第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

①経営方針

 当社の経営の基本方針は「日本の駐車場不足を解消し、快適なクルマ社会を実現すること」であります。

現在の日本では、特に都市部において、駐車場が不足していると言われております。また、現在のコインパーキング(時間貸駐車場)業界においては、駐車場用地の大部分を賃借に依存し、駐車場の供給は公共性が高いにもかかわらず、常に解約リスクにさらされている状況であります。

 より必要な場所により多くの駐車場を供給していくこと、解約のない駐車場あるいは解約されにくい駐車場をより多く供給すること、そして日本の駐車場不足を解消し、快適なクルマ社会を実現すること、が当社の志であり、存在意義であります。

 

②経営環境及び経営戦略

 コインパーキング(時間貸駐車場)業界の市場規模については、包括的な業界団体が存在せず、また小規模な路外駐車場は開設時に行政への届出が不要であることから正確な数値は算出できないものの、日本経済新聞社が毎年実施している「サービス業調査」によると、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた令和3年調査を除き、10年以上連続で業界売上高は拡大しております。

 その要因としましては、平成18年の道路交通法改正により違法駐車取締りが強化されたこと、店舗付帯駐車場の不正対策として時間貸駐車場化が進められたこと、近年の旺盛な駐車需要により駐車場料金相場が上昇傾向であること、全国の乗用車保有台数が微増を続けていること等が挙げられると考えております。

 このような経営環境において、当社は安定的な財務基盤を背景に、「基盤収益」である保有駐車場への投資を積極化しております。なお、当社の当事業年度末における自己資本比率は44.7%であります。同業他社については保有駐車場モデルの事業展開は殆ど無く、他社との競争優位性を確保するための重要な要素となっております。保有駐車場事業は「売上総利益額及び売上総利益率」が高いだけでなく、その取得時にデベロッパーを含む不動産業者や金融機関との関係を強化することが出来、駐車場用地情報の拡大が可能となっております。また、保有駐車場を核として、その周辺に固定方式もしくは駐車場売上によって賃料が変動する還元方式による賃借駐車場の開発という衛星的な展開が可能となっております。

 更に、保有駐車場を核とし、全国の中核都市において、それぞれの地域で車室数、事業地件数、売上において地域一番を目指すべく、人的、組織的、金額的経営資源を重点的に投入し、その地域での優位性を確保する戦略を進めております。

 これらの戦略を推進するため、当社では、立地判断、車室設計、オペレーション、プライシングの4つの「標準化」を行っています。標準化により物件開発、車室設計、運営管理等に関するノウハウの蓄積が可能となり、経営資源を強化することができます。加えて、様々な情報の蓄積と積極的な活用を図るため、営業支援システムの充実を進めております。

 以上により、同業他社との差別化を図り、事業拡大と収益性の向上を同時に達成し、専業企業として最も存在感のある会社を目指してまいります。

 

 経営環境への新型コロナウイルス感染症の影響に関して、令和2年4月~5月の一度目の緊急事態宣言下においては売上高の急激な落ち込みが生じたものの、緊急事態宣言解除以降は徐々に回復し、令和2年10月次の売上高においては前年同月比91.9%まで回復いたしました。しかしながら、令和2年11月下旬頃より新規感染者数が増加し始め、令和3年1月には二度目の緊急事態宣言が発出され、その後も断続的に緊急事態宣言が発出されております。

 新型コロナウイルス感染者数の推移を踏まえると、令和4年9月期については、新型コロナウイルス感染症の影響は通期にわたって継続するものの、社会・経済活動は緩やかな持ち直し基調で推移するものと想定しており、事業継続ならびに業績への影響は限定的であると想定しております。

 経営戦略に関しては、保有駐車場は売上高が減少する局面においても、その高い売上総利益率により「基盤収益」として経営を下支えする役割を担うことを再認識いたしました。引き続き、新型コロナウイルス感染症の影響を考慮しながら、収益性の高い物件について投資を行ってまいります。

 なお、新型コロナウイルス感染症による影響については不確実性が高く、今後の感染拡大の状況や経済への影響によっては、当社の経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

