第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 会社の経営の基本方針

① 経営理念

これまで当社グループは、企業理念を「豊かな未来へ繋がる価値ある金融サービスの提供を通じて、広く社会に貢献する企業グループを目指します」とし、これを実現するための経営方針及び行動指針とあわせ、経営理念としておりました。

従来の経営方針は、(a)お客様の多様なニーズにお応えし、グループの総合力を結集して、的確かつ迅速なサービスの提供を目指し、(b)株主・市場からの評価と信頼の一層の向上に努め、(c)積極的な人材の育成と登用と自己研鑽を通じて、活力に満ち、働き甲斐のある企業風土の醸成に努め、(d)法令及びその精神を遵守するとともに、企業としての社会的責任を常に認識し、広く社会の理解と共感を得られる企業グループを目指す、としておりました。

また、従来の行動指針として3つの「C」、すなわちChallenge(挑戦)、Change(変革)、Create(創造)を掲げておりました。

上記の経営理念(企業理念・経営方針・行動指針)は2007年に決定したもので、その後の事業活動を通じて「お客様」「株主」「従業員」「社会」などのステークホルダーの皆様と共有できる価値の創造に努めてまいりました。

 

こうした中で、近年は急速に環境問題への意識の高まりや社会課題解決の重要性の高まり、デジタル技術の革新等、当社グループを取り巻く経営環境は大きく変化してきており、また、当社グループも事業規模やアライアンス等によるビジネス機会が大幅に拡大しており、当社グループが更なる飛躍を遂げていくためには、既存の枠組みを超えた事業展開やサステナビリティへの取り組み、社員とのより一層の一体感の醸成が不可欠になってきております。

このような認識に基づき、当社及び当社グループの使命やあるべき姿と改めて向き合い、以下のとおり2021年5月に経営理念を改定いたしました。

新たな経営理念は、これまでの経営理念の根幹となる普遍的な価値観は継承しつつ、金融に留まらない事業活動とお客様とのパートナーシップによる相乗的な価値創出により、多様な課題を率先して解決し、持続可能な社会の実現へ貢献していくことを示しています。

具体的には、まずMission(私たちの使命)としては、当社グループの強みである金融サービスに加えて、金融にとどまらない新たなソリューションを提案していくことで、様々な社会のニーズをつなぎ、新たな仕組みで解決につなげ、パートナーと共に未来を創っていくことを端的に表し「ニーズをつなぎ、未来を創る」といたしました。

次に、Vision(私たちの目指す姿)としては、企業としての価値創造と持続可能な社会の創造とを両立させる社会の担い手として存在が認められ、社員一人一人が誇りを持って働く会社でありたいという思いを込めて「サステナブルな社会のクリエイター」といたしました。

さらに、Value(私たちの行動指針)としては、従来挙げていたChallenge(挑戦)、Change(変革)、Create(創造)に、今回新たにCollaborate(協働)を掛け合わせ、社内外の様々なステークホルダーとの連携や協働により、大きな相乗効果を生み出すことを目標といたしました。

当社は、新たな経営理念のもと、グループ一丸となって、更なる企業価値の向上と持続可能な社会の実現を目指してまいります。

 

 

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サステナビリティへの取り組み

気候変動やエネルギー・資源不足等の環境課題、貧困や教育、健康・福祉等の社会課題に対する取り組みの重要性は高まっており、企業が存続し成長していくためには、事業活動を通じてこれらの課題解決に取り組んでいくことが必要と認識しております。

当社グループは、お客様の事業・財務戦略上の課題解決に強みを持ち、これまでも金融と事業会社の性質を併せ持つ特徴を活かした柔軟なサービスの提供を通じて、様々な課題の解決に努めてまいりましたが、持続可能な社会の実現と当社グループの成長を更に目指すため、サステナビリティへの取り組み方針を定めております。

豊かな未来を創り、持続可能な社会の実現に貢献するため、社会全体と当社グループのそれぞれの機会とリスクの観点から、優先的に取り組むべき6つの重要課題(マテリアリティ)を特定し、これらのマテリアリティに対する取り組みを事業戦略と一体化させて推進してまいります。

気候変動や健康・福祉、都市・インフラ・モビリティ等の社会環境課題に対して、新たなテクノロジーの活用やサプライチェーン支援、モノ・サービスの利用価値の提供等も用いて循環型社会へ移行を推進しながら、解決に貢献し、これらすべてを支える基盤として、人材・教育・ガバナンスの強化・拡充に努めてまいります。

