価値向上のため、強固な財務基盤を維持する一方で、キャッシュを中心とした経営資源を積極的に活用することを経営戦略の基本方針としております。具体的には、投資リターン目標としてIRR(Internal Rate of Return:内部収益率)10%以上を基準としつつ、2019年度から3年程度でデジタルシフト関連の事業投資として既存事業を中心とした200億円程度の投資の実施や、既存事業とは別枠で「デジタルシフト創造」関連のM&Aを検討しており、中長期のEPS成長を加速させることで株主還元を最大化することを目標としております。

 

(財政状態の状況)

 当連結会計年度末における資産の合計は、前連結会計年度末に比べて4,580百万円増加し、61,132百万円となりました。負債の合計は、前連結会計年度末に比べて886百万円減少し、28,531百万円となりました。純資産の合計は、前連結会計年度末に比べて5,467百万円増加し、32,601百万円となりました。

 なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態については遡及処理後の前連結会計年度末の数値で比較を行っております。

 

(経営成績の状況)

 当社グループの当連結会計年度における売上高は、89,953百万円(前連結会計年度比3.1%増)、営業利益2,633百万円(前連結会計年度比49.0%増)、経常利益2,833百万円(前連結会計年度比69.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,928百万円(前連結会計年度比0.3%増)となりました。

 

 セグメント別の経営成績は次のとおりであります。

 

<マーケティング事業>

 当連結会計年度におけるマーケティング事業における主な取り組みは、以下のとおりとなっております。

・株式会社オプトの主な取り組み

- 広告代理事業以外のサービスの開発及び販売を注力領域に設定し、経営資源を最適に配分することを目的にクロスフィニティ株式会社のパフォーマンスマーケティング事業及びソーシャルメディアマーケティング事業を株式会社オプトに吸収分割、同社ウェブサイトコンサルティング事業を株式会社ハートラスに吸収分割とする組織再編を実施(2019年10月1日)。

- 株式会社オプトが、株式会社イルグルムとデータマーケティング事業において戦略的パートナーシップを開始。その取り組みの一つとして、株式会社オプトが提供していた広告効果測定ツール『ADPLAN』を株式会社イルグルムに譲渡を実施。株式会社オプトは計測後のデータ「蓄積」「分析」「活用」を担うデータマーケティング事業に注力する方針。

・ソウルドアウト株式会社の主な取り組み

- ソウルドアウト株式会社の連結子会社である株式会社サーチライフ及び株式会社テクロコは、2019年7月1日に合併し、「SO Technologies株式会社」として営業を開始。「日本中、どこでも、だれでも、カンタンに、その情熱を稼ぐ力に変えるデジタル集客プラットフォームを創る」というビジョンに向かい、これまで培ってきたノウハウとテクノロジーを駆使し、より価値の高いサービス開発・提供へ。

- 高知県四万十市に運用型広告のオペレーションセンター「デジタルオペレーションセンター四万十」を設立。広告運用に特化したオペレーションセンターでは、高度な自動化技術に適した広告運用の仕組みを整え、日本全国の中小・ベンチャー企業様へこれまで以上の成果を支援、提供できる体制を構築。またこれにより、高知県での新規雇用、産業振興、人材育成を推進し、周辺エリアの地域経済の活性化に寄与していく。

 

 以上の結果、当事業の当連結会計年度における売上高は、83,347百万円(前連結会計年度比1.6%増)、セグメント利益3,028百万円(前連結会計年度比25.4%減)となりました。

<シナジー投資事業>

 当連結会計年度におけるシナジー投資事業における主な取り組みは、以下のとおりとなっております。

・金融投資領域:オプトベンチャーズ2号投資事業有限責任組合

- 最終クローズの一部として2019年10月に独立行政法人中小企業基盤整備機構との間で30億円の出資契約を締結。ドローン関連事業を営むA.L.Iテクノロジーズ社、施策立案マッチングサービスを展開するWiseVine社、リノベーションプラットフォームを展開するWAKUWAKU社等への出資を実施。2019年12月に総額74億円でクローズ。

- 2019年11月に保有するラクスル株式の一部を海外売出しにより売却し、売上3,631百万円、売上総利益2,886百万円を計上。(2019年11月14日公表)

- 2019年12月に保有するスペースマーケット株式の一部を国内売出しにより売却し、売上63百万円、売上総利益38百万円を計上。

・事業開発領域:株式会社SIGNATE

- AI開発スキルを持つ社会人や学生からなる会員基盤を有し、企業のAI開発をオープンイノベーションで解決しており、多くの会員が参加することで、AIモデルの精度に大きく影響し、探索的分析の幅が広がり高精度AIの調達が可能に。現在急速に登録者が増加し、オープンから約1年あまりが経過した2019年12月末の登録ユーザ数は2019年9月末から約3,000人増加し約26,000人に到達。

- 法人向けAI人材育成オンライン講座「SIGNATE Quest」を2019年10月1日より販売開始、AIを実装するデータサイエンティストの育成に加え、AIプロジェクトを推進するビジネス系人材の育成までを目的としております。

