第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループは以下のとおり経営理念を掲げ、企業価値の向上と持続可能な社会の実現に貢献してまいります。

 

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(2) 経営環境、中長期的な会社の経営戦略および優先的に対処すべき課題

当社グループを取り巻く事業環境につきましては、新型コロナウイルスの「5類感染症」への移行により、日本経済は緩やかな回復が見込まれる一方、世界的なインフレ、欧米の金融引き締めの影響等には引き続き留意を要する状況にあると認識しております。

今後、モノの「所有」からサービスの「利用」へのニーズの変化やデジタル化がさらに加速していくなか、お客さまとパートナーシップを築き、社会のニーズに迅速に対応していくことがより一層重要となっていくものと考えております。

 

当社は、2019年にみずほリースとして初の中期経営計画を策定し、グループ一丸となってその実現に向け努めてまいりました。結果、2022年度には、前中期経営計画で掲げた数値目標について概ね達成が見込まれる水準まで到達し、ビジネス基盤・経営基盤双方を着実に強化してまいりました。一方、事業環境は激しい変化の中にあり、テクノロジーの進化や気候変動、脱炭素といった社会的課題に対するお客さまニーズの変化を的確に捉え、それらに対応するためのソリューションを提供する当社グループへの期待はより高まっているものと認識しております。

こうした状況下、当社グループが持続的に成長し、目指す姿の実現に向け更なる飛躍を遂げるため、新たに「中期経営計画2025(2023年度~2025年度)」を策定いたしました。リース会社から大きく躍進し、お客さまと共に未来を共創するプラットフォームカンパニーとなることを目指し、そのための変革に挑戦する3年間と位置付け、計画の実現に取り組んでまいります。

 

 

中期経営計画2025におけるビジネス戦略の概要は以下のとおりであります。

① 事業ポートフォリオ運営の変革・高度化

 ・事業ポートフォリオを成長の時間軸が異なる3つの分野(コア、グロース、フロンティア)に分け、マネジ

  メントを実施

 1.期間利益の追求と成長投資を両軸で推進。投資効果の発現に一定期間を要する領域は、中長期目線での

   収益化に向けビジネス基盤を強化

 2.コア分野の着実な積み上げと、グロース分野のビジネス領域拡大が成長を牽引。フロンティア分野は長

   期目線で新たな収益源とすべく経営資源を投下、ビジネス基盤を整備

 3.みずほグループ・丸紅グループとの連携を強化、ビジネス領域・顧客基盤を更に拡大。スタートアップ

   やDXプレーヤーといった事業法人とのアライアンスを推進

 4.良質な営業資産を積極的に積み上げ(2022年度比+7,000億円超)。インオーガニック戦略の推進に注力(2025年度までに累計1,500億円規模の投資)

<事業ポートフォリオの分類>

 コア分野:成熟したマーケット、あるいは相応のプレゼンスを擁する領域。安定的・継続的な成長に向け、

良質な資産を積極的に積み上げ(例:国内リース、不動産等)

 グロース分野:顕在化した成長領域。本中期経営計画期間における成長ドライバーであり、コア分野に次ぐ

収益の柱として積極的に経営資源を投下(例:グローバル、航空機、環境エネルギー等)

 フロンティア分野:長期的にマーケットが形成され、大きく花開くことを展望する領域。先行的に経営資源を投下、ビジネス基盤を整備(例:サーキュラーエコノミー、XaaS等)

② サステナビリティ経営の推進

 ・ファイナンスを超える新たな発想と飽くなき挑戦により循環型社会を共創し、持続可能な社会の実現に貢献

 1.脱炭素社会実現への貢献

 - 再生可能エネルギー電源を確保(発電設備容量:2025年度までに1ギガワット)

 発電・送電・蓄電・利用についてトータルマネジメントを実施し、需要家へ供給

 - SCOPE1,2 CO2排出量削減:2030年度にカーボンニュートラルを実現

 2.サーキュラーエコノミーへの取り組み

 - 製品ライフサイクルの一連のプロセスにおけるトレーサビリティーを提供。透明性の高い、資源利用

  の最適化を促進するプラットフォームを構築

③ 成長を支える経営基盤の強化・高度化

 ・中期経営計画2025で掲げるビジネス戦略を遂行するため、経営基盤の強化・高度化に向けて積極的に経営資

  源を投下

 1.デジタルトランスフォーメーションの加速

 - ビジネス領域の拡大、新たなビジネスモデル実装に向け、デジタル技術を活用

 - 次期システム導入等を通じた更なる業務効率化と顧客利便性の向上、ビジネス開発の加速(ITシステム

  投資額:2025年度までに累計100億円超)

 2.人財戦略の高度化、企業カルチャーの変革

 - ビジネス戦略に即した人財ポートフォリオの構築(専門ビジネス人財:2022年度比+80名超、人財育成

  のための投資額:同3倍以上)

 - 社員一人一人が、より一層、働きがいや充実感を覚える組織へ

 3.ガバナンスの強化

 - ビジネスの多様化、専門性の高まりを踏まえ、各事業の戦略策定・意思決定を迅速且つ機動的に実施す

  るため、本部・グループ制を導入

 4.リスクマネジメント態勢の高度化

 - 多様化するリスクカテゴリに応じたリスクコントロールの高度化、モニタリングの強化

 - リスク・リターン運営の更なる高度化

 

当社グループは、お客さまの抱える課題を金融の枠を超えた価値共創のパートナーとして解決し、事業活動に貢献する、マルチソリューション・プラットフォーマーを目指してまいります。中期経営計画の3年間は、目指す姿の実現に向け、飛躍的な成長を遂げるために、ビジネス基盤・経営基盤双方に対し、積極的な経営資源投下を行う、変革に挑戦するための期間として位置づけ、ビジネスを推進してまいります。

ファイナンスを中心とした財務面のサポートはもとより、みずほグループや丸紅グループ、国内外の事業会社等の様々な業種のパートナーとの協働を通じて、金融にとどまらない高い自由度を活かしたサービスを提供することで、お客さまの抱える事業戦略上の課題や社会的課題に率先して取り組み、ステークホルダーの皆さまと共有できる新しい価値を創造し、お客さまの事業活動の発展と、それを通じた持続可能な社会の実現とともに、当社グループの更なる成長を目指してまいります。

 

(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標

中期経営計画2025では、当社グループの更なる成長とステークホルダーに提供する価値の向上を実現するため、計画最終年度(2025年度)の経営目標数値(連結)を以下のとおり設定しております。

 

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2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 

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 当社グループは、「ニーズをつなぎ、未来を創る」という経営理念に基づき、事業活動を通じてステークホルダーの皆さまと共有できる価値を創造し、持続可能な社会の実現に貢献することを目指しています。