③重視する経営指標

 当社の重要な経営指標は次の3つとなります。1つ目は「基盤収益」、2つ目は「売上総利益額及び売上総利益率」、3つ目は「車室残高」です。

 1つ目の「基盤収益」ですが、保有駐車場、不動産収入、太陽光発電事業から構成されます。これらの事業は、外部環境に左右されにくく、安定的な収益をもたらす事業であり、この「基盤収益」の拡大が、長期安定的な利益成長につながるため重要視しております。

 2つ目の「売上総利益額及び売上総利益率」ですが、駐車場の収益性を端的に表すことから本業の状況確認のための最も基本的な数値として重要視しております。

 3つ目の「車室残高」ですが、管理車室数を継続的に増やしていくことが持続的な成長には欠かせないことから重要視しております。

 当社のビジネスはいわゆるストック型のビジネスモデルと捉えておりますので、良質なものを少しでも多く積み重ねていくことを重視しているため、上記の各指標につき具体的な数値目標としては定めておりません。

 

④事業上及び財務上の対処すべき課題

 当社は収益力の向上のため、対処すべき課題として以下の項目に取り組んでまいります。

(1)解約リスクの低減

 当社は、時間貸駐車場事業を賃借駐車場モデル(土地オーナーより駐車場用地を借り受け事業を行うモデル)に依存し過ぎることは、賃貸借契約の解約により事業を継続できなくなるリスクがあると考えております。そこで、賃借駐車場の解約リスクを軽減し、企業全体として長期安定的・継続的に成長していくためには、キャッシュ・フローを考慮しながら、「賃借駐車場」及び「保有駐車場」のポートフォリオを組み立てていくことが必要と考えております。

 

(2)収益リスクの低減

 当社は事業基盤の更なる強化を図るため、事業地を新規駐車場(オープン後1年未満の駐車場)と既存駐車場(オープン後1年以上経過の駐車場)に分けて管理しております。加えて、賃借駐車場では、毎月一定の賃料を土地オーナーに支払う「固定方式」にかかるリスク管理の徹底と、駐車場売上によって賃料が変動する「還元方式」を組み合わせることにより、収益リスクの低減に努めております。

 

(3)オペレーションスキルの向上

 当社は「標準化」を推進し、従業員のオペレーションスキルの向上により、全社的な収益拡大とコスト低減を図ることに努めております。今後も引き続き、人材育成・教育によりオペレーションスキルの向上を図ることで、利益率の改善に努めてまいります。

 

(4)営業力の強化

 当社が成長を図る上では、今後も継続して営業力を強化していく必要があると認識しております。人員の拡大を図るとともに、「標準化」を推進し、OJT教育、全体研修、個別指導を通じ、個々のスキルアップに努めてまいります。加えて、営業支援システムの機能向上、情報の蓄積と活用を促進してまいります。

 

2【事業等のリスク】

 当社の事業その他に関するリスクとして投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる事項には以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日において当社が判断したものであります。

 

(1)事業におけるリスクについて

イ 事業用地の確保について

 当社における駐車場運営形態としては、「賃借」及び「保有」があります。当社では、賃借によって駐車場用地を確保する「賃借駐車場」が、当社の運営管理する駐車場の中で高い割合を占めており、当社事業の基本を成すビジネスモデルであります。「賃借駐車場」は、土地オーナーに賃借料を支払い、当社で駐車場設備を設置し、運営管理を行います。時間貸駐車料金(一部月極を含む)が売上高、そこから賃借料、駐車機器のリース料(精算機・ロック板等)、運営管理費(機器メンテナンス料・集金費・清掃費・光熱費等)を差し引いたものが、個別の駐車場の売上総利益となります。

 当社が事業を拡大するためには、駐車場用地の確保が必要となりますが、土地所有者の土地の有効活用に対する旺盛な需要を背景として、令和元年9月期まで、当社の物件数及び車室数の推移は概ね順調に増加しておりました。しかしながら、前事業年度及び当事業年度については新型コロナウイルス感染症の影響により、不採算事業地の解約や新規開拓事業地の厳選を行ったため、若干の減少となりました。

(単位:車室(件))

回次

第21期

第22期

第23期

第24期

第25期

当事業年度

決算年月

平成29年9月

平成30年9月

令和元年9月

令和2年9月

令和3年9月

 賃借駐車場

23,938

(1,803)

24,983

(1,922)

26,513

(1,943)

26,143

(1,851)

25,609

(1,805)

