第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日時点において当社グループが判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

 当社グループは、「真の医薬分業の実現」を企業理念に掲げ、「日本調剤」の社名が示すとおり、地域の隔てなく日本全国に調剤薬局を展開するほか、医薬品製造販売事業と医療従事者派遣・紹介事業を併せて、質の高い医療サービスを国民の皆さまに提供することを使命として事業展開をしております。

 

(2)中長期的な会社の経営戦略

 平成30年4月27日付にて、以下の通り「日本調剤グループ 2030年に向けた長期ビジョン」を策定しております。

①背景

 団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となる2025年を境界線として医療・医薬品業界を取り巻く環境はかつてない大きな変化を迎えることとなります。“医療費の増加抑制”と“良質な医療サービスの提供”を同時に実現するために、様々な制度改革が進められ、業界経営者も過去の実績に囚われない柔軟かつ大胆な発想の転換が求められます。このような変化は既に着々と進みつつあります。

 調剤薬局業界では、平成27年10月に厚生労働省より「患者のための薬局ビジョン」が公表され、薬剤師・薬局の将来像=必要とされる薬剤師像・薬局像が具体的かつ明確に示されました。同時に2025年までに全ての調剤薬局をかかりつけ薬剤師・薬局に再編するとの構想が打ち出され、その後平成28年4月、平成30年4月の調剤報酬改定では、同ビジョン・同構想の実現に向けた調剤報酬基準の改定(物から人への転換)が進められています。また、毎年薬価改定などの薬価制度の抜本的な改革、分割調剤の促進、特区における遠隔服薬指導の開始など制度改革が矢継ぎ早に実施されています。今後もこれまで以上に多くの改革が、これまで以上に早い時間軸で進められていくことは想像に難くありません。

 日本調剤グループは、こうした激流ともいえる大きな環境変化を乗り越え、さらなる飛躍に向けた強固な企業基盤を構築すべく、各事業間の連携を一層強化してまいります。コア事業である調剤薬局事業と医薬品製造販売事業並びに医療従事者派遣・紹介事業とのシナジーを最大限発揮することに従来にも増して注力し業容拡大に努めてまいります。

②企業理念

「真の医薬分業の実現」

③2030年をメドとした企業規模等のイメージ

1.売上高1兆円企業を展望 ※連結消去前、各事業セグメント単純合算

2.調剤薬局市場におけるシェア:10%

3.ジェネリック医薬品市場におけるシェア:15%

4.収益ポートフォリオの深化(調剤:他の2事業=50%:50%)

 

(3)目標とする経営指標

 当社グループでは、株主・投資家重視の観点から、経営指標上の数値向上を目指しておりますが、国の制度変更や各種施策によって各事業ともに経営環境等が大きく変動するため、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標につきましては現時点では特に定めておりません。しかしながら、収益性を重視するとともに、継続的な事業拡大と安定的な配当実施に向けて、キャッシュ・フローを重視し、資本生産性の向上を追求することにより、企業価値の最大化を図ってまいります。今後、調剤薬局事業以外の関係事業が成長し、安定的な事業基盤を確立していく段階で、当社の事業スタイルに適合した、目標とすべき経営指標を模索してまいります。

 

(4)経営環境及び会社の対処すべき課題

 団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となる2025年を境界線として、医療・医薬品業界を取り巻く環境はかつてない大きな変化を迎えることとなります。“医療費の増加抑制”と“良質な医療サービスの提供”を同時に実現するために、「地域包括ケアシステムの構築と医療機能の分化・強化、連携の推進」をはじめとして様々な制度改革が進められており、変化は着々と進みつつあります。

