第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在(2025年5月31日現在)において当社グループが判断したものであります。

 

(1)継続的な事業創出のための仕組化

当社グループは、新たな収益基盤を確立するために、ゲーム事業セグメントにおいて、シューティングゲームの金字塔「東方Project」のIP許諾を受け、新規スマートフォンゲーム「東方幻想エクリプス」をリリースいたしました。今後も新規サービスを順次リリースできる体制を構築することで、継続的な事業創出のための仕組化を進めてまいります。

また、グループ全体の成長を、より確実性の高いものとし、企業価値を向上させるためにゲーム事業の他に、安定的な利益が得られる事業に参入するなど、さらなる事業ポートフォリオの改善に取組み、M&Aを推進するなど収益性の高い事業への参入を検討してまいります。

 

(2)多様化したユーザー獲得手法の最適な選択

売上拡大の基盤であるユーザーのさらなる獲得のためには、多様化する市場やニーズに適宜対応し、その手法の中から最適なものを選択し続けることが必要と考えております。既存の手法に固執することなく、様々な手法を吟味し、その時々に合った最適な手法を選択実行できるよう対応してまいります。

 

(3)コンテンツのリッチ化への対応推進

スマートフォン及びタブレット端末の高機能化、通信環境の進化により、サービスコンテンツのリッチ化が進み、アプリケーション開発のコストと時間が増大しております。当社グループにおいては、スマートフォンゲームの受託開発や製作委員会の組成等により、すべてのリスクを当社グループが負担するのではなく、コストや時間などのリスクを数社で協力してシェアする方法でコンテンツのリッチ化に対応してまいります。

 

(4)システム技術・インフラの強化

当社のモバイルコンテンツ及びオンラインゲームは、インターネット上で提供していることから、システムの安定的な稼働及び技術革新への対応が重要な課題であります。そのため、サーバー等のシステムインフラについて、継続的な基盤の強化を進めるとともに、技術革新にも迅速に対応できる体制作りに努めてまいります。

 

(5)動画配信マネジメント、SNS広告を利用したシナジー効果の創出

当社グループは、従来のモバイルオンラインゲーム事業に加えて、インターネット動画配信者へのサポート・マネジメントやSNS広告事業を行っております。これにより双方のコンテンツの特性を相互に利用し、相乗効果を生み出しながら売上の増大を目指してまいります。

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在(2025年5月31日現在)において当社グループが判断したものであります。

 

  (1)サステナビリティに関する基本的な考え方

当社は、「身近な社員を幸せにすることでエンドユーザーも幸せにする」を企業理念として、当社グループの属するゲーム、ライブ配信、エンターテインメント領域において、様々な社会的問題を解決することを存在意義としております。当社グループはこれらの問題に解決するまで継続的に取組み、このような取組みを通じて身近な社員、エンドユーザーを幸せにし、ひいては持続可能な社会の実現に向けた責任を果たすことで、永続的な成長及び企業価値の向上に努めてまいります。

 

  (2)ガバナンス及びリスク管理

当社は、中長期的な企業価値向上の観点から、サステナビリティに関する課題への対応は、経営上、重要な事項であると認識しております。

サステナビリティに関する当該課題についての基本的な方針は、常勤役員及び各部門長が参加する経営会議で決定いたします。決定された方針に従い、当該経営会議において協議を行い、サステナビリティに関するリスク及び機会を識別、評価及び管理するための体制を構築いたします。

当該経営会議にて協議された内容は、定期的に取締役会に報告され、監督助言を受けることで、適時適切に監視、管理される体制となっております。個別のリスクを含むリスクマネジメントの詳細につきましては、「3 事業等のリスク」をご参照ください。

 

  (3)サステナビリティ全般に対する戦略、指標及び目標

当社グループのビジネスにおいては、人的資本に関する課題を継続的なサービスの提供及び持続的な成長を目指す上で重要な経営課題と捉えており、以下「(4)人的資本に関する戦略」及び「(5)人的資本に関する指標及び目標」に記載の通り、取り組みを進めております。

その他のサステナビリティに関する戦略、指標及び目標は、現時点においては、定めておらず、現状、分析及び対応策について協議を行っております。

 

