第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において、当社が判断したものであります。

(1)経営方針

当社は、医療サービスの向上を医療機関と共に考え、専門性を活かした健康・医療・介護情報システムの創造を自ら行うことにより、社会に貢献し続けることを使命と考えております。これを実現するために以下の3つを経営上の基本ポリシーとしております。

「専門特化」医療分野に特化したシステムを開発し、専門性を発揮する。

「創造価値」無から知識・技術・経験を活かした価値を自ら創造する。

「自主独立」開発・販売・導入・保守を一貫して自社で行う。

医療に特化し、医療機関の情報化のすべての局面にかかわることにより、医療現場特有の知識やノウハウを年輪の如く集積することが可能となり、高品質・高機能なシステム及びサービスの提供が可能となっております。これが結果的に顧客である医療機関の満足度の向上につながり、差別化戦略の基盤となっております。

当社は、上記の3つの基本ポリシーを継続し、健康・医療・介護情報システムを通じて社会に貢献し続けることが、企業価値の向上につながり、ステークホルダーに対する最大の貢献になると信じております。

 

(2)目標とする経営指標

当社は、一層の市場拡大が見込まれる電子カルテシステムを中心とする健康・医療・介護情報システムをより多くの医療機関に提供し、ユーザー数の確実に伸ばしていくことで、市場シェアの上位3社以内の位置付けを維持し、売上高経常利益率は30%を目標としてまいります。

 

(3)経営環境及び対処すべき課題等

医療業界におきましては、政府の主導のもと、「次世代医療基盤法」の施行、「改正医療保険関連法」の成立によるマイナンバーカードの健康保険証利用が可能となる仕組みの導入等、医療データの利活用基盤の環境整備が進められております。これらの実現には、基盤となる医療情報システムが必要不可欠であり、今後も医療IT化の流れは継続するものと考えております。このような状況の中で、当社が市場シェアを引き続き拡大しつつ、利益の獲得を達成するために、以下の対処すべき課題に取り組む所存であります。
① 自社システムの販売強化・サービス拡充
 当社は主力製品である電子カルテシステムとオーダリングシステムだけではなく、医療機関における様々な部門の業務支援を行うサブ(部門)システムの開発も行っております。引き続き、現場のニーズを捉え、多くの専門職の要望を満たすために、ラインナップの拡充を図り、より品質の高い製品を提供してまいります。また、「地域包括ケアシステム」等による医療・介護の変化に合わせたシステムを開発・提供し続ける所存であります。以上の取り組みを通じ、新規ユーザーを獲得すると同時に、既存ユーザーにも継続して利用していただき、ストック型収益の確保・拡大に取り組んでまいります。
② システム技術・品質の向上
 当社の主力製品である電子カルテシステムとオーダリングシステム等の開発・改良・機能拡充だけではなく、ICT、AIやビッグデータ等の先進技術に対応するべく、研究開発も継続して行っております。
 また、品質管理を専門とする部署を設置し、システムの機能・品質の向上を図り、時代のニーズに即したシステム開発を進めてまいります。
③ 顧客との関係強化
 システム導入後の既存ユーザーに対しても営業的フォローを継続し、有意義な情報発信及び情報収集を通じて、より緊密な関係を構築してまいります。この活動を通して、リプレイスの要望や当社システム・サービスへの新たなニーズを的確に捉え、ユーザーと共存共栄の関係構築を目指してまいります。
 今後、医療機関におきましては、その地域特性に合わせた病院・病床機能の役割決めや、医療・介護の連携、在宅医療の推進等、新しい医療介護の在り方や取り組みが求められるようになると考えられます。その中で、当社はユーザーの良きパートナーとして、システムの提供を通して医療の効率化や品質向上、地域連携の実現等をサポートしてまいります。
④ システム導入の効率化
 当社の主力製品である電子カルテシステムの稼働までには約4~6ヶ月間を要し、その期間当社エンジニアがユーザーである病院へ常駐し導入作業を行い、システムの稼働をもって検収するというビジネスモデルとなっております。導入作業を標準化・効率化することで、導入作業の負荷・工数削減とコストコントロールに繋げてまいります。
⑤ 人材の増強及び継続的な教育
 当社は開発から販売・導入・保守をすべて一貫して自社で行うため、人材の増強の成否が当社事業の拡大に大きな影響を及ぼします。継続して技術・業務知識習得できる優秀な人材を確保するべく、新卒者の採用を中心に、適宜キャリア採用も行いながら、OJTと組み合わせた体系的な社内教育プログラムを構築していくことで各社員の能力向上を図ってまいります。

