(1)業績
当連結会計年度におけるわが国の経済は、雇用や所得環境の改善や各種政策の効果もあり、緩やかな回復基調にありました。しかしながら、英国のEU離脱問題をはじめとする海外の政治や金融資本市場における不確実性の影響、また世界的な地政学リスクの影響を受け、先行きは不透明な状況にあります。
このような環境のもと、当社グループは、オークション関連事業において高額美術品を中心とした優良作品のオークションへの出品及び富裕層を中心とした美術品コレクターのオークションへの参加促進に努めました。また、エネルギー関連事業では低圧型太陽光発電施設の販売に集中的に取り組み、医療機関向け支援事業では、医療ツーリズムの本格稼働に向けての準備を進め、グループ全体の安定的な収益の早期確保に向けた体制の構築に努めました。
各事業の業績は次のとおりです。
①オークション関連事業
オークション関連事業は、取扱高2,994,566千円(前年度比27.5%減)、売上高922,133千円(前年度比21.9%減)、セグメント損失△112,475千円(前年度は89,175千円のセグメント利益)となりました。
種別の業績は次のとおりです。
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第28期 |
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平成29年5月期 |
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取扱高 |
前年度比 |
売上高 |
前年度比 |
オークション |
オークション |
オークション |
落札率 |
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(千円) |
(%) |
(千円) |
(%) |
開催数 |
出品数 |
落札数 |
(%) |
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近代美術オークション |
1,442,040 |
△21.3 |
307,853 |
△19.0 |
6 |
710 |
577 |
81.3 |
|
近代陶芸オークション |
328,025 |
2.4 |
68,972 |
2.1 |
4 |
908 |
862 |
94.9 |
|
近代美術PartⅡオークション |
226,013 |
△34.1 |
53,590 |
△33.9 |
6 |
1,638 |
1,461 |
89.2 |
|
その他オークション (注)2 |
600,080 |
△39.7 |
138,501 |
△27.7 |
12 |
4,327 |
2,761 |
63.8 |
|
オークション事業合計 |
2,596,158 |
△25.6 |
568,918 |
△21.0 |
28 |
7,583 |
5,661 |
74.7 |
|
プライベートセール |
325,848 |
△42.4 |
288,388 |
△28.8 |
|
|
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|
|
その他 |
72,560 |
△2.5 |
64,826 |
16.1 |
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オークション関連 その他事業合計 |
398,408 |
△37.8 |
353,215 |
△23.3 |
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オークション関連事業合計 |
2,994,566 |
△27.5 |
922,133 |
△21.9 |
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(注)1.取扱高の前年度比率と売上高の前年度比率の乖離の大きな要因のひとつに、商品売上高の増減があります。商品売上高は、オークション落札価額に対する手数料収入、カタログ収入、年会費等と同様に当社の売上高を構成する要素であり、当社の在庫商品を販売した場合、その販売価格(オークションでの落札の場合には落札価額)を商品売上高として、売上高に計上することとしております。
2.その他オークションは、出品の状況により随時開催しております。
ⅰ)オークション事業
当連結会計年度は、合計で28回のオークションを開催しました。内訳は、近代美術オークション及び近代美術PartⅡオークションを各6回、Bags / Jewellery & Watchesオークションを5回、近代陶芸オークションを4回、ワインオークションを3回、西洋美術オークション及び戦後美術&コンテンポラリーアートオークションを各2回です。
近代美術オークションは、前年度比で出品点数6.6%増、落札点数0.5%増と微増し、エスティメイト下限合計額に対する落札価額の比率は平均で120.3%と高水準で推移いたしましたが、平均落札単価が前年度比で21.9%減と減少いたしました。
近代陶芸オークションは、前年度に比べて1開催少なかったため、前年度比で出品点数5.3%減、落札点数4.6%減となりましたが、当連結会計年度は、2回の古美術を含むオークションが引き続き好調であったことから、平均落札単価は前年度比で7.3%増加し、またエスティメイト下限合計額に対する落札価額の比率も平均で148.3%と高水準で推移いたしました。
