(1)業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、政府による経済政策が第2ステージ(新3本の矢)へ移行しつつある中で、個人消費が底堅い動きを示すとともに、堅調な企業業績を背景に雇用環境には量的改善から質的改善への変化の兆しが見られ、全体としては緩やかな回復基調にありました。
しかしながら、国内では年初から円高が進み、海外では地政学リスクが依然として高まっており、中国をはじめとするアジア新興国や資源国等の景気減速の顕在化、原油価格の急激な変動とともに引き続き国内景気を押し下げるリスク要因となっております。
このような環境のもと、当社グループは、当社の主たる事業であるオークション関連事業において高額美術品を中心とした優良作品のオークションへの出品及び富裕層を中心とした美術品コレクターのオークションへの参加促進に努めました。また、新規事業のエネルギー関連事業では低圧型太陽光発電施設の販売に集中的に取り組み、もう一つの新規事業である医療機関向け支援事業では、新たに医療ツーリズムの分野に進出することを決定し、グループ全体の安定的な収益の早期確保に向けた体制の構築に努めました。
各事業の業績は次のとおりです。
①オークション関連事業
オークション関連事業は、取扱高4,129,619千円(前年度比7.0%減)、売上高1,180,949千円(前年度比3.5%増)、セグメント利益89,175千円(前年度比83,297千円増、1,417.0%増)となりました。
種別の業績は次のとおりです。
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第27期 |
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平成28年5月期 |
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取扱高 |
前年比 |
売上高 |
前年比 |
オークション |
オークション |
オークション |
落札率 |
|
(千円) |
(%) |
(千円) |
(%) |
開催数 |
出品数 |
落札数 |
(%) |
|
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近代美術オークション |
1,831,920 |
△28.9 |
380,001 |
△20.9 |
6 |
666 |
574 |
86.2 |
|
近代陶芸オークション (注)1 |
320,290 |
18.6 |
67,529 |
2.1 |
5 |
959 |
904 |
94.3 |
|
近代美術PartⅡオークション |
342,760 |
42.5 |
81,080 |
30.9 |
6 |
1,860 |
1,676 |
90.1 |
|
その他オークション (注)2 |
994,370 |
14.2 |
191,587 |
△4.1 |
13 |
4,665 |
3,107 |
66.6 |
|
オークション事業合計 |
3,489,340 |
△11.9 |
720,198 |
△10.9 |
30 |
8,150 |
6,261 |
76.8 |
|
プライベートセール |
565,850 |
47.2 |
404,895 |
44.9 |
|
|
|
|
|
その他 |
74,429 |
△24.0 |
55,855 |
5.7 |
|
|
|
|
|
オークション関連 その他事業合計 |
640,279 |
32.8 |
460,750 |
38.6 |
|
|
|
|
|
オークション関連事業合計 |
4,129,619 |
△7.0 |
1,180,949 |
3.5 |
|
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|
|
(注)1.取扱高の前年度比率と売上高の前年度比率の乖離の大きな要因のひとつに、商品売上高の増減があります。商品売上高は、オークション落札価額に対する手数料収入、カタログ収入、年会費等と同様に当社の売上高を構成する要素であり、当社の在庫商品を販売した場合、その販売価格(オークションでの落札の場合には落札価額)を商品売上高として、売上高に計上することとしております。
2.その他オークションは、出品の状況により随時開催しております。
ⅰ)オークション事業
当連結会計年度は、合計で30回のオークションを開催しました。内訳は、近代美術オークション及び近代美術PartⅡオークションを各6回、近代陶芸オークション及びBags / Jewellery & Watchesオークションを各5回、ワインオークションを3回、西洋美術オークション及び戦後美術&コンテンポラリーアートオークションを各2回、その他特別オークションとして木梨憲武オークションを1回となります。
主力の近代美術オークションは、前年度比で出品点数21.9%減、落札点数20.4%減と減少し、平均落札単価も前年度比で10.4%減と減少しましたが、エスティメイト下限合計額に対する落札価額の比率は平均で139.3%と高水準で推移いたしました。当連結会計年度は、平成22年以降、近代美術オークションの中で取り扱ってまいりました戦後美術及びコンテンポラリーアートを独立させ、単独のオークションとして2回開催いたしましたので、近代美術オークションの取扱高、売上高、出品点数及び落札点数は、前年度対比では大きく減少しております。
