第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1) 会社の経営の基本方針

ヒューマングループでは経営理念として、綱領「為世為人」、バリュープロミス「SELFing」を掲げております。

綱領

為世為人

「世のため人のため」

私たちの使命は、仕事を通じて社会と人々のために貢献することです。

バリュープロミス

SELFing

自分らしい生き方は、「なりたい自分」を思い描くことからはじまります。

自分自身の発見と開発。そうすることで生まれる、社会への貢献。

この自分らしさをカタチにする循環を、私たちは「SELFing」と呼んでいます。

SELFingは、私たちからすべてのステークホルダーの皆さまへ、提供する価値です。

当社グループでは、経営理念に基づき、お客様が学んだことを活かして働き、さらに学べるように、「人を育てる」事業と「人を社会に送り出す」事業とをひとつにしたビジネスモデルを掲げております。

 

(2) 経営環境、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

現在、国内におきましては、少子高齢化や、新型コロナウイルス感染症の終息が見通せないことによる経済活動への影響、生活様式や働き方などの大きな変化とそれに伴う「場所」や「時間」の概念を払拭する新たなマーケットの出現など事業環境は変化しております。当社グループはこのような事業環境において、「SELFing」の担う役割は大きくなるものと認識しており、中長期的なビジネスモデルの再構築を通じた収益構造の変革に取り組むことで、社会課題の解決と新たなビジネスの創出を実現し、社会と共に持続的な成長を図ってまいります。

この方針のもと、当社グループでは各事業分野において、以下の取り組みを推進してまいります。

 

①人材関連事業

人材関連事業におきましては、新型コロナウイルス感染症の影響により、雇用情勢が「売り手市場」から「買い手市場」へと急激に変化し、各業界において技術革新の可能性への期待が急速に高まっており、それを受けて人々の価値観と働き方にも変化が訪れております。

テレワークの拡大など働き方が多様化する中で、企業と派遣スタッフ双方の選択肢を増やすため、「育成型派遣」や「リモートワーク派遣」の確立に努めるとともに、地方企業をターゲットとしたローカルマーケットの開拓に取り組んでまいります。また、当社グループの人材紹介事業を集約し、経営資源の集中による業務の効率化とノウハウの結集によるサービス向上を図ってまいります。

国内ではIT人材不足が進行しておりますが、企業におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)推進が加速する中で、ITエンジニアへのニーズは旺盛であり、優秀な海外IT人材の獲得と営業基盤の強化に努めてまいります。

また、テレワーク市場拡大に伴う企業での業務改善・自動化機運の拡大を受けて高まるRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)ニーズに対応すべく、業務自動化支援体制の構築と、研修などのオンラインサービスの拡充に取り組んでまいります。

 

 

②教育事業

教育事業におきましては、少子化を背景に教育市場が縮小傾向にある中で、新型コロナウイルス感染症の影響から、教育のオンライン化が急速に普及するとともに、フリーランスや副業など働き方の選択肢が増加しており、それに伴い顧客のニーズにも変化が生じております。また、ロボット・プログラミングを含むSTEAM教育市場は引き続き拡大基調にあり、オンラインを活用した自宅学習ニーズも高まっております。

教育現場のICT(情報通信技術)化の推進が求められる中で、これらの事業環境の変化に対応すべく、「ヒューマンアカデミーGIGAスクール構想」に基づき、オンラインとリアルを融合させた学習サービスの提供や、教育コンテンツの拡充に取り組んでまいります。

また、日本語教育においては、新型コロナウイルス感染症により入国制限が続いておりますが、顕在する日本語学習ニーズに対応すべく、デジタル授業や学習コンテンツ開発などの取り組みを推進してまいります。

保育事業では、引き続き認可保育所を中心に新規開設を図ってまいります。

 

③介護事業

介護事業におきましては、団塊世代が75歳に到達し、高齢化率が30%を超えると予想される2025年を控え、介護サービスに対する需要拡大が見込まれる一方で、依然として人材不足の深刻化が社会問題となっております。

