当中間連結会計期間において、当半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある新たな事業等のリスクの発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当半期報告書提出日現在において、当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものです。
(1) 業績の状況
<当中間連結会計期間の概況>
当中間連結会計期間においては、国内経済は雇用・所得環境の改善や各種政策の効果が緩やかな回復を支えることが期待されますが、物価上昇の継続や米国の通商政策の影響による日米関税合意による影響が不透明なことから、景気の下振れリスクが高まっております。また、当社グループが属する情報サービス業界におきましては、企業競争力強化のためのIT投資需要は堅調な一方で、生成AI等の新たな技術の活用に向けた試行錯誤が続いております。
このような状況において、中長期的な企業価値の向上と持続的成長の実現に向け、SaaS(*1)・サブスク(*2)事業の拡大に継続して取り組むとともに、生成AIによる事業強化等を通じ、変化に柔軟かつ俊敏に対応してまいります。
当中間連結会計期間の各セグメントの業績は、次の通りとなりました。
なお、当中間連結会計期間より、報告セグメントの区分並びに報告セグメントの利益又は損失の測定方法を変更しております。詳細は(セグメント情報等)の「2.報告セグメントの変更等に関する事項」をご参照ください。下記の前期比較情報については、前期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。
① プロダクト&サービス
前年度に金融機関向け経営支援システム販売事業の株式譲渡を行い構造改革を実施した影響により、セグメント全体では減収増益となりました。
SaaS・サブスクサービスのクラウド型ワークフロー「Gluegent Flow」(*3)は、生成AI搭載などの機能強化を行いユーザー数を順調に伸ばし増益に寄与しました。
主力自社製品である「LifeKeeper」(*4)販売は前年並みに推移した一方、米国連結子会社においてコストの見直しを実施した結果、増益となりました。これらにより、売上高は2,777百万円(前年同期比9.1%減)、セグメント利益は259百万円(前年同期比40.7%増)となりました。
② コンサルティング&インテグレーション
セグメント全体ではIT投資の堅調な需要を捉え受注が好調に推移し増収増益となりました。
今後高い成長が見込めるAPI(*5)ソリューション領域では、案件獲得に注力するとともに開発体制を強化したため、一部利益率の低い案件の受注、人件費等のコスト増による利益の圧迫がありましたが、金融機関向け及び文教向けのシステム開発・構築支援では案件獲得が堅調に推移し増益となりました。
これらにより、売上高は1,755百万円(前年同期比14.9%増)、セグメント利益は213百万円(前年同期比19.9%増)となりました。
③ ソフトウェアセールス&ソリューション
セグメント全体では前年度第1四半期に計上したRed Hat, Inc.関連商品(*6)の大型案件の売上が無くなったことにより減収となったものの、利益率を重視した活動の結果、売上総利益率が改善し、売上高は4,959百万円(前年同期比31.4%減)、セグメント利益は98百万円(前年同期比31.7%増)となりました。
これらの結果、当中間連結会計期間においては、売上高は9,486百万円(前年同期比19.6%減)、営業利益は179百万円(前年同期は18百万円の損失)、為替差益及び持分法投資利益の計上により経常利益は221百万円(前年同期比288.2%増)、法人税、住民税及び事業税の計上により親会社株主に帰属する中間純利益は119百万円(前年同期比407.0%増)となりました。
当社グループの重視する経営指標であるEBITDA(営業利益+減価償却費+のれん償却額)とROIC(年率換算数値、税引後営業利益÷(株主資本+有利子負債))は、次の通りとなりました。
EBITDA:194百万円(前年同期比2,748.2%増)
ROIC(年率換算数値):14.3%(前年同期は△1.9%)
(*1) SaaS
Software as a Serviceの略。ソフトウェアをクラウドサービスとして提供すること。
(*2) サブスク
サブスクリプションの略。ソフトウェア等の製品・サービスの提供に対して、定期的に定額課金または従量課金するモデル。
(*3) Gluegent Flow
申請・承認・決裁といった社内稟議業務に対応したクラウド型ワークフローシステム。稟議申請や各種申請・承認業務をデジタル化し、効率化するサービス。
(*4) LifeKeeper
本番稼働のサーバーとは別に同じ環境の予備サーバーを待機させ、万が一の障害の際には自動的に予備サーバーに業務を引き継がせる役割を担うソフトウェア。
(*5) API
異なるソフトウェアやアプリケーション間で情報・機能を共有するための仕組み。
(*6) Red Hat, Inc.関連商品
オープンソースソフトウェア&サービス・プロバイダーRed Hat, Inc.が開発するオープンソースの製品。
(2) 財政状態の分析
①資産
流動資産は、現金及び預金の減少335百万円等の要因により、6,532百万円(前連結会計年度末比9.0%減)となりました。
固定資産は、ソフトウェア仮勘定の増加130百万円等の要因により、1,009百万円(同11.0%増)となりました。
この結果、総資産は、7,541百万円(同6.7%減)となりました。
②負債
流動負債は、契約負債の減少229百万円等の要因により、5,543百万円(前連結会計年度末比10.3%減)となりました。
固定負債は、退職給付に係る負債の増加11百万円、リース債務の減少11百万円等の要因により、371百万円(同1.8%増)となりました。
この結果、負債合計は、5,914百万円(同9.7%減)となりました。
③純資産
純資産合計は、利益剰余金の増加119百万円等の要因により、1,626百万円(前連結会計年度末比5.8%増)となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ335百万円減少し3,342百万円となりました。
(単位:百万円)
当中間連結会計期間における営業活動によるキャッシュ・フローは118百万円の支出となりました。これは、法人税等の支払額236百万円等によるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは135百万円の支出となりました。これは、無形固定資産の取得による支出132百万円等によるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは44百万円の支出となりました。これは、長期借入金の返済による支出33百万円等によるものです。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
当中間連結会計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(5) 研究開発活動
当中間連結会計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、276百万円です。
なお、当中間連結会計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。