第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当事業年度における我が国経済は、アジアなどの海外経済の減速や、為替変動、金利政策に対し一部に弱さが見られましたが、企業収益の改善、設備投資の回復に伴い、緩やかな回復基調にありました。雇用環境にも改善がみられましたが、消費者物価が緩やかに上昇し、個人消費には足踏みが見られました。先行きについては、海外経済の不確実性の高まりや、熊本地震の経済に与える影響などに留意が必要な状況となっております。

このような環境の中、当社の属するオンラインエンターテイメント業界におきましては、平成27年における国内ゲームアプリ市場規模は、前年比30%増の9,283億円となりました。また平成27年におけるゲーム人口は4,468万人で、そのうちアプリゲームのみをプレイするユーザーは前年より423万人増え1,834万人となり、依然として拡大を続けております(出典:ファミ通ゲーム白書2016)。

当社におきましては、平成28年4月にサービス開始1周年を迎えたスマートフォンネイティブゲーム『ゴシックは魔法乙女~さっさと契約しなさい~』が業績拡大を牽引し、通期業績を黒字化することができました。また、ゲーム資産の新たな活用方法を開拓すべく、平成27年11月にPCゲームのダウンロード販売プラットフォーム「Steam」に進出し、当事業年度中に2タイトルをリリースしました。さらには、当社の新たな収益モデルとして、広告を活用した完全無料のシューティングゲームアプリ『怒首領蜂一面番長』を平成27年12月にリリースしました。

以上の結果、当事業年度の売上高は2,344百万円(前事業年度比40.8%増)、営業利益105百万円(前事業年度は455百万円の営業損失)、経常利益103百万円(前事業年度は485百万円の経常損失)、当期純利益95百万円(前事業年度は728百万円の当期純損失)となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当事業年度における単体ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、342百万円(前事業年度末残高280百万円)となりました。
 当事業年度における各キャッシュ・フローの状況及びこれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果増加した資金は、250百万円(前事業年度は402百万円の支出)となりました。これは主に、税引前当期純利益98百万円、減価償却費83百万円、未払消費税等の増加額78百万円、その他の資産の減少額97百万円等が収入要因であったものの、貸倒引当金の減少額25百万円、未払金の減少額44百万円、未払費用の減少額40百万円等が支出要因であったことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果減少した資金は、197百万円(前事業年度は318百万円の支出)となりました。これは主に、無形固定資産の取得による支出191百万円等があったことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果増加した資金は、9百万円(前事業年度は449百万円の収入)となりました。これは、主に短期借入金の純増加額41百万円、株式の発行による収入22百万円等が収入要因であった一方で、長期借入金の返済による支出50百万円等の支出要因があったことによるものであります。

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

  該当事項はありません。

 

(2) 受注状況

  該当事項はありません。

 

(3) 販売実績

当社はインタラクティブ事業のみの単一セグメントであり、当事業年度の販売実績は次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当事業年度
(自 平成27年6月1日
 至 平成28年5月31日)

金額(千円)

前年同期比(%)

インタラクティブ事業

2,344,940

40.8

合計

2,344,940

40.8

 

 

(注) 1 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

 

相手先

前事業年度
(自 平成26年6月1日 
 至 平成27年5月31日)

当事業年度
(自 平成27年6月1日 
 至 平成28年5月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

Google Inc.

60,223

3.6

706,186

30.1

Apple Inc.

100,376

6.0

649,730

27.7

グリー株式会社

272,593

16.4

232,484

9.9

株式会社ディー・エヌ・エー

285,552

17.2

164,967

7.0

 

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

3 【対処すべき課題】

(1) 継続的な事業創出のための仕組化

当社は当期において、新規タイトルとして『怒首領蜂一面番長』をリリースいたしました。今後も定期的に新規タイトルをリリースできる体制を構築することで、継続的な事業創出のための仕組化を進めてまいります。

(2) スマートフォン等新たなゲームプラットフォームへの対応推進

今後さらに普及が予想されるスマートフォン及びタブレット端末向けプラットフォームにおいて当社のソーシャルゲーム、オンラインゲーム、コンシューマーゲームで培ったノウハウを融合し、ユーザーにより魅力的なコンテンツの提供を行うことで、事業基盤の充実を図ってまいります。

(3) システム技術・インフラの強化

当社のモバイルコンテンツ及びオンラインゲームは、インターネット上で提供していることから、システムの安定的な稼働、及び技術革新への対応が重要な課題であります。そのため、サーバー等のシステムインフラについて、継続的な基盤の強化を進めるとともに、技術革新にも迅速に対応できる体制作りに努めてまいります。

