文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日時点において当社グループが判断したものであります。
当社グループは、「真の医薬分業の実現」を企業理念に掲げ、日本全国に調剤薬局を展開するほか、医薬品製造販売事業と医療従事者派遣・紹介事業を併せて、質の高い医療サービスを国民の皆さまに提供することを使命として事業展開しております。
2018年4月27日付にて、以下の通り「日本調剤グループ 2030年に向けた長期ビジョン」を策定しております。
団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となる2025年を境界線として医療・医薬品業界は大きな変化を迎えることとなります。“医療費の増加抑制”と“良質な医療サービスの提供”を同時に実現するために、様々な制度改革が進められ、業界経営者も柔軟かつ大胆な発想の転換が求められます。
調剤薬局業界では、2015年10月に厚生労働省より「患者のための薬局ビジョン」が公表され、薬剤師・薬局の将来像=必要とされる薬剤師像・薬局像が具体的かつ明確に示されました。同時に2025年までに全ての調剤薬局をかかりつけ薬剤師・薬局に再編するとの構想が打ち出され、その後2016年4月、2018年4月、2020年4月の調剤報酬改定では、同ビジョン・同構想の実現に向けた調剤報酬基準の改定(物から人への転換)が進められています。2019年11月には、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律等の一部を改正する法律」(改正薬機法)が可決・成立し(2019年12月4日公布)、調剤薬局の機能分化の方向性が明示されました。加えて、毎年薬価改定などの薬価制度の抜本的な改革、分割調剤の促進、特区における遠隔服薬指導の開始など制度改革が矢継ぎ早に実施されています。
日本調剤グループは、こうした大きな環境変化を乗り越え、さらなる飛躍に向けた強固な企業基盤を構築すべく、コア事業である調剤薬局事業と医薬品製造販売事業並びに医療従事者派遣・紹介事業とのシナジーを最大限発揮することに従来にも増して注力し業容拡大に努めてまいります。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響は、収束時期等により当社グループの単年度業績において、特に調剤薬局事業での処方箋枚数の減少による収益押下げ要因となる可能性が想定されますが、一方で調剤薬局業界の再編を加速させる可能性もあるのではないかと捉えております。
「真の医薬分業の実現」
当社グループでは、国の制度変更や各種施策によって各事業ともに経営環境等が大きく変動するため、客観的な指標につきましては現時点では特定しておりませんが、継続的な事業拡大と安定的な配当実施に向けて、キャッシュ・フローを重視し、資本生産性の向上を追求することにより、企業価値の最大化を図ってまいります。今後、調剤薬局事業以外の関係事業が成長し、安定的な事業基盤を確立していく段階で、当社の事業スタイルに適合した、目標とすべき経営指標を決定してまいります。
我が国では2025年に団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となるなど、加速度的に進行する超高齢社会に対して“医療費の増加抑制”と“良質な医療サービスの提供”を同時に実現するために、「地域包括ケアシステムの構築と医療機能の分化・強化、連携の推進」をはじめとして、様々な制度改革などが進められています。このような状況を背景として、医療・医薬品業界を取り巻く環境は大きな変化を迎えることが想定されます。
調剤薬局業界では、“患者自身が自分に適した薬局を選択できるよう”、調剤薬局を機能分化させ、認定制度により外から見えるものにすることが法律改正などにより具体化しました。調剤薬局に求められる役割や期待が“物から人”へ変化することを明確に示すもので、高品質な対人業務を提供できない調剤薬局は市場からの退場を求めれることにもつながる厳しい内容であると受け止めております。調剤薬局の機能分化では、医療機関・地域との連携が強く求められます。当社グループでは、“連携”を支えるものとして“人とICT”に着目し、人材投資とICT投資を積極的に進めてまいります。また、2[事業等のリスク]及び3[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析]に記載のとおり、新型コロナウイルス感染症の拡大が調剤薬局業界の再編スピードを従来以上に加速させる可能性があります。当社グループでは、「患者のための薬局ビジョン」などで示された国の施策の方向性を踏まえて再編後に求められる薬剤師・調剤薬局の姿を想定し上述のとおり人材投資とICT投資を積極的に進め、個々の薬局店舗の足腰強化に先行して取り組んでまいりましたが、より一層のスピード感をもって実施してまいります。更に、新型コロナウイルス感染症の拡大は患者動向に大きな変化をもたらす可能性があります。具体的には、患者ニーズとして従来以上に非対面型の診療や服薬指導の恒常的な対応が求められてくる可能性があり、当社グループの取り組みは業界他社に先行した状況にはありますが、全店舗で良質かつ充実した医療サービスの提供が可能な体制を整備し、ニーズに応えてまいります。