 環境・社会課題への取り組みの重要性はますます高まっており、当社グループは更なる持続可能な社会の実現と成長を目指していくため、社会と当社グループのそれぞれの機会とリスクの観点から、優先的に取り組むべき6つの重要課題(マテリアリティ)を特定し、これらのマテリアリティに対する取り組みを事業戦略と一体化させて推進しております。

 なお、本項に含まれている将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。

 

 

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 豊かな未来を創り、持続可能な社会の実現に貢献するため、ビジネスを通じて何ができるのかを考え、以下のマテリアリティを特定し、取り組みを進めております。

 気候変動や健康・福祉、都市・インフラ・モビリティ等の社会環境課題に対し、新たなテクノロジーの活用やサプライチェーン支援、モノ・サービスの利用価値の提供等も用いて循環型社会へ移行を推進しながら解決に貢献していきます。これらすべてを支える基盤として、人材・教育・ガバナンスの強化・拡充や人権ポリシーの浸透・徹底にも努めてまいります。

 

マテリアリティ

主要な取り組み

脱炭素社会実現への貢献

・発電・送電・蓄電・利用のマネジメントシステムの構築

・再生可能エネルギー事業へ参画しビジネスフィールドを拡大

・省エネ、エネルギー効率化ソリューションの拡充

健康で豊かな生活への貢献

・医療メーカーとのアライアンスを通じた、メンテナンスやデータ分析等と一体化したサービスの提供

・施設、設備、機器を包括したトータルソリューションの提供

生活を支える社会基盤づくりへの貢献

・インフラ整備、モビリティ普及のためのソリューション提供

・防災や災害に備えた設備導入の仕組みづくり

・スマートシティ、地方創生事業への参画

循環型経済の牽引

・サプライチェーンの中のあらゆる段階での支援

・メーカーとの連携によるライフサイクルコスト低減

・モノの利用価値の最大化(サブスクリプション、シェアリング等)

テクノロジーによる新しい

価値の創出

・ビックデータやAIを利用したプラットフォームの提供

・スタートアップ企業への出資を通じた新ビジネスの創出

・テクノロジーを活用した業務効率化

あらゆる人が活躍できる

社会・職場づくり

・キャリア採用による多様な人材の確保、女性の活躍支援

・労働時間と勤務場所の自由度の向上

・ガバナンス、内部統制の強化

・人権ポリシーの浸透・徹底

 

 

(1)ガバナンス

 当社グループは、サステナビリティに関わる全社横断的な審議を行うサステナビリティ委員会を設置しております。当委員会は、サステナビリティ統括責任者を長とし、CSO、CFO、CRO、CIO、CCO(*)、および、ESGに関わる各部門の担当役員で構成し、議題に応じて他の関係者も出席させ、幅広い議論を原則四半期ごとに行っております。

 具体的には、ESGを含むサステナビリティに関わる情報共有、サステナビリティ経営の基本方針・目標の立案、計画の実行状況のモニタリングと対策協議を行い、気候変動への対応やサステナビリティへの取り組み、環境変化に対応した経営などについての議論に着手しております。

*CSO:企画統括責任者、CFO:財務統括責任者、CRO:リスク管理統括責任者、CIO:ITシステム統括責任者、

CCO:コンプライアンス統括責任者

 

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(2)リスク管理

 当社グループは、業務に伴って発生するリスクを、定量的管理を行うフィナンシャルリスクと、定性的管理を行うオペレーショナルリスクに分け、各々のリスク管理体制を定めるとともに、リスク管理委員会を設置し、フィナンシャルリスク、オペレーショナルリスクを一元的に管理する総合的なリスク管理体制を構築しております。フィナンシャルリスクについては、信用リスク・市場リスク・価格変動リスクに区分したうえで、カテゴリごとにリスクキャピタルを配賦する管理の枠組みをもとに、リスクの所在と大きさをモニタリングしております。また、オペレーショナルリスクについては、事務リスク・システムリスク・法務リスク等のリスク事象の発生、対応、予防の状況等をモニタリングしております。

 当社グループは、サステナビリティに関するリスクをオペレーショナルリスクと捉え、リスク管理委員会および総合的なリスク管理体制のもとで、既往のリスク管理プロセスへの反映を開始しております。今後、関係機関の分析手法や研究成果を踏まえ、高度化を検討してまいります。

 

(3)戦略

 当社グループは、事業に与える影響の大きさという観点から、「気候変動対応」、「人的資本」および「人権」を特に重要と捉えており、以下にその取り組み内容を記載いたします。

 

①気候変動対応

 当社グループにおける移行シナリオ、物理シナリオ双方におけるリスク・機会を評価したうえで、それらリスク・機会との関連が強い電力セクターと不動産セクターを対象に、定性的なシナリオ分析を行い、より具体的な影響の評価や対応策を策定しました。

 

<電力セクター>

 

2℃/1.5℃シナリオ

4℃シナリオ

リスク

2030年以降、炭素税導入・炭素排出規制強化・エネルギーミックスの変化等を通した化石燃料の削減が想定されるため、電力会社の収益性への影響が想定されるが、当社の場合、与信コストへの影響は限定的

なお、当社は火力石炭発電等に関する事業運営は行っていない

将来的に洪水被害が頻発するため、発電設備等への損害が想定される。また、原油価格の上昇により発電コストが上昇し、電力会社の収益性に影響が想定されることから、当社与信コストへの間接的影響が想定される。ただし、当社事業への直接的影響は限定的

機会

再生エネルギー事業の成長が見込まれることから、事業参入や投資機会の拡大が期待される

対応

[機会を活用するための施策]

・太陽光のみならず、バイオマス、水力、風力等、様々な再エネビジネスに対し、事業リスクを取って開発

・蓄電池や水素等の新しい電源にもリーチを拡大

・事業運営管理ノウハウの蓄積や新技術の導入により、保有事業の収益の極大化を図る

・補助金等を活用した設備投資

・座礁設備や中古パネル等のリサイクルビジネスの収益化

[リスク低減策]

・当社を取り巻く環境変化に応じたセクターポリシーも踏まえて、個別案件に対する多面的で慎重なリスク判断の実施

 

 1.5~2℃以下シナリオでは、電力会社の収益性への影響が想定されますが、当社に影響するリスクは限定的な一方、機会の面では再生エネルギー事業の成長が見込まれます。4℃シナリオでは、将来的な洪水被害の頻発による発電設備等への損害が想定され、また、電力会社の収益性低下から、当社への負の影響も想定されます。

 

<不動産セクター>

 