 保有駐車場

4,082

(  158)

4,235

(  177)

4,389

(  203)

4,569

(  230)

4,587

(  236)

合計

28,020

(1,961)

29,218

(2,099)

30,902

(2,146)

30,712

(2,081)

30,196

(2,041)

 

 今後につきましては、地価の動向、土地に係る税制の改正等の要因により不動産市場が活発化した場合、土地所有者にとって土地の有効活用のための選択肢が増加することにより、当社にとって駐車場用地の確保が困難になり、当社の経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 提出日現在、当社は本リスクが顕在化することが予測される情報について、認識をしておりません。

 本リスクへの対応策として、売上総利益率が高く、解約リスクのない保有駐車場を簿価27,265百万円分(不動産信託受益権含む土地)所有しております。また、土地の有効活用のための選択肢については常に注視し、検討を行います。

 

ロ 土地所有者との賃貸借契約が解約される可能性について

 賃借駐車場を設置する際には、土地所有者との間で当社を賃借人とする賃貸借契約を締結しております。当該契約期間は概して2~3年間(当初契約期間)となっており、期間満了後は1年毎の自動更新となっておりますが、土地所有者の意思により賃借駐車場に係る契約の多くが解約された場合、当社の経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 提出日現在、当社は本リスクが顕在化することが予測される情報について、認識をしておりません。

 本リスクへの対応策として、定期的に土地所有者との意思疎通を行い、土地所有者の要望等を認識し適宜対応することで本リスクの低減を図っております。

 

(2)法的規制等について

 当社が営む時間貸駐車場の運営に関して、特有の法的規制は現在のところありません。駐車場の設置等に関する法令としては、都市における自動車の駐車のための施設の整備に関し必要な事項を定めた「駐車場法」をはじめ、都道府県公安委員会による交通規制等を定めた「道路交通法」並びに自動車保有者等に対して自動車の保管場所確保等を定めた「自動車の保管場所の確保等に関する法律(車庫法)」等があります。

 これらの法律が変更された場合、当社の業績に影響を与える可能性があります。

 今後、都市部の自動車利用の制限につながるような法改正等がなされた場合には、当社の営業地域における駐車場の需要の減少等により、当社の業績に影響を与える可能性があります。

 提出日現在、当社は本リスクが顕在化することが予測される情報について、認識をしておりません。

 本リスクへの対応策として、関係法令の改正情報等を早期に入手し、その影響を検討して対策をとるとともに、関係法令の遵守を徹底いたします。

(3)借入金について

 当社における駐車場開発形態としては、「賃借」及び「保有」がありますが、土地を保有する場合には、当該資金の大部分を金融機関からの長期借入金により調達しております。金融機関からの借入に当たっては原則として借入期間を20年とし、金利についてもその多くを固定金利での調達としておりますが、今後の金利動向等、金融情勢の急激な変化により、当社の財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 提出日現在、当社は本リスクが顕在化することが予測される情報について、認識をしておりません。

 本リスクへの対応策として、上記の通り、金融機関からの借入に当たっては原則として借入期間を20年とし、金利についてもその多くを固定金利での調達としております。

 なお、最近5ヵ年における自己資本比率、長期借入金の推移は、以下のとおりであります。

回次

第21期

第22期

第23期

第24期

第25期
当事業年度

決算年月

平成29年9月

平成30年9月

令和元年9月

令和2年9月

令和3年9月

自己資本比率(%)

42.2

43.0

44.6

43.4

44.7

長期借入金合計(百万円)

12,126

13,575

15,269

17,498

17,173

 1年内返済予定の長期借入金
 (百万円)

1,357

1,585

1,592

1,744

1,780

 長期借入金(百万円)

10,768

11,989

13,676

15,754

15,393

 

(4)事業用土地の状況について

 当社では、当事業年度末現在、総資産額35,778百万円に対し、簿価27,514百万円の土地(不動産信託受益権含む)を所有しております。

 これらの土地等につきましては、殆どが当社が営む時間貸駐車場に係る駐車場用地であり、原則的には継続して所有し事業の用に供するものです。また、現時点におきましては、充分な収益を確保しているものと当社では認識しております。しかしながら、今後、売上の低下や営業戦略の大幅な変更等により、当社の事業にとって不要な土地等を売却した場合、当該地価の動向によっては、当社の業績に影響を与える可能性があります。

