①経営方針
当社の経営の基本方針は「日本の駐車場不足を解消し、快適なクルマ社会を実現すること」であります。
現在の日本では、特に都市部において、駐車場が不足していると言われております。また、現在のコインパーキング(時間貸駐車場)業界においては、駐車場用地の大部分を賃借に依存し、駐車場の供給は公共性が高いにもかかわらず、常に解約リスクにさらされている状況であります。
より必要な場所により多くの駐車場を供給していくこと、解約のない駐車場あるいは解約されにくい駐車場をより多く供給すること、そして日本の駐車場不足を解消し、快適なクルマ社会を実現すること、が当社の志であり、存在意義であります。
②経営戦略
当事業年度末における自己資本比率は44.6%であります。当社は、この安定的な財務基盤を背景に、「基盤収益」である保有駐車場への投資を積極化しております。「売上総利益額及び売上総利益率」が高い保有駐車場を拡大することで、その地域の不動産情報が入手しやすくなるとともに、保有駐車場を核として、その周辺に固定方式もしくは駐車場売上によって賃料が変動する還元方式による賃借駐車場の開発という衛星的な展開が可能となっております。
また、保有駐車場を核とし、全国の中核都市において、それぞれの地域で車室数、事業地件数、売上において地域一番を目指すべく、人的、組織的、金額的経営資源を重点的に投入し、その地域での優位性を確保する戦略を進めております。
これらの戦略を推進するため、当社では、立地判断、車室設計、オペレーション、プライシングの4つの「標準化」を行っています。標準化により物件開発、車室設計、運営管理等に関するノウハウの蓄積が可能となり、経営資源を強化することができます。加えて、様々な情報の蓄積と積極的な活用を図るため、営業支援システムの充実を進めております。
以上により、同業他社との差別化を図り、事業拡大と収益性の向上を同時に達成し、専業企業として最も存在感のある会社を目指してまいります。
③重視する経営指標
当社の重要な経営指標は次の3つとなります。1つ目は「基盤収益」、2つ目は「売上総利益額及び売上総利益率」、3つ目は「車室残高」です。
1つ目の「基盤収益」ですが、保有駐車場、不動産収入、太陽光発電事業から構成されます。これらの事業は、外部環境に左右されにくく、安定的な収益をもたらす事業であり、この「基盤収益」の拡大が、長期安定的な利益成長につながるため重要視しております。
2つ目の「売上総利益額及び売上総利益率」ですが、駐車場の収益性を端的に表すことから本業の状況確認のための最も基本的な数値として重要視しております。
3つ目の「車室残高」ですが、管理車室数を継続的に増やしていくことが持続的な成長には欠かせないことから重要視しております。
当社のビジネスはいわゆるストック型のビジネスモデルと捉えておりますので、良質なものを少しでも多く積み重ねていくことを重視しているため、上記の各指標につき具体的な数値目標としては定めておりません。
④事業上及び財務上の対処すべき課題
当社は収益力の向上のため、対処すべき課題として以下の項目に取り組んでまいります。
(1)解約リスクの低減
当社は、時間貸駐車場事業を賃借駐車場モデル(土地オーナーより駐車場用地を借り受け事業を行うモデル)に依存し過ぎることは、賃貸借契約の解約により事業を継続できなくなるリスクがあると考えております。そこで、賃借駐車場の解約リスクを軽減し、企業全体として長期安定的・継続的に成長していくためには、キャッシュ・フローを考慮しながら、「賃借駐車場」及び「保有駐車場」のポートフォリオを組み立てていくことが必要と考えております。
(2)収益リスクの低減
当社は事業基盤の更なる強化を図るため、事業地を新規駐車場(オープン後1年未満の駐車場)と既存駐車場(オープン後1年以上経過の駐車場)に分けて管理しております。加えて、賃借駐車場では、毎月一定の賃料を土地オーナーに支払う「固定方式」にかかるリスク管理の徹底と、駐車場売上によって賃料が変動する「還元方式」を組み合わせることにより、収益リスクの低減に努めております。
(3)オペレーションスキルの向上
当社は「標準化」を推進し、従業員のオペレーションスキルの向上により、全社的な収益拡大とコスト低減を図ることに努めております。今後も引き続き、人材育成・教育によりオペレーションスキルの向上を図ることで、利益率の改善に努めてまいります。
(4)営業力の強化
当社が成長を図る上では、今後も継続して営業力を強化していく必要があると認識しております。人員の拡大を図るとともに、「標準化」を推進し、OJT教育、全体研修、個別指導を通じ、個々のスキルアップに努めてまいります。加えて、営業支援システムの機能向上、情報の蓄積と活用を促進してまいります。
当社の事業その他に関するリスクとして投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる事項には以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日において当社が判断したものであります。