2℃/1.5℃シナリオ

4℃シナリオ

リスク

省エネ水準規制の厳正化による設備投資の増加や、ZEB(*1)/ZEH(*2)の義務化によるコスト上昇が想定され、テナントに転嫁できない場合等は長期的にはお客さまの事業への影響による当社与信コストへの影響が想定されるが、リスクは限定的

将来的に洪水被害が頻発するため、当社関連物件が被災した場合には不動産の資産価値の毀損や修繕コスト等が発生することが想定され、お客さまの事業への影響による当社与信コストへの影響が想定される

機会

物件によっては競争力の上昇、また、低炭素への意識の高まりによる高環境性能に対する賃料の増加が想定されるため、ビジネスの拡大が見込まれる

立地条件・防災性能向上等により災害に強い物件の場合は、競争力が向上することが想定され、当社の事業への影響も想定される

対応

[機会を活用するための施策]

・環境を配慮した不動産への投融資を強化する

・アライアンスを活用し、物件開発フェーズまでビジネス領域を広げていくことで環境対応による機会を捉えていく

[リスク低減策]

・より詳細なハザードマップ等の活用によるファイナンス・投資リスク判断

・長期保有案件に関してはより慎重な信用力評価を行う

 

 1.5~2℃以下シナリオでは、物件によっては競争力の上昇等が想定され、環境性能の優位性を確保することによりお客さまの脱炭素社会への移行をサポートするなど、当社グループのビジネスの拡大が期待されます。4℃シナリオでは、将来的に当社グループが関与する物件が洪水等による被害を受けた場合には不動産の資産価値の毀損等が想定され、当社グループへの負の影響も想定されます。

*1 ZEB:Net Zero Energy Building(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)

*2 ZEH:Net Zero Energy House(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)

 

 

 当社グループは、再生可能エネルギーの普及と、新たな社会インフラの再構築による環境負荷の低減を目指した事業の拡大に取り組んでおりますが、シナリオ分析により特定した電力・不動産セクターのリスクと機会を踏まえ、より具体的に気候変動の影響を考慮し、経営計画等への反映を図ってまいります。

 脱炭素に向けたファイナンスを推進し、エンゲージメントを通じて、お客さまが気候変動を含むSDGs/ESGへの対応に関する取り組みを進めることを支援します。また自ら領域を広げていくことで、お客さまのニーズに沿ったソリューションを提供し、環境対応による機会を捉えてまいります。

※気候変動対応に関する詳細は、当社ホームページに掲載している「統合報告書2022」をご参照ください。

 

②人的資本

 当社グループでは、社員一人一人を大切な財産(人財)と捉え、経営理念である「Mission」「Vision」「Value」を実現するため、心理的安全性を高め、当社グループで長く活躍する社員の育成と社員が活き活きと働ける職場環境を創出することが重要な経営戦略の一つと考えています。

 

●人財育成方針

 デジタル社会に移行しつつある現在において、事業環境の変化は非常に早く、不確実性を更に増しています。

このような環境下において当社は、グループ連携を軸とした積極的なビジネス領域の拡大を志向し、想定以上のスピード感をもって成長してきています。

 当社として更なる変革に挑戦するため、更なるビジネス領域の拡大や、取引先企業の潜在ニーズやその多様化を的確にとらえたソリューション提供、そして取引先企業の社会課題の解決に向けたビジネス戦略の推進を目指します。

 戦略実現に向けて、当社の風土を「自発的・自律的にチャレンジするカルチャー」へと変革を図ると共に、下記の人財戦略の取り組みを有機的に結合させながら、今後の事業を支える人財ポートフォリオの実現を目指します。

・多様な価値観、スキルを持つ国内外の人財の採用強化と定着

・社会的課題の解決を志し専門性を備えた人財や次世代経営者候補の育成

・適切な評価・処遇の運用による人財登用

・戦略に基づく適材適所の実現

 

 戦略を実現するに当たって、当社が求める人財像を整理しました。

 

<求める社員像>

・共に挑戦し、共に変革し、共に成長していく人

<求める資質・能力>

・チャレンジ精神旺盛で、自発的かつ主体的に物事に取組むことができる資質と能力

・さまざまなニーズや課題に向き合い、専門性を背景に適切なソリューションを提供し、実現することができる資質と能力

・多様性を尊重し、協調性と柔軟性を持って相手に接することのできる資質と能力

 

●社内環境整備方針

 日本に基盤を持つ企業として、直面する少子高齢化に伴う労働力の減少等に対応していく必要があります。また、当社はアジア地域を中心に海外展開を進めており、国籍や性別、年齢などに囚われることなく、多様な人財や価値観を積極的に取り入れて活かしていくことが重要と考えます。

 また、更なる成長や組織風土の変革に向けて従業員の一人一人が自律的に学び続けていかなければなりません。

 キャリア機会の提供や仕事への誇りが持てる、活躍できる職場環境を創り続けることを通して、社員一人一人が「やりがい」「はたらきがい」「充実感」のある組織を目指します。

 

<目標>

・社員がゆとりや豊かさを実感できるような、快適で安全な働きやすい環境を確保します

・職場で共に働く人々が互いに尊重しあい、差別・ハラスメントのない職場を作ります

 

 具体的には、『採用』『育成』『サクセッションプラン』『ダイバーシティ』『健康経営』『エンゲージメント』『労働時間や勤務場所』『人権』等の観点から、取り組みを進めていくことが重要と考えています。

 

 加えて、当社においてはサステナビリティに関する考え方および取り組みに関し、そのマテリアリティの一つとして「あらゆる人が活躍できる社会・職場づくり」を特定し、「人」を大切にすることを第一に考えた経営にも取り組んでいます。

 

 これらの実現に向けて、社員の育成・能力開発・多様性の尊重等、以下のような取り組みを進めています。

 

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・採用

新卒採用

 各々の個性を重視する選考を基本方針として、「知的好奇心をかき立て、率先して行動できる人財」を採用しています。

 

キャリア採用

 近年、アライアンスパートナーとのビジネス領域の拡大や、他社との競合がますます激化する等、当社グループを取り巻く環境が常に変化する中、ビジネスの量的拡大・多様性を支えるために専門性の高い人財の獲得を強化しています。

 キャリア採用の社員の経験・知見が周囲の社員への刺激となり、当社グループ全体の更なる前進にも大きく貢献しています。

 

・育成(教育研修)

 新人~管理職までの各階層に必要な知識・スキルを客観的にとらえるために、キャリアプランを「見える化」し、社員一人一人が確実に段階を踏んで成長できるよう、ステップに応じた様々な研修プログラムを用意し、人財の育成を図っています。

 キャリア採用者には、入社時の基礎的な内容の研修に加え、会計・税務・法務の他、本部・事務部門の各部署の社員が講師となり、当社グループのビジネスの全体像を早期に理解・把握するための研修を行っています。

