第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

当期におけるわが国経済は、政府の経済政策や日銀の金融緩和施策を背景に、企業収益や雇用・所得環境は緩やかな回復基調が続きました。その一方で、中国をはじめとする新興国経済の下振れリスクや、個人消費に足踏み状態が続くなど、全体としては不透明な状態が続きました。

当社グループを取り巻く事業環境は、人材関連業界におきましては、景気回復に伴い、企業の採用意欲は依然として旺盛で、人材需要が増加していることに加え、労働者派遣法の改正による派遣活用の利便性が高まっております。また、国内における中長期的な労働力不足に対する懸念や、企業のグローバル化の進展に伴い、多様な人材の柔軟な働き方を実現する仕組みの提案や人材の能力開発など、採用にとどまらない多様なサービスが求められております。教育業界におきましては、少子化により国内の18歳人口が2018年から大きく減り始める「2018年問題」が迫り、競合他社との競争は激しくなっており、新たな分野での市場獲得を目指した事業の多角化やM&Aなどの業界再編、業務提携の強化などが進んでおります。介護業界におきましては、高齢化の進展により、介護サービスの需要が拡大しておりますが、異業種企業の介護業界への参入も相次いでおります。また、平成27年4月の介護保険制度の改定における基本報酬単価の引き下げなど、事業を取り巻く環境の急速な変化に対応するため、優秀な人材の確保や、医療・介護の連携などによる新たなサービスの拡充による、さらに質の高い介護サービスの提供が求められております。

このような状況において、当社グループは、戦略的マーケティング活動による既存事業の拡大や新市場・新領域の開拓、業務プロセス管理の徹底により、経営の効率化や収益性の向上に取り組みました。

その主な取り組みとして、人材関連事業は、需要の拡大が見込まれる領域を選定し重点的に営業活動に取り組むとともに、提案営業の強化による既存取引先でのシェア拡大・契約単価の向上に努め、教育事業は、顧客基盤拡大のため、成長分野における事業開発やグローバル市場への事業展開に取り組み、介護事業は、運営体制の強化や社内教育制度の拡充による顧客満足度の向上と、新規事業所の開設を進め、さらに、地域包括ケアシステムの構築に向け医療機関などとの連携を図りました。

以上の結果といたしまして、当期における当社グループの連結業績は、売上高は、前期比10.4%増の69,078百万円となりました。利益面では、営業利益は主に人材関連事業の減益により、前期比8.6%減の1,883百万円、経常利益は前期比5.4%減の2,108百万円、親会社株主に帰属する当期純利益については前期比6.9%減の1,063百万円となりました。

 

セグメント別の業績は次のとおりであります。

なお、当期より、「その他の事業」において、「スポーツエンターテインメント事業」「広告代理事業」を統合し、「アリーナ事業」に名称を変更しております。セグメント名称変更によるセグメント情報に与える影響はありません。

 

(a) 人材関連事業

人材関連事業におきましては、幅広い業種で人材需要が好調に推移いたしました。人材派遣では、営業人員を増強し、きめ細やかなフォローを徹底することで、新規取引先の開拓や、既存取引先でのシェア拡大と契約単価の向上を図るとともに、顧客の潜在的なニーズを引き出す提案営業を積極的に展開し、営業基盤の強化・拡大に努めました。また、重点領域としているコンストラクション分野においては、需要の拡大が見込まれるBIM(Building Information Modeling)人材の育成・輩出を目的としたBIMトレーニングセンターを開設いたしました。

人材紹介事業では、強みを生かした新規案件獲得に取り組み、深刻な人手不足となっている建築技術者分野におけるシェア拡大に注力いたしました。

業務受託では、営業及び運営体制を拡充するとともに、これまで培ってきたノウハウや成功事例を活用することで、提供するサービスの質の向上を図り、また、顧客のニーズに対してグループ連携によるサービス提案に積極的に取り組み、民間企業からの受注が増加いたしました。