(1)事業におけるリスクについて
イ 事業用地の確保について
当社における駐車場運営形態としては、「賃借」及び「保有」があります。当社では、賃借によって駐車場用地を確保する「賃借駐車場」が、当社の運営管理する駐車場の中で高い割合を占めており、当社事業の基本を成すビジネスモデルであります。「賃借駐車場」は、土地オーナーに賃借料を支払い、当社で駐車場設備を設置し、運営管理を行います。時間貸駐車料金(一部月極を含む)が売上高、そこから賃借料、駐車機器のリース料(精算機・ロック板等)、運営管理費(機器メンテナンス料・集金費・清掃費・光熱費等)を差し引いたものが、個別の駐車場の売上総利益となります。
当社が事業を拡大するためには、駐車場用地の確保が必要となりますが、土地所有者の土地の有効活用に対する旺盛な需要を背景として、当社の最近5ヵ年における物件数及び車室数の推移は、以下のとおり概ね順調に増加しております。
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(単位:車室(件))
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今後につきましては、地価の動向、土地に係る税制の改正等の要因により不動産市場が活発化した場合、土地所有者にとって土地の有効活用のための選択肢が増加することにより、当社にとって駐車場用地の確保が困難になる可能性があります。
ロ 土地所有者との賃貸借契約が解約される可能性について
賃借駐車場を設置する際には、土地所有者との間で当社を賃借人とする賃貸借契約を締結しております。当該契約期間は概して2~3年間(当初契約期間)となっており、期間満了後は1年毎の自動更新となっておりますが、土地所有者の意思により契約が解約される可能性があります。
(2)法的規制等について
当社が営む時間貸駐車場の運営に関して、特有の法的規制は現在のところありません。駐車場の設置等に関する法令としては、都市における自動車の駐車のための施設の整備に関し必要な事項を定めた「駐車場法」をはじめ、都道府県公安委員会による交通規制等を定めた「道路交通法」並びに自動車保有者等に対して自動車の保管場所確保等を定めた「自動車の保管場所の確保等に関する法律(車庫法)」等があります。
これらの法律が変更された場合、当社の業績に影響を与える可能性があります。
今後、都市部の自動車利用の制限につながるような法改正等がなされた場合には、当社の営業地域における駐車場の需要の減少等により、当社の業績に影響を与える可能性があります。
(3)借入金について
当社における駐車場開発形態としては、「賃借」及び「保有」がありますが、土地を保有する場合には、当該資金の大部分を金融機関からの長期借入金により調達しております。金融機関からの借入に当たっては原則として借入期間を20年とし、金利についてもその多くを固定金利での調達としておりますが、今後の金利動向等、金融情勢の急激な変化により、当社の財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
なお、最近5ヵ年における自己資本比率、長期借入金の推移は、以下のとおりであります。
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回次 |
第19期 |
第20期 |
第21期 |
第22期 |
第23期 |
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決算年月 |
平成27年9月 |
平成28年9月 |
平成29年9月 |
平成30年9月 |
令和元年9月 |
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自己資本比率(%) |
39.7 |
40.6 |
42.2 |
43.0 |
44.6 |
|
長期借入金合計(百万円) |
10,427 |
11,420 |
12,126 |
13,575 |
15,269 |
|
1年内返済予定の長期借入金 |
1,226 |
1,246 |
1,357 |
1,585 |
1,592 |
|
長期借入金(百万円) |
9,200 |
10,174 |
10,768 |
11,989 |
13,676 |
(4)事業用土地の状況について
当社では、当事業年度末現在、総資産額34,035百万円に対し、事業用土地として簿価23,791百万円の土地(不動産信託受益権含む)を所有しております。
これらの土地等につきましては、当社が営む時間貸駐車場に係る駐車場用地であり、原則的には継続して所有し事業の用に供するものです。また、現時点におきましては、充分な収益を確保しているものと当社では認識しております。しかしながら、今後、売上の低下や営業戦略の大幅な変更等により、当社の事業にとって不要な土地等を売却した場合、当該地価の動向によっては、当社の業績に影響を与える可能性があります。