新たな経営理念に基づいたサステナビリティへの取り組みにより、当社グループは、ファイナンスを超える新たな発想と飽くなき挑戦で、循環型社会を共創し、持続可能な社会の実現に貢献いたします。

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(2) 経営環境、中長期的な会社の経営戦略及び優先的に対処すべき課題

今後の当社グループを取り巻く経営環境につきましては、世界経済・日本経済ともに回復に向かうと見込まれますが、そのペースは緩やかであり、新型コロナウイルスが与える影響については、変異株の発生やワクチンの普及状況等不確実性も高く、2021年度内は留意を要する状況が続くと認識しており、当社グループにおいては、一部の業種について設備投資の抑制や信用コストの増加等の影響を見込んでおります。

また、モノの「所有」からサービスの「利用」へのニーズの変化やデジタル化がさらに加速していくなか、お客様とパートナーシップを築き、社会のニーズに迅速に対応していくことがより一層重要となっていくものと考えております。

当社グループは、2019年4月より2023年度までの5年間を計画期間とする第6次中期経営計画に取り組んでおります。この計画では「お客様と共に挑戦を続ける、価値創造カンパニー」を目指し、お客様と共同での事業推進と社会構造・産業構造の変化を捉えた注力分野へ取り組むとともに、当社が蓄積してきたノウハウと、みずほフィナンシャルグループ及び丸紅グループが有する事業基盤・ノウハウを融合していくことを基本的な戦略としております。また、国内外のビジネスフィールドを更に拡大し、お客様の事業展開パートナーとして新たなソリューションを提供し、お客様との価値共創や海外での新たな拠点・事業展開に挑戦してります。このようなビジネス戦略に加えて、国内外のビジネスフィールドの拡大に対応するため「グループガバナンスの強化」「業務生産性の向上」「人材戦略」「リスクリターン運営の高度化」を軸とした経営基盤の強化にも引き続き取り組むことで、当社グループの更なる成長を目指してります。

 

第6次中期経営計画におけるビジネス戦略の概要は以下のとおりであります。

① 第5次中期経営計画の成功モデルの進化

・顧客基盤拡大によるリース・ファイナンス事業の強化

・新ビジネス戦略(サービスビジネス、共同事業運営、商流サポート)の進化

・注力分野(環境・エネルギー、医療・ヘルスケア、航空機、海外現法、不動産、テクノロジー)への継続取り組み

② ㈱みずほ銀行との提携のポイント

・国内外最大級の顧客基盤を活用したビジネスの推進

・金融の枠を超えた新たなビジネス機会を創出し、より付加価値の高いビジネスを重点的に推進

・グローバル、医療・ヘルスケア、環境・エネルギー、テクノロジー等の成長分野を中心とした協業の拡大

③ 丸紅㈱との提携のポイント

・丸紅グループにおいて生じる国内外リース取引等をみずほ丸紅リース㈱へ集約

・丸紅㈱が手掛けている海外リース・ファイナンス事業のみずほ丸紅リース㈱への合流検討

・海外を中心に新たな投資先(買収・会社新設等)を発掘し、共同投資

当社グループは、新たな経営理念のもと、お客様と共同での事業展開や注力分野への取り組み、メーカー・商社・金融等の業務提携先との協業等を通じて事業領域を拡充し、第6次中期経営計画の目標達成に向け一層注力してまいります。

 

(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標

第6次中期経営計画(2019年度~2023年度)では、当社グループの更なる成長とステークホルダーに提供する価値の向上を実現するため、計画最終年度(2023年度)の経営目標数値(連結)を以下のとおり設定しております。

 

指標

最終年度(2023年度)の

数値目標

親会社株主に帰属する当期純利益

300億円

グローバル分野の年度末残高

2019年3月末比 3倍

配当性向

25%以上を目指す

(注)グローバル分野の年度末残高は、グループ会社が保有する営業資産を含む(2019年3月末の残高1,425億円)

 

2【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 民間設備投資額とリース設備投資額の動向について

わが国においてリース取引は、企業が設備投資を行う際の調達手段のひとつとして広く利用されております。民間設備投資額とリース設備投資額の動向はほぼ同一基調で推移してきており、リース設備投資額は企業の設備投資動向に影響を受けるものと考えられます。

