文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日時点において当社グループが判断したものであります。
当社グループは、日本調剤グループ理念である「私たちの使命」として、「すべての人の『生きる』に向き合う」を掲げております。また、「グループの目指す姿2030」として、「誰もが一番に相談したくなるヘルスケアグループへ」を公表しています。このグループ理念のもと、当社グループは、生活の一番近くで医療を担う者として、一人ひとりの「生きる」に真摯に向き合い、全国で質の高い医療サービスを国民の皆さまに提供していきます。
2018年4月27日付にて、以下の通り「日本調剤グループ 2030年に向けた長期ビジョン」を策定しております。
団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となる2025年を境界線として医療・医薬品業界は大きな変化を迎えることとなります。“医療費の増加抑制”と“良質な医療サービスの提供”を同時に実現するために、さまざまな制度改革が進められ、業界経営者も柔軟かつ大胆な発想の転換が求められます。
調剤薬局業界では、2015年10月に厚生労働省より「患者のための薬局ビジョン」が公表され、薬剤師・薬局の将来像=必要とされる薬剤師像・薬局像が具体的かつ明確に示されました。同時に2025年までにすべての調剤薬局をかかりつけ薬剤師・薬局に再編するとの構想が打ち出され、それ以降の4回の調剤報酬改定では、同ビジョン・同構想の実現に向けた調剤報酬基準の改定(物から人への転換)が進められています。2019年11月には、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律等の一部を改正する法律」(改正薬機法)が可決・成立し(2019年12月4日公布)、機能別薬局の認定制度が開始されました。加えて、毎年薬価改定などの薬価制度の抜本的な改革、オンライン服薬指導及びリフィル処方箋の開始や電子処方箋の導入検討など制度改革が矢継ぎ早に実施されています。
日本調剤グループは、こうした大きな環境変化を乗り越え、さらなる飛躍に向けた強固な企業基盤を構築すべく、コア事業である調剤薬局事業と医薬品製造販売事業並びに医療従事者派遣・紹介事業とのシナジーを最大限発揮することに従来にも増して注力し業容拡大に努めてまいります。
私たちの使命
「すべての人の『生きる』に向き合う」
グループの目指す姿2030
「誰もが一番に相談したくなるヘルスケアグループへ」
当社グループでは、調剤薬局事業及び医薬品製造販売事業における積極的な成長投資により、収益性を維持しながら事業の継続的な拡大を図るため、収益性を表す指標である連結EBITDAを重要な指標と位置付けております。さらに継続的な事業拡大と安定的な配当実施に向けてキャッシュ・フローを重視し、資本生産性の向上を追求することにより、企業価値の最大化を図ってまいります。
我が国では2025年に団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となるなど、加速度的に進行する超高齢社会に対して“医療費の増加抑制”と“良質な医療サービスの提供”を同時に実現するために、「地域包括ケアシステムの構築と医療機能の分化・強化、連携の推進」をはじめとして、さまざまな制度改革などが進められています。このような状況を背景として、医療・医薬品業界を取り巻く環境は大きな変化を迎え、業界再編が加速することが想定されます。
調剤薬局業界では、2021年8月より、患者さまが自身に適した薬局を選択できるよう、特定の機能を有する薬局の都道府県知事による認定制度が開始されました。この制度により、在宅医療や、入退院時を含め他の医療機関との服薬情報の連携に対応できる「地域連携薬局」及び、がん等のより高度な薬学管理への対応や高い専門性が求められる「専門医療機関連携薬局」の認定が始まり、今後ますます患者さまのニーズに応えられる薬局づくりが求められております。また2022年4月の診療報酬改定では、医療の質と患者さまの利便性の向上を目的にオンライン診療・オンライン服薬指導のさらなる規制緩和が実施されております。
当社グループでは、このような環境変化に対応するために、「患者のための薬局ビジョン」などで示された国の施策の方向性を踏まえた社会から求められる薬局・薬剤師となるべく取り組みを強化しております。