当社グループは、このような大きな事業環境の変化を乗り越え、企業理念に掲げる「真の医薬分業の実現」により、「患者本位の分業」を実現し、業界再編後に勝ち残る企業グループを指向し、グループ各社それぞれが経営の効率化を進め、生産性向上に注力してまいります。加えて、企業グループが目指すべき基本的な方向を見失わぬよう、経営の健全性と透明性をさらに向上させるべく、コンプライアンス体制をはじめとする内部統制システムの整備を図り、コーポレート・ガバナンスを強化してまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは以下のとおりであります。当社グループはこれらのリスクを認識した上で、それが現実化した際には適切に対処する方針ですが、投資対象としての判断は、本項及び本書中の本項目以外の記載内容も併せて慎重に検討した上、行われる必要があると考えております。なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日時点において当社グループが判断したものであり、さまざまな要因によって実際の結果と異なる可能性があります。
当社グループは、主として借入金により資金を調達することで調剤薬局事業における新規出店及び医薬品製造販売事業における設備投資などを行っております。今後も借入金等による出店・設備投資等を行う予定であり、その場合、支払利息が増加する可能性があります。また、各事業の運営によるキャッシュ・フローが十分得られない等の場合には追加借入が困難となること等により、当社グループの事業計画や業績等が影響を受ける可能性があります。さらに、現時点で、借入金の大半は固定金利となっており、当面の期間における金利上昇リスクは過去と比較して相対的に小さいものと認識しておりますが、金利上昇に伴う支払利息の増加は当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。3[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析]に記載のとおり、営業活動によるキャッシュ・フローの積み上げにより、1年内返済予定の長期借入金と長期借入金の合計額は、前連結会計年度末の786億13百万円から62億44百万円の削減を行い、当連結会計年度末では723億69百万円となりました。
当社グループは、調剤薬局事業及び医療従事者派遣・紹介事業において、患者さまの病歴及び薬歴、並びに派遣労働者の経歴などの個人情報を取り扱っております。個人情報については厳重な管理を行っておりますが、これらの個人情報が漏洩した場合には、住所・氏名などの一般的な個人情報の漏洩の場合と比較し、より多額の賠償責任が生じる可能性があります。また、個人情報の保護に関しては、「個人情報の保護に関する法律」により、当社及び連結子会社を含む個人情報取扱事業者が本人の同意を得ずに個人情報を第三者に提供した場合等には、行政処分が課され、場合によっては刑事罰の適用を受けることもあります。さらに、調剤薬局において個人情報を扱う当社グループの従業員は、その多くが薬剤師であり、薬剤師には重い守秘義務が法律上課せられております(刑法第134条)。これらのため、万一個人情報の漏洩があった場合には、多額の賠償金の支払いや行政処分、それらに伴う既存顧客の信用及び社会的信用の低下等により当社グループの業績等が影響を受ける可能性があります。
当社グループにおいては、社会保険加入対象者を全員加入させることにしております。高齢者医療制度改革、雇用保険の充実など、制度の改正による保険料率上昇や、派遣労働者に係る被保険者の範囲の変更に伴い、会社負担金額が大幅に上昇する場合、当社グループの業績等が影響を受ける可能性があります。
当社グループにおいては、冷夏・猛暑などの天候要因や、大規模な自然災害の発生、重篤な感染症の広域での流行などにより業績等が影響を受ける可能性があります。医薬品製造販売事業においては生産拠点を茨城県つくば市と徳島県徳島市に分散、災害等が発生した場合に備えグループ各社が事業継続計画を策定するなどの対策を講じておりますが、各社の本社機能が主として東京都千代田区に集約しているなど、さらに具体的な対応策を講じる必要があるものと認識しております。
