第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものです。

 

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループは、「世界中の人々のために、不可能を可能に。」をミッションと定め、イノベーションによって人々の課題を解決し、より良い社会の実現に貢献することを経営の基本方針としています。

 

(2) 目標とする経営指標

当社グループは、継続的なキャッシュ・フローの創出のため、EBITDA及びROICを経営指標としています。このキャッシュ・フローは、当社グループ成長のための源泉(Driving Force)である「人材」「研究開発」「イノベーションを生み出す企業カルチャー」への投資、及び株主・ステークホルダーへの還元の原資とし、これらの活動を通じて経営の基本方針の実現を目指します。

 

(3) 経営戦略

当社グループは、上述のミッションを実現するための経営戦略として、①人材の採用・育成、②研究開発への継続的な投資、③イノベーションを生み出す企業カルチャーの醸成に注力してまいります。

 

① 人材の採用・育成

少子化高齢化により国内の労働人口が減少する中、優秀な人材の採用競争が激化しています。このような中、当社グループは、キャリア採用及び新規学卒者採用はもとより、グローバル人材採用を強化する等、幅広い人材の確保に取り組んでいます。また、障がい者雇用の拡大にも取り組み、多様かつ包摂的な職場環境の実現に取り組んでまいります。

さらに当社グループは、従業員がその能力を存分に発揮できる環境を整えるとともに、一人ひとりの考え・個性を尊重し、お互いを高め合いながらチームとしてパフォーマンスを最大化させるための人事制度を導入しております。今後も人材育成への投資を強化し、従業員の成長を支援してまいります。

 

② 研究開発への継続的な投資

デジタルトランスフォーメーション(DX)(*6)への投資が加速する中、当社グループが属するIT業界においては、各企業におけるクラウド環境への移行、業務プロセスの効率化や自動化への取り組み等、DXを推進する製品・サービスの提供が必要とされています。

当社グループは、このような環境下で、引き続き競争力のある製品・サービスを生み出していくには、研究開発への継続的な投資が課題であると考えております。クラウド関連等を中心に研究開発を継続し、既存及び新規の製品・サービスの強化を行ってまいります。

 

③ イノベーションを生み出す企業カルチャーの醸成

 当社グループは、「人がやらないことをやる」という既成概念への挑戦が創業以来のカルチャーであり、イノベーションを生み出す源泉となると考えております。

このため、当社グループの行動規範である「SIOS Values 2.0」の実践を励行し、リモートワークへの取り組みをはじめ、多様な働き方が選択できる制度の充実、グループ内SNS等によるコミュニケーションの活性化、社外の技術コミュニティーとの積極的な交流等を実施しております。また、「SIOS Sustainability Project」という社会貢献活動を通じて、持続可能な社会の実現の一助となることを目指しております。これらの取り組みを通じて、イノベーションを生み出す企業カルチャーの醸成に努めてまいります。

 

(*6)デジタルトランスフォーメーション(DX)

企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。

 

 

(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

経営の基本方針の実現に向けて、当社グループの対処すべき課題は、以下の通りと認識しております。

 

・前述の通り、DXへの投資が加速する中、引き続き競争力のある製品・サービスを生み出していくには、研究開発への継続的な投資が課題であると考えております。
特にクラウド関連等の研究開発を継続するとともに、既存及び新規の製品・サービス、マーケティングのさらなる強化を通じて、ユーザーの期待に応える新製品・サービスを提供してまいります。

 

当社グループが今後成長していくための競争力の維持、強化には、次世代を見据えた新しい技術開発が必要であり、それを実現するための優秀な人材の確保と育成が重要な課題であると考えております。
IT技術者をはじめとする多様な「人材」を成長のための源泉と位置付け、積極的な採用活動を行っていくとともに、高いモチベーションを持って働ける環境を整備することで、競争力の維持、強化に努めてまいります。

 

当社グループでは、上記ミッションを踏まえて、自らの事業活動の環境や社会への影響、ステークホルダーの期待や社会要請に鑑み、「サステナビリティ重点課題」を設定し、各課題への取り組みを推進しています。
また、現在設定している課題は、「社会の課題を見据えたサービスの開発」「地球環境に配慮した活動」「ライフスタイルの多様化への配慮」です。
これらの課題に対して、当社はグループ会社の製品・サービスの提供等を通じて、各課題の解決に努めてまいります。

 

 