当社グループの契約実行高と民間設備投資額及びリース設備投資額の推移は、必ずしも一致しておりませんが、民間設備投資額及びリース設備投資額が大幅に減少した場合は、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(2) 信用リスク

当社グループの事業活動の主であるリース取引等は、お客様に対し比較的長期間(平均5年程度)に亘り、賃貸という形で信用を供与する取引で、お客様からリース料等を全額回収して当初の期待収益が確保されます。

経済状況の低迷により、お客様の業況が悪化し、当初想定したリース料等の回収が困難となるリスクがあります。

したがって、当社グループは、取引開始時における厳格な与信チェック、リース物件の将来中古価値の見極め等により契約取組の可否の判断を行うとともに取引開始後は、お客様の与信状況につき定例的にモニタリングを行い、必要に応じ債権保全等の措置を講じております。

また、お客様の信用状況が悪化しリース料等の不払いが生じた場合には、リース物件の売却又は他のお客様への転用等により可能な限り回収の促進を図っております。

なお当社グループは日本公認会計士協会の「リース業における金融商品会計基準適用に関する当面の会計上及び監査上の取扱い」(業種別監査委員会報告第19号)に基づいた資産の自己査定を実施しており、自己査定結果に基づき償却・引当を行っております。

しかしながら、経済環境の急激な変化や大規模災害などによってお客様の信用状況が悪化し、想定以上の信用コストが発生することにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 金利変動リスク

当社グループは、外部金融機関からの借入れ及び債券発行により主たる事業の資金調達を行っております。

当社グループの収入であるリースや有価証券投資の金利条件(水準・期間・固定又は変動の別など)と、当社グループの支払である調達金利の条件が異なることにより、金利の変動が金利収支に影響を与える可能性があります。

このような金利変動に対応するため、デリバティブ取引を利用したヘッジを行っております。

具体的には、ALM(資産負債の統合管理)の手法によるマッチング比率(固定・変動利回りの資産に対して固定・変動金利の負債・デリバティブを割り当てることにより、資産のうち金利リスクを負っていない部分の割合)の管理を行っております。

 

(4) 諸制度の変更に関するリスク

当社グループは、現行の法律・税務・会計等の制度や基準をもとに、リース取引等をはじめ総合金融サービスの提供を行っております。

これら諸制度の変更への対応として、諸制度の改廃状況について情報収集を行うとともに経営陣と共有するほか、社内における管理体制を整備し機動的な対応を行い当社グループへの影響を最小限にとどめる対応を講じております。

しかしながら、これらの諸制度が大幅に変更された場合は、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(5) 事業活動に関して生じる過誤や各種事案に関するリスク

事務の不適切な対応、システムの障害・誤作動、訴訟等の法的要因によって、収益機会の逸失や損害賠償への対応が生じ、結果として当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

このような事案への対応として、当社は、各種事案への対応を全社横断的かつ機動的に実施するよう、リスク管理体制を整備し、当社グループへの影響を最小限にとどめる為の対策を講じております。

 

(6) 新型コロナウイルス感染症の影響に関するリスク

2021年度につきましては、変異の発生やワクチンの普及状況等不確実性も高く、2021年度内は留意を要する状況が続くと認識しております。今後の収束状況等によっては、景気悪化に伴うお客様の業況の悪化による信用コストの増加、資金調達コストの増加等が当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(リスク管理体制)

上記に係る各リスクの発生の可能性、程度、時期、並びに当社グループの経営成績及び財務状況等に与える影響を正確に見積ることは困難ではありますが、経済状況の悪化に伴う与信状況の悪化や、金利の変動が当社グループに与える影響については、一定の統計的手法で最大損失額を算出しており、以下のとおり、リスク管理体制の下でモニタリングしております。

当社グループは、事業活動にかかわるあらゆるリスクを的確に把握・分析・制御し、経営への影響を低減していくため、全社的な視点でリスクマネジメントを統括・推進する「リスク管理統括責任者(CRO)」を置くとともに社内において各リスクの所管部門を設定、リスク事象に対迅速かつ機動的対応する体制を整備しております。

各リスクの所管部門は、事業に関連するリスクを把握、制御を適時に実施するとともに、実効性を検証し、四半期ごとに開催する「リスク管理委員会」において、リスク低減に関する諸施策の遂行状況や施策の浸透状況、有効性に関する検証を行い、その結果を取締役会に報告しております。