 営業担当者向けには、足許のビジネス領域の拡大、営業の高度化にあわせ、全社的な「コーポレート営業スキル」の向上を目的として、営業統括部門と連携して、各部署の社員講師による実践的な研修を行っています。

 

・サクセッションプラン

 「コーポレートガバナンス・コードの重視」「計画性を持った経営層の育成」「透明性のある役員選出」の観点から、後継者育成計画(サクセッションプラン)を進めています。次世代経営者候補を「見える化」し、計画的に時間をかけて丁寧に育成するべくプログラムを作成し、対象者をマネージャー層にまで拡大して、より中長期的な育成を図っています。

 

・ダイバーシティ(多様性の尊重)

女性の活躍推進

 2016年度に採用数の女性割合を40%以上に設定して以来、毎年の新卒採用者の40%超を女性が占めています。また、女性管理職比率を2025年度に15%とする目標を設定しており、2023年3月末時点では7.9%を占めるまでに至っています。

 女性社員の活躍と女性管理職の増加を積極的に推進していくことを目的に、事業年度毎にテーマを決めた取り組みを継続的に実施しており、ワークショップや女性管理職との座談会の開催、女性社員の自律的なキャリアメークを企図したキャリアポータルサイトの立ち上げ等を行っています。

 

 また、ライフイベントの両立に関しても、育児休業取得に関する相談窓口を設けたり、出産・育児に関する制度案内を配布するなど、女性社員・男性社員を問わず、仕事と育児の両面に向けたサポートを行っています。これらの取り組みにより、次世代を担う子供の育成支援に積極的に取り組む企業として、2020年12月に「プラチナくるみん」の認定を受けています。

 

シニア社員活躍推進

 経験を積んだ社員が豊富な知識や知見を最大限発揮できるよう、2019年度から65歳定年制を取り入れています。

 併せて、シニア社員向けにライフデザイン研修を実施し、自己のキャリアを見直すことで自己革新を促すとともに、将来を見据えた包括的なライフプラン設計のサポートを行っています。

 

障がい者雇用

 障がい者雇用にも積極的に取り組んでいます。一般社団法人日本パラ陸上競技連盟とオフィシャルパートナー契約を締結し、障がい者スポーツの支援を行っており、障がい者への偏見・差別意識の排除、多様性の理解にも努めています。

 

・健康経営への取組み

 当社は「健康経営優良法人2023(大規模法人部門)」に認定されました。

 健康経営宣言を制定し、「健康管理」「生活習慣」等をテーマとしたセミナーの開催や、健康増進アプリの導入による効果的で持続的な健康の自己管理を呼びかけ、睡眠状態を分析する「睡眠センサー」の無料貸与などを実施しています。

 快適で安全な働きやすい環境の確保のためには心の健康が重要であるとの認識のもと、年に1度、ストレスチェックを行っています。

 

・エンゲージメントの強化

 社員の意識や心理状態をタイムリーに捉え、職場環境をより良いものに改善していくことを目的に、3か月毎にエンゲージメントサーベイを実施しています。その結果を踏まえ、社員自らが自分事としてエンゲージメントを考え、より向上させるための施策の実施に繋げています。

 

・労働時間と勤務場所の自由度の向上

 テレワークの推進、有給休暇制度の充実等によりワークライフバランスの取れた柔軟な働き方を認めるとともに、オフィス環境のABW化(Activity Based Working)を進め、社員がその時々の仕事の内容に応じ、最も効率的に仕事ができる場所の選択が可能なワークスタイルの確立を進めています。

 

・人権 、個人の尊重

 社員一人一人の人格や個性を尊重し、一切のハラスメント行為を断じて許さず、働き甲斐のある職場環境の維持に努め、ホットラインや各種相談窓口を設け、問題行為には迅速に対応しています。

 

<実績指標>

 

 

2020年度

2021年度

2022年度

新卒採用人数

30人

37人

24人

キャリア採用人数

24人

22人

18人

 

 

2020年度

2021年度

2022年度

女性社員数

269人

295人

316人

女性社員比率

36.4%

37.6%

38.8%

新卒女性採用比率

53.3%

59.5%

58.3%

女性管理職比率

5.7%

7.3%

7.9%

 

 

 

 

2020年度

2021年度

2022年度

時間外労働および休日労働時間(月平均)

30時間13分

30時間43分

31時間14分

有給休暇取得率

60.7%

68.2%

65.0%

 

 

2020年度

2021年度

2022年度

男性育児休業取得率*

42.9%

100.0%

50.0%

女性育児休業取得率

100.0%

100.0%

100.0%

*当社定義:該当年に子が1歳の誕生日を迎える男性社員の内、該当年の前年から1歳の誕生日

前日までの間に育児休業を開始した男性社員の割合

 

③人権

 当社グループは、社会課題を率先して解決し、持続可能な社会の実現へ貢献していくことを目指しており、自らの経営理念を実現していく上で、人権の尊重が不可欠の前提であると認識しています。「みずほリースグループの企業行動規範」を制定し、役員および社員の具体的な行動指針を示すとともに、人権に対する当社グループの責任と決意を対外的に示すべく「人権ポリシー」を策定しております。

 また、当社グループの事業、サプライチェーンおよびその他のビジネス上の関係における、実際のおよび潜在的な負の影響を特定し、防止し、軽減すると共に、これら負の影響へどのように対処するかについて責任を果たすべき一連のプロセスである人権デュー・デリジェンスを実施し、継続的に人権に関する活動を推進していきます。

 

(4)指標及び目標

 脱炭素社会や循環型経済など、喫緊の社会的課題の解決に向けた貢献と、人的資本を中心とした経営基盤の強化に向け、3つのカテゴリで目標を設定しております。

 

<脱炭素社会実現>

再生可能エネルギー発電設備容量確保

1GW(2025年度)

 

SCOPE1,2 CO2排出量削減*

排出量ゼロ(2030年度)

次ページ参照

*単体+国内連結子会社7社

 

<循環型経済実現>

ケミカル・マテリアル資源循環率

85%以上(2027年度)

 

<土台としての人的資本経営>

専門人財の拡充

+80名超(2025年度)

人財育成のための資本投下

3倍以上(2025年度/2022年度比)

デジタルIT人財の育成

200名以上(2025年度)

有給休暇取得率

80%以上(2025年度)

女性管理職比率

15%(2025年度)

男性の育児休業取得率*

100%(毎年)

*当社定義:該当年に子が1歳の誕生日を迎える男性社員の内、該当年の前年から1歳の誕生日

前日までの間に育児休業を開始した男性社員の割合

 

 