 調剤薬局業界においては、平成27年10月に厚生労働省より示された「患者のための薬局ビジョン」で、薬剤師・薬局の将来像=必要とされる薬剤師像・薬局像が具体的かつ明確になりました。調剤薬局は、単に医薬分業の受け皿ではなく、地域医療、チーム医療の担い手の一つとして、「患者本位の分業」実現に向け、従来以上に大きな役割を果たすことが求められています。また、厚生労働省から“2025年までにすべての調剤薬局をかかりつけ薬局に再編する”との構想が打ち出され、その後平成28年4月、平成30年4月の調剤報酬改定では、同ビジョン・同構想の実現に向けた改定(対物から対人への転換)が進められています。業界をリードする当社グループでは、「患者のための薬局ビジョン」実現に向けこれまで以上に、かかりつけ薬剤師・薬局への取り組みを強化してまいります。

 当社グループは、このような激流ともいえる大きな環境変化を乗り越え、企業理念に掲げました「真の医薬分業を実現する」ことで、「患者本位の分業」を実現し、業界再編後に勝ち残る企業グループとなるべく、それぞれの事業の経営の効率化を進め、生産性を高めてまいります。加えて、業界再編の大きなうねりの中で、企業グループが目指すべき方向を見失わないよう、さらに経営の健全性と透明性を向上させるべく、コンプライアンス体制をはじめとする内部統制システムの徹底を図り、コーポレートガバナンスを強化してまいります。

2【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項について記載しております。当社グループはこれらのリスクを認識した上で、それが現実化した際には適切に対処する方針ですが、投資対象としての判断は、本項及び本書中の本項目以外の記載内容も併せて慎重に検討した上、行われる必要があると考えております。なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日時点において当社グループが判断したものであり、さまざまな要因によって実際の結果と異なる可能性があります。

 

Ⅰ.各事業に係るものについて

1.有利子負債依存度について

 当社グループは、主として借入金により資金を調達することにより調剤薬局事業における新規出店展開及び医薬品製造販売事業における設備投資などを行っております。今後も借入金等による出店・設備投資等を行う予定であり、その場合、支払利息が増加する可能性があります。また、各事業の運営によるキャッシュ・フローが十分得られない等の場合には追加借入が困難となること等により、当社グループの事業計画や業績等が影響を受ける可能性があります。さらに、現時点で、借入金の大半は固定金利となっておりますが、金利の上昇に伴い支払利息が増加することにより当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。

2.個人情報管理について

 当社グループは、調剤薬局事業及び医療従事者派遣・紹介事業において、患者さまの病歴及び薬歴、並びに派遣労働者の経歴などの個人情報を取り扱っております。当社グループにおいては、個人情報について厳重な管理を行っておりますが、これらの個人情報が漏洩した場合には、住所・氏名などの一般的な個人情報の漏洩の場合と比較し、より多額の賠償責任が生じる可能性があります。また、個人情報の保護に関しては、「個人情報の保護に関する法律」により、当社及び連結子会社を含む個人情報取扱事業者が本人の同意を得ずに個人情報を第三者に提供した場合等には、行政処分が課され、場合によっては刑事罰の適用を受けることもあります。さらに、調剤薬局において個人情報を扱う当社の従業員は、その多くが薬剤師であり、薬剤師には重い守秘義務が法律上課せられております(刑法第134条)。これらのため、当社グループにおいて、万一個人情報の漏洩があった場合には、多額の賠償金の支払いや行政処分、それらに伴う既存顧客の信用及び社会的信用の低下等により当社グループの業績等が影響を受ける可能性があります。

3.社会保険料負担について

 当社グループにおいては、社会保険加入対象者を全員加入させることにしております。高齢者医療制度改革、雇用保険の充実など、制度の改正による保険料率上昇や、派遣労働者に係る被保険者の範囲の変更に伴い、会社負担金額が大幅に上昇する場合、当社グループの業績等が影響を受ける可能性があります。

4.災害等による影響について

 当社グループにおいては、各社の本社機能を主に東京都千代田区に集約しております。また、医薬品製造販売事業においては茨城県つくば市及び埼玉県春日部市に日本ジェネリック株式会社の生産設備を、徳島県徳島市に長生堂製薬株式会社の本社及び生産設備を設置しております。災害等がこれら地域に発生した場合に備え、当社グループ各社では事業継続計画を策定しておりますが、想定を超える被害を受けた場合には、当社グループの業績等が影響を受ける可能性があります。