具体的な取り組みとしては、すでに業界に先駆けて数多くの専門医療機関連携薬局・地域連携薬局としての認定を取得しておりますが、患者さまにさらなる良質な医療サービスを提供すべく、利便性の高い薬局店舗づくりや高い専門性を有する薬剤師の育成に注力してまいります。合わせて、医療版DXにおいても、2021年8月に公表したDX(デジタルトランスフォーメーション)戦略に基づき、オンライン服薬指導や電子お薬手帳「お薬手帳プラス」の利用拡大を通じて、患者さまに便利で高品質・高付加価値な医療の提供を拡大させてまいります。
医薬品製造販売事業においては、2021年には、ジェネリック医薬品の数量ベース使用割合について「後発医薬品の品質及び安定供給の信頼性確保を図りつつ、2023年度末までに全ての都道府県で80%以上」とする新たな目標が定められ、引き続きジェネリック医薬品の拡大が求められております。さらに、2021年度以降は、2年に1度の通常の薬価改定に加え中間年における薬価改定が実施され、毎年薬価が改定されるなど、ジェネリック医薬品業界は大きな変化の時期を迎えております。また、ジェネリック医薬品の普及に応じて、従来以上に安定供給体制、品質に対する信頼性の確保及び情報収集・提供体制の整備・強化等が求められており、「誰もが一番に相談したくなるヘルスケアグループ」を掲げる当社としては、これらの要請に応えていくことが果たすべき社会的責任であると認識しております。
医療従事者派遣・紹介事業においては、かかりつけ薬剤師制度の開始により薬剤師事業のマーケット需要が、派遣から紹介へと大きく変化しております。また、新型コロナウイルス感染症の影響による全国的な処方箋枚数の減少を背景に、薬剤師の需要は全国的に減少しております。当社グループでは、いち早く需要の変化をとらえて派遣事業から紹介事業へのシフトを進めるとともに、新型コロナウイルス感染症の影響下においても、メディカルリソースブランドの認知向上による薬剤師事業のシェア拡大を進めております。加えて、医師事業においても、2017年以降取り組みを強化し全国展開を図ってまいりました。2020年11月からは、産業医業務の提供を開始し、企業経営において重要性を増す健康経営の要請に応える等、引き続き人材市場の需要に応えるべく更なる事業拡大に取り組んでまいります。
当社グループは、大きな事業環境の変化を乗り越え、業界再編を勝ち残る企業グループを指向し、グループ各社がそれぞれ経営の効率化を進め、生産性を向上してまいります。加えて、新グループ理念である私たちの使命「すべての人の『生きる』に向き合う」のもと、サステナビリティ経営を強化し、社会課題の解決を通じて持続可能な社会の発展に貢献してまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは以下のとおりであります。当社グループはこれらのリスクに対処するため、リスク管理体制を整備し、リスクの監視及び管理を行っておりますが、すべてのリスクを完全に回避するものではありません。また、以下に記載するリスクについては、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項を、重要性の観点から取上げたもので、すべてのリスクを網羅したものではありません。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日時点において当社グループが判断したものであります。
1. 医療制度の変更に関するリスク
当社グループの主たる事業である調剤薬局事業の調剤売上高は、厚生労働省告示に定められた薬価基準に基づく薬剤収入と、同省告示に定められた調剤報酬点数に基づく調剤技術に係る収入との合計額であり、医薬品製造販売事業での製品価格は薬価基準に基づいております。当社グループでは医療制度の方向性や社会環境の変化をふまえた事業戦略を推進しておりますが、今後の薬価基準や調剤報酬の改定内容等によっては、当社グループの業績等が影響を受ける可能性があります。また、医療制度の大きな変更を受け、新たな競争の発生等により競争力を維持できない場合等には、当社グループの事業計画や業績等が影響を受ける可能性があります。
なお、調剤売上は消費税法により非課税となる一方で、医薬品等の仕入は同法により課税されております。調剤薬局事業において当社グループは消費税等の最終負担者となっており、当社グループが仕入先に支払った消費税等は、販売費及び一般管理費の区分に費用計上されております。今後、消費税率が改定され、薬価基準が消費税率の変動に連動しなかった場合には、当社グループの業績等が影響を受ける可能性があります。