このような状況の中、グループホームや小規模多機能型居宅介護施設の新規開設を進めるとともに、キャリアパス制度の拡充、従業員教育におけるICTの積極活用、さらには、特定技能制度・技能実習制度等をベースにした海外人材の中期的な育成活用など、人材確保・育成・定着の取り組みを推進してまいります。

また、デイサービスにおいては、新型コロナウイルスの感染拡大のたびに利用控えが繰り返し生じておりますが、引き続き感染拡大防止策の徹底を図るとともに、自宅で取り組める体操や認知症予防のプログラムの提供などを通じて利用者が生活機能を維持できるよう支援してまいります。

 

④その他の事業

スポーツ事業におきましては、新型コロナウイルス感染症の影響により、プロバスケットボールチーム「大阪エヴェッサ」のチケット販売の減少が想定される中で、ライブ配信や投げ銭機能など、オンラインでのブースターとの接点を増加させる取り組みに注力いたします。

ネイルサロン運営事業におきましては、新型コロナウイルス感染症により顧客動向が変化している中で、当期に実施した店舗網再編により既存店舗の収益力強化を図るとともに、自社ブランド商品の拡販に努めてまいります。

IT事業におきましては、営業体制を強化し、企業におけるDX推進ニーズを捉えることで、受注拡大を図ってまいります。

 

(3) 目標とする経営指標

当社グループは、現状の経営環境を踏まえて、経営効率の改善を目指して利益率の向上を重要課題として、連結売上高経常利益率5%を当面の目標として取り組んでまいります。

 

 

2【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2021年6月30日)現在において、当社グループが判断したものであります。

 

①法的規制等について

当社グループの事業の中には、行政、政府機関などの許可または指定を受けているものがあります。また、消費者契約法やその他の一般的な法規制の適用も受けております。

これらについて、当局による法改正がなされた場合、あるいは万一これらの規制に抵触する事態が生じた場合には、当社グループの事業活動が制限される可能性があります。

 

a.人材派遣について

人材派遣事業におきましては、「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」(以下、「労働者派遣法」)に基づき、主として一般労働者派遣事業として、厚生労働大臣の許可を受けて行っております。労働者派遣法は、労働者派遣事業の適正な運営を確保するために設けられた欠格事由に該当した場合や、法令に違反した場合に、事業許可の取り消しもしくは、業務停止などが命じられることが規定されております。

当社グループは、コンプライアンス室や内部監査室により、関連法規の遵守状況の確認を行うとともに、徹底した社員教育にも努めておりますが、当社グループ各社もしくは役職員による重大な法令違反が発生し、事業許可の取り消しや業務停止が命じられた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

b.人材紹介について

人材紹介事業におきましては、職業安定法に基づき、有料職業紹介事業として、厚生労働大臣の許可を受けて行っております。職業安定法には、職業紹介事業の適正な運営を確保するために設けられた欠格事由に該当した場合や、当該許可の取消事由に該当した場合に、厚生労働大臣により事業許可の取り消しが行われ、事業の停止が命じられることが規定されております。

当社グループは、コンプライアンス室や内部監査室により、関連法規の遵守状況の確認を行うとともに、徹底した社員教育にも努めておりますが、当社グループ各社もしくは役職員による重大な法令違反が発生し、事業許可の取り消しや業務停止が命じられた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

c.介護保険法等について

介護事業におきましては、公的介護保険法内のサービスが中心であり、サービス内容、報酬、事業所展開、運営及びその他事業全般に関して、介護保険法及び各関連法令などによる法的規制を受けております。

今後、法令の変更や報酬改定により、サービスの設計や料金体系の見直しが必要となった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

人員の確保について

a.派遣スタッフの確保について

人材派遣事業におきましては、その事業の性質上、派遣スタッフの確保が非常に重要であります。登録スタッフの募集は、インターネットや新聞、雑誌などの広告によるものをはじめ、教育事業との連携により、専門知識を身に付けた修了生への働きかけを行い、実社会に送り出す育成型派遣にも注力しております。