  (4)人的資本に関する戦略

当社グループは、ゲーム、ライブ配信、エンターテインメント領域に事業基盤を置いており、常に新しいクリエイティブな発想を追求し続けることが、持続的な成長及び企業価値の向上に重要な要素であると考えております。クリエイティブな発想は多様な思考をもった人材の確保維持と良好なコミュニケーション環境を提供することが重要であるという認識に立ち、人材育成・確保及び社内環境整備に関する方針を策定しております。

 

 <人材育成・確保及び社内環境整備に関する方針>

当社では、年齢・性別・国籍を問わず多様性の確保を含めた人材の育成・強化のため、年次有給休暇の取得促進や適正な労働時間の管理、公正公平な評価・処遇、福利厚生制度の拡充、労務に関する研修(ハラスメント研修等)の実施など、労働環境の整備に努めることを方針としております。

 

  (5)人的資本に関する指標及び目標

当社グループは、常に新しいクリエイティブな発想を追求し続けることが、持続的な成長及び企業価値の向上に重要な要素であると考えており、人材育成・確保及び社内環境整備に関する方針のもと、従業員の多様性、働きやすい環境の整備、性別・国籍・在籍年数にとらわれない最適な人材登用を基本として継続的な人材確保に向けて取組んでおります。

人材育成・確保及び社内環境整備に関する方針について、次の指標を用いております。当該指標に関する目標及び実績は、次の通りであります。当社においては、関連する指標のデータ管理とともに、具体的な取組みが行われているものの、連結グループに属する全ての会社では、行われていないため、当社及び連結子会社の一部を対象に記載しております。

指標

目標

実績(当連結会計年度)

女性従業員の割合

50

20

男性育児休業取得率

50

50

 

 

 

3 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項を記載しております。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(2025年5月31日現在)において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 技術・サービスの陳腐化について

当社グループ事業の中心であります、オンラインエンターテインメントの市場環境においては、スマートフォン・タブレット端末等の機能が急速な進化を続けているため、これにより提供されるコンテンツの形態やサービスも変化してまいります。また、PCゲームにおきましても、ハードウエアやブラウザの進化により、市場に受け入れられるコンテンツの形態やサービスが今後変化する可能性があります。ビジネス環境の変化に当社グループが適切に対応できない場合、当社グループの将来の業績に影響を与える可能性があります。

 

(2) システムダウンについて

当社グループ事業においては、PC、モバイル端末(スマートフォン・タブレット端末)などによるインターネット接続に依存しており、自然災害、事故等によりネットワークに支障がでた場合、サービスの停止を招きます。また、アクセス数の急激な増加によるサーバー負荷の上昇等の一時的な要因により、当社グループ又は移動体通信事業者のサーバーに支障が発生したり、当社グループのハードウエア又はソフトウエアの欠陥により情報発信に不具合が生じたり、システムが停止する可能性があります。更に、外部からの不正な手段によるコンピュータへの侵入等の犯罪、ウイルス等の感染、当社担当者の過誤等により当社グループや取引先のシステムに支障が生じる可能性があります。当社グループにおいて合理的と考える対策を講じておりますが、こうした障害が発生した場合、当社グループに直接損害が生じるほか当社グループシステムへの信頼低下を招く可能性があり、当社グループの将来の業績に影響を与える可能性があります。

 

(3) 個人情報の管理について

当社グループが保管する個人情報については、厳重に社内管理をしており、かつ全役職員へ情報管理の周知徹底を図っているため、当社グループにおいてこれまでに判明した個人情報の流出はございません。個人情報が蓄積されているデータベースサーバーは、ID、パスワード等を厳重に管理することにより、同サーバーへアクセス出来る人数を絞りこんでおります。上記のとおり対策は打っているものの、外部からの不正アクセス等により、個人情報が外部に流出する可能性は存在します。個人情報が流出した場合、当社グループへの損害賠償請求、社会的信用の喪失等により、当社グループの将来の業績に影響を与える可能性があります。

 

(4) 法的規制等について

現在、当社グループが営む事業については、事業活動を直接的に規制するような法的規制はありません。しかしながら、将来的にインターネット及びデジタルコンテンツ関連事業者を対象にした法的規制が整備された場合、当社グループの事業活動に影響を与える可能性があります。

 

 