2. のれん・固定資産に関するリスク
調剤薬局事業において、中小・中堅薬局における薬剤師不足、後継者不足、ICT化への対応力不足等を背景としてM&Aが活発化しております。当社グループにおいてもM&Aの活用を調剤薬局事業の業容拡大の有効な手段の一つとして位置付け、案件毎の採算性等に関する十分な精査・検討を前提としたうえで、積極的に取り組んでおります。また、昨今敷地内を中心に大型店舗の出店を行っており、一店舗当たりの投資額は増加傾向にあります。
M&Aにより取得したのれん・固定資産、及び出店により取得した固定資産においては、対象となる店舗の業績悪化等により、回収可能性が低下し減損損失の計上対象となった場合には、親会社株主に帰属する当期純利益等当社グループの業績に影響を与える可能性があります。なお、調剤薬局事業におけるのれんの減損に関する重要な会計上の見積りの前提条件については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
また、医療制度や社会環境の変化に対応すべくデジタルトランスフォーメーションへの投資を拡大・推進しておりますが、医療制度改革や社会ニーズの変化の方向性と当社の戦略との間に差異が生じることで、追加での投資が必要となる場合、または、投資の回収可能性が低下することにより減損計上の対象となった場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
調剤薬局事業では、調剤過誤の防止を図るためさまざまな対策を講じております。医薬品安全使用のための業務手順書の順守、医療安全研修の実施、高度な薬学知識に対応すべく専門性の高い薬剤師の育成、医薬品自動チェックシステムの導入や危険性の高い薬剤の重点的な鑑査の実施等に取り組んでおります。また、2022年2月に品質管理部を新設し、薬局業務全般における医療安全・品質管理向上に向けた取組みを強化しております。加えて万一に備え、全店舗において「薬剤師賠償責任保険」に加入することにより、業績への影響を緩和する措置を講じております。しかしながら、調剤過誤が発生し、多額の賠償金の支払いや、それに伴う既存顧客の信用及び社会的信用の低下等があった場合には、当社の業績等に影響を及ぼす可能性があります。
医薬品製造販売事業では、GMPに基づいた生産・品質管理体制の強化・拡充を進めております。製造販売を行うジェネリック医薬品は、先発医薬品でその有効性と安全性が長年にわたって確認され、再審査の後発売されるため、予期せぬ重篤な副作用が発生するリスクは小さいと考えられます。ただし、未知・重篤な副作用の発生や製品の品質上の重大な瑕疵により製品回収・販売中止等が発生した場合には、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの事業の推進に関連する法令は、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」(以下「薬機法」といいます)、薬剤師法、労働者派遣法をはじめ、国内だけでなく、海外の法令・規制も含めて多岐にわたります。当社グループでは、法令及び関連する規制の遵守を極めて重要な企業の責務と認識し、経営の最優先事項の一つに位置付けて事業を推進しておりますが、法令改正や諸規制の変更に伴い、対応費用の発生、サービスの提供、製品の開発、製造、販売活動等に影響を与える可能性があります。
例えば、調剤薬局事業においては、調剤薬局を開設し、運営するにあたり、必要とされる各都道府県等の許可・指定・登録・免許を受けることができない場合、更新及び登録・届出の手続きを怠った場合、関連する法令に違反した場合、または、これらの法令が改正された場合等において当社の出店計画及び業績等に影響を及ぼす可能性があります。医薬品製造販売事業においては、薬機法関連法規等の規制を受け、各都道府県知事等による許可・指定・登録・免許及び届出を必要としております。その主なものは、「第1種医薬品製造販売業許可」・「第2種医薬品製造販売業許可」・医薬品の「卸売販売業許可」等であります。万一、違反等があった場合、監督官庁からの業務停止、許認可の取消等が行われ、当社グループの業績等に影響を与える可能性があります。また、当事業において開発・申請した製造販売品目ごとの承認は厚生労働大臣から取得しておりますが、これらの承認が計画どおりに得られない場合、当社グループの業績等が影響を受ける可能性があります。