近代美術PartⅡオークションは、前年度比で出品点数11.9%減、落札点数12.8%減となりました。平均落札単価は前年度比で24.4%減、また、エスティメイト下限合計額に対する落札価額の比率は平均で123.0%となりました。
その他オークションでは、戦後美術&コンテンポラリーアートオークションの取り扱いが前年度との比較で大きく減少しましたが、ワインオークションは、前年度同様好調に推移しました。
ⅱ)オークション関連その他事業
プライベートセール部門では、高額作品の積極的な取り扱いに努めましたが、前年度には特に高額作品の成約があったため、オークション関連その他事業の取扱高は前年度との比較で37.8%減、売上高は前年度比で23.3%減とともに減少しており、オークション事業の収益減を補完するには至りませんでした。
②エネルギー関連事業
エネルギー関連事業におきましては、50kW級の低圧型太陽光発電施設の販売に関しましては、当連結会計年度は193基(前年度は101基の販売、前年度比91.1%増)を販売いたしました。生産性向上設備投資促進税制の50%の特別償却を目的とした需要により、販売数は優遇税制措置を受けられる期限の平成29年3月末まで順調に推移し、114基を販売いたしました。4月以降は、需要の伸び悩みを予想しておりましたが、利回りに着目した需要が根強くあり、販売数を更に大幅に積み増すことができました。
その他、子会社保有の太陽光発電施設による売電事業等により、当連結会計年度の売上高は、前年度比62.9%増の4,421,768千円、セグメント利益は、前年度比78.0%増の479,244千円となりました。
なお、エネルギー関連事業の新たな収益の柱のひとつとなる事業を開発するべく、マレーシアにおいてSHINWA APEC MALAYSIA SDN.BHD.を取得し、PKS事業を開始いたしました。
③その他
医療機関向け支援事業におきましては、日本を含めたアジアの富裕層向けに最先端の医療技術や質の高い医療サービスの紹介を収益の柱とすべく事業展開を図り、提携医療機関を大幅に増強いたしました。
以上により、当連結会計年度の業績は、売上高5,348,142千円(前年度比37.2%増、対前年度増加額1,450,041千円)、営業利益364,615千円(前年度比2.3%増、対前年度増加額8,321千円)、経常利益303,389千円(前年度比8.7%減、対前年度減少額28,942千円)、親会社株主に帰属する当期純利益166,315千円(前年度比1.3%増、対前年度増加額2,165千円)となりました。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動及び投資活動によるキャッシュ・フローの減少が財務活動によるキャッシュ・フローの増加により一部相殺され、670,452千円の資金使用となり、当連結会計年度末の資金は606,922千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローは次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動の結果使用した資金は、1,550,695千円(前年は279,519千円の獲得)となりました。これは主に、売上債権の増加による減少1,700,867千円及び棚卸資産の増加による減少257,242千円に対し、税金等調整前当期純利益295,926千円による資金増加によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動の結果使用した資金は、1,253,805千円(前年は349,480千円の使用)となりました。これは主に有形固定資産取得による支出870,773千円、関係会社株式の取得による支出102,657千円と定期預金の増減における預け入れ増による支出222,260千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動の結果獲得した資金は、2,134,153千円(前年度は377,176千円の獲得)となりました。これは主に短期借入金の純増加額による収入1,224,178千円、長期借入金による収入370,000千円、株式の発行による収入113,446千円及びセールアンド割賦バック取引による収入800,280千円による資金増加と、長期借入金の返済による支出136,172千円、セールアンド割賦バック取引による支出197,670千円及び配当金の支払による支出39,908千円によるものであります。
(1)生産実績
当社グループは、主に美術品等のオークション事業運営とエネルギー関連事業を行っており、生産実績の記載はしておりません。
(2)受注状況
当社グループは、受注生産を行っておりませんので、受注状況の記載はしておりません。
(3)販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成28年6月1日 至 平成29年5月31日) |
前年同期比(%) |
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オークション関連事業(千円) |
922,133 |
△21.9 |
|
エネルギー関連事業(千円) |
4,421,768 |
62.9 |
|
報告セグメント計(千円) |
5,343,902 |
37.2 |
|
その他(千円) |
4,239 |
45.7 |
|
合計(千円) |
5,348,142 |
37.2 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
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相手先 |