(5) 競合について

当社グループが営む事業の市場環境は、当社グループと類似のサービスを提供する事業者が多数存在し、また大きな参入障壁もなく新規の参入も相次いでおります。また、当社グループの事業は特許等により保護されているものではありません。当社グループ事業におけるスマートフォン向けネイティブゲームでは、主要なアプリマーケットである「App Store」や「Google Play」からサービスを提供しておりますが、すべてのゲームが同じ環境で提供されるため、厳しい競合関係にあり、提供するゲームの人気によって当社グループの業績は大きく左右されます。当社グループでは、今後も事業の強化を図ってまいりますが、競合の状況如何によっては、当社グループの将来の業績に影響を与える可能性があります。

 

(6) 経営上の重要な契約について

現在の当社グループ事業における経営上の重要な契約は、コンテンツ情報提供に関し著作物等の許諾及び協力に関する業務協力会社の契約等があります。当社グループは、これらの契約について継続を予定しておりますが、各相手先が、事業戦略の変更等から、これらの契約の継続を全部もしくは一部拒絶した場合、または契約内容の変更等を求めてきた場合、解除その他の理由で契約を終了させた場合には、当社グループの経営成績及び今後の事業展開が影響を受ける可能性があります。当社グループのコンテンツ事業は版権元より著作権、著作隣接権等の使用許可を得ているものがあります。版権元が独自に同様の展開を行った場合、あるいは優良版権を獲得できなかった場合、当社グループの将来の業績に影響を与える可能性があります。また、版権元との契約において、最低保証料の支払いが義務付けられる場合もあります。

 

(7) 労務の状況について

当社グループは、今後の業容拡大に伴い適切な人材の充実が必要であると考えており、中途採用による即戦力となる人材の確保に努めております。しかしながら、今後、当社グループが必要とする人材が適時確保できない場合は、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。また、中核となる社員が退職した場合においても、当社グループの将来の業績に影響を与える可能性があります。

 

(8) スマートフォン及びタブレット端末の普及について

スマートフォンの普及が全世界で急速に進んでおり、あわせてタブレット端末の普及も進んでおります。スマートフォン及びタブレット端末において流通するコンテンツは全世界が対象顧客となることから、その市場規模は大幅に拡大しております。日本においても、スマートフォン及びタブレット端末の普及が進んでおり、課金の仕組やユーザーのモバイルコンテンツの利用動向は日々変化しております。当社グループもスマートフォン向けのコンテンツを積極的に投入し、新たな収益機会の獲得に努めておりますが、想定通りに顧客獲得が進まない場合や課金が思うように進まない場合には、当社グループの将来の業績に影響を与える可能性があります。

 

(9) 内部管理体制について

当社グループは、コーポレートガバナンスの強化及び充実を経営の重要課題と位置づけ、内部統制が有効に機能する体制の構築、整備、運用に努めています。しかしながら、事業の拡大等により、十分な内部管理体制の構築が追い付かないという状況が生じた場合、適切な業務運営、管理体制の構築が困難となり、当社グループの将来の業績に影響を与える可能性があります。

 

(10) 知的財産権について

当社グループでは、第三者が保有する知的財産権を侵害しないよう、社内の確認体制を構築するとともに、必要に応じて弁護士、弁理士に確認するなど、十分に注意を払っていますが、当社グループが運営するサービスにおいて第三者の知的財産権の侵害等が発覚した場合、当該第三者より損害賠償や使用差し止め、当該権利使用のための対価の支払いを請求される可能性があり、その場合には当社グループの将来の業績に影響を与える可能性があります。

 

(11) M&A等による成長・拡大について

当社グループの事業の成長・拡大を効率的に行うため、国内外を問わずM&Aや業務提携等を検討・実行しております。M&Aの実施にあたり、対象企業の財務内容や契約関係などについての詳細な事前審査を行い、十分にリスクの検討をしておりますが、事前の調査によっても把握できなかった問題が生じた場合や、その対象企業との競合又は提携先との関係構築や強化が計画通りに進捗しない場合、提携により当初想定した事業のシナジー効果等が得られない場合、その他何らかの理由により当該提携を解消した場合においては、投資に要した資金や時間その他の負担に見合った利益を回収できないなど、当社グループの将来の業績に影響を与える可能性があります。

 