 

 

4 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
 なお、文中における将来に関する事項は、当事業年度末(平成28年5月31日現在)において当社が判断したものであります。

(1) 技術・サービスの陳腐化について

当社事業の中心であります、オンラインエンターテイメントの市場環境においては、従来の携帯電話からスマートフォン・タブレット端末等にシフトしていく環境でもあり、技術の進歩が非常に著しい分野であり、これにより提供されるコンテンツの形態も変化してまいります。また、オンラインゲームにおきましても、ハードウェアやブラウザの進化により、市場に受け入れられるコンテンツの形態が今後変化してくる可能性があります。このような技術の進歩に起因するビジネス環境の変化に当社が適切に対応できない場合、当社の経営成績に影響を与える可能性があります。

(2) システムダウンについて

当社事業においては、PC、モバイル端末(従来型携帯電話・スマートフォン・タブレット端末)などによるインターネット接続に依存しており、自然災害、事故等によりネットワークに支障がでた場合、サービスの停止を招きます。また、アクセス数の急激な増加によるサーバー負荷の増加等一時的な要因により当社又は移動体通信事業者(以下「キャリア」という)のサーバーに支障が発生したり、当社のハードウェア又はソフトウェアの欠陥により情報発信に不都合が生じたり、システムが停止する可能性があります。更に、外部からの不正な手段によるコンピュータへの侵入等の犯罪、ウィルス等の感染、当社担当者の過誤等により当社や取引先のシステムに支障が生じる可能性があります。当社において合理的と考える対策を講じておりますが、こうした障害が発生した場合、当社に直接弊害が生じるほか当社システムへの信頼低下を招く可能性があり、当社の業績に影響を与える可能性があります。

(3) 個人情報の管理について

当社が保管する個人情報については、厳重に社内管理をしており、かつ全役職員へ情報管理の周知徹底を図っているため、当社においてこれまでに判明した個人情報の流出はございません。個人情報が蓄積されているデータベースサーバーは、ID、パスワード等を厳重に管理することにより、同サーバーへアクセス出来る人数を絞りこんでおります。上記のとおり対策は打っているものの、外部からの不正アクセス等により、個人情報が外部に流出する可能性は存在します。個人情報が流出した場合、当社への損害賠償請求、社会的信用の喪失等により、当社の経営成績に影響を与える可能性があります。

(4) 法的規制等について

現在、当社が営む事業については、事業活動を直接に規制するような法的規制はありません。しかしながら、将来的にインターネット及びデジタルコンテンツ関連事業者を対象にした法的規制が整備された場合、当社の事業活動に影響を与える可能性があります。

(5) 競合について

当社が営む事業の市場環境は、当社と類似のサービスを提供する事業者が多数存在し、また大きな参入障壁もなく新規の参入も相次いでおります。また、当社の事業は特許等により保護されているものではありません。当社事業におけるスマートフォンネイティブゲームでは、主要なアプリマーケットである「App Store」や「Google Play」からサービスを提供しておりますが、すべてのゲームが同じ環境で提供されるため、厳しい競合関係にあり、提供するゲームの人気によって当社の業績は大きく左右されます。ブラウザーゲームおよびPCオンラインゲームにおきましては、携帯キャリア向け公式サイトでの集客ノウハウを活かし、オンラインコミュニティの構築を図ってまいりました。当社ではこれらの強みを生かして今後も事業の強化を図ってまいりますが、競合の状況如何によっては、当社の経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(6) 経営上の重要な契約について

現在の当社事業における経営上の重要な契約は、コンテンツ情報提供に関し著作物等の許諾及び協力に関する業務協力会社の契約等があります。当社は、これらの契約について継続を予定しております。しかしながら、各相手先が、事業戦略の変更等から、これらの契約の継続を全部もしくは一部拒絶した場合、または契約内容の変更等を求めてきた場合、解除その他の理由で本契約を終了させた場合には、当社の経営成績及び今後の事業展開が影響を受ける可能性があります。当社のコンテンツ事業は版権元より著作権、著作隣接権等の使用許可を得ているものがあります。版権元が独自に同様の展開を行った場合、あるいは優良版権を獲得できなかった場合、当社の業績に影響を与える可能性があります。また、版権元との契約において、最低保証料の支払いが義務付けられる場合もあります。