前連結会計年度 (自 平成27年6月1日 至 平成28年5月31日) |
当連結会計年度 (自 平成28年6月1日 至 平成29年5月31日) |
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金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
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株式会社ハマテック |
400,000 |
10.3 |
- |
- |
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
4.当連結会計年度の主な相手先別の販売実績については、当該販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10未満であるため、記載を省略しております。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営の基本方針
当社グループは、「公明正大且つ信用あるオークション市場の創造と拡大」、「常に信用を重んじる中での慎重かつ大胆な挑戦」、「豊かで美しく潤いある生活文化の追求」の実現を目指して事業を進めております。
(2)目標とする経営指標
当社グループの効率的な経営の実現を目標として、ROE(自己資本当期純利益率)15%以上を連結での中長期的な指標として掲げております。
(3)経営環境と中長期的な経営戦略
国内経済全体としては緩やかな回復基調が継続しておりますが、デフレマインドは依然転換しておらず、現政権によるインフレ目標政策は、2%の到達時期を順次先送りしている状況にあります。
このような環境下において、オークション関連事業全般につきましては、特に出品作品の募集環境が昨年よりも更に悪化し、極めて厳しい事業環境ではありますが、営業体制の見直しを含め、状況打開に全力で取り組むとともに、本格的に開始する画廊事業も含めて「日本近代美術再生プロジェクト」と題した、日本の近代美術の再評価と価値付けに引き続き取り組んでまいります。当社は、公開オークションの補助的な事業として、お客様のニーズにお応えするためのプライベートセール(相対取引)をこれまでも行ってまいりましたが、今後は相対取引も含めて、更に積極的に日本の近代美術の再評価と価値付けに取り組んでいくことを目的として、また、オークション会社が別途画廊機能を持つという世界的な趨勢に鑑み、画廊事業を専門とするShinwa Prive 株式会社を設立し、今後は、同社を通じてマーケットメーカーとしての役割を、より鮮明に打ち出していくことといたしました。
エネルギー関連事業では、平成29年3月末をもって、生産性向上設備投資促進税制を利用した太陽光発電施設の特別償却措置が終了しましたので、今後は利回りに着目した需要の開拓が必須であり、積極的に取り組んでまいります。但し、市場全体の販売価格の低下は必至であり、収益の低下が見込まれますので、このセグメントにおける太陽光発電施設の販売に代わる新たな事業として、PKS事業の早期収益化にも取り組んでまいります。
医療機関向け支援事業におきましては、日本を含めたアジアの富裕層向けに最先端の医療技術や質の高い医療サービスの紹介を収益の柱のひとつとするべく、更に提携医療機関を増強を図ってまいります。
(4)対処すべき課題
欧米のオークション市場では、世界的にも評価の高い一部の美術品について高額取引が成立してはいるものの、全体的には若干の縮小傾向にあります。アジアでは、大きなシェアを占める中国市場の過熱感は薄れましたが、今後は安定して推移すると思われます。そのような中、日本国内の美術市場にあっては、海外の市況を受けたかたちで、取引全体のボリュームが対前年度では若干の減少傾向にあり、また直近では市場全体の流通量が激減しており、昨年に続き先行き不透明感が増しております。
この状況は、現在進行中の「日本近代美術再生プロジェクト」と題した、日本の近代美術の再評価と価値付けへの取り組みにとって極めて厳しいものではありますが、当社がマーケットメーカーとして機能し、安定的な実績を上げることで、市場全体の安定化と規模の拡大を実現することが可能であると確信しており、信念をもって引き続き取り組んでまいります。
また、いわゆる近代美術の巨匠といわれる作家の名品(マスターピース)クラスの作品を戦略的在庫商品として積極的に確保し、取引を通じて当社が日本の近代美術の再評価と価値付けに時間をかけて取り組んでいくことで、日本の美術品の経済的価値を支え、更にその向上を通じて中長期的な企業価値の向上を図ってまいります。
同時に、中期的な財務上の課題の具体的解決を図るため、来期も、様々な事業主体との提携を含め、柔軟な発想で当社グループの成長戦略を支える将来の安定的な収益源となる新たな事業を模索してまいります。
(5)その他、経営上重要な事項
(持株会社への移行準備開始)
1.持株会社体制への移行の背景と目的
当社は、欧米では古くから定着している公開の場で誰でも参加できる美術品の取引形態である「オークション」を日本の市場に普及・浸透させるために設立され、以来「公明正大且つ信用あるオークション市場の創造と拡大」という理念のもと、28年にわたり公開オークションを通じて、多くの富裕層との繋がりを培ってまいりました。その中で、よりきめ細かくお客様の多様なニーズにお応えしつつ、経営面においては外的要因の影響を比較的受けにくい新規事業により将来にわたる収益の源泉を確保し、中期的な財務上の課題の具体的解決を図ることを目的として、これまでにエネルギー関連事業、医療機関向け支援事業、保険事業等、さまざまな事業領域への拡大を図ってまいりました。