この結果、人材関連事業の売上高は前期比8.7%増の38,913百万円となりましたが、営業利益は利益率の高い受託案件が終了したことに加え、長期的な業容の拡大とサービス強化に向けた人件費の増加により、前期比46.6%減の606百万円となりました。

 

(b) 教育事業

社会人教育事業では、ネイル講座や日本語教師養成講座、心理カウンセラー講座など、主要な通学講座で新規契約数が順調に増加したほか、今後の成長が見込まれる語学ビジネスや通訳・翻訳ビジネス、留学ビジネス等のグローバル分野におけるサービスを拡充させました。また、人材不足となっている保育士の確保・定着を目的とした研修プログラムを開発するなど、市場のニーズに対応した新講座の開発に注力いたしました。

全日制教育事業では、総合学園ヒューマンアカデミーの本科部門の在校生数は、少子化の影響により減少いたしましたが、日本語学校においては、アジア各国からの留学生が順調に増加し、平成27年4月に佐賀校を新規開設したこともあり、在校生数は大きく増加いたしました。また、平成28年3月、株式会社として初めて、「総合学園ヒューマンアカデミー東京校チャイルドケアカレッジこども保育専攻」が厚生労働大臣指定保育士養成施設に指定され、卒業することで保育士資格を取得することが可能となりました。

児童教育事業では、ロボット教室・理科実験教室のフランチャイズ加盟教室の開拓を強化し、生徒数は順調に増加いたしました。また、平成27年9月に学童保育としてヒューマンアカデミーアフタースクール大井町教室(東京都)をプレオープンし、低年齢層を対象とした業容の拡大に努めました。

保育事業では、認可保育所として、ヒューマンアカデミー上石原保育園・ヒューマンアカデミー調布多摩川保育園(東京都)、ヒューマンアカデミー印西牧の原保育園(千葉県)及びスターチャイルド中山ナーサリー(神奈川県)の4ヶ所を新規開設いたしました。

この結果、教育事業の売上高は、保育事業を行う株式会社みつばのグループ加入も寄与し、前期比15.2%増の19,858百万円、営業利益は前期比20.7%増の1,117百万円となりました。

 

(c) 介護事業

介護事業におきましては、デイサービスの運営体制強化や社内教育制度の拡充を図るなど、利用者の満足度向上に努めた結果、稼働率は向上いたしました。また、介護保険制度の改定に対応し、政府が推進する地域包括ケアシステムの構築を見据え、これを重点的に取り組むエリアを定め、医療機関などとの連携を強化いたしました。

事業所につきましては、デイサービスセンターとして高幡不動の湯(東京都)、平安の湯(愛知県)を、グループホームと小規模多機能型居宅介護の併設施設として山科グループホーム・山科の宿(京都府)を、それぞれ新規開設いたしました。

この結果、介護事業の売上高は前期に新規開設した有料老人ホーム1ヶ所と、グループホーム6ヶ所の入居が順調に進んだことが寄与し前期比6.4%増の8,827百万円となりましたが、主力のデイサービスにおいて、介護報酬改定による基本報酬単価の引き下げや、事業所の新規開設に伴う人件費等の増加、介護スタッフの雇用条件の見直しなどの待遇改善により、営業損失は73百万円(前期は3百万円の営業利益)となりました。

 

(d) その他の事業

ネイルサロン運営事業におきましては、マネジメント体制を見直し、店舗スタッフの教育制度を拡充することで、接客サービスの向上を図り、既存店舗の活性化に取り組みましたが、不採算店舗の撤退などにより全体としては減収となりました。

アリーナ事業におきましては、新たにプロバスケットボールチーム「大阪エヴェッサ」の本拠地とした府民共済SUPERアリーナの運営を開始したことにより、増収となりました。

この結果、その他の事業の売上高は前期比15.7%増の1,478百万円となりましたが、アリーナ事業において今秋のBリーグ開幕に向け認知度向上のための活動費用を投入したことにより、営業損失は80百万円(前期は46百万円の営業損失)となりました。

 

