第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

当事業年度における我が国情報サービス業の業況は、経済産業省「特定サービス産業動態統計」によると、平成27年4月から平成28年2月までの月別売上高は9月を除き前年同月比で増加となっており、IT需要は全体的には堅調に推移していると推察されます。当社事業分野では、移動体通信事業者からの需要が下げ止まり、社会公共分野は堅調を維持し、宇宙先端分野や民間企業向けの開発が増加するなど需要環境は好調でした。

こうした傾向の中、当社は、重点テーマであります「需要構造の変化に対応し、継続的な成長を目指す」を実践し増収となりましたが、外注費や人件費などが増加し減益となりました。

ビジネスフィールド(以下、ビジネスフィールドをBFと省略)別には、モバイルネットワークBFは、移動体通信事業者向けの開発が減少し、売上高は91百万円(前期比63.5%減)となりました。ワイヤレスBFは、移動体通信事業者向けのサービス系の開発が増加に転じ、またモバイル決済端末や車載情報端末の開発が増加し、売上高は1,385百万円(同2.5%増)となりました。インターネットBFは、化学メーカー向けの大型案件を中心に民間企業向けの開発が増加し、売上高は1,114百万円(同90.1%増)となりました。社会基盤システムBFは、防衛、放送分野の開発は堅調でしたが医療分野が減少し、売上高は1,356百万円(同4.9%減)となりました。宇宙先端システムBFは、先端技術に関わる国の研究機関向けの開発に加え、車両自動走行の研究開発案件が増加し、売上高は627百万円(同47.1%増)となりました。

この結果、全社売上高に占める割合では、インターネットBFと宇宙先端システムBFが増加し、その他のBFが低下しております。

また、ソリューションビジネスは、地上デジタル放送用組込みソフトウェア(製品名:airCube)の販売が減少し、売上高は39百万円(同34.1%減)となりました。

以上の結果、当事業年度の業績は、売上高4,615百万円(前期比12.6%増)、営業利益641百万円(同2.2%減)、経常利益660百万円(同6.5%減)、当期純利益446百万円(同0.9%減)となりました。

 

(2)キャッシュ・フロー

当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ711百万円増加して、期末残高は2,574百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度において営業活動の結果得られた資金は673百万円となりました。これは主に、税引前当期純利益660百万円、売上債権の減少133百万円、仕入債務の増加124百万円による増加、法人税等の支払額263百万円による減少の結果であります。前年同期と比較して597百万円の収入増となりました。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度において投資活動の結果得られた資金は171百万円となりました。これは主に、定期預金の払戻による収入200百万円によるものであります。前年同期は216百万円の支出でした。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度において財務活動の結果支出した資金は133百万円となりました。これは、配当金支払いによる支出133百万円によるものであります。前年同期と比較して2百万円の支出増となりました。

 

2【生産、受注及び販売の状況】

 当社は単一セグメントであるため、ビジネスフィールド別に記載しております。

(1)生産実績

当事業年度の生産実績をビジネスフィールド別に示すと、次のとおりであります。

ビジネスフィールド

金額(千円)

前年同期比(%)

モバイルネットワーク

91,377

36.5

ワイヤレス

1,385,647

102.5

インターネット

1,114,459

190.1

社会基盤システム

1,356,539

95.1

宇宙先端システム

627,910

147.1

合計

4,575,934

113.3

 (注)1.金額は販売価格によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3.ソリューションにつきましては、サービスの性格上生産実績を定義することが困難であるため、記載しておりません。

 

(2)受注状況

 当事業年度の受注状況をビジネスフィールド別に示すと、次のとおりであります。

ビジネスフィールド

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

モバイルネットワーク

         84,950

61.2

         21,891

77.3

ワイヤレス

      1,553,658

116.7

        332,860

201.9

インターネット

      1,143,257

178.7

        195,966

117.2

社会基盤システム

      1,206,986

80.3

        469,113

75.8

宇宙先端システム

        602,112

126.4

        155,969

85.8

ソリューション

         42,381

81.2

         21,196

116.7

合計

      4,633,347

111.9

      1,196,998

101.5

 (注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(3)販売実績

 当事業年度の販売実績をビジネスフィールド別に示すと、次のとおりであります。

ビジネスフィールド

金額(千円)

