第1 【公開買付要項】

 

1 【対象者名】

株式会社デジタルホールディングス

 

2 【買付け等をする株券等の種類】

(1) 普通株式
(2) 新株予約権

① 2023年2月13日開催の対象者取締役会の決議に基づき発行された新株予約権(以下「第9回新株予約権」といいます。)(行使期間は2023年3月1日から2027年3月31日まで)

② 2024年10月22日開催の対象者取締役会の決議に基づき発行された新株予約権(以下「第10回新株予約権」といい、第9回新株予約権及び第10回新株予約権を総称して以下「本新株予約権」といいます。)(行使期間は2025年1月1日から2028年3月31日まで)

 

3 【買付け等の目的】

(1) 本公開買付けの概要

公開買付者は、2025年9月11日開催の取締役会において、株式会社東京証券取引所(以下「東京証券取引所」といいます。)プライム市場に上場している対象者の普通株式(以下「対象者株式」といいます。)の全て(但し、本新株予約権の行使により交付される対象者株式を含み、対象者の取締役ファウンダーである鉢嶺登氏(所有株式数:5,000株(注1)、所有割合(注2):0.03%。所有新株予約権数:2,000個(目的となる対象者株式の数:200,000株)、所有割合:1.07%)が全株式を所有し、代表取締役を務める資産管理会社のHIBC株式会社(以下「HIBC」といいます。)が所有する対象者株式(所有株式数:4,520,200株、所有割合:24.20%。以下「HIBC所有対象者株式」といいます。)及び対象者の代表取締役会長である野内敦氏(所有株式数:885,000株(注4)、所有割合:4.74%。所有新株予約権数:3,000個(目的となる対象者株式の数:300,000株)、所有割合:1.61%)が全株式を所有し、代表取締役を務める資産管理会社の株式会社タイム・アンド・スペース(以下「タイム・アンド・スペース」といい、HIBCと総称して「本不応募合意株主」といいます。)が所有する対象者株式(所有株式数:400,800株、所有割合:2.15%。以下「タイム・アンド・スペース所有対象者株式」といい、タイム・アンド・スペース所有対象者株式とHIBC所有対象者株式と併せて「本不応募合意株式」といいます。4,921,000株、所有割合:26.35%。)及び対象者が所有する自己株式を除きます。)及び本新株予約権の全てを取得し、対象者を公開買付者の完全子会社とすることを目的とする取引(以下「本取引」といいます。)の一環として、本公開買付けを実施することを決議いたしました。なお、本書提出日現在、公開買付者は、対象者株式及び本新株予約権を所有しておりません。

(注1) 対象者が2025年8月7日に提出した第32期中半期報告書(以下「対象者半期報告書」といいます。)の「大株主の状況」においては、鉢嶺登氏の所有株式数は、HIBC所有対象者株式も含めた実質所有株式数として4,525,200株(所有割合:24.23%)が記載されており、2025年6月30日現在、対象者の主要株主である筆頭株主です。

(注2) 「所有割合」とは、対象者半期報告書に記載された2025年6月30日現在の発行済株式総数(17,459,907株)に、対象者から2025年6月30日現在残存するものと報告を受けた本新株予約権(12,160個(注3))の目的となる対象者株式の数(1,216,000株)を加算した株式数(18,675,907株。以下「潜在株式勘案後株式総数」といいます。)に対する割合(小数点以下第三位を四捨五入。以下、所有割合の計算において同じとします。)をいいます。なお、2025年6月30日現在、対象者は自己株式を所有しておりません。

 

(注3) 対象者から2025年6月30日現在残存するものと報告を受けた本新株予約権の内訳は以下のとおりです。なお、本新株予約権のいずれも、目的となる対象者株式の数は1個につき100株です。

名称

個数

目的となる対象者株式の数

第9回新株予約権

3,460個

346,000株

第10回新株予約権

8,700個

870,000株

12,160個

1,216,000株

 

(注4) 対象者半期報告書の「大株主の状況」においては、野内敦氏の所有株式数は、タイム・アンド・スペース所有対象者株式も含めた実質所有株式数として1,285,800株(所有割合:6.88%)が記載されており、2025年6月30日現在、対象者の第三位株主です。

 

本公開買付けの実施にあたり、公開買付者は、2025年9月11日付で、鉢嶺登氏との間で、同氏が所有する対象者株式の全て(所有株式数:5,000株、所有割合:0.03%。以下「鉢嶺氏応募合意株式」といいます。)及び同氏が所有する本新株予約権の全て(所有新株予約権数:2,000個(目的となる対象者株式の数:200,000株、所有割合:1.07%))の行使により同氏が取得する対象者株式の全て(所有株式数:200,000株、所有割合:1.07%。鉢嶺氏応募合意株式と併せて「鉢嶺氏応募合意株式等」といいます。)を本公開買付けに応募することに合意する公開買付応募契約(以下「鉢嶺氏応募契約」といいます。)を締結しており、また、本公開買付けの成立を条件に、本公開買付けの決済の開始日をもって鉢嶺登氏が所有するHIBCの発行済株式の全て(以下「HIBC株式」といいます。)を公開買付者に譲り渡すこと、及び鉢嶺登氏が、HIBCをして、HIBC所有対象者株式(所有株式数:4,520,200株、所有割合:24.20%)を本公開買付けに応募させないことに合意する株式譲渡契約(以下「鉢嶺氏株式譲渡契約」といいます。)を締結しております。なお、鉢嶺氏応募契約の詳細については、下記「(6) 本公開買付けに係る重要な合意に関する事項」の「① 鉢嶺氏応募契約」を、鉢嶺氏株式譲渡契約の詳細については、下記「(6) 本公開買付けに係る重要な合意に関する事項」の「③ 鉢嶺氏株式譲渡契約」を、それぞれご参照ください。

また、公開買付者は、2025年9月11日付で、野内敦氏との間で、同氏が所有する対象者株式の全て(所有株式数:885,000株、所有割合:4.74%。以下「野内氏応募合意株式」といいます。)及び同氏が所有する本新株予約権の全て(所有新株予約権数:3,000個(目的となる対象者株式の数:300,000株、所有割合:1.61%))の行使により同氏が取得する対象者株式の全て(所有株式数:300,000株、所有割合:1.61%。野内氏応募合意株式と併せて「野内氏応募合意株式等」といいます。)(以下、鉢嶺登氏及び野内敦氏を総称して「本応募合意株主」といい、鉢嶺登氏及び野内敦氏が本公開買付けに応募することに合意している鉢嶺氏応募合意株式等及び野内氏応募合意株式等を併せて「本応募合意株式等」といいます。合計:1,390,000株、所有割合:7.44%)を本公開買付けに応募することに合意する公開買付応募契約(以下「野内氏応募契約」といいます。)を締結しており、また、本公開買付けの成立を条件に、本公開買付けの決済の開始日をもって野内敦氏が所有するタイム・アンド・スペースの発行済株式の全て(以下「タイム・アンド・スペース株式」といいます。)を公開買付者に譲り渡すこと(以下、公開買付者がHIBC株式及びタイム・アンド・スペース株式を譲り受けることを通じて、間接的に本不応募合意株式を所有することを含め、以下「本株式譲渡」といいます。)及び野内敦氏が、タイム・アンド・スペースをして、タイム・アンド・スペース所有対象者株式の全て(所有株式数:400,800株、所有割合:2.15%)を本公開買付けに応募させないことに合意する株式譲渡契約(以下「野内氏株式譲渡契約」といいます。)を締結しております。なお、野内氏応募契約の詳細については、下記「(6) 本公開買付けに係る重要な合意に関する事項」の「② 野内氏応募契約」を、野内氏株式譲渡契約の詳細については、下記「(6) 本公開買付けに係る重要な合意に関する事項」の「④ 野内氏株式譲渡契約」を、それぞれご参照ください。

 

公開買付者は、下記「(2) 本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程並びに本公開買付け後の経営方針」の「① 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載のとおり、本応募合意株主から、税務的な観点を踏まえ、HIBC所有対象者株式の全て及びタイム・アンド・スペース所有対象者株式の全てを本公開買付けに応募せず、本公開買付け成立後に本応募合意株主からHIBC株式及びタイム・アンド・スペース株式を譲り受ける本株式譲渡のストラクチャーの提案を受けたところ、本株式譲渡によっても、公開買付者は本不応募合意株主を通じて本不応募合意株式の全てを間接的に取得することが可能であることから本取引の目的を達成できると考えております。また、本不応募合意株主のいずれもが、本株式譲渡の実行日(以下「本株式譲渡日」といいます。)までに、本不応募合意株式及び有利子負債以外の資産及び債務を野内敦氏が別途設立する会社(以下「新設分割設立会社」といいます。)に新設分割(以下「本新設分割」といいます。)の方法若しくは、効率的に承継手続を進める観点から本公開買付けの開始前に鉢嶺登氏が別途設立した同氏が代表取締役を務める株式会社3i(以下「吸収分割承継会社」といいます。)に吸収分割(以下「本吸収分割」といいます。)の方法により承継させ、本株式譲渡日において本不応募合意株式及び有利子負債以外の資産及び負債を有しない資産管理会社となることを踏まえて、本応募合意株主との間で、HIBC株式及びタイム・アンド・スペース株式の取得価額、取得方法等について協議を重ね、本株式譲渡日において本不応募合意株主が所有する本不応募合意株式以外の資産及び負債の内容を確認した結果、公開買付者が鉢嶺登氏に対して支払うHIBC株式の譲渡価額(以下「HIBC株式譲渡価額」といいます。)は、HIBCがHIBC所有対象者株式を本公開買付けに応募した場合にHIBCが受領する価額と同等の経済的価値を受領すること、また、同じく公開買付者が野内敦氏に対して支払うタイム・アンド・スペース株式の譲渡価額(以下「タイム・アンド・スペース株式譲渡価額」といいます。)は、タイム・アンド・スペースがタイム・アンド・スペース所有対象者株式を本公開買付けに応募した場合にタイム・アンド・スペースが受領する価額と同等の経済的価値を受領することとなるため、いずれも法第27条の2第3項及び令第8条第3項に定める公開買付価格の均一性規制に反しないと判断しております。なお、HIBC株式譲渡価額は、(ⅰ)HIBC所有対象者株式に本公開買付けにおける対象者株式1株当たりの買付け等の価格(以下「本公開買付価格」といいます。)(1株につき1,970円)を乗じた金額(8,904,794,000円)から、(ⅱ)本株式譲渡日におけるHIBCの負債の簿価(約3,456百万円)及び本株式譲渡の実行後にHIBCにて支払い予定の課税債務を控除した額とすることを想定しており、その場合、HIBCが対象者株式の所有・管理を目的とする資産管理会社であることを踏まえると、HIBC株式譲渡価額は、HIBCがその所有する対象者株式を本公開買付けに応募した場合の対価と実質的に異ならず、経済的な合理性が認められると判断しております(注5)。また、本株式譲渡後同日付で、HIBCの対象者株式を所有している事業(以下「HIBC対象者株式保有事業」といいます。)に関する権利義務(すなわち、本吸収分割の方法により吸収分割承継会社に承継させなかったHIBCの本不応募合意株式及び有利子負債をいう。)を、簡易吸収分割の方法により公開買付者へ承継すること(以下「HIBC吸収分割」といいます。)を予定しております。また、タイム・アンド・スペース株式譲渡価額も、(ⅰ)タイム・アンド・スペース所有対象者株式に本公開買付価格(1株につき1,970円)を乗じた金額(789,576,000円)から、(ⅱ)本株式譲渡日におけるタイム・アンド・スペースの負債の簿価(約381百万円)及び本株式譲渡の実行後にタイム・アンド・スペースにて支払い予定の課税債務を控除した額とすることを想定しており、その場合、タイム・アンド・スペースが対象者株式の所有・管理を目的とする資産管理会社であることを踏まえると、タイム・アンド・スペース株式譲渡価額は、タイム・アンド・スペースがその所有する対象者株式を本公開買付けに応募した場合の対価と実質的に異ならず、経済的な合理性が認められると判断しております(注6)。また、本株式譲渡後同日付で、タイム・アンド・スペースの対象者株式を所有している事業(以下「HIBC対象者株式保有事業」と併せて「本対象者株式保有事業」といいます。)に関する権利義務(すなわち、本新設分割の方法により新設分割設立会社に承継させなかったタイム・アンド・スペースの本不応募合意株式及び有利子負債をいう。)を、簡易吸収分割の方法により公開買付者へ承継すること(以下「タイム・アンド・スペース吸収分割」といい、「HIBC吸収分割」と併せて「本簡易吸収分割」といいます。)を予定しております。

(注5) 上記(ⅰ)につき、HIBCが所有する本不応募合意株式を本公開買付価格と同額に評価するものであり、かつ、上記(ⅱ)につき、本株式譲渡日におけるHIBCの負債をその元利金の合計額と同額で簿価評価の上、HIBC株式譲渡価額を調整するものであるため、公開買付者は、本株式譲渡は、HIBCの株式の取得における価格に相当性があると認められる場合であると判断しております。なお、本株式譲渡日におけるHIBCの負債については、貸付人を鉢嶺登氏とするHIBCによる借入金債務及び本株式譲渡の実行後にHIBCにて支払い予定の課税債務であり、貸付人を鉢嶺登氏とするHIBCによる借入債務については、HIBCは、本株式譲渡の実行後、本株式譲渡の実行日である本公開買付けの決済の開始日に、鉢嶺登氏に対し当該借入金を返済する予定であることから、当該日のその元利金の合計額と同額で評価しております。

 

(注6) 上記(ⅰ)につき、タイム・アンド・スペースが所有する本不応募合意株式を本公開買付価格と同額に評価するものであり、かつ、上記(ⅱ)につき、本株式譲渡日におけるタイム・アンド・スペースの負債をその元利金の合計額と同額で簿価評価の上、タイム・アンド・スペース株式譲渡価額を調整するものであるため、公開買付者は、本株式譲渡は、タイム・アンド・スペースの株式の取得における価格に相当性があると認められる場合であると判断しております。なお、本株式譲渡日におけるタイム・アンド・スペースの負債については、貸付人を野内敦氏とするタイム・アンド・スペースによる借入債務及び本株式譲渡の実行後にタイム・アンド・スペースにて支払い予定の課税債務であり、貸付人を野内敦氏とするタイム・アンド・スペースによる借入金債務については、タイム・アンド・スペースは、本株式譲渡の実行後、本株式譲渡の実行日である本公開買付けの決済の開始日中に、野内敦氏に対し当該借入金を返済する予定であることから、当該日のその元利金の合計額と同額で簿価評価しております。

 

公開買付者は、本公開買付けにおける買付予定数の下限を7,572,454株(所有割合:40.55%)として設定しており、本公開買付けに応募された株券等(以下「応募株券等」といいます。)の総数が買付予定数の下限(7,572,454株)に満たない場合は、応募株券等の全部の買付け等を行いません。他方、公開買付者は、本公開買付けにおいて対象者株式の全て(但し、本新株予約権の行使により交付される対象者株式を含み、本不応募合意株式及び対象者が所有する自己株式を除きます。)及び本新株予約権の全てを取得し、対象者を公開買付者の完全子会社とすることを目的としていることから、買付予定数の上限は設定しておらず、応募株券等の総数が買付予定数の下限(7,572,454株)以上の場合は、応募株券等の全部の買付け等を行います。なお、本新株予約権は、いずれも新株予約権発行要項において譲渡による本新株予約権の取得については対象者取締役会の承認を要するものとされているとのことですが、対象者は、本新株予約権の譲渡が可能になるよう、2025年9月11日開催の対象者取締役会において、本公開買付けの成立を条件として、本新株予約権の所有者(以下「本新株予約権者」といいます。)の皆様が、その所有する本新株予約権を本公開買付けに応募することにより公開買付者に対して譲渡することについて、実際に本新株予約権者の皆様から本公開買付けに応募のあった本新株予約権に限り、本公開買付けの成立を条件として包括的に承認する旨を決議しているとのことです。

買付予定数の下限は、潜在株式勘案後株式総数(18,675,907株)から、本応募合意株主が所有する本応募合意株式等数(1,390,000株)及び本不応募合意株式数(4,921,000株)を控除した株式数(12,364,907株)の過半数となる株式数(6,182,454株、小数点以下切り上げ)に、本応募合意株式等数(1,390,000株)を加算した株式数(7,572,454株)としております。かかる買付予定数の下限を設定したことで、公開買付者及び本応募合意株主と利害関係を有しない対象者の株主からその株式数の過半数、すなわち、いわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ(Majority of Minority)」(下記「(3) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置)」の「⑦ マジョリティ・オブ・マイノリティ(Majority of Minority)に相当する数を上回る買付予定数の下限の設定」において定義します。以下同じです。)に相当する数の同意が得られない場合には本公開買付けは成立しないため、対象者の少数株主の意思を重視したものとなっております。なお、公開買付者は、対象者を完全子会社化することを目的としているところ、本公開買付けが成立したものの、公開買付者が対象者株式の全て(但し、本新株予約権の行使により交付される対象者株式を含み、本不応募合意株式及び対象者が所有する自己株式を除きます。)及び本新株予約権の全てを取得できなかった場合で、本株式併合(下記「(4) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」において定義します。以下同じです。)の手続を実施する際には、会社法(平成17年法律第86号。その後の改正を含みます。以下「会社法」といいます。)第309条第2項に規定する株主総会における特別決議が要件とされますが、かかる買付予定数の下限は、本公開買付け成立後に公開買付者及び本株式譲渡により公開買付者の特別支配株主完全子法人となる予定の本不応募合意株主が所有する対象者の議決権の数の合計が対象者の総株主の議決権の数の3分の2以上を所有するものであり、本取引の実施を確実に遂行できる株式数となっております。

公開買付者は、本公開買付けが成立したものの、本公開買付けにより、対象者株式の全て(但し、本新株予約権の行使により交付される対象者株式を含み、本不応募合意株式及び対象者が所有する自己株式を除きます。)及び本新株予約権の全てを取得できなかった場合には、本公開買付けの成立後、下記「(4) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」の手続(以下「本スクイーズアウト手続」といいます。)を実施することを予定しております。

なお、現在想定されている本取引を図で表示するとその概要は大要以下のとおりとなります。

 

 

Ⅰ.本公開買付け実施前(現状)

 


 

Ⅱ.本公開買付けの実施後

公開買付者は、対象者株式の全て(但し、本新株予約権の行使により交付される対象者株式を含み、本不応募合意株式及び対象者が所有する自己株式を除きます。)及び本新株予約権の全てを取得し、対象者を公開買付者の完全子会社化することを目的とする本取引の一環として、本公開買付けを実施。

 


 

 

Ⅲ.本株式譲渡

本公開買付けの成立を条件に、本公開買付けの決済の開始日に、公開買付者は鉢嶺登氏からHIBC株式を、野内敦氏からタイム・アンド・スペース株式をそれぞれ取得する本株式譲渡を実施。

 


(注7) 本株式譲渡の実行日までに、HIBC及びタイム・アンド・スペースは、それぞれ本吸収分割又は本新設分割の方法により、本不応募合意株式のみの資産を所有し、本応募合意株主からの借入債務のみの有利子負債を負う会社となり、本不応募合意株式及び有利子負債以外の資産及び債務は吸収分割承継会社若しくは新設分割設立会社に承継される予定です。

 

Ⅳ.本簡易吸収分割

 


(注8) 本株式譲渡後同日付で、HIBC及びタイム・アンド・スペースは、本対象者株式保有事業に関する権利義務を、簡易吸収分割により公開買付者へ承継することを予定しております。

 

Ⅴ.本スクイーズアウト手続後

 


 

 

対象者が、2025年9月11日付で公表した「株式会社博報堂DYホールディングスによる当社株券等に対する公開買付けに関する意見表明のお知らせ」(以下「対象者プレスリリース」といます。)によれば、対象者は、2025年9月11日開催の対象者取締役会において、公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、本公開買付けに応募するか否かについては、対象者の株主及び本新株予約権者の皆様のご判断に委ねる旨の決議をしたとのことです。なお、対象者取締役会の意思決定過程の詳細につきましては、対象者プレスリリース及び下記「(3) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑤ 対象者における利害関係を有しない出席取締役全員(監査等委員を含みます。)の承認」をご参照ください。

 

(2) 本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程並びに本公開買付け後の経営方針
① 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程

公開買付者は、2003年10月に、株式会社博報堂、株式会社大広及び株式会社読売広告社の経営統合に伴い、これら国内広告会社3社の株式移転により設立された持株会社であり、2003年12月には、上記3社のメディア・コンテンツ関連組織を分社・統合して設立された総合メディア事業会社である株式会社博報堂DYメディアパートナーズを加えた4社(本書提出日現在、株式会社博報堂DYメディアパートナーズを除く3社は公開買付者の完全子会社となります。)を中核とする広告会社グループとなり、2005年2月に東京証券取引所市場第一部に株式を上場いたしました。2022年4月の東京証券取引所の市場区分見直しに伴い、東京証券取引所プライム市場に移行しました。2024年4月には公開買付者グループにおけるデジタルマーケティングのコアカンパニーとして、広告運用、データ分析及びソリューション開発等の統合的なデジタルマーケティングサービスを提供する株式会社Hakuhodo DY ONEを設立し、2025年4月には、株式会社Hakuhodo DY ONEを吸収合併存続会社、デジタル・アドバタイジング・コンソ-シアム株式会社及び株式会社アイレップを吸収合併消滅会社とする吸収合併を行うことによりこれら2社を統合し、公開買付者グループのデジタルマーケティングのリソースとノウハウを集約いたしました。さらに2025年4月には、よりシームレスなフルファネルマーケティング(注1)体制の構築を目指して、総合広告会社である株式会社博報堂と総合メディア事業会社としての機能を担っていた株式会社博報堂DYメディアパートナーズを統合いたしました。公開買付者、子会社384社及び関連会社64社(本書提出日現在)により構成される企業グループ(以下「公開買付者グループ」といいます。)は、「生活者発想」「パートナー主義」という2つのポリシーを基軸に、時代と社会の変化をいち早くつかみ、企業のマーケティング活動やイノベーションの創出を推進するパートナーとして、従来の広告ビジネスの枠組みにとらわれることなく事業領域を拡大させてきたと考えております。

(注1) 「フルファネルマーケティング」とは、商品やサービスに対する消費者の認知から購買、さらにはリピートに至るまで、消費者の一連の購買プロセスを包括的に捉えながら、各プロセスに応じて最適な働きかけをするマーケティング手法をいいます。

 

現在は、総合広告会社である株式会社博報堂グループ、株式会社大広グループ、株式会社読売広告社グループ、デジタルマーケティング領域のコアとなる株式会社Hakuhodo DY ONEグループ、中小企業(いわゆるSMB企業)や地域企業の支援に特徴を持つソウルドアウト株式会社グループ、戦略事業組織であるkyuグループの6つのグループがそれぞれ異なる専門性と個性を活かしたユニークな企業集団として成長し続けていると考えております。

 

公開買付者は、2024年6月21日に発表した新中期経営計画(2025年3月期~2027年3月期)において、これまで以上に急激に変化する不確実な環境の中、ブレない強固な価値観を持ちながら常時変革を行い成長し続けるために、「グローバルパーパス」と「目指すべき姿」を定めました。グループのグローバルパーパスを「生活者、企業、社会。それぞれの内なる想いを解き放ち、時代をひらく力にする。Aspirations Unleashed」と設定し、このパーパスを起点に、全ての企業活動を行っております。そしてこのグローバルパーパスを実現するために、「従来の“広告会社グループ”の枠を超え、“クリエイティビティ・プラットフォーム”へと進化していく」ことを掲げました。生活者発想を起点としたクリエイティビティを強みとして、生活者・企業・社会をつなぎ、新たな関係価値を生み出すことで、未来を創造するグループとなることを目指し、当該中計の3年間に「マーケティングビジネスの構造改革」「新たな成長オプションの創造」「グローバルビジネスのリモデル」の3つの観点で事業構造変革を進めております。さらに、“クリエイティビティ・プラットフォーム”を構成する6つの事業領域として、「マーケティングビジネス」「コンサルティングビジネス」「テクノロジービジネス」「コンテンツビジネス」「インキュベーションビジネス」「グローバルビジネス」を設定し、グループ全体の事業構造変革を推進しております。中でも「マーケティングビジネス」においては、デジタルマーケティング領域を成長領域と捉えており、競争力の強化、生産性の向上、収益力の強化を図ることで業界No.1のポジションを目指しております。

 

一方で、対象者プレスリリース及び対象者から受けた説明によれば、対象者は、1994年3月に鉢嶺登氏によって、東京都港区にファックスを用いたダイレクトメール等のマーケティングサービスの提供を目的に有限会社デカレッグスとして設立され、1995年4月に株式会社に組織変更すると同時に株式会社オプトに商号変更したとのことです。また、対象者株式については、2004年2月に日本証券業協会に店頭売買銘柄として登録され、同年12月に日本証券業協会へ店頭売買銘柄としての登録を取り消し、株式会社ジャスダック証券取引所に上場し、2013年10月に東京証券取引所第一部指定を受けたとのことです。2015年4月に純粋持株体制に移行すると同時に商号を株式会社オプトホールディングに変更後、2020年7月に、主事業を2000年7月から本格的に開始した「インターネット広告代理事業」から企業のデジタルシフト支援とプロダクト開発を主軸に据えた「デジタルシフト事業」への構造改革を行うにあたり現在の株式会社デジタルホールディングスへ商号変更したとのことです。その後、2022年4月4日の東京証券取引所の市場区分の変更に伴い、東京証券取引所プライム市場に株式を上場したとのことであり、本書提出日現在、東京証券取引所プライム市場に株式を上場しているとのことです。

対象者グループ(以下において定義します。)は、1994年の創業以来変わらず大切にし続ける5つのバリュー(注2)を企業理念として掲げ、バリューの体現者を誠実な野心家と呼び、「誠実な野心家であれ。」という理想の姿を追求し、新たな価値を創造することを目指しているとのことです。

(注2) 「5つのバリュー」とは、「1.新しい価値創造」、「2.チャレンジ(変革し続ける)」、「3.楽天主義(プラス思考)」、「4.先義後利」、「5.一人一人が社長」という5つの価値観を指しているとのことです。

 