当社グループは、重要な事業戦略としてDX戦略を策定・実行しており、事業運営における情報システムの重要性が増しています。また、調剤薬局事業及び医療従事者派遣・紹介事業において、患者さまの病歴及び薬歴、並びに派遣労働者の経歴等の個人情報を扱うとともに、全事業において営業上・技術上の機密情報を保有しています。これらの情報については厳重な管理を行っており、サイバー攻撃等による不正アクセス、改ざん、破壊、漏洩及び滅失等を防ぐため、情報セキュリティに関する規定等を整備、各種セキュリティ管理施策の実施と従業員への研修やモラル教育等によるサイバー攻撃や情報漏えい等の情報セキュリティインシデントの未然防止と共に、インシデント検知ならびに発生時の対応力強化に努めております。
しかしながら、サイバー攻撃等による機密情報や個人情報の漏洩、通信回線や機器のトラブル等による情報システムの停止等のリスクを完全に回避できるものではなく、被害の規模によっては、当社グループの業績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。万一個人情報の漏洩があった場合には、多額の賠償金の支払いや行政処分、それらに伴う既存顧客の信用及び社会的信用の低下等により当社グループの業績等が影響を受ける可能性があります。
調剤薬局事業においては、薬剤師法第19条において薬剤師以外の調剤を原則として禁じていることや、薬機法及び厚生労働省令によって、薬局における薬剤師の配置のみならず、その配置人数においても厳しく規制されており、1日当たり40枚の受取処方箋に対して1人の薬剤師を配置する必要があります。このため、薬剤師の必要人員数が確保されない場合には、当社の出店計画及び業績等に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループの新規事業創出や事業拡大には、人材は重要な課題であると認識し、専門人材の確保や従業員の育成プログラムの整備を実施しておりますが、人材獲得競争の激化や人材の社外流出に伴う人材確保・人材不足の状況によっては、将来の当社グループの財政状態や業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
医薬品製造販売事業では、知的財産権及び不正競争防止法に十分に留意した製品開発を行っておりますが、ジェネリック医薬品の商品としての特性上、先発医薬品メーカーから特許訴訟を提起される場合があります。この他にも、当社グループの事業に関連して、訴訟等の当事者となる可能性があります。これらの訴訟等において、当社グループに不利な判断がなされた場合には、業績等に影響を及ぼす可能性があります。
医薬品製造販売事業において、世界情勢の動向、感染症や自然災害、輸送途中の事故等の発生により、原材料及び商品の仕入の遅延・縮小、製品の製造及び供給が停止・縮小する可能性があります。
また、薬機法に基づいた製造販売承認制度に則り、国の承認を得てジェネリック医薬品製造販売の製造部門を外部へ委託する形式、あるいは製造販売元の医薬品を自社販売する形式にて市場への製品供給を行っておりますが、製造委託先の諸事情により該当製品の契約終了、契約内容変更等により製品供給が行われなくなる可能性があります。これらの場合、当社グループの業績等へ影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、主として借入金により資金を調達することで調剤薬局事業における新規出店やM&A及び医薬品製造販売事業における設備投資等を行っております。現時点で、借入金の大半は固定金利となっており、金利の変動に関するリスクは小さいと認識しておりますが、金利上昇に伴い今後の新規借入金利が上昇し支払利息が増加する場合には、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
また、世界情勢や気候変動等により、原材料市況が大きく変化し、原材料及び資材価格の変動が生じた場合には、ジェネリック医薬品の製造原価が増加する等、当社グループの事業計画や業績等が影響を受ける可能性があります。
当社グループでは、気候変動等に伴う大規模な自然災害の発生、重篤な感染症の広域での流行等により事業運営が影響を受ける可能性があります。そのため、事業継続計画を策定する等の対策を講じております。例えば、医薬品製造販売事業においては生産拠点を茨城県つくば市と徳島県徳島市に分散し、物流拠点も全国3拠点に分散する等、災害等が発生した場合に備えた対応を行っております。ただし、当社グループの事業活動は広範な地域で行っており、事業のサプライチェーンも含めると、自然災害及び感染症の発生時には、その被害を完全に回避できるものではなく、将来の当社グループの財政状態や業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