前年同期比(%)

モバイルネットワーク

91,377

36.5

ワイヤレス

1,385,647

102.5

インターネット

1,114,459

190.1

社会基盤システム

1,356,539

95.1

宇宙先端システム

627,910

147.1

ソリューション

39,343

65.9

合計

4,615,278

112.6

(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前事業年度

(自 平成26年4月1日

至 平成27年3月31日)

 

当事業年度

(自 平成27年4月1日

至 平成28年3月31日)

 

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

株式会社NTTドコモ

644,486

15.7

701,381

15.2

富士通株式会社

656,282

14.2

独立行政法人医薬品医療機器総合機構

418,191

10.2

(注)前事業年度の富士通株式会社、当事業年度の独立行政法人医薬品医療機器総合機構につきましては当該割合が100分の10未満のため記載を省略しております。

 

3【対処すべき課題】

当社では、主に以下の事項を経営課題と考えております。

①安定した事業成長

当社では、安定した事業成長が課題であります。安定した事業成長をするためには、お客様満足度を高めリピート商談に繋げること、また成長市場に逸早く参入し、潤沢な商談量を確保することが必要であると認識しております。

「QCD&I(品質・価格・納期及びイノベーション)」をスローガンに、「Qへのこだわり」をベースとするQCD改善により基本となるお客様満足度を獲得すると共に、イノベーションによりお客様満足度をさらに高めてまいります。技術的な差別化ポイントを活かして新規取引先を開拓し、開拓後はお客様満足度を高めてリピートオーダーに繋げ、安定的な受注を目指してまいります。

また、安定的に収益を確保するためには、不採算プロジェクトを発生させないことも重要であり、品質マネジメントシステムの徹底、品質管理部門によるプロジェクト管理支援、内部統制機能や社員教育の強化などを推進して、この課題に取り組んでまいります。

 

②業容の拡大

当社では、業容の拡大が課題であります。人間力が競争力の元であるソフトウェアビジネスでは、社員の質が会社の質を決め、社員の成長が会社の成長に繋がります。このため、優秀な人材をより多く獲得し、入社後は社員自らが成長できるチャレンジングな環境を用意することが重要であると認識しております。「学ぶ組織」を目指し、引続き社員の成長を促す教育制度を充実させてまいります。

一方、当社の規模からして、お客様満足度の視点からも、自社完結型ビジネスには限界があり、経営資源の一部を社外に求める必要があります。まず、優良な外注先を確保することが必要であり、M&Aによる開発体制強化についても可能性を排除することなく取り組んでまいります。

 

③需要構造の変化への対応

当社では、需要構造の変化への対応が課題であります。技術進歩が早いソフトウェアビジネスでは、現場の感度を高め研究開発で変化先取りに注力して成長分野を開拓し、主体的なビジネスを展開することが重要であると認識しております。「ユビキタス」を戦略テーマとする研究開発や製品開発を強化して技術的な競争優位を確保し、事業分野のバランスを最適化しながら、量的拡大を図ってまいります。また、研究開発、製品開発の強化やビジネスの相乗効果などを目的として、他社とのアライアンスも積極的に推進してまいります。

一方、研究開発や製品開発の強化は短期的には業績引下げ要因となるため、それら先行投資と短期的な業績確保の両立に今後も取り組んでまいります。

 

4【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

(1) 当社の事業全体に共通する業績変動要因

①問題プロジェクトの発生

当社では、納期遅延、お客様クレーム、過大勤務を発生させたプロジェクトを問題プロジェクトと定義しております。問題プロジェクトは必ずしも不採算プロジェクトではありませんが、過去の実績では多額な原価を発生させて不採算となるケースが多く、大型プロジェクトが問題プロジェクトとなりますと、当社全体の業績に影響を及ぼすことがあります。

また、問題プロジェクトを発生させたことでお客様の信用を失墜して、取引が減少したり停止となったりすると、当社業績に影響が及ぶことがあります。

②大型プロジェクトの採算

大型プロジェクトは事業効率が高いなどのメリットも大きく積極的に受注していく方針ですが、当社経営資源の多くの割合を投入することになることから、その採算は当社全体の業績に影響を及ぼします。また、長期プロジェクトとなると複数事業年度に亘ることがあり、工程の区切りと契約期間との関係から事業年度によって採算状況が変動することがあります。