この経営理念のもと、2021年に「新しい価値創造を通じて産業変革を起こし、社会課題を解決する」というパーパスを策定し、永続的な顧客の事業成長への貢献を通じて、‟産業変革=IX:Industrial Transformation®”を目指しているとのことです。そして、創業以来、成長志向企業の発展に直結する「独自の仕組み(祖業であるマーケティングを中心にDX開発及び成長のための資金提供等を組み合わせた総合的な支援)」を提供することで、新しい価値を創造し続け、グループ一丸となって産業変革を推進することで、成長志向企業の持続的発展と、働き手の価値が正当に引き上げられる日本社会の実現を目指しているとのことです。パーパス実現に向け、株式会社オプト(対象者完全子会社。以下「オプト」といいます。)を中心に、次の飛躍的な成長に向けて、新たに準大手・中堅企業をメインターゲットに据え、収益管理体系の整備と運用の徹底、オペレーション部門を中心とした従業員の多能化の推進等を実施し、営業利益率の改善を進め基盤強化を進めてきたとのことです。また、IXに注力するためのアセット(人的資源・金融資源)を確保し、新たな収益モデルによる収益機会の多様化に向け、積極的に成長資金を投下してきたとのことです。

 

一方で、対象者グループを取り巻くデジタル広告支援事業の競争環境は、大手広告代理店のМ&Aによる市場の寡占の進行、大手広告プラットフォームの広告運用の自動化の加速、広告主によるマーケティング活動の内製化の動きが加速するなど、年々厳しさを増し、また新規領域における早期の収益化の実現を求められる中、2024年4月に、これまで機能別に磨き上げてきたグループアセットを集約し、顧客の多様なニーズに対し柔軟に提案可能なサービスの幅の拡充を目的として連結子会社の統廃合を行い、オプトを中心に、営業連携の強化と同時に今まで以上に顧客との接点及び顧客との向き合い時間を創出し、広告とデジタルトランスフォーメーション(DX)の統合提案をさらに加速させてきたとのことです。また、2021年から注力してきたIXにおいては、対象者グループにおける低シナジー事業の整理を行い、祖業の強みを活かした株式会社バンカブル(以下「バンカブル」といいます。)が行うBNPLサービス事業に注力し、早期の収益化を目指してきたとのことです。

 

対象者は本書提出日現在、対象者、子会社4社、関連会社1社及び3組合(以下「対象者グループ」といいます。)によって構成され、Marketing事業、Financial Services事業及びInvestment事業を主たる事業としているとのことです。

各事業における概要は以下のとおりとのことです。

 

(A) Marketing事業

オプトが提供するデジタルマーケティング支援及びDX開発等で構成されているとのことです。マーケティングに関わる広告、CRM支援(注3)、開発支援、人材の常駐支援などを通じて、顧客の永続的な事業成長を目指しているとのことです。パーパスとして掲げる産業変革の実現に向け、顧客の先のエンドユーザーへの深い理解と、真に顧客に寄り添った顧客視点でのLTVM(注4)を通じて、広告産業の変革に取り組んでいるとのことです。

(注3) 「CRM支援」とは、主に企業のコミュニケーションアプリ(LINE)の公式アカウント運用を効率化し、マーケティング効果を最大化することに特化した「TSUNAGARU」をはじめとするプロダクト提供による顧客との関係性管理・強化の支援と、顧客との関係性管理・強化の枠組みを設計するコンサルティング支援をいうとのことです。

(注4) 「LTVM」とは、「Life Time Value Marketing」の略であり、LTV(顧客生涯価値:Life Time Value)は、従来、あるユーザーが商品・サービスを初めて利用してから、長期的な関係のなかで、サービスを提供する企業が、当該ユーザーから得られる利益を指し、サービスを提供する企業側が「いかに一人の顧客から利益を得られるか」という視点で表現されることが多い状況にあるのに対して、対象者グループにおいては、企業側が得られる利益を示す観点でのLTVではなく、これまで以上にエンドユーザーを理解し、真に顧客に寄り添った支援に注力し、エンドユーザーへの本質的な価値提供に重きを置くことで、短期利益ではなく、顧客の永続的な事業成長に貢献するという概念として捉え、その実現を目指す手段として、「LTVM(Life Time Value Marketing)」と名付けているとのことです。

 

(B) Financial Services事業

対象者の完全子会社である株式会社バンカブルが提供する広告費等の分割・後払いサービス事業等で構成されているとのことです。成長を志す企業におけるキャッシュ・フローの課題を解決し、より高い成長曲線を描けるよう、広告主の方向けに広告費の4分割・後払いサービス「AD YELL(アドエール)」、広告代理店向けに媒体費の支払いサイト延長サービス「AD YELL PRO(アドエールプロ)」、及び期日の迫った請求書のお支払いに、カードで後払いサービス「バンカブル 請求書カード払い」を提供しているとのことです。企業規模の大小にとらわれることなく、誰もが挑戦できる社会の実現を目指し、新たな金融のカタチの創出を目指しているとのことです。

 

(C) Investment事業

対象者、Bonds Investment Group株式会社、BIG1号投資事業有限責任組合、BIG2号投資事業有限責任組合、BIG SX1号投資事業有限責任組合、及びOPT America, Inc.にて運用を行う投資事業で構成されているとのことです。成長を志す企業と人を応援し、新たなイノベーションの創出を目指しているとのことです。IT領域での豊富な事業経験を活かしたハンズオン型ベンチャーキャピタル投資により、スタートアップ経営者・企業を支援することで、経済発展・社会課題の解決に尽力しているとのことです。

 

 

対象者グループを取り巻く経営環境は、近年の資源価格の高騰等に伴う物価上昇の日本経済への影響や、中長期的な少子高齢化に伴う人口減少による国内市場への影響等が懸念される一方で、生成AI等の飛躍的な技術革新により、大量のデータとデジタル技術を活用した、従来の製品やサービス・ビジネスモデルを変革するDXの実現を目指す動きがより一層活発化しているとのことです。対象者グループの主要事業であるデジタル広告業界では、企業のマーケティングDXが進展し、動画・SNS広告や生成AIを活用した広告運用、データ活用の重要性が増しているとのことです。今後はAIの社会実装やメタバース、リテールメディア(注5)の台頭に加え、プライバシー規制強化など事業環境の変化が一層加速する見通しとのことです。このような中、2025年4月から新経営体制のもと、祖業からの圧倒的な強みであるMarketing事業に再注力し、マーケティング×AIを基軸にフロント競争力を高め、業種別アプローチで新しい価値創造に挑戦しているとのことです。

(注5) 小売店が運営するECサイト上の各種オンライン広告や小売店の店舗に設置されたサイネージ広告などに見られる「小売店が媒体社として提供している広告媒体」をいうとのことです。

 

<2025年12月期の取り組みと進捗状況>

① Marketing事業:

取り組み:LTVM×AI活用×戦略業種により売上高及び営業利益大幅改善

進捗状況:LTVMの実現に向けて、顧客の多様なニーズに対して、広告、マーケティングコンサルティング、エンドユーザー向けの開発支援など提供サービスの幅を広げると共に、営業連携及びAI活用を強化したことで生産性が向上し、売上高及び営業利益が増加

 

② Financial Services事業:

取り組み:最適な債権ポートフォリオ確立と更なる顧客幅の拡大

進捗状況:取引社数増加(2025年6月末時点:938社 対前年同期比:+398.9%)

小口分散化の進捗:1社当たりの利用金額に上限を設け、同時に再成長のために一時的に停止していた顧客獲得のためのプロモーションを再開したことにより取引社数を増加

上記が順調に進捗した結果、再成長に向け準備完了(再成長のために一時的に停止していた顧客獲得のためのプロモーションを再開したことによる取引社数の増加と1社当たりの利用金額に上限を設けたことによる債権小口分散化を進めた結果、GMV(取引総額)は対前年同期比で▲79.0%と減少したものの、2025年上期末でボトム(1,055百万円)となり、今後は増加していく見込み)

 

③ Investment事業:

取り組み:継続的な利益創出とグループ成長資金確保

進捗状況:利益創出中(2025年上半期EBITDA:2,975百万円)

 

公開買付者は、公開買付者の子会社である総合広告会社並びにデジタル広告会社において、各社の得意領域や顧客ターゲットに応じた新たな役割分担を再編成し、より競争力のある体制を確立することで、公開買付者グループ一体として提供価値を一段と高められると考えており、特に顧客ニーズが高まる統合マーケティングへ対応するため、デジタルマーケティング領域を強化してまいりました。上記のような状況の中、2024年7月頃より、公開買付者は、対象者が公開買付者グループ全体のプレゼンスを飛躍的に高めるための重要な役割を担う存在になりうること、対象者は対象者が掲げるLTVM戦略を公開買付者グループのリソースをフルに活用しながら実現し成長しうることを考え、2024年7月下旬より対象者株式の取得の是非について検討を開始いたしました。2024年10月21日には、公開買付者は対象者と面談を実施し、両社の事業シナジーについて協議いたしました。その後、公開買付者は、2024年12月上旬から2025年1月下旬まで、対象者に対する事業、財務・税務に関するデュー・ディリジェンスや対象者経営陣との面談を実施し、公開買付者グループと対象者グループとの間の事業シナジーの創出に向けた具体的な施策、買収ストラクチャー及び公開買付者による対象者の完全子会社化後の経営方針等について分析及び検討を進めてまいりました。

 

 

かかる検討の結果、2025年2月5日、公開買付者は、マネジメント・バイアウト(MBO)(注6)による対象者の非公開化の後、公開買付者がオプトの全株式を取得することを内容とする提案(以下「当初提案」といいます。)を、対象者に対して行いました。2025年2月20日に、公開買付者は対象者と面談を実施し、対象者より、当初提案の取り下げ及び対象者の全株式取得の打診、併せて対象者の全株式取得を前提とした法的拘束力のない意向表明書提出の打診を受けました。2025年4月上旬には、対象者のファイナンシャル・アドバイザーであるみずほ証券株式会社(以下「みずほ証券」といいます。)より、正式に法的拘束力のない意向表明書提出の依頼を受けました。その後、公開買付者は2025年4月中旬から2025年6月上旬にかけ対象者との間で複数回にわたる意見交換を行い、本取引の検討を本格化させるために、2025年6月5日に、公開買付者、対象者、本応募合意株主及び本不応募合意株主から独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者評価機関としてSMBC日興証券株式会社(以下「SMBC日興証券」といいます。)、リーガル・アドバイザーとして森・濱田松本法律事務所外国法共同事業(以下「森・濱田松本法律事務所」といいます。)をそれぞれ選任いたしました。その後、2025年6月10日、対象者を完全子会社化することを前提とした本取引を行う旨、本取引の戦略的意義、想定されるシナジー及び対象者株式1株当たりの希望取得価格等を記載した法的拘束力のない意向表明書を提出し、本取引の実現可能性を精査するための詳細なデュー・ディリジェンスの実施を対象者に申し入れ、2025年6月下旬から2025年7月下旬にかけて、事業、財務・税務及び法務に関するデュー・ディリジェンスや対象者経営陣との面談を実施し、公開買付者グループと対象者グループとの間の事業シナジーの創出に向けた具体的な施策、買収ストラクチャー及び公開買付者による対象者の完全子会社化後の経営方針・事業運営方針等についてさらなる分析及び検討を進めてまいりました。

(注6) 「マネジメント・バイアウト(MBO)」とは、公開買付者が対象者の役員との合意に基づき公開買付けを行うものであって対象者の役員と利益を共通にするものである取引をいいます。

 

かかる検討の結果、2025年7月下旬、公開買付者は、本取引が、公開買付者グループ各社の得意領域や顧客ターゲットに応じた新たな役割分担を再編成し、より競争力のあるフォーメーションを確立することで、グループとしてマーケットへの対応力と提供価値を一段と高めることができ、また、成熟市場となりつつあるデジタルマーケティング領域において、競合他社を凌駕する利益ある成長を生み出していくことに繋がり、公開買付者グループ及び対象者グループが力強く成長していけるとの考えに至りました。また、公開買付者は、対象者グループとの成長戦略を迅速かつ大胆に実行するためには、本取引を通じて対象者を完全子会社化し上場廃止することが不可欠であると考えております。対象者が上場企業である限り、短期的な業績変動や少数株主への配慮から中長期的な戦略的投資を迅速に実行することが出来ない可能性があるところ、公開買付者は本取引を通じて、グループ全体として最適な事業体制の構築や事業の改革を迅速かつ柔軟に推進することが可能になると考えております。本取引を通じて、公開買付者は、公開買付者及び対象者の両グループの企業価値を最大化し持続的な成長を実現できるものと考えております。公開買付者が本取引において現在想定している具体的なシナジー効果は以下のとおりです。なお、公開買付者は、非公開化のデメリット、本応募合意株主と対象者との間の資本関係がなくなることによるデメリット及び対象者が公開買付者グループの一員となることによるデメリットとして懸念している事項はありません。

(ⅰ)より強固なデジタルマーケティング体制の構築

公開買付者グループ内の各社が持つ得意領域や機能を再定義し、役割を最適化することで、顧客に対してより強固なデジタルマーケティング体制の構築を目指します。対象者グループの主要顧客層は、公開買付者グループの主に準大手・中堅企業領域を手掛ける事業会社がカバーする顧客戦略において対象者グループが有するデジタルマーケティングの対応力を補完することが可能であり、公開買付者グループが有するテレビをはじめとしたマスマーケティングや販促等に関するソリューションと掛け合わせることによる協業体制を構築できると考えています。

 

 

(ⅱ)新規アカウント開拓力の一層の強化

対象者グループの新規クライアントを開拓する力を一層強化するために、公開買付者グループのマーケティング戦略等の提案力及びクリエイティブリソース(注7)を共有し、提案力を高める支援を行ってまいります。

(注7) 「クリエイティブリソース」とは、広告を構成するビジュアルデザイン、コピー、動画、音声等の制作物や素材等を作成するための有形・無形の資源を指します。

 

(ⅲ)顧客への提供価値の拡張

対象者グループの顧客群に対して公開買付者グループが有するデジタルマーケティング以外の機能を融合し提供することによって、新たな付加価値を提供できると確信しております。とりわけ、マスメディアバイイング力(注8)を活かした「テレビ×デジタル」の統合提案や、販促・リアル接点支援、専門機能子会社との連携によるフルファネル型のマーケティング(注9)ソリューション提案が可能となり、顧客への提供価値の拡張と収益源の多様化が見込まれます。

(注8) 「マスメディアバイイング力」とは、テレビ・新聞・雑誌・ラジオなどのマスメディアの広告枠を、広告主の目的やターゲット層を踏まえて、媒体社から効果的かつ効率的に買い付け、広告主にとって最適な広告掲載を行う能力をいいます。

 

(注9) 「フルファネル型のマーケティング」とは、商品やサービスに対する消費者の認知から購買、さらにはリピートに至るまで、消費者の一連の購買プロセスを包括的に捉えながら、各プロセス応じて最適な働きかけをするマーケティング手法をいいます。

 

(ⅳ)顧客基盤の拡張

対象者グループが強みを持つ準大手・中堅企業層の顧客企業は、公開買付者グループがこれまで十分に対応しきれていなかった領域でもあり、顧客基盤の拡張という観点からも、両社の補完関係が大いに期待できます。

 

(ⅴ)持続的なコスト最適化

費用面では広告運用におけるナレッジやノウハウの共有により生産性の向上が見込まれます。また、コーポレート機能の連携や人材採用/教育などを含む業務の効率化も期待できます。具体的には、法務、経理財務、情報システムなどのコーポレート部門の一部機能共有や、専門領域の人材交流やナレッジの共有を推進することで、人材の採用・教育に関するノウハウを相互に活用し、業務効率の向上を図ることができると考えております。さらに、これまで各社で個別に行っていたAIや自動化技術に関する研究開発(R&D)を今後は共同で推進することで重複投資の回避やノウハウの集約が可能となり、総じて持続的なコスト最適化が実現できると考えております。

 

 

公開買付者は、2025年8月5日に、対象者及び本特別委員会(下記「② 対象者が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」において定義します。)に対して、対象者への詳細なデュー・ディリジェンスを踏まえた検討の結果、バンカブルが営むFinancial Services事業と公開買付者グループとのシナジーが限定的であることから、対象者の連結財務諸表の対象からバンカブルを除外する又は除外するための施策を検討いただくよう連絡いたしました。その後、公開買付者は、対象者及び本特別委員会より、2025年8月7日の本特別委員会においてバンカブルの株式の譲渡等様々な方策について、その実現可能性や所要期間等の観点から慎重に議論を行い、本公開買付けの公表日において本公開買付けの成立を条件としてバンカブルの解散及び清算を実施する旨の決議を行うことが望ましい旨を、全会一致で決定したとの連絡を受けました。公開買付者が2025年6月下旬から2025年7月下旬の間に対象者に対して行ったデュー・ディリジェンスや対象者経営陣との面談の結果を踏まえ、2025年8月12日、対象者を完全子会社化することを前提に、公開買付者は、対象者との連携を深め、協業によるメリットを享受することが、公開買付者及び対象者のさらなる成長・発展と企業価値の向上に資するものであるとの考えに至ったため、対象者の事業及び財務の状況並びに将来キャッシュ・フローを精査し、公開買付者にとって対象者株式の本源的価値を1株当たり1,943円と分析した上で、市場株価動向として2025年8月12日の対象者株式の東京証券取引所市場プライム市場における終値及び同日までの終値の単純平均値に対していずれもプレミアムであること(同日終値1,449円に対して34.09%(小数点以下第三位を四捨五入。以下、プレミアム率又はディスカウント率の計算において同じです。)、同日までの過去1ヶ月間の終値の単純平均値1,270円(小数点以下を四捨五入しております。以下、終値の単純平均値の計算において同じです。)に対して52.99%、同日までの過去3ヶ月間の終値の単純平均値1,291円に対して50.50%、同日までの過去6ヶ月間の終値の単純平均値1,351円に対して43.82%)、対象者取締役会による本公開買付けへの賛同の可否及び本公開買付けに対する応募の見通し等を総合的に勘案し、本公開買付価格を1株当たり1,943円、本公開買付けにおける本新株予約権1個当たりの買付け等の価格(以下「本新株予約権買付価格」といいます。)を、第9回新株予約権1個当たりの買付け等の価格(以下「第9回新株予約権買付価格」といいます。)については、本公開買付価格である1,943円と第9回新株予約権の対象者株式1株当たりの行使価額である1,179円との差額に当該新株予約権1個当たりの目的となる対象者株式の数100株を乗じた金額である76,400円及び第10回新株予約権1個当たりの買付け等の価格(以下「第10回新株予約権買付価格」といいます。)については、本公開買付価格である1,943円と第10回新株予約権の対象者株式1株当たりの行使価額である1,016円との差額に当該新株予約権1個当たりの目的となる対象者株式の数100株を乗じた金額である92,700円として本取引を行う旨の意向表明書を対象者及び本特別委員会へ提出いたしました。その後、公開買付者は、2025年8月14日に、対象者及び本特別委員会より、対象者の一般株主の利益保護の観点から、より高い買付価格の再提示の要請を受けました。当該要請を受け、公開買付者は、本公開買付価格について慎重に再検討をいたしましたが、当該1,943円は対象者の本源的な価値を踏まえて提案した価格であることから、2025年8月19日に、本公開買付価格を前回の提案と同額の1,943円とする旨の提案を行いました。その後、公開買付者は、2025年8月21日に、対象者及び本特別委員会より、対象者の一般株主の利益保護の観点から、より高い買付価格の再提示の要請を受けました。当該要請を受け、公開買付者は本公開買付価格について再度慎重に検討をいたしましたが、当該1,943円は過去3年間の対象者株式の株価の最高値であること、また、同期間における出来高合計の9割に対して40%超のプレミアムを付した水準であることから、2025年8月26日に、本公開買付価格を当初の提案と同額の1,943円とする旨の提案を行いました。その後、公開買付者は、2025年9月2日に、対象者及び本特別委員会より、再度対象者の一般株主の利益に配慮する観点から、本公開買付価格の見直しを検討するように要請を受けました。当該要請を受け、公開買付者は、2025年9月8日に、本公開買付価格を対象者株式1株当たり1,970円とする旨の最終提案を行いました。その後、公開買付者は、2025年9月9日に、対象者及び本特別委員会より、本取引により対象者グループの中長期的な企業価値の向上が見込まれるという意味において本公開買付けに賛同の意見を表明する一方で、足元の株価動向を踏まえると、十分なプレミアムが付されているとまでは認められないことから、応募に関しては中立の立場を取り、また、本公開買付けの成否は対象者の少数株主の判断に委ねたいとのことから、いわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ」(Majority of Minority)を満たす一般株主からの応募を本公開買付けの成立の条件とすることを要請する回答書を受領いたしました。その後、公開買付者は、2025年9月10日、本公開買付けにおいていわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ」(Majority of Minority)の買付予定数の下限の設定をすることに応じることを決定いたしました。

 

 

他方、上記の対象者及び本特別委員会との交渉と並行して、公開買付者は、2025年6月16日に鉢嶺登氏との面談を実施し、HIBC株式の取得によっても間接的に対象者株式の取得が可能であることから、税務的な観点を踏まえ、本株式譲渡の提案を受けました。その後、公開買付者は、鉢嶺登氏との間で、継続して鉢嶺氏応募契約、鉢嶺氏株式譲渡契約及びHIBC株式の取得価額、取得方法等について協議を重ねた結果、対象者及び本特別委員会との協議・交渉の結果も踏まえ、2025年9月11日、本公開買付価格を1,970円とする鉢嶺氏応募契約及び鉢嶺氏株式譲渡契約株式譲渡契約について合意に至ったことから、2025年9月11日、鉢嶺登氏との間で鉢嶺氏応募契約及び鉢嶺氏株式譲渡契約を締結いたしました。

また、公開買付者は、2025年6月16日に野内敦氏とも面談を実施し、タイム・アンド・スペース株式の取得によっても間接的に対象者株式の取得が可能であることから、税務的な観点を踏まえ、本株式譲渡の提案を受けました。その後、公開買付者は、野内敦氏との間で、継続して野内氏応募契約、野内氏株式譲渡契約及びタイム・アンド・スペース株式の取得価額、取得方法等について協議を重ねた結果、対象者及び本特別委員会との協議・交渉の結果も踏まえ、2025年9月11日、本公開買付価格を1,970円とする野内氏応募契約及び野内氏株式譲渡契約について合意に至ったことから、2025年9月11日、野内敦氏との間で野内氏応募契約及び野内氏株式譲渡契約を締結いたしました。

これらの協議・交渉を経て、公開買付者は、2025年9月11日、本公開買付価格を1,970円とし、本取引の一環として本公開買付けを開始することを決定いたしました。

 

② 対象者が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由

(ⅰ)検討体制の構築の経緯

対象者は、公開買付者によってなされた当初提案及び公開買付者が対象者を完全子会社とする取引の検討並びに公開買付者との当初提案及び公開買付者が対象者を完全子会社とする取引に係る協議及び交渉を行うにあたり、公開買付者が対象者を完全子会社とする取引が実施される場合における公開買付けは支配株主による公開買付けには該当しないものの、公開買付者が対象者を公開買付者の完全子会社とすることを目的とする場合には対象者の一般株主に大きな影響を与えること等を踏まえて、本公開買付けの実施を決定するに至る対象者の意思決定に慎重を期し、対象者の取締役会の意思決定過程における恣意性を排除し、その公正性を担保することを目的として、対象者、本応募合意株主、本不応募合意株主及び公開買付者から独立した立場で、交渉及び判断を行うための体制の構築を開始したとのことです。

 

具体的には、対象者は、下記「(3) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「③ 対象者における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、2025年3月21日から、対象者の独立社外取締役により構成される特別委員会の設置に向けて準備を進めたとのことです。その上で、2025年3月28日開催の対象者取締役会における決議により、対象者、本応募合意株主、本不応募合意株主及び公開買付者から独立した荻野泰弘氏(対象者独立社外取締役)、水谷智之氏(対象者独立社外取締役)、栁澤孝旨氏(対象者独立社外取締役)及び鍵﨑亮一氏(対象者独立社外取締役、監査等委員)4氏によって構成される特別委員会(以下「本特別委員会」といいます。特別委員会の設置等の経緯、検討の経緯及び判断内容等については、下記「(3) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「③ 対象者における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」をご参照ください。)を設置し、本特別委員会に対し、(ⅰ)本取引の是非(本取引が対象者の企業価値向上に資するかを含みます。)、(ⅱ)本取引の条件(本取引の買収対価の水準、買収の方法及び買収対価の種類等を含みます。)の公正性、(ⅲ)本取引の手続(取引条件の公正さを担保するための手続が十分に講じられているかどうかを含みます。)の公正性、(ⅳ)(ⅰ)~(ⅲ)を踏まえ、本取引が対象者の少数株主にとって不利益なものであるか否か、(ⅴ)対象者取締役会が、本公開買付けについて賛同意見を表明すること、並びに対象者の株主及び本新株予約権者に対して、本公開買付けに応募することを推奨することそれぞれの是非(以下、これらを総称して「本諮問事項」といいます。)について諮問したとのことです。また、対象者取締役会は、特別委員会の設置にあたり、(ⅰ)本諮問事項の検討に必要な情報収集を行う権限、(ⅱ)対象者の費用負担において特別委員会独自のファイナンシャル・アドバイザー及びリーガル・アドバイザーの選任を行う権限(対象者が選任するアドバイザーと同一のアドバイザーを選任することも可能)(ⅲ)公開買付者との交渉権限及び(ⅳ)その他本諮問事項の検討に必要となる事項に関する権限を付与することを決議したとのことです。なお、特別委員会は、下記「(3) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「③ 対象者における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、本特別委員会は、2025年3月28日、対象者のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関であるみずほ証券について独立性及び専門性に問題がないことを確認の上、必要に応じて専門的助言又は説明を求めることを確認すると共に、対象者、本応募合意株主、本不応募合意株主及び公開買付者から独立した本特別委員会のリーガル・アドバイザーとして長島・大野・常松法律事務所を選任しているとのことです。(後述のとおり、その後、対象者は長島・大野・常松法律事務所を独立性及び専門性に問題がないことを確認の上、対象者のリーガル・アドバイザーとして選任しているとのことです。)。

 

 