例えば、新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大により、患者さまによる医療機関受診回避や、医療機関による外来診療の抑制・処方日数の長期化・薬剤師の派遣紹介需要の減少等、今後も中長期にわたって当社グループの事業活動へ影響が発生することが想定されます。そのため、オンライン服薬指導や電子お薬手帳の活用等医療版DXへの積極的な取り組みを通じて、利便性と医療の品質を追求し、患者さまに安心してご利用いただける体制整備を行っております。
文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日時点において判断したものであります。
当連結会計年度(2021年4月~2022年3月)においては、売上高299,392百万円(前年同期比7.3%増)、営業利益6,589百万円(同18.7%減)、経常利益6,767百万円(同19.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益3,705百万円(同4.7%増)となりました。
セグメントごとの経営成績の概要は次のとおりです。
・調剤薬局事業
売上高は265,624百万円(前年同期比8.8%増)、営業利益13,009百万円(同22.9%増)となりました。
・医薬品製造販売事業
売上高は44,836百万円(前年同期比1.9%減)、営業損失53百万円(前年同期は2,350百万円の利益)となりました。
・医療従事者派遣・紹介事業
売上高は6,991百万円(前年同期比16.7%減)、営業利益は576百万円(同19.1%減)となりました。
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況は、営業活動によるキャッシュ・フローが19,411百万円、投資活動によるキャッシュ・フローが△9,313百万円、財務活動によるキャッシュ・フローが△17,448百万円となりました。この結果、現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末に比べ7,350百万円減少し、25,543百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
主な収入項目は、税金等調整前当期純利益6,217百万円であります。一方、主な支出項目は、法人税等の支払額2,189百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
主な支出項目は、調剤薬局事業における新規出店及び医薬品製造販売事業における設備投資を主とした有形固定資産の取得による支出5,956百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
主な収入項目は、長期借入れによる収入10,900百万円であります。一方、主な支出項目は、長期借入金の返済による支出27,966百万円であります。有利子負債の削減が進み、財務体質は着実に強化されてきています。
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりであります。
(注) 1.金額は製造原価によっております。
2.日本ジェネリック株式会社及び長生堂製薬株式会社の工場における生産実績を示しております。
当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりであります。
(注) 1.一般薬等部門とは、一般大衆薬、衛生用品、健康食品、雑貨等の販売部門であります。
2.医薬品製造販売事業の仕入実績は、製造委託品等の仕入実績を示しております。
3.医療従事者派遣・紹介事業については、仕入はありません。
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりであります。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりであります。
(注) 1.セグメント間取引は相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は以下のとおりであります。