また、給与や福利厚生面の充実、教育・研修などの実施によるスキル向上のサポートなどにより、派遣スタッフの満足度を高め、安定確保に努めております。

しかしながら、雇用情勢や労働需給の変化により、派遣需要に対して十分なスタッフの確保を行えなかった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

b.講師の確保について

教育事業におきましては、業界直結型の講座を展開しているため、業界の第一線で活躍する人物に講師を依頼することを原則としております。社会的ニーズの高い講座を開発するよう努めておりますが、専門性の高い講座については、講師として教授できる人物の採用が困難な場合があります。このように人材の確保が困難となった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

c.保育士の確保について

保育事業におきましては、保育士などの資格保有者の人材確保が非常に重要であります。当社グループでは、年間研修計画に基づく研修の実施やOJTによる人材育成により、保育士の採用・育成・定着を図ってまいりますが、今後保育士の確保が困難となった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

d.介護スタッフの確保について

介護事業におきましては、事業規模を維持・拡大していくため、人材の確保が非常に重要であります。

当社グループでは、介護スタッフを育成するとともに、中途採用を中心とした労働力の確保及び定着率向上のため、社内資格を設置し、教育研修制度を充実させるなどの取り組みを積極的に行っております。

しかしながら、介護スタッフの確保や配置が進まない場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③社会保険料の負担について

当社グループでは、現行の社会保険制度において社会保険加入対象者となる派遣スタッフの完全加入を徹底しております。今後、社会保険制度の改正により会社負担金額が大幅に上昇する場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

④少子化について

当社グループの教育事業においては、主要顧客層が比較的若年層に集中しております。そのため、幼児から高齢者まで幅広い年齢層を対象に、それぞれのニーズに応じた教育商品の開発を推進するとともに、新たなマーケットとして海外展開にも着手し、国内の少子化に対応した施策を進めております。

しかしながら、今後、日本における少子化が、予想を大幅に超えて急速に進行し、教育市場全体が著しく縮小した場合は、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤人材の確保と育成について

当社グループは、持続的な事業の成長を実現させるため、継続した人材の確保が必要であると考えております。特に、経営戦略や組織運営といったマネジメント能力に優れた人材の確保、育成を継続的に推進していくとともに、新卒採用や中途採用を積極的に展開し、教育研修体制を整備することで、人材の育成を図るよう努めております。

しかしながら、今後、採用環境の変化などにより、人材の確保、育成が計画通りに行えない場合には、長期的視点から、事業展開、業績及び成長見通しに大きな影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥海外での事業活動について

当社グループは、今後経済発展が見込まれる新興国を中心とした事業拡大を事業戦略の一つとしています。しかしながら海外では、予期しない法規制の変更、経済情勢の変動、テロ・戦争・その他の要因による社会的または政治的混乱などのリスクが存在します。こうしたリスクが顕在化した場合、事業活動の継続が困難になるおそれがあるため、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑦M&A(企業買収)について

当社グループは、事業拡大を加速させるうえで有効な手段となる場合や、市場において短期間で優位性の確立が見込める場合などには、M&Aを有効に活用する方針です。

M&A実施に当たっては、市場動向や顧客のニーズ、対象企業の業績、財務状況、契約関係などについて十分に事前審査を行ったうえで可否を判断いたします。

しかしながら、買収後の想定外の事態の発生や、市場動向の著しい変化により、買収事業が計画通りに展開することができず、その企業の収益性が著しく低下した場合、当社グループの業績や成長見通し及び事業展開などに大きな影響を及ぼす可能性があります。

 

 

⑧個人情報の取扱いについて

当社グループにおきましては、人材関連事業における派遣スタッフなどの個人情報、教育事業における受講生の個人情報、介護事業における利用者の個人情報を取り扱っております。

当社及びグループ各社は、個人情報を適切に取扱い、その安全性を確保することを目的として、「プライバシーマーク」(認定機関 一般財団法人日本情報経済社会推進協会)の認証を取得し、「個人情報保護方針」、「個人情報保護規程」に基づき、定期的な従業員教育を実施するなど、管理体制強化を推進しております。

しかしながら、何らかの原因により、個人情報の漏えいや不正使用などの事態が発生した場合、損害賠償請求や社会的信用の失墜などにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑨自然災害や感染症の発生について

