当第1四半期連結累計期間において、新たに発生した事業等のリスクはありません。
また、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更はありません。
文中における将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1)業績の状況
医薬品業界におきましては、製薬企業が開発品目の選択と集中をより一層進めることによるパイプラインの絞込みが進んでいる一方、バイオベンチャー企業が活発な事業展開を進めており、特に米国においては、機関投資家からの積極的な資金提供がバイオベンチャーの原動源となり、外部リソースを有効活用する動きが明確になってきております。このような顧客動向を受け、当社は顧客から選ばれるパートナーとなるべく、顧客ニーズに応えられるサービスの深化と継続的な質の向上を目指しております。
米国前臨床事業は、積極的な営業活動を展開する一方で徹底した内部体制の見直しと組織改革を行った結果、新規顧客からの受注増加と共に、リピーター顧客の数も増加して受託契約は順調に推移しております。
国内前臨床事業は、顧客満足度を高めることに注力するとともに、再生医療や薬効薬理試験の受託等、新しい分野における受託を強化しております。
国内臨床事業は、昨年立ち上げたPharmaceutical Product Development LLC(以下「PPD社」)との合弁事業を通して急成長しつつあるグローバル試験の巨大マーケットにいち早く対応すべく体制構築の強化に努めております。
米国臨床事業は、University of Maryland, Baltimore校(以下「UMB])との提携を深めており、また昨年PPD社とのコラボレーションも始まり、活発に事業拡大しております。
トランスレーショナル リサーチ事業は、経鼻投与基盤技術(Nasal Delivery System: NDS)を応用した経鼻偏頭痛薬の開発会社 Satsuma Pharmaceuticals, Inc. (以下「Satsuma社」)を米国に設立し、現在、米国の有力機関投資家と資金調達のための協議を行っております。NDSを応用したインフルエンザ経鼻ワクチン(開発コード:TR-Flu)は、インフルエンザ抗原の提供ワクチン会社と共に、TR-Fluの動物試験における優位性評価試験を実施中です。また、海外の大手製薬企業からは、新規化合物の経鼻応用性について、NDSを評価するためのフィージビリティ試験受託が新たに決定しております。
こうした状況の中、当第1四半期連結累計期間における売上高は3,389百万円と前第1四半期連結累計期間に比べて172百万円(5.3%)の増加となりました。営業損失は947百万円(前第1四半期連結累計期間:営業損失1,351百万円)、円高の進行に伴う為替差損の影響で経常損失は1,804百万円(前第1四半期連結累計期間:経常損失1,150百万円)となりました。親会社株主に帰属する四半期純損失は1,779百万円(前第1四半期連結累計期間:親会社株主に帰属する四半期純利益2,342百万円)となりました。
当社グループのセグメント別業績は次のとおりであります。
① 前臨床事業
国内前臨床事業では、顧客満足度を高めることに注力するとともに、再生医療等新しい分野における受託を強化しており、受注額は昨年実績を超えて順調に積みあがってきております。
米国前臨床事業のSNBL U.S.A., Ltd.(以下「SNBL USA」) は、新規顧客からの問い合わせ並びに既存顧客からのリピート案件の増加に対応し、ブランドを再構築すべく費用先行で試験実施体制の強化に努めております。米国保健社会福祉省傘下の公的機関であるBiomedical Advanced Research and Development Authority(米国生物医学先端研究開発局、以下「BARDA」)から、急性放射線症候群(以下「ARS」)試験に関する委託先指定を受けた結果、BARDAからの直接問い合わせに加え、関連する薬剤開発企業との交渉が活発化しております。現状では、試験稼働率の平準化と適正化に暫く時間を要する見込みですが、業績改善に向けての積極的な受注活動と内部体制の強化は着実に進んでおり、受注額も積みあがっております。
当社グループは、霊長類を用いた研究受託に関して、その技術力の高さと背景データの豊富さに定評があること、加えて、現在、受託業界では、当社は世界で唯一、自家繁殖場(カンボジアと中国)を有することにより、高品質動物を安定的に供給できる体制を確立していること、また、動物愛護の視点からAAALAC International(国際実験動物ケア評価認証協会)による認証を獲得していること等、明確な差別化戦略が効を奏し、主要大手クライアントからも高い評価が定着しており、継続した受注獲得に寄与しています。
そうした中で、売上高は2,781百万円と前第1四半期連結累計期間に比べて274百万円(10.9%)の増加となりました。営業損失は675百万円(前第1四半期連結累計期間:営業損失1,100百万円)となりました。
② 臨床事業
国内においては、平成27年4月1日に当社の臨床事業部門を会社分割し、PPD社との合弁会社となる株式会社新日本科学PPD(以下「PPD-SNBL」、持分法適用関連会社)を設立し、グローバル臨床試験(国際共同治験)の実施体制構築と強化に傾注しております。
国内でSMO事業を行う株式会社新日本科学臨床薬理研究所は、新卒採用を増加させ事業基盤の拡充を図るとともに、前期より事業展開を開始した関東地域については今後より一層事業基盤を拡充させる方向です。