近代陶芸オークションは、前年度比で出品点数1.0%減、落札点数0.9%減と微減しましたが、当連結会計年度は、2回の古美術を含むオークションが好調であったことから、平均落札単価は前年度比で20.4%増と大きく増加、またエスティメイト下限合計額に対する落札価額の比率も平均で144.0%と高水準で推移いたしました。
近代美術PartⅡオークションは、前年度比で出品点数2.9%増、落札点数0.1%増と微増いたしました。平均落札単価は前年度比で42.5%増と大きく増加、また、エスティメイト下限合計額に対する落札価額の比率も平均で152.5%と高水準で推移いたしました。
その他オークションでは、ワインオークションが前期の実績を大きく上回り、また戦後美術&コンテンポラリーアートオークションの開催が収益に貢献しました。
ⅱ)オークション関連その他事業
プライベートセール部門では、当連結会計年度も積極的な取り扱いに努めた結果、高額作品の成約があり、取扱高は前年度比47.2%増、売上高は前年度比44.9%増とともに大きく増加しました。その他、貴金属等買取サービスも積極的に行い、前年度との比較では、取扱高、売上高ともに大きく増加いたしました。
②エネルギー関連事業
50kW級の低圧型太陽光発電施設の販売に関しましては、当連結会計年度は101基を販売いたしました。
前期から見込んでおりました生産性向上設備投資促進税制が浸透し、即時償却を目的とした需要により、販売数は優遇税制措置を受けられる期限の本年3月末まで順調に推移いたしました。4月以降は、同税制により受けられる優遇税制措置は50%の特別償却となるため、需要の伸び悩みを予想しておりましたが、4月以降も依然として強い需要があり、販売数を積み増すことができました。
なお、当連結会計年度に開始いたしました日本ロジテック協同組合との電力共同購買事業(エコサブ)において、日本ロジテック協同組合が経営破綻したことにより、当社子会社が有する売掛債権について、その回収可能性を慎重に判断した結果、当連結会計年度において、貸倒損失48,614千円を特別損失として計上いたしました。
その他、子会社が保有しておりました穂北太陽光発電所の売却、子会社保有の太陽光発電施設による売電事業等により、当連結会計年度の売上高は、前年度比50.2%増の2,714,240千円、セグメント利益は、前年度比258.4%増の269,183千円となりました。
③その他
医療機関向け支援事業におきましては、診療報酬債権ファクタリング事業を一旦凍結し、新たに医療周辺事業として、日本を含めたアジアの富裕層に最先端の医療技術やより良い品質の医療サービスを紹介する医療ツーリズムを収益の柱とするべく、高度医療サービスや高度医療健診を提供する医療機関や提携医療機関等との具体的な折衝を行っております。当連結会計年度は、香港において孫会社を取得し、香港での中国銀聯カードの決済機能を保有するCoporate Business Network Limitedと当該孫会社との間で業務提携を締結し、新たに合弁会社を設立いたしました。これは、主に日本の医療サービスを利用する中国・アジアからのインバウンド旅行者の獲得を目的としたものであり、当該合弁会社の設立は、その決済プラットフォームを構築することを目的としたものであります。その他、医療コーディネーター業務や医療通訳養成講座を開始しております。
また、新たな事業として、当連結会計年度より保険事業を開始いたしました。
以上により、当連結会計年度の業績は、売上高3,898,100千円(前年度比32.2%増、対前年度増加額950,042千円)、営業利益356,293千円(前年度比358.2%増、対前年度増加額278,529千円)、経常利益332,332千円(前年度比530.3%増、対前年度増加額279,603千円)、親会社株主に帰属する当期純利益164,149千円(前年度比902.9%増、対前年度増加額147,781千円)と前年度比で大幅な増収増益を達成いたしました。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動及び財務活動によるキャッシュ・フローの増加が投資活動によるキャッシュ・フローの減少により一部相殺され、305,844千円の資金増加となり、当連結会計年度末の資金は1,277,375千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローは次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動の結果得られた資金は、279,519千円(前年は490,750千円の獲得)となりました。これは主に、売上債権の増加による減少252,436千円に対し、税金等調整前当期純利益281,247千円とたな卸資産の減少による増加272,906千円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動の結果使用した資金は、349,480千円(前年は425,927千円の使用)となりました。これは主に定期預金の増減における預け入れ増による支出313,250千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動の結果獲得した資金は、377,176千円(前年度は24,764千円の使用)となりました。これは主に短期借入金の増加による増加621,000千円と、長期借入金の増減における減少217,227千円と配当金の支払いによる減少34,100千円によるものであります。