 

Ⅱ.調剤薬局事業について

1.調剤薬局事業の法的規制等について

(1)調剤薬局の開設等について

 当社が調剤薬局を開設し、運営するにあたり、必要とされる各都道府県等の許可・指定・登録・免許を受けることができない場合、更新及び登録・届出の手続きを怠った場合、関連する法令に違反した場合、または、これらの法令が改正された場合等において当社の出店計画及び業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 当該法的規制の主なものは、「薬局開設許可」・「保険薬局指定」等であり、当社は必要とされる許可等を全ての店舗で取得しております。また、許可等の取消事由について、有価証券報告書提出日現在、該当事項はありません。

(2)薬剤師の確保について

 調剤薬局においては、薬剤師法第19条において薬剤師以外の調剤を禁じていることや、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」(旧 薬事法、以下「薬機法」といいます)及び厚生労働省令によって、薬局における薬剤師の配置のみならず、その配置人数においても厳しく規制されており、1日当たり40枚の受取処方せんに対して1人の薬剤師を配置する必要があります。このため、薬剤師の必要人員数が確保されない場合には、当社の出店計画及び業績等に影響を及ぼす可能性があります。

(3)調剤業務について

 当社では調剤過誤の防止を図るため、さまざまな対策を講じております。例えば、調剤過誤により重篤な症状を来たす危険薬剤等の自動チェックシステムを導入するとともに当該危険薬剤等については薬剤師が重点的に鑑査を実施しております。さらには、万一に備え、全店舗において「薬剤師賠償責任保険」に加入することにより、業績への影響を緩和する措置を講じております。しかしながら、調剤過誤が発生し、多額の賠償金の支払いや、それに伴う既存顧客の信用及び社会的信用の低下等があった場合には、当社の業績等に影響を及ぼす可能性があります。

2.調剤薬局事業の事業環境について

(1)医薬分業率の動向について

 医薬分業は、医療機関が診察等の医療行為に専念し調剤薬局が薬歴管理や服薬指導等を行うことで医療の質的な向上を図るために国の政策として推進されてきました。今後、医薬分業率の伸び率が変化する場合には、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。

(2)医療制度改革について

①薬価基準及び調剤報酬の改定について

 当社グループの主たる事業である調剤薬局事業の調剤売上は、厚生労働省告示に定められた薬価基準に基づく薬剤収入と、同省告示に定められた調剤報酬点数に基づく調剤技術に係る収入との合計額であります。このため、薬価基準の改定によって薬価基準が引き下げられる一方、実際の仕入価格が同程度引き下げられなかった場合、または、調剤報酬の改定によって調剤報酬点数の引き下げ等があった場合には、当社グループの業績等が影響を受ける可能性があります。

②その他の制度改革について

 近年、医療に対する患者さまの権利意識の向上や医療財政の窮迫化等を原因とする各種医療制度改革が進行しております。今後も引き続き各種医療制度改革の実施が考えられますが、その動向によっては患者数の減少等により当社グループの業績等が影響を受ける可能性があります。

3.事業展開について

 当社グループの調剤薬局事業においては、店舗の買収を含め、店舗数の拡大等を図っていく方針でありますが、出店条件に合致する物件が確保できないこと等により計画どおりに出店できない場合、競合状況や医薬分業の進展が芳しくない等の状況により出店後に当初計画どおりの売上が計上できない場合、医療機関の移転又は廃業等により店舗の売上高が減少する場合、賃借先の経営状況により店舗営業の継続及び敷金保証金の返還に支障が生じる場合等には、当社グループの事業計画や業績等が影響を受ける可能性があります。

4.業績の季節変動について

 当社グループの売上高合計のうち、調剤薬局事業の売上高が当連結会計年度においても大半を占めており、当社で行っている調剤薬局事業の業績の変動が当社グループ業績の変動に大きく影響することになります。当該調剤薬局事業においては、冬季に流行するインフルエンザ等や春先を中心に発生する花粉症(アレルギー性鼻炎)に係る処方せんの増加状況により影響を受ける可能性があります。