③大型プロジェクトの組み替え不調

大型プロジェクトの場合、開発工程が完了すると多くの開発技術者が一斉に手空きとなる一方で、都合良く多くの開発技術者を要する後続のプロジェクトを用意できていることはまれであり、技術者の稼働率が低下しがちで、大型プロジェクトの切り替え時には当社業績に影響が及ぶことがあります。

④受注価格水準の変動(低価格化)

取引先自体の販売競争の激化、内製化、オフショア開発の推進、派遣型外注調達やコンペなどにより、取引先からの価格引き下げ要請は、今後も継続すると予想されます。当社では、QCD(品質・コスト・納期)改善活動の一環として様々なコスト削減策を講じることで業績への影響軽減化に努力しておりますが、今後、取引先からの更なるコストダウン要請があり、当社のコスト削減努力で成果を上げられない場合には、業績への影響が拡大することがあります。

⑤先行投資の影響

当社は、これからも研究開発・製品開発投資、研究開発型ベンチャー企業への投資、事務所移転・拡張、社内開発環境の一新などを実施してまいりますが、当社の計画どおりにビジネスが拡大ないし効率化しない場合や、投資先企業の経営が悪化した場合などには、当社の業績に影響が及ぶことがあります。

⑥取引先の事業計画の変更

当社の取引先自体の激しい競争を背景に、事業計画の変更や中止が発生し、それに伴い技術者の稼動率が大きく変動した場合には、当社の業績に影響が及ぶことがあります。

⑦新しい要素技術の適用

当社の事業領域では、新しい要素技術を実装する案件が多く、経験に基づく見積が困難な難度の高い新技術の一括受託契約での見積を誤った場合には不採算になりがちで、逆に新しい要素技術の適用が減少した場合には、需要そのものが減少する可能性があり、当社の業績に影響が及ぶことがあります。

⑧公的セクターの予算変動

当社の社会公共分野の事業領域では、公的セクターの予算の増減が業績変動要因となっております。当社では、社会公共分野での新事業領域への拡大に努力をしておりますが、予算削減や予算の執行が滞ると、当社の業績に影響が及ぶことがあります。

⑨競争入札の拡大

当社の公的セクターや大手民間企業の開発案件は、競争入札になります。当社では、技術力を背景とした積極的な提案活動を展開しておりますが、戦略的な低価格での落札や失注した場合には、当社の業績に影響が及ぶことがあります。

 

 

(2) 主要取引先への依存度が高いことについて

当社のビジネスを取引先別に見ると、総売上高に対して10%以上の売上高となっている上位取引先が占める割合は、前事業年度は2社(株式会社NTTドコモ、独立行政法人医薬品医療機器総合機構)で25.9%でしたが、当事業年度では2社(株式会社NTTドコモ、富士通株式会社)で29.4%と増加しました。当社では、継続して営業活動を強化して取引先バランスの確保に努めてまいりますが、上位取引先の受注動向等は当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 需要構造の変化やイノベーションの停滞について

当社では、創業以来、技術革新などによる需要構造の激変を何回か経験してきましたが、研究開発・製品開発活動によりニューエレメント(革新的技術、標準化技術、ソリューション製品、特許など知的財産権、新ビジネスモデルなど)を得て、それを核とした主体的ビジネスで差別化を図るというイノベーション努力でこれまで業績成長を果たして参りました。今後も研究開発による変化先取りで対応していく方針ですが、需要構造の変化に対して当社が適切に対応できなかった場合やイノベーションが停滞した場合には、当社業績に影響が及ぶことがあります。

 

(4) 人材の確保について

当社成長の元は優秀な人材の獲得・定着にあります。当社では、上場企業であることの信用力や知名度を活かし、また処遇面も向上させ、優秀な人材を獲得して行く方針ですが、こうした獲得策が成果に繋がらない場合、当社の更なる成長機会を逸する可能性があります。また、獲得した人材が定着しなかった場合、技術の伝承・再利用が途切れたり、プロジェクト編成に支障をきたしたりして、当社の業績に影響が及ぶことがあります。