(ⅱ)検討・交渉の経緯

対象者は、対象者の企業価値向上を実現する観点からは、外部のパートナーとの資本業務提携等についても有力な選択肢の一つであるとの考えから、2024年10月頃、当時対象者の代表取締役会長であった鉢嶺登氏、当時対象者の代表取締役社長であった野内敦氏、対象者の現代表取締役社長である金澤大輔氏を中心に、公開買付者に対して、Marketing事業に関する資本業務提携の可能性についてヒアリングを実施し、対象者として公開買付者による対象者の完全子会社化も選択肢の一つとして検討を開始したとのことです。2024年10月21日には、対象者は、公開買付者と面談を実施し、両社の事業シナジーについて協議したとのことです。公開買付者と対象者での協議を踏まえて、資本業務提携の可能性をさらに検討するため、2024年12月上旬から2025年1月下旬にかけて、公開買付者から対象者に対する初期的なデュー・ディリジェンスを実施したとのことです。かかる状況下、2025年2月5日に、公開買付者より、本応募合意株主によるマネジメント・バイアウト(MBO)による対象者株式の非公開化後に、公開買付者による、対象者の完全子会社であるオプトの買収を行う一連の取引の実施を提案する旨の当初提案を受領したことを受け、2025年2月13日に、対象者、本応募合意株主、本不応募合意株主及び公開買付者から独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関としてみずほ証券を選任したとのことです。そして、みずほ証券から助言を受け、公開買付者に対して、Marketing事業及びオプトの取得に関心があるのであれば、一般株主が取引の対価を直接享受できることが望ましいとの判断から、公開買付者が対象者を完全子会社とする取引を検討するように要請したとのことです。その後、2025年3月14日に公開買付者から、当初提案でのMBOがファイナンスを理由に実行が困難であれば、公開買付者によるファイナンス面での支援も検討可能である旨及び、MBOが困難な場合には鉢嶺登氏及び野内敦氏が所有する対象者株式のみを公開買付者が取得するストラクチャーを検討している旨の書類を受領したとのことです。これを受け、2025年3月中旬以降、鉢嶺登氏、野内敦氏及び金澤大輔氏を中心に、Financial Services事業及びInvestment事業についての追加的な説明を公開買付者に対して実施し、公開買付者が対象者を完全子会社とする取引の可能性について、公開買付者との協議を継続したとのことです。

そして、対象者及び本特別委員会は、本取引が対象者の企業価値向上に資する取引となるか否かを適切に検討・分析するため、みずほ証券の助言を踏まえつつ、対象者の企業価値の向上及び株主利益の確保に資する可能性のある資本政策について慎重に検討及び協議を行ってきたとのことです。そして、かかる検討の結果、本特別委員会は、対象者が今後も成長し、中長期的に企業価値を高めていくためには、対象者の企業価値向上のための取り組みに対して付加価値を提供し、対象者の中長期的な成長を促進してくれることが期待できる戦略的パートナーの下、対象者株式を非公開化することも経営上の合理的な選択肢の一つであるという考えに至り、対象者は、かかる本特別委員会の考えを踏まえて、2025年4月10日、公開買付者に対して、公開買付者による対象者の完全子会社化を前提とした意向表明書の提出を要請したとのことです。

その後、対象者及び本特別委員会は、2025年6月10日、公開買付者から、対象者を完全子会社化することを前提とした本取引を行う旨及び対象者株式1株当たりの希望取得価格等が記載された意向表明書を受領したとのことです。そして、対象者及び本特別委員会は、意向表明書における取引条件、本取引後の経営方針及び経営体制等を総合的に考慮した結果、企業価値及び株主共同の利益の確保及び向上の観点から十分かつ真摯に検討するため、公開買付者との協議を継続することとし、公開買付者に対し、対象者経営陣へのインタビューを含む詳細なデュー・ディリジェンスの機会を提供することを決定したとのことです。その後、対象者は事業計画を本特別委員会の承認を受けて公開買付者に提出したとのことです。

 

その後、2025年8月5日に、対象者及び本特別委員会は、公開買付者より、公開買付者による対象者への詳細なデュー・ディリジェンスを踏まえた検討の結果、対象者の完全子会社であるバンカブルが営むFinancial Services事業と公開買付者グループとのシナジーが限定的であることから、対象者の連結財務諸表の対象からバンカブルを除外する又は除外するための施策を決定することを本取引実施の前提条件とする想定であるとの連絡を受けたとのことです。これを受け、2025年8月7日の本特別委員会においてバンカブルの株式の譲渡等様々な方策について、その実現可能性や所要期間等の観点から慎重に議論を行い、本公開買付けの公表日にバンカブルの解散及び清算を実施する方針に関する決議を行うことで上記の本取引実施の前提条件を満たすのであれば、当該決議を行うことにより本取引を実現することが、対象者の企業価値ひいては一般株主の共同利益に資するとの判断から、本公開買付けの公表日において本公開買付けの成立を条件としてバンカブルの解散及び清算を実施する方針に関する決議を行うことが望ましい旨を、全会一致で決定したとのことです。かかる本特別委員会での議論を踏まえ、同日、対象者及び本特別委員会は、公開買付者に対し、本公開買付けの公表日においてバンカブルの解散及び清算を実施する方針に関する決議を行う方針であることを伝えたところ、公開買付者として、本取引の検討を継続する意向の連絡を受けたとのことです。それを受けて、対象者は、バンカブルが営むFinancial Services事業を清算し事業継続をしない前提の事業計画を、本特別委員会の承認を受けて公開買付者に再提出したとのことです。その後、対象者及び本特別委員会は、2025年8月12日に、公開買付者より本公開買付価格を対象者株式1株当たり1,943円、第9回新株予約権買付価格を76,400円、第10回新株予約権買付価格を92,700円とすること、また、本公開買付けの公表日において、バンカブルの解散及び清算に関する決議を対象者の取締役会において実施するものと理解していること等が記載された2025年8月12日付の意向表明書を受領したとのことです。これに対して、対象者及び本特別委員会は、2025年8月14日に、対象者の一般株主の利益に配慮する観点から、本公開買付価格の見直しを検討するように要請する回答書を公開買付者に対して送付したとのことです。対象者及び本特別委員会は、かかる要請を受けた公開買付者から、2025年8月19日付で、本公開買付価格を対象者株式1株当たり1,943円とする第2回提案を書面で受領したとのことです。これに対して、対象者及び本特別委員会は、2025年8月21日に、再度対象者の一般株主の利益に配慮する観点から、本公開買付価格の見直しを検討するように要請する回答書を公開買付者に対して送付したとのことです。その後、対象者及び本特別委員会は、2025年8月26日に、公開買付者より本公開買付価格を対象者株式1株当たり1,943円とする第3回提案を書面で受領したとのことです。これに対して、対象者及び本特別委員会は、2025年9月2日に、再度対象者の一般株主の利益に配慮する観点から、本公開買付価格の見直しを検討するように要請する回答書を公開買付者に対して送付したとのことです。その後、対象者及び本特別委員会は、2025年9月8日に、公開買付者より本公開買付価格を対象者株式1株当たり1,970円とする第4回提案を書面で受領したとのことです。これに対して、対象者及び本特別委員会は、2025年9月9日に、本取引により対象者グループの中長期的な企業価値の向上が見込まれるという意味において本公開買付けに賛同の意見を表明する一方で、応募に関しては中立の立場を取り、また、本公開買付けの成否は対象者の少数株主の判断に委ねたいとのことから、いわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ」(Majority of Minority)を満たす一般株主からの応募を本公開買付けの成立の条件とすることを要請する回答書を公開買付者に対して送付したとのことです。

 

以上のとおり、対象者及び本特別委員会としては、長島・大野・常松法律事務所からの助言やみずほ証券による対象者株式の株式価値の試算結果も踏まえつつ、意思決定の公正性及び透明性を担保した上で、公開買付者に対して、本公開買付価格の見直しを複数回に亘って要請し、対象者の少数株主の利益のために継続的に交渉を行うとともに、株式価値評価額、本取引に必要となる資金確保の確実性、本取引実施後の経営方針及びシナジー効果等の観点から、公開買付者からの上記の最終提案を慎重に検討したとのことです。その結果、2025年9月11日、下記「(ⅲ)判断内容」に記載のとおり、本取引により対象者グループの中長期的な企業価値の向上が見込まれるという意味において本公開買付けに賛同の意見を表明する一方で、本公開買付価格を対象者株式1株当たり1,970円、第9回新株予約権買付価格を79,100円、第10回新株予約権買付価格を95,400円とする公開買付者の最終提案は、みずほ証券による対象者の株式価値の試算結果、対象者株式の市場価格等を踏まえると十分とはいえないまでも一定のプレミアムが付されていると考えており、対象者の少数株主に対し投資回収機会を提供する観点では一定の合理性があり、公正性を欠くものとは認められないものの、近時の上場企業の非公開化を目的とした本取引に類似する事例におけるプレミアムの水準と比較し、十分なプレミアムが付されているとまでは認められないことから、対象者の少数株主の皆様に本公開買付けへの応募を積極的に推奨することができる水準には達しているとまでは認められないとの結論に達したため、本公開買付けに応募するか否かについては、対象者の株主及び本新株予約権者の皆様のご判断に委ねることにしたとのことです。

 

(ⅲ)判断内容

以上の経緯のもと、対象者は、みずほ証券より取得した2025年9月10日付株式価値算定書(以下「対象者株式価値算定書」といいます。)及び長島・大野・常松法律事務所から得た法的助言を踏まえつつ、本特別委員会における検討及び本特別委員会から提出を受けた2025年9月10日付答申書(以下「本答申書」といいます。)の内容を最大限尊重しながら、本取引に関する諸条件について企業価値向上の観点から慎重に検討を行ったとのことです。

その結果、対象者は、公開買付者とともに本取引を実施することにより、以下の観点から、本取引は企業価値向上に資すると判断したとのことです。

(ア)更なるLTVM戦略の加速

公開買付者グループは異なる専門性を持つ複数のグループ会社で構成されており、グループ各社が相互に連携することで、生活者起点でのフルファネル型のマーケティングソリューション提案に強みを有しているとのことです。一方、対象者グループは、デジタルマーケティングにおける直接的な成果につながる提案力及び運用力を強みとしているとのことです。対象者グループが、公開買付者グループに加わることで、新たなケイパビリティの獲得が可能となり、対象者グループのデジタルマーケティング領域での強みと公開買付者グループのマスメディア領域やリアル領域での強みを掛け合わせることで、顧客への提供価値の向上を通じてLTVM戦略をさらに強化できるものと考えているとのことです。

 

(イ)顧客基盤の拡大

対象者グループはデジタルマーケティング領域においてミドル層の顧客基盤に強みを持つ一方で、公開買付者グループはマスマーケティング領域における大企業層の顧客に強みを有しているとのことです。対象者グループが公開買付者グループに加わることで、これまでアクセスが難しかった顧客層へアプローチできることが期待されるとのことです。

 

(ウ)AI活用の高度化

公開買付者グループでは、AIの活用や独自ツールの開発など、クリエイティブ領域及びデータ活用の両面において先進的な取り組みを進めており、生活者データや業界データ、広告効果等の多岐にわたる膨大なデータを独自ツールによって効率的に活用できる体制を整えているとのことです。対象者グループが公開買付者グループに加わった際には、公開買付者グループが有するAI活用基盤へのアクセスが可能となり、対象者グループのサービス品質・効率性・競争力のさらなる向上が期待されるとのことです。

 

 

(エ)人材交流・経営資源の相互補完

対象者グループは、競争優位性を確保するにあたり、人材を重要な経営資源と位置づけており、優秀な人材の確保及び教育・育成を重要な経営課題と認識しているとのことです。公開買付者グループでは、企画・営業・技術・クリエイティブ等の多様な分野で、グループ各社を横断した人材交流や共同プロジェクトが活発に行われているとのことです。対象者グループが公開買付者グループに加わった際には、対象者グループの人材に、より広範なフィールドでの活躍機会を提供することが可能となり、自立した人材の育成と長期的に活躍できる仕組みを構築する上で、非常に魅力的であると考えているとのことです。こうした取り組みを通して、人的資本の強化を図ることにより、対象者グループの中長期的な競争力の向上を実現することが期待されるとのことです。

 

なお、対象者株式の非公開化により、対象者は、資本市場からエクイティ・ファイナンスによる資金調達を行うことができなくなり、また、上場会社であることに伴う社会的な信用の向上といったこれまで上場会社として享受してきたメリットを喪失することになるとのことです。もっとも、対象者は2024年12月期の自己資本比率は63.6%と十分な自己資本を有していることから、対象者のかかる現在の財務状態を踏まえると、当面の間エクイティ・ファイナンスの必要性は高くなく、また、東京証券取引所プライム市場に上場する公開買付者のグループ企業となることから、上場会社でなくなることによる取引先や従業員への影響は限定的であると考えられ、上場会社であることによるメリットは大きくないことから、今後も継続して対象者株式の上場を維持する必要性は限定的であると考えているとのことです。また、対象者と公開買付者の間では事業領域の重複があるものの、公開買付者との間で本取引を実施することによる対象者の取引関係等に対する影響は限定的であると考えているとのことです。

 

 

上記のとおり、対象者は、本公開買付けを含む本取引が、対象者グループの企業価値向上に資するものであると考えているとのことですが、他方、本公開買付価格を含む取引条件について、(a)下記「(3) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「② 対象者における独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」に記載されているみずほ証券による対象者株式価値算定書における対象者株式の株式価値の算定結果のうち、市場株価基準法による算定結果のレンジの中央値を上回るものであり、ディスカウンテッド・キャッシュ・フロー法(以下「DCF法」といいます。)による算定結果のレンジの範囲内であること、(b)(ⅰ)本公開買付けの公表日の前営業日である2025年9月10日の東京証券取引所プライム市場における対象者株式の終値2,163円に対して8.92%のディスカウントとなる金額であり、また、2025年8月12日から2025年9月10日まで直近1ヶ月の終値の単純平均値1,738円に対して13.35%、2025年6月11日から2025年9月10日まで直近3ヶ月の終値の単純平均値1,414円に対して39.32%、2025年3月11日から2025年9月10日まで直近6ヶ月の終値の単純平均値1,400円に対して40.71%のプレミアムを加えた価格であること、(ⅱ)対象者株式の市場株価は、2025年8月1日から前営業日まで基本的に上昇し続けており、同年8月21日には終値が1,586円と同年3月27日の年初来高値である1,572円をも上回り、その後も、同年8月21日から前営業日までの期間において1,586円から2,163円まで36.38%上昇するなど急激に高騰しているところ、前営業日前直近1ヶ月における対象者株式の市場株価の終値の最高値2,163円(2025年9月10日終値)は、前営業日前直近1ヶ月を除いた前営業日前直近3年間における対象者株式の市場株価の終値の最高値1,572円(2025年3月27日終値)を大きく上回る水準であることに加えて、対象者が2025年8月7日に公表した2025年12月期第2四半期(中間期)決算短信〔日本基準〕(連結)の内容を踏まえて対象者株式の市場株価が一定程度上昇した可能性があることは否定できないものの、過去の対象者株式の市場株価の推移に照らしてみても、合理的な説明を行うことが困難な金額の変動が認められ、原因は明確ではないものの、上場解消への期待を含んだ思惑買いがなされている可能性も否定できないことを踏まえると、対象者株式の市場株価が、公表日前約1ヶ月前後、合理的な説明が困難な株式市場の影響を受けて一時的に形成されたものである可能性が否定できず、本公開買付価格について、前営業日の対象者株式の終値及び前営業日前直近1ヶ月の対象者株式の平均終値との比較を過度に重視すべきではないと考えられること、(ⅲ)上記のとおり、本公開買付価格が、前営業日前直近3ヶ月の終値単純平均株価及び前営業日前直近6ヶ月の終値単純平均株価に対してそれぞれ約40%のプレミアムが付されているところ、同種案件(経済産業省が「公正なM&Aの在り方に関する指針」を公表した2019年6月28日以降2025年8月31日までに公開買付けが成立した事例のうち、上場企業の非公開化を目的とした本取引に類似する事例61件)におけるプレミアム水準(公表前営業日の終値に対するプレミアムの中央値(41.29%)、公表前営業日までの過去1ヶ月間の終値の単純平均値に対するプレミアムの中央値(42.50%)、公表前営業日までの過去3ヶ月間の終値の単純平均値に対するプレミアムの中央値(45.30%)、公表前営業日までの過去6ヶ月間の終値の単純平均値に対するプレミアムの中央値(49.82%))をいずれも下回っているものの、公表前営業日までの過去3ヶ月間の終値の単純平均値に対するプレミアム及び公表前営業日までの過去6ヶ月間の終値の単純平均値に対するプレミアムにおける比較においては、上記の事例の水準に比して遜色のないプレミアムが付されているといえ、本公開買付価格には対象者の少数株主に対し投資回収機会を提供する観点では一定の合理性があると考えられること、(c)本公開買付価格は、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載の本公開買付けの公正性を担保するための措置が十分に採られた上で、本特別委員会が公開買付者との間で主体的に協議・交渉を重ねて形成されたものであり、公開買付者の回答内容を踏まえるとこれ以上の価格の引上げを求めるのが困難であると合理的に考えられること等を踏まえ、本公開買付価格を含む本取引の条件は公正性を欠くものとは認められないと判断いたしました。他方で、本公開買付価格は、前営業日の東京証券取引所プライム市場における対象者株式の終値2,163円に対して8.92%のディスカウントとなる金額であることに加えて、上記の同種案件におけるプレミアム水準と比べて十分なプレミアムが付されているとまでは認められないことから、対象者の少数株主の皆様に本公開買付けへの応募を積極的に推奨することができる水準には達しているとまでは認められないとの結論に達したとのことです。

 

また、本新株予約権買付価格についても、本公開買付価格から本新株予約権の対象者株式1株当たりの行使価額(第9回新株予約権:1,179円、第10回新株予約権:1,016円)を控除した価格に本新株予約権1個の目的となる対象者株式数(100株)を乗じた金額を基に算定されているものであるため、本新株予約権買付価格は、対象者株式と同等の経済的利益をもたらす価格であり、本公開買付価格と同様、本新株予約権者に本新株予約権の売却の機会を提供するという観点では一定の合理性があり、公正性を欠くものとは認められないものの、本新株予約権者の皆様に本公開買付けへの応募を積極的に推奨することができる水準には達しているとまでは認められないとの結論に達したとのことです。

これらを踏まえ、対象者は、2025年9月11日開催の対象者取締役会において、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、本公開買付けに応募するか否かについては、対象者の株主及び本新株予約権者の皆様のご判断に委ねることを決議したとのことです。

 

③ 本公開買付け後の経営方針

公開買付者グループは、グループ経営方針において、多様な個性とチーム力が価値創造の源泉であると位置付け、自立と連携の精神で新しい挑戦を続けることを尊重しており、公開買付者グループの全体戦略と、対象者の成長戦略とを自立と連携の視点で掛け合わせ、お互いの成長戦略を強化し合うことを予定しております。本公開買付け後の対象者の経営体制・取締役会の構成については、役員派遣の有無その他人事に関する事項を含め、本書提出日現在、対象者と合意している事項はありませんが、本取引後も基本的に対象者の経営体制を維持・尊重する予定です。対象者とのシナジー効果を最大限実現できる体制作りを目指し、公開買付者としては、公開買付者グループから対象者グループに対して役員を派遣することは想定しておりますが、現段階では公開買付者として具体的な人数規模について検討しておらず、対象者と協議、合意した事実もございません。詳細については本取引後に公開買付者及び対象者との間で協議して決定する予定です。また、本書提出日現在、対象者と他の公開買付者グループ会社との再編・統合は予定していないとともに、原則として、対象者の従業員の地位及び雇用条件を一定期間維持し、対象者の役職員には引き続き事業の発展に尽力していただきたいと考えております。

 

(3) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置

本書提出日現在、対象者は公開買付者の子会社ではなく、本公開買付けは、支配株主による公開買付けには該当いたしません。また、公開買付者としては、本応募合意株主には本取引が完了した後も一定期間引き続き継続して対象者の経営に関与いただく想定ではありますが、本応募合意株主を含めた対象者経営陣の全部又は一部が公開買付者に直接又は間接に出資することも予定されていないため、本公開買付けを含む本取引は、いわゆるマネジメント・バイアウト(MBO)取引にも該当いたしませんが、鉢嶺登氏との間で、鉢嶺氏応募契約及び鉢嶺氏株式譲渡契約を、野内敦氏との間で、野内氏応募契約及び野内氏株式譲渡契約をそれぞれ締結しており、本応募合意株主及び本不応募合意株主以外の対象者の株主の皆様との利益が一致しない可能性があるほか、本公開買付けは対象者を公開買付者の完全子会社とすることを目的として行われる本取引の一環として実施されること等を考慮し、公開買付者及び対象者は、本公開買付価格及び本新株予約権買付価格の公正性を担保しつつ、本公開買付けの実施を決定するに至る意思決定の過程における恣意性及び利益相反のおそれを排除し、本取引の公正性及び透明性を担保するため、以下の措置を講じております。

なお以下の記載のうち、対象者において実施した措置に関する記載については、対象者プレスリリース及び対象者から受けた説明に基づいております。

 

 

① 公開買付者における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得

公開買付者は、本公開買付価格の公正性を担保するため、本公開買付価格を決定するにあたり、公開買付者、対象者、本応募合意株主及び本不応募合意株主から独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関であるSMBC日興証券に対して、対象者株式の株式価値の算定を依頼し、2025年9月10日付で株式価値算定書(以下「本株式価値算定書」といいます。)を取得いたしました。なお、SMBC日興証券は、公開買付者、対象者、本応募合意株主及び本不応募合意株主の関連当事者には該当せず、本公開買付けに関して重要な利害関係を有しておりません。また、本取引に係るSMBC日興証券に対する報酬には、本取引の成立等を条件とする成功報酬が含まれております。公開買付者は、本取引に際して実施されている他の本公開買付価格の公正性を担保するための措置並びに利益相反を回避するための措置を踏まえて、対象者の少数株主の利益に十分な配慮がなされていると考えていることから、SMBC日興証券から本公開買付価格の公正性に関する意見書(フェアネス・オピニオン)を取得しておりません。

なお、公開買付者がSMBC日興証券から取得した本株式価値算定書の概要については、下記「4 買付け等の期間、買付け等の価格及び買付予定の株券等の数」の「(2) 買付け等の価格」の「算定の基礎」及び「算定の経緯」をご参照ください。

 

② 対象者における独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関からの株式価値算定書の取得

(ⅰ)算定機関の名称並びに対象者及び公開買付者との関係

対象者は、本公開買付けに関する意見表明を行うにあたり、公開買付者から提示された本公開買付価格に対する意思決定の公正性を担保するために、対象者、本応募合意株主、本不応募合意株主及び公開買付者から独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関であるみずほ証券に対し、対象者株式価値の算定を依頼し、同社から2025年9月10日付で、対象者株式価値算定書を取得しているとのことです。

みずほ証券は、対象者、本応募合意株主、本不応募合意株主及び公開買付者の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有していないとのことです。また、みずほ証券のグループ企業である株式会社みずほ銀行(以下「みずほ銀行」といいます。)は、対象者及び公開買付者に対して通常の銀行取引の一環として融資取引等を実施しているとのことですが、みずほ証券は法第36条及び金融商品取引業等に関する内閣府令(平成19年内閣府令第52号。その後の改正を含みます。以下同じです。)第70条の4に従い、みずほ証券及びみずほ銀行の間に情報隔壁措置等の適切な利益相反管理体制を構築し、かつ実施しており、みずほ銀行の貸付人の地位とは独立した立場で対象者の株式価値算定を行っているとのことです。本特別委員会は、みずほ証券の算定機関としての実績に加え、みずほ証券とみずほ銀行との間において適切な弊害防止措置が講じられていること等に鑑み、本取引におけるファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として職務を行うにあたり十分な独立性が確保されており、対象者がみずほ証券に対して対象者株式の株式価値算定を依頼することに関し、特段の問題はないと判断しているとのことです。また、本取引に係るみずほ証券に報酬及び対象者の過去の同種事案に対する報酬には、本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬が含まれているとのことですが、対象者は、同種の取引における一般的な実務慣行も勘案すれば、本公開買付けの完了を条件に支払われる成功報酬が含まれることをもって独立性が否定されるわけではないとの判断の上、上記の報酬体系で、みずほ証券を対象者の独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として選任しているとのことです。

なお、対象者は、対象者及び公開買付者において、本公開買付価格及び本新株予約権買付価格の公正性を担保するための措置並びに利益相反を回避するための措置(具体的には下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「① 公開買付者における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」乃至「⑦ マジョリティ・オブ・マイノリティ(Majority of Minority)に相当する数を上回る買付予定数の下限の設定」に記載の措置)を実施し、対象者の少数株主の利益には十分な配慮がなされていると考えていることから、みずほ証券から本公開買付けの価格の公正性に関する意見書(フェアネス・オピニオン)は取得していないとのことです。

 

 

(ⅱ)対象者株式に係る算定の概要

みずほ証券は、複数の算定手法の中から対象者の株式価値算定にあたり採用すべき算定手法を検討の上、対象者株式の株式価値について多面的に評価することが適切であるとの考えに基づき、対象者株式が東京証券取引所プライム市場に上場しており、市場株価が存在することから市場株価基準法を、将来の事業活動の状況を算定に反映させるためにDCF法を採用して対象者株式価値算定を行ったとのことです。上記各手法において算定された対象者株式1株当たりの株式価値の範囲はそれぞれ以下のとおりとのことです。

 

市場株価基準法:1,400円から2,163円

DCF法   :1,909円から2,116円

 

市場株価基準法においては、本公開買付けの公表日の前営業日である2025年9月10日を算定基準日として、対象者株式の東京証券取引所プライム市場における算定基準日の終値2,163円、同日までの過去1ヶ月間(2025年8月12日から2025年9月10日)の終値の単純平均値1,738円、同日までの過去3ヶ月間(2025年6月11日から2025年9月10日)の終値の単純平均値1,414円及び同日までの過去6ヶ月間(2025年3月11日から2025年9月10日)の終値の単純平均値1,400円を基に、対象者株式の1株当たりの価値の範囲を1,400円から2,163円までと算定しているとのことです。