直近2連結会計年度の調剤薬局事業の処方箋枚数は以下のとおりであります。
(財政状態)
当連結会計年度末における資産合計は178,753百万円となり、前連結会計年度末の186,262百万円に対し7,509百万円、4.0%減少いたしました。また、当連結会計年度末の負債合計は125,876百万円となり、前連結会計年度末の136,394百万円に対し10,517百万円、7.7%減少いたしました。
流動資産は、前連結会計年度末89,246百万円に対し7,595百万円、8.5%減少し、81,651百万円となりました。主に、現金及び預金の減少7,350百万円によるものです。
固定資産は、前連結会計年度末97,015百万円に対し86百万円、0.1%増加し、97,102百万円となりました。うち、有形固定資産は、前連結会計年度末64,785百万円に対し760百万円、1.2%減少し、64,025百万円となりました。無形固定資産は前連結会計年度末18,952百万円に対し16百万円、0.1%増加し、18,969百万円となりました。投資その他の資産は、前連結会計年度末13,277百万円に対し830百万円、6.3%増加し、14,107百万円となりました。
流動負債は、前連結会計年度末87,720百万円に対し8,788百万円、10.0%減少し、78,931百万円となりました。1年内返済予定の長期借入金の減少15,600百万円が主な要因であります。
固定負債は、前連結会計年度末48,673百万円に対し1,728百万円、3.6%減少し、46,944百万円となりました。長期借入金の減少1,466百万円が主な要因であります。
純資産合計は、前連結会計年度末49,868百万円に対し3,008百万円、6.0%増加し、52,876百万円となりました。グループ各社が売上高の拡大と収益性の改善の取り組みを強力に進めたことなどにより利益剰余金が前連結会計年度末比2,955百万円増加したことが主な要因であります。この結果、自己資本比率は前連結会計年度末の26.8%から2.8%改善し29.6%となり、財務基盤が着実に強化されつつあります。
(経営成績)
当連結会計年度(2021年4月1日~2022年3月31日)における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の再拡大の影響による緊急事態宣言の再発出やまん延防止等重点措置の再適用により、社会経済活動が制限されるなどの厳しい状況が継続している中、国際情勢が緊迫化するなど、先行きは依然として不透明な状況が続いております。
このような経済情勢のもと、当社グループでは、引き続き地域医療を担う医療機関として果たすべき使命を強く認識しながら、薬局各店舗における感染防止対策を徹底しつつ、良質な医療の提供に努めてまいりました。また同時に全社を挙げたコスト抑制にも継続して取り組んでおります。
この度、当社グループは、創業からの企業理念である「真の医薬分業の実現」の精神は継承したまま、時代の変化に合わせて当社グループの果たすべき責任を定義し直し、社会の持続可能性を追求していくため、新たにグループ理念を策定いたしました。私たちの使命を「すべての人の『生きる』に向き合う」と定めるとともに、2030年に向けたグループの目指す姿を「誰もが一番に相談したくなるヘルスケアグループへ」といたしました。当社グループはこのグループ理念のもと、医療を軸とした事業アプローチによる社会課題解決を通じて、すべての人の「生きる」に貢献してまいります。
さらに、2022年4月よりプライム市場へ移行することを見据えて、経営の意思決定機能・監督機能と業務執行機能を分離し、業務執行権限と執行責任の一層の明確化を図り、意思決定の迅速化、経営の機動性を高めること、及びコーポレート・ガバナンスの強化を図り、経営環境の変化に柔軟に対応し、企業価値を向上させることを目的に執行役員制度を導入いたしました。加えて、当社グループは、会社を支える「人(human)=社員」こそ、大切な経営資源と捉え、「社員が安全に、健康な状態でいきいきと働くことができる職場づくり」を重要な経営のテーマと考え、2021年9月に健康経営宣言を行い、代表取締役社長を最高健康経営責任者とする健康経営推進体制のもと健康経営の強化を推し進めてまいりました。今回これらの取り組みが評価され、2022年3月に経済産業省が定める健康経営優良法人認定制度に基づき、「健康経営優良法人2022(大規模法人部門)」に認定されました。