 

 

2【事業等のリスク】

以下において、当社の事業上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。

また、当社として必ずしも事業上のリスクに該当すると考えていない事項についても、投資家の投資判断、或いは当社の事業活動を理解する上で重要と考えられる事項については、投資家に対する積極的な情報開示の観点から記載しております。当社は、これらリスクの発生の可能性を認識した上で、その発生の回避および発生した場合の対応に努める方針であります。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末において当社が判断したものであります。

 

(1)医療情報システムを主軸とした事業について

少子高齢化を背景にした社会ニーズ、医療保険制度の変更等、医療機関にとっても経営環境は厳しさを増しております。そのため生き残りをかけた病院経営が求められており、病院内の業務を効率化し、医療サービスを向上させることが必要不可欠となっております。電子カルテシステム等の医療情報システムは、そういった病院の情報化ニーズに合致したものであり、特に電子カルテ市場は今後、順調に成長し一層の普及が進むことが予想されます。しかし、法規制、医療制度改革等の動向によっては、市場が順調に拡大しない可能性があり、当社の業績に影響を与える可能性があります。

 

(2)政府の施策とその影響について

高齢化社会がもたらす医療費は増大傾向にあります。このような背景のもと、財政確保を踏まえて、厚生労働省は医療制度運営の適正化と医療供給面の取り組みに重点をおいた医療費適正化対策を打ち出しております。厚生労働省の医療制度改革等の動向は、電子カルテ市場に大きな影響を与えます。政策変更、診療報酬の改定等が行われた場合、当社の顧客である医療機関の経営方針等に影響を及ぼします。その結果として、当社が提供する医療情報システムの導入を中止、延期する医療機関が発生し、当社の業績に影響を与える可能性があります。

 

(3)法的規制について

電子カルテシステム等の医療情報システムの普及が年々進む中で、社会的な期待・影響度も増加しており、様々なガイドラインや指針等、社会的要請が求められております。このような状況の中、今後、医療情報システムの仕様、規格等に関して、何らかの法的規制が行われる可能性があります。それに伴い、大規模なシステム開発・改変等が必要になった場合、その内容によっては当社の業績に影響を与える可能性があります。

 

(4)業績の変動について

当社は「工事契約に関する会計基準」に基づき売上高の計上を行っており、売上高の多くを検収基準により計上しております。当社ソフトウェアの販売形態の特性上、導入先顧客の状況により収益総額の確定及びその確定時期が流動的となるため、年次によっては検収時期が一時期に集中、または、分散する可能性があります。

また、当社のシステムはプロジェクト編成上の諸事情により稼働時期が遅れる場合があります。決算期末の10月までに検収されなかった場合には、予定していた売上高が翌期以降に計上されることになり、当社の業績は影響を受けることになります。

(月別ソフトウェア販売実績推移表)

(単位:千円)

 

11月

12月

1月

2月

3月

4月

半期合計

第50期

(2018年10月期)

295,736

566,517

392,930

851,869

932,096

529,605

3,568,756

第51期

(2019年10月期)

334,363

351,420

438,875

515,506

984,249

739,672

3,364,086

 

5月

6月

7月

8月

9月

10月

年間合計

第50期

(2018年10月期)

812,776

279,201

516,663

696,047

561,297

814,803

7,249,544

第51期

(2019年10月期)

700,530

905,835

708,990

413,076

848,535

511,133

7,452,188

 

(注) 損益計算書におけるソフトウェア売上高は、上表のソフトウェア販売実績に保守サービス販売実績を加算した金額であります。

 

 

(5)開発・動作環境等の大幅な技術革新について

開発言語、OS等の開発環境、データベース等のバージョンアップ、生産・供給中止があった場合や、めざましい技術革新があった場合に、当社の対応が遅れ、当社製品が適切に順応できなければ、その内容によっては当社の業績に影響を与える可能性があります。

 

(6)知的財産権について

当社は、プログラム開発を自社で行っており、「e-カルテ®」(電子カルテシステム)等、一部のシステムについては商標登録をしておりますが、それ以外の知的財産権の出願・取得を行っておりません。近年のソフトウェアに関する技術革新のスピードは早く、場合によっては第三者の知的財産権を侵害する可能性があります。これまで、当社は第三者より知的財産権に関する侵害訴訟等を提起されたことはありませんが、前述のようにソフトウェアに関する技術革新の顕著な進展により、当社のソフトウェアが第三者の知的財産権に抵触する可能性を的確に想定、判断できない場合も考えられます。また、当社事業分野において認識していない特許等が成立している場合、当該第三者より損害賠償及び使用差し止め等を受け、当社の業績に影響を与える可能性があります。