当社グループにおいては特に調剤薬局事業において、新型コロナウイルス感染症の収束時期等により単年度の業績が影響を受ける可能性があると同時に、1[経営方針、経営環境及び対処すべき課題等]及び3[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析]に記載のとおり、患者動向の変化並びに調剤薬局業界の再編が加速する可能性があります。単年度の業績が影響を受けるリスクは、具体的には調剤薬局事業において、患者による医療機関受診回避、医療機関による外来診療の抑制・処方日数の長期化などにより、処方箋枚数が減少し主として収益面に影響を与える可能性があります。患者動向の変化については、非対面型の診療や服薬指導に対するニーズが高まり早期に対応が求められる可能性があります。当社グループでは従来より、特区における遠隔服薬指導への積極的な取り組みや医療機関との連携を強化・促進するための人材教育とインフラ整備を先行して行っておりますが、更にスピード感をもった体制整備が必要となる可能性があります。また新型コロナウイルス感染症拡大の影響で調剤薬局の経営が従来にも増して厳しい状況となり、調剤薬局業界の再編が加速する可能性があります。当社グループでは、業界再編を見据え、個々の薬局店舗の足腰強化を図るべく人材投資とICT投資を積極的に進めてきておりますが、更にスピード感をもって店舗の機能分化を進めることが必要となる可能性があります。
当社が調剤薬局を開設し、運営するにあたり、必要とされる各都道府県等の許可・指定・登録・免許を受けることができない場合、更新及び登録・届出の手続きを怠った場合、関連する法令に違反した場合、または、これらの法令が改正された場合等において当社の出店計画及び業績等に影響を及ぼす可能性があります。
当該法的規制の主なものは、「薬局開設許可」・「保険薬局指定」等であり、当社は必要とされる許可等を全ての店舗で取得しております。また、許可等の取消事由について、有価証券報告書提出日現在、該当事項はありません。
調剤薬局においては、薬剤師法第19条において薬剤師以外の調剤を原則として禁じていることや、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」(旧 薬事法、以下「薬機法」といいます)及び厚生労働省令によって、薬局における薬剤師の配置のみならず、その配置人数においても厳しく規制されており、1日当たり40枚の受取処方箋に対して1人の薬剤師を配置する必要があります。このため、薬剤師の必要人員数が確保されない場合には、当社の出店計画及び業績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社では調剤過誤の防止を図るため、さまざまな対策を講じております。例えば、調剤過誤により重篤な症状を来たす危険薬剤等の自動チェックシステムを導入するとともに当該危険薬剤等については薬剤師が重点的に鑑査を実施しております。さらには、万一に備え、全店舗において「薬剤師賠償責任保険」に加入することにより、業績への影響を緩和する措置を講じております。しかしながら、調剤過誤が発生し、多額の賠償金の支払いや、それに伴う既存顧客の信用及び社会的信用の低下等があった場合には、当社の業績等に影響を及ぼす可能性があります。
医薬分業は、医療機関が診察等の医療行為に専念し調剤薬局が薬歴管理や服薬指導等を行うことで医療の質的な向上を図るために国の政策として推進されています。今後、医薬分業率の伸び率が変化する場合には、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
① 薬価基準及び調剤報酬の改定について
当社グループの主たる事業である調剤薬局事業の調剤売上高は、厚生労働省告示に定められた薬価基準に基づく薬剤収入と、同省告示に定められた調剤報酬点数に基づく調剤技術に係る収入との合計額であります。このため、薬価基準の改定によって薬価基準が引き下げられる一方、実際の仕入価格が同程度引き下げられなかった場合、または、調剤報酬の改定によって調剤報酬点数の引き下げ等があった場合には、当社グループの業績等が影響を受ける可能性があります。
② その他の制度改革について
近年、“医療費の増加抑制”と“良質な医療サービスの提供”を同時に実現することを指向してさまざまな制度改革が進行しております。各種制度改革の動向によっては患者数の減少等により当社グループの業績等が影響を受ける可能性があります。
当社グループの調剤薬局事業においては、自力出店を中心に、店舗の買収を含め店舗数の拡大を図っていく方針ですが、出店または買収条件に合致する物件が確保できないこと等により計画どおりに出店または買収できない場合、競合状況等により出店後に当初計画どおりの売上高が計上できない場合、医療機関の移転又は廃業等により店舗の売上高が減少する場合、賃借先の経営状況により店舗営業の継続及び敷金保証金の返還に支障が生じる場合等には、当社グループの事業計画や業績等が影響を受ける可能性があります。
当社グループの売上高構成においては、調剤薬局事業の売上高が大きな割合を占めており、調剤薬局事業の業績の変動が当社グループ業績の変動に大きく影響する状況にあります。調剤薬局事業では、冬季に流行するインフルエンザ等や春先を中心に発生する花粉症(アレルギー性鼻炎)に係る処方箋の増減により売上高が影響を受ける可能性があります。