(「第4 提出会社の状況 4.コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要 ③企業統治に関するその他の事項 ・業務の適正を確保するための体制」にリスク管理体制を含めた取締役会決議の概要及びその運用状況について記載しております。)

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3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

①  財政状態及び経営成績の状況

2020年度の経済情勢を顧みますと、世界経済は新型コロナウイルスの世界的な感染拡大により大きく落ち込んだ後、持ち直しの動きもありましたが、足もとでは一部の地域における変異株のまん延が回復の足かせとなっています。日本経済は、感染拡大を受けた経済活動の制約によって大幅に落ち込んだ後、消費や輸出を中心に持ち直しの動きが見られましたが、足もとの感染再拡大によるサービス関連消費の落ち込みは避けられず、景気回復の重石となっています。また、政府・日本銀行による政策対応もあり、企業倒産件数は抑制されていますが、先行きの不確実性には留意が必要な状況が続くと認識しております。

リース業界におきましては、感染拡大に伴う経済活動の制約やその影響を受けた企業の設備投資意欲の減少などにより、リース取扱高は前年度を下回る実績となりました。

 

こうした環境の下、当社グループは、2019年度より2023年度までの5年間を計画期間とする第6次中期経営計画に取り組んでおります。この計画では、お客様と共同での事業推進と社会構造・産業構造の変化を捉えた注力分野(環境・エネルギー、医療・ヘルスケア、不動産、グローバル、航空機、テクノロジー)への取り組みを推進するとともに、みずほフィナンシャルグループや丸紅グループ等の戦略的ビジネスパートナーとの連携・協業による事業基盤の拡充と新たな事業領域への挑戦を行うこととしております。

また、当社グループの更なる成長とステークホルダーに提供する価値の向上を目指し、最終年度の連結数値目標として「親会社株主に帰属する当期純利益 300億円」、「グローバル分野の残高 2019年3月末比 3倍」及び「配当性向25%以上を目指す」を掲げております。

第6次中期経営計画の2年目となる2020年度は、コロナ禍での厳しい事業環境のなか、一部の業種のお客様にて設備投資の抑制や先送りの動きが見られましたが、コロナ対応を図られるお客様の事業戦略や財務戦略上のニーズを捉えたソリューションの提供に注力しつつ、みずほフィナンシャルグループや丸紅グループ等との連携を拡充させ、注力分野への取り組みを着実に遂行してまいりました。

 

その結果、契約実行高は前期(2020年3月期)比6.4%増加して1,365,021百万円となりました。

損益状況につきましては、売上高は前期比7.7%減少497,852百万円となり、営業利益は同1.2%減少して25,963百万円、経常利益は同3.1%増加27,542百万円親会社株主に帰属する当期純利益は24.3%増加して21,772百万円となり、8期連続で最高益を更新いたしました。

財政状態につきましては、契約実行高の増加により営業資産残高は前期末比232,093百万円増加し2,322,398百万円となり、資産合計額は同254,774百万円増加して2,603,190百万円となりました。

また、営業資産の増加に伴い有利子負債が前期末比254,751百万円増加して2,255,387百万円となったことから、負債合計額は同239,702百万円増加して2,392,337百万円となりました。

純資産は期間利益の蓄積等により引き続き増加し、210,852百万円となりました。

 

② セグメントごとの経営成績

セグメントの業績は次のとおりであります。(売上高は外部顧客への売上高を記載しております。)

〔リース・割賦〕

リース・割賦の売上高は、前期(2020年3月期)に比べ不動産案件の満了に伴う物件の売却が減少したことから、前期比5.7%減少して482,545百万円となりましたが、売上原価も同様に減少いたしました。営業利益は、営業資産残高の増加により、同20.8%増加して22,457百万円となりました。

当期(2021年3月期)末の営業資産残高は、不動産や情報通信機器を中心とした契約実行高の増加に伴い、前期末比133,324百万円増加し1,600,764百万円となりました。

〔ファイナンス〕

ファイナンスの売上高は、前期に営業投資有価証券の売却があったこと等から前期比22.7%減少して14,508百万円となり、営業利益は前期に大口の信用コストの戻入益が発生したこともあり、同30.1%減少して8,968百万円となりました。

当期末の営業資産残高は、契約期間が短期の商流ファイナンス及び不動産ファイナンスが増加したことから、前期末比98,768百万円増加し721,634百万円となりました。