 

(7)人材の確保、育成について

当社では、今後の事業拡大及び技術革新に対応できる優秀な人材を継続的に確保し育成していくことが重要な課題であると認識しております。今後、さらに事業の拡大を図るためには、「医療機関の業務に対する知識」と「ソフトウェア及びハードウェアに関する知識」の高い人材の確保及び育成が重要となります。しかし、これらの知識を習得するには数年の経験が必要となり、人材採用から戦力化までの計画が予定通り進まない場合、当社の事業拡大に影響を与える可能性があります。

また、当社の従業員の大半はシステム関連に従事する技術者であります。今後、人材育成や拡充を図る所存ですが、一挙に大量のコア技術者が社外流出した場合、あるいは当社の業容が内部管理体制の拡充を上回る速度で拡大した場合、代替要員の不在、業務引継ぎ手続きの遅延等により支障が生じる恐れがあります。

 

(8)医療情報システムに関する紛争の可能性について

①  製品の欠陥・不具合

電子カルテシステム等を始めとする医療情報システムは、医療の現場でのインフラ設備であり、患者の生命・身体に関する情報に直接関わるシステムであることから、安定性・安全性・堅牢性などへ配慮が最大限必要となります。当社は、リスクの最小化を図るべく努力をしておりますが、予期し難い欠陥や不具合が発生した場合、医療機関等から損害賠償請求を受け、当社の業績に影響を与える可能性があります。

②  電子カルテ市場へ影響を及ぼす外的要因

現在、電子カルテ市場の将来の有望性から、新規参入企業が相次いでおりますが、電子カルテシステム等による医療事故が、医療情報システム市場全体に悪影響を与える可能性があります。

③  コンピュータウィルス等

ソフトウェアは常にコンピュータウィルス等の脅威にさらされております。当社では、サーバ及び各端末に最新のホットフィックスの適用、ファイアーウォール・アンチウィルスソフトウェア・IDS/IPS(侵入検知、防御システム)により自社の感染を防ぐとともに、当社とユーザー病院を結ぶ保守回線部分にセキュリティゲートウェイを設置する等、ユーザー病院から当社への感染及び当社が感染源にならないシステムを構築しております。

しかし、コンピュータウィルス等は、日々、新種が増殖していると言われており、その時点で考え得る万全の対策を行っていたとしても、当社が感染源となりユーザー病院が感染する可能性があります。この場合、ユーザー病院より損害賠償請求を受け、当社の業績に影響を与える可能性があります。

④  情報の管理

当社は、業務の性格上、顧客医療機関の保有するカルテを始めとした大量の個人情報等を取り扱っており、また、顧客病院のデータをバックアップするデータセンターを運営しております。業務上アクセスを許可された一部従業員しか、これらの情報にアクセスできない環境下にあるものの、これらの情報が漏洩する危険性が考えられます。

各データベースに対しては、「情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)」の認証を取得しており、厳重なセキュリティ、アクセス制限、データベースへのアクセス履歴を記録するセキュリティシステム導入等により防衛策を講じております。また、「プライバシーマーク」も取得しており、全従業員の情報管理教育の強化を行い、当社内部からの情報漏洩を未然に防ぐ措置を行っております。しかしながら、このような対策にもかかわらず、当社からの情報漏洩が発生した場合には、当社が損害賠償を負う可能性があり、かつ当社の社会的信用の失墜を招き、現在進行中のプロジェクトの継続にも支障が生じる可能性があります。

 