調剤薬局事業において、調剤売上は消費税法により非課税となる一方で、医薬品等の仕入は同法により課税されております。調剤薬局事業において当社グループは消費税等の最終負担者となっており、当社グループが仕入先に支払った消費税等は、販売費及び一般管理費の区分に費用計上されております。過去の消費税率改定時には、消費税率の上昇分が薬価基準の改定において考慮されておりましたが、今後、消費税率が改定され、薬価基準が消費税率の変動に連動しなかった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
6.のれんの減損リスクについて
調剤薬局事業において、中小・中堅薬局における薬剤師不足、後継者不足、ICT化への対応力不足などを要因として調剤薬局業界ではM&Aが活発化しております。当社グループにおいてもM&Aの活用を調剤薬局事業の業容拡大の有効な手段の一つとして位置付け、案件毎の採算性等の十分な精査・検討を前提としたうえで、積極的に取り組んでおります。当連結会計年度末におけるのれんの残高は前連結会計年度末比24億42百万円増加し、169億94百万円となっており、将来キャッシュ・フローを見るうえで重要な仮定に該当するM&Aにて取得した店舗の処方箋枚数の実績が取得時の計画を下回り、減損処理の対象となった場合には親会社株主に帰属する当期純利益など当社グループの業績に影響を与える可能性があります。従来以上に案件毎の採算性等の精査の精度を高めるとともに、取得後の人材教育・効率化などの取り組みを強化してまいります。
当社グループの医薬品製造販売事業においては、主としてジェネリック医薬品の自社工場での製造を行っており、製造物責任に係る訴訟リスク及び医療用医薬品の製造販売に関する法的規制等の当事業に係るリスク要因が、当社グループの業績等に大きな影響を与える可能性があります。医療用医薬品の製造販売に関しては、主に薬機法関連法規等の規制を受け、各都道府県知事等による許可・指定・登録・免許及び届出を必要としております。その主なものは、「第1種医薬品製造販売業許可」・「第2種医薬品製造販売業許可」・医薬品の「卸売販売業許可」等であります。万一法令違反等があった場合、監督官庁からの業務停止、許認可の取消等が行われ、当社グループの業績等に影響を与える可能性があります。また、当事業において開発・申請した製造販売品目ごとの承認は厚生労働大臣から取得しておりますが、これらの承認が計画どおりに得られない場合、当社グループの業績等が影響を受ける可能性があります。
医療用医薬品は、厚生労働省が定める薬価基準により、医療機関、調剤薬局での調剤報酬における薬剤費算定の基礎となる薬価が定められます。国の財政改革を背景とした医療費の増加抑制を図るべく、改定の都度低下する傾向にある薬価基準は2年に一度の改定から毎年改定へとの変更されることが政府方針として決定しております。こうした薬価基準改定の動向は、当社グループの製品価格に影響を与え、医薬品製造販売事業の業績等が影響を受ける可能性があります。また、当事業において主として取り扱うジェネリック医薬品の製造販売市場においては、今後、競争が激化する可能性があり、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
当事業は、2005年4月に施行された改正薬事法(現 薬機法)に基づいた製造販売承認制度に則り、国の承認を得てジェネリック医薬品製造販売の製造部門を外部へ委託する形式、あるいは製造販売元の医薬品を自社販売する形式にて市場への製品供給を行っております。複数のジェネリック医薬品メーカーとの間で継続的な製品供給契約を締結しておりますが、製造委託先の諸事情により該当製品の契約終了、契約内容変更等により製品供給が行われなくなる可能性があります。これらの場合、当社グループの業績等へ影響を及ぼす可能性があります。
当事業では、知的財産権及び不正競争防止法に十分に留意した製品開発を行っておりますが、ジェネリック医薬品の商品としての特性上、先発医薬品メーカーから特許訴訟を提起される場合があります。このような事態になった場合には、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
ジェネリック医薬品は、先発品でその有効性と安全性が一定期間にわたって確認された使用実績に加え、再審査の後発売されるため、重篤な副作用が発生するリスクは極めて小さいと考えられます。ただし、予期せぬ新たな副作用の発生や製品への不純物混入といった事故が発生した場合、製品回収・販売中止を余儀なくされ、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
原材料及び商品の仕入先において、規制上の問題または火災・地震、その他の災害及び輸送途中の事故等により原材料及び商品の仕入が不可能となった場合、製品の製造及び供給が停止し、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの医療従事者派遣・紹介事業においては、「一般労働者派遣事業許可」・「職業紹介事業許可」等の厚生労働省の許可が必要となっており、併せて同省の定める「派遣元事業主が講ずべき措置に関する指針」及び「職業紹介事業者、求人者、労働者の募集を行う者、募集受託者、募集情報等提供事業を行う者、労働者供給事業者、労働者供給を受けようとする者等が均等待遇、労働条件等の明示、求職者等の個人情報の取扱い、職業紹介事業者の責務、募集内容の的確な表示、労働者の募集を行う者等の責務、労働者供給事業者の責務等に関して適切に対処するための指針」の規制も受けております。当該法令、指針に違反したことにより許可を取り消された場合等において、当社グループの業績等が影響を受ける可能性があります。