5.消費税等の影響について

 調剤薬局事業において、調剤売上は消費税法により非課税となる一方で、医薬品等の仕入は同法により課税されております。このため、調剤薬局事業において当社は消費税等の最終負担者となっており、当社が仕入先に支払った消費税等は、販売費及び一般管理費の区分に費用計上されております。過去の消費税率改定時には、消費税率の上昇分が薬価基準の改定において考慮されておりましたが、今後、消費税率が改定され、薬価基準がその消費税率の変動率に連動しなかった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

Ⅲ.医薬品製造販売事業について

1.医薬品製造販売事業の法的規制等について

 平成17年4月の改正薬事法(現 薬機法)施行により、医薬品の販売承認制度が導入され、医薬品の全面委託製造が可能となったことを契機として、当社グループでは、当社の連結子会社である日本ジェネリック株式会社において平成17年4月に医薬品製造販売業許可を取得しました。平成18年4月からは他社製造のジェネリック医薬品の販売、平成19年7月からは自社による承認取得をした同医薬品の製造販売を開始しております。当社グループの医薬品製造販売事業においては、開発コストの負担が新薬に比較して少ないジェネリック医薬品の製品化、販売を行い、実際の製造にあたっては平成22年10月より自社工場での製品製造を本格化させており、製造物責任に係る訴訟リスク及び以下のような医療用医薬品の製造販売に関する法的規制等の同事業に係るリスク要因が、当社グループの業績等に大きな影響を与える可能性があります。医療用医薬品の製造販売に関しては、主に薬機法関連法規等の規制を受け、各都道府県知事等による許可・指定・登録・免許及び届出を必要としております。その主なものは、「第1種医薬品製造販売業許可」・「第2種医薬品製造販売業許可」医薬品の「卸売販売業許可」等であります。万一法令違反等があった場合、監督官庁からの業務停止、許認可の取消等が行われ、当社グループの業績等に影響を与える可能性があります。また、当事業において開発・申請した製造販売品目ごとの承認を厚生労働大臣から取得しておりますが、これらの承認を計画どおりに得られない場合、当社グループの業績等が影響を受ける可能性があります。

2.医薬品製造販売事業の事業環境について

 医療用医薬品は、厚生労働省が定める薬価基準により、医療機関、調剤薬局での調剤報酬における薬剤費算定の基礎となる薬価が定められます。国の財政改革を背景とした医療費抑制化の動きから、薬価基準改定は2年に一度から毎年改定への変更が政府方針として決定しており、また薬価は改定のたびに低下する傾向があります。こうした薬価の動向は、当社グループの製品価格政策に影響を与える可能性があります。また、当事業において取り扱うジェネリック医薬品の製造販売市場においては、今後、医療制度の大幅な変更により急速に需要が拡大する可能性がある一方で、医薬品業界全体を巻き込んで競争が激化する可能性があります。これらの事業環境の変化は、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。

3.医薬品製造の外部委託について

 当事業は、平成17年4月に施行された改正薬事法(現 薬機法)に基づいた製造販売承認制度に則り、国の承認を得てジェネリック医薬品製造販売の製造部門を外部へ委託する形式、あるいは製造販売元の医薬品を自社販売する形式にて市場への製品供給を行っております。複数のジェネリック医薬品メーカーとの間で継続的な製品供給契約を締結しておりますが、製造委託先の諸事情により該当製品の契約終了、契約内容変更等により製品供給が行われなくなる可能性があります。これらの場合、当社グループの業績等へ影響を及ぼす可能性があります。

4.特許訴訟について

 当社グループの医薬品製造販売事業においては、知的財産権及び不正競争防止法に十分に留意した製品開発を行っておりますが、ジェネリック医薬品の商品としての特性上、先発医薬品メーカーから特許訴訟を提起される場合があります。このような事態になった場合には、当社グループの業績等へ影響を及ぼす可能性があります。

