第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 会社の経営の基本方針

ヒューマングループでは経営理念として、綱領「為世為人」、バリュープロミス「SELFing」を掲げております。

綱領

為世為人

「世のため人のため」

私たちの使命は、仕事を通じて社会と人々のために貢献することです。

バリュー

プロミス

SELFing

自分らしい生き方は、「なりたい自分」を思い描くことからはじまります。

自分自身の発見と開発。そうすることで生まれる、社会への貢献。

この自分らしさをカタチにする循環を、私たちは「SELFing」と呼んでいます。

SELFingは、私たちからすべてのステークホルダーの皆さまへ、提供する価値です。

当社グループでは、経営理念に基づき、お客様が学んだことを活かして働き、さらに学べるように、「人を育てる」事業と「人を社会に送り出す」事業とをひとつにしたビジネスモデルを掲げております。

 

(2) 経営環境、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

現在、国内におきましては、総人口の減少や少子高齢化などの社会課題が継続する一方で、新型コロナウイルス感染症の5類感染症移行に伴う経済活動の正常化が期待されており、その中で人的資本への投資機運の高まりや、多様な働き方の需要の増加など、事業環境は回復基調にあります。

当社グループはこのような事業環境において、「SELFing」の担う役割は大きくなるものと認識しており、教育を中心としたビジネスモデルの強化に注力するとともに、DX推進による業務効率化と高付加価値ビジネスの創造、事業戦略に則したM&A推進を図ってまいります。

また、2023年度より当社グループでは、従業員の基本給および初任給について全体平均7%のベースアップを実施いたします。

これらの取り組みにより、各事業において競争力を強化し、企業価値の向上を図るとともに、社会と共に持続的な成長を目指してまいります。

この方針のもと、当社グループでは各事業分野において、以下の取り組みを推進してまいります。

 

①人材関連事業

人材関連事業におきましては、国内労働人口の減少が進む一方で、人手不足に起因する人材需要が拡大しております。新型コロナウイルス感染症との共存社会への移行に伴い、経済社会活動の活性化が期待されており、人材の活用形態や働き方、労働者の価値観が多様化している中で、人への投資促進機運の高まりから、リカレントやリスキリングによる人材育成が求められております。

人材派遣では、派遣スタッフに対して「SELFing」を通じたキャリアづくりを支援し、育成型派遣の強化や、リモートワーク派遣など多様な働き方の実現に注力してまいります。

企業におけるIT人材の獲得競争が激化する中において、海外ITエンジニアの需要は旺盛であり、国内営業体制と海外募集ネットワークの再構築に注力することで、自社雇用の海外ITエンジニア派遣を推進してまいります。また、DXの加速により、デジタル知識を持つ人材需要は高まっており、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)サービスにおいては、業務受託に加え、研修やサポートサービスの推進に注力してまいります。

 

②教育事業

教育事業におきましては、社会人教育事業では、政府の「骨太方針2022」による人への投資と分配などを受け、リカレント教育市場の拡大が予想されております。社会人の学び直し需要に対してもDX化が求められる中で、独自の学習プラットフォームである「ヒューマンアカデミーassist」の活用を通じ、受講生の学習サポートのみならず、個別最適化学習の提供などサービス品質の向上に取り組んでまいります。

全日制教育事業では、日本の18歳人口が2031年に100万人を割り込むことが予想される「2018年問題」など市場の縮小が予想される中で、多様な進路に対応する教育コンテンツが求められており、eスポーツカレッジや動画クリエイターカレッジのような、時流を捉えた商品開発に継続的に取り組んでまいります。

国際人教育事業における日本語教育では、政府主導による外国人材活用の活性化や、留学生受け入れ機運の高まりを受けて日本語教育の需要は拡大しており、日本語学校の校舎数拡大による受け入れ体制強化を図るとともに、デジタル授業や学習コンテンツ開発などの取り組みについても拡充を図ってまいります。

保育事業では、引き続き認可保育所を中心に新規開設を進めるとともに、事業所内保育所や学童保育事業など、サービス領域の拡大に取り組んでまいります。

 