(12) 決済代行業者が提供する決済プラットフォームについて

当社グループは、決済代行業者が提供する決済プラットフォームを利用して、サービスの利用料や販売代金の回収を行っております。当社は決済代行業者との良好な関係を維持しておりますが、決済代行業者の経営方針が変更された場合や、当社と決済代行業者との関係が悪化した場合、当社グループの将来の業績に影響を与える可能性があります。

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

 ① 経営成績の状況

当連結会計年度(2024年6月1日~2025年5月31日)における我が国経済は、雇用・所得環境の改善やインバウンド需要の拡大により、緩やかな回復基調が続きました。一方で、アメリカの通商政策の不確実性や世界的な資源エネルギー価格及び原材料価格の高騰による物価上昇が消費者マインドに悪影響を及ぼすことが懸念されるなど、依然として先行き不透明な状況が続いております。
 このような環境のもと、当社グループでは、人気タイトルの運営を通じて堅実な収益基盤を確保するとともに、IP資産のグローバル展開を見据え、アジア地域を起点とした海外市場への進出を積極的に進めております。

 

 

前連結会計年度

(自 2023年6月1日

  至 2024年5月31日)

当連結会計年度

(自 2024年6月1日

   至 2025年5月31日)

前期比

増減率

売上高(百万円)

12,274

13,969

13.8%

営業利益(百万円)

1,870

1,133

△39.4%

経常利益(百万円)

1,943

1,131

△41.8%

親会社株主に帰属する

当期純利益(百万円)

1,475

246

△83.3%

 

 

 この結果、当社グループの当連結会計年度の業績は、売上高13,969百万円(前期比13.8%増加)、営業利益1,133百万円(前期比39.4%減少)、経常利益1,131百万円(前期比41.8%減少)、親会社株主に帰属する当期純利益246百万円(前期比83.3%減少)となりました。

 

 当連結会計年度のセグメントごとの業績は次のとおりであります。

 

イ. ゲーム事業

 

 「ゴシックは魔法乙女~さっさと契約しなさい!~」(以下、「ゴシックは魔法乙女」といいます。)は、サービス開始10周年を記念し、多彩なキャンペーンやゲーム内イベントを実施することで、ユーザー満足度の向上に努めました。
 5月には10周年を記念して、秋葉原でファンミーティングを開催し、声優の方々によるトークショー、楽曲制作者によるミニライブの実施、10周年を振返るパネルの展示、オリジナルグッズの販売等を通じて、ユーザーの皆様と直接交流し、エンゲージメントを深める機会を創りました。
 今後も、ユーザーの皆様とのつながりを大切にし、より長く愛されるコンテンツとなるよう、一層努力してまいります。

 「東方幻想エクリプス」は、ユーザーの「推し」で競う勢力対抗戦イベントやリリース1.5周年を記念した「ハーフアニバーサリー」イベントを開催し、ユーザーの満足度を高める施策を行いました。

 5月5日に東京ビッグサイトで開催された「第二十二回博麗神社例大祭」に出展し、キャラクターイラストを使用したグッズ販売や試遊コーナーを設置する等、ゲームの魅力をお伝えし、ファンとの交流を図りました。

 ローソンプリント、ミニストッププリントにおいて「東方幻想エクリプス」ブロマイドを期間限定で販売し、認知度の拡大に努めております。

 また、台湾地域において「東方幻想エクリプス」繁体字版を7月下旬にリリースいたしました。アジア地域を足掛かりに海外マーケットにおける収益の獲得を目指して参ります。
 IPの魅力を多面的に発信し、国内外のファン層拡大と中長期的な成長基盤の構築を進めています。
 
 連結子会社である株式会社でらゲーでは、主要ゲームである「モンスターストライク」が人気IPとのコラボイベントなどにより好調に推移し、引き続き当社グループの売上に大きく貢献しております。
 「キングダム乱 -天下統一への道-」は、2025年2月にサービス開始から7周年を迎え、安定した運営を継続しております。日頃の感謝を込めて、初の公開収録イベントを開催し、観覧者特典としてノベルティグッズの配布や運営チームが直接質問に答えるコーナーの実施など、顧客エンゲージメントの強化に取組んでおります。今後もIPの魅力を最大限に活かし、長期的な収益基盤の維持を図っていきます。
  「メテオアリーナ」は、ユーザーの皆様に、よりご満足頂けるサービスを提供するため、大幅なリニューアル・バージョンアップが必要と判断し、2025年3月から長期のメンテナンスを実施いたしました。6月25日にタイトル名を「メテオアリーナ・スターズ」へとリニューアルし、リブート版をリリースいたしましたが、今後の事業計画を慎重に精査した結果、想定していた収益の獲得が困難であると判断し、減損損失を計上しております。