(2) キャッシュ・フロー

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ408百万円増加し、15,095百万円となりました。

当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況とそれらの増減要因は、以下のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における営業活動による資金の増加は、1,532百万円となりました(前期は4,537百万円の増加)。これは主に、未払消費税等の減少額が900百万円、売上債権の増加額が511百万円あるものの、税金等調整前当期純利益が1,908百万円、減価償却費が631百万円、前受金の増加額が506百万円あったことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における投資活動による資金の減少は、1,040百万円となりました(前期は1,323百万円の減少)。これは主に、基幹情報システム、保育事業の事業所の新規開設、教育事業の校舎の移転拡大等への設備投資等によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における財務活動による資金の減少は、83百万円となりました(前期は1,344百万円の減少)。これは主に、短期借入金の増加が350百万円、長期借入金により1,267百万円を調達したものの、長期借入金の返済が1,427百万円、配当金の支払額が271百万円あったものであります。

 

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)提供能力

当連結会計年度における人材関連事業の派遣労働者の登録者数は、次のとおりであります。

平成27年3月31日現在(人)

増加数(人)

減少数(人)

平成28年3月31日現在(人)

465,915

25,619

3,669

487,865

(注)減少数につきましては、当連結会計年度において、稼働見込みのない登録派遣スタッフの登録を抹消したものであります。

 

前連結会計年度における人材関連事業の派遣労働者の登録者数は、次のとおりであります。

平成26年3月31日現在(人)

増加数(人)

減少数(人)

平成27年3月31日現在(人)

442,282

26,913

3,280

465,915

 

 

教育事業における受講生を収容できる教室数及び収容座席数は、次のとおりであります。

 

平成27年3月31日現在

平成28年3月31日現在

教室数(室)

収容座席数(席)

教室数(室)

前期比(%)

収容座席数(席)

前期比(%)

北海道・東北地区

26

483

26

100.0

485

100.4

関東地区

193

3,598

208

107.8

3,750

104.2

中部地区

42

677

47

111.9

754

111.4

近畿地区

141

2,643

137

97.2

2,601

98.4

中国・四国地区

27

465

31

114.8

531

114.2

九州・沖縄地区

66

1,002

71

107.6

1,123

112.1

合計

495

8,868

520

105.1

9,244

104.2

 

(2) 受注状況

該当事項はありません。

(3)販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

前連結会計年度

(自 平成26年4月1日

至 平成27年3月31日)

当連結会計年度

(自 平成27年4月1日

至 平成28年3月31日)

前期比
(%)

販売高(千円)

構成比(%)

販売高(千円)

構成比(%)

人材関連事業

 

 

 

 

 

人材派遣事業

30,832,703

49.2

34,573,801

50.1

112.1

業務受託事業

3,484,531

5.6

2,691,320

3.9

77.2

人材紹介事業

1,036,878

1.7

1,262,353

1.8

121.7

その他附帯事業

429,699

0.7

386,255

0.6

89.9

小計

35,783,813

57.2

38,913,731

56.4

108.7

教育事業

 

 

 

 

 

社会人教育事業

9,202,573

14.7

9,997,609

14.5

108.6

全日制教育事業

7,350,019

11.7

7,769,911

11.2

105.7

児童教育事業

455,175

0.7

684,817

1.0

150.5

保育事業

228,053

0.4

1,406,540

2.0

616.8

小計

17,235,822

27.5

19,858,879

28.7

115.2

介護事業

8,295,520

13.3

8,827,250

12.8

106.4

その他

1,278,198

2.0

1,478,644

2.1

115.7

合計

62,593,354

100.0

69,078,505

100.0

110.4

(注)記載している金額につきましては、消費税等は含んでおりません。

 

 人材関連事業における派遣スタッフ及び期間スタッフの月平均稼働人数は、次のとおりであります。

 

 前連結会計年度

(自 平成26年4月1日

至 平成27年3月31日)

 当連結会計年度

(自 平成27年4月1日

至 平成28年3月31日)

前期比(%)

月平均稼働スタッフ数

10,608人

11,451人

107.9

 