 また、固定資産の収益性の低下により投資額の回収が見込めなくなった場合に、一定の条件で回収可能性を反映させるように帳簿価額を減額することとなるため、今後の地価の動向や当社の収益状況によっては、当社の財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 提出日現在、当社は本リスクが顕在化することが予測される情報について、認識をしておりません。

 本リスクへの対応策として、事業用土地の取得にあたっては、特定の駐車需要に依存し過ぎないことや取得金額が路線価等の指標金額に対して特に高価となる場合には、その売上予測根拠の正確性について丁寧に検証を実施しております。

 

(5)新型コロナウイルス感染症の影響について

 新型コロナウイルス感染症の影響に関して、令和2年4月~5月の一度目の緊急事態宣言下においては売上高の急激な落ち込みが生じたものの、緊急事態宣言解除以降は徐々に回復し、令和2年10月次の売上高においては前年同月比91.9%まで回復いたしました。しかしながら、令和2年11月下旬頃より新規感染者数が増加し始め、令和3年1月には二度目の緊急事態宣言が発出され、その後も断続的に緊急事態宣言が発出されております。

 新型コロナウイルス感染者数の推移を踏まえると、令和4年9月期については、新型コロナウイルス感染症の影響は通期にわたって継続するものの、社会・経済活動は緩やかな持ち直し基調で推移するものと想定しており、事業継続ならびに業績への影響は限定的であると想定しております。

 本リスクへの対応策として、不採算駐車場の解約、還元方式への移行、賃料変更など、売上原価の削減に努めると共に、新規開設については、令和2年3月上旬より、このような状況下でも収益が確保できる物件に限って行っております。また、社員の安全確保のため、テレワークの導入、社用車通勤および時差通勤を推進しております。

 なお、新型コロナウイルス感染症による影響については不確実性が高く、今後の感染拡大の状況や経済への影響によっては、当社の経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

①財政状態及び経営成績の状況

a.経営成績の状況

 当事業年度(自 令和2年10月1日 至 令和3年9月30日)における我が国の経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により、引き続き厳しい状況で推移しております。

 当社の属する駐車場業界においては、一度目の緊急事態宣言が令和2年5月に解除されて以降、徐々に売上高は回復し、令和2年10月の売上高においては、前年同月比91.9%まで改善いたしました。しかしながら、11月下旬頃より新規感染者数が増加し始め、令和3年1月には二度目の緊急事態宣言が発出される事態となったため、景況感は大幅に悪化し、特に繁華街周辺、商業施設周辺、パークアンドライド型の駅前立地の駐車場について、再び売上高が減少いたしました。二度目の緊急事態宣言は3月に解除されましたが、その後も断続的に緊急事態宣言が発出され、依然として先行きが不透明な状況が続いております。

 このような状況において、保有駐車場については売上高が減少する局面においても、その高い売上総利益率により「基盤収益」として経営を下支えする役割を担い、賃借駐車場については不採算駐車場の解約、還元方式への移行、賃料変更など売上原価の削減に努めると共に、上記のような状況でも収益が確保できる物件に限って新規開設を行いました。

 その結果、当事業年度においては、122件1,550車室の新規開設、162件2,066車室の解約等により、40件516車室の純減となり、9月末現在2,041件30,196車室が稼働しております。

 

 なお、令和2年10月から令和3年9月にかけての売上高及び売上総利益の推移は下記の通りです。

 

令和2年10月次

令和2年11月次

令和2年12月次

売上高(百万円)

1,054

1,006

1,027

売上高 前年同月比

91.9%

86.6%

82.7%

売上総利益(百万円)

328

299

287

売上総利益率

31.1%

29.7%

28.0%

 

 

令和3年1月次

令和3年2月次

令和3年3月次

売上高(百万円)

908

900

1,050

売上高 前年同月比

79.5%

81.9%

97.0%

売上総利益(百万円)

199

194

330

売上総利益率

21.9%

21.6%

31.4%

 

 

令和3年4月次

令和3年5月次

令和3年6月次

売上高(百万円)

965

926

986

売上高 前年同月比

121.1%

115.8%

101.8%

売上高 一昨年同月比

82.2%

80.3%

84.4%

売上総利益(百万円)