調剤薬局事業においては、2022年3月1日に日本調剤 オンライン薬局サービス「NiCOMS」の公式サイトをオープンしました。オンライン上でも患者さまとあたたかなコミュニケーションをとることをコンセプトとして、オレンジ色を基調とした「NiCOMS」のロゴを制定し、「NiCOMS」内の予約画面や通話画面のカラーデザインも一新いたしました。患者さまの薬物治療に寄り添う身近なコミュニケーション機能としてご利用いただけるとともに、2022年4月より導入されたリフィル処方箋や、本格運用の開始が見込まれる電子処方箋にも対応すべく、今後も一層使いやすいサービスを目指していく予定です。
また、2014年に自社開発し、全国の日本調剤グループの薬局でご利用いただける電子お薬手帳「お薬手帳プラス」の登録会員数は、2022年2月に100万人を突破いたしました。お薬手帳としての機能はもちろん、健康をサポートする様々な機能を搭載しており、処方箋送信機能を使った薬局の待ち時間の短縮や、「つながる」機能による薬局薬剤師とのお薬に関する相談など、新型コロナウイルス感染症の影響下においても多くの患者さまにご活用いただいております。
医薬品製造販売事業においては、電力・ガス・水などの使用削減、効率的な使用を通じて、環境保全に配慮した ESG経営を推進している当社グループの一員として、日本ジェネリック株式会社においてカーボンニュートラル(CN)都市ガスの導入とカーボンニュートラルLNGバイヤーズアライアンスへの加盟を行いました。東京ガスが供給するCN都市ガスの導入は、ジェネリック医薬品業界では初となり、3事業所合計で年間約4,000トンのCO2削減効果が見込まれます。
医療従事者派遣・紹介事業においては、新型コロナウイルス感染症の影響が継続し、薬剤師派遣・紹介の需要減少が継続する中、新型コロナウイルスワクチン接種関連業務を含む医師紹介の実績が拡大しました。また、2022年3月31日には、厚生労働省が推奨する「優良派遣事業者認定制度」の更新認定を受けております。
セグメント別の経営成績分析は以下のとおりです。
・調剤薬局事業
当連結会計年度の売上高は265,624百万円(前年同期比8.8%増)、営業利益が13,009百万円(前年同期比22.9%増)となりました。
3月末時点での総店舗数は、同期間に40店舗の新規出店、13店舗の閉店を行った結果、計697店舗(物販店舗1店舗を含む)となりました。売上高及び営業利益につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響が継続しているものの、前年度の出店効果及び処方箋枚数の増加等により増収増益となりました。なお、国が2023年度末までにすべての都道府県で80%以上とすることを目標として掲げているジェネリック医薬品の数量ベース使用割合は、当社グループでは3月末時点ですべての都道府県において80%を達成しており、全社平均では89.3%(供給停止品目などを算出対象から除外して計算)に達しております。また、在宅医療実施店舗の割合は93.1%(年間12件以上実施の店舗割合)と順調に推移しております。
・医薬品製造販売事業
当連結会計年度の売上高は44,836百万円(前年同期比1.9%減)、営業損失53百万円(前年同期は2,350百万円の利益)となりました。売上高につきましては、2019年以降の新規薬価収載品の販売が好調であった一方、2021年4月の薬価改定に伴う既存製品の販売価格の下落があったこと等により減収となりました。営業利益につきましては、コスト削減の取り組みに加え、収益性を重視した販売方針、及び新規薬価収載品を含む自社製造品目の販売拡大は継続しているものの、長生堂製薬における品質問題を原因とする不良資産処理による一時的な損失を計上したこと等により減益となりました。なお、長生堂製薬における業務改善の進捗につきましては、公表している改善計画に基づき順調に改善を進めている状況です。出荷調整品目につきましても、販売再開に向けて取り組みを進めております。なお、当連結会計年度末での販売品目数は、新規薬価収載品15品目を発売したことなどにより642品目(一般用医薬品2品目を含む)となりました。
・医療従事者派遣・紹介事業
当連結会計年度の売上高は6,991百万円(前年同期比16.7%減)、営業利益は576百万円(前年同期比19.1%減)となりました。売上高につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響により薬剤師派遣の需要が減少し減収となりました。営業利益につきましては、薬剤師派遣・紹介が縮小した影響等により減益となりましたが、新型コロナウイルスワクチン接種関連業務を含む医師紹介の実績が拡大傾向にあります。