 

 

前連結会計年度

(自 2023年6月1日

至 2024年5月31日)

当連結会計年度

(自 2024年6月1日

至 2025年5月31日)

前期比

増減率

売上高(百万円)

12,026

12,824

6.6%

セグメント利益(百万円)

1,938

1,115

△42.5%

 

 

 これらの結果、ゲーム事業セグメントにおける売上高は12,824百万円(前期比6.6%増加)となり、セグメント利益は1,115百万円(前期比42.5%減少)となりました。

 

 ロ. 動画配信関連事業

 

連結子会社である株式会社capableのライブ配信事業及びYouTube事業においては、効率的な運営体制の構築を進め、利益率の改善を図ることで、引き続き安定した収益の確保に努めております。
 また、成長戦略の一環として参入した店舗事業においては、顧客満足度の向上を軸に、組織体制の見直しや人材育成を重視し、集客力やブランディングの強化に取組んでおります。
 当期より連結子会社となった株式会社サクセスプラスは、のれん償却費を上回る利益水準を継続しており、今後も受託事業を中心に安定的な収益を確保するとともにライセンス事業への参入を通じて、海外マーケットにおける収益の獲得を目指して参ります。

 

 

前連結会計期間

(自 2023年6月1日

至 2024年5月31日)

当連結会計期間

(自 2024年6月1日

至 2025年5月31日)

前期比

増減率

売上高(百万円)

247

1,144

362.3%

セグメント利益(百万円)

△67

18

 

 

これらの結果、動画配信関連事業セグメントにおける売上高は1,144百万円(前期比362.3%増加)となり、セグメント利益は18百万円(前期はセグメント損失67百万円)となりました。

 

 ② 財政状態の状況

(総資産)

 当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べて1,108百万円減少し13,248百万円となりました。主な内訳は、現金及び預金6,199百万円、売掛金1,073百万円、未収入金569百万円、ソフトウエア296百万円、ソフトウエア仮勘定1,903百円、投資有価証券869百万円、長期貸付金431百万円、保険積立金460百万円であります。

 

(負債)

 当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末に比べて589百万円減少し6,981百万円となりました。主な内訳は、買掛金694百万円、未払金1,055百万円、未払法人税等206百万円、未払消費税等122百万円、契約負債74百万円、長期借入金962百万円、長期未払金2,804百万円、繰延税金負債288百万円であります。

 

(純資産)

 当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べて519百万円減少し6,266百万円となりました。主な内訳は、資本金182百万円、資本剰余金625百万円、利益剰余金5,429百万円、自己株式△1,200百万円、新株予約権1,080百万円、非支配株主持分45百万円であります。

 

③ キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、6,192百万円となりました。

 当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況及びこれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果増加した資金は、922百万円となりました。これは主に、未収入金の減少額70百万円、法人税等の還付額66百万円、利息及び配当金の受取額61百万円の収入要因がありましたが、法人税等の支払額575百万円、利息の支払額101百万円、売上債権の増加額88百万円の支出要因があったことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果減少した資金は、1,347百万円となりました。これは主に、無形固定資産の取得による支出1,085百万円、子会社株式の取得による支出779百万円の支出要因がありましたが、保険積立金の解約による収入358百万円、出資金の払戻による収入173百万円の収入要因があったことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果増加した資金は、279百万円となりました。これは主に、長期借入れによる収入460百万円、非支配株主からの払込みによる収入210百万円の収入要因がありましたが、長期借入金の返済による支出239百万円、配当金の支払いによる支出90百万円の支出要因があったことによるものであります。

 

 

 ④ 生産、受注及び販売の状況

 a. 生産実績

  該当事項はありません。

 

 b. 受注実績

該当事項はありません。

 

 c. 販売実績

  当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当連結会計年度
(自 2024年6月1日
 至 2025年5月31日)

金額(千円)

前年比(%)

ゲーム事業

12,824,240

106.6

動画配信関連事業

1,144,915

462.3

合計

13,969,156

113.8

 

(注) 1 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

 

相手先

前連結会計年度
(自 2023年6月1日
  至 2024年5月31日)

当連結会計年度
(自 2024年6月1日
 至 2025年5月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

株式会社MIXI

7,450,541

60.7

7,261,936

51.9

Apple Inc.