③介護事業

介護事業におきましては、国内における65歳以上の高齢者が3,600万人を超え、過去最高の高齢化率となったことに加え、認知症や経済的に困窮する層が増加しております。このような状況に対応すべく、住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう、住まい・医療・介護・予防・生活支援が一体的に提供される地域包括ケアシステムの構築が推進されております。

その一方で、依然として介護人材不足は継続しており、加えて介護サービスの担い手である登録ヘルパーについても高齢化が進むなど、介護人材の確保が社会課題となっております。

グループホームや小規模多機能型居宅介護のドミナント展開エリアに、住まい・医療・福祉用具を重層展開する「CCRC事業モデル」を構築し、積極展開するとともに、IT活用による運営事務作業の効率化や介護記録のデジタル化による業務負担の軽減などを通じ、介護サービス品質の向上を目指してまいります。

慢性的な人材不足に対しては、海外介護人材の活用が急務となっており、人材採用を推進するとともに、日本語教育や介護教育の体制構築に注力してまいります。

 

④その他の事業

スポーツ事業におきましては、プロバスケットボールチーム「大阪エヴェッサ」において、新B1基準に対応すべく、ブースターとの関係構築を推進し、集客力を強化してまいります。

ネイルサロン運営事業におきましては、顧客数の回復が期待される中で、サービス品質の向上を通じた既存店舗の収益力強化に努めるとともに、自社ブランド商品の開発強化と拡販に努めてまいります。

IT事業におきましては、旺盛なDX推進ニーズの中で、WEBマーケティング分野における案件の獲得に注力してまいります。

 

(3) 目標とする経営指標

当社グループは、現状の経営環境を踏まえて、経営効率の改善を目指して利益率の向上を重要課題として、連結売上高経常利益率5%を当面の目標として取り組んでまいります。

 

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)ガバナンス

当社グループでは、綱領「為世為人」、バリュープロミス「SELFing」から成る当社グループの経営理念に基づき、グループ全体およびグループ各社のサステナビリティビジョンを策定し、コーポレートサイトに掲載しております。

当社グループでは、グループ各社の3カ年の事業計画を策定しており、その策定にあたっては、グループ各社のサステナビリティビジョンおよび、環境・社会課題を、経営企画担当取締役主導のもと、各社の経営会議において議論し、経営戦略やリスク管理に反映しております。

当社グループにおけるリスクおよび機会については、策定された3カ年の事業計画および議論の内容を踏まえた上で、経営企画担当取締役より、取締役会、経営会議などで定期的に報告しております。

 

(2)戦略

当社グループは、綱領「為世為人」、バリュープロミス「SELFing」から成る経営理念およびサステナビリティビジョン実現のためには、多様な視点や価値観を尊重することが重要と考えており、ジェンダー、国籍、年齢、障がい者など多様性を持つ人材の採用と育成に取り組んでおります。

当社グループでは、社内の教育制度の拡充に加え、時短勤務や在宅勤務の実施など柔軟な働き方の実現に取り組んでおりますが、今後も平等な学習機会を提供するとともに、すべての従業員が働きやすい職場環境整備を通じて、多様な人材の育成に努めてまいります。

 

(3)リスク管理

当社グループでは、策定されたグループ各社の3カ年の事業計画について、経営企画担当取締役主導のもと、進捗状況などについて年4回の検証を実施しており、その中で、グループ各社におけるサステナビリティ関連のリスクおよび機会を識別し、グループ各社と対応方針について議論した上で、経営戦略やリスク管理に反映しております。

 

(4)指標及び目標

当社グループでは、上記「(2)戦略」において記載した方針について、次の指標を用いております。当該指標に関する目標及び実績は、次のとおりであります。

なお、当社グループにおいては、当社及び各連結子会社において担う事業領域が異なることから、各社の雇用形態や人材育成方法も異なるため、当社及び主要な事業を営む会社単体での指標及び目標を開示しております。

名 称

指標

目標

実績(当連結会計年度)

ヒューマンホールディングス㈱

管理職に占める女性労働者の割合

2028年3月までに30%

5.0%

男性労働者の育児休業取得率

2028年3月までに15%

0.0%

労働者の男女の賃金の差異

2028年3月までに75%

74.7%

(人材関連事業)