米国において臨床事業を行うSNBL Clinical Pharmacology Center, Inc. は、PPD社との連携強化に積極的に取り組むと共に、UMBのキャンパス内にある優位性を活かしたサービスを提供することにより、受託試験の獲得に向けた戦略的な営業基盤の構築を図っております。
そうした中で、売上高は424百万円と前第1四半期連結累計期間に比べて100百万円(19.1%)の減少となりました。営業損失は225百万円(前第1四半期連結累計期間:営業損失121百万円)となりました。
③ トランスレーショナル リサーチ事業(TR事業)
当社が独自に開発した経鼻投与基盤技術(NDS)は、研究開発を鋭意進めながら早期の商品化と事業機会の最大化を目指して製薬企業へNDSをライセンスアウトする従来の事業化スキームに加えて、外部資金を活用した新たな事業化スキームの構築にも取り組んでおります。この新たな事業化スキームでは、特定の化合物を応用した経鼻剤を開発するための開発会社を設立し、機関投資家等から調達した開発資金を活用して、その開発会社が臨床試験を通じてProof-of-Concept(概念実証)の確認を行い、更に付加価値を高めた上で、開発会社の株式上場や、製薬企業へ開発品をライセンスアウト、製薬企業へ会社を売却することなどを目指します。このことは、当社が立ち上げた重要投資先である、WaVe Life Sciences Ltd. (以下「WaVe社」)が外部資金を活用して2015年11月に米国NASDAQ市場に上場し、更に大手製薬企業との共同研究及びライセンス契約を締結することで順調な進展を見せる中、WaVe社に続く事例として、開発会社を発展させることを企図しております。当社は、外部資金を活用したこの新たな事業化スキームにより、本年6月に、NDSを応用した経鼻偏頭痛薬(ジヒドロエルゴタミン経鼻剤)の開発会社であるSatsuma社を米国に設立しました。
NDSを応用したインフルエンザ経鼻ワクチン(開発コード:TR-Flu)については、インフルエンザ抗原の提供ワクチン会社と共に、動物試験におけるTR-Fluの優位性評価試験を実施中です。経鼻ワクチンは、重症化を阻止する血中特異的IgG抗体を誘導するだけでなく、分泌型IgA産生を高め、感染予防に重要である粘膜免疫を強化することから、注射ワクチンよりも高い感染予防効果が期待され、加えて、ウィルスがある程度変異しても有効性が維持できると推測されています。すなわち、経鼻ワクチンは、利便性が高いだけでなく、インフルエンザウイルス各種に対する幅広い交叉性が示され、より強力な免疫が誘導される効果が期待できます。TR-Fluは、注射液剤を固化して粉体で安定的に鼻腔にインフルエンザワクチンを接種する新規のワクチン製剤で、注射器や針が不要であるだけでなく、ワクチン抗原の室温安定性も高まります。
そうした中で、売上高は第1四半期に関しては計上されませんでした(前第1四半期連結累計期間:0百万円)。営業損失は62百万円(前第1四半期連結累計期間:営業損失160百万円)となりました。
④ メディポリス事業
当社は、環境やヘルスケアに配慮する社会的事業として、鹿児島県指宿市において発電事業及び自然と健康をテーマにした指宿ベイテラス HOTEL&SPAの運営等行っており、メディポリス事業と位置付けております。
当地での発電事業は、再生可能エネルギーの固定価格買取制度の施行等地球温暖化防止、純国産エネルギーの創出推進という国のエネルギー政策をうけて、保有するメディポリス指宿の敷地内において、1,500kw級のバイナリー型地熱発電所にて全量売電しているものです。
また、第2発電所建設に向けた地熱資源量調査を昨年度より継続実施しております。
そうした中で、売上高182百万円と前第1四半期連結累計期間に比べて0百万円(0.5%)の減少となりました。営業利益は6百万円と前第1四半期連結累計期間に比べて14百万円(70.8%)の減少となりました。
(2)資産、負債、純資産の状況
当第1四半期連結累計期間における前連結会計年度末からの財政状態の変動は、以下のとおりとなりました。
当第1四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末に比べ1,350百万円(2.8%)増加し、49,591百万円となりました。流動資産につきましては、現金及び預金並びに受取手形及び売掛金が減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べ911百万円(5.6%)減少して15,394百万円となりました。固定資産につきましては、投資有価証券が増加したことなどにより前連結会計年度末に比べ2,262百万円(7.1%)増加して34,197百万円となりました。
負債は、前連結会計年度末に比べ176百万円(0.6%)減少し、31,589百万円となりました。流動負債につきましては、未払法人税等が減少したものの、短期借入金、前受金が増加したことなどにより前連結会計年度末に比べ275百万円(1.4%)増加して19,771百万円となりました。固定負債は、長期借入金が減少したことなどにより前連結会計年度末に比べ451百万円(3.7%)減少して11,818百万円となりました。
純資産は、その他有価証券評価差額金が増加したことなどにより前連結会計年度末に比べ1,527百万円(9.3%)増加し、18,001百万円となりました。
(3)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において新たに発生した事業上及び財務上の対処すべき課題はありません。
(4)研究開発活動
当第1四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、101,040千円であります。
なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。