2 【事業等のリスク】

以下において、当社グループの事業展開上のリスクについて投資家の判断に重要な影響を及ぼすと考えられる主な事項を記載しています。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項についても、投資判断上あるいは当社グループの事業活動を理解する上で重要であると考えられる事項については、投資家に対する積極的な情報開示の観点から記載しています。

当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存ですが、当社株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項目以外の記載内容も併せて、慎重に検討した上で行われる必要があると考えています。なお、以下の記載は当社株式への投資に関連するリスクを全て網羅するものではありませんので、ご留意下さい。

また、ここで記載する各リスクが顕在化する可能性の程度や時期、各リスクが顕在化した場合に当社グループの財政状態、経営成績等に与える影響については、合理的に算出することができないため、記載しておりません。

 

① ソフトウェアの知的財産権について

一部の企業では、一般に公開されているフリーソフトウェア及びOSSが、当該企業の保有する著作権や特許等の知的財産権を侵害していることを主張しています。

当社グループは、このような訴訟行為を取っている企業の動向を注視してまいりますが、万が一、そのような主張が認められる事態になった場合は、当社グループのOSS関連ビジネスの見直しを余儀なくされ、当社グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

また、当社グループは、当社にて開発したソフトウェアの販売を行っており、これまで著作権や特許権等の知的財産権に関して損害賠償や使用差止等の請求を受けたことはありませんが、当社グループの事業分野における著作権や特許権等の知的財産権の現況を完全に把握することは困難であり、当社グループが把握できないところで他者が持つ著作権や特許権等の知的財産権を侵害しているリスクがあります。今後、当社グループの事業分野における第三者の知的財産権が新たに成立する可能性もあります。これらにより、損害賠償又は使用差止等の請求を受ける可能性があり、その場合当社グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 競合について

IT産業は、厳しい競合状況にあり、大小のシステムインテグレーター、コンピュータメーカー、ソフトウェア・ベンダーが、各々の得意な業務分野、技術領域及び経験や実績のある産業分野を中心に事業活動を展開しています。

当社グループは、開発体制や営業体制等の更なる強化に努める方針ですが、既存の競合企業との競争及び競争力のある新規企業の参入等により、当社グループの優位性が薄れた場合には、当社グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 新規事業について

当社グループは、世界的な情報技術産業を舞台として事業を展開しています。当該市場では、日々新技術が誕生しており、この環境下で当社グループの事業を継続し続けるためには、新たな市場のニーズに対応した事業の創出や子会社、関連会社の設立、並びに新製品・サービスの開発を積極的に展開する必要があります。しかしながら、社内外の事業環境の変化等によって、これらを計画通り進められない場合には、計画の見直し(開発計画の変更や、マーケティング計画の変更等)を行う可能性があります。また、事業計画上の採算が取れないと判断した場合には、これらを中断する可能性もあります。

当社グループが新たな事業の創出や、新製品・サービスを開発するためには、投資が先行する場合があります。万が一、先行投資資金が確保できない場合には、これらを計画通りに遂行できない可能性があり、当社グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 為替相場の変動について

当社グループの一部製品・商品において、外貨建による売上、仕入を行っていること、また、連結財務諸表において海外子会社の収益や資産を円換算していることに伴い、為替相場の変動が当社グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。なお、当社は当該リスクを回避するために有効な方策を採っていますが、予想以上の為替変動等により、当該リスクを回避することができなかった場合には、当社グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

⑤ 当社グループの事業体制について

1) 人材の確保について

当社グループが今後成長していくためには、オープンシステム基盤事業、アプリケーション事業において、次世代を見据えた新しい技術開発が必要であり、優秀な人材の確保と育成が重要な課題と認識しています。これまで、当社グループでは、人材の確保を最優先し、常に適正な人員構成を保つことに努めてまいりました。

しかしながら、万が一、人材採用及び育成が計画通り遂行できない場合には、当社の事業体制が脆弱になり、当社グループの事業戦略及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

2) 特定人物への依存について

当社グループの事業の推進者は、代表取締役社長である喜多伸夫です。当社グループの経営方針及び経営戦略全般の決定等における同氏の役割は大きく、当社グループは同氏に対する依存度が高いと認識しています。

現在、事業規模の拡大に伴い、当社グループは経営組織内の権限委譲や人員を拡充し、経営組織の強化を推進する一方、事業分野の拡大に応じて諸分野の専門家、経験者を入社させ、組織力の向上に努めています。また、日常の業務執行面では執行役員等で構成される「執行役員会」を設置するなど、日常業務における審議機能を持たせることで同氏個人の能力に過度に依存しない体制を構築しています。