(1)生産実績
当社グループは、主に美術品等のオークション事業運営とエネルギー関連事業を行っており、生産実績の記載はしておりません。
(2)受注状況
当社グループは、受注生産を行っておりませんので、受注状況の記載はしておりません。
(3)販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成27年6月1日 至 平成28年5月31日) |
前年同期比(%) |
|
オークション関連事業(千円) |
1,180,949 |
3.5 |
|
エネルギー関連事業(千円) |
2,714,240 |
50.2 |
|
報告セグメント計(千円) |
3,895,190 |
32.1 |
|
その他(千円) |
2,909 |
832.6 |
|
合計(千円) |
3,898,100 |
32.2 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 平成26年6月1日 至 平成27年5月31日) |
当連結会計年度 (自 平成27年6月1日 至 平成28年5月31日) |
||
|
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
|
株式会社ハマテック |
- |
- |
400,000 |
10.3 |
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
現政権によるインフレ目標政策は、2%の到達時期を順次先送りしている状況であります。デフレ脱却への道は険しく、目標達成そのものが難しいとの見方がありますが、日銀の政策姿勢の根幹は大きく変わっておらず、いずれは達成されるとの見方もあり、少なくとも日銀のインフレ目標実現に拘る政策姿勢は、中期的には当社がいままで手掛けてきたオークション関連事業にとって有利に働くものと期待を寄せております。しかしながら現在の状況は、進行中の「日本近代美術再生プロジェクト」と題した、日本の近代美術の再評価と価値付けへの取り組みにとって厳しいものであります。
オークション市場全体の規模は、ここ数年拡大傾向にありますが、現時点では、未だ日本の美術そのものが歴史から消えてしまう危機的状況にあることに変わりはありません。当社がマーケットメーカーとして機能し、安定的な実績を上げることで、市場全体の安定化と規模の拡大を実現する事が可能であると確信しており、信念をもって引き続き取り組んでまいります。
同時に、いわゆる近代美術の巨匠といわれる作家の名品(マスターピース)クラスの作品を戦略的在庫商品として積極的に確保し、取引を通じて当社が日本の近代美術の再評価と価値付けに時間をかけて取り組んでいくことで、日本の美術品の経済的価値を支え、更にその向上を通じて当社の中長期的な企業価値の向上を図ってまいります。
また、外的要因を比較的受けにくい事業により中期的な財務上の課題の具体的解決を図ることを目的としてエネルギー関連事業を既に収益化し、医療機関向け支援事業及び保険事業では収益化への準備を進めておりますが、引き続き、当社グループの成長戦略を支える収益の柱となる新たな事業を模索してまいります。
以下において、当社グループの事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のあるリスク事項を記載しております。あわせて、必ずしもリスク要因に該当しない事項についても、投資者の投資判断にとって重要であると考えられる事項については、積極的な情報開示の観点から記載しております。
なお、本文の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
1.グループ全体
(1)小規模組織について
当社グループはグループ従業員数50名程度と規模が小さく、内部管理体制も当該規模に応じたものとなっております。今後も必要に応じ、内部管理体制の充実とそれに伴う人員補充を実施していく方針でありますが、人材の確保及び管理体制の維持ができなかった場合、適切な組織的対応が出来ず、組織効率が低下する可能性があり、業務に支障をきたすおそれがあります。
2.オークション関連事業
(1)オークションへの出品について
日本国内の美術市場にあっては、取引全体のボリュームとしては、対前年比では拡大傾向にありますが、海外の市況を反映した様子見感が広まっており、全体としては先行き不透明な状況に推移しております。当社は、いかなる状況においても出品募集営業を徹底して強化していく所存でありますが、順調に出品数が増える保証はなく、出品数の減少が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)競合について