ヒューマンリソシア㈱

管理職に占める女性労働者の割合

2028年3月までに30%

24.3%

男性労働者の育児休業取得率

2028年3月までに30%

20.0%

労働者の男女の賃金の差異

2028年3月までに75%

72.7%

(教育事業)

ヒューマンアカデミー㈱

管理職に占める女性労働者の割合

2028年3月までに30%

21.3%

男性労働者の育児休業取得率

2028年3月までに30%

25.0%

労働者の男女の賃金の差異

2028年3月までに75%

68.1%

(介護事業)

ヒューマンライフケア㈱

管理職に占める女性労働者の割合

2028年3月までに50%

45.8%

男性労働者の育児休業取得率

2028年3月までに30%

25.0%

労働者の男女の賃金の差異

2028年3月までに90%

84.1%

 

 

3【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2023年6月30日)現在において、当社グループが判断したものであります。

 

①法的規制等について

当社グループの事業の中には、行政、政府機関などの許可または指定を受けているものがあります。また、消費者契約法やその他の一般的な法規制の適用も受けております。

これらについて、当局による法改正がなされた場合、あるいは万一これらの規制に抵触する事態が生じた場合には、当社グループの事業活動が制限される可能性があります。

 

a.人材派遣について

人材派遣事業におきましては、「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」(以下、「労働者派遣法」)に基づき、主として一般労働者派遣事業として、厚生労働大臣の許可を受けて行っております。労働者派遣法は、労働者派遣事業の適正な運営を確保するために設けられた欠格事由に該当した場合や、法令に違反した場合に、事業許可の取り消しもしくは、業務停止などが命じられることが規定されております。

当社グループは、コンプライアンス室や内部監査室により、関連法規の遵守状況の確認を行うとともに、徹底した社員教育にも努めておりますが、当社グループ各社もしくは役職員による重大な法令違反が発生し、事業許可の取り消しや業務停止が命じられた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

b.人材紹介について

人材紹介事業におきましては、職業安定法に基づき、有料職業紹介事業として、厚生労働大臣の許可を受けて行っております。職業安定法には、職業紹介事業の適正な運営を確保するために設けられた欠格事由に該当した場合や、当該許可の取消事由に該当した場合に、厚生労働大臣により事業許可の取り消しが行われ、事業の停止が命じられることが規定されております。

当社グループは、コンプライアンス室や内部監査室により、関連法規の遵守状況の確認を行うとともに、徹底した社員教育にも努めておりますが、当社グループ各社もしくは役職員による重大な法令違反が発生し、事業許可の取り消しや業務停止が命じられた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

c.介護保険法等について

介護事業におきましては、公的介護保険法内のサービスが中心であり、サービス内容、報酬、事業所展開、運営及びその他事業全般に関して、介護保険法及び各関連法令などによる法的規制を受けております。

今後、法令の変更や報酬改定により、サービスの設計や料金体系の見直しが必要となった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

②人員の確保について

a.派遣スタッフの確保について

人材派遣事業におきましては、その事業の性質上、派遣スタッフの確保が非常に重要であります。登録スタッフの募集は、インターネットや新聞、雑誌などの広告によるものをはじめ、教育事業との連携により、専門知識を身に付けた修了生への働きかけを行い、実社会に送り出す育成型派遣にも注力しております。

また、給与や福利厚生面の充実、教育・研修などの実施によるスキル向上のサポートなどにより、派遣スタッフの満足度を高め、安定確保に努めております。

しかしながら、雇用情勢や労働需給の変化により、派遣需要に対して十分なスタッフの確保を行えなかった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

b.講師の確保について

教育事業におきましては、業界直結型の講座を展開しているため、業界の第一線で活躍する人物に講師を依頼することを原則としております。社会的ニーズの高い講座を開発するよう努めておりますが、専門性の高い講座については、講師として教授できる人物の採用が困難な場合があります。このように人材の確保が困難となった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

c.保育士の確保について

保育事業におきましては、保育士などの資格保有者の人材確保が非常に重要であります。当社グループでは、年間研修計画に基づく研修の実施やOJTによる人材育成により、保育士の採用・育成・定着を図ってまいりますが、今後保育士の確保が困難となった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

d.介護スタッフの確保について

介護事業におきましては、事業規模を維持・拡大していくため、人材の確保が非常に重要であります。

当社グループでは、介護スタッフを育成するとともに、中途採用を中心とした労働力の確保及び定着率向上のため、社内資格を設置し、教育研修制度を充実させるなどの取り組みを積極的に行っております。