 教育事業における受講生の月平均人数は、次のとおりであります。

 

 前連結会計年度

(自 平成26年4月1日

至 平成27年3月31日)

 当連結会計年度

(自 平成27年4月1日

至 平成28年3月31日)

前期比(%)

月平均受講生数

15,908人

17,019人

107.0

 

3【対処すべき課題】

今後の経済の見通しにつきましては、政府の経済政策や日銀の金融緩和政策を背景に、企業収益や雇用・所得環境に緩やかな回復基調が続くものと予測されますが、中国をはじめとする新興国経済の下振れリスクや、個人消費に足踏み状態が続くなど、先行き不透明な状況が続くものと思われます。

また、当社グループを取り巻く事業環境においては、人材関連事業については、景気回復による人材不足の顕在化と、長期的な国内の労働力人口の減少見通しから、人材の確保・育成・移動の円滑化への対策が求められています。教育事業については、少子化や教育市場が縮小傾向にあるなかで、教育サービスの質の向上、多様化するニーズに対応する新講座の開発などが急務となっております。介護事業については、介護報酬の縮小を見据えた介護保険外サービスの充実、地域包括ケアシステム構築のための医療機関との連携を強化することで、安定的な収益を確保するための事業体制の構築が求められています。

当社グループにおきましては、持続的な成長を図るため、既存事業の強化や新規事業の開発、新興国を中心とした海外事業の展開に積極的な投資を行い、新たな成長基盤の構築を進めてまいります。

この方針のもと、各事業分野におきまして、下記の重点取り組みを推進してまいります。

 

① 人材関連事業

人材関連事業におきましては、景気回復を背景に企業活動が活発化し、人材需要が旺盛な状況が続いておりますが、これを背景とした人材不足も顕著になっております。人材派遣では、労働者派遣法が改正され、派遣会社に対して派遣労働者の雇用安定措置やキャリアアップ支援が義務化されたため、優秀な人材を囲い込むために他社との差別化が重要となっております。

このような環境のもと、顧客企業及び求職者の「想い」や「働き方」に合わせた最適な労働を支援するため、提供するサービスを顧客の視点で見直し、研修を通じたキャリア形成支援、コンサルティングやカウンセリング、フォローアップの充実など付加価値を高めてまいります。

人材紹介では、引き続き震災復興事業や国土強靭化計画、オリンピック施設の整備など国内建設市場の底堅い推移が見込まれるため、施工管理・設計など建設技術者の転職支援に注力し、事業規模拡大に取り組んでまいります。

業務受託では、企業からの業務委託が増加していることを見据え、これまで培ってきたノウハウや成功事例を活用し、事業の拡大を図ってまいります。

また、国内労働人口の減少によるITエンジニア不足への対応策として、ミャンマー連邦共和国のAce Plus Solutions Ltd.との業務提携を通じて、当社グループが得意とする日本語教育やシステム開発ノウハウを現地に提供することで、日本語に堪能なITエンジニアを育成し、日本企業向けITオフショア開発ビジネスの拡大につなげてまいります。

 

 

② 教育事業

教育事業におきましては、少子化により主要顧客の若年者層が減少するなかで、国内の18歳人口が2018年から大きく減り始める「2018年問題」を控えておりますが、厳しい事業環境でも市場の変化に耐えうる事業ポートフォリオを構築すべく顧客基盤を拡大する新規事業開発に努めてまいります。

社会人教育事業では、受講生の学習効果と利便性を高めるため、主要講座をパソコン、スマートフォン、タブレットなどで受講可能なマルチデバイス化に注力いたします。また、企業のニーズに対応した講座を展開し、付加価値の高い人材を迅速に紹介する人材育成型のビジネスを実施してまいります。さらに、語学関連のように幅広い年齢層にニーズがあり、かつ今後の成長が見込まれる分野における教育コンテンツの拡充にも努めてまいります。