今後も、同氏に過度に依存しない経営体制の構築を進めるべく優秀な人材を確保し、役職員の質的レベルの向上に注力していく方針です。しかし、計画どおりの体制構築及び人材強化が達成される前に、同氏が何らかの理由で当社グループの経営に携わることが困難となった場合、当社グループの事業戦略及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥ 企業買収、戦略的提携について

当社グループは、事業拡大の過程において、企業買収、戦略的提携等により他社への出資を行っていく可能性があります。このような意思決定の際には、対象企業の事業内容や契約関係、財務内容等について、詳細なデューデリジェンスを行ってリスクを回避するよう十分検討を行いますが、企業買収や戦略的提携後に偶発債務・未認識債務等の発生や予想外の業績悪化、施策が予定どおり成果をあげることができなかったなどの場合には、当社グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑦ 大規模災害、パンデミック等について

当社グループでは、災害等に備え、定期的に設備等の点検や防災訓練を行っておりますが、当社グループ所在地近辺において、大規模な天災や人災が発生した場合、人的・物的損害等により事業継続に支障をきたす事象が発生し、当社グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

また、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関し、当社グループでは感染防止と事業継続の体制維持のため、従業員については原則、在宅勤務とし、在宅勤務が困難な一部業務のみ、感染症対策に充分配慮した勤務を限定的に実施する等の対策を講じております。しかし、さらなる感染拡大によって事業継続に支障をきたす事象が発生した場合には、当社グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑧ システムリスクについて

当社グループの事業はコンピュータシステム、クラウドサービスや通信ネットワークに依存しております。そのため、システム障害の発生やサイバー攻撃によるシステムダウン等を回避すべく、システムの稼働状況の監視、システムの二重化、バックアップ、各種セキュリティ対策等により未然防止策を実施しております。しかし、このような対応にもかかわらず、大規模なシステム障害の発生、サイバー攻撃、不正アクセス、コンピュータウィルスの侵入等により、コンピュータシステムの停止、重要データの流出・破壊・改ざん等が生じた場合には、当社グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑨ システム開発・構築支援事業について

当社グループにおけるシステム開発・構築支援事業では、案件を受注する前に徹底的な審査を行っております。しかし、受注後にプロジェクトの進行が遅延した場合は、コストの増加・機会費用の発生・遅延損害金の発生等により、当社グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑩ 金融機関向け経営支援システム販売事業について

当社グループにおける金融機関向け経営支援システム販売事業は、大型案件の受注動向により業績が大きく変動します。今後、サブスクリプション(*7)ビジネスの新規導入等により収益構造の改善を図っていく方針ですが 、当面は当該事業の大型案件の受注動向が、当社グループ全体の財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(*7)サブスクリプション

ソフトウェア等の製品・サービスの提供に対して、定期的に定額課金または従量課金するモデル。

 

⑪ 株式会社大塚商会との関係

株式会社大塚商会(以下、大塚商会)は、2021年12月31日現在で、当社所有の自己株式を除く発行済株式の18.38%を所有している筆頭株主です。当社グループと大塚商会とは、取引関係においては、緊密な関係にありますが、資金調達面や事業運営面での制約はなく、当社グループの責任のもと意思決定を行っており、経営の独立性は確保されています。今後も同社との取引拡大を図る方針ですが、万が一、何らかの理由により、同社との連携に問題が生じた場合、あるいは同社の経営方針の変更等により、当社グループへの協力体制が変更された場合は、当社グループの財政状態及び業績に影響を与える可能性があります。

 

⑫ 経営上の重要な契約について

当社グループの事業におきましては、以下の契約を「経営上の重要な契約」と認識しています。この契約が相手方の事業環境の変化等により円滑に更新されなかった場合には、当社グループの財政状態及び業績に大きな影響を与える可能性があります。
契約会社名:サイオステクノロジー株式会社
相手方の名称:レッドハット株式会社(Red Hat, Inc.の子会社)
契約期間:2010年10月1日から1年間(以後、1年ごとの自動更新)
契約の内容:レッドハット株式会社の製品等を販売する契約(「Distribution契約」)

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度においては、COVID-19の影響により、経済の先行き不透明感が強い状況にあります。

また、世界的な半導体不足によるハードウェア製品等の生産減の影響が生じる一方、クラウド環境への移行などDXへの積極的な投資が継続しております。当社グループは引き続き、クラウド関連製品・サービスの提供、SaaS(*8)事業の強化に取り組み、顧客のDX推進に資する高付加価値の製品・サービスを提供しております。