 2022年度は主要ビル使用電力の再生エネルギー化により、大きく排出量を削減しました。

今後も引き続き排出量削減の取り組みを重ねてまいります。

 

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3【事業等のリスク】

当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況など、投資者の判断に重要な影響を与える可能性があると認識している事業等に関する主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、当社グループは、これら個々のリスクに対する施策を講じるとともに、リスクが顕在化した際には適切な対応が迅速に行えるように、リスク管理体制の整備・強化を図っております。

また、本項に含まれている将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1) 経営環境に関するリスク

当社グループは、お客さまの事業活動に対して、リース取引を基盤とした事業展開を行っております。

地域間の紛争等を背景にしたエネルギー価格・資源価格の高騰、世界的な供給網の混乱による製造業の生産活動の停滞、国際金融市場における金利や為替の急激な変動により、お客さまの事業活動に支障をきたし、設備投資が大幅に減少した場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(2) 信用リスク

当社グループの主たる事業活動であるリース取引等は、比較的長期間(平均5年程度)に亘り、お客さまに賃貸という形で信用を供与する取引で、お客さまからリース料等を全額回収して当初の期待収益が確保されますが、経済状況の低迷により、お客さまの業況が悪化し、当初想定したリース料等の回収ができなくなるリスクがあります。

 

このような事態に対応するため、当社グループは、取引開始時に厳格な与信チェック、リース物件の将来中古価値の見極め等により契約取組の可否の判断を行うとともに、取引開始後は、お客さまの信用状況につき定例的にモニタリングを行い、必要に応じ債権保全等の措置を講じております。

また、お客さまの信用状況が悪化しリース料等の不払いが生じた場合には、リース物件の売却または他のお客さまへの転用等により可能な限り回収の促進を図っております。

しかしながら、経済環境の急激な変化、お客さまの信用状況の悪化等により、想定以上の信用コストが発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 流動性リスク(資金調達)

当社グループは、事業に必要な資金を賄うため、銀行借入のほか、社債やコマーシャル・ペーパーの発行等によって資金調達を行っております。金融市場の急激な変動や当社グループの財務状況の悪化によって調達が困難となった場合、資金調達の制約が当社の事業活動に影響を及ぼす可能性があります。

このような流動性リスクに対応するため、資金調達手段の多様化、市場環境を考慮した調達構造や手元流動性

の調整を行っております。

 

(4) 金利変動リスク

当社グループは、事業に必要な資金を賄うため、銀行借入のほか、社債やコマーシャル・ペーパーの発行等によって資金調達を行っております。

当社グループの収入であるリースや有価証券投資の金利条件(水準・期間・固定または変動の別など)と、当社グループの支払である資金調達の金利条件が異なることにより、金利の変動が金利収支に影響を与える可能性があります。

このような金利変動に対応するため、資産の金利条件に合わせた資金調達を実行するほか、デリバティブ取引を利用したヘッジを行っております。

具体的には、ALM(資産負債の統合管理)の手法によるマッチング比率(固定・変動金利の資産に対して固定・変動金利の負債・デリバティブを割り当てることにより、資産のうち金利リスクを負っていない部分の割合)をコントロールすることにより金利変動リスクの管理を行っております。

 

(5) アセットリスク

当社グループは、不動産賃貸や不動産への投融資事業、航空機リース事業等を展開しております。取組みにあたっては、取引先の信用力や将来収支、資産価値を慎重に見極めておりますが、取引先の業績が悪化した場合や物件の資産価値が著しく減少した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

このような資産価値の下落に対する対応として、取引先の信用状況や資産価値の動向、将来収支の見込みに関して社内における管理体制を整備し、機動的な対応を実施し、当社グループへの影響を最小限にとどめる為の運営を行っております。

 

(6) 事業活動に関して生じるリスク

事業活動に関して生じるリスクとして、事務の不適切な対応、システムの障害・誤作動によるシステムリスク、情報の紛失、漏洩、持ち出し等による情報セキュリティに関するリスク、法令や社会規範が順守されなかった場合に社会的信用の喪失に繋がるコンプライアンスリスク、事業活動に伴い当社グループに対して訴訟が提起されるリスク等があります。これらのリスクが顕在化した場合、収益機会の逸失や損害賠償への対応が生じ、結果として当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

このような事態に対応するため、当社は、各種事案への対応を全社横断的かつ機動的に実施するよう、リスク管理体制を整備し、当社グループへの影響を最小限にとどめるよう、リスクのコントロールを行っております。

 

(7) 災害等によるリスク

地震、風水害等の予測不能な事象が発生することにより、想定外の経済的損失を被った場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

このような事態への対応として、事業継続計画を策定し、事業活動の継続体制を整備し、当社グループへの影響を最小限にとどめる為の対策を講じております。

 

 

(8) サイバーセキュリティリスク

当社グループは、様々な情報システムを利用し、事業活動に関する管理を行うほか、電子メール等の外部への接続手段を利用しており、これらの情報システムについては、コンピュータウイルスの侵入、外部からの不正アクセス等、サイバー攻撃を受けるリスクがあります。その結果、システムの停止や障害、情報の漏洩、不正使用等が発生した場合、損害賠償への対応、信用の失墜、営業活動の停滞による経済的損失により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

このような事態への対応として、サイバーセキュリティに対する人的・技術的な管理・教育、各種訓練等を実施するほか、サイバーセキュリティに関するアセスメントを実施し、脆弱性の検出および対応等の対策を講じております。

 

(9) 気候変動に関するリスク

当社グループでは、気候変動に関するシナリオ分析の実施と情報開示を開始するなど、気候変動への対応を進めております。台風・豪雨等の異常気象や、法規制の強化等により,それらの対応のための技術革新やビジネスモデルの転換に対応できない場合、お客さまの事業活動や当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(10) 新型コロナウイルス感染症の影響に関するリスク

新型コロナウイルス感染症が与える影響については、感染症法上の5類指定等の政府方針の変更による感染再拡大等の懸念は残るものの、政府・自治体による防疫体制の拡充や医療体制の整備により、影響は収束していくものと認識しております。今後の感染状況等によっては、景気悪化に伴うお客さまの業況の悪化による信用コストの増加、資金調達コストの増加等が当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(リスク管理体制)

上記に係る各リスクの発生の可能性、程度、時期、ならびに当社グループの経営成績および財務状況等に与える影響を正確に見積ることは困難ではありますが、経済環境の変化に伴う与信状況の悪化や、金利の変動が当社グループに与える影響については、一定の統計的手法により想定される最大損失額を算出しております。

当社グループは、事業活動にかかわるリスクを的確に把握・分析・制御し、経営への影響を低減していくため、全社的な視点でリスクマネジメントを統括・推進する「リスク管理統括責任者(CRO)」を置くとともに、各リスクの所管部門を設定し、リスク事象に対し迅速かつ機動的に対応する体制を整備しております。