5.製品回収・販売中止について

 ジェネリック医薬品は、先発品でその有効性と安全性が一定期間にわたって確認された使用実績に加え、再審査の後発売されるため、重篤な副作用が発生するリスクは極めて小さいと考えられます。ただ万一予期せぬ新たな副作用の発生や製品への不純物混入といった事故が発生した場合、製品回収・販売中止を余儀なくされ、当社グループの業績等へ影響を及ぼす可能性があります。

6.原材料・商品の仕入について

 原材料及び商品の仕入先において、規制上の問題または火災・地震、その他の災害及び輸送途中の事故等により原材料及び商品の仕入が不可能となった場合、製品の製造及び供給が停止し、当社グループの業績等へ影響を及ぼす可能性があります。

 

Ⅳ.医療従事者派遣・紹介事業について

1.医療従事者派遣・紹介事業の法的規制等について

 平成11年12月の労働者派遣法改正に伴い薬剤師の派遣が認められたことから、平成12年7月に当社の連結子会社である日本調剤ファルマスタッフ株式会社(現 株式会社メディカルリソース)において薬剤師に特化した労働者派遣事業を開始しており、当社に対しても薬剤師の派遣を行っております。また、平成14年6月1日から薬剤師の人材紹介事業を行っております。当事業においては、「一般労働者派遣事業許可」・「職業紹介事業許可」等の厚生労働省の許可が必要となっており、また同省の定める「派遣元事業主が講ずべき措置に関する指針」及び「職業紹介事業者、労働者の募集を行う者、募集受託者、労働者供給事業者等が均等待遇、労働条件等の明示、求職者等の個人情報の取扱い、職業紹介事業者の責務、募集内容の的確な表示等に関して適切に対処するための指針」の規制も受けております。当該法令、指針に違反したことにより許可を取り消された場合等において、当社グループの業績等が影響を受ける可能性があります。

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日時点において当社グループが判断したものであります。

 

(1)業績等の概要

 

①業績

 当連結会計年度(平成29年4月~平成30年3月)においては、売上高241,274百万円(前年同期比8.0%増)、営業利益10,587百万円(同24.3%増)、経常利益10,138百万円(同27.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益6,104百万円(同31.6%増)となりました。

 セグメントごとの経営成績の概要は次のとおりです。

・調剤薬局事業

 売上高は205,192百万円(前年同期比8.4%増)、営業利益12,411百万円(同29.8%増)となりました。

・医薬品製造販売事業

 売上高は38,066百万円(前年同期比3.4%増)、営業利益1,194百万円(同30.5%減)となりました。

・医療従事者派遣・紹介事業

 売上高は11,970百万円(前年同期比14.0%増)、営業利益は1,842百万円(同7.7%増)となりました。

 

②キャッシュ・フロー

 当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況は、営業活動によるキャッシュ・フローが23,141百万円(前年同期は△940百万円)、投資活動によるキャッシュ・フローが△13,843百万円(前年同期は△28,444百万円)、財務活動によるキャッシュ・フローが△2,034百万円(前年同期は18,205百万円)となりました。この結果、現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末の21,200百万円に対して7,264百万円増加し、28,464百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)
 主要な収入項目は、税金等調整前当期純利益10,045百万円であります。一方、主要な支出項目は、仕入債務の減少額△1,399百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
 主要な支出項目は、調剤薬局事業における新規出店及び医薬品製造販売事業における設備投資を主とした有形固定資産の取得による支出△12,076百万円及び連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出△1,126百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
 主要な収入項目は、長期借入れによる収入13,000百万円であります。一方、主要な支出項目は、長期借入金の返済による支出△13,408百万円であります。

(2)生産、仕入及び販売の状況

 

①生産実績

  当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりであります。

 

セグメントの名称

 

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(百万円)

金額(百万円)

医薬品製造販売事業

17,864

19,138

  (注)1.金額は製造原価によっております。

    2.日本ジェネリック株式会社及び長生堂製薬株式会社の工場における生産実績を示しております。

 