当社グループの調剤薬局事業、医薬品製造販売事業においては、薬価改定・調剤報酬改定の動向が経営成績に重要な影響を与える要因となっております。国の医療費増加抑制方針を背景に、今後も実質マイナス傾向の改定が行われることが予想されるため、国の方針及び事業環境変化を注視しつつ事業を進めてまいります。
政府によるジェネリック医薬品使用促進政策の進捗及びその結果としての普及率も経営成績に重要な影響を与える要因となっております。医療費の増加抑制のための具体策として政府によるジェネリック医薬品の使用促進策が強力に進められており、調剤薬局事業、医薬品製造販売事業の事業計画(損益計画・投資計画)は、政府の取り組みが引き続き積極的に推進されることを前提として策定・実行されており、政府のジェネリック医薬品使用促進に関する方針等に変更が生じた場合には、当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があります。
また、2[事業等のリスク]に記載のとおり、新型コロナウイルス感染症の感染拡大は、調剤薬局事業及び医療従事者派遣・紹介事業の業績に影響を与えております。
調剤薬局事業においては、新型コロナウイルス感染症の影響が継続し、外出自粛などによる生活様式の変化に伴い患者さまによる医療機関受診回避や、医療機関による外来診療の抑制・処方日数の長期化などにより、当社グループの業績に影響を与えております。また、薬局運営においては、来局される患者さまの感染防止対策を徹底するとともに、患者さまの薬局での滞在時間を短くするために、電子お薬手帳を使用した処方箋の事前送信などの対策に努めております。
医薬品製造販売事業においては、製造する医薬品について、承認書と異なる製造方法による製造を行ったこと、及び安定性モニタリングの試験結果について不適切な取り扱いを行ったこと等により、一部製品の自主回収を行った影響及び徳島県より業務改善命令及び業務停止命令を受けた結果、当社グループの業績に影響を与えております。すでに業務改善計画を策定し、グループ一体となった改善を実施しており、同様の問題を起こさない体制構築に向けた改善を推し進めてまいります。
医療従事者派遣・紹介事業においては、新型コロナウイルス感染症の影響により、全国的に薬局薬剤師の派遣需要は大きく減少しており、特に都市部においては、薬剤師の派遣事業に大きな影響がありました。
当社グループの資金需要のうち主なものは、各事業セグメントにおける仕入資金、営業費用等の運転資金、また調剤薬局事業における新規出店資金、医薬品製造販売事業における製造設備導入・更新等の設備資金等であります。調剤薬局事業においては、業容拡大の有効な手段の一つとしてM&Aにも積極的に取り組んでおり、良質なM&A案件が結実した場合には買収資金が必要となります。加えて調剤薬局事業では、策定したDX戦略に基づきDX投資を推し進めていく計画であり、システム関連投資等の資金が必要となります。これらの資金需要につきましては、税金等調整前当期純利益などの増加などにより、営業活動によるキャッシュ・フローが着実に積み上がっている状況にあります。営業活動によるキャッシュ・フローの積み上げは、業容拡大に向けた資金需要を賄うとともに、長期借入金の返済による有利子負債の削減、財務体質の改善・強化を実現するための原資確保を可能としております。
当社グループは、事業運営上必要な流動性を安定的に確保するための源泉として、自己資金及び金融機関からの借入によることを基本方針とし、借り換え需要も含めて円滑に調達ができている状況にあります。現状では金利動向を踏まえ主として5年程度の固定金利での調達となっております。
当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、資産合計の14.3%を占める25,543百万円となっております。当該残高に加え、未使用の借入枠の状況等を勘案し現状の事業活動維持の観点から十分な財源が確保された状態にあるものと捉えております。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
該当事項はありません。
医薬品製造販売事業において連結子会社の日本ジェネリック株式会社及び長生堂製薬株式会社は、特許切れが見込まれる医療用医薬品に対応するジェネリック医薬品の自社製品の製造販売に向け、自社の研究所を中心に研究開発を行っており、当連結会計年度に支出した金額は