全日制教育事業では、企業との連携をこれまで以上に強化し、業界の第一線で活躍する専門講師により、就職を意識した講座展開を行い、差別化を図ってまいります。また、社会的な問題となっている保育士不足への対応として、チャイルドケアカレッジ(株式会社初の厚生労働大臣指定保育士養成施設)におけるカリキュラムや学習環境の整備を図ってまいります。

児童教育事業では、FC加盟教室の拡大に加えて、ロボットプログラミングコースの新規開発、顧客ターゲット年齢層の拡大に努めてまいります。

保育事業では、依然として待機児童の多い都市部を中心に保育サービスへの需要は高まっているため、引き続き認可保育園を中心に新規開園を図ってまいります。

③ 介護事業

介護事業におきましては、高齢者人口の増加に伴うマーケットの拡大などを背景に、異業種企業が介護分野へ積極的に参入しており、今後、さらに厳しい競合が続くものと思われます。

そのような状況のなかで、デイサービスについては、ケアマネジャーとの関係性を強化することにより、稼働率の向上を図ってまいります。有料老人ホーム、グループホームや小規模多機能型居宅介護などの施設系サービスについては、医療機関との連携を強化することで既存施設の収益性の改善を図るとともに、重点エリアに特化した新規施設の開設、M&Aを視野に入れた事業規模の拡大と効率化に努めてまいります。

さらに、質の高いサービスの提供を維持しつつ、今後の持続的な事業拡大を図るために、優秀な介護スタッフを確保し、グループ内において育成・定着させることが成長の鍵になるものと認識しております。その対応策として、社内カレッジ、社内資格制度を活用するなど、定期的な社内研修の実施と、教育制度のより一層の充実に努めてまいります。

 

④ その他の事業

ネイルサロン運営事業におきましては、ブランドイメージを再構築し、店舗イメージ・ネイルデザイン・商品の統一化を図ります。また、人材育成制度を強化することにより、ネイリストの技術の向上・顧客満足度の向上に努めてまいります。さらに、取扱商品を拡充し、物販ビジネスの強化に努めてまいります。

アリーナ事業におきましては、今秋のBリーグ開幕により注目度が向上することを踏まえ、プロバスケットボールチーム「大阪エヴェッサ」とチーム本拠地である府民共済SUPERアリーナ(大阪市)を魅力あるコンテンツにすることで、地域活性化及び地域密着型チーム運営を強化してまいります。

 

4【事業等のリスク】

当社グループの事業展開に関するリスクについて、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる事項を記載しております。また、必ずしもリスク要因に該当しない事項についても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から開示しております。

当社は、これらのリスクの発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針であります。

なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成28年6月30日)現在において、当社グループが判断したものであります。

 

① 法的規制等について

当社グループの事業の中には、行政、政府機関等の許可または指定を受けているものがあります。また、消費者契約法やその他の一般的な法規制の適用も受けております。

これらについて、当局による法改正がなされた場合、あるいは万一これらの規制に抵触する事態が生じた場合には、当社グループの事業活動が制限される可能性があります。

 

(a)人材派遣について

人材派遣事業におきましては、「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律」(以下、「労働者派遣法」)に基づき、主として一般労働者派遣事業として、厚生労働大臣の許可を受けて行っております。労働者派遣法は、労働者派遣事業の適正な運営を確保するために設けられた欠格事由に該当したり、法令に違反した場合には、事業許可の取消もしくは、業務停止等が命じられることが規定されております。

当社グループは、コンプライアンス室や内部監査室により、関連法規の遵守状況の確認を行うとともに、徹底した社員教育にも努めておりますが、当社グループ各社もしくは役職員による重大な法令違反が発生し、事業許可の取り消しや業務停止が命じられた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(b)人材紹介について

人材紹介事業におきましては、職業安定法に基づき、有料職業紹介事業として、厚生労働大臣の許可を受けて行っております。職業安定法には、職業紹介事業の適正な運営を確保するために設けられた欠格事由に該当したり、当該許可の取消事由に該当した場合には、厚生労働大臣により事業許可の取消が行われ、事業の停止が命じられることが規定されております。