文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日時点において判断したものであります。
当連結会計年度(2019年4月~2020年3月)においては、売上高268,520百万円(前年同期比9.3%増)、営業利益7,593百万円(同12.8%増)、経常利益7,405百万円(同21.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益6,697百万円(同76.7%増)となりました。
セグメントごとの経営成績の概要は次のとおりです。
・調剤薬局事業
売上高は231,001百万円(前年同期比10.7%増)、営業利益9,785百万円(同12.4%増)となりました。
・医薬品製造販売事業
売上高は43,072百万円(前年同期比5.9%増)、営業利益1,301百万円(同31.0%減)となりました。
・医療従事者派遣・紹介事業
売上高は12,721百万円(前年同期比2.8%減)、営業利益は1,851百万円(同25.2%増)となりました。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響につきましては、1[経営方針、経営環境及び対処すべき課題等]、 2[事業等のリスク]に記載のとおり、主として調剤薬局事業の3月業績において処方箋枚数と処方箋単価に影響がありました。処方箋枚数については、患者の受診回避や医療機関の外来抑制・処方日数の長期化などにより期初計画を下回る実績となりましたが、店舗数増加などのプラス要因があり前年同月実績を上回りました。店舗タイプ別では門前薬局に比べて相対的に診療所・クリニックなどの処方箋割合が高い面対応薬局やメディカルセンターで処方箋枚数の減少幅が大きく、地域別では感染者数が多い首都圏店舗の処方箋枚数の減少幅が大きくなりました。一方、処方箋単価は期初計画・前年同月水準ともに10%以上上回りました。結果として調剤薬局事業の3月単月の売上高は、M&Aへの積極的な取り組みなどによる過去最高の出店実績が大きく寄与し、期初計画並びに前年同月実績ともに上回る実績となりました。
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況は、営業活動によるキャッシュ・フローが13,192百万円、投資活動によるキャッシュ・フローが△2,731百万円、財務活動によるキャッシュ・フローが△7,955百万円となりました。この結果、現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末に比べ2,505百万円増加し、32,254百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
主な収入項目は、グループ各社の収益力強化等による税金等調整前当期純利益11,885百万円であります。一方、主な支出項目は、法人税等の支払額△3,046百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
主な収入項目は、有形固定資産の売却による収入9,644百万円であります。一方、主な支出項目は、調剤薬局事業における積極的なM&Aの取り組みによる連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出△5,057百万円、調剤薬局事業における新規出店及び医薬品製造販売事業における設備投資を主とした有形固定資産の取得による支出△5,624百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
主な収入項目は、長期借入れによる収入9,900百万円であります。一方、主な支出項目は、長期借入金の返済による支出△16,261百万円であります。医薬品製造販売事業における大型の設備投資がピークアウトしたこと及びグループ各社の収益力向上に伴う営業活動によるキャッシュ・フローの増大により有利子負債の削減が進み、財務体質は着実に強化されてきています。
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりであります。
(注) 1. 金額は製造原価によっております。
2. 日本ジェネリック株式会社及び長生堂製薬株式会社の工場における生産実績を示しております。
当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりであります。
(注) 1. 金額に消費税等は含まれておりません。
2. 一般薬等部門とは、一般大衆薬、衛生用品、健康食品、雑貨等の販売部門であります。