261

238

287

売上総利益率

27.1%

25.8%

29.1%

 

 

令和3年7月次

令和3年8月次

令和3年9月次

売上高(百万円)

1,034

946

954

売上高 前年同月比

100.2%

97.2%

93.6%

売上高 一昨年同月比

84.4%

77.9%

81.7%

売上総利益(百万円)

337

257

260

売上総利益率

32.6%

27.2%

27.3%

 

 また、新型コロナウイルス感染症の影響が長引き、当社収益の回復が従来想定より遅れている中で、既存精算機をアプリ決済に対応させるための先行投資やアプリリリース時のクーポン配布等のキャンペーンが時期尚早であることから、駐車場決済アプリのリリースを無期限で延期することとし、その延期に伴い駐車場決済アプリ(付随システム含む)に係るソフトウェア仮勘定全額(112百万円)を減損損失として計上いたしました。

 

 上記の新型コロナウイルス感染症の影響及び売上原価削減等の効果により、当事業年度の売上高は11,761百万円(前事業年度比5.7%減)、営業利益1,786百万円(前事業年度比28.2%増)、経常利益1,575百万円(前事業年度比32.9%増)、当期純利益977百万円(前事業年度比30.6%増)を計上いたしました。

 

 当社の駐車場形態ごとの状況は以下の通りであります。

(賃借駐車場)

 当事業年度においては、116件1,488車室の開設及び、162件2,022車室の解約等により、46件534車室の純減となりました。その結果、9月末現在1,805件25,609車室が稼働しております。売上高は9,506百万円(前事業年度比7.1%減)となりましたが、不採算駐車場の解約、還元方式への移行、賃料変更など売上原価の削減により、売上総利益は1,626百万円(同32.4%増)となりました。

 

(保有駐車場)

 当事業年度においては、川崎市1件8車室、東京都荒川区1件7車室、江戸川区1件8車室、大阪市1件4車室、会津若松市1件17車室、長崎市1件4車室の計6件48車室を新規開設いたしました。また、既存保有駐車場の隣地の取得等により、大阪市において5車室、高崎市において9車室増設いたしました。一方で、秋田市において、レイアウト変更に伴い4車室減少、石岡市において、車室数が供給過多であった保有駐車場の一部敷地を自社倉庫に転用したため、40車室減少いたしました。その結果、6件18車室の純増となり、9月末現在においては236件4,587車室が稼働しております。売上高は1,788百万円(同1.1%増)、売上総利益は1,396百万円(同1.1%増)となりました。

 このほか、当事業年度において、長崎市1件7車室分の駐車場用地を取得しており、翌事業年度第1四半期にオープンしております。

 当事業年度において、保有駐車場への投資額は1,072百万円となりました。

 

(その他売上)

 当事業年度においては、不動産賃貸収入、自動販売機関連売上、バイク・バス・駐輪場売上、太陽光発電売上、不動産仲介売上により、売上高は467百万円(同1.6%減)、売上総利益は258百万円(同4.5%減)となりました。

 

b.財政状態の状況

 当事業年度末における総資産は35,778百万円となり、前事業年度末に比べ169百万円増加しました。これは主に有形固定資産における土地の増加(1,075百万円)、リース資産(純額)の減少(348百万円)、流動資産における現金及び預金の減少(317百万円)によるものであります。

 当事業年度末における負債の部は19,779百万円となり、前事業年度末に比べ331百万円減少しました。これは主に借入金の減少(528百万円)によるものであります。

 当事業年度末における純資産の部は15,998百万円となり、前事業年度末に比べ500百万円増加しました。これは主に当期純利益に伴い利益剰余金が増加(416百万円)したことによるものです。

 この結果、自己資本比率は前事業年度末の43.4%から44.7%となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

 当事業年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」)は、前事業年度末に比べ317百万円減少し、4,152百万円となりました。主な要因は以下のとおりです。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動により得られた資金は前事業年度に比べ1,799百万円増加し、2,443百万円となりました。これは主として、税引前当期純利益1,444百万円、減価償却費601百万円によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動により使用した資金は前事業年度に比べ1,543百万円減少し、1,314百万円となりました。これは主として、有形固定資産の取得による支出1,268百万円よるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動により使用した資金は1,446百万円(前事業年度は1,463百万円の収入)となりました。これは主として、長期借入れによる収入が1,489百万円に対し、長期借入金の返済による支出が1,814百万円、リース債務の返済による支出が421百万円、配当金の支払いが559百万円であったことによるものであります。