DCF法では、対象者が直近の事業環境や対象者中期経営計画の進捗状況に基づき本取引に際して作成した2025年12月期から2029年12月期までの5期分の連結ベースの事業計画(以下「本事業計画」といいます。)、一般に公開された情報等の諸要素を前提として、対象者が2025年12月期以降において創出すると見込まれるフリー・キャッシュ・フローを、一定の割引率で現在価値に割り引いて対象者の企業価値や株式価値を算定し、対象者株式1株当たりの株式価値の範囲を1,909円から2,116円と算定しているとのことです。なお、本事業計画は、バンカブルが営むFinancial Services事業を清算し事業継続をしない前提の事業計画とのことです。また、本事業計画は、本取引の実行を前提としたものではなく、本取引実行により実現することが期待されるシナジー効果については、現時点において具体的に見積もることが困難であるため、本事業計画には加味していないとのことです。また、本事業計画においては、前年度比で大幅な増益及び大幅なフリー・キャッシュ・フローの増減を見込んでいる事業年度が含まれているとのことです。具体的には、2026年12月期において、LTVM戦略が順調に進捗することの影響から、営業利益で対前年度比54.7%(小数点以下第二位を四捨五入。)増を見込んでいるとのことです。また、2027年12月期においても、引き続きLTVM戦略の順調な進捗を勘案した結果、フリー・キャッシュ・フローで対前年度比101.5%増を見込んでいるとのことです。なお、本事業計画における2025年12期の業績予想値は、対象者が直近に公表した2025年12期における財務予測を上回っているものの、当該修正は本特別委員会が承認した時点で可能な最善の予測と判断に基づき作成されているとのことです。

みずほ証券は、対象者株式の株式価値の算定に際し、対象者から提供を受けた情報及び一般に公開された情報等を原則としてそのまま採用し、それらの情報等が全て正確かつ完全であることを前提としており、独自にそれらの正確性及び完全性の検証を行っていないとのことです。また、対象者及びその子会社・関連会社の資産及び負債(デリバティブ取引、簿外資産・負債、その他偶発債務を含みます。)について、独自の評価又は鑑定を行っていないことを前提としているとのことです。また、かかる算定において参照した対象者の財務見通しについては、対象者により現時点で得られる最善の予測及び判断に基づき合理的に準備・作成されたことを前提としていること、並びにかかる算定は2025年9月10日現在の情報と経済情勢を反映したものであることを前提としているとのことです。

また、対象者は、本新株予約権は、本新株予約権買付価格が、本公開買付価格と本新株予約権の行使価額との差額に本新株予約権1個当たりの目的となる対象者株式の数を乗じた金額とされ、本公開買付価格をもとに決定されていることから、対象者は、本新株予約権の買付価格について第三者算定機関から算定書及び意見書(フェアネス・オピニオン)を取得していないとのことです。

 

なお、本新株予約権はいずれも新株予約権発行要項において譲渡による本新株予約権の取得については対象者取締役会の承認を要するものとされているとのことです。対象者は、本新株予約権の譲渡が可能になるよう、2025年9月11日開催の対象者取締役会において、本公開買付けの成立を条件として、本新株予約権者の皆様が、その所有する本新株予約権を本公開買付けに応募することにより公開買付者に対して譲渡することについて包括的に承認する旨の決議をしているとのことです。

 

③ 対象者における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得

(ⅰ)設置等の経緯

上記「(2) 本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程並びに本公開買付け後の経営方針」の「② 対象者が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」の「(ⅰ)検討体制の構築の経緯」に記載のとおり、対象者は、2025年3月28日に開催された対象者取締役会における決議により、対象者、本応募合意株主、本不応募合意株主及び公開買付者から独立した荻野泰弘氏(対象者独立社外取締役)、水谷智之氏(対象者独立社外取締役)、栁澤孝旨氏(対象者独立社外取締役)及び鍵﨑亮一氏(対象者独立社外取締役、監査等委員)の4氏から構成される本特別委員会を設置したとのことです。なお、同日時点で、対象者には合計7名の社外取締役がおりましたが、本特別委員会全体としての知識・経験・能力のバランスを確保しつつ適正な規模をもって本特別委員会を構成するべく、上記4氏を本特別委員会の委員の候補として選定しているとのことです。また、本特別委員会の委員の互選により、本特別委員会の委員長として荻野泰弘氏が選定されているとのことです。なお、本特別委員会の委員は設置当初から変更されていないとのことです。また、本特別委員会の委員の報酬は、その職務の対価として、答申内容にかかわらず固定額の報酬を支払うものとされており、当該報酬には、本取引の成立を条件とする成功報酬は含まれていないとのことです。

その上で、対象者は、上記「(2) 本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程並びに本公開買付け後の経営方針」の「② 対象者が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」の「(ⅰ)検討体制の構築の経緯」に記載のとおり、取締役会における決議により、本特別委員会に対し、(ⅰ)本取引の是非(本取引が対象者の企業価値向上に資するかを含みます。)、(ⅱ)本取引の条件(本取引の買収対価の水準、買収の方法及び買収対価の種類等を含みます。)の公正性、(ⅲ)本取引の手続(取引条件の公正さを担保するための手続が十分に講じられているかどうかを含みます。)の公正性、(ⅳ)(ⅰ)~(ⅲ)を踏まえ、本取引が対象者の少数株主にとって不利益でないか否か、(ⅴ)対象者取締役会が、本公開買付けについて賛同意見を表明すること、並びに対象者の株主及び本新株予約権者に対して、本公開買付けに応募することを推奨することのそれぞれの是非について諮問したとのことです。

また、対象者取締役会は、本特別委員会への諮問にあたり、本取引に関する対象者取締役会の意思決定は、本特別委員会の答申を最大限尊重して行われるものとし、本特別委員会が本取引に関する取引条件を妥当でないと判断したときには、対象者取締役会は当該取引条件による本取引に賛同しないものとしているとのことです。同時に、(ⅰ)本諮問事項の検討に必要な情報収集を行う権限、(ⅱ)対象者の費用負担において特別委員会独自のファイナンシャル・アドバイザー及びリーガル・アドバイザーの選任を行う権限(対象者が選任するアドバイザーと同一のアドバイザーを選任することも可能)(ⅲ)公開買付者との交渉権限、及び(ⅳ)その他本諮問事項の検討に必要となる事項に関する権限を付与することを決議しているとのことです。

 

 

(ⅱ)検討の経緯

本特別委員会は、2025年3月28日より同年9月10日までの間に合計17回の日程で、各会日間においても頻繁に電子メールやWeb会議等を通じて報告・情報共有、審議及び意思決定等を行う等して、本諮問事項に係る職務を遂行したとのことです。具体的には、対象者において、2025年2月13日に、対象者のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関としてみずほ証券を選任していたところ、本特別委員会は、同年3月28日に、対象者独自のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関であるみずほ証券について、独立性に問題ないことを確認の上、必要に応じて専門的助言又は説明を求めることを確認し、長島・大野・常松法律事務所についても、独立性及び専門性に問題がないことを確認の上、本特別委員会独自のリーガル・アドバイザーとして承認し、必要に応じて、長島・大野・常松法律事務所から専門的助言を受けることを確認したとのことです。なお、長島・大野・常松法律事務所については同年6月20日に、本特別委員会の承認を得た上で、対象者のリーガル・アドバイザーとしても選任したとのことです。

その上で、本特別委員会は、みずほ証券から受けた財務的見地からの助言も踏まえつつ、本事業計画の内容、重要な前提条件及び作成経緯等(本応募合意株主、本不応募合意株主及び公開買付者が当該事業計画の作成に関与していないことを含みます。)について合理性を確認した上で、本事業計画を公開買付者に対して開示することを承認したとのことです。その後、本特別委員会は、2025年8月12日に、公開買付者より本公開買付けの公表日において、バンカブルの解散及び清算に関する決議を当社の取締役会において実施するものと理解していること等が記載された2025年8月12日付の意向表明書を受領したことを踏まえ、本公開買付けの公表日において本公開買付けの成立を条件としてバンカブルの解散及び清算を実施する方針に関する決議を行うことが望ましい旨を、全会一致で決定したことから、みずほ証券から受けた財務的見地からの助言も踏まえつつ、本事業計画の内容、重要な前提条件及び作成経緯等(本応募合意株主、本不応募合意株主及び公開買付者が当該事業計画の作成に関与していないことを含みます。)について合理性を確認した上で、バンカブルが営むFinancial Services事業を清算し事業継続をしない前提の本事業計画を公開買付者に対して開示することを承認したとのことです。

また、本特別委員会は、本諮問事項の検討にあたり、公開買付者に対し、質問事項を提示し、公開買付者から、本取引の目的、公開買付者グループ入り後の事業戦略、本取引のストラクチャー、並びに本取引後に予定している対象者の経営方針(本取引後に対象者代表取締役である金澤大輔氏に対して期待する役割を含みます。)等についてインタビュー形式及び書面により質疑応答を実施するとともに、対象者に対しても、対象者の事業環境、公開買付者グループ入り後の事業戦略や本取引の意義、対象者事業に対する影響等についてインタビュー形式により質疑応答を実施したとのことです。加えて、本応募合意株主に対しても、他の候補先の可能性、公開買付者グループ入り後の事業戦略や本取引の意義、対象者事業に対する影響等についてインタビュー形式により質疑応答を実施したとのことです。

さらに、上記「(3) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「② 対象者における独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」に記載のとおり、みずほ証券は、本事業計画を前提として対象者株式の株式価値の算定を実施しているとのことですが、本特別委員会は、みずほ証券から、株式価値の算定結果とともに、対象者の株式価値の算定方法、当該算定方法を選定した理由、各算定方法による算定の内容及び重要な前提条件について説明を受け、質疑応答及び審議・検討を行った上で、これらの事項について合理性を確認したとのことです。

また、本特別委員会は、対象者と公開買付者との交渉方針について、みずほ証券から意見を聴取した上で、みずほ証券から受けた財務的見地からの助言も踏まえて審議・検討を行い、対象者の交渉方針を確認したとのことです。

 

 

(ⅲ)判断内容

本特別委員会は、以上の経緯の下で、長島・大野・常松法律事務所から受けた法的助言、並びにみずほ証券から受けた財務的見地からの助言及び2025年9月10日付で提出を受けた対象者株式価値算定書の内容を踏まえつつ、本諮問事項について慎重に協議及び検討を重ねた結果、同日付で、対象者取締役会に対し、委員全員の一致で、大要以下の内容の本答申書を提出しているとのことです。

 

(a)答申内容

ⅰ.本取引の目的は相当であり、本取引は対象者の企業価値向上に資すると認められる。

ⅱ.本取引の条件(本取引の買収対価の水準、買収の方法及び買収対価の種類等を含みます。)については、公正性を欠くものではないが、本公開買付価格及び本新株予約権買付価格が本公開買付けへの応募を積極的に推奨できる水準の価格に達しているとまでは認められないことから、対象者株主及び本新株予約権者に対して本公開買付けへの応募を推奨すべきとまではいえない。

ⅲ.本取引の手続(取引条件の公正さを担保するための手続が十分に講じられているかどうかを含みます。)には公正性が認められる。

ⅳ.ⅰ~ⅲを踏まえ、本取引が対象者の少数株主にとって不利益でないと認められる。

ⅴ.対象者取締役会が、本公開買付けに賛同の意見を表明することは相当と認められる。しかし、本公開買付けに応募するか否かは対象者の株主及び本新株予約権者の判断に委ねる旨の意見を表明することが相当である。

 

(b)答申理由

ⅰ.本取引の是非(本取引が対象者の企業価値向上に資するかを含みます。)について

本取引の意義、目的及び本取引により向上することが見込まれる対象者の企業価値の具体的内容(本取引のメリット及びデメリット)等について、以下の点を検討の上、本取引の目的には正当性及び合理性があると認められ、本取引は対象者の企業価値向上に資するものであると認められる。

 

(ア)本取引の意義・目的

公開買付者及び対象者(金澤大輔氏)の考える本取引の意義・目的について、公開買付者及び対象者(金澤大輔氏)から以下のとおり説明され、その説明内容について、対象者及び公開買付者に対するインタビューを踏まえて検討した結果、その説明内容に特段不合理な点は認められないと考えられる。

・ 公開買付者によれば、公開買付者は、新中期経営計画(2025年3月期~2027年3月期)において、当該中期経営計画の3年間に「マーケティングビジネスの構造改革」「新たな成長オプションの創造」及び「グローバルビジネスのリモデル」の3つの観点で事業構造変革を進めている。特に「マーケティングビジネスの構造改革」においては、デジタルマーケティング領域を成長領域と捉えており、競争力の強化、生産性の向上、及び収益力の強化を図ることで業界No.1のポジションを目指している。

・ 公開買付者によれば、デジタル広告業界は、公開買付者グループ、電通グループ、及びサイバーエージェントグループの大手3社の競争が激化している状況にあり、AIなどのテクノロジーを駆使した効率化・高度化の競争も加速していることから、今後はかかる効率化・高度化への投資も拡大していくものと考えられる。また、広告主はより費用対効果の高い統合的なマーケティングソリューションを求める傾向が強まっていくこと、各プラットフォーマーは、自社のエコシステム内での広告主獲得競争が激化しており、より高度なデータ活用やAI技術による広告運用の最適化を提供しており、今後、競争環境はさらに激化していくものと想定される。

・ 公開買付者によれば、デジタル広告領域における事業は成長市場である一方で、リソースの制約から、獲得しきれていないビジネス機会や顧客ニーズが存在する。本取引を通じて、公開買付者グループ全体として市場平均を上回る成長と、持続的な利益成長を実現する。対象者には、公開買付者グループ全体の市場におけるプレゼンスを飛躍的に高める重要な役割を担うことを期待している。

 

・ 公開買付者によれば、公開買付者グループには、株式会社Hakuhodo DY ONEグループやソウルドアウト株式会社グループなどのデジタル領域の広告会社は既に存在しているが、本取引後においては、対象者グループを含めた公開買付者グループ各社の得意領域や顧客ターゲットに応じた新たな役割分担を再編成し、より競争力のあるフォーメーションを確立することで、グループとしてマーケットへの対応力と提供価値を一段と高めることができ、また、そのことが成熟市場となりつつあるデジタルマーケティング領域において、競合他社を凌駕する利益ある成長を生み出していくことに繋がり、公開買付者グループ及び対象者グループが力強く成長していくことができると考えられる。

・ 対象者によれば、近年、対象者グループが主戦場とするインターネット広告業界では、大手広告代理店、コンサルティング企業又はIT企業によるМ&Aが活発化し、業界再編が進んでおり、対象者グループにおいては、デジタルマーケティングを中心に据えた戦略に回帰する中で、これまで対象者グループを牽引してきた創業者である鉢嶺登氏及び野内敦氏を中心とする経営体制から新たな経営体制に移行して「事業の成長」に向き合っているところ、対象者グループの足元の業績は、LTVM戦略を掲げた主力のデジタルマーケティング事業において再成長する兆しが明確に見えてきたことから、対象者グループは、事業の加速度的な成長を実現するための次なる手段を模索していた。

・ 対象者によれば、そのような中、対象者は、公開買付者グループと間で、協業に向けて様々なオプションを検討しながらコミュニケーションを重ねる中で、公開買付者グループから、対象者グループのカルチャー、人材、目指す事業像に対する強い共感と尊重を得るに至り、対象者グループとしても、公開買付者グループは、対象者の事業に加速度的な成長をもたらす最良のパートナーであるとの判断に至った。具体的には、公開買付者が「生活者発想」、「クリエイティビティ」に独自性と強みを持つため、本取引の実行によって、「マス、リアル領域への展開」、「豊富な生活者データへのアクセス」及び「最先端のAI技術、サイエンティストとの連携」が可能となることにより、対象者グループのLTVM戦略が一段と加速すると同時に、戦略の幅の広がりが対象者グループ従業員のキャリアの拡張にも寄与すると考えられる。

・ 対象者によれば、対象者グループが今後も成長し、中長期的に企業価値を高めていくためには、公開買付者グループのような対象者の企業価値向上のための取り組みに対して付加価値を提供し、対象者の中長期的な成長を促進してくれることが期待できる戦略的パートナーの下、対象者株式を非公開化することも経営上の合理的な選択肢の一つであると考えられる。

 

(イ)本取引のメリット及びデメリット

公開買付者及び対象者(金澤大輔氏)の考える本取引のメリット及びデメリットに関する以下の説明内容について、対象者及び公開買付者に対するインタビューを踏まえて検討した結果、その説明内容に特段不合理な点は認められず、いずれのデメリットに関しても、対象者グループに与える影響は限定的と考えられ、また、上記のデメリットのほかに、本取引の実施により想定され得るデメリットは見当たらないと考えられる。よって、本取引によって期待されるメリットを明らかに上回るデメリットが生じる具体的な可能性は特段認められないと思料する。

 

 

・ 公開買付者によれば、公開買付者が想定する本取引のメリットとして、(a)相互のケイパビリティを活かす協業体制を構築できるなど、対象者グループを含む公開買付者グループ内の各社が持つ得意領域、顧客層や機能を再定義し、役割を最適化することにより、顧客に対してより強固なデジタルマーケティング体制を構築することが可能になること、(b)公開買付者グループのストラテジックプラニング及びクリエイティブリソースを対象者グループに共有し、提案力を高める支援を行うことにより、新規アカウント開拓力の一層の強化されること、(c)「テレビ×デジタル」の統合提案等、対象者グループの顧客群に対し公開買付者グループが有するデジタルマーケティング以外の機能を融合し提供することによって、顧客への提供価値の拡張が可能になること、(d)対象者グループが強みを持つミドル層の顧客企業は、公開買付者グループがこれまで十分に対応しきれていなかった領域であり、顧客基盤の拡張が見込まれること、(e)広告運用におけるナレッジやノウハウの共有による生産性の向上、コーポレート機能の連携や人材採用・従業員への教育における業務の効率化、さらには、これまで対象者グループと公開買付者グループが個別に行っていた重複投資の回避やノウハウの集約を通じた持続的なコスト最適化が実現できることが挙げられるとのことである。また、対象者によれば、対象者が想定する本取引のメリットとして、(a)対象者グループと公開買付者グループ会社とでのケイパビリティの重複が限定的であることから、対象者グループが得意とするミドルティア領域の顧客層に対し、両社グループによる共同提案等が可能となり、顧客提案機会の拡充が期待できること、(b)従来デジタルマーケティング領域に特化していた対象者グループの提案に、「生活者発想」と「クリエイティビティ」に強い公開買付者グループのケイパビリティを掛け合わせることで、マス、リアル領域への展開及びこれに付随するソリューションを通じたフルファネル型の提案が可能となり、顧客への提供価値の拡充につながること、(c)公開買付者グループが保有する「生活者データ」、「AI技術」をはじめとするアセットの活用により顧客への提供価値が向上し、対象者グループのLTVM戦略を一段と加速することができること、(d)対象者グループの役員及び従業員にとって、今後は対象者グループだけでなく、公開買付者グループ全体が成長のフィールドとなることから、将来的なキャリア拡張やスキルアップの機会の増加が期待できる。合わせて、公開買付者グループの専門性の高い人材の対象者グループへの派遣を通じ、短期的な業績寄与に限らず、人材育成面での相乗効果を期待することができることが挙げられるとのことである。上記の想定される本取引のメリットに関する説明内容について、対象者及び公開買付者に対するインタビューを踏まえて検討した結果、その説明内容に特段不合理な点は認められず、合理的なものであると考えられる。

 

・ 公開買付者によれば、公開買付者が想定する本取引のデメリットとして、(a)対象者グループが公開買付者グループの競合会社との間で取引をしている場合には、当該取引が継続できなくなる可能性が考えられることが挙げられる。また、対象者によれば、対象者が想定する本取引のデメリットとして、(b)非上場化により資本市場からエクイティ・ファイナンスによる資金調達を行うことができなくなること、(c)対象者グループの人材はDX分野やAI関連事業への関心がある人材が多いことから、仮にDX分野やAI関連事業へ注力する公開買付者グループの経営方針が変更された場合、一定の規模の人材流出が発生すると考えられること、(d)上場会社であることに伴う社会的な信用を喪失するおそれがあること、(e)本取引後における公開買付者による対象者グループのガバナンス体制が、対象者グループの現状に沿ったものにはならず、対象者グループの経営体制に影響が生じる可能性もあること、(f)本取引後において、対象者グループと他の公開買付者グループ会社の再編・統合が行われる場合には、対象者グループ独自の文化が失われ、対象者グループの従業員が退職することも考えられること、(g)FS事業は対象者グループの企業価値向上のための重点施策のひとつとして位置づけて一定のコストを投下していたことから、バンカブルを解散及び清算する場合は同コストを回収することができなくなることが挙げられる。しかし、対象者によれば、上記(b)については、対象者の現在の財務状態を踏まえると、当面の間エクイティ・ファイナンスの必要性は高くないと考えられ、また、対象者自身が資本市場からのエクイティ・ファイナンスができなくなったとしても、買付者は上場会社であり、必要な場合には買付者を通じたファイナンスは可能と考えられ、上記(c)については、DX分野やAI関連事業へ注力する経営方針は、公開買付者グループの新中期経営計画にも掲げられている事項であり、本取引直後に同経営方針が突然変わるということはないと考えられ、上記(d)については、東京証券取引所プライム市場に上場する公開買付者のグループ企業となることにより、信用力向上につながり、上場会社でなくなることによる取引先や従業員への影響は限定的であると考えられ、上記(e)については、公開買付者によれば、本取引後も基本的に対象者グループの経営体制を維持・尊重する予定とのことであることからすれば、公開買付者の子会社になることにより、対象者グループの経営体制に対して直ちには悪影響は生じないと考えられ、上記(f)については、公開買付者は、そのような再編・統合は予定していないとのことであることからすれば、そのような人員流出の可能性は低いと考えられ、上記(g)については、FS事業に関しては当期においても営業損失を計上する見込みであり、来期以降も営業損失を計上しつづける可能性があるため、バンカブルの解散及び清算による悪影響は限定的であり、むしろ業績が振るわない状況下においてFS事業を継続するのではなく、解散及び清算を行うことは、FS事業を継続する場合に比べ対象者の企業価値を高める要因になりうることから合理性が認められるものと考えられるとのことである。上記の想定される本取引のデメリットに関する説明内容について、対象者及び公開買付者に対するインタビューを踏まえて検討した結果、その説明内容に特段不合理な点は認められず、いずれのデメリットに関しても、対象者グループに与える影響は限定的と考えられる。上記のデメリットのほかに、本取引の実施により想定され得るデメリットは見当たらず、本取引によって期待されるメリットを明らかに上回るデメリットが生じる具体的な可能性は特段認められないと考えられる。

 

ⅱ.本取引の条件(本取引の買収対価の水準、買収の方法及び買収対価の種類等を含みます。)の公正性について

本取引の条件(本取引の買収対価の水準、買収の方法及び買収対価の種類等を含みます。)の公正性について、以下の点等の様々な事情を総合的に考慮した結果、本取引の条件の公正性は確保されていると思料する。

 

 

(ア)公開買付者との取引条件に関する協議・交渉過程

公開買付者との取引条件に関する協議・交渉過程において、以下のとおり、企業価値を高めつつ少数株主にとってできる限り有利な取引条件でM&Aが行われることを目指して合理的な努力が行われる状況が確保され、合理的な努力が行われたと思料する。

・ 本取引は、「公正なM&Aの在り方に関する指針」(以下「公正M&A指針」といいます。)が直接の適用対象とする類型の取引であるMBO取引等には該当しないものの、対象者は、本公開買付価格及び本新株予約権買付価格を含む取引条件の公正性の担保、本公開買付けの実施を決定するに至る意思決定の過程における恣意性の排除及び利益相反の回避の観点から、公開買付者から独立した立場で、本取引を検討及び交渉を行うための体制を対象者の社内に構築した(本特別委員会の設置を含む。)。

・ 上記体制の下、本特別委員会は、公開買付者との間で、本公開買付価格及び本新株予約権買付価格を含む本取引の条件等に関して交渉を行うともに、みずほ証券から対象者株式の価値算定結果に関する報告、公開買付者との交渉の方針に関する助言その他の財務的見地からの助言を、また、長島・大野・常松法律事務所から本取引における手続の公正性を確保するための対応についてのガイダンスその他の法的助言をそれぞれ受けながら、本特別委員会が主体となって交渉・協議を行った。

・ その結果、最終的に合意された本公開買付価格は、前営業日の対象者株式の終値である2,163円を下回るものの、公開買付者から当初提示された公開買付価格から27円上回っている。本特別委員会は、本公開買付け開始に係る公表日前約1ヶ月間において対象者株式の株価が上昇し続けていることや他事例と比較して確保すべき本公開買付価格のプレミアムの水準を踏まえた価格交渉を実施したものの、公開買付者から当初提示した公開買付価格から27円の引き上げが行われ、公開買付者からこれ以上の引上げについては応じられない旨明確に回答がなされたこと、対象者の大株主である鉢嶺登氏及び野内敦氏が本公開買付価格にて本公開買付けに応募の意向を示していること、本取引は対象者の企業価値向上に資するものと考えられるところ、情報漏洩のリスクによるステークホルダーとの関係性や株式市場への悪影響があることから、本取引の検討において双方において時間的制約がある中で更なる価格交渉を行うことは本取引の機会自体を失いかねないことに鑑みると、本特別委員会としては、本公開買付価格は、前営業日の対象者株式の終値を下回るとしても、少数株主にとってできる限り有利な取引条件で本取引が行われることを目指して合理的な努力が行われ、独立当事者として真摯な交渉が行われた結果合意されたものだと考える。そして、下記「(イ)株式価値算定の内容及びその前提とされた財務予測や前提条件等の合理性」に記載のとおり、本公開買付価格は、みずほ証券による株式価値算定結果のレンジの範囲に含まれており、対象者の本源的価値の観点からも合理的な水準にあると考えられ、本取引に関する交渉を早期に妥結し情報漏洩のリスクを回避し速やかに本取引を公表することが少数株主を含む対象者株主及び対象者の利益に適うと考える。