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりであります。

① 財政状態及び経営成績の状況

当事業年度におけるわが国経済は、米中貿易摩擦や英国のEU離脱を巡る展開等の地政学的リスク等により不確実性が高まり、海外経済の減速の影響が続くものの、国内需要への波及は限定的となり、基調としては緩やかな回復基調で推移しました。一方で、10月の消費税率の引き上げによる個人消費への影響等、景気の先行きは不透明な状況が続いております。
 当社が属する医療業界におきましては、「人生100年時代」を見据え、国の政策目標として「健康寿命の延伸」に向けて、引き続き効率的かつ質の高い医療提供体制を構築するとともに、医療費・介護費の伸びを適正化する方向で進められております。また、医療機関におきましては、「地域医療構想」による病床の機能分化、医療・介護の連携への取り組みが求められており、住み慣れた地域で住まい・医療・介護・予防・生活支援が一体的に提供される「地域包括ケアシステム」の構築も実現に向けて進められてきました。
 これらを実現するには、基盤となる医療情報システムが必要不可欠であり、今後も更なる普及が期待されます。医療情報システム市場におきましては、大規模病院で一定数の導入が進んだ中、中小病院での導入も進んでおり、普及率が年々高まってきております。また、既に医療情報システムを導入している医療機関等でのリプレイス市場も活発化しており、引き続き医療情報システム市場における有力ベンダー数社間の競争は激しさを増しております。
 このような事業環境の下、当社は電子カルテシステムをはじめとする医療情報システムの開発・販売・導入・保守を中心に事業展開し、顧客満足度の向上に努めてまいりました。また、東京を中心とする関東圏や東日本地域の新規ユーザー獲得および既存ユーザーへの取引深耕により、収益基盤の強化、成長機会の拡大を目指すため、新東京支社の建設用地として土地を取得いたしました。
 以上を踏まえて、今期につきましては、大型案件の受注や消費税増税前の駆け込み需要もあったことから、売上高、利益とも前年同期比で増収増益となりました。
 この結果、売上高は22,353百万円(前年同期比27.2%増)、受注高は17,382百万円(同31.8%増)、受注残高は5,107百万円(同11.3%増)となり、利益面におきましては営業利益3,868百万円(同7.3%増)、経常利益3,905百万円(同6.8%増)、当期純利益2,702百万円(同6.8%増)となりました。

なお、セグメントの業績につきましては、当社は医療情報システム事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。

 

② キャッシュ・フローの状況

当事業年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前事業年度末に比べ4,874百万円減少し、4,482百万円となりました。

当事業年度における各キャッシュ・フローの状況は、次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)
 営業活動の結果得られた資金は、3,041百万円(前事業年度は3,878百万円の収入)となりました。これは主に、税引前当期純利益3,905百万円、減価償却費279百万円、売上債権増加額465百万円、たな卸資産減少額39百万円、仕入債務増加額814百万円、前受金増加額57百万円、利息及び配当金の受取額40百万円、法人税等の支払額1,714百万円によるものであります。 
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
 投資活動の結果使用した資金は、7,237百万円(前事業年度は474百万円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出9,209百万円、無形固定資産の取得による支出38百万円、定期預金の預入による支出100百万円、定期預金の払戻による収入2,100百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
 財務活動の結果使用した資金は、678百万円(前事業年度は402百万円の支出)となりました。これは主に、配当金の支払額677百万円によるものであります。

 

 

③ 生産、受注及び販売の状況

a. ハードウェア仕入実績

当事業年度のハードウェアの仕入実績について、当社は単一セグメントとしているため、種類別に示すと、次のとおりであります。

種類

当事業年度

(自  2018年11月1日

至  2019年10月31日)

仕入高(千円)

前年同期増減率(%)

ハードウェア

8,268,704

75.0

合計

8,268,704

75.0

 

(注)  上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

b. 受注実績

当事業年度の受注実績について、当社は単一セグメントとしているため、種類別に示すと、次のとおりであります。

種類

当事業年度

(自  2018年11月1日

至  2019年10月31日)

受注高(千円)

前年同期増減率(%)

受注残高(千円)

前年同期増減率(%)

ソフトウェア

7,139,212

△1.6

2,098,769

△13.0

ハードウェア

10,243,449

72.5

3,009,094

38.1

合計

17,382,661

31.8

5,107,863

11.3

 

(注)  上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

c. 販売実績

当事業年度の販売実績について、当社は単一セグメントとしているため、種類別に示すと、次のとおりであります。

種類

当事業年度

(自  2018年11月1日

至  2019年10月31日)

販売高(千円)

前年同期増減率(%)

ソフトウェア

7,452,188

2.8

ハードウェア

9,412,501

74.9

保守サービス

5,488,866

11.1

合計

22,353,557

27.2

 

(注)  上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。

① 重要な会計方針及び見積り

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成に当たりまして、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者はこれらの見積りについて、過去の実績を勘案し合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果と異なる場合があります。

 

② 当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a. 財政状態の分析

(資産)