3. 医薬品製造販売事業の仕入実績は、製造委託品等の仕入実績を示しております。
4. 医療従事者派遣・紹介事業については、仕入はありません。
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりであります。
(注) 金額に消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりであります。
(注) 1. 金額に消費税等は含まれておりません。
2. セグメント間取引は相殺消去しております。
3. 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は以下のとおりであります。
直近2連結会計年度の調剤薬局事業の処方箋枚数は以下のとおりであります。
(財政状態)
当連結会計年度末における資産合計は185,551百万円となり、前連結会計年度末の178,677百万円に対し、3.8%、6,873百万円増加いたしました。また、当連結会計年度末の負債合計は138,478百万円となり、前連結会計年度末の137,604百万円に対し、0.6%、874百万円増加いたしました。
流動資産は、前連結会計年度末80,132百万円に対し、9.1%、7,281百万円増加し、87,414百万円となりました。業容拡大に伴い、現金及び預金が2,505百万円、売掛金が4,338百万円増加しましたが、原材料及び貯蔵品は589百万円減少しており在庫管理が徹底されております。
固定資産は、前連結会計年度末98,545百万円に対し、△0.4%、407百万円減少し、98,137百万円となりました。うち、有形固定資産は、前連結会計年度末69,806百万円に対し、△5.3%、3,723百万円減少し、66,082百万円となりました。経営資源の有効活用による資産の効率化と一層の財務体質の改善・強化を目的とした有形固定資産の売却が主な要因であります。無形固定資産は前連結会計年度末16,906百万円に対し、14.9%、2,519百万円増加し、19,425百万円となりました。調剤薬局事業における積極的なM&Aの取り組みに伴うのれんの増加が主な要因であります。投資その他の資産は、前連結会計年度末11,833百万円に対し、6.7%、795百万円増加し、12,628百万円となりました。調剤薬局事業における好調な新規出店に伴う敷金及び保証金の増加が主な要因であります。
流動負債は、前連結会計年度末69,100百万円に対し、1.5%、1,007百万円増加し、70,107百万円となりました。業容拡大に伴う買掛金の増加5,385百万円が主な要因でありますが、1年内返済予定の長期借入金は6,737百万円減少しており、着実に減少傾向にあります。
固定負債は、前連結会計年度末68,504百万円に対し、△0.2%、133百万円減少し、68,370百万円とほぼ前連結会計年度末並の水準となりました。
純資産合計は、前連結会計年度末41,073百万円に対し、14.6%、5,999百万円増加し、47,072百万円となりました。グループ各社が売上高の拡大と収益性の改善の取り組みを強力に進めたことなどにより利益剰余金が前連結会計年度末比5,947百万円増加したことが主な要因であります。この結果、自己資本比率は前連結会計年度末の23.0%から2.4%改善し25.4%となり、財務基盤が着実に強化されつつあります。
(経営成績)
当連結会計年度(2019年4月~2020年3月)において、医薬品・調剤薬局業界では10月に消費税率引上げに伴う薬価改定が行われ、11月には「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律等の一部を改正する法律」(改正薬機法)が可決・成立し(12月4日公布)、医薬分業の現状を踏まえた“薬剤師が本来の役割を果たし地域の患者を支援するための医薬分業のあり方”がまとめられました。更に12月には「全世代型社会保障改革検討会議」の中間報告が公表され、“すべての世代が安心できる社会保障制度”の実現に向け議論が進められています。
このように医療・医薬品業界を取り巻く環境が急速に且つ大きく変化する中、当社グループでは、“医療費の増加抑制”、“良質な医療サービスの提供”に向けた取り組みを全社を挙げて着実に進めた結果、新型コロナウィルス感染症の感染拡大による影響はあったものの、当連結会計年度の業績は前期比増収増益を実現いたしました。