(7) 労務の状況について

当社は、今後の業容拡大に伴い適切な人材の充実が必要であると考えており、中途採用による即戦力となる人材の確保に努めております。また、社員に対するストックオプション制度の導入を行うこと等により、従業員の定着を図っております。しかしながら、今後当社が必要とする人材が適時確保できない場合は、当社の業績に影響を与える可能性があります。また、中核となる社員が退職した場合においても、当社の業績に影響を与える可能性があります。

(8) 新しいハードウェアの普及について

スマートフォンの普及が急速に進んでおり、あわせて今後はタブレット端末が普及すると見られており、スマートフォン及びタブレット端末上で流通するコンテンツは全世界が対象顧客となることから、その市場規模は大幅に拡大する可能性があります。一方で、日本において、既存の携帯電話から、スマートフォンへの乗り換えにより、課金の仕組やユーザーのモバイルコンテンツの利用動向に変化が生じる可能性があります。当社もスマートフォン向けのコンテンツを積極的に投入し新たな収益機会の獲得に努める方針ですが、想定通りに顧客獲得が進まない場合や課金が思うように進まない場合には、当社の業績に影響を与える可能性があります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

当事業年度の研究開発活動は、人々に「楽しさ」「感動」「夢」を与えるような顧客満足度の高いコンテンツを提供するため、日々技術革新を続ける、スマートフォン・タブレット等のハードへの確実な技術対応をベースに、オリジナルタイトルの創作、新規コンテンツの企画開発のために研究開発に取り組んでおります。
 当事業年度における研究開発費の総額は35百万円であります。

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたって、必要と思われる見積りは合理的な基準に基づき実施しております。詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等」の「重要な会計方針」に記載しております。

 

(2) 資産、負債及び純資産の状況

(資産)

総資産は、前事業年度末に比べて87百万円増加し1,071百万円となりました。これは主に、現金及び預金62百万円の増加、未収入金14百万円の減少等により、流動資産が47百万円増加したことと、ソフトウエア56百万円、長期未収入金127百万円の減少、ソフトウェア仮勘定177百万の増加、貸倒引当金63百万円戻入れ等により、固定資産が40百万円増加したことによるものであります。

(負債)

負債は、前事業年度末に比べて31百万円減少し451百万円となりました。これは主に、短期借入金41百万円、未払消費税等68百万円等が増加した一方で、1年内返済予定の長期借入金50百万円、未払金44百万円、未払費用40百万円等が減少したことによるものであります。

(純資産)

純資産は、前事業年度末に比べて118百万円増加し619百万円となりました。これは主に、資本金11百万円、資本剰余金11百万円、利益剰余金95百万円の増加等によるものであります。

 

(3) 資本の財源及び資金の流動性についての分析

 (キャッシュ・フロー)

当事業年度における現金及び現金同等物は前事業年度末に比べて62百万円増加し、342百万円となりました。

営業活動により250百万円の資金を獲得し、投資活動により197百万円の資金を使用しました。財務活動については9百万円の資金を調達しました。

 各項目の主な要因については、「1 業績等の概要(2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

(4) 経営成績の分析

① 売上高

当事業年度の売上高は、平成28年4月にサービス開始1周年を迎えたスマートフォンネイティブゲーム『ゴシックは魔法乙女~さっさと契約しなさい~』が好調に推移し、業績を牽引した結果、当事業年度における売上高は、2,344百万円(前事業年度比40.8%増)となりました。

 

② 売上原価、売上総利益

当事業年度の売上原価は、人件費の抑制など、経営効率の向上を進めた結果減少いたしました。一方で売上高が増加した結果、売上総利益は1,525百万円となり、売上高総利益率は65.1%となりました。

 

③ 販売費及び一般管理費、営業利益

当事業年度の販売費及び一般管理費は、1,419 百万円となりました。主な内訳は、モバイルオンラインゲームを用いた利用者からの利用料金回収代行に係る手数料638百万円、給与手当160百万円、各ゲームのプロモーション活動等による広告宣伝費270百万円、研究開発費35百万円等によるものであります。

この結果、営業利益は105百万円となりました。

 

④ 営業外損益及び経常利益

営業外収益は6百万円となりました。これは前受金消却益5百万円等によるものであります。

営業外費用は、9百万円となりました。これは主に、新株予約権発行費5百万円、支払利息2百万円等によるものであります。

この結果、経常利益は103百万円となりました。

 

⑤ 特別損益

特別利益は新株予約権戻入益による0百万円、特別損失は減損損失による5百万円等をそれぞれ計上したことによるものであります。

 

⑥ 当期純利益

当期純利益は95百万円となり、1株当たりの当期純利益は、39円41銭となりました。