 

 以上の結果、当事業の当連結会計年度における売上高は6,640百万円(前連結会計年度比26.0%増)、セグメント利益1,916百万円(前連結会計年度は466百万円のセグメント損失となりました。

 

 

HD管理コスト>

 HD管理部門においては、中期経営計画の実現にあたり、人材の採用・育成を経営上の重要な課題と認識しており、中途採用及び人材育成を強化しております。加えて、2018年9月には企業価値の持続的な向上へのインセンティブとなる譲渡制限付株式報酬制度を導入した結果、HD管理部門の当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、△2,290百万円(前連結会計年度は△1,822百万円)となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動により獲得した資金が、投資活動により使用した資金及び財務活動により使用した資金を上回ったことにより、前連結会計年度末(19,598百万円)に比べて799百万円増加し、当連結会計年度末には20,398百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は以下のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果増加した資金は1,405百万円(前連結会計年度は1,497百万円の増加)となりました。

これは主に、法人税等の支払が1,623百万円あったこと、未払消費税等が1,379百万円減少したこと及び、取引増加により売上債権が1,290百万円増加したものの、税金等調整前当期純利益を2,645百万円計上したこと、取引増加により仕入債務が1,651百万円増加したこと及び、減価償却費を548百万円計上したこと等によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果減少した資金は35百万円(前連結会計年度は3,593百万円の増加)となりました。

これは主に、投資有価証券の売却による収入が595百万円発生したものの、無形固定資産の取得による支出が616百万円発生したこと等によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果減少した資金は520百万円(前連結会計年度は922百万円の減少)となりました。

これは主に、非支配株主からの払込による収入が1,319百万円発生したものの、長期借入金の返済による支出が1,300百万円及び、配当金の支払による支出が434百万円発生したこと等によるものであります。

 

なお、キャッシュ・フロー指標の推移については、以下のとおりであります。

 

2017年12月期

2018年12月期

2019年12月期

自己資本比率(%)

33.0

41.5

44.5

時価ベースの自己資本比率(%)

62.5

57.8

62.7

キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)

5.7

6.7

6.2

インタレスト・カバレッジ・レシオ

51.6

46.4

57.6

自己資本比率:自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い

(注)1 キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。

2 有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。

 

③ 仕入及び販売の実績

a.仕入実績

 当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

仕入高(百万円)

前年同期比(%)

マーケティング事業

69,188

103.2

シナジー投資事業

2,824

△104.5

合計

72,013

102.9

(注)1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2 実際の仕入額によっております。なお、シナジー投資事業については当連結会計年度に実行した投資額によっております。

3 セグメント間取引については、相殺消去しております。

 

b.販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

マーケティング事業

83,339

101.6

シナジー投資事業

6,614

127.1

合計

89,953

103.1

(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたり、当社グループが採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。なお、連結財務諸表には、将来に対する見積り等が含まれておりますが、これらは、当連結会計年度末現在における当社グループの判断によるものであります。このような将来に対する見積り等は、過去の実績や趨勢に基づき可能な限り合理的に判断したものでありますが、判断時には予期し得なかった事象等の発生により、結果とは異なる可能性があります。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.財政状態の分析

(資産の分析)

 当連結会計年度末における資産の合計は、前連結会計年度末に比べて4,580百万円増加し、61,132百万円となりました。

 流動資産は55,281百万円となり、前連結会計年度末に比べて5,190百万円増加いたしました。これは主に、所有株式の時価評価等により営業投資有価証券が4,187百万円及び、現金及び預金が767百万円増加したことによるものであります。

 固定資産は5,850百万円となり、前連結会計年度末に比べて610百万円減少しております。これは主に、関連会社株式が402百万円及び、投資有価証券が169百万円減少したことによるものであります。

 

(負債の分析)

 当連結会計年度末における負債の合計は、前連結会計年度末に比べて886百万円減少し、28,531百万円となりました。

 流動負債は19,140百万円となり、前連結会計年度末に比べて561百万円増加しております。これは主に、未払消費税等の減少によりその他流動負債が1,106百万円減少したものの、長期借入金からの振替等により1年内返済予定の長期借入金が1,007百万円及び、取引高増加により買掛金が990百万円増加したことによるものであります。

 固定負債は9,390百万円となり、前連結会計年度末に比べて1,448百万円減少いたしました。これは主に、繰延税金負債が1,002百万円増加したものの、1年内返済予定の長期借入金への振替等により長期借入金が2,268百万円減少したことによるものであります。

 

(純資産の分析)

 当連結会計年度末における純資産の合計は、前連結会計年度末に比べて5,467百万円増加し、32,601百万円となりました。

 これは主に、営業投資有価証券等の時価評価に伴いその他有価証券評価差額金が2,379百万円、非支配株主持分が1,749百万円及び、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等により利益剰余金が1,493百万円増加したことによるものであります。

 

 なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態については遡及処理後の前連結会計年度末の数値で比較を行っております。