しかしながら、介護スタッフの確保や配置が進まない場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③社会保険料の負担について

当社グループでは、現行の社会保険制度において社会保険加入対象者となる派遣スタッフの完全加入を徹底しております。今後、社会保険制度の改正により会社負担金額が大幅に上昇する場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

④少子化について

当社グループの教育事業においては、主要顧客層が比較的若年層に集中しております。そのため、幼児から高齢者まで幅広い年齢層を対象に、それぞれのニーズに応じた教育商品の開発を推進するとともに、新たなマーケットとして海外展開にも着手し、国内の少子化に対応した施策を進めております。

しかしながら、今後、日本における少子化が、予想を大幅に超えて急速に進行し、教育市場全体が著しく縮小した場合は、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤人材の確保と育成について

当社グループは、持続的な事業の成長を実現させるため、継続した人材の確保が必要であると考えております。特に、経営戦略や組織運営といったマネジメント能力に優れた人材の確保、育成を継続的に推進していくとともに、新卒採用や中途採用を積極的に展開し、教育研修体制を整備することで、人材の育成を図るよう努めております。

しかしながら、今後、採用環境の変化などにより、人材の確保、育成が計画通りに行えない場合には、長期的視点から、事業展開、業績及び成長見通しに大きな影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥海外での事業活動について

当社グループは、今後経済発展が見込まれる新興国を中心とした事業拡大を事業戦略の一つとしています。しかしながら海外では、予期しない法規制の変更、経済情勢の変動、テロ・戦争・その他の要因による社会的または政治的混乱などのリスクが存在します。こうしたリスクが顕在化した場合、事業活動の継続が困難になるおそれがあるため、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑦M&A(企業買収)について

当社グループは、事業拡大を加速させるうえで有効な手段となる場合や、市場において短期間で優位性の確立が見込める場合などには、M&Aを有効に活用する方針です。

M&A実施に当たっては、市場動向や顧客のニーズ、対象企業の業績、財務状況、契約関係などについて十分に事前審査を行ったうえで可否を判断いたします。

しかしながら、買収後の想定外の事態の発生や、市場動向の著しい変化により、買収事業が計画通りに展開することができず、その企業の収益性が著しく低下した場合、当社グループの業績や成長見通し及び事業展開などに大きな影響を及ぼす可能性があります。

 

 

⑧個人情報の取扱いについて

当社グループにおきましては、人材関連事業における派遣スタッフなどの個人情報、教育事業における受講生の個人情報、介護事業における利用者の個人情報を取り扱っております。

当社及びグループ各社は、個人情報を適切に取扱い、その安全性を確保することを目的として、「プライバシーマーク」(認定機関 一般財団法人日本情報経済社会推進協会)の認証を取得し、「個人情報保護方針」、「個人情報保護規程」に基づき、定期的な従業員教育を実施するなど、管理体制強化を推進しております。

しかしながら、何らかの原因により、個人情報の漏えいや不正使用などの事態が発生した場合、損害賠償請求や社会的信用の失墜などにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑨自然災害や感染症の発生について

当社グループが事業活動を行う地域において、大規模な地震・台風などの自然災害や感染症などの発生により、当社グループの顧客や従業員に人的被害が発生した場合や、校舎・施設などに損害が生じた場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

当期におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症による社会活動制限が緩和されたことから、感染拡大の防止策を講じつつ、社会経済活動のレベルが引き上げられたことにより景気の持ち直しが期待される一方で、緊迫した国際情勢、原材料価格の上昇、円安の進行などによる経済活動への影響などもあり、依然として先行き不透明な状態が続いております。

当社グループを取り巻く事業環境は、人材関連業界におきましては、国内人口減が進行する中でも人材需要は高まっており、人材の活用形態や働く価値観が多様化する中で、デジタルを駆使して就業者に最適な働き方を提供することが求められております。国内におけるIT人材の需要は引き続き旺盛であり、人材不足への対応として海外人材の活用が期待されております。また、人的資本への投資の機運が高まっており、育成型派遣など、人材サービスの付加価値向上が求められております。