 

(5) 安全衛生・労働災害について

当社は、従業員の安全、衛生及び健康の確保に向けて、労働安全衛生法その他の法令や通達の遵守など安全衛生管理に努めておりますが、プロジェクトに予期せぬ事態が発生して過大な勤務が続くなどで、精神性疾患や体調の不調をきたす従業員が発生した場合、従業員に不安や不満を惹起して、士気の低下や休職者・退職者の増加に繋がり、当社の業績に影響が及ぶことがあります。

 

(6) 優良な外注先の確保について

当社の売上高外注費比率(外注費/売上高)は、前事業年度で20.0%、当事業年度では24.7%となっております。取引先より再外注を禁止されているケースが少なくないこと、当社外注方針として当社が受注責任を全うできる範囲に外注範囲を限定していることなどから、同業他社と比較して低くなっておりますが、業容の拡大に伴い外注体制の強化を図っており、売上高外注費比率が上昇してきております。

今後も、業容の拡大、高収益の維持、受注弾力性の確保、突発対応などを期して外注体制の強化を図ってまいりますが、優良な外注先が確保できない場合、当社の更なる成長機会を逸する可能性があります。

 

(7) 法令違反・内部統制について

当社では、法令・規制要求事項やISO9001/ISO14001、ISO/IEC27001、ISO22301、プライバシーマークなどを含め、広くお客様の要請を満たしていく経営をコンプライアンス経営と定義しておりますが、何らかの事故が発生した場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社は効率的な内部統制の仕組みを構築しておりますが、何らかの財務報告上の指摘があった場合には、業績に影響が及ぶ可能性があります。

 

(8) セキュリティ事故について

当社は、情報セキュリティマネジメントシステム(ISO/IEC27001)認証やプライバシーマーク使用許諾を得て、組織を挙げてセキュリティ事故の防止に努めておりますが、何らかのセキュリティ事故が発生した場合、信用の失墜による取引停止や賠償金の支払いなどが発生しますと、当社の業績に影響が及ぶことになります。また、セキュリティ要求レベルの高い案件を受注する場合には、取引先から特別なセキュリティ設備の設置を要請されることもあり、その設備投資の金額によっては、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(9) 賠償責任の発生について

当社が提供した技術サービスの瑕疵が原因でお客様が経済的損害を被った場合に、損害賠償金等を請求されることがあります。当社では、賠償責任保険に加入して備えておりますが、当該保険の免責事項に該当する、ないし支払限度額を超えた損害を発生させた場合には、当社の業績に影響が及ぶことになります。

 

(10) 売上高計上基準について

当社では、請負契約案件の売上高計上を、案件毎に費消製造原価を発生主義で認識し、原価進捗率(費消製造原価の見積総製造原価に対する割合)に応じて売上高を計上するという進行基準に依っております。

進行基準では、受注総額と総製造原価の見積りが不可欠であり、契約・見積管理や計画管理を厳格に行うことが求められます。この受注総額と総製造原価の見積りを誤った場合には、請負契約案件の適時・適正な売上高計上が阻害される可能性があります。

当社は、統合経営情報システム「文殊」とISO9001品質マネジメントシステムで、契約の進捗段階及び受注総額は、取引先と合意した具体的なエビデンス(証拠となる帳票)を元に管理しております。

また、原価進捗率の分子である費消製造原価につきましては当社の統合経営情報システム「文殊」で適時・正確に把握されております。しかし、原価進捗率の分母である総製造原価の大半を占める人件費の元となる工数計画の精度を高めることは課題であり、品質活動の一環として、また管理部門による日常の管理や内部監査室による牽制機能も活かして、見積精度の向上に向けて全社を挙げて取り組んでおります。

 

 

5【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

当社では、イノベーションの成果としての「ニューエレメント」(革新的技術、標準化技術、ソリューション製品、特許など知的財産権、新ビジネスモデルなど)を核とする主体的なビジネスにより高付加価値化を図り、ひいては社員数に制約されない事業成長を実現することを期しております。当社の研究開発は、その成果として、当社ビジネスにこの「ニューエレメント」を供給することを目的としております。