当社グループが事業活動を行う地域において、大規模な地震・台風などの自然災害や感染症などの発生により、当社グループの顧客や従業員に人的被害が発生した場合や、校舎・施設などに損害が生じた場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

新型コロナウイルス感染症の感染拡大に対して、当社グループでは、在宅勤務や時差出勤、オンラインによる会議・営業活動・授業などの実施、各施設での衛生管理の徹底などの感染拡大防止対策により、顧客と従業員の安全確保に努めております。

しかしながら、今後、新型コロナウイルス感染症が長期にわたり収束しない場合や深刻化した場合には、人材関連事業における就業スタッフ数や教育事業における在籍者数、介護事業における施設利用者などの減少により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

当期におけるわが国経済は、国内外における新型コロナウイルス感染拡大の影響で、日本国内でも2度の緊急事態宣言が発令されたことなどにより、経済・社会活動が制限され、景気は急速に悪化いたしました。政府による経済対策などもあり回復傾向は見られるものの、依然として新型コロナウイルス感染症の収束が見通せないことから、先行き不透明な状態が続いております。

当社グループを取り巻く事業環境は、人材関連業界におきましては、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、有効求人倍率が低調に推移していることに加え、入国制限により海外人材の確保が困難になるなど、雇用環境は厳しい状況が続いております。その一方で、2020年4月から「同一労働同一賃金」が法制化により導入され、各企業で非正規雇用者の待遇改善に向けた取り組みが進むとともに、コロナ禍での企業におけるテレワーク普及などを背景に、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)など働き方の変化に対応した生産性向上への取り組みが求められております。

教育業界におきましては、小学校での英語教育やプログラミング教育の必修化など制度面が大きく変化したことに加え、新型コロナウイルス感染拡大による全国一斉臨時休校の実施を契機に、オンラインによる教育の需要が高まっており、環境変化に対応した新たな教育手法やコンテンツが求められております。

介護業界におきましては、引き続き国内では高齢化の進行に伴う要介護者の増加が見込まれており、海外からの人材活用など、介護職員不足の解消へ向けた人材確保と育成が依然として重要な課題となっております。また、介護事業者においては新型コロナウイルス感染拡大防止策の徹底が求められるなか、介護サービス利用者の間ではデイサービスなどの利用を控える動きが見られました。

このような状況において、当社グループでは、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、在宅勤務や時差出勤の推進、会議・営業活動や授業などのサービス提供でのオンライン活用、各施設での衛生管理の徹底などにより、顧客と従業員の安全確保に努めるとともに、当社グループの経営理念である「為世為人」に基づき、社会と人々に貢献すべく「人を育てる」事業、「人を社会に送り出す」事業を中心としたビジネスモデルの強化・発展に取り組みました。

 

以上の結果といたしまして、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

 

a.財政状態

当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ、3,032百万円増加し、43,187百万円となりました。

当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ、1,903百万円増加し、30,734百万円となりました。

当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ、1,129百万円増加し、12,453百万円となりました。

 

b.経営成績

当連結会計年度末の経営成績は、売上高は、前期比0.2%減の85,811百万円となりました。利益面では、人材関連事業の増益により、営業利益は前期比35.0%増の2,702百万円、経常利益は前期比52.9%増の3,253百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は、前期比69.7%増の1,439百万円となりました。

 

セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。

 

(人材関連事業)

人材関連事業におきましては、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、派遣登録希望者および求職者との面談や、顧客企業への営業活動において、オンラインへの切り替えを推進いたしました。

人材派遣では、新型コロナウイルス感染症の影響から就業スタッフ数が減少し、厳しい状態が続いております。また、入国制限により、海外ITエンジニアの確保が困難になるなどの影響が生じましたが、利用企業数が550社を突破したRPA導入支援サービスでは、オンライン研修の拡充など、高まるRPA化ニーズに対応する取り組みに注力いたしました。

人材紹介では、新型コロナウイルス感染拡大により、求職者の面談および企業への営業活動が制限されましたが、オンライン活用を推進することで、サービス提供の継続に努めました。