 

当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

 

(a) 財政状態

当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末から201百万円減少し、6,649百万円(前連結会計年度末比2.9%減)となりました。当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末から551百万円減少し、4,752百万円(同10.4%減)となりました。当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末から349百万円増加し、1,897百万円(同22.6%増)となりました。

イ 資産

流動資産は、商品の減少484百万円等の要因により、5,774百万円(前連結会計年度末比4.7%減)となりました。

固定資産は、投資有価証券の増加55百万円、繰延税金資産の増加44百万円等の要因により、875百万円(同10.5%増)となりました。
 この結果、総資産は、6,649百万円(同2.9%減)となりました。

ロ 負債

流動負債は、買掛金の減少628百万円、前受金の増加328百万円等の要因により、4,268百万円(前連結会計年度末比10.2%減)となりました。
 固定負債は、長期借入金の減少109百万円等の要因により、483百万円(同12.5%減)となりました。
 この結果、負債合計は、4,752百万円(同10.4%減)となりました。

 ハ 純資産

純資産合計は、利益剰余金の増加281百万円等の要因により、1,897百万円(前連結会計年度末比22.6%増)となりました。

 

(b) 経営成績

当連結会計年度における売上高は15,725百万円(前年同期比6.0%増)となり、11期連続の増収を達成し、過去最高の売上高となりました。

利益面では、営業利益は358百万円(同51.7%増)、経常利益は400百万円(同56.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は367百万円(同18.6%増)となりました。

当社グループの重視する経営指標であるEBITDA(営業利益+減価償却費+のれん償却額)は448百万円(同36.1%増)、ROIC(営業利益×(1-実効税率)÷(株主資本+有利子負債))は10.0%(前年同期は6.9%)となりました。

 

 イ 売上高

オープンシステム基盤事業の売上高は9,588百万円(前年同期比7.9%増)、アプリケーション事業の売上高は6,136百万円(同3.0%増)となりました。全体としては、15,725百万円(同6.0%増)となりました。

 ロ 売上総利益

売上総利益は、オープンシステム基盤事業の増収等により、4,884百万円(前年同期比9.4%増)となりました。

 ハ 営業利益

販売費及び一般管理費は、前年同期と比べ297百万円増加し、4,526百万円となりました。この結果、営業利益は358百万円(前年同期比51.7%増)となりました。

 

 二 経常利益

デリバティブ評価益、持分法による投資利益等の計上により営業外収益は106百万円、為替差損等の計上により営業外費用は64百万円となりました。この結果、経常利益は400百万円(前年同期比56.1%増)となりました。

 ホ 税金等調整前当期純利益

固定資産除却損、投資有価証券評価損等の計上により特別損失は3百万円となりました。この結果、税金等調整前当期純利益は396百万円(前年同期比3.2%減)となりました。

 ヘ 親会社株主に帰属する当期純利益

法人税等で28百万円を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は367百万円(前年同期比18.6%増)となりました。

 

当社グループは経営指標としてEBITDA、ROICを重視しており、中期経営計画において、それぞれの目標値を掲げています。2021年度は、EBITDAが目標の410百万円に対して448百万円、ROICが目標の9.2%に対して10.0%と、いずれも目標を達成しました。主な要因としては、利益率の高い自社製品の売上高が想定を上回ったこと等が挙げられます。

 

また、各セグメントの経営成績は、次のとおりとなりました。

 

(オープンシステム基盤事業)

COVID-19拡大を背景として、顧客におけるDXへの積極的な投資が継続しており、Red Hat Enterprise LinuxをはじめとするRed Hat, Inc.関連商品は順調な増収、主力自社製品である「LifeKeeper」は堅調な増収となりました。これらにより、売上高は9,588百万円(前年同期比7.9%増)、セグメント利益は352百万円(同44.6%増)となりました。

 

(アプリケーション事業)

金融機関向けシステム開発・構築支援が減収となったほか、前期において放送局向けWebサービス事業及び社会公共アウトソーシングサービス事業を他社に移転したことも減収要因となりました。一方、MFP向けソフトウェア製品は、前期までにサブスクリプション方式で契約した分が今期の売上に貢献したことにより、好調な増収となりました。「Gluegentシリーズ」も好調な増収となりました。また、システム開発・構築支援は順調な増収、金融機関向け経営支援システム販売は堅調な増収となりました。これらにより、売上高は6,136百万円(前年同期比3.0%増)、セグメント利益は4百万円(前年同期は8百万円の損失)となりました。