・ 本特別委員当委員会は、公開買付者から、対象者の連結財務諸表の対象からバンカブルを除外する又は除外するための施策を決定することを本取引実施の前提条件とする旨の連絡を受けたことを踏まえ、バンカブルの株式の譲渡等様々な方策について、その実現可能性や所要期間等の観点から慎重に議論を行い、本公開買付けの公表日にバンカブルの解散及び清算を実施する方針の決議を行うことで上記の本取引実施の前提条件を満たすのであれば、当該決議を行うことにより本取引を実現することが、対象者の企業価値ひいては一般株主の共同利益に資するとの判断から、当該決議を行うことが望ましいという決定を行った。上記の本取引実施の前提条件が満たされない場合には本取引の機会自体を失いかねないこと、上記の本取引実施の前提条件を満たす方法として、実現可能性や所要期間等を踏まえると、バンカブルの解散及び清算の実施が最も現実的であると考えられたことに鑑みると、当委員会としては、対象者が本公開買付けの公表日に本公開買付けの成立を条件としてバンカブルの解散及び清算を実施する方針の決議を行うという本取引の条件についても、少数株主にとってできる限り有利な取引条件で本取引が行われることを目指して合理的な努力が行われた結果合意されたものだと考える。

 

 

(イ)株式価値算定の内容及びその前提とされた財務予測や前提条件等の合理性

以下の点を踏まえ、本事業計画及び対象者株式価値算定書における対象者株式の価値算定の内容は現在の実務に照らして妥当なものであると思料する。

 

・ 対象者は、買付関連当事者及び対象者から独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関であるみずほ証券から対象者株式価値算定書を取得している。みずほ証券は、複数の算定手法の中から対象者株式の価値算定に当たり採用すべき算定手法を検討の上、対象者株式が東京証券取引所プライム市場に上場しており、市場株価が存在することから市場株価基準法を、対象者の将来の事業活動の状況を算定に反映させるためにDCF法を算定方法として用いて、対象者の1株当たりの株式価値の分析を行っているところ、本特別委員会は、みずほ証券から、株式価値の算定結果とともに、対象者の株式価値の算定方法、当該算定方法を選定した理由、各算定方法による算定の内容及び重要な前提条件について説明を受け、質疑応答及び審議・検討を行った上で、これらの事項について合理性を確認した。

・ 対象者株式価値算定書の基礎資料となる対象者作成のDCF法による算定に用いた本事業計画について、本特別委員会は、対象者作成に係る対象者の連結及びMarketing事業の事業計画について、その内容、重要な前提条件(以下に記載する。)及び作成経緯等についての対象者からの説明及び対象者との質疑応答に基づき、これらの事項についても、恣意的に計画を押し下げたり、過度に保守的な前提を措いたりするものではなく、合理性が認められることを確認した。

・ 公開買付者並びに鉢嶺登氏及び野内敦氏が本事業計画の作成に関与していないこと

・ バンカブルの解散及び清算による影響も含め、本事業計画が過度に保守的な見積もりに基づくものとなっていないこと

・ 公開買付者の要請に従って、バンカブルの解散及び清算を実施し、事業を継続しないこと

・ 従前の財務予測と大きく異なる財務予測を行っていないこと/過度に保守的な見積りになっていないこと

・ 対象者株式価値算定書によれば、市場株価基準法に基づく対象者株式の1株当たり株式価値の算定結果は、1,400円から2,163円、DCF法に基づく対象者株式の1株当たり株式価値の算定結果は、1,909円から2,116円である。本公開買付価格(1株当たり1,970円)は、(ⅰ)市場株価基準法に基づく算定結果のレンジの中央値を上回る価格であり、(ⅱ)本事業計画に基づくDCF法に基づく算定結果のレンジの範囲に含まれる価格である。

・ 本公開買付価格は、前営業日の東京証券取引所プライム市場における対象者株式の基準日終値(2,163円)に対して8.92%のディスカウント(小数点以下第三位を四捨五入)となる金額であり、また、同日までの直近1ヶ月間の終値単純平均値(1,738円)に対して13.35%、直近3ヶ月間の終値単純平均値(1,414円)に対して39.32%、直近6ヶ月間の終値単純平均値(1,400円)に対して40.71%のプレミアム(小数点以下第三位を四捨五入)を加えた金額となっている。

 

・ 経済産業省が公正M&A指針を公表した2019年6月28日以降に公表された株式の非公開化を目的とした公開買付けかつ対象会社が賛同・応募推奨を表明した事例のうち、2025年8月31日までに成立した事例61件におけるプレミアム水準(公表前営業日の終値に対するプレミアムの中央値(41.29%)、公表前営業日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値に対するプレミアムの中央値(42.50%)、公表前営業日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値に対するプレミアムの中央値(45.03%)、公表前営業日までの過去6ヶ月間の終値単純平均値に対するプレミアムの中央値(49.82%))と比較して、本公開買付価格は、それらの中央値をいずれも下回っている。もっとも、対象者株式の市場株価は、2025年8月1日から前営業日まで基本的に上昇し続けており、同年8月21日には終値が1,586円と同年3月27日の年初来高値である1,572円をも上回り、その後も、同年8月21日から前営業日までの期間において1,586円から2,163円まで36.38%上昇するなど急激に高騰しているところ、前営業日前過去1ヶ月における対象者株式の市場株価の終値の最高値2,163円(2025年9月10日終値)は、前営業日前直近1ヶ月を除いた前営業日前直近3年間における対象者株式の市場株価の終値の最高値1,572円(2025年3月27日終値)を大きく上回る水準である。また、対象者が2025年8月7日に公表した2025年12月期第2四半期(中間期)決算短信〔日本基準〕(連結)の内容を踏まえて対象者株式の市場株価が一定程度上昇した可能性があることは否定できないものの、過去の対象者株式の市場株価の推移に照らしてみても、合理的な説明を行うことが困難な金額の変動が認められ、原因は明確ではないものの、上場解消への期待を含んだ思惑買いがなされている可能性も否定できないことを考慮すると、対象者の市場株価が、公表日前約1ヶ月前後、合理的な説明が困難な株式市場の影響を受けて一時的に形成されたものである可能性が否定できない。以上を踏まえると、本公開買付価格について、前営業日の対象者株式の終値及び前営業日前直近1ヶ月の対象者株式の平均終値との比較を過度に重視すべきではないと考える。そして、本公開買付価格が、前営業日前直近3ヶ月の対象者株式の平均終値1,414円に対して39.32%、前営業日前直近6ヶ月の対象者株式の平均終値1,400円に対して40.71%のプレミアムを加えた価格であり、それぞれ約40%のプレミアムが付与されていることを踏まえると、本公開買付価格は対象者の少数株主に投資回収機会を提供するという観点では一定の合理性があり、公正性を欠くものとは認められない。もっとも、本公開買付価格は、非公開化事例におけるプレミアム水準と比較して十分なプレミアムが付されているとまでは認められないことから、本公開買付けへの応募を積極的に推奨できる水準の価格に達しているとまでは認められない。

・ 本新株予約権買付価格に関しては、本公開買付価格と各本新株予約権の対象者株式1株当たりの行使価額(第9回新株予約権:1,179円、第10回新株予約権:1,016円)との差額に当該各本新株予約権1個の目的となる対象者株式数(各新株予約権につき100株)を乗じた金額を基に算定されているものである。したがって、本新株予約権買付価格は、本公開買付価格と同様、本新株予約権者に対して本新株予約権の売却の機会を提供するという観点では一定の合理性があり、公正性を欠くものとは認められないものの、本新株予約権買付価格が本新株予約権者に対し本公開買付けへの応募を積極的に推奨できる水準の価格に達しているとまでは認められない。

・ 公開買付者によれば、金銭を対価とする本取引及び本取引後の株式併合又は株式等売渡請求を用いる本スクイーズアウト手続は、上場会社の非公開化の手法として一般的に採用されている方法であること、株主には会社法第179条の8、第182条の4及び第182条の5その他関係法令の定めに従って価格決定の申立てを行う権利が認められていること、及び本スクイーズアウト手続の際に少数株主に対して交付される金銭は本公開買付価格と同一の価格とすることが予定されていることからすると、本取引の方法及び対価の種類は、対象者の少数株主にとって公正なものであると認められる。

 

 

ⅲ.本取引の手続(取引条件の公正さを担保するための手続が十分に講じられているかどうかを含みます。)の公正性について

本取引の手続(取引条件の公正さを担保するための手続が十分に講じられているかどうかを含みます。)の公正性について、以下の点等の様々な事情を総合的に考慮した結果、本取引では、(a)取引条件の形成過程において独立当事者間で企業価値を高めつつ少数株主にとってできる限り有利な取引条件で本取引が行われることを目指して合理的な努力が行われる状況の確保及び(b)少数株主による十分な情報に基づく適切な判断の機会の確保という視点(公正M&A指針2.4参照)のいずれの面から見ても、本取引にとって必要かつ十分な内容での公正性担保措置が採用されており、また、それらの公正性担保措置が、実際に実効性をもって運用されていると認められるから、本取引に係る交渉過程及び意思決定に至る手続には、公正性が認められると思料する。

 

・ 対象者において本特別委員会が設置されているところ、本特別委員会は、対象者より、本諮問事項に関する検討について諮問を受けており、本特別委員会では、その実効性を高める観点から、以下のような措置を講じており(公正M&A指針3.2.4参照)、各措置は、公正M&A指針が提示する特別委員会の実効性を高めるための方策に照らして十分なものであると認められるし、また、本特別委員会と同種の目的で設置される他の特別委員会における対応と比較しても遜色はないと思料する。

・ 本特別委員会は、取引条件が公開買付者と対象者との間で決定される以前に設置されていること(公正M&A指針3.2.4.1)。

・ 本特別委員会は、公正M&A指針で特別委員会の委員として最も適格性があるとされる社外取締役のみで構成されていること(公正M&A指針3.2.4.2)。

・ 対象者のビジネスの特徴に関する知見(本特別委員会の委員はいずれも設置当時から対象者の独立社外取締役又は独立社外取締役兼監査等委員である。)、企業価値評価への知見、法律面での知見(本特別委員会の委員のうち1名は弁護士の資格を有している。)がいずれも委員により充足されていること(公正M&A指針3.2.4.2)。

・ 本特別委員会の設置のプロセスに独立社外取締役が主体的に関与していること(公正M&A指針3.2.4.3)。

・ 本特別委員会が取引条件の交渉を行う権限の付与を受け、自ら直接交渉を行っていること(公正M&A指針3.2.4.4)。

・ 本特別委員会独自のアドバイザーを起用することとし、本特別委員会のリーガル・アドバイザーとして長島・大野・常松法律事務所を選任している(公正M&A指針3.2.4.5)。

・ 本取引において期待されるメリットは多岐に亘り、その全ての詳細を一般に公開することは難しいことから、本特別委員会は、少数株主に代わり、本取引に関する重要な情報を入手し、これを踏まえて検討・判断を行った(公正M&A指針3.2.4.6)。

・ 本特別委員会の各委員に対しては、その職務の対価として、社外取締役としての報酬とは別に、固定額の報酬を支払うものとされており、本取引の公表や成立を条件とする成功報酬は含まれていない(公正M&A指針3.2.4.7)。

・ 対象者は、本特別委員会の組成を決議した2025年3月28日付対象者取締役会において、対象者取締役会が特別委員会の意見を最大限尊重の上で本取引に係る決議を実施することとし、また、本特別委員会が本取引に関する取引条件を妥当でないと判断した場合には、対象者取締役会が当該取引条件による本取引を承認しない旨を決議しており、同年6月20日付対象者取締役会決議においても再度決議をしている(公正M&A指針3.2.5)。

・ 本特別委員会及び対象者は、意思決定を行うにあたり、リーガル・アドバイザーである長島・大野・常松法律事務所から助言を受けており、公開買付者及び対象者から独立したリーガル・アドバイザーによる独立した専門的助言を取得している(公正M&A指針3.3.1)。

 

・ 対象者取締役会は、本公開買付価格の公正性を担保するために、独立した第三者算定機関である対象者のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関であるみずほ証券から、対象者株式の価値算定結果に関する資料としての対象者株式価値算定書を取得している(公正M&A指針3.3.2.1)。対象者株式価値算定書においては、複数の算定方法を利用しており、恣意的な価格の算定がされないよう配慮がされている。また、算定の前提となる対象者の本事業計画の作成に当たって、公開買付者の役職員による恣意的行動があった事実は認められず、算定に当たって公正性を疑わせるような事情も見当たらない。

・ 対象者は、本公開買付価格が対象者の少数株主にとって財務的見地から公正である旨の意見書(フェアネス・オピニオン)は取得していない。もっとも、公正M&A指針でもフェアネス・オピニオンの取得は必須とはされておらず(公正M&A指針3.3.2.2)、対象者において、本取引の公正性担保措置及び利益相反回避措置が実施されることにより、対象者の少数株主の利益に配慮がなされていると認められることから、対象者が対象者株式価値算定書に基づき本取引への賛同の可否の判断をしたことにも、公正性との関係で問題はないと考えられる。

・ 本公開買付けの買付期間は30営業日に設定されており、公開買付期間を比較的長期に設定することにより、本公開買付けに対する応募について適切な判断機会を確保しつつ、公開買付者以外にも対象者株式の買付け等を行う機会を確保する効果があると認められる。対象者と公開買付者との間において、取引保護条項を含む対抗的買収提案者との接触を制限する旨の合意は行われていない。以上からすると、本取引においては、本公開買付けの公表後に他の潜在的な買収者が対抗提案を行うことが可能な環境を構築した上でM&Aを実施することによって、いわゆる間接的なマーケット・チェック(公正M&A指針3.4.2)が実施されていると評価することができる。

・ 公開買付者は、本公開買付けにおける買付予定数の下限を7,572,454株以上と設定していることにより、公開買付者と利害関係を有さない対象者の少数株主が所有する対象者株式の過半数の賛同を得られない場合には本公開買付けは成立せず、対象者の般株主による判断機会の確保の意思を重視した設定となっており、いわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ」(Majority of Minority)の条件を満たし、本取引の公正性をより一層担保するものであると評価できる。

・ 対象者及び公開買付者は、適切な情報開示を行う予定であり、少数株主が取引条件の公正性等についての判断に資する重要な判断材料を提供していると認められる(公正M&A指針3.6.1)。

・ 本取引後の株式併合又は株式等売渡請求を用いる本スクイーズアウト手続は、上場会社の非公開化の手法として一般的に採用されている方法であること、株主には会社法第179条の8、第182条の4及び第182条の5その他関係法令の定めに従って価格決定の申立てを行う権利が認められていること、及び本スクイーズアウト手続の際に少数株主に対して交付される金銭は本公開買付価格と同一の価格とすることが予定されていることからすると、本取引の方法及び対価は、対象者の少数株主にとって公正なものであると認められることから、強圧性を排除するための対応が行われていると認められる(公正M&A指針3.7)。

 

ⅳ.ⅰ~ⅲを踏まえ、本取引が対象者の少数株主にとって不利益でないか否かについて

本取引の目的には正当性及び合理性があると認められ、本取引は対象者の企業価値向上に資するものである上、本公開買付けを含む本取引全体について、対象者の少数株主からみて、本公開買付価格及び本新株予約権買付価格について応募を積極的に推奨できる水準の価格に達しているとまでは認められないものの、その他の取引条件の公正性が確保されており、かつ、公正な手続を通じて対象者の少数株主の利益への十分な配慮がされていると認められるため、本取引は、対象者の少数株主にとって不利益でないものであると思料する。

 

 

ⅴ.対象者取締役会が、本公開買付けについて賛同意見を表明すること、並びに対象者の株主及び本新株予約権者に対して、本公開買付けへの応募を推奨すること、それぞれの是非について

対象者取締役会が、本公開買付けについて賛同の意見を表明することは相当である。他方で、本公開買付価格及び本新株予約権買付価格は、対象者の少数株主及び本新株予約権者に投資回収機会を提供する観点では一定の合理性があり、公正性を欠くものとは認められないものの、本公開買付価格及び本新株予約権買付価格が本公開買付けへの応募を積極的に推奨できる水準の価格に達しているとまでは認められないことから、対象者株主及び本新株予約権者に対して本公開買付けへの応募を推奨することまではできず、本公開買付けに応募するか否かは対象者の株主及び本新株予約権者の判断に委ねる旨の意見を表明することが相当であると認められる。

 

④ 対象者における独立したリーガル・アドバイザーからの助言の取得

対象者は、上記「(2) 本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程並びに本公開買付け後の経営方針」の「② 対象者が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」の「(ⅱ)検討・交渉の経緯」に記載のとおり、対象者、本応募合意株主、本不応募合意株主及び公開買付者から独立したリーガル・アドバイザーとして長島・大野・常松法律事務所を選任し、本取引において手続の公正性を確保するために講じるべき措置、本取引の諸手続並びに本取引に係る対象者の意思決定の方法及びその過程等に関する助言を含む法的助言を受けているとのことです。

なお、長島・大野・常松法律事務所は、対象者、本応募合意株主、本不応募合意株主及び公開買付者の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有していないとのことです。本特別委員会は、長島・大野・常松法律事務所の独立性に問題がないことを確認した上で、対象者のリーガル・アドバイザーとして承認しているとのことです。また、長島・大野・常松法律事務所に対する報酬には、本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬は含まれていないとのことです。

 

⑤ 対象者における利害関係を有しない出席取締役全員(監査等委員を含みます。)の承認

対象者取締役会は、上記「(2) 本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程並びに本公開買付け後の経営方針」の「② 対象者が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、長島・大野・常松法律事務所から受けた法的助言、みずほ証券から受けた財務的見地からの助言及び対象者株式価値算定書の内容を踏まえつつ、本答申書において示された本特別委員会の判断内容を最大限尊重しながら、本公開買付けを含む本取引が対象者の企業価値の向上に資するか否か、及び本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件が妥当なものか否かについて、慎重に協議・検討したとのことです。

その結果、対象者は、上記「(2) 本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程並びに本公開買付け後の経営方針」の「② 対象者が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、本取引が対象者の企業価値の向上に資するものであるとともに、本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件は妥当なものであると判断し、2025年9月11日開催の対象者取締役会において、審議及び決議に参加した利害関係を有しない対象者の取締役(監査等委員である者を含みます。)全員の一致(鉢嶺登氏、野内敦氏及び栁澤孝旨氏を除く対象者の取締役7名の全員一致)で、本公開買付けに賛同する旨の意見を表明するとともに、本公開買付けに応募するか否かについては、対象者の株主及び本新株予約権者の皆様のご判断に委ねる旨の決議を行ったとのことです。

 

なお、対象者の取締役ファウンダーである鉢嶺登氏及び代表取締役会長である野内敦氏については、鉢嶺登氏が公開買付者との間で鉢嶺氏応募契約及び鉢嶺氏株式譲渡契約を、野内敦氏が公開買付者との間で野内氏応募契約及び野内氏株式譲渡契約をそれぞれ締結しており、対象者の少数株主との利害が必ずしも一致しない可能性があることから、利益相反の疑義を回避する観点から、上記の対象者取締役会の審議及び決議には一切参加していないとのことです。また、対象者は、公開買付者から、2025年6月10日付の書面をもって、同氏らとの間で本公開買付けへの応募に向けて協議したいという旨の意向を伝えられたため、同日以降、同氏らは、対象者の立場において、公開買付者との協議及び交渉にも一切参加していないとのことです。また、栁澤孝旨氏は、一身上の都合から、上記の対象者取締役会を欠席したとのことですが、同氏は本特別委員会全17回に出席して議論に参加しており、かつ、同氏からも、対象者取締役会が本公開買付けに賛同する旨の意見を表明するとともに、本公開買付けに応募するか否かについては、対象者の株主及び本新株予約権者の皆様のご判断に委ねる旨の決議を行うことに賛同する旨を別途確認しているとのことです。

 

⑥ 対象者の株主が本公開買付けに応募するか否かについて適切に判断を行う機会を確保するための措置等

公開買付者は、公開買付期間を、法令に定められた最短期間が20営業日であるところ、30営業日に設定しております。このように公開買付期間を法令に定められた最短期間に照らして長期に設定することにより、対象者の株主の皆様に本公開買付けに対する応募について適切な判断機会を確保するとともに、対象者株式について対抗的買収提案者にも対抗的な買付け等を行う機会を確保し、これをもって本公開買付けの公正性を担保することを企図しております。

また、公開買付者と対象者は、対象者が対抗的買収提案者と接触することを禁止するような取引保護条項を含む合意等、当該対抗的買収提案者が対象者との間で接触等を行うことを制限するような内容の合意を行っておりません。このように、上記公開買付期間の設定とあわせ、対抗的な買付け等の機会が確保されることにより、本公開買付けの公正性の担保に配慮しております。

 

⑦ マジョリティ・オブ・マイノリティ(Majority of Minority)に相当する数を上回る買付予定数の下限の設定

上記「(1) 本公開買付けの概要」に記載のとおり、本書提出日現在、公開買付者は対象者株式を所有していないところ、本公開買付けにおける買付予定数の下限(7,572,454株)は、潜在株式勘案後株式総数(18,675,907株)から、本応募合意株式等(1,390,000株)及び本不応募合意株式(4,921,000株)を控除した株式数(12,364,907株)の過半数に相当する株式数(6,182,454株、小数点以下切り上げ)に、本応募合意株式等(1,390,000株)を加算した株式数(7,572,454株)となります。すなわち、公開買付者と利害関係を有さない対象者の株主の皆様が所有する対象者株式の過半数の賛同を得られない場合には本公開買付けは成立せず、対象者の少数株主の皆様の意思を重視した設定となっており、いわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ」(Majority of Minority)の条件を満たしております。

なお、本応募合意株主は、公開買付者と利害関係を有しない独立した第三者であり、鉢嶺氏応募契約及び野内氏応募契約は独立した当事者間で行われた真摯な協議・交渉に基づき締結に至ったものであることから、公開買付者としては、鉢嶺氏応募契約及び野内氏応募契約の締結の事実により、本応募合意株主が、いわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ(majority of minority)」条件の判断における、公開買付者と利害関係を有する対象者の株主に該当することになるものではないと考えております。

 

(4) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)

公開買付者は、上記「(1) 本公開買付けの概要」に記載のとおり、対象者を公開買付者の完全子会社とすることを目的として本公開買付けを実施するため、本公開買付けにより、対象者株式の全て(但し、本不応募合意株式及び対象者が所有する自己株式を除きます。)及び本新株予約権の全てを取得できなかった場合には、本公開買付けの成立後、以下の方法により、公開買付者が対象者株式の全て(但し、本不応募合意株式及び対象者が所有する自己株式を除きます。)を取得することを目的とした本スクイーズアウト手続を実施することを予定しております。

 

 

① 株式等売渡請求

具体的には、本公開買付けの成立及び本株式譲渡の実行により、公開買付者並びに本株式譲渡により公開買付者の特別支配株主完全子法人となる予定の本不応募合意株主が所有する対象者の議決権の数の合計が対象者の総株主の議決権の10分の9以上に至り、公開買付者が会社法第179条第1項に規定する特別支配株主となる場合には、本公開買付けの決済の完了後速やかに、会社法第2編第2章第4節の2の規定に基づき、本公開買付けに応募しなかった対象者の株主(公開買付者、対象者及び本不応募合意株主を除きます。以下「売渡株主」といいます。)の全員に対し、その所有する対象者株式の全てを売り渡すことを請求(以下「株式売渡請求」といいます。)するとともに、併せて、本新株予約権者(公開買付者を除きます。)の全員(以下「売渡新株予約権者」といいます。)に対し、その有する本新株予約権の全てを売り渡すことを請求(以下「新株予約権売渡請求」といい、「株式売渡請求」と併せて「株式等売渡請求」と総称します。)する予定です。株式売渡請求においては、対象者株式1株当たりの対価として、本公開買付価格と同額の金銭を売渡株主に対して交付することを定める予定であり、新株予約権売渡請求においては、本新株予約権1個当たりの対価として本新株予約権買付価格と同額の金銭を売渡新株予約権者に対して交付することを定める予定です。この場合、公開買付者は、会社法第179条の3第1項の定めに従って、その旨を対象者に通知し、対象者に対し株式等売渡請求の承認を求めます。対象者がその取締役会の決議により株式等売渡請求を承認した場合には、関係法令の定める手続に従い、売渡株主及び売渡新株予約権者の個別の承諾を要することなく、公開買付者は、株式等売渡請求において定めた取得日をもって、売渡株主の全員からその所有する対象者株式の全てを取得し、売渡新株予約権者からその所有する本新株予約権の全てを取得します。この場合、公開買付者は、当該各売渡株主の所有していた対象者株式の1株当たりの対価として、当該各売渡株主に対し、本公開買付価格と同額の金銭を交付するとともに、当該各売渡新株予約権者の所有していた本新株予約権1個当たりの対価として、当該各売渡新株予約権者に対し、本新株予約権買付価格と同額の金銭を交付する予定です。

なお、対象者プレスリリースによれば、対象者は、公開買付者より株式等売渡請求をしようとする旨及び会社法第179条の2第1項各号の事項について通知を受けた場合には、対象者取締役会において、上記株式等売渡請求を承認する予定とのことです。

株式等売渡請求がなされた場合、株式等売渡請求に関連する少数株主の権利保護を目的とした会社法上の規定として、会社法第179条の8その他の関係法令の定めに従って、売渡株主及び売渡新株予約権者は、裁判所に対してその所有する対象者株式又は本新株予約権の売買価格の決定の申立てを行うことができる旨が会社法上定められております。なお、上記申立てがなされた場合の対象者株式又は本新株予約権の売買価格は、最終的には裁判所が判断することになります。

 

② 本株式併合

本公開買付けが成立したものの、公開買付者、本不応募合意株主が所有する対象者の議決権の数の合計が対象者の総株主の議決権の10分の9に至らなかった場合には、公開買付者は、会社法第180条に基づき、対象者株式の併合(以下「本株式併合」といいます。)を行うこと及び本株式併合の効力発生を条件として単元株式数の定めを廃止する旨の定款の一部変更を行うことを付議議案に含む臨時株主総会(以下「本臨時株主総会」といいます。)を本公開買付けの決済の完了後速やかに開催することを対象者に要請する予定です。本臨時株主総会の開催時期は現時点で未定ですが、本書提出日現在、2025年12月上旬の開催を予定しております。なお、公開買付者及び本不応募合意株主は、本臨時株主総会において上記各議案に賛成する予定です。