2,985,004

24.3

 3,478,463

24.9

Google LLC

1,383,935

11.3

 1,671,694

11.9

 

 

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

 ① 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づき作成されております。当社グループが採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等」の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。この連結財務諸表の作成にあたって、必要と思われる見積りは合理的な基準に基づき実施しており、重要なものは以下のとおりでございます。

 

 a. 無形固定資産(ソフトウエア、ソフトウエア仮勘定)の減損

当社グループは、無形固定資産(ソフトウエア、ソフトウエア仮勘定)について、割引前将来キャッシュ・フローが帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定にあたっては慎重に検討しておりますが、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じた場合は、追加の減損損失が計上される可能性があります。

 

 ② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 

 a. 売上高

「ゴシックは魔法乙女」は10周年を迎え、キャンペーンやファンイベントを通じてユーザーとの交流を深めました。また、「東方幻想エクリプス」は1.5周年を迎え各種イベントを実施するなど、ユーザーの満足度を高める施策を行いました。IPの魅力を多面的に発信し、国内外のファン層拡大と中長期的な成長基盤の構築を進めています。

連結子会社である株式会社でらゲーでは、主要ゲームである「モンスターストライク」が好調に推移し、「キングダム乱 -天下統一への道-」も2025年2月に7周年を迎え、安定した運営を継続しています。その結果、当連結会計年度における売上高は、13,969百万円となりました。

 

 b. 売上原価、売上総利益

当連結会計年度の売上原価は、人気タイトルの売上拡大を目指す施策の実施に伴い、ゲーム事業関連原価が増加しました。その結果、当連結会計年度における売上原価は、8,738百万円、売上総利益は、5,230百万円となり、売上高総利益率は37.44%となりました。

 

 c. 販売費及び一般管理費、営業利益

当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、4,096百万円となりました。主な内訳は、モバイルオンラインゲームを用いた利用者からの利用料金回収代行に係る手数料1,488百万円、役員報酬705百万円、給与手当106百万円、プロモーション活動等による広告宣伝費及び販売促進費539百万円、研究開発費118百万円、外注費227百万円等によるものであります。この結果、営業利益は、1,133百万円となりました。

 

 d. 営業外損益及び経常利益

営業外収益は、匿名組合投資利益98百万円や保険解約返戻金81百万円等を計上し、252百万円となりました。

営業外費用は、貸倒引当金繰入額107百万円、為替差損69百万円や支払利息53百万円等を計上し、254百万円となりました。

この結果、経常利益は1,131百万円となりました。

 

 e. 特別損益

特別利益は、固定資産売却益9百万円を計上しております。

特別損失は、減損損失1,366百万円、出資金評価損51百万円、関係会社出資金評価損51百万円、投資有価証券評価損42百万円、関係会社株式評価損10百万円を計上しております。

この結果、税金等調整前当期純損失は、379百万円となりました。

 

 f. 当期純利益

法人税、住民税及び事業税321百万円、法人税等調整額△86百万円を計上しました。

この結果、当期純損失は614百万円となり、1株当たりの当期純利益は、40円90銭となりました。

 

(3) 資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社グループの資金需要のうち主なものは、ゲーム事業の開発・運営に係る人件費、外注費及び広告宣伝費等の運転資金と新規事業に対する設備投資資金があります。

当社グループでは、運転資金は主として自己資金及び借入金等により資金調達をしておりますが、大規模なプロモーション費用や新規事業に対する設備投資資金につきましては、必要に応じて資本性の資金調達を実施しております。