②仕入実績

当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりであります。

セグメントの名称及び区分

前連結会計年度

当連結会計年度

 金額(百万円)

 金額(百万円)

調剤薬局事業

調剤薬品

119,566

121,989

一般薬等

1,624

1,850

医薬品製造販売事業

12,641

12,384

医療従事者派遣・紹介事業

合計

133,833

136,225

 (注)1.金額に消費税等は含まれておりません。

2.一般薬等部門とは、一般大衆薬、衛生用品、健康食品、雑貨等の販売部門であります。

3.医療従事者派遣・紹介事業については、仕入はありません。

4.医薬品製造販売事業の仕入実績は、製造委託品等の仕入実績を示しております。

 

③受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(百万円)

受注残高(百万円)

前連結会計年度

当連結会計年度

前連結会計年度

当連結会計年度

医薬品製造販売事業

9,201

7,955

2,263

1,843

 (注)金額に消費税等は含まれておりません。

④販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりであります。

セグメントの名称及び区分

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

調剤薬局事業

調剤売上

186,863

83.6

202,321

83.9

一般薬等売上

2,452

1.1

2,858

1.2

小計

189,315

84.7

205,180

85.1

医薬品製造販売事業

24,184

10.8

24,685

10.2

医療従事者派遣・紹介事業

9,968

4.5

11,408

4.7

合計

223,468

100.0

241,274

100.0

 (注)1.金額に消費税等は含まれておりません。

2.セグメント間取引は相殺消去しております。

3.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は以下のとおりであります。

セグメントの名称及び区分

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売先

請求先

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

調剤薬局事業

調剤売上

患者

国民健康保険団体連合会

98,900

44.2

104,858

43.5

社会保険診療報酬支払基金

60,685

27.2

67,750

28.1

その他

426

0.2

502

0.2

患者負担

26,851

12.0

29,211

12.1

小計

186,863

83.6

202,321

83.9

一般薬等売上

患者他

2,452

1.1

2,858

1.2

小計

189,315

84.7

205,180

85.1

医薬品製造販売事業

医薬品卸企業他

24,184

10.8

24,685

10.2

医療従事者派遣・紹介事業

派遣紹介先企業他

9,968

4.5

11,408

4.7

合計

223,468

100.0

241,274

100.0

 

 最近2連結会計年度の調剤薬局事業の処方せん枚数は以下のとおりであります。

地域

前連結会計年度

当連結会計年度

前年同期比(%)

処方せん枚数(千枚)

(構成割合)

処方せん枚数(千枚)

(構成割合)

北海道

977

(7.6%)

1,017

(7.4%)

104.1

東北

974

(7.5%)

996

(7.3%)

102.2

関東甲信越

7,218

(55.7%)

7,670

(55.8%)

106.3

東海

864

(6.7%)

981

(7.1%)

113.6

関西北陸

1,470

(11.4%)

1,548

(11.3%)

105.3

中国

534

(4.1%)

539

(3.9%)

100.9

四国

216

(1.7%)

221

(1.6%)

102.1

九州沖縄

691

(5.3%)

763

(5.6%)

110.4

合計

12,949

(100.0%)

13,739

(100.0%)

106.1

 

 

(3)財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

 

①重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般的に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。使用する仮定や見積りは、これまでの経験、業界での標準的考え、経済状況及び業界動向、現在入手可能な情報を総合的に勘案し、その時点で最も合理的と考えられるものを継続して採用しております。実際の結果はこれらの見積りと異なる可能性があり、また、これらの見積りは異なった仮定のもとでは結果に差異が生じることがあります。

 

②当連結会計年度の財政状態及び経営成績の分析

(財政状態)

 当連結会計年度末における資産合計は186,573百万円となり、前連結会計年度末の178,347百万円に対し、4.6%、8,225百万円増加いたしました。また、当連結会計年度末の負債合計は145,066百万円となり、前連結会計年度末の141,900百万円に対し、2.2%、3,166百万円増加いたしました。