 当事業年度末の総資産は、前事業年度末と比較して2,356百万円増加し、25,311百万円となりました。主な要因は、現金及び預金6,874百万円の減少、売掛金465百万円の増加、有価証券997百万円の増加、たな卸資産39百万円の減少、有形固定資産8,941百万円の増加、投資有価証券988百万円の減少、長期前払費用174百万円の減少及び繰延税金資産25百万円の増加であります。

(負債)

 当事業年度末の負債は、前事業年度末と比較して320百万円増加し、3,941百万円となりました。主な要因は、買掛金814百万円の増加、未払法人税等504百万円の減少、未払消費税等32百万円の減少及び前受金57百万円の増加によるものであります。

(純資産)

 当事業年度末の純資産は、前事業年度末と比較して2,035百万円増加し、21,370百万円となりました。主な要因は、その他有価証券評価差額金6百万円の増加、当期純利益2,702百万円の計上、剰余金の配当680百万円の支払によるものであります。

b. 経営成績の分析

(売上高)

売上高は、前年同期に比べ4,780百万円増加の22,353百万円(前年同期比27.2%増)となっております。種類別の内訳は、ソフトウェアが202百万円増加の7,452百万円(同2.8%増)、ハードウェアが4,031百万円増加の9,412百万円(同74.9%増)、保守サービスが546百万円増加の5,488百万円(同11.1%増)となっております。

(売上総利益)

売上総利益は、売上高4,780百万円の増加、ソフトウェア売上原価493百万円の増加、ハードウェア売上原価3,661百万円の増加により、前年同期に比べ625百万円増加の5,803百万円(前年同期比12.1%増)となっております。

(営業利益、経常利益)

営業利益は、売上総利益625百万円の増加、販売費及び一般管理費360百万円の増加により、前年同期に比べ264百万円増加の3,868百万円(前年同期比7.3%増)となりました。これを受けて経常利益は、248百万円増加の3,905百万円(同6.8%増)となりました。

(当期純利益)

上記の結果、税引前当期純利益は、前年同期に比べ248百万円増加の3,905百万円(前年同期比6.8%増)となりました。当期純利益は、法人税、住民税及び事業税が106百万円減少し、法人税等調整額が183百万円増加したことにより、前年同期に比べ171百万円増加の2,702百万円(同6.8%増)となりました。

 

c. 経営成績に重要な影響を与える要因について

当社は、事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる事項及び投資家の投資判断、或いは当社の事業活動を理解する上で重要と考えられる事項について、リスクの発生の可能性を認識した上で、その発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針であります。なお、詳細につきましては、「第2  事業の状況  2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

d. 資本の財源及び資金の流動性について

当社の運転資金需要のうち主なものは、労務費、仕入、製造経費、販売費及び一般管理費のほか、配当金や法人税等の支払いになります。このほか、会社の成長に必要な設備投資等を含め、全てを自己資金でまかなうことを原則としております。

当社の当事業年度における資本の財源及び資金の流動性につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

e. 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等について

目標とする経営指標につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)目標とする経営指標」に記載のとおりであります。

当事業年度では、672ユーザー(前年同期比39ユーザー増加)、売上高22,353百万円、売上高経常利益率17.5%となりました。

当社の今後の戦略といたしましては、東京を中心とする関東圏や東日本地域の新規ユーザー獲得及び既存ユーザー取引を深耕し、引き続き市場シェアを拡大しつつ、収益基盤の強化を追求いたします。そのための新東京支社建設用地も確保しております。さらに、品質管理を専門とする部署を明確にし、システム品質及びサービス品質の更なる向上を図ることで、より一層の顧客満足度向上及び当社の成長を目指してまいります。

以上の取り組みを通じ、新規ユーザーや地域有力グループ病院を積極的に深耕すると同時に、既存ユーザーにも継続して利用していただき、自社開発のソフトウェア売上やストック型収益の拡大に取り組むとともに、業務の効率化等のコストコントロールにも傾注することで安定した経営を目指してまいります。

 

4【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5【研究開発活動】

当社は主力製品である電子カルテシステムとオーダリングシステムだけではなく、医療機関における様々な部門の業務支援を行うサブ(部門)システム、医療及び介護を巻き込んだ地域連携を見据えたシステム開発を進めております。また、ICT、AIやビッグデータ等の先進技術に対応するべく、研究開発も継続して行っております。

このような中、当事業年度の研究開発費の総額は、379百万円となりました。

なお、当社は、医療情報システム事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。