各リスクの所管部門は、事業に関連するリスクの把握、制御を適時に実施するとともに、実効性を検証し、四半期ごとに開催する「リスク管理委員会」において、リスク低減に関する諸施策の遂行状況や施策の浸透状況、有効性に関する検証を行い、その結果を取締役会に報告しております。

(「第4 提出会社の状況 4.コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要 」にリスク管理体制を含めた取締役会決議の概要およびその運用状況について記載しております。)

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

①  財政状態および経営成績の状況

2022年度の経済情勢を顧みますと、世界経済はウィズコロナへの転換と社会経済活動の正常化が進む一方、ウクライナ情勢の長期化に加え、世界的なインフレによる金融引き締めなど、先行きは不透明な状況となっております。日本経済においても、設備投資の伸び悩みや半導体不足等から製造業の生産活動が弱含んでいるものの、行動制限の緩和等に伴い、サービス業等を中心に緩やかな回復基調にありました。一方、欧米の金融引き締めに伴う海外経済の減速、国内の物価高や労働需給のひっ迫、金融政策の動向等、先行きに留意が必要な状況が続くと認識しております。

リース業界におきましては、経済活動の回復を背景に設備投資が持ち直しつつあり、リース取扱高は前年度並みの実績となりました。

こうした環境の下、当社グループは、2019年度より2023年度までの5年間を計画期間とする第6次中期経営計画において、お客さまと共同での事業推進と社会構造・産業構造の変化を捉えた注力分野(環境・エネルギー、医療・ヘルスケア、不動産、グローバル、航空機、テクノロジー)に取り組むとともに、みずほグループや丸紅グループ等のアライアンスパートナーとの連携、協業による事業基盤の拡充と新たな事業領域への挑戦を行いました。

また、当社グループの更なる成長とステークホルダーの皆さまに提供する価値の向上を目指し、最終年度の連結数値目標として「親会社株主に帰属する当期純利益 300億円」、「グローバル分野の残高 2019年3月末比 3倍」および「配当性向25%以上を目指す」を掲げております。

このような中、2022年度は、コロナ禍から社会経済活動が正常化へ向かう中、お客さまの事業戦略や財務戦略上のニーズを捉えたソリューションの提供に注力し、注力分野への取り組みを着実に遂行してまいりました。

 

その結果、契約実行高は前期(2022年3月期)比7.3%増加して1,470,485百万円となりました。

損益状況につきましては、売上高は、前年度に不動産案件の満了に伴う物件の売却が重なったことから、前期比25,108百万円(4.5%)減少して529,700百万円となり、売上原価についても同31,941百万円(6.4%)減少して468,333百万円となりました。売上総利益は、みずほフィナンシャルグループとの協業をはじめとした第6次中期経営計画で掲げる戦略の推進から、収益性の高いファイナンスや不動産分野での資産積み上げにより、同6,832百万円(12.5%)増加して61,366百万円となりました。販売費及び一般管理費は、信用コストが低位に推移したことなどから、同7,030百万円(19.2%)減少して29,610百万円となりました。営業利益は、同13,862百万円(77.5%)増加して31,756百万円となりました。経常利益は、持分法投資損益の大幅な増加により、同20,046百万円(99.9%)増加して40,110百万円となりました。特別損益は、負ののれん発生益等により特別利益が298百万円となった一方、特別損失にて投資有価証券売却損等により371百万円となったことから、総額で73百万円の損失となりました。

以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、同13,495百万円(90.6%)増加して28,398百万円となりました。

財政状態につきましては、以下のとおりであります。

契約実行高は、リース・割賦セグメントでは、新型コロナウイルス感染拡大の影響から総じて減少し、前期(2022年3月期)に比べ、8.8%減少して489,128百万円となりました。一方、ファイナンスセグメントでは、注力する不動産や航空機分野等における大口案件の積み上げもあり、同17.7%増加して981,356百万円となりました。この結果、契約実行高全体では、同7.3%増加の1,470,485百万円となりました。営業資産残高は、みずほとの連携を中心に主に不動産や環境分野において、お客さまへの経営課題解決に資する提案での成果があがったことで残高を積み上げ、前期(2022年3月期)末比163,578百万円増加して2,580,137百万円となり、資産合計額は同205,823百万円増加して2,954,634百万円となりました。

また、負債合計額は前期末比160,792百万円増加して2,678,800百万円となり、このうち有利子負債は営業資産の増加に伴い、同162,311百万円増加して2,537,555百万円となりました。

純資産は期間利益の蓄積により引き続き増加し、275,834百万円となりました。

 

 

② セグメントごとの経営成績

セグメントの業績は次のとおりであります。(売上高は外部顧客への売上高を記載しております。)

〔リース・割賦〕

リース・割賦の売上高は、前期(2022年3月期)に比べ不動産案件の満了に伴う物件の売却が減少したことから、前期比6.1%減少して505,000百万円となり、営業利益は同9.8%減少して21,409百万円となりました。

当期(2023年3月期)末の営業資産残高は、不動産や航空機案件の積み上げ等により、前期末比1,574百万円増加し1,595,808百万円となりました。

〔ファイナンス〕

ファイナンスの売上高は、資産積み上げにより前期比44.3%増加して23,563百万円となり、営業利益は16,244百万円となりました。

当期末の営業資産残高は、注力する不動産や航空機分野における大口案件の積み上げにより、前期末比162,003百万円増加し984,328百万円となりました。

〔その他〕

その他の売上高は、前期比34.7%増加して1,135百万円となり、営業利益は同44.0%増加して388百万円となりました。

 

③  キャッシュ・フローの状況

当期(2023年3月期)のキャッシュ・フローの状況につきましては、営業資産残高の増加やプロジェクトボンドへの出資等の事業活動に伴う支出に対し、資金の流動性を確保しつつ、金融機関からの借入や市場での資金調達を行いました。その結果、当期(2023年3月期)末における現金及び現金同等物の残高は、前期(2022年3月期)末比8,951百万円増加し、33,453百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

営業活動によるキャッシュ・フローは、ファイナンス中心に営業資産が増加したことにより、117,816百万円の支出となりました。

投資活動によるキャッシュ・フローは、再生可能エネルギープロジェクトへの出資等により、17,111百万円の支出となりました。

財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払による5,880百万円の支出に対し、間接調達で99,863百万円の収入、コマーシャル・ペーパーおよび社債等による直接調達で49,345百万円の収入となり、財務活動全体では143,518百万円の収入となりました。

 