この結果、前期に比べ、派遣スタッフの稼働日数が増加したこと、同一労働同一賃金の対応により請求単価が上昇したことに加え、行政助成金関連の業務受託案件を受注したことなどから、人材関連事業の売上高は前期比1.7%増の49,309百万円、営業利益は増収に加え経費削減の効果もあり、前期比196.3%増の1,739百万円となりました。

 

(教育事業)

教育事業におきましては、新型コロナウイルス感染拡大を受けて、社会人教育事業や全日制教育事業では期初に休講を実施いたしましたが、授業のオンライン化を推進することでサービス提供の継続に努めました。また、教育のICT(情報通信技術)化推進を目的とする「ヒューマンアカデミーGIGAスクール構想」の中核を担う「Human Edutainment Studio」(東京都)を開設いたしました。

社会人教育事業では、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、通学講座の契約数が減少するなかで、プログラミング講座やWEB・DTP講座の契約数は増加いたしました。また、オンライン授業など自宅学習の需要が高まり、通信講座の契約数も増加いたしました。

全日制教育事業では、総合学園ヒューマンアカデミーの在校生数が、主力であるゲームカレッジを中心に増加いたしました。また、今後成長が期待されるeスポーツ関連事業の強化を図るべく、株式会社ACTRIZEよりeスポーツチーム運営事業を譲り受けました。

児童教育事業では、新型コロナウイルス感染拡大によるロボット教室の休学者が6月以降徐々に復帰し、在籍生徒数は前期末の水準まで回復いたしました。ロボット教室では、オンライン授業の提供を開始したことに加え、「第10回ヒューマンアカデミーロボット教室全国大会」をライブ配信で開催するなど、オンライン化に取り組みました。

国際人教育事業では、新型コロナウイルス感染拡大に伴う入国制限により、日本語学校へ入学予定の留学生の入国が遅延するなかで、在日外国人や渡日予定の外国人の方々を対象とした日本語学習講座の販売と学習基盤サイト「ヒューマンアカデミー日本語学校Plus」、日本語への関心を高めるオウンドメディア「KARUTA」をリリースいたしました。

保育事業では、認可保育所として、スターチャイルド横浜ステーションナーサリー、スターチャイルド桜木町ステーションナーサリー、スターチャイルド宮前平ナーサリー(神奈川県)の3ヶ所を新たに開設し、新型コロナウイルス感染症の影響も軽微であったため、事業は順調に推移いたしました。また、保育士の働きやすい職場環境作りの一環として、オンライン研修を開始いたしました。

この結果、教育事業の売上高は、教育オンライン化への対応推進に努めましたが、新型コロナウイルス感染拡大を受けての休講や入国制限などの影響により、前期比3.6%減の23,629百万円、営業利益は前期比38.4%減の721百万円となりました。

 

(介護事業)

介護事業におきましては、運営する施設において介護職員のマスク着用、消毒・換気などを実施し、新型コロナウイルス感染拡大の防止策を徹底しながら、安心して利用できるサービスの提供に努めました。

介護施設では、王禅寺グループホーム・王禅寺の宿(神奈川県)など合計8事業所を新たに開設いたしました。

小規模多機能型居宅介護施設やグループホームなどにおける新型コロナウイルス感染症の影響は軽微であった一方で、デイサービスにおいては稼働率が低下したことから、各施設の人員の再配置に注力いたしました。また、デイサービス施設利用者の新たな生活様式の支援に向けた「新生活様式サポート」プロジェクトを開始いたしました。

この結果、介護事業の売上高は前期比1.8%増の10,430百万円、営業利益は、デイサービスの稼働率低下に加え、新型コロナウイルス感染拡大に伴う入国制限により、期中に開設した介護職種の外国人技能実習生向け研修センターの稼働に影響が生じたことなどから、前期比38.4%減の184百万円となりました。

 

(その他の事業)

スポーツ事業におきましては、プロバスケットボールチーム「大阪エヴェッサ」のホームゲームにおいて、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、期中に実施予定であった4試合が中止、25試合が入場制限付きでの開催となったことからチケット販売が減少したため、オンラインでの商品販売に注力いたしました。