具体的な数値につきましては、売上高268,520百万円(前期比9.3%増)、営業利益7,593百万円(同12.8%増)、経常利益7,405百万円(同21.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益6,697百万円(同76.7%増)となりました。期初計画に対しても、売上高・利益ともに計画を上回る実績となりました。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響につきましては、1[経営方針、経営環境及び対処すべき課題等]、2[事業等のリスク]に記載のとおり、当連結会計年度において調剤薬局事業の主として首都圏の店舗において処方箋枚数が減少いたしましたが、一方で処方日数の長期化による処方箋単価の上昇により売上高に対する影響が概ね相殺された状況となったものと捉えております。但し、新型コロナウイルス感染症の影響につきましては当連結会計年度における一過性のものとは考えておらず、翌連結会計年度におきましては、調剤薬局事業において、患者の受診回避、医療機関の外来診療の抑制・処方日数の長期化などによる処方箋枚数の減少に伴なう粗利の減少、並びに医療従事者派遣・紹介事業における薬剤師派遣ニーズの減少による売上高の減少などを計画作成時点では、4月から6月の3ヶ月の期間で折り込んでおります。3ヶ月の期間設定につきましては、6月末での新型コロナウイルス感染症の収束を見込んでいるものではなく、翌連結会計年度の計画作成時点で客観的な指標とすべきものとして政府から発出されました「緊急事態宣言」の期限をもとにすることが合理的に試算できるものではないかと捉えたものであります。
セグメント別の経営成績分析は以下のとおりです。
・調剤薬局事業
当連結会計年度の売上高は231,001百万円(前期比10.7%増)、営業利益が9,785百万円(同12.4%増)となり前年同期比増加率二桁の増収増益を実現することができました。
同期間の出退店実績は、65店舗の新規出店、13店舗の閉店となり、その結果当連結会計年度末時点での総店舗数は650店舗(物販店舗1店舗を含む)となりました。当連結会計年度における新規出店は、出店形態(自力出店とM&A)、店舗タイプ(門前型と面・メディカルセンターのハイブリッド型)、出店地域など複数の側面から見て非常にバランスのとれた実績であると捉えております。
売上高については、抗がん剤などの高額な医薬品の処方増加やかかりつけ薬剤師・薬局への取り組みなどによる処方箋単価の上昇並びに処方箋枚数の増加等が前年同期比増収の主な要因です。処方箋枚数の増加は、堅調な既存店実績を土台に、積極的なM&Aへの取り組みなどの効果としての店舗数の増加による積上げが相俟って実現しているものです。
営業利益については、増収による増益効果などにより、前年同期比増益を実現することができました。かかりつけ薬剤師・薬局などへの着実な取り組みの成果として技術料水準の引き上げが実現したことなどが寄与しております。
なお、国が2020年9月までに80%とすることを目標として掲げているジェネリック医薬品の数量ベース使用割合は、当社では2020年3月末時点で全社平均89%に達しております。また、在宅医療実施店舗の割合は89%(年間12件以上実施の店舗割合)と順調に推移しております。
・医薬品製造販売事業
当連結会計年度の売上高は43,072百万円(前期比5.9%増)、営業利益1,301百万円(同31.0%減)と前年同期比増収減益の実績となりました。
売上高については、2019年10月の薬価改定に伴う既存製品の販売価格低下により厳しい環境ではあったものの、新製品の販売が好調に推移したこと及び受託事業が伸展したことなどにより、前年同期比増収を実現することができました。一方、営業利益については、薬価改定による既存製品の販売価格低下による影響が大きく、前年同期比減益となりました。
なお、当連結会計年度末時点での販売品目数は、新規収載品22品目を発売したことなどにより、681品目となりました。引き続き、収益力向上に向け自社製造品目数を増強すべく自社承認品目数の増加に注力してまいります。
・医療従事者派遣・紹介事業
当連結会計年度の売上高は12,721百万円(前期比2.8%減)、営業利益は1,851百万円(同25.2%増)と前年同期比減収増益の実績となりました。
売上高については、医療従事者に対する求人需要は引き続き高い水準で推移したものの、薬剤師に対する派遣需要の減少を紹介事業の拡大では補い切れず、前年同期比減収となりました。一方、営業利益については、収益性の高い紹介事業が薬剤師、医師の分野で拡大したことなどにより、前年同期比で20%を超える増益を実現することができました。
当社グループの調剤薬局事業、医薬品製造販売事業においては、薬価改定・調剤報酬改定の動向が経営成績に重要な影響を与える要因となっております。国の医療費増加抑制方針を背景に、今後も実質マイナス傾向の改定が行われることが予想されるため、国の方針及び事業環境変化を注視しつつ事業を進めてまいります。
政府によるジェネリック医薬品使用促進政策の進捗及びその結果としての普及率も経営成績に重要な影響を与える要因となっております。医療費の増加抑制のための具体策として政府によるジェネリック医薬品の使用促進策が強力に進めれており、調剤薬局事業、医薬品製造販売事業の事業計画(損益計画・投資計画)は、政府の取り組みが引き続き積極的に推進されることを前提として策定・実行されており、政府のジェネリック医薬品使用促進に関する方針等に変更が生じた場合には、当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があります。