当社グループは、美術商、宝石商、百貨店及び他のオークション会社と競合関係にあります。オークションという公の場で登録をすれば誰でも同じ条件で参加でき、参加者が価格を決定する取引形態の優位性が認知度を高め、オークションの拡大につながっております。美術品オークション会社数は近年横ばい傾向にありますが、取扱商品に関する専門知識とオークション開催に係る労働集約型業務システム(作品の預り~鑑定~査定~カタログ作製~下見会~オークション会場運営~作品の発送等)が、美術品オークションへの参入障壁となっております。
オークション会社間の競合は、出品作品の募集、販売の営業戦略が最も重要な要因であり、当社は、国内大手オークション会社として美術品取引業界に幅広く認知されております。
海外には、クリスティーズ、サザビーズを筆頭に数多くのオークション会社がありますが、日本美術に関する知識、情報が参入障壁となっております。また、海外のオークション会社や国内外の中国人を主な対象として国内で開催される中国美術品の新興オークション会社とは基本的に取り扱い作品が異なるため、現在のところ外国絵画、コンテンポラリーアート等の一部のジャンルの美術品以外、競合関係にはありません。
その他、インターネットを使ったオークション(売却希望者と購入希望者が相対で取引できる場をインターネット上に提供しており、当社のように作品所有者から販売委託を受けて執り行うオークションとは相違しています。)に関して、商品を実際に検分できる場所を提供することなく、デジタル画像のみで取引を成立させるリスクは、高額品になるほど大きくなり、現状において、インターネットオークションと競合する分野は、低価格帯の美術品取引のみに限定されております。しかしながら、国内において、拡大・発展途上のオークションビジネスも、国内業者間の再編、海外の大手オークションハウスの本格的日本進出等が起こった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3)売上高の構成について
オークション関連事業の売上高の主たる構成要素は、落札価額に対する手数料収入(落札手数料及び出品手数料)であります。落札手数料は、落札価額の200万円以下に対し15.0%、200万円超5,000万円以下に対し12.0%、5,000万円超に対し10.0%、出品手数料は、落札価額の10.0%(いずれも別途消費税)としております。
なお、当社が仕入れた後に、当社の在庫商品としてオークションやプライベートセールで売却する場合があります。この場合、オークションでの落札価額またはプライベートセールでの販売価格を商品売上高としてそのまま売上高に計上するため、当社在庫商品の取扱高の増減が、売上高変動のひとつの要因となります。その他、カタログの販売高、出品者から徴収するカタログ掲載料で構成されるカタログ収入、有料会員から徴収する会費収入があります。
|
回次 |
第23期 |
第24期 |
第25期 |
第26期 |
第27期 |
|
|
決算年月 |
平成24年5月 |
平成25年5月 |
平成26年5月 |
平成27年5月 |
平成28年5月 |
|
|
取扱高 |
(千円) |
3,534,011 |
3,225,967 |
4,297,987 |
4,440,848 |
4,129,619 |
|
売上高 |
(千円) |
1,359,448 |
1,248,610 |
1,194,284 |
1,140,671 |
1,180,949 |
|
内商品売上高 |
(千円) |
784,606 |
714,219 |
416,108 |
361,832 |
492,412 |
(4)美術品の査定について
オークションに出品されるすべての作品は、査定委員会にて現物を直接検分して、評価額を決定しております。査定委員会は当社取締役を常任委員とし、必要に応じて担当部長ならびに社外の専門家を交えて複数のメンバーで構成しています。作品の評価額は、オークション出品の際、そのままエスティメイト(落札予想価格帯)を構成するため、適切な評価額を決定する体制を整えています。
また、オークションの公明性を高めるため、査定委員会常任委員が直接当社グループのオークションに出品することを禁止しています。しかしながら、査定委員会が現下の市況と大きく乖離した評価をし、その結果オークションで落札されないケースが連続した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(5)鑑定・鑑別の外部委託について
当社グループのオークションに出品される美術品や宝飾品の真贋に関しては、権威ある第三者機関に鑑定・鑑別を依頼しております。美術品に関しては、当社グループが認める鑑定機関及び鑑定人が存在する作家の作品に関しその鑑定を受け、宝飾品に関しては、原則として当社グループが定める鑑別機関の鑑別を受けることとしており、当社グループは、販売委託者と鑑定・鑑別機関及び鑑定人の仲介を行っておりますが、当社グループが鑑定・鑑別を行うことはありません。