 

b.経営成績の分析

 当社グループが重要視している経営指標は、EBIT、EBITDA、フリー・キャッシュ・フロー、AUMであります。
業績内容をより正確に把握する指標として、税金等調整前当期純利益に支払利息を加算し受取利息を減算したEBIT、EBITに減価償却費、のれんの無形固定資産償却及び非資金損益を調整したEBITDAを経営指標として採用しております。
 当社グループの当連結会計年度におけるEBITは前連結会計年度比18.4%減の2,664百万円、EBITDAは前連結会計年度比21.9%減の4,756百万円となりました。これはシナジー投資事業において、EBITは前連結会計年度比156.4%増の2,436百万円、EBITDAは前連結会計年度比105.6%増の3,370百万円と大きく改善した一方で、マーケティング事業においては一部既存顧客における広告予算縮小を新規案件等で補いきれず、EBITは前連結会計年度比38.0%減の2,615百万円、EBITDAは前連結会計年度比44.1%減の3,446百万円と不調であったことによるものです。
 また、フリー・キャッシュ・フローは当社グループの事業活動におけるキャッシュ・フロー獲得能力を把握するための指標として採用しております。当社グループの当連結会計年度におけるフリー・キャッシュ・フローは1,370百万円と前連結会計年度比73.1%減となりました。これは主として2018年度に事業譲渡による収入があったため等によるものです。
 また、AUMは主としてシナジー投資セグメントにおける投資成果の透明性を高める指標として採用しております。当連結会計年度末時点におけるAUMは、保有するラクスル株式の株価上昇等を背景に前連結会計年度末比8.2%増の22,961百万円と増加しております

 

c.資本の財源及び資金の流動性

 当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。

 また、当社グループでは持続的な企業価値向上のため、強固な財務基盤を維持する一方で、必要な手元流動性を確保した上で事業活動から生み出されるネットキャッシュを成長分野に投下することを基本方針としております。2019年度から3年程度でデジタルシフト関連の事業投資として既存事業を中心とした200億円程度の投資や、既存事業とは別枠で「デジタルシフト創造」関連のM&A投資を検討しております。

 将来の成長に必要な投資資金や株主還元の為の資金は、前述の通り自己資金から賄うことを基本方針としておりますが、当社グループの財務状況や資本市場動向に鑑み、コストや機動性等を総合的に精査した上で、金融機関からの借り入れ等外部資金の活用も含め最適な方法による資金調達にて対応する予定です。

 

d.キャッシュ・フローの分析

 「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

e.経営成績に重要な影響を与える要因について

 当社グループの事業には、景気の変動等によるインターネット広告市場への影響や競合他社の状況、法的規制等、経営成績に重要な影響を与えうる様々なリスク要因があります。詳細につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」をご参照ください。

 

4【経営上の重要な契約等】

(1) 金銭消費貸借契約

 当社は、下記のとおり金銭消費貸借契約を締結しております。

 

取引先

契約締結日

使途

契約期間

契約金額

担保

株式会社りそな銀行

 (注)1

2016年3月29日

運転資金

2016年3月31日から

2021年3月31日まで

1,500百万円

特段の定めはありません

株式会社三菱UFJ銀行

 (注)2

2017年7月31日

運転資金

2017年7月31日から

2020年7月31日まで

1,000百万円

特段の定めはありません

株式会社三井住友銀行

 (注)3

2018年7月27日

運転資金

2018年7月31日から

2022年7月31日まで

3,000百万円

特段の定めはありません

株式会社みずほ銀行

 (注)3

2018年7月27日

運転資金

2018年7月31日から

2022年7月31日まで

2,500百万円

特段の定めはありません

(注)1 2016年3月25日の取締役会における決議に基づき金銭消費貸借契約を締結しております。

2 2017年7月20日の取締役会における決議に基づき金銭消費貸借契約を締結しております。

3 2018年7月26日の取締役会における決議に基づき金銭消費貸借契約を締結しております。

 

(2) シンジケートローン契約

 当社は、2016年8月26日付で、株式会社三井住友銀行をアレンジャーとして、金融機関15社との間でシンジケートローン契約を締結し、2016年8月31日に5,000百万円の資金調達を行いました。

 

① 契約日     2016年8月26日

② 借入実行日   2016年8月31日

③ 満期日     2021年8月31日

資金使途    事業資金

⑤ 借入金額    5,000百万円

⑥ 借入利率    3ヶ月TIBOR+0.35%

⑦ 返済方法    2016年11月30日より、3ヶ月毎元金均等返済

⑧ 担保      なし

⑨ 財務制限条項  「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結貸借対照表関係)」及び「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(貸借対照表関係)」に記載のとおりであります。

 

(3) 事業分離

(子会社株式の売却)

 当社は、2019年6月20日開催の取締役会において、当社が保有する連結子会社eMFORCE Inc.の全株式をデジタル・アドバタイジング・コンソーシアム株式会社に譲渡することを決議し、2019年7月1日付で同社との間で株式売買契約を締結し、2019年7月31日に同社株式を売却いたしました。

 詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」に記載のとおりであります。

 

5【研究開発活動】

 記載すべき重要な研究開発活動はありません。