教育業界におきましては、少子化を背景に教育市場は縮小傾向にありますが、新型コロナウイルス感染症を契機とするオンライン授業の定着に加え、文部科学省のGIGAスクール構想に基づく、学習ログを活用した個別最適化学習提供など、教育におけるDX推進が求められております。また、リカレント教育やリスキリングなど、人的資本への投資を背景としたスキルアップへの需要が高まっております。

介護業界におきましては、国内の高齢化率は過去最高水準となっており、30%を超えると予想される2025年を控え、介護サービスに対する需要拡大が見込まれる一方で、依然として人材不足の深刻化が重要な課題となっております。

このような状況において、当社グループでは、「サービスモデル変革と事業のリストラクチャリング」を成長戦略のテーマとし、ITツール開発・活用、サービスのコンテンツ化を推進するとともに、綱領「為世為人」、バリュープロミス「SELFing」から成る当社グループの経営理念に基づき、社会と人々に貢献すべく「人を育てる」事業、「人を社会に送り出す」事業を中心としたビジネスモデルの強化・発展に取り組みました。

 

以上の結果といたしまして、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

 

a.財政状態

当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ、2,373百万円増加し、48,694百万円となりました。

当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ、1,283百万円増加し、33,978百万円となりました。

当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ、1,090百万円増加し、14,716百万円となりました。

 

b.経営成績

当連結会計年度末の経営成績は、売上高は、前期比6.1%増の91,574百万円となりました。利益面では、人材関連事業と介護事業の減益により、営業利益は前期比8.9%減の2,253百万円、経常利益は前期比7.2%減の2,516百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比11.8%減の1,452百万円となりました。

 

セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。

 

(人材関連事業)

人材関連事業におきましては、人材派遣では、高まる人材需要に対応すべく求人投資を実施し、新規就業スタッフが増加したことから売上は順調に推移しましたが、期中の大型連休における経済社会活動正常化機運の高まりや新型コロナウイルス感染症の影響による有給取得日数の増加などから、人件費率が上昇する結果となりました。海外ITエンジニアについては、入国制限の緩和に伴い採用を強化したことで、稼働者数が増加いたしました。RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)導入支援サービスは、契約が好調に推移いたしました。

業務受託では、行政関連の案件に加え、RPA開発支援など新規案件の獲得に注力したことから好調に推移いたしました。

この結果、人材関連事業の売上高は前期比5.8%増の53,177百万円、営業利益は人件費率の上昇や人材獲得費用の増加などにより、前期比20.3%減の1,311百万円となりました。

 

 

(教育事業)

教育事業におきましては、教育のデジタル化を図る「ヒューマンアカデミーGIGAスクール構想」に基づき、学習者の不安や挫折を解消すべく、「SELFing」提供を付与した独自の学習プラットフォームである「ヒューマンアカデミーassist」のサービス提供を開始いたしました。

社会人教育事業では、引き続き授業のオンライン化、VOD化を促進いたしました。入国制限緩和の影響から、日本語教師養成講座の契約数が増加いたしました。また、就業支援事業など、行政を対象とするサービスの提案強化に努めました。

全日制教育事業では、総合学園ヒューマンアカデミーにおいて、主力であるパフォーミングアーツカレッジやマンガカレッジに加え、新たに開設したeスポーツカレッジや動画クリエイターカレッジなどを中心に在校生数が増加いたしました。

児童教育事業では、ロボット教室が堅調に推移したことに加え、STEAM教育需要の高まりから、科学教室であるサイエンスゲーツや、さんすう数学教室の在籍者数が増加いたしました。

国際人教育事業では、入国制限が緩和されたことから、日本語学校への入学が進み、在籍者数が大幅に増加いたしました。

保育事業では、登戸ナーサリーを含む4ヶ所の認可保育所を神奈川県内に開設したことにより、園児数が増加いたしました。

この結果、教育事業の売上高は前期比8.2%増の24,446百万円、営業利益は前期比74.4%増の815百万円となりました。

 

(介護事業)

介護事業におきましては、運営する施設において介護職員のマスク着用、消毒・換気などを実施し、新型コロナウイルス感染拡大の防止策を徹底しながら、安心して利用できるサービスの提供に努めました。