本臨時株主総会において本株式併合の議案について承認された場合には、本株式併合がその効力を生ずる日において、対象者の株主の皆様は、本臨時株主総会において承認された本株式併合の割合に応じた数の対象者株式を所有することとなります。本株式併合をすることにより株式の数に1株に満たない端数が生じるときは、端数が生じた対象者の株主の皆様に対して、会社法第235条その他の関係法令の定める手続に従い、当該端数の合計数(合計した数に1株に満たない端数がある場合には、当該端数は切り捨てられます。以下同じです。)に相当する当該対象者株式を対象者又は公開買付者に売却することによって得られる金銭が交付されることになります。なお、当該端数の合計数に相当する当該対象者株式の売却価格については、当該売却の結果、本公開買付けに応募しなかった対象者の各株主(公開買付者、対象者及び本不応募合意株主を除きます。)に交付される金銭の額が、本公開買付価格に当該各株主が所有していた対象者株式の数を乗じた価格と同一となるよう算定した上で、対象者に裁判所に対して任意売却許可の申立てを行うことを要請する予定です。

 

また、本株式併合の割合は、本書提出日現在において未定ですが、公開買付者が対象者株式の全て(但し、対象者が所有する自己株式を除きます。)を所有することとなるよう、本公開買付けに応募しなかった対象者の各株主(公開買付者、対象者及び本不応募合意株主を除きます。)の所有する対象者株式の数が1株に満たない端数となるように決定するよう対象者に要請する予定です。対象者によれば、対象者は、本公開買付けが成立した場合には、公開買付者によるこれらの要請に応じる予定とのことです。

本株式併合においては、株式併合に関連する少数株主の権利保護を目的とした会社法上の規定として、株式併合により株式の数に1株に満たない端数が生じるときは、会社法第182条の4及び第182条の5その他の関係法令の定めに従って、本公開買付けに応募しなかった対象者の株主の皆様(公開買付者、対象者及び本不応募合意株主を除きます。)は、対象者に対してその所有する株式のうち1株に満たない端数となるものの全部を公正な価格で買い取ることを請求することができる旨及び裁判所に対して対象者株式の価格決定の申立てを行うことができる旨が定められています。上記申立てがなされた場合の対象者株式の買取価格は、最終的には裁判所が判断することとなります。また、公開買付者は、本公開買付けが成立したものの、公開買付者及び本不応募合意株主が対象者の総株主の議決権の10分の9以上を所有するに至らなかった場合において、本公開買付けにおいて本新株予約権の全てを取得できず、かつ、本新株予約権が行使されず残存した場合には、対象者に対して、本新株予約権の取得、本新株予約権者に対する本新株予約権の放棄の勧奨その他本取引の実行に必要な合理的な手続を実施することを要請し、又は実施する予定ですが、詳細については、本書提出日においては未定です。

 

上記各手続については、関係法令についての改正、施行及び当局の解釈、本公開買付け後の公開買付者及び本不応募合意株主以外の対象者の株主の対象者株式の所有状況等の状況によっては、実施の方法及び時期に変更が生じる可能性があります。但し、その場合でも、本公開買付けが成立した場合には、本公開買付けに応募しなかった対象者の各株主(公開買付者、対象者及び本不応募合意株主を除きます。)に対しては、最終的に金銭を交付する方法を採用する予定であり、その場合に当該対象者の各株主に交付される金銭の額については、本公開買付価格に当該対象者の株主が所有していた対象者株式の数を乗じた価格と同一になるよう算定する予定です。

 

以上の各場合における具体的な手続及びその実施時期等について、本公開買付け成立後、公開買付者は対象者に協議の申入れを行い、決定次第、対象者に速やかに公表していただくよう要請する予定です。

なお、本公開買付けは、本臨時株主総会における対象者の株主の皆様の賛同を勧誘するものでは一切ありません。また、本公開買付けへの応募又は上記の各手続における税務上の取扱いについては、対象者の株主の皆様が自らの責任にて税理士等の専門家にご確認いただきますようお願いいたします。

 

(5) 上場廃止となる見込み及びその事由

対象者株式は、本書提出日現在、東京証券取引所プライム市場に上場されておりますが、公開買付者は本公開買付けにおいて買付予定数の上限を設定していないため、本公開買付けの結果次第では、東京証券取引所の定める上場廃止基準に従い、対象者株式は所定の手続を経て上場廃止となる可能性があります。また、本公開買付けの成立時点では当該基準に該当しない場合でも、本公開買付けの成立後に、上記「(4) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載の本スクイーズアウト手続を実行することを予定しておりますので、その場合には、東京証券取引所の上場廃止基準に該当し、対象者株式は所定の手続を経て上場廃止となります。なお、上場廃止後は、対象者株式を東京証券取引所プライム市場において取引することはできません。

 

(6) 本公開買付けに係る重要な合意に関する事項
① 鉢嶺氏応募契約

公開買付者は、上記「(1) 本公開買付けの概要」に記載のとおり、2025年9月11日付で、鉢嶺登氏との間で、鉢嶺氏応募契約を締結しております。鉢嶺氏応募契約の概要は、以下のとおりです。なお、本書提出日現在、公開買付者と鉢嶺登氏との間で、鉢嶺氏応募契約及び下記「③ 鉢嶺氏株式譲渡契約」記載の鉢嶺氏株式譲渡契約以外に、本公開買付けに係る合意は存在せず、本公開買付けに応募することにより得られる金銭及び鉢嶺氏株式譲渡契約の譲渡対価以外に、本公開買付けに関して公開買付者から鉢嶺登氏に対して供される対価は存在しません。

 

 

鉢嶺登氏は、公開買付者が本公開買付けを開始した場合、対象者の取締役会が、特別委員会の答申を受けて、本公開買付けに賛同する旨の意見表明を行い、当該意見が撤回されていないことを前提条件として、実務上合理的な範囲で速やかに(遅くとも本公開買付けが開始してから10営業日以内に)、鉢嶺氏応募合意株式等を本公開買付けに応募し、かつ、当該応募を撤回せず、当該応募の結果成立した鉢嶺氏応募合意株式等の買付けに係る契約を解除しないことについて、合意をしております。但し、下記記載の定めに従い、鉢嶺登氏が対抗公開買付け(以下において定義します。)に応じ、又は、対抗公開買付けに関連する合意をすることができる場合には、この限りでないとされています。

鉢嶺登氏は、その所有する本新株予約権2,000個の全てを本公開買付け開始後速やかに(但し、遅くとも本公開買付けへの応募の相当期間前までに)行使するものとされております。

鉢嶺登氏は、直接であるか間接であるか又は自己の計算であるか他人の計算であるかを問わず、鉢嶺氏応募契約締結日後、本公開買付けの決済の開始日までの間、鉢嶺氏応募合意株式等及び本新株予約権の譲渡、担保設定、賃借その他の処分その他本公開買付けと実質的に抵触し又は本公開買付けの実行を困難にする取引(以下「抵触取引」といいます。)及びそれらに関する合意を行わず、かかる取引に関する提案、勧誘、協議、交渉又は情報提供を行わないものとされています。但し、第三者が対象者に対して、本公開買付価格(但し、買付条件の変更により本公開買付価格が引き上げられた場合には、当該変更後の買付価格をいいます。)を5%以上上回る買付価格により、対象者の普通株式及び新株予約権の全てを対象とし、対象者の非公開化を目的とする公開買付け(以下「対抗公開買付け」といいます。)を実施する旨の法的拘束力のある提案を対象者に対して行い、対象者の特別委員会がかかる対抗公開買付けに賛同し、かつ、本公開買付けに係る賛同意見の撤回を行う旨の答申を行い、対象者の取締役会が特別委員会の当該答申を受けて、かかる対抗公開買付けに賛同する旨の意見表明を行い、かつ、本公開買付けに係る賛同意見の撤回を行った場合には、鉢嶺登氏は、損害賠償、違約金その他名目を問わず何らの金銭の支払いをすることなく、またその他何らの義務、負担又は条件を課されることなく、当該対抗公開買付けに応じ、又は、当該対抗公開買付けに関連する合意をすることができるものとされています。

鉢嶺登氏は、第三者から抵触取引に関する情報提供、提案、勧誘、協議その他の申出を受けた場合には、速やかに、公開買付者に対して、その事実及び内容を通知し、対応につき公開買付者との間で誠実に協議するものとされています。

鉢嶺登氏は、本公開買付けが成立し決済が完了した場合であって、本公開買付けの決済の開始日以前の日を権利行使の基準日として本公開買付けの決済の開始日後に対象者の株主総会が開催されるときには、当該株主総会における本公開買付けにより買い付けられた対象者株式に係る議決権その他の一切の権利行使について、公開買付者の選択に従い、(ⅰ)公開買付者若しくは公開買付者の指定する者に対して包括的な代理権を授与するか、又は(ⅱ)公開買付者の指示に従って議決権を行使するものとされております。

また、上記のほか、鉢嶺氏応募契約においては、表明保証条項(注1)(注2)、補償条項(注3)及び契約の解除事由(注4)が規定されております。

(注1) 鉢嶺氏応募契約において、公開買付者は、①設立及び存続の有効性、②鉢嶺氏応募契約の締結及び履行に必要な権限及び権能の存在、③鉢嶺氏応募契約の有効性及び強制執行可能性、④鉢嶺氏応募契約の締結及び履行に必要な許認可等の取得又は履践、⑤鉢嶺氏応募契約の締結及び履行についての法令等との抵触の不存在、⑥倒産手続等の不存在、並びに⑦反社会的勢力に該当しないこと及び反社会的勢力との関係の不存在について表明及び保証を行っております。

(注2) 鉢嶺氏応募契約において、鉢嶺登氏は、①鉢嶺氏応募契約の締結及び履行に必要な権利能力、行為能力及び意思能力の存在、②鉢嶺氏応募契約の有効性及び強制執行可能性、③鉢嶺氏応募契約の締結及び履行に必要な許認可等の取得又は履践、④鉢嶺氏応募契約の締結及び履行についての法令等との抵触の不存在、⑤倒産手続等の不存在、⑥反社会的勢力に該当しないこと及び反社会的勢力との関係の不存在、⑦鉢嶺登氏が所有する対象者株式及び本新株予約権に対する権利、並びに⑧本公開買付けに関する事実を除き、対象者に係る未公表の重要事実等の不存在について表明及び保証を行っております。

(注3) 鉢嶺登氏及び公開買付者は、自らの鉢嶺氏応募契約に基づく義務の違反又は表明及び保証の違反に起因又は関連して相手方が被った損害等については、相当因果関係の範囲内において、相手方に対し補償をするものとされております。

 

(注4) 鉢嶺登氏及び公開買付者は、(ⅰ)相手方当事者に鉢嶺氏応募契約締結日における表明及び保証の重大な違反が存在する場合、(ⅱ)鉢嶺氏応募契約に規定される相手方当事者の重大な義務の違反が存在する場合、又は(ⅲ)自らの責めに帰すべからざる事由により本公開買付けが2025年10月31日までに開始されない場合には、本公開買付けの開始日前に限り、相手方当事者に対する書面による通知により、直ちに鉢嶺氏応募契約を解除することができるとされています。また、当該(ⅰ)乃至(ⅲ)にかかわらず、鉢嶺登氏は、対抗公開買付けに応じ、又は対抗公開買付けに関連する合意をした場合、公開買付者に対して書面で通知することにより、鉢嶺氏応募契約を解除することができるとされています。

 

② 野内氏応募契約

公開買付者は、上記「(1) 本公開買付けの概要」に記載のとおり、2025年9月11日付で、野内敦氏との間で、野内氏応募契約を締結しております。野内氏応募契約の概要は、以下のとおりです。なお、本書提出日現在、公開買付者と野内敦氏との間で、野内氏応募契約及び下記「④ 野内氏株式譲渡契約」記載の野内氏株式譲渡契約以外に、本公開買付けに係る合意は存在せず、本公開買付けに応募することにより得られる金銭及び野内氏株式譲渡契約の譲渡対価以外に、本公開買付けに関して公開買付者から野内敦氏に対して供される対価は存在しません。

 

野内敦氏は、公開買付者が本公開買付けを開始した場合、対象者の取締役会が、特別委員会の答申を受けて、本公開買付けに賛同する旨の意見表明を行い、当該意見が撤回されていないことを前提条件として、実務上合理的な範囲で速やかに(遅くとも本公開買付けが開始してから10営業日以内に)、野内氏応募合意株式等を本公開買付けに応募し、かつ、当該応募を撤回せず、当該応募の結果成立した野内氏応募合意株式等の買付けに係る契約を解除しないことについて、合意をしております。但し、下記記載の定めに従い、野内敦氏が対抗公開買付けに応じ、又は、対抗公開買付けに関連する合意をすることができる場合には、この限りでないとされています。

野内敦氏は、その所有する本新株予約権3,000個の全てを本公開買付け開始後速やかに(但し、遅くとも本公開買付けへの応募の相当期間前までに)行使するものとされております。

野内敦氏は、直接であるか間接であるか又は自己の計算であるか他人の計算であるかを問わず、野内氏応募契約締結日後、本公開買付けの決済の開始日までの間、抵触取引及びそれらに関する合意を行わず、かかる取引に関する提案、勧誘、協議、交渉又は情報提供を行わないものとされています。但し、第三者が対象者に対して、本公開買付価格(但し、買付条件の変更により本公開買付価格が引き上げられた場合には、当該変更後の買付価格をいいます。)を5%以上上回る買付価格により、対象者の普通株式及び新株予約権の全てを対象とし、対抗公開買付けを実施する旨の法的拘束力のある提案を対象者に対して行い、対象者の特別委員会がかかる対抗公開買付けに賛同し、かつ、本公開買付けに係る賛同意見の撤回を行う旨の答申を行い、対象者の取締役会が特別委員会の当該答申を受けて、かかる対抗公開買付けに賛同する旨の意見表明を行い、かつ、本公開買付けに係る賛同意見の撤回を行った場合には、野内敦氏は、損害賠償、違約金その他名目を問わず何らの金銭の支払いをすることなく、またその他何らの義務、負担又は条件を課されることなく、当該対抗公開買付けに応じ、又は、当該対抗公開買付けに関連する合意をすることができるものとされています。

野内敦氏は、第三者から抵触取引に関する情報提供、提案、勧誘、協議その他の申出を受けた場合には、速やかに、公開買付者に対して、その事実及び内容を通知し、対応につき公開買付者との間で誠実に協議するものとされています。

野内敦氏は、本公開買付けが成立し決済が完了した場合であって、本公開買付けの決済の開始日以前の日を権利行使の基準日として本公開買付けの決済の開始日後に対象者の株主総会が開催されるときには、当該株主総会における本公開買付けにより買い付けられた対象者株式に係る議決権その他の一切の権利行使について、公開買付者の選択に従い、(ⅰ)公開買付者若しくは公開買付者の指定する者に対して包括的な代理権を授与するか、又は(ⅱ)公開買付者の指示に従って議決権を行使するものとされております。

また、上記のほか、野内氏応募契約においては、表明保証条項(注1)(注2)、補償条項(注3)及び契約の解除事由(注4)が規定されております。

(注1) 野内氏応募契約において、公開買付者は、①設立及び存続の有効性、②野内氏応募契約の締結及び履行に必要な権限及び権能の存在、③野内氏応募契約の有効性及び強制執行可能性、④野内氏応募契約の締結及び履行に必要な許認可等の取得又は履践、⑤野内氏応募契約の締結及び履行についての法令等との抵触の不存在、⑥倒産手続等の不存在、並びに⑦反社会的勢力に該当しないこと及び反社会的勢力との関係の不存在について表明及び保証を行っております。

 

(注2) 野内氏応募契約において、野内敦氏は、①野内氏応募契約の締結及び履行に必要な権利能力、行為能力及び意思能力の存在、②野内氏応募契約の有効性及び強制執行可能性、③野内氏応募契約の締結及び履行に必要な許認可等の取得又は履践、④野内氏応募契約の締結及び履行についての法令等との抵触の不存在、⑤倒産手続等の不存在、⑥反社会的勢力に該当しないこと及び反社会的勢力との関係の不存在、⑦野内敦氏が所有する対象者株式及び本新株予約権に対する権利、並びに⑧本公開買付けに関する事実を除き、対象者に係る未公表の重要事実等の不存在について表明及び保証を行っております。

(注3) 野内敦氏及び公開買付者は、自らの野内氏応募契約に基づく義務の違反又は表明及び保証の違反に起因又は関連して相手方が被った損害等については、相当因果関係の範囲内において、相手方に対し補償をするものとされております。

(注4) 野内敦氏及び公開買付者は、(ⅰ)相手方当事者に野内氏応募契約締結日における表明及び保証の重大な違反が存在する場合、(ⅱ)野内氏応募契約に規定される相手方当事者の重大な義務の違反が存在する場合、又は(ⅲ)自らの責めに帰すべからざる事由により本公開買付けが2025年10月31日までに開始されない場合には、本公開買付けの開始日前に限り、相手方当事者に対する書面による通知により、直ちに野内氏応募契約を解除することができるとされています。また、当該(ⅰ)乃至(ⅲ)にかかわらず、野内敦氏は、対抗公開買付けに応じ、又は対抗公開買付けに関連する合意をした場合、公開買付者に対して書面で通知することにより、鉢嶺氏応募契約を解除することができるとされています。

 

③ 鉢嶺氏株式譲渡契約

公開買付者は、上記「(1) 本公開買付けの概要」に記載のとおり、2025年9月11日付で、鉢嶺登氏との間で、鉢嶺氏株式譲渡契約を締結しております。鉢嶺氏株式譲渡契約の概要は、以下のとおりです。

鉢嶺登氏は、本公開買付けの成立及びその他一定の前提条件の充足を条件に、鉢嶺氏株式譲渡日において、鉢嶺登氏が所有する全てのHIBC株式を公開買付者に譲渡する旨を合意しております。鉢嶺氏株式譲渡契約上、HIBC株式譲渡価額は、(ⅰ)HIBC所有対象者株式に本公開買付価格を乗じた金額から、(ⅱ)本株式譲渡日におけるHIBCの負債の簿価(約3,456百万円)及び本株式譲渡の実行後にHIBCにて支払い予定の課税債務を控除した額とする旨が合意されております。なお、本書提出日現在、公開買付者と鉢嶺登氏との間で、上記「① 鉢嶺氏応募契約」記載の鉢嶺氏応募契約及び鉢嶺氏株式譲渡契約以外に、本公開買付けに係る合意は存在せず、本公開買付けに応募することにより得られる金銭及び鉢嶺氏株式譲渡契約の譲渡対価以外に、本公開買付けに関して公開買付者から鉢嶺登氏に対して利益が供与されるものではないことから、鉢嶺氏株式譲渡契約は、公開買付価格の均一性規制(法第27条の2第3項)の趣旨に抵触するものではないと考えております。

公開買付者の義務の履行は、本株式譲渡の実行日において、以下の各号に掲げる条件が全て成就していることを条件としております。なお、公開買付者は、以下の各号に掲げる条件のいずれについても、その裁量により条件不成就を主張する権利を放棄することができます。但し、かかる条件不成就を主張する権利の放棄によっても、鉢嶺登氏に対する補償等の請求が妨げられるものではありません。

 

(ⅰ)本公開買付けが適法かつ有効に成立していること、(ⅱ)鉢嶺氏株式譲渡契約上の鉢嶺登氏の表明及び保証(注1)が重要な点で真実かつ正確であること、(ⅲ)鉢嶺登氏が鉢嶺氏株式譲渡契約上の義務(注2)を重要な点で履行又は遵守していること、(ⅳ)HIBC株式の譲渡を承認する旨のHIBCの株主総会決議が適法かつ有効に行われていること、(ⅴ)HIBCの取締役である岡本高彰氏及び鉢嶺氏(以下「本辞任役員(HIBC)」といいます。)が本株式譲渡の実行日をもって辞任する旨の辞任届を提出していること、(ⅵ)鉢嶺氏応募契約に基づき、鉢嶺登氏がその保有する対象者の株式全て(新株予約権を行使した分を含みます。)を本公開買付けに応募し、撤回していないこと、(ⅶ)本吸収分割の手続が全て適法かつ有効に完了し、本吸収分割の効力が適法かつ有効に生じていること、(ⅷ)HIBCがHIBC所有対象者株式の全てについて、本公開買付けに応募していないこと、(ⅸ)本株式譲渡の実行日において、HIBC吸収分割の効力が適法かつ有効に生じる見込みがあること、及び(ⅹ)公開買付者が上記(ⅳ)に係る株主総会議事録の写し、上記(ⅶ)に係る吸収分割契約書の写し、本吸収分割に係るHIBCの株主総会の議事録の写し、HIBC吸収分割に係るHIBCの株主総会の議事録の写し、本辞任役員(HIBC)の辞任届の写し、及びHIBCによる鉢嶺登氏に対する有利子負債に係る金銭債務確認書の各書類を受領していること。

(注1) 鉢嶺登氏は、鉢嶺登氏に関する事項として、①鉢嶺氏株式譲渡契約の締結及び履行に必要な権利能力、行為能力及び意思能力の存在、②鉢嶺氏株式譲渡契約の有効性、③鉢嶺氏株式譲渡契約の強制執行可能性、④鉢嶺氏株式譲渡契約の締結及び履行についての法令等との抵触の不存在、⑤倒産手続等の不存在、⑥反社会的勢力に該当しないこと及び反社会的勢力との関係の不存在、並びに⑦鉢嶺登氏が所有するHIBC株式に対する権利について表明及び保証を行っております。また、HIBCに関する事項として⑧HIBCの適法な設立及び権利能力、⑨鉢嶺氏株式譲渡契約の締結及び履行に必要な権限及び権能の存在、⑩鉢嶺氏株式譲渡契約の締結及び履行に必要な許認可等の取得、⑪鉢嶺氏株式譲渡契約の締結及び履行についての法令等との抵触の不存在、⑫倒産手続等の不存在、⑬HIBCの発行する株式及び新株予約権の有効性等、⑭HIBCが所有する対象者株式及び新株予約権に対する権利、⑮HIBCの税務申告及び支払いの適正性、⑯HIBCが反社会的勢力に該当しないこと及び反社会的勢力との関係の不存在、⑰HIBCの財務諸表及び会計帳簿等の内容の適正性、⑱重要な後発事象の不存在、⑲本吸収分割の適法かつ有効な実行、⑳子会社・関連会社等の不存在、㉑HIBC所有対象者株式を除いた資産の不存在、㉒HIBCによる鉢嶺登氏に対する有利子負債以外の債務の不存在、㉓HIBCによる鉢嶺登氏に対する有利子負債及び本辞任役員(HIBC)に対する取締役の委任を除く契約等の不存在、㉔取得している許認可等の不存在、㉕法令等及び司法・行政機関等の判断等を遵守していること、㉖従業員の不存在、㉗HIBCの役員及び従業員に関する福利厚生、退職金及び年金に係る制度の不存在、㉘訴訟又はクレーム等の不存在、㉙関連当事者取引の不存在、並びに㉚開示情報の正確性、について表明及び保証しております。

(注2) 鉢嶺登氏は、鉢嶺氏株式譲渡契約において、①HIBC株式を公開買付者に対して譲り渡す義務のほか、②鉢嶺氏株式譲渡契約の締結日から本株式譲渡の実行日までの間、HIBCをして、HIBC所有対象者株式の保有を除く何らの事業をも行わせず、かつ、既存の資産及び負債を維持させる義務、③HIBC及び吸収分割承継会社をして、本吸収分割を行わせる義務、④本公開買付けへ応募しないことに関する義務(注3)、⑤公開買付者とともにHIBC吸収分割を行う義務、⑥本辞任役員(HIBC)をして辞任する旨の辞任届を提出させる義務、⑦鉢嶺氏株式譲渡契約の締結日から本株式譲渡の実行日までの間、公開買付者に対して、HIBCに係る情報への一定のアクセスを認める義務、⑧本株式譲渡の実行時までの鉢嶺登氏の表明保証違反、前提条件不充足及び鉢嶺登氏の義務違反に関する事実が生じた場合の通知義務、⑨鉢嶺氏株式譲渡契約上の鉢嶺氏の義務又は鉢嶺登氏の表明及び保証の違反に起因又は関連して公開買付者及びその関係者が被った損害等を補償する義務、及び⑩秘密保持義務その他の鉢嶺氏株式譲渡契約上の一般条項に基づく義務その他一定の義務を負っております。

(注3) 鉢嶺登氏は、鉢嶺氏株式譲渡契約において、鉢嶺氏株式譲渡契約の締結日から本株式譲渡の実行日までの間、HIBCをして、HIBC所有対象者株式について、本公開買付けにおいてその全部又は一部を応募させないことを含め、譲渡、担保設定、賃借その他の処分(本公開買付け以外の公開買付けへの応募を含むがこれに限られません。)を行わせず、また、対象者株式又は対象者株式に係る権利の取得を行わせない旨を合意しております。

また、鉢嶺登氏は、HIBCをして、鉢嶺氏株式譲渡契約締結日以降、公開買付者以外の者との間で、直接又は間接に、抵触取引及びそれらに関する合意を行わず、かかる取引に関する第三者との合意、合意に向けた申込み、申込みの誘引、承諾、協議、交渉、勧誘又は情報提供を行わせない旨も規定しており、これらの規定に関わらず、第三者が対象者に対して、対抗公開買付けを実施する旨の法的拘束力のある提案を対象者に対して行い、対象者の特別委員会がかかる対抗公開買付けに賛同し、かつ、本公開買付けに係る賛同意見の撤回を行う旨の答申を行い、対象者の取締役会が特別委員会の当該答申を受けて、かかる対抗公開買付けに賛同する旨の意見表明を行い、かつ、本公開買付けに係る賛同意見の撤回を行った場合には、鉢嶺登氏は、損害賠償、違約金その他名目を問わず何らの金銭の支払いをすることなく、またその他何らの義務、負担又は条件を課されることなく、HIBCをして、当該対抗公開買付けへの応募をさせ、又は、当該対抗公開買付けに関連する合意をさせることができるものとする旨の合意をしております。

 

また、鉢嶺登氏は、鉢嶺氏株式譲渡契約締結日以降、自ら又はHIBCをして、公開買付者以外の第三者から抵触取引に関する勧誘、提案、情報提供又は申込みを受けた場合には、直ちに公開買付者にその旨及びこれらの内容を通知し又は通知させ、かかる第三者への対応について公開買付者と誠実に協議し又は協議させる旨を合意しております。

 

鉢嶺登氏の義務の履行は、本株式譲渡の実行日において、以下の各号に掲げる条件が全て成就していることを条件としております。なお、鉢嶺登氏は、以下の各号に掲げる条件のいずれについても、その裁量により条件不成就を主張する権利を放棄することができます。但し、かかる条件不成就を主張する権利の放棄によっても、公開買付者に対する補償等の請求が妨げられるものではありません。