〔その他〕

太陽光発電事業所を対象としたブリッジ案件が前期で満了したことにより、その他の売上高は前期比90.9%減少して798百万円となり、営業利益は同76.4%減少して137百万円となりました。

 

  キャッシュ・フローの状況

当期(2021年3月期)のキャッシュ・フローの状況につきましては、営業資産残高の増加や業務提携に伴う株式取得等の事業活動に伴う支出に対し、資金の流動性を確保しつつ、金融機関からの借入や市場での資金調達を行いました。その結果、当期(2021年3月期)末における現金及び現金同等物の残高は、前期(2020年3月期)末比1,892百万円減少し、20,406百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

営業活動によるキャッシュ・フローは、営業資産が増加したことにより、196,820百万円の支出となりました。

投資活動によるキャッシュ・フローは、継続的なシステム投資や㈱リコー及びリコーリース㈱との業務提携に伴うリコーリース㈱の株式取得等により、53,160百万円の支出となりました。

財務活動によるキャッシュ・フローは、金融機関からの借入金や市場での資金調達の増加により、248,210百万円の収入となりました。

 

(2)特定金融会社等の開示に関する内閣府令に基づく貸付金(営業貸付金及びその他の営業貸付債権)の状況

「特定金融会社等の開示に関する内閣府令」(平成11年5月19日 大蔵省令第57号)に基づく、提出会社における貸付金の状況は次のとおりであります。

① 貸付金の種別残高内訳

2021年3月31日現在

 

貸付種別

件数(件)

構成割合(%)

残高(百万円)

構成割合(%)

平均約定金利

(%)

消費者向

 

 

 

 

 

無担保(住宅向を除く)

有担保(住宅向を除く)

住宅向

事業者向

 

 

 

 

 

1,543

100.00

442,456

100.00

1.93

合計

1,543

100.00

442,456

100.00

1.93

 

② 資金調達内訳

2021年3月31日現在

 

借入先等

残高(百万円)

平均調達金利(%)

金融機関等からの借入

1,012,206

0.37

その他

916,644

0.10

 

社債・CP

781,925

0.10

合計

1,928,851

0.24

自己資本

152,631

 

資本金・出資額

26,088

 

③ 業種別貸付金残高内訳

2021年3月31日現在

 

業種別

先数(件)

構成割合(%)

残高(百万円)

構成割合(%)

製造業

91

15.50

57,587

13.01

建設業

5

0.85

56

0.01

電気・ガス・熱供給・水道業

6

1.02

4,016

0.91

運輸・通信業

72

12.27

139,232

31.47

卸売・小売業、飲食店

104

17.72

9,202

2.08

金融・保険業

10

1.70

65,122

14.72

不動産業

58

9.88

106,229

24.01

サービス業

212

36.12

52,726

11.92

個人

その他

29

4.94

8,283

1.87

合計

587

100.00

442,456

100.00

 

④ 担保別貸付金残高内訳

2021年3月31日現在

 

受入担保の種類

残高(百万円)

構成割合(%)

有価証券

2,100

0.48

 

うち株式

2,100

0.48

債権

899

0.20

 

うち預金

商品

0

0.00

不動産

1,814

0.41

財団

その他

140,047

31.65

144,861

32.74

保証

10,354

2.34

無担保

287,240

64.92

合計

442,456

100.00

 

⑤ 期間別貸付金残高内訳

2021年3月31日現在

 

期間別

件数(件)

構成割合(%)

残高(百万円)

構成割合(%)

1年以下

78

5.05

22,205

5.02

1年超 5年以下

858

55.61

195,860

44.26

5年超 10年以下

482

31.24

189,587

42.85

10年超 15年以下

60

3.89

23,216

5.25

15年超 20年以下

59

3.82

10,444

2.36

20年超 25年以下

6

0.39

1,142

0.26

25年超

合計

1,543

100.00

442,456

100.00

1件当たり平均期間

5.98年

(注)期間は、約定期間によっております。

(3) 営業取引の状況

①  契約実行高

当連結会計年度における契約実行高の実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

契約実行高(百万円)

前年度比増減率(%)

リース・割賦

情報・事務用機器

176,814

12.3

産業・土木・建設機械

141,371

△3.2

その他

98,408

△31.7

ファイナンス・リース計

416,594

△6.9

オペレーティング・リース

154,788

△17.4

リース計

571,382

△10.0

割賦

41,318

△28.0

 

 