(2)特定金融会社等の開示に関する内閣府令に基づく貸付金(営業貸付金およびその他の営業貸付債権)の状況

「特定金融会社等の開示に関する内閣府令」(平成11年5月19日 大蔵省令第57号)に基づく、提出会社における貸付金の状況は次のとおりであります。

① 貸付金の種別残高内訳

2023年3月31日現在

 

貸付種別

件数(件)

構成割合(%)

残高(百万円)

構成割合(%)

平均約定金利

(%)

消費者向

 

 

 

 

 

無担保(住宅向を除く)

有担保(住宅向を除く)

住宅向

事業者向

 

 

 

 

 

1,372

100.00

642,616

100.00

2.54

合計

1,372

100.00

642,616

100.00

2.54

 

 

② 資金調達内訳

2023年3月31日現在

 

借入先等

残高(百万円)

平均調達金利(%)

金融機関等からの借入

1,243,933

0.78

その他

998,051

0.16

 

社債・CP

872,243

0.16

合計

2,241,984

0.51

自己資本

146,512

 

資本金・出資額

26,088

 

③ 業種別貸付金残高内訳

2023年3月31日現在

 

業種別

先数(件)

構成割合(%)

残高(百万円)

構成割合(%)

製造業

87

15.45

27,880

4.34

建設業

5

0.89

44

0.01

電気・ガス・熱供給・水道業

10

1.78

23,458

3.65

運輸・通信業

62

11.01

154,512

24.04

卸売・小売業、飲食店

80

14.21

8,963

1.39

金融・保険業

13

2.31

86,864

13.52

不動産業

93

16.52

272,072

42.34

サービス業

188

33.39

45,893

7.14

個人

その他

25

4.44

22,925

3.57

合計

563

100.00

642,616

100.00

 

④ 担保別貸付金残高内訳

2023年3月31日現在

 

受入担保の種類

残高(百万円)

構成割合(%)

有価証券

 

うち株式

債権

98

0.01

 

うち預金

商品

0

0.00

不動産

1,925

0.30

財団

その他

174,711

27.19

176,736

27.50

保証

17,809

2.77

無担保

448,069

69.73

合計

642,616

100.00

 

⑤ 期間別貸付金残高内訳

2023年3月31日現在

 

期間別

件数(件)

構成割合(%)

残高(百万円)

構成割合(%)

1年以下

152

11.08

23,931

3.72

1年超 5年以下

711

51.82

403,381

62.77

5年超 10年以下

386

28.13

166,075

25.84

10年超 15年以下

53

3.86

34,311

5.34

15年超 20年以下

65

4.74

13,274

2.07

20年超 25年以下

5

0.37

1,641

0.26

25年超

合計

1,372

100.00

642,616

100.00

1件当たり平均期間

5.80年

(注)期間は、約定期間によっております。

 

 

(3) 営業取引の状況

①  契約実行高

当連結会計年度における契約実行高の実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

契約実行高(百万円)

前年度比増減率(%)

リース・割賦

情報・事務用機器

117,826

△26.3

産業・土木・建設機械

80,597

△4.2

その他

69,377

△30.2

ファイナンス・リース計

267,801

△22.0

オペレーティング・リース

186,646

16.9

リース計

454,448

△9.7

割賦

34,680

4.4

 

 

489,128

△8.8

ファイナンス

981,356

17.7

その他

合計

1,470,485

7.3

(注)リースについては、当連結会計年度に取得した賃貸用資産の取得金額、割賦については、割賦債権から割賦未実現利益を控除した額を表示しております。

 

②  営業資産残高

連結会計年度における営業資産残高をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

前連結会計年度

当連結会計年度

期末残高

(百万円)

構成比(%)

期末残高

(百万円)

構成比(%)

リース・割賦

情報・事務用機器

347,190

14.4

309,829

12.0

産業・土木・建設機械

389,998

16.1

373,016

14.5

その他

435,455

18.0

439,365

17.0

ファイナンス・リース計

1,172,643

48.5

1,122,211

43.5

オペレーティング・リース

314,988

13.1

378,300

14.6

リース計

1,487,631

61.6

1,500,511

58.1

割賦

106,601

4.4

95,296

3.7

 

 

1,594,233

66.0

1,595,808

61.8

ファイナンス

822,324

34.0

984,328

38.2

その他

合計

2,416,558

100.0

2,580,137

100.0

(注)割賦については、割賦債権から割賦未実現利益を控除した額を表示しております。

 

 

③  営業実績

連結会計年度における営業実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

(a)前連結会計年度

セグメントの名称

売上高

(百万円)

売上原価

(百万円)

差引利益

(百万円)

資金原価

(百万円)

売上総利益

(百万円)

リース・割賦

ファイナンス・リース

347,859

オペレーティング・リース

183,602

リース計

531,461

489,402

42,059

4,756

37,302

割賦

6,178

2,805

3,372

373

2,998

 

 

537,639

492,207

45,432

5,130

40,301

ファイナンス

16,326

253

16,072

2,450

13,621

その他

843

231

611

611

合計

554,809

492,693

62,115

7,581

54,534

 

(b)当連結会計年度

セグメントの名称

売上高

(百万円)

売上原価

(百万円)

差引利益

(百万円)

資金原価

(百万円)

売上総利益

(百万円)

リース・割賦

ファイナンス・リース

332,370

オペレーティング・リース

166,479

リース計

498,849

454,281

44,568

6,590

37,977

割賦

6,151

2,464

3,686

439

3,246

 

 

505,000

456,746

48,254

7,030

41,224

ファイナンス

23,563

240

23,323

3,902

19,420

その他

1,135

413

721

721

合計

529,700

457,400

72,299

10,932

61,366

(注)セグメント間取引については相殺消去しております。

 

(4) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

①  経営成績および財政状態

当社グループは、2019年度より2023年度までの5年間を計画期間とする第6次中期経営計画において、お客さまと共同での事業推進と社会構造・産業構造の変化を捉えた注力分野(環境・エネルギー、医療・ヘルスケア、不動産、グローバル、航空機、テクノロジー)に取り組むとともに、みずほグループや丸紅グループ等のアライアンスパートナーとの連携、協業による事業基盤の拡充と新たな事業領域への挑戦を行いました。

 

2022年度の注力分野における具体的な取り組みにつきましては、次のとおりであります。

〔環境・エネルギー〕再生可能エネルギー領域への取り組みを強化し、非FIT太陽光発電設備由来の電力供給、自己託送やコーポレートPPA等を活用した太陽光発電ビジネスの推進、英国陸上風力発電所プロジェクトへの投資等、設備のリースに留まらず事業そのものへの取り組みを推進しました。また、商用電気自動車とエネルギーマネジメントシステムの普及に取り組む企業への出資に併せ、電気自動車の利便性向上と車載用蓄電池を活用した新たなソリューション開発を行うなど、再生可能エネルギーの拡大に貢献し、お客さまの脱炭素、サステナビリティの取り組みを支援しております。