当社グループは、コンプライアンス室や内部監査室により、関連法規の遵守状況の確認を行うとともに、徹底した社員教育にも努めておりますが、当社グループ各社もしくは役職員による重大な法令違反が発生し、事業許可の取り消しや業務停止が命じられた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(c)介護保険法

介護事業におきましては、公的介護保険法内のサービスが中心で、サービス内容、報酬、事業所展開、運営及びその他事業全般に関して、介護保険法及び各関連法令等による法的規制を受けております。

介護保険法は、5年ごとに制度全般の見直しおよび改定が行われ、介護報酬は、3年ごとに改定が行われることとなっております。今後、法令の変更や報酬改定により、サービスの設計や料金体系の見直しが必要となるなど、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(d)規制変更のリスク

当社グループの各事業は、現時点の規制に従って業務を遂行しております。将来における法令等の変更及びその影響は現段階では不明でありますが、規制が新設または強化される場合には、当社グループの事業活動に影響を与える可能性があります。

今後このような規制変更等が行われた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 業績及びキャッシュ・フローの季節変動要因について

教育事業におきましては、原則として受講申込み時に入学金及び受講料の全額を前納していただくこととしております。受領した授業料は、いったん全額を前受金として計上し、受講期間(役務提供期間)にわたって売上に振り替えております。また、入学金は、開講月に一括して売上に計上しております。

主に高校卒業生が入学する全日制教育におきましては、原則4月の入学または進級とし、社会人教育におきましても社会慣習的に4月に開講する講座が多くなっております。このため、教育事業における売上は、上半期が相対的に高く、下半期が低くなる傾向があります。

4月に開講する講座の申込みは、1月から3月に集中するため、営業活動によるキャッシュ・フローは、下半期に相対的に高くなる傾向があります。

従いまして、四半期連結累計期間の業績及びキャッシュ・フローのみからでは、当社グループが十分な利益または資金を得ることができるかどうかの判断資料としては不十分な面があると考えられます。

 

③ 人員の確保について

(a)派遣スタッフの確保について

人材派遣事業におきましては、その事業の性質上、派遣スタッフの確保が非常に重要であります。登録スタッフの募集は、インターネットや新聞、雑誌等の広告によるものをはじめ、教育事業との連携により、専門知識を身に付けた修了生への働きかけを行い、実社会に送り出す育成型派遣にも注力しております。

また、給与や福利厚生面の充実、教育・研修等の実施によるスキル向上のサポートなどにより、派遣スタッフの満足度を高め、安定確保に努めております。

しかしながら、雇用情勢や労働需給の変化により、派遣需要に対して十分なスタッフの確保を行えなかった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(b)講師の確保について

教育事業におきましては、業界直結型の講座を展開しているため、業界の第一線で活躍する人物に講師を依頼することを原則としております。社会的ニーズの高い講座を開発するよう努めておりますが、専門性の高い講座については、講師として教授できる人物の採用が困難な場合があります。このように人材の確保が困難となった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(c)保育士の確保について

保育事業におきましては保育士等の資格保有者の人材確保が非常に重要であります。当社グループでは、年間研修計画に基づく研修の実施やOJTによる人材育成により、保育士の採用・育成・定着を図ってまいりますが、今後保育士の確保が困難となった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(d)介護スタッフの確保について

介護事業におきましては、事業規模を維持・拡大していくため、人材の確保がカギとなっております。

当社グループでは、介護職員初任者研修の資格の取得講座を開講し、介護スタッフを育成するとともに、中途採用を中心とした労働力の確保及び定着率向上のため、社内資格を設置し、教育研修制度を充実させるなどの取り組みを積極的に行っております。

しかしながら、介護スタッフの確保や配置が進まない場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 社会保険料の負担について