(ⅰ)本公開買付けが成立していることに加えて、(ⅱ)鉢嶺氏株式譲渡契約上の公開買付者の表明及び保証(注4)が重要な点で真実かつ正確であること、(ⅲ)公開買付者が鉢嶺氏株式譲渡契約上の義務(注5)を全ての重要な点で履行又は遵守していること、(ⅳ)本株式譲渡の実行時において、HIBC吸収分割の効力が適法かつ有効に生じる見込みがあること、及び(ⅴ)鉢嶺登氏が、HIBC吸収分割に係る公開買付者の取締役会の議事録の写しを受領していること。

(注4) 公開買付者は、①設立及び存続の有効性、②鉢嶺氏株式譲渡契約の締結及び履行に必要な権限及び権能の存在、③鉢嶺氏株式譲渡契約の有効性及び強制執行可能性、④鉢嶺氏株式譲渡契約の締結及び履行についての法令等との抵触の不存在、⑤倒産手続等の不存在、⑥反社会的勢力に該当しないこと及び反社会的勢力との関係の不存在、並び⑦譲渡対価の支払を完了するに足る資金を調達していること、について表明及び保証しております。

(注5) 公開買付者は、鉢嶺氏株式譲渡契約に基づき、①HIBC株式を譲り受ける義務のほか、②鉢嶺氏株式譲渡契約上の公開買付者の義務又は上記の注11に記載した公開買付者の表明及び保証の違反に起因又は関連して鉢嶺登氏が被った損害等を補償する義務、及び③本株式譲渡の実行時までの公開買付者の表明保証違反、前提条件不充足及び公開買付者の義務違反に関する事実が生じた場合の通知義務、④鉢嶺氏株式譲渡契約上の公開買付者の義務又は公開買付者の表明及び保証の違反に起因又は関連して鉢嶺登氏及びその関係者が被った損害等を補償する義務、及び⑤秘密保持義務その他の鉢嶺氏株式譲渡契約上の一般条項に基づく義務を負っております。なお、本株式譲渡の実行日後の義務として(ⅰ)鉢嶺氏株式譲渡契約の本株式譲渡の実行が行われることを条件とし、自ら又はHIBCをして、本株式譲渡の実行後実務上速やかに(遅くとも本株式譲渡日中に)、HIBCによる鉢嶺登氏に対する有利子負債に係る債務を完済し又は完済させる義務、(ⅱ)本株式譲渡の実行日以降2025年12月末までの間、HIBC吸収分割及びHIBCの清算のために合理的に必要な行為及び鉢嶺登氏が事前に書面により同意したものを除き、HIBCをして、何らの事業も行わせない義務、(ⅲ)本株式譲渡の実行後実務上合理的に可能な範囲で速やかに、HIBCをして、本辞任役員(HIBC)の辞任に伴い必要となる登記手続の申請を行わせ、本辞任役員(HIBC)に対して、本株式譲渡の実行以前のHIBCの役員等としての一切の作為又は不作為に関する責任(会社法第423条第1項又は第429条第1項に定める損害賠償責任を含むが、これらに限られません。)を追及せず、また、HIBCをして、当該責任を追及させない(但し、本辞任役員(HIBC)の故意又は重過失による場合を除きます。)義務、④鉢嶺氏とともにHIBC吸収分割を行う義務を負っています。

 

公開買付者は、鉢嶺氏株式譲渡契約上、本公開買付けに係る買付け等の期間の末日前(当該末日を含む)において、鉢嶺登氏が鉢嶺氏株式譲渡契約に基づく表明及び保証若しくは義務に重要な点において違反した場合(但し、当該違反が実務上合理的な範囲で速やかに(但し、本公開買付けに係る買付け等の期間の末日前までに)治癒された場合、又は、鉢嶺登氏がHIBCをして対抗公開買付けへの応募をさせ若しくは対抗公開買付けに関連する合意をさせることができる場合を除きます。)で、かつ、公開買付者が鉢嶺氏株式譲渡契約に基づく表明及び保証若しくは義務に重要な点において違反していない場合、公開買付者は、鉢嶺登氏に対し書面で通知をすることにより、鉢嶺登氏に対しHIBC株式の譲渡に代えて、(ⅰ)HIBCをして対象者株式の全てを本公開買付けに応募させること(但し、HIBC所有対象者株式及び鉢嶺氏株式譲渡契約に規定されるHIBC所有対象者株式を除いて本公開買付けが成立する見込みが存在する場合に限る。)、又は、(ⅱ)本公開買付けの成立後、対象者が非公開化(株式の併合により対象者の株主を公開買付者又は公開買付者及びHIBCのみとすることを含みます。)するまでの間に開催される全ての対象者の株主総会について、鉢嶺登氏は、HIBCをして、当該株主総会におけるHIBC所有対象者株式に係る議決権その他の一切の権利の行使について、公開買付者の選択に従い、(a)公開買付者若しくは公開買付者の指定する者に対して包括的な代理権を授与させるか、又は(b)公開買付者の指示に従って議決権を行使させるものとされています。公開買付者が当該通知を行った場合、本株式譲渡の実行は行われない旨合意しております。

 

 

④ 野内氏株式譲渡契約

公開買付者及び上記「(1) 本公開買付けの概要」に記載のとおり、2025年9月11日付で野内敦氏との間で、野内氏株式譲渡契約を締結しております。野内氏株式譲渡契約の概要は、以下のとおりです。

野内敦氏は、本公開買付けの成立及びその他一定の前提条件の充足を条件に、野内氏株式譲渡日において野内敦氏が所有するすべてのタイム・アンド・スペース株式を公開買付者に譲渡する旨を合意しております。野内氏株式譲渡契約上、タイム・アンド・スペース株式譲渡価額は、(ⅰ)タイム・アンド・スペース所有対象者株式に本公開買付価格を乗じた金額から、(ⅱ)本株式譲渡日におけるタイム・アンド・スペースの負債の簿価(約381百万円)及び本株式譲渡の実行後にタイム・アンド・スペースにて支払い予定の課税債務を控除した額とする旨が合意されております。なお、本書提出日現在、公開買付者と野内敦氏との間で、上記「② 野内氏応募契約」記載の野内氏応募契約及び野内氏株式譲渡契約以外に、本公開買付けに係る合意は存在せず、本公開買付けに応募することにより得られる金銭及び野内氏株式譲渡契約の譲渡対価以外に、本公開買付けに関して公開買付者から野内敦氏に対して利益が供与されるものではないことから、野内氏株式譲渡契約は、公開買付価格の均一性規制(法第27条の2第3項)の趣旨に抵触するものではないと考えております。

公開買付者の義務の履行は、本株式譲渡の実行日において、以下の各号に掲げる条件が全て成就していることを条件としております。なお、公開買付者は、以下の各号に掲げる条件のいずれについても、その裁量により条件不成就を主張する権利を放棄することができます。但し、かかる条件不成就を主張する権利の放棄によっても、野内敦氏に対する補償等の請求が妨げられるものではありません。

(ⅰ)本公開買付けが適法かつ有効に成立していることに加えて、(ⅱ)野内氏株式譲渡契約上の野内敦氏の表明及び保証(注1)が重要な点で真実かつ正確であること、(ⅲ)野内敦氏が野内氏株式譲渡契約上の義務(注2)を重要な点で履行又は遵守していること、(ⅳ)タイム・アンド・スペース株式の譲渡を承認する旨のタイム・アンド・スペースの株主総会決議が適法かつ有効に行われていること、(ⅴ)タイム・アンド・スペースの取締役である野内敦氏及び野内典子氏(以下「本辞任役員(タイム・アンド・スペース)」といいます。)が、野内氏株式譲渡日の実行日をもって辞任する旨の辞任届を提出していること、(ⅵ)野内氏応募契約に基づき、野内敦氏がその保有する対象者の株式全て(新株予約権を行使した分を含みます。)を本公開買付けに応募し、撤回していないこと、(ⅶ)本新設分割及び本現物配当(本新設分割の対価としてタイム・アンド・スペースが受領した新設分割設立会社の発行済株式の全てを剰余金の配当としてその時点におけるタイム・アンド・スペースの株主に分配することをいいます。)の手続が全て適法かつ有効に完了し、本新設分割に係る登記申請が行われ本新設分割の効力が適法かつ有効に生じていること、(ⅷ)タイム・アンド・スペースがタイム・アンド・スペース所有対象者株式の全てについて、本公開買付けに応募していないこと、(ⅸ)本株式譲渡日において、タイム・アンド・スペース吸収分割の効力が適法かつ有効に生じる見込みがあること及び(ⅹ)公開買付者が上記(ⅳ)に係る株主総会議事録の写し、上記(ⅶ)に係る新設分割計画書の写し、株主総会議事録の写し及び登記申請書類、上記(ⅸ)に係る株主総会議事録の写し、本辞任役員の辞任届(タイム・アンド・スペース)の写し並びにタイム・アンド・スペースによる野内敦氏に対する有利子負債に係る金銭債務確認書の各書類を受領していること

 

(注1) 野内敦氏は、野内敦氏に関する事項として①野内氏株式譲渡契約の締結及び履行に必要な権利能力、行為能力及び意思能力の存在、②野内氏株式譲渡契約の有効性、③野内氏株式譲渡契約の執行可能性、④野内氏株式譲渡契約の締結及び履行についての法令等との抵触の不存在、⑤倒産手続等の不存在、⑥反社会的勢力に該当しないこと及び反社会的勢力との関係の不存在、並びに⑦野内敦氏が所有するタイム・アンド・スペース株式に対する権利について表明及び保証を行っております。また、タイム・アンド・スペースに関する事項として⑧タイム・アンド・スペースの適法な設立及び権利能力、⑨野内氏株式譲渡契約の締結及び履行に必要な権限及び権能の存在、⑩野内氏株式譲渡契約の締結及び履行に必要な許認可等の取得、⑪野内氏株式譲渡契約の締結及び履行についての法令等との抵触の不存在、⑫倒産手続等の不存在、⑬タイム・アンド・スペースの発行する株式及び新株予約権の有効性等、⑭タイム・アンド・スペースが所有する対象者株式及び新株予約権に対する権利、⑮タイム・アンド・スペースの税務申告及び支払いの適正性、⑯タイム・アンド・スペースが反社会的勢力に該当しないこと及び反社会的勢力との関係の不存在、⑰タイム・アンド・スペースの財務諸表及び会計帳簿等の内容の適正性、⑱2025年1月1日以降の重要な変更の不存在⑲本新設分割の適法かつ有効な実行、⑳子会社・関連会社等の不存在、㉑タイム・アンド・スペース所有対象者株式を除いた資産の不存在、㉒タイム・アンド・スペースによる野内敦氏に対する有利子負債以外の債務の不存在、㉓タイム・アンド・スペースによる野内敦氏に対する有利子負債及び本辞任役員(タイム・アンド・スペース)に対する取締役の委任を除く契約等の不存在、㉔取得している許認可等の不存在、㉕法令等及び司法・行政機関等の判断等を遵守していること、㉖従業員の不存在、㉗タイム・アンド・スペースの役員及び従業員に関する福利厚生、退職金及び年金に係る制度の不存在㉘訴訟又はクレーム等の不存在、㉙関連当事者取引の不存在並びに、㉚開示情報の正確性、について表明及び保証しております。

(注2) 野内敦氏は、野内氏株式譲渡契約において、①タイム・アンド・スペース株式を公開買付者に対して譲り渡す義務のほか、②野内氏株式譲渡契約の締結日から本株式譲渡の実行日までの間、タイム・アンド・スペースをして、タイム・アンド・スペース所有対象者株式の保有を除く何らの事業をも行わせず、かつ、既存の資産及び負債を維持させる義務、③タイム・アンド・スペースをして、本新設分割を行わせる義務、④本公開買付けへ応募しないことに関する義務(注3)、⑤公開買付者とともにタイム・アンド・スペース吸収分割を行う義務、⑥本辞任役員(タイム・アンド・スペース)をして辞任する旨の辞任届を提出させる義務、⑦野内氏株式譲渡契約の締結日から本株式譲渡の実行日までの間、公開買付者に対して、タイム・アンド・スペースに係る情報への一定のアクセスを認める義務、⑧本株式譲渡の実行時までの表明保証違反、義務履行の前提条件が不充足及び野内敦氏の義務違反に関する事実が生じた場合通知する義務、⑨野内氏株式譲渡契約上の野内敦氏の義務又は野内敦氏の表明及び保証の違反に起因又は関連して公開買付者及びその関係者が被った損害等を補償する義務、及び⑩秘密保持義務その他の野内氏株式譲渡契約上の一般条項に基づく義務その他一定の義務を負っております。

(注3) 野内敦氏は、野内氏株式譲渡契約において、野内氏株式譲渡契約の締結日から本株式譲渡の実行日までの間、タイム・アンド・スペースをして、タイム・アンド・スペース所有対象者株式について、本公開買付けにおいてその全部又は一部を応募させないことを含め、譲渡、担保設定、賃借その他の処分(本公開買付け以外の公開買付けへの応募を含むがこれに限られません。)を行わせず、また、対象者株式又は対象者株式に係る権利の取得を行わせない旨を合意しております。

また、野内敦氏は、タイム・アンド・スペースをして、野内氏株式譲渡契約締結日以降、公開買付者以外の者との間で、直接又は間接に、抵触取引及びそれらに関する合意を行わず、かかる取引に関する第三者との合意、合意に向けた申込み、申込みの誘引、承諾、協議、交渉、勧誘又は情報提供を行わせない旨も規定しており、これらの規定に関わらず、第三者が対象者に対して、対抗公開買付けを実施する旨の法的拘束力のある提案を対象者に対して行い、対象者の特別委員会がかかる対抗公開買付けに賛同し、かつ、本公開買付けに係る賛同意見の撤回を行う旨の答申を行い、対象者の取締役会が特別委員会の当該答申を受けて、かかる対抗公開買付けに賛同する旨の意見表明を行い、かつ、本公開買付けに係る賛同意見の撤回を行った場合には、野内敦氏は、損害賠償、違約金その他名目を問わず何らの金銭の支払いをすることなく、またその他何らの義務、負担又は条件を課されることなく、タイム・アンド・スペースをして、当該対抗公開買付けへの応募をさせ、又は、当該対抗公開買付けに関連する合意をさせることができるものとする旨の合意をしております。また、野内敦氏は、野内氏株式譲渡契約締結日以降、自ら又はタイム・アンド・スペースをして、公開買付者以外の第三者から抵触取引に関する勧誘、提案、情報提供又は申込みを受けた場合には、直ちに公開買付者にその旨及びこれらの内容を通知し又は通知させ、かかる第三者への対応について公開買付者と誠実に協議し又は協議させる旨を合意しております。

 

野内敦氏の義務履行は、本株式譲渡の実行日において、以下の各号に掲げる条件が全て成就していることを条件としております。なお、野内敦氏は、以下の各号に掲げる条件のいずれについても、その裁量により条件不成就を主張する権利を放棄することができます。但し、かかる条件不成就を主張する権利の放棄によっても、公開買付者に対する補償等の請求が妨げられるものではありません。

 

(ⅰ)本公開買付けが成立していることに加えて、(ⅱ)野内氏株式譲渡契約上の公開買付者の表明及び保証(注4)が重要な点で真実かつ正確であること、(ⅲ)公開買付者が野内氏株式譲渡契約上の義務(注5)を全ての重要な点で履行又は遵守していること(ⅳ)本株式譲渡日において、タイム・アンド・スペース吸収分割の効力が適法かつ有効に生じる見込みがあること、及び(ⅴ)野内敦氏が、タイム・アンド・スペース吸収分割に係る公開買付者の取締役会の議事録の写しを受領していること

(注4) 公開買付者は、①設立及び存続の有効性、②野内氏株式譲渡契約の締結及び履行に必要な権限及び権能の存在、③野内氏株式譲渡契約の有効性及び強制執行可能性、④野内氏株式譲渡契約の締結及び履行についての法令等との抵触の不存在、⑤倒産手続等の不存在、⑥反社会的勢力に該当しないこと及び反社会的勢力との関係の不存在、並び⑦譲渡対価の支払を完了するに足る資金を調達していることついて表明及び保証しております。

(注5) 公開買付者は、野内氏株式譲渡契約に基づき、①タイム・アンド・スペース株式を譲り受ける義務のほか、②野内氏株式譲渡契約上の公開買付者の義務又は上記の注4に記載した公開買付者の表明及び保証の違反に起因又は関連して野内敦氏が被った損害等を補償する義務、及び③本株式譲渡の実行時までの公開買付者の表明保証違反、前提条件不充足及び公開買付者の義務違反に関する事実が生じた場合の通知義務、④野内氏株式譲渡契約上の公開買付者の義務又は公開買付者の表明及び保証の違反に起因又は関連して野内敦氏及びその関係者が被った損害等を補償する義務、及び⑤秘密保持義務その他の野内氏株式譲渡契約上の一般条項に基づく義務を負っております。なお、本株式譲渡日後の義務として(ⅰ)野内氏株式譲渡契約の本株式譲渡の実行が行われることを条件とし、自ら又はタイム・アンド・スペースをして、本株式譲渡の実行後実務上速やかに(遅くとも本株式譲渡日中に)、タイム・アンド・スペースによる野内敦氏に対する有利子負債を完済し又は完済させる義務、(ⅱ)本株式譲渡の実行日以降2025年12月末までの間、本新設分割、タイム・アンド・スペースの清算のために合理的に必要な行為及び野内敦氏が事前に書面により同意したものを除き、タイム・アンド・スペースをして、何らの事業も行わせない義務、(ⅲ)本株式譲渡の実行後実務上合理的に可能な範囲で速やかに、タイム・アンド・スペースをして、本辞任役員(タイム・アンド・スペース)の辞任に伴い必要となる登記手続の申請を行わせ、本辞任役員(タイム・アンド・スペース)に対して、本株式譲渡の実行以前のタイム・アンド・スペースの役員等としての一切の作為又は不作為に関する責任(会社法第423条第1項又は第429条第1項に定める損害賠償責任を含むが、これらに限られません。)を追及せず、また、タイム・アンド・スペースをして、当該責任を追及させない(但し、本辞任役員(タイム・アンド・スペース)の故意又は重過失による場合を除きます。)義務、④野内敦氏とともにタイム・アンド・スペース吸収分割を行う義務を負っています。

 

公開買付者は、野内氏株式譲渡契約上、本公開買付けに係る買付け等の期間の末日前(当該末日を含む)において、野内敦氏が野内氏株式譲渡契約に基づく表明及び保証若しくは義務に重要な点において違反した場合(但し、当該違反が実務上合理的な範囲で速やかに(但し、本公開買付けに係る買付け等の期間の末日前までに)治癒された場合、又は、野内敦氏がタイム・アンド・スペースをして対抗公開買付けへの応募をさせ若しくは対抗公開買付けに関連する合意をさせることができる場合を除きます。)で、かつ、公開買付者が野内氏株式譲渡契約に基づく表明及び保証若しくは義務に重要な点において違反していない場合、公開買付者は、野内敦氏に対し書面で通知をすることにより、野内敦氏に対しタイム・アンド・スペース株式の譲渡に代えて、(ⅰ)タイム・アンド・スペースをして対象者株式の全てを本公開買付けに応募させること(但し、タイム・アンド・スペース所有対象者株式及び野内氏株式譲渡契約に規定されるタイム・アンド・スペース所有対象者株式を除いて本公開買付けが成立する見込みが存在する場合に限る。)、又は、(ⅱ)本公開買付けの成立後、対象者が非公開化(株式の併合により対象者の株主を公開買付者又は公開買付者及びタイム・アンド・スペースのみとすることを含む。)するまでの間に開催される全ての対象者の株主総会について、野内敦氏は、タイム・アンド・スペースをして、当該株主総会におけるタイム・アンド・スペース所有対象者株式に係る議決権その他の一切の権利の行使について、公開買付者の選択に従い、(a)公開買付者若しくは公開買付者の指定する者に対して包括的な代理権を授与させるか、又は(b)公開買付者の指示に従って議決権を行使させるものとする。公開買付者が当該通知を行った場合、本株式譲渡の実行は行われない旨合意しております。

 

 

4 【買付け等の期間、買付け等の価格及び買付予定の株券等の数】

(1) 【買付け等の期間】

① 【届出当初の期間】

 

買付け等の期間

2025年9月12日(金曜日)から2025年10月28日(火曜日)まで(30営業日)

公告日

2025年9月12日(金曜日)

公告掲載新聞名

電子公告を行い、その旨を日本経済新聞に掲載します。

(電子公告アドレス https://disclosure2.edinet-fsa.go.jp/)

 

 

② 【対象者の請求に基づく延長の可能性の有無】

該当事項はありません。

 

③ 【期間延長の確認連絡先】

該当事項はありません。

 

(2) 【買付け等の価格】

 

株券

普通株式1株につき、金1,970円

新株予約権証券

第9回新株予約権1個につき、金79,100円

第10回新株予約権1個につき、金95,400円

新株予約権付社債券

株券等信託受益証券

(      )

株券等預託証券

(      )

算定の基礎

(1) 普通株式

公開買付者は、本公開買付価格を決定するにあたり、公開買付者、対象者、本応募合意株主及び本不応募合意株主から独立した第三者算定機関として、公開買付者のファイナンシャル・アドバイザーであるSMBC日興証券に対して、対象者株式の株式価値の算定を依頼いたしました。なお、SMBC日興証券は公開買付者、対象者、本応募合意株主及び本不応募合意株主の関連当事者には該当せず、本公開買付けに関して、重要な利害関係を有しておりません。また、本取引に係るSMBC日興証券に対する報酬には、本取引の成立等を条件とする成功報酬が含まれております。

なお、SMBC日興証券は、対象者に対して通常の銀行取引の一環として融資取引等を行っている株式会社三井住友銀行と同じ株式会社三井住友フィナンシャルグループの一員ですが、公開買付者は、SMBC日興証券の第三者算定機関としての実績に鑑み、かつ、SMBC日興証券によれば、弊害防止措置としてSMBC日興証券における対象者株式の株式価値の算定を実施する部署とその他の部署及び株式会社三井住友銀行との間で社内の規程に定める情報遮断措置が講じられていること、公開買付者とSMBC日興証券は一般取引先と同様の取引条件での取引を実施しているためファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関としての独立性が確保されていること、SMBC日興証券は、公開買付者及び対象者の関連当事者には該当せず、公開買付者がSMBC日興証券に対して対象者株式の株式価値の算定を依頼することに関し、特段の問題はないと考えられることを踏まえた上で、SMBC日興証券をファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関に選任しております。

 

 

 

SMBC日興証券は、複数の株式価値算定手法の中から対象者株式の株式価値の算定にあたり採用すべき算定手法を検討の上、対象者株式が東京証券取引所プライム市場に上場しており、市場株価が存在することから市場株価法及び将来の事業活動を評価に反映するためにDCF法の各手法を用いて対象者株式の株式価値の算定を行い、公開買付者はSMBC日興証券から2025年9月10日付で本株式価値算定書を取得いたしました。なお、公開買付者は本取引に際して実施されている他の本公開買付価格の公正性を担保するための措置並びに利益相反を回避するための措置を踏まえて、対象者の少数株主の利益に十分な配慮がなされていると考えていることから、SMBC日興証券から本公開買付価格の妥当性に関する意見(フェアネス・オピニオン)を取得しておりません。

SMBC日興証券による対象者株式の1株当たり株式価値の算定結果は以下のとおりです。

 

市場株価法    :1,400円~1,738円

DCF法     :1,732円~2,073円

 

市場株価法では、算定基準日を2025年9月10日として、東京証券取引所プライム市場における対象者株式の算定基準日(2025年9月10日)までの直近1ヶ月間の終値の単純平均値1,738円、直近3ヶ月間の終値の単純平均値1,414円及び直近6ヶ月間の終値の単純平均値1,400円を基に、対象者株式1株当たりの株式価値の範囲を1,400円から1,738円までと算定しております。

DCF法では、対象者から提供された2025年12月期から2029年12月期までの事業計画、2025年6月下旬から2025年7月下旬まで実施した対象者に対するデュー・ディリジェンスの結果、一般に公開された情報等の諸要素を前提として、公開買付者にて一部調整を加え、2025年12月期第2四半期以降に対象者が将来創出すると見込まれるフリー・キャッシュ・フローを一定の割引率で現在価値に割り引くことにより対象者の企業価値や株式価値を評価し、対象者株式1株当たりの株式価値の範囲を1,732円から2,073円までと算定しております。なお、DCF法において前提とした対象者の将来の財務予測においては、前年度比で大幅な増減益を見込んでいる事業年度が含まれております。具体的には、2026年12月期において、営業利益で対前年度比46.4%(小数点以下第二位を四捨五入。)減を見込んでおります。また、本取引の実行により実現することが期待されるシナジー効果については、現時点において収益に与える影響を具体的に見積もることが困難であるため、反映しておりません。

 

公開買付者は、SMBC日興証券から取得した本株式価値算定書の算定結果に加え、公開買付者において2025年6月下旬から2025年7月下旬まで実施した対象者に対するデュー・ディリジェンスの結果、対象者取締役会による本公開買付けへの賛同の可否、対象者株式の市場株価の動向及び本公開買付けに対する応募の見通し等を総合的に勘案し、対象者及び本応募合意株主との協議・交渉の結果も踏まえ、最終的に2025年9月11日開催の取締役会において、本公開買付価格を1株当たり1,970円とすることを決定いたしました。

 

本公開買付価格である1,970円は、本公開買付けの実施についての公表日の前営業日である2025年9月10日の対象者株式の東京証券取引所プライム市場における終値2,163円に対して8.92%のディスカウント、同日までの過去1ヶ月間の終値の単純平均値1,738円に対して13.35%、同日までの過去3ヶ月間の終値の単純平均値1,414円に対して39.32%、同日までの過去6ヶ月間の終値の単純平均値1,400円に対して40.71%のプレミアムをそれぞれ加えた価格となります。また、本公開買付価格である1,970円は、本書提出日の前営業日である2025年9月11日の対象者株式の東京証券取引所プライム市場における終値2,143円に対して8.07%のディスカウントを加えた価格となります。

 

(2) 本新株予約権

本新株予約権は、本書提出日現在において、各本新株予約権における対象者株式1株当たりの行使価額(第9回新株予約権:1,179円、第10回新株予約権:1,016円)がいずれも本公開買付価格(1,970円)を下回っており、かつ、権利行使期間が到来していることから、公開買付者は、本新株予約権買付価格については、本公開買付価格である1,970円と各本新株予約権の目的となる対象者株式の数を乗じた金額とすることを決定いたしました。