小規模多機能型居宅介護施設やグループホームなどでは、前期に開設した施設の利用者数が増加いたしました。また、三橋グループホーム(埼玉県)・深草グループホーム(京都府)を新たに開設いたしました。

デイサービスでは、新型コロナウイルス感染症の影響により稼働率が低下したことから、各施設の人員の再配置に注力いたしました。

各施設運営においては、介護職員の作業負担減少を図るべく、タブレット端末の導入やシステム活用を推進するとともに、人材の獲得と定着のため介護職員の処遇改善を実施いたしました。

この結果、介護事業の売上高は前期に開設した施設の利用者が堅調に推移したことなどから、前期比2.2%増の11,317百万円となりましたが、営業利益は処遇改善による人件費率の上昇や、水道光熱費の高騰などによる運営費の増加により、前期比91.6%減の20百万円となりました。

 

(その他の事業)

スポーツ事業におきましては、プロバスケットボールチーム「大阪エヴェッサ」のホームゲームが通常開催となったことにより、チケットおよびグッズ販売が回復いたしました。また、ファンクラブにおけるゴールド会員枠の拡大などを通じ、熱量の高いブースターの獲得・育成に注力いたしました。

ネイルサロン運営事業におきましては、大多数の店舗で通常営業となったことから、既存顧客の呼び戻しと新規顧客の獲得に注力いたしました。また、自社ブランド商品の拡販を図るべく、営業体制の強化に努めました。

IT事業におきましては、教育事業との連携を強化し、当社グループ内におけるDX案件を推進いたしました。

この結果、その他の事業の売上高は、前期比11.2%増の2,623百万円、営業損失は107百万円(前期は165百万円の営業損失)となりました。

 

 

②生産、受注及び販売の実績

a.提供能力

当連結会計年度における人材関連事業の派遣労働者の登録者数は、次のとおりであります。

2022年3月31日現在(人)

増加数(人)

減少数(人)

2023年3月31日現在(人)

493,952

19,261

2,583

510,630

(注)減少数につきましては、当連結会計年度において、稼働見込みのない登録派遣スタッフの登録を抹消したものであります。

 

前連結会計年度における人材関連事業の派遣労働者の登録者数は、次のとおりであります。

2021年3月31日現在(人)

増加数(人)

減少数(人)

2022年3月31日現在(人)

475,237

20,997

2,282

493,952

(注)減少数につきましては、当連結会計年度において、稼働見込みのない登録派遣スタッフの登録を抹消したものであります。

 

教育事業における受講生を収容できる教室数及び収容座席数は、次のとおりであります。

 

2022年3月31日現在

2023年3月31日現在

教室数(室)

収容座席数(席)

教室数(室)

前期比(%)

収容座席数(席)

前期比(%)

北海道・東北地区

32

750

30

93.8

614

81.9

関東地区

226

4,237

222

98.2

4,162

98.2

中部地区

48

1,062

47

97.9

1,021

96.1

近畿地区

169

3,472

170

100.6

3,218

92.7

中国・四国地区

38

529

30

78.9

423

80.0

九州・沖縄地区

85

1,563

72

84.7

1,422

91.0

海外(フランス)

15

346

15

100.0

346

100.0

合計

613

11,959

586

95.6

11,206

93.7

 

b.受注実績

該当事項はありません。

c.販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

前連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

前期比
(%)

販売高(千円)

構成比(%)

販売高(千円)

構成比(%)

人材関連事業

 

 

 

 

 

人材派遣事業

46,075,696

53.4

48,337,719

52.8

104.9

業務受託事業

2,203,831

2.6

2,732,103

3.0

124.0

人材紹介事業

1,247,754

1.4

1,162,547

1.2

93.2

その他附帯事業

717,082

0.8

945,400

1.0

131.8

小計

50,244,364

58.2

53,177,770

58.0

105.8

教育事業

 

 

 

 

 

社会人教育事業

8,104,815

9.4

8,128,153

8.9

100.3

全日制教育事業

7,092,092

8.2

7,414,376

8.1

104.5

児童教育事業

1,802,060

2.1

1,927,998

2.1

107.0

国際人教育事業

1,439,231

1.7

2,305,195

2.5

160.2

保育事業

4,161,966

4.8

4,670,978

5.1

112.2

小計

22,600,166

26.2

24,446,701

26.7

108.2

介護事業

11,075,178

12.9

11,317,110

12.4

102.2

その他

2,359,487

2.7

2,623,524

2.9

111.2

合計

86,279,197

100.0

91,565,106

100.0

106.1

 