 流動資産は、前連結会計年度末82,327百万円に対し、1.0%、793百万円増加し、83,121百万円となりました。主な要因は、現金及び預金の増加7,264百万円、売掛金の減少6,795百万円などによるものであります。

 固定資産は、前連結会計年度末96,019百万円に対し、7.7%、7,432百万円増加し、103,452百万円となりました。うち、有形固定資産は、前連結会計年度末68,513百万円に対し、10.4%、7,148百万円増加し、75,662百万円となりました。その主な要因は、調剤薬局事業における新規出店及び事業譲受、医薬品製造販売事業における設備投資によるものであります。無形固定資産は前連結会計年度末16,773百万円に対し、7.0%、1,179百万円増加し、17,952百万円となりました。その主な要因は、調剤薬局事業におけるのれんの増加によるものであります。投資その他の資産は、前連結会計年度末10,733百万円に対し、△8.3%、896百万円減少し、9,837百万円となりました。主な要因は、投資有価証券の減少によるものであります。

 流動負債は、前連結会計年度末66,305百万円に対し、6.0%、4,004百万円増加し、70,310百万円となりました。その主な要因は、1年内返済予定の長期借入金の増加1,898百万円によるものであります。

 固定負債は、前連結会計年度末75,595百万円に対し、△1.1%、838百万円減少し、74,756百万円となりました。その主な要因は長期借入金の減少2,306百万円であります。

 純資産合計は、前連結会計年度末36,447百万円に対し、13.9%、5,059百万円増加し、41,506百万円となりました。主な要因は利益剰余金の増加5,305百万円であります。この結果、自己資本比率は22.2%となりました。

(経営成績)

 当連結会計年度(平成29年4月~平成30年3月)において、12月に「平成30年度診療報酬改定の基本方針」並びに「薬価制度の抜本改革に向けた基本方針」などが示され、本年4月にそれらの内容を踏まえた診療報酬・調剤報酬と薬価の改定が実施されました。その方針として“団塊の世代が75歳以上となる2025年とそれ以降の社会・経済の変化や技術革新への対応に向け”、“質が高く効率的な医療提供体制の整備とともに、新しいニーズにも対応できる質の高い医療の実現を目指す”ことが掲げられています。具体的には、かかりつけ薬剤師並びに地域医療に貢献する薬局の評価、薬局における対人業務の評価の充実、効率的で質の高い在宅薬剤管理指導業務の推進、後発医薬品の使用促進、医薬品の適正使用の推進、いわゆる門前薬局の評価の見直しなどが主なポイントとされています。薬局に対して地域との連携、医療機関との連携が強く求められていることが大きな特色の一つといえます。このように医薬品・調剤薬局業界を取り巻く環境が大きく変化しつつある状況のもと、当社グループでは国の施策の方向性を見定め、変化を業容拡大の好機とすべくグループ間の連携を強化し、各事業を推進した結果、営業利益、経常利益では過去最高を更新するなど大幅な増収増益を実現することができました。

 当社グループの当連結会計年度の業績は、売上高241,274百万円(前年同期比8.0%増)、営業利益10,587百万円(同24.3%増)、経常利益10,138百万円(同27.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益6,104百万円(同31.6%増)となりました。

 セグメント別の経営成績分析は以下のとおりです。

・調剤薬局事業

 同事業では、当連結会計年度においてM&Aを含め36店舗を新規出店し、8店舗を閉店いたしました。この結果、当連結会計年度末時点での総店舗数は585店舗(物販専業2店舗を含む)となりました。売上高については、205,192百万円(前年同期比8.4%増、C型肝炎治療薬を除いたベースでは同11.2%増)と増収となりました。新規店舗の増加及び前年出店店舗の売上寄与に加え、改定の翌年度における処方せん単価の上昇などの増収要因は期間を通して継続いたしました。利益面についても、かかりつけ薬剤師・薬局への取り組み強化などによる調剤報酬の改善、既存店の処方せん枚数の前年同期比増加傾向などにより、営業利益12,411百万円(同29.8%増)と大幅な増益となりました。