612,701

△11.5

ファイナンス

752,319

27.5

その他

合計

1,365,021

6.4

(注)リースについては、当連結会計年度に取得した賃貸用資産の取得金額、割賦については、割賦債権から割賦未実現利益を控除した額を表示しております。

 

②  営業資産残高

連結会計年度における営業資産残高をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

前連結会計年度

当連結会計年度

期末残高

(百万円)

構成比(%)

期末残高

(百万円)

構成比(%)

リース・割賦

情報・事務用機器

305,994

14.6

359,022

15.5

産業・土木・建設機械

380,620

18.2

409,787

17.6

その他

395,473

18.9

405,258

17.5

ファイナンス・リース計

1,082,088

51.8

1,174,068

50.6

オペレーティング・リース

245,635

11.7

302,262

13.0

リース計

1,327,723

63.5

1,476,331

63.6

割賦

139,715

6.7

124,433

5.3

 

 

1,467,439

70.2

1,600,764

68.9

ファイナンス

622,866

29.8

721,634

31.1

その他

合計

2,090,305

100.0

2,322,398

100.0

(注)割賦については、割賦債権から割賦未実現利益を控除した額を表示しております。

 

③  営業実績

連結会計年度における営業実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

(a)前連結会計年度

セグメントの名称

売上高

(百万円)

売上原価

(百万円)

差引利益

(百万円)

資金原価

(百万円)

売上総利益

(百万円)

リース・割賦

ファイナンス・リース

303,303

オペレーティング・リース

195,383

リース計

498,686

461,114

37,572

5,925

31,646

割賦

13,034

9,853

3,180

675

2,504

 

 

511,721

470,968

40,753

6,601

34,151

ファイナンス

18,772

311

18,461

3,117

15,343

その他

8,747

7,698

1,049

25

1,023

合計

539,241

478,978

60,263

9,744

50,519

 

(b)当連結会計年度

セグメントの名称

売上高

(百万円)

売上原価

(百万円)

差引利益

(百万円)

資金原価

(百万円)

売上総利益

(百万円)

リース・割賦

ファイナンス・リース

340,994

オペレーティング・リース

130,672

リース計

471,667

429,984

41,682

5,076

36,606

割賦

10,878

7,888

2,989

471

2,518

 

 

482,545

437,873

44,672

5,547

39,124

ファイナンス

14,508

257

14,250

2,437

11,813

その他

798

390

408

408

合計

497,852

438,520

59,332

7,985

51,347

(注)セグメント間取引については相殺消去しております。

 

(4)  経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

①  経営成績及び財政状態

当社グループは、2019年度より第6次中期経営計画を開始しており、この計画に基づき、お客様と共同での事業推進並びに注力分野への取り組みを加速するとともに、戦略的ビジネスパートナーとの連携・協業による事業基盤の拡充と新たな事業領域への挑戦を行っております。

 

2020年度の注力分野における具体的な取り組みにつきましては、次のとおりであります。

環境・エネルギー分野では、再生可能エネルギー領域への取り組みを強化し、風力発電プロジェクトへのファイナンスやバイオマス発電事業への参画、太陽光発電所の運営開始等、設備のリースに留まらず事業そのものへの取り組みを推進いたしました。その結果、この分野における営業資産残高は、前期(2020年3月期)末に比べ3.1%増加して1,699億円となりました。

医療・ヘルスケア分野では、医療機関の設備投資が抑制傾向にあることから、営業資産残高は前期末に比べ2.5%減少して901億円となっておりますが、従来型の医療機器のリースに留まらず、より収益性を重視した取り組みを進めております。具体的には、メーカーと連携したPCR検査装置の普及に向けた協力体制の構築や、メンテナンスや付帯サービスを含めた医療機器の月額利用サービスの提供等、医療・介護機器メーカー等のパートナーと連携したサービスビジネスの展開に注力いたしました。

不動産分野では、お客様からの依頼に基づき当社が一時的に物件を保有する取引として、物流施設等の社会的ニーズが高い物件に加え、ヘルスケア研究施設や工場の底地など多様な物件を手掛けたほか、大手デベロッパーと共同して国内外で不動産開発事業に着手するなど、取り組みをより深化させました。その結果、この分野における営業資産残高は、前期末に比べ32.7%増加して4,818億円となりました。