また、固定資産の収益性の低下により投資額の回収が見込めなくなった場合に、一定の条件で回収可能性を反映させるように帳簿価額を減額することとなるため、今後の地価の動向や当社の収益状況によっては、当社の財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
①財政状態及び経営成績の状況
a.経営成績の状況
当事業年度(自 平成30年10月1日 至 令和元年9月30日)における我が国の経済は、海外経済の不確実性が懸念されるものの、雇用・所得環境の着実な改善を背景に、全体として緩やかな回復基調が続いております。
当社の属する駐車場業界においては、慢性的な駐車場不足や都市部での建築に伴う駐車需要、個人消費の持ち直しを背景に売上は底堅く推移しました。このような中で、当社は引き続き積極的な営業活動を行い、新規駐車場の開設を進めるとともに、既存駐車場においても料金変更を機動的に行うなど採算性向上に努めました。
その結果、当事業年度においては、236件4,554車室の新規開設、189件2,870車室の解約等により、47件1,684車室の純増となり、9月末現在2,146件30,902車室が稼働しております。
当事業年度の売上高は14,085百万円(前事業年度比3.0%増)、営業利益2,272百万円(前事業年度比5.5%増)、経常利益2,076百万円(前事業年度比6.3%増)、当期純利益2,381百万円(前事業年度比26.5%増)を計上いたしました。
なお、当事業年度において札幌市における固定資産の売却が完了したため、固定資産売却益1,501百万円を計上しております。また、水戸市において、車室数が供給過多であった保有駐車場の一部敷地について売却を決定したため、契約額に基づき減損損失94百万円を計上しております。
当社の駐車場形態ごとの状況は以下の通りであります。
(賃借駐車場)
当事業年度においては、209件4,251車室の開設及び、188件2,721車室の解約等により、21件1,530車室の純増となりました。その結果、9月末現在1,943件26,513車室が稼働しております。売上高は11,586百万円(前事業年度比3.1%増)となりました。
(保有駐車場)
当事業年度においては、小樽市2件17車室、札幌市1件5車室、青森市1件29車室、秋田市1件8車室、仙台市1件4車室、新潟市3件61車室、宇都宮市1件14車室、越谷市1件10車室、志木市1件10車室、足立区1件2車室、千葉市2件44車室、市川市1件6車室、横浜市1件9車室、名古屋市2件16車室、岐阜市1件12車室、大阪市3件12車室、福岡市1件15車室、久留米市1件8車室、佐世保市1件11車室、大分市1件10車室の計27件303車室を新規開設いたしました。建物の老朽化が進んだため、札幌市1件142車室の保有駐車場を売却いたしました。また、不動産賃貸への転用のため7車室減少いたしました。
その結果、26件154車室の純増となり、9月末現在においては203件4,389車室が稼働しております。売上高は2,002百万円(同2.8%増)となりました。
このほか、当事業年度において、大阪市2件15車室分の駐車場用地を取得しており、翌事業年度第1四半期にオープンしております。
当事業年度において、保有駐車場への投資額は3,065百万円となりました。
(その他売上)
当事業年度においては、不動産賃貸収入、自動販売機関連売上、バイク・駐輪場売上、太陽光発電売上により、売上高は496百万円(同2.4%増)となりました。
b.財政状態の状況
当事業年度末における総資産は34,035百万円となり、前事業年度末に比べ3,294百万円増加しました。これは主に有形固定資産における土地の増加(2,488百万円)によるものであります。
当事業年度末における負債の部は18,813百万円となり、前事業年度末に比べ1,351百万円増加しました。これは主に固定負債における長期借入金の増加(1,687百万円)によるものです。
当事業年度末における純資産の部は15,221百万円となり、前事業年度末に比べ1,943百万円増加しました。これは主に当期純利益に伴い利益剰余金が増加(1,876百万円)したことによるものです。