ネイルサロン運営事業におきましては、新型コロナウイルス感染拡大を受けて、期初に全店舗で休業いたしましたが、スニーズガードの設置や設備の消毒、マスクとフェイスシールドを着用しての施術などの感染防止策を実施しながら、5月中旬より各店舗の営業を順次再開いたしました。また、中長期的な新型コロナウイルス感染症の影響に鑑み、店舗網の再編に取り組みました。

IT事業におきましては、新型コロナウイルス感染拡大を受けて、受注は減少傾向となりましたが、在宅勤務などの取り組みを推進するとともに、受注案件における進捗管理の体制強化に努めました。

和食事業におきましては、インバウンドビジネスを強化すべく割烹料理店「傳承 ゑ美寿」(大阪府)の運営を行ってまいりましたが、新型コロナウイルス感染拡大による事業環境の急変に伴い悪化した業績の回復が見込めない状況となったため、店舗を閉鎖いたしました。

この結果、その他の事業の売上高は前期比10.3%減の2,429百万円、営業損失は108百万円(前期は200百万円の営業損失)となりました。

 

 

②生産、受注及び販売の実績

a.提供能力

当連結会計年度における人材関連事業の派遣労働者の登録者数は、次のとおりであります。

2020年3月31日現在(人)

増加数(人)

減少数(人)

2021年3月31日現在(人)

456,501

21,280

2,544

475,237

(注)減少数につきましては、当連結会計年度において、稼働見込みのない登録派遣スタッフの登録を抹消したものであります。

 

前連結会計年度における人材関連事業の派遣労働者の登録者数は、次のとおりであります。

2019年3月31日現在(人)

増加数(人)

減少数(人)

2020年3月31日現在(人)

438,720

21,280

3,499

456,501

(注)減少数につきましては、当連結会計年度において、稼働見込みのない登録派遣スタッフの登録を抹消したものであります。

 

教育事業における受講生を収容できる教室数及び収容座席数は、次のとおりであります。

なお、当連結会計年度の海外の教室数および収容座席数には、当連結会計年度より連結の範囲に含めたカナダ分を含んでおります。

 

2020年3月31日現在

2021年3月31日現在

教室数(室)

収容座席数(席)

教室数(室)

前期比(%)

収容座席数(席)

前期比(%)

北海道・東北地区

26

620

29

111.5

685

110.5

関東地区

223

4,183

251

112.6

4,682

111.9

中部地区

51

1,115

49

96.1

1,078

96.7

近畿地区

184

3,413

189

102.7

3,581

104.9

中国・四国地区

32

679

29

90.6

591

87.0

九州・沖縄地区

84

1,708

85

101.2

1,702

99.6

海外(フランス他)

9

271

40

444.4

654

241.3

合計

609

11,989

672

110.3

12,973

108.2

 

b.受注実績

該当事項はありません。

c.販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

前連結会計年度

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

当連結会計年度

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

前期比
(%)

販売高(千円)

構成比(%)

販売高(千円)

構成比(%)

人材関連事業

 

 

 

 

 

人材派遣事業

42,707,405

49.7

43,800,855

51.1

102.6

業務受託事業

2,690,271

3.1

2,649,392

3.1

98.5

人材紹介事業

1,953,321

2.3

1,701,785

2.0

87.1

その他附帯事業

1,156,190

1.3

1,157,769

1.3

100.1

小計

48,507,189

56.4

49,309,802

57.5

101.7

教育事業

 

 

 

 

 

社会人教育事業

10,215,986

11.9

9,536,585

11.2

93.3

全日制教育事業

5,884,640

6.8

6,456,336

7.5

109.7

児童教育事業

1,728,936

2.0

1,564,550

1.8

90.5

国際人教育事業

3,346,043

3.9

2,351,628

2.7

70.3

保育事業

3,338,931

3.9

3,720,777

4.3

111.4

小計

24,514,539

28.5

23,629,877

27.5

96.4

介護事業

10,242,539

11.9

10,430,592

12.2

101.8

その他

2,709,518

3.2

2,429,705

2.8

89.7

合計

85,973,786

100.0

85,799,978

100.0

99.8

(注)記載している金額につきましては、消費税等は含んでおりません。

 