このような状況下、当社は、企業グループとして今後さらなる成長と企業価値の最大化を実現するためには、グループの成長戦略の立案機能と実現機能を分化し、グループ経営の意思決定の迅速化を図るとともに、グループ各社が事業環境の変化に柔軟に対応できる体制を構築することが望ましいと考え、平成29年7月21日開催の当社取締役会で、会社分割(簡易吸収分割・略式吸収分割)により持株会社体制へ移行するための準備を開始することを決定いたしました。
2.持株会社体制への移行の要旨
(1)移行方式
当社を分割会社とする会社分割(以下「本会社分割」といいます。)により、当社のオークション関連事業を、当社が100%出資する分割準備会社に継承させる予定です。これにより、当社は、持株会社として引き続き上場を維持する予定であります。
分割準備会社の概要
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(1)名称 |
Shinwa Auction株式会社 |
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(2)所在地 |
東京都中央区銀座七丁目4番12号 |
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(3)代表者の役職・氏名 |
代表取締役社長 石井 一輝 |
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(4)主な事業内容 |
オークションの企画・運営、古物売買、委託売買ならびに輸出入 |
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(5)資本金 |
50百万円 |
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(6)設立年月日 |
平成29年8月1日 |
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(7)発行予定株式数 |
5,000株 |
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(8)決算期 |
5月31日 |
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(9)大株主及び持株比率 |
当社 100% |
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(10)上場会社及び当該分 割準備会社との関係 |
資本関係 |
上記(9)のとおりであります。 |
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取引関係 |
該当事項はありません。 |
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人的関係 |
当社より取締役及び監査役を派遣する予定です。 |
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(2)商号の変更
本会社分割の効力発生を条件として、当社の商号をShinwa Wise Holdings株式会社(英語表記 SHINWA WISE HOLDINGS CO., LTD.)に変更いたします。
(3)当社の事業目的の変更
本会社分割の効力発生を条件として、当社定款記載の目的事項を変更いたします。
(4)本会社分割の日程
吸収分割契約承認取締役会 平成29年 9月中旬(予定)
吸収分割契約締結 平成29年 9月中旬(予定)
吸収分割の効力発生日 平成29年12月1日(予定)
当社の商号変更 平成29年12月1日(予定)
当社定款記載の目的事項の変更 平成29年12月1日(予定)
なお、本会社分割は、当社においては簡易吸収分割(会社法第784条第2項)に該当する予定であり、また、継承会社であるShinwa Auction株式会社においても略式吸収分割(同第796条第1項)かつ簡易吸収分割(同条第2項)に該当する予定であるため、現時点ではそれぞれ吸収分割契約承認の株主総会を開催する予定はありません。
(5)その他
本会社分割の詳細及び持株会社体制移行後の詳細事項につきましては、決定次第、改めてお知らせいたします。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項を記載しております。ただし、以下の事項は当社グループに係る全ての事業等のリスクを網羅的に記載したものではなく、記載された事項以外にも予測し難い事業等のリスクが存在するものと考えます。また、必ずしもリスク要因に該当しない事項についても、投資者の投資判断にとって重要であると考えられる事項については、積極的な情報開示の観点から記載しております。
なお、本文の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
1.グループ全体
(1)小規模組織について
当社グループはグループ従業員数50名程度と規模が小さく、内部管理体制も当該規模に応じたものとなっております。今後も必要に応じ、内部管理体制の充実とそれに伴う人員補充を実施していく方針でありますが、人材の確保及び管理体制の維持ができなかった場合、適切な組織的対応が出来ず、組織効率が低下する可能性があり、業務に支障をきたすおそれがあります。