オークションの開催・運営にあたっての規則であるオークション規約及び特約に基づき、当社グループが開催する近代美術、近代陶芸、戦後美術&コンテンポラリーアートの出品作品、ブランドバック等のブランド雑貨に関し、当社グループは、オークションの開催日から5年以内に、落札作品が真作でないとの証明がなされた場合、落札作品を引き取り、落札者に代金を返還することになっております。但し、近代美術PartⅡ等のオークションで取り扱う低価格作品、骨董(アンティーク)等の真贋判定の困難な作品に関しては保証しておりません。当社グループは、出品作品の真贋には、最善の注意を払い対応しておりますが、真作でない作品を誤って取り扱うことにより、信用低下につながる可能性があり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(6)オークション未収入金及びオークション未払金について
オークション未収入金及びオークション未払金は、オークション事業により発生する、落札者及び出品者に対する未決済債権及び債務であります。オークション規約及び販売委託に関する約定に基づき、落札者からは、オークション開催日から土日祝日を除く10日以内に購入代金が支払われ、出品者に対しては、オークション開催日から35日以内に販売代金を支払っており、従ってオークション未収入金及びオークション未払金の期末残高は、オークションの開催日程と連結会計年度末日との関係で増減します。
(7)前渡金制度について
当社グループは、営業戦略上、業者のみならず一般コレクターからの出品を促進するためのシステムとして、オークションへの出品が決定した作品に関し、販売委託契約締結と同時に最低売却価格(成行き作品の場合はエスティメイト下限金額)の最大85%の金額を前渡しすることができる前渡金制度を採用しております。主に近代美術オークションにおいて契約締結から支払までの期間が最長約4ヶ月であることに関し、出品者の急な資金需要に対応できる施策として、当社グループの出品募集に大きく貢献しております。
前渡金が支払われている作品が不落札となった場合には、オークション終了後に出品者から前渡金が返還されることになっていますが、万一、出品者が前渡金を返済できない事態が生じたとしても、不落札の作品を売却し、前渡金返済に充てることができます。しかしながら、今後事業が拡大する中で、前渡金の返還及び回収が滞る事案が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
・前渡金契約のフロー図
例)最低売却価格:3,000,000円、落札価額:3,500,000円の場合
① 査定(作品お預かり)
作品をお預かりし、最終的な査定を行います。
② 販売委託契約の締結
オークション開催日の約2ヶ月前迄に販売委託契約を締結します。
③ 前渡金の支払
販売委託契約の締結後に前渡金を支払います。
(最低売却価格3,000,000円の85%、2,550,000円を上限とします。)
④ セールスプロモーションの展開
カタログを作製し、オークション直前には下見会を開催します。
⑤ 落札
オークションで落札。
⑥ 落札代金の入金
オークション開催日より10日以内(土日祝日を除く)に入金いただきます。
(落札価額3,500,000円、落札手数料2,000,000円以下に対して16.2%の324,000円(税込)、2,000,000円超の1,500,000円に対して12.96%の194,400円(税込)の合計4,018,400円)
⑦ 落札作品の引渡し
落札代金の入金確認後、作品を引渡しします。
⑧ 出品清算支払
オークション開催日から35日以内に支払います。
(落札価額3,500,000円から出品手数料10.8%の378,000円(税込)、出品費用もしくはカタログ掲載料・保管料等の売り手費用と前渡金2,550,000円を控除した金額)
(8)一括保証取引について
当社は、大口で一括の出品に関して、営業戦略上、落札価額合計額の最低金額の保証を行う場合があります。一括保証した金額については、作品をお預かりし、契約締結後に前渡金として保証金額の支払いを行う場合がありますが、実際の落札価額合計額が、この保証金額に満たない場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(9)美術品等の保管について
当社グループでは、作品所有者からオークションへの出品依頼を受け、作品をお預かりしてから、落札者のもとへ納品されるまでの期間、作品を当社グループの倉庫等に保管しております。保管している作品にはすべて保険を付保しており、盗難、火災等については保険の対象となっております。しかし、地震等の自然災害に起因する事故については保険対象外の扱いとなっていることから、地震等の自然災害が発生し出品予定作品が損壊した場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
また、オークション規約上、当社の故意または重過失に起因する損害に関しては、通常の損害の他、予見可能な損害までを当社の責任の範囲と定めており、通常損害保険で担保されない範囲の損害が発生することにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(10)法的規制について
当社は、海外においてオークション事業を展開しているクリスティーズ、サザビーズ等の事業モデルを導入し、オークションによる美術品の流通形態を日本の市場に創造する目的で設立されました。
当社グループが行っているオークション形態は、日本国内においては、商法第551条の問屋(といや)に該当し、オークションの運営にあたっては、オークション規約を制定しておりますが、同規約は、民法、商法、消費者契約法、古物営業法等の規制を受けております。