グローバル分野では、注力するアジア地域において新型コロナウイルスの影響を受け厳しい営業状況となりましたが、今後の事業拡大に向け、ベトナムのリース会社に出資したほか、ASEANの物流・金融のハブであるシンガポールにて現地法人の営業を開始いたしました。また、当社と丸紅㈱の共同運営会社であるみずほ丸紅リース㈱にて、チリの上下水道事業会社とフィリピンの水力発電事業会社への出資を実行し、海外インフラ事業での事業基盤を拡大いたしました。その結果、この分野の営業資産残高は、前期末に比べ13.2%増加して2,657億円となりました。

航空機分野では、世界的に航空機需要が大きく落ち込むなか、2020年度は航空機担保ローンや機体保有などの新規取り組みを抑制しましたことにより、営業資産残高は、前期末に比べ15.4%減少して994億円となりました。しかしながら、航空機業界について中長期的には市場の回復を見込んでおり、引き続き市場環境を注視しながら取り組んでまいります。

また、アライアンスパートナーとの協業につきましては、みずほ丸紅リース㈱を通じた事業投資により、グローバル分野における丸紅グループとの連携による残高は366億円増加しており、㈱リコー及びリコーリース㈱との業務提携では、既存事業の強化及び新たな事業機会の創出に向けた取り組みを開始し、初年度である2020年度の連携による成約実績25億円となっております。

 

このような取り組みの結果、2020年度の経営成績につきましては、以下のとおりとなりました。

売上高は前期(2020年3月期)に比べ不動産案件の満了に伴う物件の売却が減少したことを主因として前期に比べ41,389百万円減少して497,852百万円となり、売上原価についても同42,217百万円減少して446,505百万円となりました。

売上総利益は、コロナ禍によりJOLCO(コールオプション付き日本型オペレーティングリース)の販売が減少したことによるィー収益の減少営業投資有価証券の売却収益が減少しましたが、注力分野への取り組みや、みずほフィナンシャルグループとの協業をはじめとした第6次中期経営計画で掲げる戦略の推進による営業資産残高の積み上げによりリース収益が増加したことに加え、外貨調達金利の低下を主因に資金原価が減少したことなどから、同827百万円増加して51,347百万円となりました。

販売費及び一般管理費は、ビジネス領域の拡大に伴い人件費が増加したことや、貸倒引当金が前年度の戻入から小幅ながら繰入に転じたことなどから、同1,140百万円増加し25,383百万円となりました。

これらの結果、営業利益は同312百万円減少し25,963百万円となりました。

経常利益は、リコーリース㈱をはじめとする持分法による投資利益の増加により、同827百万円増加して27,542百万円となりました。

特別損益は投資有価証券の売却益を主因として特別利益が4,135百万円となった一方、特別損失は113百万円にとどまったことから、純額で4,021百万円利益となりました。

以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、同4,259百万円増加し21,772百万円となり、8期連続で最高益を更新いたしました。

 

財政状態につきましては、以下のとおりであります。

契約実行高は、リース・割賦セグメントでは、情報通信機器の大口案件の寄与がありましたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響によりその他の業態では総じて減少し、前期(2020年3月期)に比べ11.5%減少して612,701百万円となりました。一方、ファイナンスセグメントでは、不動産関連と契約期間が短期の商流ファイナンスを中心として、同27.5%増加して752,319百万円となりました。この結果、契約実行高全体では、同6.4%増加の1,365,021百万円となりました。

営業資産残高はみずほと連携したお客様の財務戦略ニーズを捉えたリースバック取引や不動産分野での事業性リスクに取り組んだメザニンローンなどでのエクティ資産の増加に加え通信インフラや物流施設など、社会的ニーズが高い分野への残高を積み上げたことにより、前期末比232,093百万円増加し2,322,398百万円となり、資産合計額は同254,774百万円増して2,603,190百万円となりました

一方、調達側では営業資産の増加に伴い、機動的な調達手段を拡充するためにCP発行枠を増額したほか、2020年度中に750億円の社債を発行したことなどにより、有利子負債は前期末比254,751百万円増加して2,255,387百万円となりました。その結果、負債合計額は239,702百万円増加して2,392,337百万円となりました。

 

② 資本の財源及び資金の流動性

当社グループは、お客様のニーズに対応して幅広い金融サービスを提供するため、資金調達については安定性の確保とコストの抑制を図るよう努めております。また、年度の資金計画と金融環境の変化に即したALM(資産負債の統合管理)運営方針のもと機動的な資金調達を行っております。