 

 

 

具体的には、第9回新株予約権買付価格については、対象者株式1株当たりの行使価額である1,179円との差額である791円に1個当たりの目的となる対象者株式の数100株を乗じた金額である79,100円、第10回新株予約権買付価格については、対象者株式1株当たりの行使価額である1,016円との差額である954円に1個当たりの目的となる対象者株式の数100株を乗じた金額である95,400円とそれぞれ決定いたしました。

なお、公開買付者は上記のとおり、本新株予約権買付価格を決定したことから、本新株予約権買付価格の決定に際し、第三者算定機関からの算定書や意見(フェアネス・オピニオン)等を取得しておりません。

算定の経緯

上記「3 買付け等の目的」の「(2) 本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程並びに本公開買付け後の経営方針」の「① 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」をご参照ください。

 

(a) 算定の際に意見を聴取した第三者の名称

公開買付者は、本公開買付価格を決定するにあたり、公開買付者、対象者、本応募合意株主及び本不応募合意株主から独立した第三者算定機関であるSMBC日興証券から提出された本株式価値算定書を参考にいたしました。なお、SMBC日興証券は公開買付者、対象者、本応募合意株主及び本不応募合意株主の関連当事者には該当せず、本公開買付けに関して、重要な利害関係を有しておりません。また、公開買付者は、本取引に際して実施されている他の本公開買付価格の公正性を担保するための措置並びに利益相反を回避するための措置を踏まえて、対象者の少数株主の利益に十分な配慮がなされていると考えていることから、SMBC日興証券から本公開買付価格の公正性に関する意見(フェアネス・オピニオン)を取得しておりません。

(b) 当該意見の概要

SMBC日興証券は、市場株価法及びDCF法の各手法を用いて対象者株式の株式価値の算定を行っており、各手法において算定された対象者株式1株当たりの株式価値の範囲は以下のとおりです。

 

市場株価法    :1,400円~1,738円

DCF法     :1,732円~2,073円

 

(c) 当該意見を踏まえて本公開買付価格及び本新株予約権買付価格を決定するに至った経緯

公開買付者は、SMBC日興証券から取得した本株式価値算定書の算定結果に加え、公開買付者において2025年6月下旬から2025年7月下旬まで実施した対象者に対するデュー・ディリジェンスの結果、対象者取締役会による本公開買付けへの賛同の可否、対象者株式の市場株価の動向及び本公開買付けに対する応募の見通し等を総合的に勘案し、対象者、本応募合意株主との協議・交渉の結果等も踏まえ、最終的に2025年9月11日開催の取締役会において、本公開買付価格を1株当たり1,970円、第9回新株予約権買付価格を79,100円及び第10回新株予約権買付価格を95,400円とすることを決定いたしました。

 

 

 

(3) 【買付予定の株券等の数】

 

株券等の種類

買付予定数

買付予定数の下限

買付予定数の上限

普通株式

13,754,907(株)

7,572,454(株)

-(株)

合計

13,754,907(株)

7,572,454(株)

-(株)

 

(注1) 応募株券等の総数が買付予定数の下限(7,572,454株)に満たない場合は、応募株券等の全部の買付け等を行いません。応募株券等の総数が買付予定数の下限(7,572,454株)以上の場合は、応募株券等の全部の買付け等を行います。

(注2) 本公開買付けにおいては、買付予定数の上限を設定しておりませんので、買付予定数は本公開買付けにより公開買付者が取得する対象者の株券等の最大数(13,754,907株)を記載しております。当該最大数は、潜在株式勘案後株式総数(18,675,907株)から本不応募合意株式数(4,921,000株)を控除した株式数です。

(注3) 単元未満株式についても、本公開買付けの対象としております。なお、会社法に従って株主による単元未満株式買取請求権が行使された場合には、対象者は法令の手続に従い公開買付期間中に自己の株式を買取ることがあります。

(注4) 本公開買付けを通じて、対象者が所有する自己株式を取得する予定はありません。なお、2025年6月30日現在、対象者は自己株式を所有しておりません。

(注5) 公開買付期間の末日までに本新株予約権が行使される可能性がありますが、当該行使により発行又は移転される対象者株式も本公開買付けの対象としております。

 

 

5 【買付け等を行った後における株券等所有割合】

 

区分

議決権の数

買付予定の株券等に係る議決権の数(個)(a)

137,549

aのうち潜在株券等に係る議決権の数(個)(b)

12,160

bのうち株券の権利を表示する株券等信託受益証券及び株券等預託証券に係る議決権の数
(個)(c)

公開買付者の所有株券等に係る議決権の数(2025年9月12日現在)(個)(d)

dのうち潜在株券等に係る議決権の数(個)(e)

eのうち株券の権利を表示する株券等信託受益証券及び株券等預託証券に係る議決権の数
(個)(f)

特別関係者の所有株券等に係る議決権の数(2025年9月12日現在)(個)(g)

gのうち潜在株券等に係る議決権の数(個)(h)

hのうち株券の権利を表示する株券等信託受益証券及び株券等預託証券に係る議決権の数
(個)(i)

対象者の総株主等の議決権の数(2025年6月30日現在)(個)(j)

174,460

買付予定の株券等に係る議決権の数の総株主等の議決権の数に占める割合
(a/j)(%)

73.65

買付け等を行った後における株券等所有割合
((a+d+g)/(j+(b-c)+(e-f)+(h-i))×100)(%)

73.65

 

(注1) 「買付予定の株券等に係る議決権の数(個)(a)」は、本公開買付けにおける買付予定数(13,754,907株)に係る議決権の数です。

(注2) 「特別関係者の所有株券等に係る議決権の数(2025年9月12日現在)(個)(g)」は、各特別関係者(但し、特別関係者のうち法第27条の2第1項各号における株券等所有割合の計算において府令第3条第2項第1号に基づき特別関係者から除外される者を除きます。)が所有する株券等に係る議決権の数の合計を記載しております。なお、公開買付者は、本書提出後に特別関係者の所有する対象者の株券等を確認の上、本書の訂正が必要な場合には、本書に係る訂正届出書を提出する予定です。

(注3) 「対象者の総株主等の議決権の数(2025年6月30日現在)(個)(j)」は、対象者半期報告書に記載された総株主等の議決権の数です。但し、本公開買付けにおいては単元未満株式及び本新株予約権についても買付け等の対象としているため、「買付予定の株券等に係る議決権の数の総株主等の議決権の数に占める割合」及び「買付け等を行った後における株券等所有割合」の計算においては、潜在株式勘案後株式総数(18,675,907株)に係る議決権の数(186,759個)を分母として計算しております。

(注4) 「買付予定の株券等に係る議決権の数の総株主等の議決権の数に占める割合」及び「買付け等を行った後における株券等所有割合」については、小数点以下第三位を四捨五入しております。

 

 

6 【株券等の取得に関する許可等】

(1) 【株券等の種類】

普通株式

 

(2) 【根拠法令】

① 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律

公開買付者は、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(昭和22年法律第54号。その後の改正を含みます。以下「独占禁止法」といいます。)第10条第2項に基づき、公正取引委員会に対し、本公開買付けによる対象者株式の取得(以下「本株式取得」といいます。)の前に、本株式取得に関する事前届出を行わなければならず、同条第8項により事前届出受理の日から原則として30日(短縮される場合もあります。)を経過するまでは対象者株式を取得することができません(以下、株式の取得が禁止される当該期間を「取得禁止期間」といいます。)。

また、独占禁止法第10条第1項は、一定の取引分野における競争を実質的に制限することとなる他の会社の株式の取得行為を禁止しており、公正取引委員会はこれに違反する行為を排除するために必要な措置を命ずることができます(同法第17条の2第1項。以下「排除措置命令」といいます。)。上記の事前届出が行われた場合で、公正取引委員会が排除措置命令を発令するときは、公正取引委員会は、当該排除措置命令の名宛人となるべき者について意見聴取を行わなければならず(同法第49条)、意見聴取を行うにあたっては、予定する排除措置命令の内容等を名宛人に通知しなければなりませんが(同法第50条第1項。以下「排除措置命令の事前通知」といいます。)、株式取得に関する排除措置命令の事前通知は、一定の期間(上記事前届出が受理された日から原則30日間ですが、延長又は短縮される場合もあります。以下「措置期間」といいます。)内に行うこととされています(同法第10条第9項)。なお、公正取引委員会は、排除措置命令の事前通知をしないこととした場合、その旨の通知(以下「排除措置命令を行わない旨の通知」といいます。)をするものとされております(私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律第9条から第16条までの規定による認可の申請、報告及び届出等に関する規則(昭和28年公正取引委員会規則第1号)第9条)。

本株式取得についての事前届出は、2025年8月8日付で公正取引委員会に対して提出され、同日付で受理されております。そして、公開買付者は、公正取引委員会より2025年9月1日付「排除措置命令を行わない旨の通知書」を同日に受領したため、措置期間は同日をもって終了しております。また、公開買付者は、公正取引委員会から取得禁止期間を30日間から24日間に短縮する旨の2025年9月1日付「禁止期間の短縮の通知書」を同日に受領したため、2025年9月1日の経過をもって取得禁止期間は終了しております。

 

(3) 【許可等の日付及び番号】

許可等の日付  2025年9月1日(排除措置命令を行わない旨の通知を受けたことによる)

許可等の番号  公経企第1017号(排除措置命令を行わない旨の通知書の番号)

許可等の日付  2025年9月1日(禁止期間の短縮の通知を受けたことによる)

許可等の番号  公経企第1018号(禁止期間の短縮の通知書の番号)

 

 

7 【応募及び契約の解除の方法】

(1) 【応募の方法】

① 公開買付代理人

SMBC日興証券株式会社  東京都千代田区丸の内三丁目3番1号

 

② 本公開買付けに係る株券等の買付け等の申込みに対する承諾又は売付け等の申込みをされる方(株主及び本新株予約権者をいい、以下「応募株主等」といいます。)は、公開買付代理人の本店又は国内各営業店において、所定の「公開買付応募申込書」に所要事項を記載する等の方法により、公開買付期間の末日の15時30分までに応募してください(但し、各営業店によって営業時間又は有価証券お取扱い時間が異なります。事前にご利用になられる営業店の営業時間等をご確認の上、お手続ください。)。

オンライントレード(https://trade.smbcnikko.co.jp/)(以下「日興イージートレード」といいます。)による応募株主等は、日興イージートレードログイン後、画面より「日興イージートレード 公開買付け取引規程」を確認の上所要事項を入力し、公開買付期間の末日の15時30分までに応募してください。なお、日興イージートレードによる応募の受付には、応募株主等が公開買付代理人に開設した応募株主等名義の口座(以下「応募株主口座」といいます。)における日興イージートレードのご利用申込みが必要です。

 

③ 株式の応募に際しては、応募株主口座に応募株券等が記録されている必要があります。

 

④ 本新株予約権の応募に際しては、本新株予約権には譲渡制限が付されておりますので、本新株予約権者の請求により対象者によって発行される「新株予約権譲渡承認請求書兼譲渡承認通知書」及び本公開買付けの成立を条件とする新株予約権原簿の名義書換の請求に必要な「新株予約権原簿名義書換請求書」をご提出ください。また、本新株予約権者であることの確認書類として、本新株予約権者の請求により対象者により発行される「新株予約権原簿記載事項証明書」をご提出ください。「新株予約権譲渡承認請求書兼譲渡承認通知書」等の具体的な発行手続につきましては、対象者までお問い合わせください。なお、日興イージートレードにおいては、本新株予約権の応募の受付を行いません。

 

⑤ 本公開買付けにおいては、公開買付代理人以外の金融商品取引業者等を通じた応募の受付は行われません。

 

⑥ 公開買付代理人に口座を開設していない場合には、新規に口座を開設していただく必要があります(注1)。口座を開設される場合には、本人確認書類の提出及び個人番号(マイナンバー)又は法人番号の告知(注2)を行っていただく必要があります。

 

⑦ 外国の居住者である株主等(法人株主等を含みます。以下「外国人株主等」といいます。)の場合、日本国内の常任代理人(以下「常任代理人」といいます。)を通じて応募してください。また、本人確認書類(注2)をご提出いただく必要があります。なお、日興イージートレードにおいては、外国人株主等からの応募の受付を行いません。

 

⑧ 日本の居住者である個人株主の場合、買付けられた株券等に係る売却代金と取得費等との差額は、原則として株式等の譲渡所得等に関する申告分離課税(注3)の適用対象となります。

 

 

⑨ 公開買付代理人以外の金融商品取引業者等に開設された口座に記録されている株券等(対象者の特別口座の口座管理機関である株式会社アイ・アール・ジャパンに開設された特別口座に記録されている株券等を含みます。)については、当該応募株券等につき公開買付代理人の応募株主口座への振替手続を行う必要があります。公開買付代理人が、当該応募株券等につき、公開買付代理人の応募株主口座への振替手続が完了して公開買付代理人の応募株主口座に記録されていることを確認してからの受付となります。なお、振替手続には一定の日数を要する場合がありますのでご注意ください。また、一度特別口座から応募株主口座へ振替られた応募株券等については再度特別口座へ記録することはできません。

 

⑩ 公開買付期間の末日までに、本新株予約権の行使により交付される対象者株式も本公開買付けの対象とします。

 

(注1) 口座開設に際し、個人株主は原則としてご印鑑が不要です。未成年、成年後見人制度をご利用の個人株主や、法人株主等が口座を開設される場合はご印鑑が必要です。また、既に開設されている応募株主口座のご登録内容の変更をされる場合等には、ご印鑑が必要となる場合があります。

 

(注2) 本人確認書類の提出及び個人番号(マイナンバー)又は法人番号の告知について

公開買付代理人に新規に口座を開設して応募される場合、又は外国人株主等が新規に口座を開設し常任代理人を通じて応募される場合には、次の本人確認書類及び番号確認書類等が必要になります。有効期限の定めのあるものはその期限内のものを、定めのないもの(通知カードは除く。)は6ヶ月以内に作成されたものをご用意ください。本人確認書類及び番号確認書類等の詳細につきましては、公開買付代理人にお尋ねください。

 

<個人>

A.番号確認書類

(いずれか1点)

個人番号カード(両面)(※1)

通知カード

住民票の写し(個人番号あり)(※2)

B.本人確認書類

(写真あり1点又は写真なし2点)

写真あり

運転免許証(運転経歴証明書)(※3)

在留カード

特別永住者証明書

パスポート(※4)

各種福祉手帳

写真なし

各種健康保険証(2025年12月2日以降使用できません)(※3)

国民年金手帳

印鑑証明書

住民票の写し(※2)

 

 

 

<法人>

A.本人確認書類

(いずれか1点)

履歴事項全部証明書

現在事項全部証明書

B.番号確認書類

(いずれか1点)

法人番号指定通知書

法人番号情報(※5)

C.口座開設取引担当者(代表者等)個人の本人確認書類

(いずれか1点)

運転免許証(※3)

個人番号カード(表)

各種健康保険証(2025年12月2日以降使用できません)(※3)

パスポート(※6)

 

(※1) 番号確認書類として個人番号カードをご用意いただく場合、別途本人確認書類のご用意は不要です。

(※2) 発行者の印、発行日が記載されているページまで必要となります。

(※3) 裏面に住所が記載されている場合は、裏面まで必要となります。

(※4) 住所、氏名、生年月日の確認ができる各ページが必要となります。なお、2020年2月4日以降発行のパスポートはご住所欄が無いため、ご利用できません。

(※5) 法人番号情報は、国税庁HPの「法人番号公表サイト」より法人番号が表示される画面を印刷してください。

(※6) 2020年2月4日以降発行のパスポートはご住所欄が無いため、別途、現住所が記載されている「本人確認書類1点」又は「納税証明書等の補完書類1点」の写しをご提出いただく必要があります。

 

<外国人株主等>

常任代理人に係る上記書類に加えて、常任代理人との間の委任契約に係る委任状又は契約書(当該外国人株主等の氏名又は名称、代表者の氏名及び国外の所在地の記載のあるものに限ります。)の写し、並びに常任代理人が金融機関以外の場合には日本国政府が承認した外国政府又は権限ある国際機関の発行した書類その他これに類するもので、居住者の本人確認書類に準じるもの

 

(注3) 株式等の譲渡所得等に関する申告分離課税について(日本の居住者である個人株主の場合)

個人株主の方につきましては、株式等の譲渡所得は原則として申告分離課税の適用対象となります。税務上の具体的なご質問等は税理士等の専門家に各自ご相談いただき、ご自身でご判断いただきますようお願い申し上げます。

 

(2) 【契約の解除の方法】

応募株主等は、公開買付期間中、いつでも本公開買付けに係る契約を解除することができます。

契約の解除をする場合は、公開買付期間の末日の15時30分までに、下記に指定する者に本公開買付けに係る契約の解除を行う旨の書面(以下「解除書面」といいます。)を交付又は送付する等の方法によりお手続ください(但し、各営業店によって営業時間又は有価証券お取扱い時間が異なります。事前にご利用になられる営業店の営業時間等をご確認の上、お手続ください。)。但し、送付の場合は、解除書面が公開買付期間の末日の15時30分までに、下記に指定する者に到達することを条件とします(但し、各営業店によって営業時間又は有価証券お取扱い時間が異なります。事前にご利用になられる営業店の営業時間等をご確認の上、お手続ください。)。

なお、日興イージートレードにおいて応募された契約の解除は、日興イージートレードログイン後、画面に記載される方法に従い、公開買付期間の末日の15時30分までに解除手続を行ってください。

 

解除書面を受領する権限を有する者

SMBC日興証券株式会社  東京都千代田区丸の内三丁目3番1号

(その他のSMBC日興証券株式会社国内各営業店)

 

 

(3) 【株券等の返還方法】

応募株主等が上記「(2) 契約の解除の方法」に記載の方法により本公開買付けに係る契約の解除をした場合には、解除手続終了後速やかに、下記「10 決済の方法」の「(4) 株券等の返還方法」に記載の方法により応募株券等を返還します。

 

(4) 【株券等の保管及び返還を行う金融商品取引業者・銀行等の名称及び本店の所在地】

SMBC日興証券株式会社  東京都千代田区丸の内三丁目3番1号

 

8 【買付け等に要する資金】

(1) 【買付け等に要する資金等】

 

買付代金(円)(a)

27,097,166,790

金銭以外の対価の種類

金銭以外の対価の総額

買付手数料(円)(b)

120,000,000

その他(円)(c)

14,500,000

合計(円)(a)+(b)+(c)

27,231,666,790

 

(注1) 「買付代金(円)(a)」欄は、本公開買付けにおける買付予定数(13,754,907株)に、本公開買付価格(1,970円)を乗じた金額です。

(注2) 「買付手数料(円)(b)」欄は、公開買付代理人に支払う手数料の見積額です。

(注3) 「その他(円)(c)」欄は、本公開買付けに関する公開買付開始公告についてのお知らせ掲載費及び公開買付説明書その他必要書類の印刷費等の諸費用につき、その見積額です。

(注4) 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

(注5) その他公開買付代理人に支払われる諸経費及び弁護士報酬等がありますが、その額は本公開買付け終了後まで未定です。

 

(2) 【買付け等に要する資金に充当しうる預金又は借入金等】

① 【届出日の前々日又は前日現在の預金】

 

種類

金額(千円)

当座預金

42,985,185

計(a)

42,985,185

 

 

② 【届出日前の借入金】

イ 【金融機関】

 

 

借入先の業種

借入先の名称等

借入契約の内容

金額(千円)

 

 

 

ロ 【金融機関以外】

 

借入先の業種

借入先の名称等

借入契約の内容

金額(千円)

 

 

③ 【届出日以後に借入れを予定している資金】

イ 【金融機関】

 

 

借入先の業種

借入先の名称等

借入契約の内容

金額(千円)

計(b)

 

 

ロ 【金融機関以外】

 

借入先の業種

借入先の名称等

借入契約の内容

金額(千円)

計(c)

 

 

④ 【その他資金調達方法】

 

内容

金額(千円)

計(d)

 

 

⑤ 【買付け等に要する資金に充当しうる預金又は借入金等の合計】

42,985,185千円((a)+(b)+(c)+(d))

 

(3) 【買付け等の対価とする有価証券の発行者と公開買付者との関係等】

該当事項はありません。

 

9 【買付け等の対価とする有価証券の発行者の状況】

該当事項はありません。

 

 

10 【決済の方法】

(1) 【買付け等の決済をする金融商品取引業者・銀行等の名称及び本店の所在地】

SMBC日興証券株式会社  東京都千代田区丸の内三丁目3番1号

 

(2) 【決済の開始日】

2025年11月5日(水曜日)

 

(3) 【決済の方法】

公開買付期間終了後遅滞なく、本公開買付けによる買付け等の通知書を応募株主等(外国人株主等の場合にはその常任代理人)の住所又は所在地宛に郵送します。なお、日興イージートレードからの応募については、電磁的方法により交付します。

買付けは、現金にて行います。買付けられた株券等に係る売却代金は、応募株主等(外国人株主等の場合にはその常任代理人)の指示により、決済の開始日以後遅滞なく、公開買付代理人から応募株主等(外国人株主等の場合にはその常任代理人)の指定した場所へ送金します。

 

(4) 【株券等の返還方法】

下記「11 その他買付け等の条件及び方法」の「(1) 法第27条の13第4項各号に掲げる条件の有無及び内容」又は「(2) 公開買付けの撤回等の条件の有無、その内容及び撤回等の開示の方法」に記載の条件に基づき応募株券等の全部を買付けないこととなった場合には、公開買付代理人は、返還することが必要な株券等を、公開買付期間の末日の翌々営業日(本公開買付けの撤回等を行った場合は撤回等を行った日)に、公開買付代理人の応募株主口座上で、応募が行われた時の状態(応募が行われた時の状態とは、本公開買付けへの応募注文の執行が解除された状態を意味します。)に戻します。本新株予約権については、応募に際して提出された、上記の「7 応募及び契約の解除の方法」の「(1) 応募の方法」④に記載した書類を応募株主等(外国の居住者である本新株予約権者の場合はその常任代理人)に対して郵送又は交付します。

 

11 【その他買付け等の条件及び方法】

(1) 【法第27条の13第4項各号に掲げる条件の有無及び内容】

応募株券等の総数が買付予定数の下限(7,572,454株)に満たない場合は、応募株券等の全部の買付け等を行いません。応募株券等の総数が買付予定数の下限(7,572,454株)以上の場合には、応募株券等の全部の買付け等を行います。

 

(2) 【公開買付けの撤回等の条件の有無、その内容及び撤回等の開示の方法】

令第14条第1項第1号イ乃至ヌ及びワ乃至ツ、第3号イ乃至チ及びヌ並びに同条第2項第3号乃至第6号に定める事項のいずれかが生じた場合は、本公開買付けの撤回等を行うことがあります。

なお、令第14条第1項第3号ヌに定める「イからリまでに掲げる事実に準ずる事実」とは、①対象者が過去に提出した法定開示書類について、重要な事項につき虚偽の記載があり、又は記載すべき重要な事項の記載が欠けていることが判明した場合、②対象者の重要な子会社に同号イからトまでに掲げる事実が発生した場合をいいます。

撤回等を行おうとする場合は、電子公告を行い、その旨を日本経済新聞に掲載します。但し、公開買付期間の末日までに公告を行うことが困難な場合は、府令第20条に規定する方法により公表し、その後直ちに公告を行います。

 

 

(3) 【買付け等の価格の引下げの条件の有無、その内容及び引下げの開示の方法】

法第27条の6第1項第1号の規定により、対象者が公開買付期間中に令第13条第1項に定める行為を行った場合は、府令第19条第1項の規定に定める基準に従い、買付け等の価格の引下げを行うことがあります。

買付け等の価格の引下げを行おうとする場合は、電子公告を行い、その旨を日本経済新聞に掲載します。但し、公開買付期間の末日までに公告を行うことが困難な場合は、府令第20条に規定する方法により公表し、その後直ちに公告を行います。

買付け等の価格の引下げがなされた場合、当該公告が行われた日以前の応募株券等についても、引下げ後の買付け等の価格により買付け等を行います。

 

(4) 【応募株主等の契約の解除権についての事項】

応募株主等は、公開買付期間中、いつでも本公開買付けに係る契約を解除することができます。解除の方法については、上記「7 応募及び契約の解除の方法」の「(2) 契約の解除の方法」に記載の方法によるものとします。

なお、公開買付者は、応募株主等による契約の解除に伴う損害賠償又は違約金の支払いを応募株主等に請求することはありません。また、応募株券等の返還に要する費用も公開買付者の負担とします。解除を申し出られた場合には、応募株券等は当該解除の申出に係る手続終了後速やかに上記「10 決済の方法」の「(4) 株券等の返還方法」に記載の方法により返還します。

 

(5) 【買付条件等の変更をした場合の開示の方法】

公開買付者は、公開買付期間中、法第27条の6第1項及び令第13条により禁止される場合を除き、買付条件等の変更を行うことがあります。

買付条件等の変更を行おうとする場合は、その変更等の内容につき電子公告を行い、その旨を日本経済新聞に掲載します。但し、公開買付期間の末日までに公告を行うことが困難な場合は、府令第20条に規定する方法により公表し、その後直ちに公告を行います。

買付条件等の変更がなされた場合、当該公告が行われた日以前の応募株券等についても、変更後の買付条件等により買付け等を行います。

 

(6) 【訂正届出書を提出した場合の開示の方法】

訂正届出書を関東財務局長に提出した場合(但し、法第27条の8第11項但書に規定する場合を除きます。)は、直ちに、訂正届出書に記載した内容のうち、公開買付開始公告に記載した内容に係るものを、府令第20条に規定する方法により公表します。また、直ちに公開買付説明書を訂正し、かつ、既に公開買付説明書を交付している応募株主等に対しては、訂正した公開買付説明書を交付して訂正します。但し、訂正の範囲が小範囲に止まる場合には、訂正の理由、訂正した事項及び訂正後の内容を記載した書面を作成し、その書面を応募株主等に交付することにより訂正します。

 

(7) 【公開買付けの結果の開示の方法】

本公開買付けの結果については、公開買付期間の末日の翌日に、令第9条の4及び府令第30条の2に規定する方法により公表します。