当社グループでは、現行の社会保険制度において社会保険加入対象者となる派遣スタッフの完全加入を徹底しております。今後、社会保険制度の改正により会社負担金額が大幅に上昇する場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループの従業員及び派遣スタッフが加入する人材派遣健康保険組合における健康保険料の会社負担分の料率は、44.5/1000(平成27年度)から46.2/1000(平成28年度)へと引き上げられました。同健康保険組合の財政は大変厳しい状態にあることから、今後さらに保険料率が上昇することが考えられます。

また、平成16年の年金制度改革により、標準報酬月額に対する厚生年金保険料会社負担分の料率は、平成16年10月時点の6.967%から平成29年まで毎年0.177%ずつ引き上げられ、平成29年以降は9.15%で固定されることとなっております。

 

⑤ 少子化について

当社グループの教育事業においては、主要顧客層が比較的若年層に集中しております。そのため、幼児から高齢者まで幅広い年齢層を対象に、それぞれのニーズに応じた教育商品の開発を推進するとともに、新たなマーケットとして海外展開にも着手し、国内の少子化に対応した施策を進めております。

しかしながら、今後、日本における少子化が、予想を大幅に超えて急速に進行し、教育市場全体が著しく縮小した場合は、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥ 人材の確保と育成について

当社グループは、持続的な事業の成長を実現させるため、継続した人材の確保が必要であると考えております。特に、経営戦略や組織運営といったマネジメント能力に優れた人材の確保、育成を継続的に推進していくとともに、新卒採用や中途採用を積極的に展開し、教育研修体制を整備することで、人材の育成を図るよう努めております。

しかしながら、今後、採用環境の変化等により、人材の確保、育成が計画通りに行えない場合には、長期的視点から、事業展開、業績及び成長見通しに大きな影響を及ぼす可能性があります。

 

⑦ 海外での事業活動について

当社グループは、今後経済発展が見込まれる新興国を中心とした事業拡大を事業戦略の一つとしています。しかしながら海外では、予期しない法規制の変更、経済情勢の変動、テロ・戦争・その他の要因による社会的または政治的混乱などのリスクが存在します。こうしたリスクが顕在化した場合、事業活動の継続が困難になるおそれがあるため、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑧ M&Aについて

当社グループは、事業拡大を加速させるうえで有効な手段となる場合や、市場において短期間で優位性の確立が見込める場合などには、M&Aを有効に活用する方針です。

M&A実施に当たっては、市場動向や顧客のニーズ、対象企業の業績、財務状況、契約関係等について十分に事前審査を行ったうえで可否を判断いたします。

しかしながら、買収後の想定外の事態の発生や、市場動向の著しい変化により、買収事業が計画通りに展開することができず、その企業の収益性が著しく低下した場合、当社グループの業績や成長見通し及び事業展開等に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 

⑨ 個人情報の取扱いについて

当社グループにおきましては、人材関連事業における派遣スタッフ等の個人情報、教育事業における受講生の個人情報、介護事業における利用者の個人情報を取り扱っております。

当社及びグループ各社は、個人情報を適切に取扱い、その安全性を確保することを目的として、「プライバシーマーク」(認定機関 一般財団法人日本情報経済社会推進協会)の認証を取得し、「個人情報保護方針」、「個人情報保護規程」に基づき、定期的な従業員教育を実施するなど、管理体制強化を推進しております。

しかしながら、何らかの原因により、個人情報の漏えいや不正使用などの事態が発生した場合、損害賠償請求や社会的信用の失墜等により、当社グループの業績に及ぼす可能性があります。

 

 

5【経営上の重要な契約等】

連結子会社間の事業譲渡に関する契約

当社の完全子会社であるヒューマンリソシア株式会社(以下、ヒューマンリソシア)及びヒューマンメディカルケア株式会社(以下、ヒューマンメディカルケア)は、平成27年9月11日開催の両社取締役会において、ヒューマンメディカルケアの事業の全部をヒューマンリソシアに譲渡することを決議し、平成27年12月1日に事業譲渡を行っております。

なお、詳細は「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」に記載の通りです。

 

6【研究開発活動】

該当事項はありません。

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成28年6月30日)現在において、当社グループが判断したものであります。なお、当連結会計年度より、「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日)等を適用し、「当期純利益」を「親会社株主に帰属する当期純利益」としております。