当社グループの資金調達につきましては、金融機関からの借入による間接調達と市場からの直接調達による長期及び短期の資金により構成されております。当期(2021年3月期)末において、間接調達は前期(2020年3月期)末比131,161百万円増加し1,196,143百万円となりました。直接調達はコマーシャル・ペーパー及び社債の発行などにより、同123,589百万円増加し1,059,244百万円となりました。

また、運転資金の流動性や調達の機動性を確保するため、当期末において取引金融機関50社と総額870,855百万円の当座貸越契約及びコミットメントライン契約を締結しております。これらの契約による借入未実行残高は562,815百万円であり、資金の流動性は十分に確保ております。

 

キャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

(a)貸倒引当金の計上

当社グループの貸倒引当金は、予め定め償却・引当基準に則り、次のとおり計上しております。

破産、特別清算等法的に経営破綻の事実が発生している債務者に係る債権及びそれと同等の状況にある債務者に係る債権については、債権額から担保の処分可能見込額及び保証による回収可能見込額を控除し、その残額を直接減額しております。

また、現在は経営破綻の状況にないものの、今後経営破綻に陥る可能性がいと認められる債務者に係る債権については、債権額から、担保の処分可能見込額及び保証による回収可能見込額を控除し、その残額のうち、将来の予想損失額を算定し、計上しております。

上記以外の債権については、過去の一定期間における貸倒実績から算出した貨倒実績率等に基づき計上しております。

すべての債権は、資産の自己査定基準に基づき、営業関連部署が自己査定を実施し、当該部署から独立した部署が査定結果を確認しております。

当社グループは、債権の評価にあたって用いた会計上の見積りは合理的であり、貸倒引当金は十分な額を計上しており、債権額から貸倒引当金を控除した額は回収可能な額として計上ていると判断しております。

ただし、債権の評価には経営者が管理不能な不確実性が含まれております。

このため予測不能な前提条件の変化等により債権の評価が変動する可能性があり、この場合には、将来、当社グループが貸倒引当金を増額又は減額する可能性があります。

また、2021年度につきましては、変異の発生やワクチンの普及状況等不確実性も高く、2021年度内は留意を要する状況が続くと認識しております。

今後の収束状況等によっては、景気悪化に伴うお客様の業況の悪化により当社グループが貸倒引当金を増額する可能性があります。

 

(b)持分法適用会社に係るのれんの評価

当社は、一部の持分法適用会社について、一定の仮定の下で、のれん相当額を算定しております。

持分法適用会社は、各社の置かれている経済状態、市場環境、属する業界の動向、新型コロナウイルス感染症拡大の影響及び回復時期等に関する仮定を含めて、それぞれ事業計画を策定しております。

のれん相当額の算定に当たっては、これらの仮定を含んだ各社の事業計画による営業損益見込、将来キャッシュ・フローに基づき算定しております。

見積りにおいて用いた仮定について、持分法適用会社に事業計画の達成困難な状況等が生じることにより見直しが必要になった場合、翌期において減損処理が必要となる可能性があります。

 

(5)  客観的な指標等の進捗状況・分析等

第6次中期経営計画(2019年度~2023年度)では、当社グループの更なる成長とステークホルダーに提供する価値の向上を実現するため、計画最終年度(2023年度)の経営目標数値(連結)を以下のとおり設定しております。

 

指標

2019年度

(実績)

2020年度

(実績)

最終年度(2023年度)の数値目標

親会社株主に帰属する当期純利益

175.12億円

217.72億円

300億円

グローバル分野の年度末残高

2,348億円

2,657億円

2019年3月末比 3倍

配当性向

22.7%

20.4%

25%以上を目指す

(注)グローバル分野の年度末残高は、グループ会社が保有する営業資産を含む。

 

2020年度は、2020年5月に公表しました通期業績予想のうち、営業利益・経常利益・親会社株主に帰属する当期純利益について、2021年2月に上方修正を行っておりますが、実績は各段階利益とも上方修正後の業績予想を上回っており、このうち親会社株主に帰属する当期純利益については、上方修正後の業績予想200億円に対して217.72億円の実績となり、8期連続で最高益を更新いたしました。グローバル分野の残高については、海外インフラ事業への投資などにより、前期(2020年3月期)末比309億円増加し2,657億円となりました。また、2020年度の1株当たり年間配当額は92円00銭と19期連続での増配となり、配当性向は20.4%となりました。

 

 

4【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

 

5【研究開発活動】

該当事項はありません。