この結果、自己資本比率は前事業年度末の43.0%から44.6%となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」)は、前事業年度末に比べ1,286百万円増加し、5,221百万円となりました。主な要因は以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により得られた資金は前事業年度に比べ147百万円減少し、1,935百万円となりました。これは主として、税引前当期純利益3,463百万円、法人税等の支払額1,011百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は前事業年度に比べ547百万円減少し、1,156百万円となりました。これは主として、有形固定資産の取得による支出3,226百万円、有形固定資産の売却による収入2,121百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により得られた資金は前事業年度に比べ34百万円増加し、507百万円となりました。これは主として、長期借入れによる収入が3,417百万円に対し、長期借入金の返済による支出が1,722百万円、リース債務の返済による支出が540百万円、配当金の支払いが503百万円であったことによるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
該当事項はありません。
b.受注実績
該当事項はありません。
c.販売実績
当事業年度における駐車場形態毎の販売実績は以下のとおりです。
|
駐車場形態 |
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
|
賃借駐車場 |
11,586 |
3.1 |
|
保有駐車場 |
2,002 |
2.8 |
|
その他事業 |
496 |
2.4 |
|
合計 |
14,085 |
3.0 |
(注)1 記載の金額には、消費税等は含まれておりません。
2 当事業年度における地域別販売実績及び構成比は次のとおりであります。
|
地域別 |
前事業年度 (自 平成29年10月1日 至 平成30年9月30日) |
当事業年度 (自 平成30年10月1日 至 令和元年9月30日) |
||
|
金額(百万円) |
構成比(%) |
金額(百万円) |
構成比(%) |
|
|
関東地区 |
6,238 |
45.6 |
6,320 |
44.9 |
|
関西地区 |
3,409 |
24.9 |
3,523 |
25.0 |
|
その他 |
4,023 |
29.5 |
4,242 |
30.1 |
|
合計 |
13,670 |
100.0 |
14,085 |
100.0 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。財務諸表を作成するにあたり、経営者により会計基準の範囲内で見積り計算が行われており、資産及び負債、収益並びに費用にその結果が反映されております。これらの見積りについては継続して評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果と異なることがあります。
②当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当事業年度は創業来23期連続増収、純利益で8期連続の増益となりました。営業利益・経常利益でも増益となりました。新規開設については236件4,554車室と、前事業年度と比べ件数は減少したものの、案件が大型化したため、開設車室数は大きく伸ばすことができました。
一方で、当事業年度は、前事業年度に引き続いて、東京、大阪、名古屋など大都市部において、マンション、オフィスビル、ホテル開発などを理由として189件2,870車室の解約がありました。大都市の中心市街地における駐車場の減少により駐車場需給がタイトとなり、駐車料金の上昇をもたらして、既存駐車場の売上が好調に推移しました。
これらの影響により、売上総利益は3,807百万円と前事業年度に比べ4.3%増加し、売上総利益率は27.0%と0.3ポイント増加しました。
また、北海道札幌市に保有していた駐車場ビルを売却し、譲渡益を1,501百万円計上したため、当期純利益は2,381百万円と前事業年度に比べ26.5%の増益となりました。
③当社の資本の財源及び資金の流動性
当社の運転資金需要のうち主なものは、賃借駐車場の支払地代、駐車場の管理費用、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、保有駐車場用地の取得、駐車場機器への設備投資等によるものであります。
当社は、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資資金の調達については、金融機関からの長期借入及びリース契約を基本としております。
なお、当事業年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は16,896百万円となっております。
また、当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は5,221百万円となっております。
該当事項はありません。
該当事項はありません。