これら、日本国内における法的規制により、過去において当社グループの財政状態、経営成績に影響を及ぼした事実はありません。しかしながら、当社グループが行うオークションという事業形態は、日本国内で完全に認知を得ているわけではなく、将来的にオークションの運営に支障を来すような法令等の規制を受けた場合、当社グループの事業活動に影響を及ぼす可能性があります。
現在、当社グループでは定期開催のオークションの他、西洋美術オークション、戦後美術&コンテンポラリーアートオークション、ワインオークション、個人収集品オークション等を随時開催しております。また、チャリティオークション開催のためのカタログ作製作業やオークション会場運営等の業務提供も行っております。ワインの取り扱いに関しては「酒税法」の、宝石・貴金属等の取り扱いに関しては「犯罪による収益の移転防止に関する法律」の、西洋美術の一部の作品の取り扱いに関しては「電気用品安全法」の、象牙等の希少野生動植物種の剥製、標本、器官等の取り扱いに関しては「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律」の定めに従い行っております。今後も、取扱商品が拡大していく中で個別に法的規制を受けるケースが考えられますが、当社グループは、いかなる場合も法令を遵守し対応していく所存であります。しかしながら、将来的に個別の法的規制により当社グループが取り扱えないアイテムが発生し、当社グループの事業計画の変更を余儀なくされ、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(11)古物の取り扱いについて
当社グループは、盗難品や遺失物を取り扱わないよう従業員に対しても定期的に教育を行っております。しかしながら、不測の事態により盗難品や遺失物がオークションに出品されるなどした場合、信用失墜により取扱高の減少及び法令手続に基づく損失の発生等の可能性があります。
(12)著作権について
当社のオークションカタログに図版を掲載するに当たり、著作権者或いは著作権管理団体に著作権使用に係る許諾を受けることを、当社が把握しているものについては実施しています。また、それ以外のものについては著作権法第47条の2の定める範囲内で掲載しております。当社の規定においては、著作権使用料は出品者負担として、請求がある著作権者或いは著作権管理団体に支払っておりますが、今後請求先が増加し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(13)顧客情報の取り扱いについて
当社グループは、オークション出品者に対して、その出品者との間で締結される販売委託契約により、顧客情報に関する守秘義務を負っております。当社はプライバシーマークを取得しており、個人情報の取り扱いについては充分注意しております。しかしながら、不測の事態により情報が外部に漏洩する事態となった場合、信用の失墜による取扱高の減少及び損害賠償による損失の発生等の可能性があります。
(14)戦略的在庫商品の保有について
美術市場全体の安定化と規模の拡大を実現する事を目標に、いわゆる近代美術の巨匠といわれる作家の名品(マスターピース)クラスの作品を数点購入し、戦略的在庫として保有し、作品ごとに、販売時期、価格及び販売先に関して当社の理想とする最良の環境での販売を考えており、その環境が整うまでは当社で保有することを予定しております。戦略的在庫商品の購入後は、経済環境や美術品取引市場の著しい変動により、保有する戦略的在庫商品の評価の見直しを迫られる可能性があります。また、販売が計画通り進まず、保有期間の長期化による資金の固定化や、予想していた販売収益が得られない可能性があり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また美術品としての性格上、戦略的在庫として想定する作品の数は限定的であり、購入が計画通りに進まない可能性があります。
3.エネルギー関連事業
(1)法的規制について
当社グループは「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法」に基づき太陽光発電の分野で事業展開をしておりますが、今後の電力の固定価格買取制度における買取価格の引き下げや、買取年数の短縮等の政府の施策により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、大型発電施設の建設計画は、森林法等の法令や条例の規制を受けることにより許認可が下りるまでに時間がかかり、用地選定から売電開始に至るまでの期間が当初予想から大幅に長引いたり、計画そのものを途中で断念せざるを得ない状況になることも考えられ、これらの要因が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)気象・災害等のリスクについて
太陽光発電は、気象条件により発電量が左右されるほか、設備の劣化や天災・火災等の事故により、想定した発電量と実際の発電量との間に予期せぬ乖離が生じる可能性があり、これらの要因が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3)計画の遅延及び見直しについて