 

(*8)SaaS

Software as a Serviceの略。ソフトウェアをクラウドサービスとして提供すること。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ420百万円増加し3,148百万円となりました。

当連結会計年度に係る区分ごとのキャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

税金等調整前当期純利益396百万円、たな卸資産の減少429百万円等の要因により、営業活動により得られた資金は587百万円(前年同期は649百万円の獲得)となりました。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

定期預金の払戻による収入130百万円等の要因により、投資活動により得られた資金は58百万円(前年同期は151百万円の獲得)となりました。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

長期借入金の返済123百万円、配当金の支払87百万円等の要因により、財務活動により使用した資金は267百万円(前年同期は182百万円の使用)となりました。

 

 

③ 生産、受注及び販売の状況

(a) 生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年1月1日

至 2021年12月31日)

前年同期比(%)

オープンシステム基盤事業(千円)

593,364

+3.6

アプリケーション事業(千円)

2,472,276

△7.6

合計(千円)

3,065,640

△5.6

 

 (注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(b) 仕入実績

当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年1月1日

至 2021年12月31日)

前年同期比(%)

オープンシステム基盤事業(千円)

6,495,668

+0.7

アプリケーション事業(千円)

1,281,384

+9.5

合計(千円)

7,777,052

+2.1

 

 (注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(c) 受注実績

当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

オープンシステム基盤事業

9,691,248

+6.8

1,724,230

+6.3

アプリケーション事業

6,883,678

+12.7

2,407,648

+45.0

合計

16,574,927

+9.2

4,131,879

+25.9

 

 (注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(d) 販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年1月1日

至 2021年12月31日)

前年同期比(%)

オープンシステム基盤事業(千円)

9,588,328

+7.9

アプリケーション事業(千円)

6,136,443

+3.0

合計(千円)

15,724,771

+6.0

 

  (注)1.セグメント間の内部売上高又は振替高を除いた外部顧客に対する売上高を記載しております。

2.最近2連結会計年度の主要な販売先及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

 

販売先

前連結会計年度

(自 2020年1月1日

至 2020年12月31日)

当連結会計年度

(自 2021年1月1日

至 2021年12月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

株式会社大塚商会

3,548,866

23.9

3,680,611

23.4

株式会社ネットワールド

1,493,835

10.1

1,650,433

10.5

 

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

当社グループは、我が国における一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき連結財務諸表を作成しております。この連結財務諸表の作成に当たりましては、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる要因に基づき、見積り及び判断を行っているものがあります。このため、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、見積りと異なる場合があります。

当社グループの財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況」に記載しておりますが、次の重要な会計方針が財務諸表作成における重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。

なお、新型コロナウイルス感染症の影響については、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載の通りであります。

(a) 貸倒引当金

当社グループでは、得意先の業績悪化等による債権の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、また貸倒懸念債権等特定の債権については、個別に回収可能性を検討しております。

(b) 受注損失引当金

受注契約に係る将来の損失に備えるため、当連結会計年度末時点で将来の損失が見込まれ、かつ、当該損失金額が合理的に見積ることが可能なものについて、翌連結会計年度以降に発生が見込まれる損失額を受注損失引当金として計上しております。しかしながら、予定費用を著しく超過した場合、受注損失又は追加の引当金計上が必要となる可能性があります。

(c) 退職給付に係る会計処理の方法

当社及び一部の国内連結子会社は、退職給付に係る負債及び退職給付費用の計算に、退職給付に係る期末自己都合要支給額を退職給付債務とする方法を用いた簡便法を適用しております。

また、一部の国内連結子会社は、企業年金制度については、直近の年金財政計算上の数理債務をもって退職給付債務とする方法を用いた簡便法を適用しております。

(d) 賞与引当金

従業員に対して支給する賞与の支出に充てるため、支給見込額に基づき当連結会計年度に見合う分を計上しております。

(e) 繰延税金資産

当社グループは、繰延税金資産の回収可能性を評価するに際して将来の課税所得を合理的に見積っております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存しますので、その見積りが減少した場合は繰延税金資産が減額され、税金費用が計上される可能性があります。

(f)固定資産の減損処理

当社は、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュフローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、減損処理が必要となる可能性があります。

 

② 当連結会計年度の経営成績の分析

当社グループの当連結会計年度の経営成績の分析については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。

 

③ 当連結会計年度の財政状態の分析

当社グループの当連結会計年度の財政状態の分析については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。