2.オークション関連事業
(1)オークションへの出品について
日本国内の美術市場にあっては、海外の市況を受けたかたちで、取引全体のボリュームとしては、対前年度比では若干の減少傾向にあり、先行き不透明感が増しております。いかなる状況においても出品募集営業を徹底して強化していく所存でありますが、継続的な出品数の減少が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)売上高の構成について
オークション関連事業の売上高の主たる構成要素は、落札価額に対する手数料収入(落札手数料及び出品手数料)であります。落札手数料は、落札価額の200万円以下に対し15.0%、200万円超5,000万円以下に対し12.0%、5,000万円超に対し10.0%、出品手数料は、落札価額の10.0%(いずれも別途消費税)としております。
なお、作品を仕入れた後に、在庫商品としてオークションやプライベートセールで売却する場合があります。この場合、オークションでの落札価額またはプライベートセールでの販売価格を商品売上高としてそのまま売上高に計上するため、在庫商品の取扱高の増減が、売上高変動のひとつの要因となります。その他、カタログの販売高、出品者から徴収するカタログ掲載料で構成されるカタログ収入、有料会員から徴収する会費収入があります。
(3)美術品の査定について
オークションに出品されるすべての作品は、査定委員会にて現物を直接検分して、評価額を決定しております。査定委員会は、常任委員の他、必要に応じて担当部長ならびに社外の専門家を交えて複数のメンバーで構成しています。作品の評価額は、オークション出品の際、そのままエスティメイト(落札予想価格帯)を構成するため、適切な評価額を決定する体制を整えています。
しかしながら、査定委員会が現下の市況と大きく乖離した評価をし、その結果オークションで落札されないケースが連続した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4)鑑定・鑑別の外部委託について
オークションに出品される美術品や宝飾品の真贋に関しては、権威ある第三者機関に鑑定・鑑別を依頼しております。美術品に関しては、当社グループが認める鑑定機関及び鑑定人が存在する作家の作品に関しその鑑定を受け、宝飾品に関しては、原則として当社グループが定める鑑別機関の鑑別を受けることとしており、当社グループは、販売委託者と鑑定・鑑別機関及び鑑定人の仲介を行っておりますが、当社グループが鑑定・鑑別を行うことはありません。
オークションの開催・運営にあたっての規則であるオークション規約及び特約に基づき、当社グループが開催する近代美術、近代陶芸、戦後美術&コンテンポラリーアートの出品作品、ブランドバック等のブランド雑貨に関し、当社グループは、オークションの開催日から5年以内に、落札作品が真作でないとの証明がなされた場合、落札作品を引き取り、落札者に代金を返還することになっております。但し、近代美術PartⅡ等のオークションで取り扱う低価格作品、骨董(アンティーク)等の真贋判定の困難な作品に関しては保証しておりません。出品作品の真贋には、最善の注意を払い対応しておりますが、真作でない作品を誤って取り扱うことにより、信用低下につながる可能性があり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(5)オークション未収入金及びオークション未払金について
オークション未収入金及びオークション未払金は、オークション事業により発生する、落札者及び出品者に対する未決済債権及び債務であります。オークション規約及び販売委託に関する約定に基づき、落札者からは、オークション開催日から土日祝日を除く10日以内に購入代金が支払われ、出品者に対しては、オークション開催日から35日以内に販売代金を支払っており、従ってオークション未収入金及びオークション未払金の期末残高は、オークションの開催日程と連結会計年度末日との関係で増減します。
(6)前渡金制度について
当社グループは、営業戦略上、業者のみならず一般コレクターからの出品を促進するためのシステムとして、オークションへの出品が決定した作品に関し、販売委託契約締結と同時に販売代金の一部を前渡しすることができる前渡金制度を採用しております。主に近代美術オークションにおいて契約締結から支払までの期間が最長約4ヶ月であることに関し、出品者の急な資金需要に対応できる施策として、当社グループの出品募集に大きく貢献しております。
前渡金が支払われている作品が不落札となった場合には、オークション終了後に出品者から前渡金が返還されることになっていますが、万一、出品者が前渡金を返済できない事態が生じたとしても、不落札の作品を売却し、前渡金返済に充てることができます。しかしながら、今後事業が拡大する中で、前渡金の返還及び回収が滞る事案が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(7)一括保証取引について
オークションへの一括の大口出品に関して、営業戦略上、落札価額合計額の最低金額の保証を行う場合があります。一括保証した金額については、作品をお預かりし、契約締結後に前渡金として保証金額の支払いを行う場合がありますが、実際の落札価額合計額が、この保証金額に満たない場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(8)美術品等の保管について