人材関連事業における派遣スタッフ及び期間スタッフの月平均稼働人数は、次のとおりであります。

 

 前連結会計年度

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

 当連結会計年度

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

前期比(%)

月平均稼働スタッフ数

12,497人

11,821人

94.6

 

教育事業における受講生の月平均人数は、次のとおりであります。

 

 前連結会計年度

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

 当連結会計年度

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

前期比(%)

月平均受講生数

18,829人

16,269人

86.4

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、以下のとおりであります。

 

(売上)

当連結会計年度の売上高は、人材関連事業と介護事業において増収となりましたが、教育事業とその他の事業において減収となったことから、前連結会計年度の85,989百万円から178百万円減少し、85,811百万円となりました。

 

(営業利益)

当連結会計年度の営業利益は、主に人材関連事業の増益により、前連結会計年度の2,002百万円から700百万円増加し、2,702百万円となりました。また、売上高営業利益率は、3.1%となりました。

 

(経常利益)

当連結会計年度の経常利益は、営業利益の増益に加え、補助金収入を計上したことなどから、前連結会計年度の2,127百万円から1,126百万円増加し、3,253百万円となりました。また、売上高経常利益率は、3.8%となりました。

 

(親会社株主に帰属する当期純利益)

当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、教育事業などにおいて減損損失を計上しましたが、経常利益の増益により、前連結会計年度の848百万円から591百万円増加し、1,439百万円となりました。また、売上高当期純利益率は、1.7%となりました。

 

セグメント毎の経営成績に関しましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。

 

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

 

③キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

(キャッシュ・フロー)

当社グループでは、教育事業におきましては前受金として役務提供前に資金を収受し、人材関連事業及び介護事業におきましては役務提供後に売掛金の回収を行っており、それぞれキャッシュ・インの時期が異なっております。当社グループは、キャッシュマネジメントシステム(CMS)を導入しており、子会社の余剰資金を当社において集中管理し、運転資金または設備投資資金を必要とする子会社に配分して、当社グループの資金をできる限り効率的に活用しております。また、グループ全体の資金需要に応じて必要な調達も行っており、その結果、有利子負債の残高は8,455百万円となり、前連結会計年度末の6,606百万円から1,849百万円(前期比28.0%)増加いたしました。

 

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ2,710百万円増加し、22,848百万円となりました。

当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況とそれらの増減要因は、以下のとおりであります。

a.営業活動によるキャッシュ・フロー

当連結会計年度における営業活動による資金の増加は、2,046百万円となりました(前期は1,400百万円の増加)。これは主に、前受金が920百万円減少したものの、税金等調整前当期純利益が2,807百万円あったことによるものであります。

b.投資活動によるキャッシュ・フロー

当連結会計年度における投資活動による資金の減少は、1,022百万円となりました(前期は1,221百万円の減少)。これは主に、社内システム、教育事業の校舎の改修、保育事業の事業所の開設等への設備投資によるものであります。

c.財務活動によるキャッシュ・フロー

当連結会計年度における財務活動による資金の増加は、1,674百万円となりました(前期は333百万円の減少)。これは主に、長期借入金により5,018百万円を調達したものの、長期借入金の返済が3,039百万円あったことによるものであります。

 

(資本の財源及び資金の流動性)

当社グループの運転資金需要の主なものは、派遣スタッフの給与のほか、販売費及び一般管理費等の営業経費であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資、事業の買収等によるものであります。

当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。

短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資、事業の買収等の資金の調達につきましては、自己資金及び金融機関からの長期借入を基本としております。

なお、当連結会計年度末における有利子負債の残高は8,455百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、22,848百万円となっております。

 

なお、当社グループの主な経営指標は、次のとおりであります。

 

2019年3月期

2020年3月期

2021年3月期

自己資本比率(%)

26.6

28.2

28.8

時価ベースの自己資本比率(%)

55.7

19.6

24.1

キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)

2.5

4.7

4.1

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

183.5

101.2

121.2

(注)1.自己資本比率:自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い

2.各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。

3.株式時価総額は、自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。

4.キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を対象としております。

4【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5【研究開発活動】

該当事項はありません。