 

 

④ 資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社グループは、事業に必要な資金を安定的に確保することを基本方針として、継続的なキャッシュ・フローの創出及びバランスシートの健全化を重視し、営業活動によるキャッシュ・フロー及び現金及び現金同等物を内部資金の源泉と考えております。当社グループの資金需要は、運転資金のほか、研究開発及びM&A等の投資資金があります。これらの資金需要に関しては、主に内部資金で賄いますが、必要に応じて金融機関からの借入等による資金調達も実施いたします。

資金の流動性については、当連結会計年度末現在において当社グループの現金及び預金残高は、3,148百万円であり、今後の営業活動によって確保されるキャッシュ・フローに加え、複数の金融機関の当座貸越契約による融資枠を設けており、十分な流動性を確保しているものと考えております。

 

⑤ 目標とする経営指標

当社グループは、EBITDAとROICを経営指標としており、2022年度の中期経営計画においては、下記の数値を目標としております。

 

2021年12月期実績

2022年12月期目標

2023年12月期目標

2024年12月期目標

EBITDA(百万円)

448

220

530

850

ROIC   (%)

10.0

3.0

12.3

21.5

 

       (注)1.EBITDA=営業利益+減価償却費+のれん償却額

           2.ROIC=営業利益×(1-実効税率)÷(株主資本+有利子負債)

     3.ROICは実効税率35%を前提として計算しております。

 

4 【経営上の重要な契約等】

  仕入先との契約

契約会社名

相手方の名称

契約年月日

契約の内容

備考

サイオステクノロジー株式会社

レッドハット
株式会社

2010年
10月1日

エンタープライズ向けLinux OSである「Red Hat Enterprise Linux」、ミドルウェア製品「JBoss Enterprise Middleware」、その他レッドハット製品を提供できる販売代理店契約である「Distribution契約」を締結しております。

当該契約は以後
1年毎の自動更新となります。

 

 

 

5 【研究開発活動】

当社グループの研究開発活動は、当社グループの事業の中心であるオープンシステム基盤事業とアプリケーション事業において、各種の製品開発に取り組んでおり、当連結会計年度における研究開発費の総額は638,572千円となっております。

 

(1) オープンシステム基盤事業

Linuxを基本とした企業情報システムの利用拡大に向けて、OSS等の機能、性能、拡張性等の向上を目指した研究開発を行っております。具体的には、以下のとおりであります。

①「LifeKeeper」等の新規機能の開発

 ・LifeKeeper v9.5及びv9.6アップデートバージョンの開発
CLIの更なる機能強化
スタンバイノード監視機能の強化
Azure上でのSTONITHデバイスに対応
AWSのファンデーショナルテクニカルレビュー(FTR)の取得
・その他新規機能開発

なお、当連結会計年度のオープンシステム基盤事業の研究開発費は、336,276千円であります。

 

(2) アプリケーション事業

当社開発製品を様々な業種・業態への適応や、市場ニーズに柔軟に対応させるための機能開発に取り組んでおります。具体的には以下のとおりであります。

① 複合機ソリューション関連の機能開発・強化

 ・複合機の新モデルへの対応

  ・Quickスキャン、Speedocの新機能開発

  -複合機上でしかできなかったQuickスキャン、SpeedocのOCR処理をPC上で実行できるツールの開発

  -既存複合機の設定を活かしたスキャン機能の開発

② クラウドサービス「Gluegentシリーズ」の機能強化 

 ・「Gluegent Flow 情シスクラウド」機能強化

 ・「Gluegent Apps」の独立化のためのID統合開発

 ・「Gluegent Gate」のSSO連携機能強化(顔認証)、ID申請ワークフロー機能追加

 ・「Gluegentシリーズ」全般の各種機能強化

③ 金融機関向けシステム関連の機能開発・強化

 ・金融機関向けALMパッケージ・VivaldiⅡの機能強化対応(LIBOR:London Interbank Offered Rate 公表停止対応)

  ・金融機関向けマーケティングソリューション実証実験

 ・金融機関向け統合与信ソリューション・QUANTUM/e-AcrisのKSC(全国銀行個人信用情報センター)更改対応

④ HR Tech関連サービスの機能開発・強化

 ・フリーアドレス座席管理システム「YourDesk」の開発

  ・モチベーション・マネジメントシステム「Willysm」の機能開発・強化

なお、当連結会計年度のアプリケーション事業の研究開発費は、302,296千円であります。