(1)重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たり、見積りが必要となる事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。

 詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。

(2)当連結会計年度の経営成績の分析

① 売上

当連結会計年度の売上高は、すべての事業において増収となり、前連結会計年度の62,593百万円から6,484百万円(前期比10.4%)増加し、69,078百万円となりました。

② 営業利益

当連結会計年度の営業利益は、主に人材関連事業の減益により、前連結会計年度の2,062百万円から178百万円減少し、1,883百万円となりました。また、売上高営業利益率は、2.7%となりました。

③ 経常利益

当連結会計年度の経常利益は、前連結会計年度の2,229百万円から120百万円減少し、2,108百万円となりました。また、売上高経常利益率は、3.1%となりました。

④ 親会社株主に帰属する当期純利益

当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度の1,142百万円から79百万円減少し、1,063百万円となりました。また、売上高当期純利益率は、1.5%となりました。

(3)経営成績に重要な影響を与える要因について

 「第2 事業の状況 4 事業等のリスク」の記載をご参照ください。

(4)経営戦略の現状と見通し

戦略的現状と見通しについては、「第2 事業の状況 3 対処すべき課題]の記載をご参照ください。

(5)資本の財源及び資金の流動性についての分析

① 財政状態

当連結会計年度末の資産合計は、31,960百万円となり、前連結会計年度末の30,882百万円から1,077百万円(前期比3.5%)増加いたしました。
 流動資産につきましては、24,893百万円となり、前連結会計年度末の23,990百万円から902百万円(前期比3.8%)増加いたしました。これは主に、受取手形及び売掛金が511百万円、現金及び預金が408百万円増加したことによるものです。また、固定資産につきましては、7,066百万円となり、前連結会計年度末の6,891百万円から175百万円(前期比2.5%)増加いたしました。これは主に、建設仮勘定が144百万円増加したことによるものです。
 次に、負債合計は、23,862百万円となり、前連結会計年度末の23,568百万円から293百万円(前期比1.2%)増加いたしました。
 流動負債につきましては、20,802百万円となり、前連結会計年度末の20,407百万円から395百万円(前期比1.9%)増加いたしました。これは主に、未払消費税等が892百万円減少したものの、前受金が506百万円、未払金が499百万円、短期借入金が350百万円増加したことによるものです。また、固定負債につきましては、3,059百万円となり、前連結会計年度末の3,161百万円から101百万円(前期比3.2%)減少いたしました。これは主に、長期借入金が165百万円減少したことによるものです。
 純資産につきましては、8,097百万円となり、前連結会計年度末の7,313百万円から784百万円(前期比10.7%)増加いたしました。これは主に、利益剰余金が791百万円増加したことによるものです。

② キャッシュ・フロー

当社グループでは、教育事業におきましては前受金として役務提供前に資金を収受し、人材関連事業及び介護事業におきましては役務提供後に売掛金の回収を行っており、それぞれキャッシュ・インの時期が異なっております。当社グループは、キャッシュマネジメントシステム(CMS)を導入しており、子会社の余剰資金を当社において集中管理し、運転資金または設備投資資金を必要とする子会社に配分して、当社グループの資金をできる限り効率的に活用しております。また、グループ全体の資金需要に応じて必要な調達も行っており、その結果、有利子負債の残高は3,994百万円となり、前連結会計年度末の3,805百万円から188百万円(前期比4.9%)増加いたしました。

当社グループの資金状況は、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フロー」に記載のとおりであります。

なお、当社グループの主な経営指標は、次のとおりであります。

 

平成26年3月期

平成27年3月期

平成28年3月期

自己資本比率(%)

23.2

23.7

25.3

時価ベースの自己資本比率(%)

28.3

37.5

26.5

キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)

8.3

0.8

2.6

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

21.1

175.7

75.7

(注)1.自己資本比率:自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い

2.各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。

3.株式時価総額は、自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。

4.キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を対象としております。