 なお、当連結会計年度末において、ジェネリック医薬品の数量ベース使用割合は全社平均84%、在宅医療実施店舗の割合は89%(年間12件以上実施の店舗割合)、電子お薬手帳「お薬手帳プラス」の会員数は24万人を超え、順調に進捗しています。

・医薬品製造販売事業

 同事業では、当連結会計年度において、調剤薬局事業の順調な業容拡大に伴う内部販売の増加などにより、売上高は38,066百万円(前年同期比3.4%増)と増収となりました。一方利益面については、メーカー間の価格競争が一層激しさを増すなか、販売価格の適正化に取り組みましたが、自社製造品の増強に向けた積極的な研究開発活動及び生産設備の増強に伴う費用の増加などを増収効果では補い切れず、営業利益1,194百万円(同30.5%減)と減益となりました。

 なお、当連結会計年度末での販売品目数は、6月に17品目、12月に18品目の新製品を発売した一方でグループ会社間での重複品目整理を進めた結果、636品目となっております。

・医療従事者派遣・紹介事業

 同事業では、調剤薬局業界においてかかりつけ薬剤師・薬局への取り組みが進む状況などを背景に、薬剤師を中心に医療従事者に対する派遣・紹介の需要が堅調に拡大しています。また薬剤師に関しては、派遣に加え紹介の件数が増加傾向にあります。紹介についても派遣と同様に、求職者との対面カウンセリングを重ね、求人先とのマッチングクオリティを重視した取り組みを進めています。これらの結果、当連結会計年度の売上高は11,970百万円(前年同期比14.0%増)、営業利益は1,842百万円(同7.7%増)と引き続き高い水準での増収増益を実現することができました。

 

③経営成績に重要な影響を与える要因について

 当社グループのコア事業である調剤薬局事業、また医薬品製造販売事業においては、薬価改定・調剤報酬改定の動向が経営成績に重要な影響を与える要因となっております。国の医療費抑制方針を背景に、今後も実質マイナス傾向の改定が行われることが予想されるため、国の方針及び事業環境変化を注視しながら鋭意事業を行ってまいります。

 政府によるジェネリック医薬品使用促進政策の進捗及びその結果としての普及率も経営成績に重要な影響を与える要因となっております。平成25年4月には、『後発医薬品の数量シェアを平成30年3月末までに60%以上とする(数量シェアについては、後発医薬品に置き換えられる先発医薬品及び後発医薬品をベースとした数量シェアとする)』という新たな目標が政府より示されています。さらに平成27年には「経済財政運営と改革の方針(骨太方針)2015」にて数量シェア目標は80%に引き上げられています。両事業の事業計画(損益計画・投資計画)は、この政府目標達成に向けた取り組みが積極的に推進されることを前提として策定・実行されており、当社グループの会計処理もこの目標及び事業計画を前提にして行っております。平成30年度以降もこの目標に沿った計画を実行する予定であり、会計処理に使用する仮定や見積りもこれに拠っています。なお、この想定に変更が生じた場合には、経営成績に重要な影響を与えることがあります。

 

④資本の財源及び資金の流動性についての分析

 当社グループの資金需要のうち主なものは、各事業セグメントにおける仕入資金、営業費用等の運転資金、また調剤薬局事業における新規出店、医薬品製造販売事業における製造設備導入等の設備資金等であります。

 当社グループは、事業運営上必要な流動性を安定的に確保するための源泉として、自己資金及び金融機関からの借入によることを基本方針としております。

 当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、資産合計の15.3%を占める28,464百万円となっております。当該残高に加え、未使用の借入枠から勘案すると現状の事業活動維持の観点からは、将来資金に対して十分な財源が存在すると考えております。

 

4【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。
 

 

5【研究開発活動】

 医薬品製造販売事業において連結子会社の日本ジェネリック株式会社及び長生堂製薬株式会社は、特許切れが見込まれる医療用医薬品に対応するジェネリック医薬品の自社製品の製造販売に向け、自社の研究所を中心に研究開発を行っており、当連結会計年度に支出した金額は2,784百万円となっております。