 

〔不動産〕子会社であるエムエル・エステート㈱を通じてリート等のお客さまのニーズに合った期間で不動産を一時的に保有するビジネスに引き続き取り組んだほか、日本を代表するビジネスエリアに立地し、最高水準の環境性能を備える大手町プレイスを取得するファンドへの出資を行いました。また、持分法適用会社とした日鉄興和不動産㈱との連携を一段と深化させ、CRE提案力の強化、商品ラインナップの拡充を図るなど、新しいビジネスへの挑戦にも取り組みました。

〔グローバル〕アライアンスパートナーとの協業を推進し、関係当局からの許認可等を前提としてインドのエクイップメント(機器設備)リース会社のRent Alpha Pvt.Ltd.の51%の株式を取得することに合意するなど、ビジネスフィールドの拡大に取り組みました。

〔航空機〕コロナ禍、ウクライナ情勢の緊迫化等により、厳しい経営環境にありましたが、世界的な航空需要の回復と航空機オペレーティングリースの中長期的な回復を見据え、アライアンスパートナーとの協業強化を通じた案件組成への取り組みを進めました。

 

アライアンスパートナーとの連携、協業につきましては、みずほグループ各社と当社グループとの連携を一段と深化させ、双方の機能を掛け合わせることにより、様々なソリューションをお客さまに提供してまいりました。みずほグループ各社と当社が連携して取り組んだ、国内最大規模となる「自己託送方式による低圧・分散型太陽光発電設備を通じた再生可能エネルギー調達」は、国内初の取り組みとなります。

また、丸紅グループとの海外ビジネスでの連携や㈱リコーおよびリコーリース㈱との業務提携では、既存事業の強化および新たな事業機会の創出に向けた取り組みを推進いたしました。

さらに、新たな事業領域への挑戦として、TREホールディングス㈱と「高度循環型社会」・「脱炭素社会」の実現に向け、サーキュラーエコノミーに向けた事業スキーム構築に係る基本合意を行いました。また、コーポレートベンチャーキャピタル事業へ参画すべく、未来創造キャピタル㈱を設立し、持分法適用会社としたみずほキャピタル㈱との協業を通じて、スタートアップ企業への投資やビジネスにおける連携を推進しております。

 

② 資本の財源および資金の流動性

当社グループは、お客さまのニーズに対応して幅広い金融サービスを提供するため、資金調達については安定性の確保とコストの抑制を図るよう努めております。また、各年度の資金計画と金融環境の変化に即したALM(資産負債の統合管理)運営方針のもと機動的な資金調達を行っております。

当社グループの資金調達につきましては、金融機関からの借入による間接調達と市場からの直接調達による長期および短期の資金により構成されております。当期(2023年3月期)末において、間接調達は前期(2022年3月期)末比112,420百万円増加し1,415,103百万円となりました。直接調達はコマーシャル・ペーパーおよび社債の発行などにより、同49,890百万円増加し1,122,451百万円となりました。

また、運転資金の流動性や調達の機動性を確保するため、当期末において取引金融機関50社と総額931,961百万円の当座貸越契約およびコミットメントライン契約を締結しております。これらの契約による借入未実行残高は518,320百万円であり、資金の流動性は十分に確保しております。

 

キャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

③ 重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定

(a)貸倒引当金の計上

当社グループの貸倒引当金は、予め定めた償却・引当基準に則り、次のとおり計上しております。

破産、特別清算等法的に経営破綻の事実が発生している債務者に係る債権およびそれと同等の状況にある債務者に係る債権については、債権額から、担保の処分可能見込額および保証による回収可能見込額を控除し、その残額を直接減額しております。

また、現在は経営破綻の状況にないものの、今後経営破綻に陥る可能性が高いと認められる債務者に係る債権については、債権額から、担保の処分可能見込額および保証による回収可能見込額を控除し、その残額のうち、将来の予想損失額を算定し、計上しております。

上記以外の債権については、過去の一定期間における貸倒実績から算出した貸倒実績率等に基づき計上しております。

 

すべての債権は、資産の自己査定基準に基づき、営業関連部署が自己査定を実施し、当該部署から独立した部署が査定結果を確認しております。

当社グループは、債権の評価にあたって用いた会計上の見積りは合理的であり、貸倒引当金は十分な額を計上しており、債権額から貸倒引当金を控除した額は回収可能な額として計上していると判断しております。

ただし、債権の評価には経営者が管理不能な不確実性が含まれております。

このため予測不能な前提条件の変化等により債権の評価が変動する可能性があり、この場合には、将来、当社グループが貸倒引当金を増額または減額する可能性があります。

新型コロナウイルス感染症が与える影響については、感染症法上の5類指定等の政府方針の変更による感染再拡大等の懸念は残るものの、政府・自治体による防疫体制の拡充や医療体制の整備により、影響は収束していくものと認識しております。

今後の感染状況等によっては、景気悪化に伴うお客さまの業況の悪化による信用コストの増加、資金調達コストの増加等が当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(5) 客観的な指標等の進捗状況・分析等

第6次中期経営計画(2019年度~2023年度)では、当社グループの更なる成長とステークホルダーに提供する価値の向上を実現するため、計画最終年度(2023年度)の経営目標数値(連結)を以下のとおり設定しております。

 

指標

2021年度

(実績)

2022年度

(実績)

最終年度(2023年度)の数値目標

親会社株主に帰属する当期純利益

149.02億円

283.98億円

300億円

グローバル分野の年度末残高

3,229億円

(2.3倍)

3,770億円

(2.7倍)

2019年3月末比 3倍

配当性向

35.7%

25.1%

25%以上を目指す

(注)グローバル分野の年度末残高は、グループ会社が保有する営業資産を含む。

 

2022年度は、親会社株主に帰属する当期純利益については、業績予想値260億円に対して283.98億円の実績となりました。グローバル分野の残高については、クロスボーダーローン案件の実行や為替の影響などにより、前期(2022年3月期)末比541億円増加し3,770億円となりました。また、2022年度の1株当たり年間配当額は147円00銭と21期連続での増配となり、配当性向は25.1%となりました。

 

5【経営上の重要な契約等】

当社は、2022年12月22日開催の取締役会において、関係当局からの許認可等を前提としてインドのエクイップメント(機器設備)リース会社の Rent Alpha Pvt.Ltd.の51%の株式を、現在の株主から取得することを決議し、2023年1月18日付で本決議に係る契約を締結いたしました。

 

6【研究開発活動】

該当事項はありません。