当連結会計年度においては、営業活動により922百万円の収入、投資活動により1,347百万円の支出、また財務活動により279百万円の資金を調達しております。

各項目の主な要因については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

5 【重要な契約等】

  該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

当連結会計年度の研究開発活動は人々に、「楽しさ」「感動」「夢」を与えるような顧客満足度の高いコンテンツを提供するため、日々、技術革新を続けるスマートフォン・タブレット等のハードへの確実な技術対応をベースに、オリジナルタイトルの創作、新規コンテンツの企画開発のための研究開発に取り組んでおります。
 当連結会計年度における研究開発費の総額は118,658千円となりました。

 

今後も、ユーザー体験の向上と技術的な差別化を図るため、継続的な研究開発投資を実施してまいります。

 

第3 【設備の状況】

 

1 【設備投資等の概要】

当連結会計年度における設備投資の総額は94,817千円であり、その主なものは、事業用の建物付属設備並びに工具器具及び備品であります。

 

2 【主要な設備の状況】

(1) 提出会社

2025年5月31日現在)

事業所名
(所在地)

セグメントの名称

設備の内容

帳簿価額(千円)

従業員数(名)

建物

工具、器具
及び備品

ソフト

ウエア

その他

合計

本社
(東京都目黒区)

ゲーム

事業

ソフトウエア

296,634

296,634

37

(―)

本社
(東京都目黒区)

全社

(共通)

総括業務及び事務業務

本社機能

303

12,338

12,641

5

(―)

 

(注) 1 建物は賃借物件であり、本社事務所の年間賃借料は77,633千円であります。

   2 帳簿価額には、ソフトウエア仮勘定の金額を含んでおりません。

   3 現在休止中の設備はありません。

     4 従業員数の( )は、臨時従業員数を外書しております。

 

(2) 国内子会社

2025年5月31日現在)

会社名

事業所名
(所在地)

セグメントの名称

設備の内容

帳簿価額(千円)

従業員数(名)

建物

工具、器具
及び備品

ソフト

ウエア

合計

株式会社capable

渋谷事務所
(東京都渋谷区)

動画配信

関連事業

店舗

2,642

2,499

100

5,241

(―)

株式会社capable

本社
(東京都目黒区)

全社

(共通)

総括業務及び事務業務

本社機能

(1)

株式会社でらゲー

本社
(東京都渋谷区)

ゲーム事業

開発設備

10,710

10,710

92

(―)

株式会社でらゲー

本社
(東京都渋谷区)

全社

(共通)

総括業務及び事務業務本社機能

80,891

29,886

110,777

8

(―)

株式会社サクセスプラス

本社
(東京都品川区)

動画配信

関連事業

開発設備

4,327

76

4,403

54

(―)

株式会社サクセスプラス

本社
(東京都品川区)

全社

(共通)

総括業務及び事務業務

本社機能

9,175

1,245

10,420

3

(―)

 

 (注) 1 建物は賃借物件であり、株式会社capableの本社事務所及び渋谷事務所の年間賃借料はそれぞれ5,145千円及び15,708千円であります。また、株式会社でらゲーの本社事務所の年間賃借料は5,412千円、株式会社サクセスプラスの本社事務所の年間賃借料は38,624千円であります。

    2 帳簿価額には、ソフトウエア仮勘定の金額を含んでおりません。

      3 現在休止中の設備はありません。

      4 従業員数の( )は、臨時従業員数を外書しております。

 

(3) 在外子会社

2025年5月31日現在)

会社名

事業所名
(所在地)

セグメントの名称

設備の内容

帳簿価額(千円)

従業員数(名)

建物

工具、器具
及び備品

合計

DELUXE GAMES SDN.BHD.

本社
(マレーシア)

ゲーム事業

開発設備

2,331

2,331

19

(―)

DELUXE GAMES SDN.BHD.

本社
(マレーシア)

全社

(共通)

総括業務及び事務業務

本社機能

177

177

3

(―)

 

(注) 1 建物は賃借物件であり、本社事務所の年間賃借料は22,580千円であります。

   2 現在休止中の設備はありません。

 

3 【設備の新設、除却等の計画】

(1)当連結会計年度において新たに確定した重要な設備の新設計画

当連結会計年度において新たに確定した重要な設備の新設計画はありません。

 

(2) 重要な設備の除却等

当連結会計年度末において、経常的な設備の更新のための改修を除き、重要な設備の除却、売却等の新たな計画はありません。