また、1[経営方針、経営環境及び対処すべき課題等]、2[事業等のリスク]に記載のとおり、新型コロナウイルス感染症の感染拡大は当社グループの、主として調剤薬局事業の業績に影響を与えております。患者による医療機関受診回避、医療機関による外来診療の抑制・処方日数の長期化などにより、処方箋枚数が減少し主として収益面に影響を与えることとなります。同感染症の収束動向により当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があります。
当社グループの資金需要のうち主なものは、各事業セグメントにおける仕入資金、営業費用等の運転資金、また調剤薬局事業における新規出店資金、医薬品製造販売事業における製造設備導入・更新等の設備資金等であります。調剤薬局事業においては、業容拡大の有効な手段の一つとしてM&Aにも積極的に取り組んでおり、良質なM&A案件が結実した場合には買収資金が必要となります。加えて調剤薬局事業では、既存店舗の合理化・効率化を目的とした機械化を順次進めていく計画であり、調剤機器等の購入資金が必要となります。これらの資金需要につきましては、税金等調整前当期純利益などの増加などにより、営業活動によるキャッシュ・フローが着実に積み上がっている状況にあります。営業活動によるキャッシュ・フローの積み上げは、業容拡大に向けた資金需要を賄うとともに、長期借入金の返済による有利子負債の削減、財務体質の改善・強化を実現するための原資確保を可能としております。
当社グループは、事業運営上必要な流動性を安定的に確保するための源泉として、自己資金及び金融機関からの借入によることを基本方針とし、借り換え需要も含めて円滑に調達ができている状況にあります。現状では金利動向を踏まえ主として5年程度の固定金利での調達となっております。
当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、資産合計の17.4%を占める32,254百万円となっております。当該残高に加え、未使用の借入枠の状況等を勘案し現状の事業活動維持の観点から十分な財源が確保された状態にあるものと捉えております。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
当社グループでは、概ね独立したキャッシュ・フローを生み出す最小の単位として、事業用資産については、店舗・工場単位で資産のグルーピングを行っております。遊休資産については、個別資産ごとに資産のグルーピングを行っております。このうち、収益が悪化している資産グループについて、帳簿価額を回収可能価額まで減額しておりますが、回収可能価額は、使用価値又は正味売却価額により測定しております。使用価値は、将来キャッシュ・フローを8.8%で割り引いて算定しており、将来キャッシュ・フローに基づく使用価値がマイナスのものについては零としております。
将来キャッシュ・フローの見積りについては、薬価改定や診療報酬改定などの外部要因に関する情報と、実績や予算などの内部情報を基に見積っております。調剤薬局事業における将来キャッシュ・フローの総額のうち、売上高については、その構成要素の処方箋枚数を重要な仮定として考えております。また、使用価値を割り引く割引率に関しては、貨幣の時間価値と将来キャッシュ・フローが見積値から乖離するリスクの両方を反映したものであり、借入資本コストと自己資本コストを加重平均した資本コストによっております。見積り及び仮定について、政策や環境の変化により、見直しが必要となった場合には、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において、減損損失が発生する可能性があります。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響については、経理の状況の追加情報に記載したとおり、将来キャッシュ・フローの算定等の見積りに影響を及ぼしますが、当期の連結財務諸表に与える影響は軽微であると評価しております。しかし、当社の見積りの前提や仮定に見直しが必要となった場合には、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において、減損損失が発生する可能性があります。
繰延税金資産の回収可能性は、将来の税金負担額を軽減する効果を有するかどうかで判断しておりますが、それは将来の課税所得の見積りに依存するため、将来の不確実な経済条件の変動等により見積りの前提や仮定に見直しが必要となった場合には、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において、繰延税金資産及び法人税等調整額の金額に重要な影響を与える可能性があります。
該当事項はありません。
医薬品製造販売事業において連結子会社の日本ジェネリック株式会社及び長生堂製薬株式会社は、特許切れが見込まれる医療用医薬品に対応するジェネリック医薬品の自社製品の製造販売に向け、自社の研究所を中心に研究開発を行っており、当連結会計年度に支出した金額は