当社の研究開発は、お客様や市場に密着したテーマを中心とするため、製造部門各部門が主体的に活動を推進し、その一方で、研究企画室が全社の研究開発活動を統括し、また研究開発テーマ間のシナジーを促進する役割を担っております。

当事業年度における研究開発費の総額は、17,917千円となりました。なお、当社は単一セグメントであるため、セグメント別に記載しておりません。

主要なテーマ別の状況は以下のとおりです。なお、*印を付した専門用語につきましては、本項最後の用語集にて解説しております。

 

①ロボット

当社では、ユビキタス*社会での究極の端末はロボットであると考え、ロボットの研究開発に取り組んでおります。特に、ロボットを制御するソフトウェアのコンポーネント化(部品化)技術であるRTミドルウェア*に注力しております。また、生活空間で利用されるサービス系ロボットには高度な安全性が求められることから、機能安全*に対応したRTミドルウェア製品の開発に取り組んでおります。また、ロボットに関連する製品やサービスなどの研究も実施しております。

当事業年度では、RTミドルウェアについては学会などにおける活動を中心に実施しました。また、観光地向け通訳・翻訳ロボットを試作し、山形県銀山温泉にて実証実験を実施しました。

 

②環境エネルギー

当社では、低炭素社会の実現を目指し、エネルギーマネージメントシステム*などの研究開発に取り組んでおります。

当事業年度は、前期で終了した一般社団法人新エネルギー導入促進協議会(NEPC)の「次世代エネルギー・社会システム実証事業」の実証実験について継続的な計測等を実施しました。今後は、エネルギーマネージメントシステムで得られたセンシングデータの利活用の技術を生かした研究に繋げていく予定です。

 

その他、副作用・感染症報告データシステム、屋内位置測位技術(Beacon)、ウェアラブルコンピュータNFC連携、要求管理手法、コードカバレッジデータを用いた試験品質向上のなどの研究開発を実施しました。

 

用語集

 

ご参考までに本項の専門用語を下記に解説いたします。アルファベット順に続いてアイウエオ順で記載しております。

 

RTミドルウエア

RT(Robot Technology)ミドルウエアは、ロボットを構成する要素(アクチュエータやセンサなど)やロボットを制御するソフトウェアを、コンポーネントとして部品化するための技術です。RTミドルウェアを利用することで、部品化されたソフトウェアコンポーネントを組み合わせるだけで、多様な機能を持つロボットシステムを容易に構築することができます。RTミドルウェア技術が提唱するソフトウェアコンポーネントのモデルは、2008年4月に国際標準化団体OMG(Object Management Group)にて、「ロボット用ソフトウェアのモジュール化に関する標準仕様」として採択されました。

 

エネルギーマネージメントシステム

エネルギーマネージメントシステムとは、エネルギー設備全体を監視・制御することにより、エネルギー使用の効率化とエネルギー消費の削減を図ることを目的とした情報システムです。

 

ユビキタス

ラテン語で「同時に、いたるところで存在する」という意味です。あらゆる情報機器がネットワークで結ばれ、いつでもどこでも情報をやりとりできる社会を「ユビキタス・ネットワーク社会」ないし「ユビキタス社会」と呼び、21世紀の情報社会の方向性を示す言葉として用いられています。

 

機能安全

機能安全とは、「システムの安全を確保する機能を持つ安全関連系を実現し、危険(リスク)を許容できる目標に軽減する」という考え方です。

コンピュータ技術による安全確保を実現するために制定された機能安全の国際規格として、IEC 61508があります。IEC 61508では、安全関連系のハードウェア及びソフトウェアの設計指針が示されるとともに、業務遂行のためのマネジメントに関する規格が規定されています。

当社の「RTMSafety」は、機能安全の国際規格であるIEC 61508の認証を取得した世界初のロボット用ミドルウェアです。

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成には、会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。これらの見積りについて過去の実績や状況に応じて合理的と考えられる判断をしており、また見積り及び判断について継続的に評価を実施しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

当社では、特に請負開発案件に工事進行基準を適用する場合の収益総額と原価総額の見積りが報告金額に重要な影響を及ぼすと考え、「第2 事業の状況 4 事業等のリスク」に記載しております。