太陽光発電の分野には現在多くの企業が参入しており、当社グループが手掛ける太陽光発電施設の販売におきましても、各社が競合する状況にあります。また、電力会社による系統連系手続の遅れや系統連系そのものの見合わせ等が発生した場合には、当社グループの事業が当初の計画通り進まず、事業計画そのものの見直しを迫られる可能性もあり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4)デリバティブ取引のリスクについて
当社グループの金融機関からの長期借入金には、一部金利変動によるものが含まれており、変動金利の長期借入金につきましては、金利スワップ取引を利用しております。当該デリバティブ取引は、期末ごとに時価評価したうえで損益処理することとしており、この評価損益が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、平成28年5月31日現在9業者と正規特約店委託契約を締結しております。
(1)契約の目的
特約店は、美術業者や得意先コレクターから当社オークションへの出品に関する業務を行うことを目的としております。業務内容は、オークション売却希望者から売却委託を受け、当社と出品契約を締結する業務と、オークション売却希望者を当社に紹介し、オークション売却希望者と当社の間の出品契約の締結の仲介をする業務があります。
(2)契約期間に関する事項
契約期間は、契約日から1年間とし、それ以降は自動更新であります。
(3)紹介料に関する事項
特約店の紹介による出品契約が締結された場合、当社は落札価額に応じた紹介料を特約店に支払います。
(4)契約解除に関する事項
契約満了の30日前までに契約解除の申し出があった場合、当社オークションへの出品及び紹介総額が一定基準に満たない場合、その他契約違反が生じた場合、当社は契約を解除することができます。
該当事項はありません。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりまして、当社グループは、過去の実績値や現状等を踏まえ、合理的と判断される前提に基づき継続的に見積り、判断及び評価を行っております。
当社グループの経営陣が、当連結会計年度末において、見積り、判断及び評価等により、当社グループの連結財務諸表に重要な影響を及ぼすと考えているものとしては、貸倒引当金、棚卸資産の評価、退職給付に係る負債、法人税等及び繰延税金資産があげられます。
なお、見積り、判断及び評価等については、過去の実績や現状等に基づいて合理的と考えられる要因等に基づいて行っておりますが、見積りや評価には、不確実性が伴うため、実際の結果と異なる場合があります。
(2)財政状態の分析
当連結会計年度の資産につきましては、総資産は、前年度比598,424千円増の3,959,187千円となりました。内訳は流動資産が856,444千円増の3,566,198千円、固定資産は258,019千円減の392,988千円となりました。流動資産の主な内訳と増減は、現金及び預金2,065,625千円(前年度比619,094千円の増加)、売掛金256,556千円(前年度比203,821千円の増加)、商品626,822千円(前年度比273,874千円の増加)、仕掛品5,990千円(前年度比286,591千円の減少)、前渡金199,085千円(前年度比59,110千円の増加)であります。固定資産の主な内訳と増減は、機械装置及び運搬具252,465千円(前年度比276,060千円の減少)、投資その他の資産97,680千円(前年度比7,085千円の増加)であります。
負債は前年度比466,277千円増の2,186,212千円となりました。内訳は流動負債が460,404千円増の1,778,474千円、固定負債が5,873千円増の407,738千円となりました。流動負債の主な内訳と増減は、短期借入金982,500千円(前年度比621,000千円の増加)、オークション未払金350,817千円(前年度比52,544千円の減少)、1年内返済予定の長期借入金61,172千円(前年度比226,055千円の減少)、役員賞与引当金58,232千円(前年度比58,232千円の増加)であります。固定負債の主な内訳と増減は、長期借入金327,556千円(前年度比8,828千円の増加)及び退職給付に係る負債42,550千円(前年度比4,750千円の増加)であります。
純資産は、前年度比132,147千円増加の1,772,974千円となりました。この主な内訳と増減は、資本金930,457千円(前年度比3,714千円の増加)、資本剰余金535,740千円(前年度比3,714千円の増加)、利益剰余金524,385千円(前年度比129,901千円の増加)、自己株式△223,655千円(前年度比2,125千円の増加)であります。この結果、1株当たり純資産額は307.93円、自己資本比率は44.6%となっております。
また、キャッシュ・フローの分析については「第2[事業の状況]の1[業績等の概要](2)キャッシュ・フロー」に記載のとおりです。
(3)経営成績の分析
当連結会計年度の経営成績の分析は、「第2[事業の状況]の1[業績等の概要]」に詳述したとおりであります。