人材関連事業における派遣スタッフ及び期間スタッフの月平均稼働人数は、次のとおりであります。

 

 前連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

 当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

前期比(%)

月平均稼働スタッフ数

12,320人

12,846人

104.3

 

教育事業における受講生の月平均人数は、次のとおりであります。

 

 前連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

 当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

前期比(%)

月平均受講生数

14,514人

16,158人

111.3

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、以下のとおりであります。

 

(売上)

当連結会計年度の売上高は、全事業において増収となったことから、前連結会計年度の86,292百万円から5,282百万円増加し、91,574百万円となりました。

 

(営業利益)

当連結会計年度の営業利益は、主に人材関連事業と介護事業の減益により、前連結会計年度の2,474百万円から220百万円減少し、2,253百万円となりました。また、売上高営業利益率は、2.5%となりました。

 

(経常利益)

当連結会計年度の経常利益は、前連結会計年度の2,711百万円から194百万円減少し、2,516百万円となりました。また、売上高経常利益率は、2.7%となりました。

 

(親会社株主に帰属する当期純利益)

当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度の1,646百万円から194百万円減少し、1,452百万円となりました。また、売上高当期純利益率は、1.6%となりました。

 

セグメント毎の経営成績に関しましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。

 

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

 

③キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

(キャッシュ・フロー)

当社グループでは、教育事業におきましては前受金として役務提供前に資金を収受し、人材関連事業及び介護事業におきましては役務提供後に売掛金の回収を行っており、それぞれキャッシュ・インの時期が異なっております。当社グループは、キャッシュマネジメントシステム(CMS)を導入しており、子会社の余剰資金を当社において集中管理し、運転資金または設備投資資金を必要とする子会社に配分して、当社グループの資金をできる限り効率的に活用しております。また、グループ全体の資金需要に応じて必要な調達も行っており、その結果、有利子負債の残高は11,270百万円となり、前連結会計年度末の10,844百万円から426百万円(前期比3.9%)増加いたしました。

 

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ1,673百万円増加し、27,169百万円となりました。

当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況とそれらの増減要因は、以下のとおりであります。

a.営業活動によるキャッシュ・フロー

当連結会計年度における営業活動による資金の増加は、2,527百万円となりました(前期は1,826百万円の増加)。これは主に、法人税等支払が774百万円あったものの、税金等調整前当期純利益が2,379百万円、減価償却費が884百万円あったことによるものであります。

b.投資活動によるキャッシュ・フロー

当連結会計年度における投資活動による資金の減少は、1,029百万円となりました(前期は1,271百万円の減少)。これは主に、教育事業の校舎の改修、保育事業の事業所の開設等の設備投資によるものであります。

c.財務活動によるキャッシュ・フロー

当連結会計年度における財務活動による資金の減少は、114百万円となりました(前期は2,099百万円の増加)。これは、長期借入金により4,000百万円を調達したものの、長期借入金の返済が3,563百万円、子会社株式の取得が220百万円、配当金の支払が331百万円あったことによるものであります。

 

(資本の財源及び資金の流動性)

当社グループの運転資金需要の主なものは、派遣スタッフの給与のほか、販売費及び一般管理費等の営業経費であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資、事業の買収等によるものであります。

当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。

短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資、事業の買収等の資金の調達につきましては、自己資金及び金融機関からの長期借入を基本としております。

なお、当連結会計年度末における有利子負債の残高は11,270百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、27,169百万円となっております。

 

なお、当社グループの主な経営指標は、次のとおりであります。

 

2021年3月期

2022年3月期

2023年3月期

自己資本比率(%)

28.8

29.4

30.2

時価ベースの自己資本比率(%)

24.1

21.1

20.6

キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)

4.1

5.9

4.5

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

121.2

89.0

87.6

(注)1.自己資本比率:自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い

2.各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。

3.株式時価総額は、自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。

4.キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を対象としております。

5【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

該当事項はありません。