(2) 当事業年度の経営成績の分析

①売上高

売上高は、前事業年度と比較して515百万円増加し、4,615百万円となりました。詳細については、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (1)業績」に記載しております。

②営業利益

売上原価は、外注費、労務費の増加などにより前事業年度と比較して517百万円増加し、3,438百万円となりました。売上総利益は、前事業年度と比較して2百万円減少し1,177百万円となりました。売上総利益率は25.5%となり、前事業年度と比較して3.3ポイント低下いたしました。

販売費及び一般管理費は、人件費や手数料の増加により前事業年度と比較して12百万円増加し、535百万円となりました。

以上の結果、営業利益は、前事業年度と比較して14百万円減少し、641百万円となりました。営業利益率は13.9%となり、前事業年度と比較して2.1ポイント低下いたしました。

③経常利益

営業外収益は、補助金収入がなくなったことなどにより、前事業年度と比較して30百万円減少し、21百万円となりました。

営業外費用は、1百万円増加し、2百万円となりました。

以上の結果、経常利益は前事業年度と比較して45百万円減少し、660百万円となりました。

④当期純利益

特別利益、特別損失は発生しませんでした。

法人税・住民税及び事業税と法人税等調整額を合わせた法人税等合計は、前事業年度と比較して41百万円減少し、214百万円となりました。

以上の結果、当期純利益は前事業年度と比較して4百万円減少し、446百万円となりました。

 

(3) 当事業年度の財政状態の分析

①資産の状況

当事業年度末の総資産は、前事業年度末に比べ359百万円増加し、5,939百万円となりました。これは主に、現金及び預金の増加511百万円、投資有価証券の増加156百万円、有価証券の減少200百万円、売掛金の減少136百万円によるものであります。

②負債の状況

当事業年度末の負債は、前事業年度末に比べ76百万円増加し、1,019百万円となりました。これは主に、買掛金の増加124百万円、未払消費税等の減少37百万円、未払法人税等の減少33百万円によるものであります。

③純資産の状況

当事業年度末の純資産は、当期純利益による増加、配当金支払いによる減少などの結果、前事業年度末に比べ282百万円増加し、4,919百万円となりました。自己資本比率は前事業年度末の83.1%から82.8%となりました。

 

(4) 資金の流動性の分析

当事業年度における現金及び預金同等物は、前事業年度末に比べ711百万円増加して、期末残高は2,574百万円となりました。

なお、キャッシュ・フローの詳細は、「第2 事業の状況 1業績等の概要 (2)キャッシュ・フロー」に記載のとおりであります。

 

(5) 経営成績に重要な影響を与える要因について

「第2 事業の状況 4事業等のリスク」に記載しております。

 

(6) 経営戦略の現状と見通し

当社は、既存の事業分野で業績を支え、成長分野に資源を投資して、継続的な成長を目指してまいります。具体的には、オープンプラットフォーム系と社会基盤系と民間企業系の3つの事業分野で業績を支え、成長分野である自動車関連やロボットで成長する方針であります。

また、継続的に成長するためには、豊富な商談を獲得すること、優良な外注先の発掘や社員の増加により開発体制を強化し質を下げずに開発量を増やすこと、研究開発や製品開発に積極的に投資し他社との競争優位を確保し、成長分野の潜在顧客を開拓すること、社員数比例でない成長を目指し引き続き研究開発や製品開発に注力することが必要であると考えております。

現在、開発体制の強化に向けて、優秀な外注先を発掘しており、協力会社の評価や管理手法も確立しつつあります。受託開発の成長のためには、開発能力を大きくする必要があり、今後とも「質を下げずに量をこなす」に取り組んでまいります。

 

(7) 経営者の問題認識と今後の方針について

技術進歩が早いソフトウェアビジネスでは、需要構造の変化に対応し、事業分野のバランスを変更していくことが課題となります。平成29年3月期より、ビジネスフィールドを再編(「第1 企業の概況 3事業の内容」に記載しております。)いたしました。今後も、需要構造の変化に合わせ、ビジネスフィールドを柔軟に再編してまいります。

また、継続的な成長のためには、内部体制の強化が必要であると考えております。次の成長のための研究開発、優秀な人材を獲得するための採用、社員を成長させるための教育、コーポレートガバナンスの強化に取り組んでまいります。