 

③生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 該当事項はありません。

 

b.受注実績

 該当事項はありません。

 

c.販売実績

 当事業年度における駐車場形態毎の販売実績は以下のとおりです。

駐車場形態

金額(百万円)

前年同期比(%)

賃借駐車場

9,506

△7.1

保有駐車場

1,788

1.1

その他事業

467

△1.6

合計

11,761

△5.7

(注)1 記載の金額には、消費税等は含まれておりません。

2 当事業年度における地域別販売実績及び構成比は次のとおりであります。

地域別

前事業年度

(自 令和元年10月1日

至 令和2年9月30日)

当事業年度

(自 令和2年10月1日

至 令和3年9月30日)

金額(百万円)

構成比(%)

金額(百万円)

構成比(%)

関東地区

5,614

45.0

5,500

46.8

関西地区

3,189

25.6

3,084

26.2

その他

3,667

29.4

3,176

27.0

合計

12,471

100.0

11,761

100.0

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。

 

①重要な会計方針及び見積り

 当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。財務諸表を作成するにあたり、経営者により会計基準の範囲内で見積り計算が行われており、資産及び負債、収益並びに費用にその結果が反映されております。これらの見積りについては継続して評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果と異なることがあります。

 詳細については、「第5 経理の状況 2財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計方針)」、「同注記事項(重要な会計上の見積り)」及び「同注記事項(追加情報)」に記載しております。

 

②当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当事業年度は、国内における新型コロナウイルス感染症の第3波から第5波の期間にほぼ相当し、緊急事態宣言の発出や各種経済活動の自粛要請により厳しい事業環境が続きました。当社の属する駐車場業界においては、一度目の緊急事態宣言が令和2年5月に解除されて以降、徐々に売上高は回復し、令和2年10月の当社売上高においては、前年同月比91.9%まで改善いたしました。

 しかしながら、11月下旬頃より新規感染者数が増加し始め、令和3年1月には二度目の緊急事態宣言が発出される事態となったため、景況感は大幅に悪化し、特に繁華街周辺、商業施設周辺、パークアンドライド型の駅前立地の駐車場について、再び売上高が減少いたしました。新型コロナウイルス感染症第3波の影響を受けた令和3年1月の売上高は、前年同月比79.5%となりました。二度目の緊急事態宣言は3月に解除されましたが、4月~5月にかけては第4波、8月~9月にかけては第5波の影響を受け、売上高はコロナ前(一昨年同月)に対し80%前後にて推移しております。

 対策として、賃借駐車場については、このような状況でも収益が確保できる物件に限って新規開設を行うとともに、原価低減(①不採算駐車場の解約、②固定賃料の低減、③還元方式への移行)によって収益性を向上させました。保有駐車場については、コロナ禍においても売上減少が小さい地域を対象として継続的な購入活動を行い、その残高を増加させました。その結果、売上高については通期にわたってコロナ禍の影響を受け5.7%の減収となりましたが、売上総利益は3,282百万円と前事業年度に比べ13.9%増加し、売上総利益率は27.9%と4.8ポイント増加しました。営業利益については28.2%の増益となり、当期純利益については30.6%の増益となりました。

 また、アフターコロナに向けた施策として、大手不動産デベロッパーや不動産仲介会社との業務提携を複数締結しました。現在、資本業務提携先が1社、業務提携先が3社となっており、「不動産開発部」の新設など社内体制の充実にも努めました。積極的な営業活動を再開する体制が整ったと認識しており、コロナ禍からの回復と合わせて、再び成長軌道に乗せたいと考えています。

 

③当社の資本の財源及び資金の流動性

 当社の運転資金需要のうち主なものは、賃借駐車場の支払地代、駐車場の管理費用、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、保有駐車場用地の取得、駐車場機器への設備投資等によるものであります。

 当社は、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。

 短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資資金の調達については、金融機関からの長期借入及びリース契約を基本としております。

 なお、当事業年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は18,168百万円となっております。

 また、当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は4,152百万円となっております。

 

4【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

5【研究開発活動】

 該当事項はありません。