当社グループでは、お預かりした作品を当社グループの倉庫等で保管しております。保管中、作品にはすべて保険を付保しており、盗難、火災等については保険の対象となっております。しかし、地震等の自然災害に起因する事故については保険対象外の扱いとなっていることから、地震等の自然災害が発生し出品予定作品が損壊した場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
また、オークション規約上、当社グループの故意または重過失に起因する損害に関しては、通常の損害の他、予見可能な損害までを責任の範囲と定めており、通常損害保険で担保されない範囲の損害が発生することにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(9)法的規制等について
当社グループが行っているオークション形態は、海外においてオークション事業を展開しているクリスティーズ、サザビーズ等の事業をモデルとしております。日本国内においては、商法第551条の問屋(といや)に該当し、オークションの運営にあたっては、オークション規約を制定しておりますが、同規約は、民法、商法、消費者契約法、古物営業法等の規制を受けております。
これら、日本国内における法的規制により、過去において当社グループの財政状態、経営成績に影響を及ぼした事実はありません。しかしながら、当社グループが行うオークションという事業形態は、日本国内で完全に認知を得ているわけではなく、将来的にオークションの運営に支障を来すような法令等の規制を受けた場合、当社グループの事業活動に影響を及ぼす可能性があります。
現在、当社グループでは定期開催のオークションの他、西洋美術オークション、戦後美術&コンテンポラリーアートオークション、ワインオークション、個人収集品オークション等を随時開催しております。また、チャリティオークション開催のためのカタログ作製作業やオークション会場運営等の業務提供も行っております。ワインの取り扱いに関しては「酒税法」の、宝石・貴金属等の取り扱いに関しては「犯罪による収益の移転防止に関する法律」の、西洋美術の一部の作品の取り扱いに関しては「電気用品安全法」の、象牙等の希少野生動植物種の剥製、標本、器官等の取り扱いに関しては「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律」の定めに従い行っております。今後も、取扱商品が拡大していく中で個別に法的規制を受けるケースが考えられますが、当社グループは、いかなる場合も法令を遵守し対応していく所存であります。しかしながら、将来的に個別の法的規制により当社グループが取り扱えないアイテムが発生し、当社グループの事業計画の変更を余儀なくされ、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(10)古物の取り扱いについて
当社グループは、盗難品や遺失物を取り扱わないよう、定期的に社内教育を行っております。しかしながら、不測の事態により盗難品や遺失物がオークションに出品されるなどした場合、信用失墜により取扱高の減少及び法令手続に基づく損失の発生等の可能性があります。
(11)著作権について
オークションカタログに図版を掲載するに当たり、著作権者或いは著作権管理団体に著作権使用に係る許諾を受けることを、当社グループで把握しているものについては実施しています。また、それ以外のものについては著作権法第47条の2の定める範囲内で掲載しております。著作権使用料は出品者負担として、請求がある著作権者或いは著作権管理団体に支払っておりますが、今後請求先が増加し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(12)顧客情報の取り扱いについて
当社グループは、オークション出品者に対して、その出品者との間で締結される販売委託契約により、顧客情報に関する守秘義務を負っております。当社グループは、個人情報の取り扱いについては充分注意しておりますが、不測の事態により情報が外部に漏洩する事態となった場合、信用の失墜による取扱高の減少及び損害賠償による損失の発生等の可能性があります。
(13)戦略的在庫商品の保有について
美術市場全体の安定化と規模の拡大を実現する事を目標に、いわゆる近代美術の巨匠といわれる作家の名品(マスターピース)クラスの作品を数点購入し、戦略的在庫として保有し、作品ごとに、販売時期、価格及び販売先に関して理想とする最良の環境での販売を考えており、その環境が整うまでは保有することを予定しております。戦略的在庫商品の購入後は、経済環境や美術品取引市場の著しい変動により、保有する戦略的在庫商品の評価の見直しを迫られる可能性があります。また、販売が計画通り進まず、保有期間の長期化による資金の固定化や、予想していた販売収益が得られない可能性があり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また美術品としての性格上、戦略的在庫として想定する作品の数は限定的であり、購入が計画通りに進まない可能性があります。
3.エネルギー関連事業
(1)法的規制等について
生産性向上設備投資促進税制を利用した太陽光発電施設の特別償却措置が終了しましたので、低圧型太陽光発電施設販売事業では、今後は利回りに着目した需要の継続的な開拓が必須となります。また、固定価格買取制度が大幅に変更され、市場全体の販売価格の低下は必至であり、事業の採算性に関して今まで以上に十分な検討が必要となってまいります。
(2)気象・災害等について
太陽光発電は、気象条件により発電量が左右されるほか、設備の劣化や天災・火災等の事故により、想定した発電量と実際の発電量との間に予期せぬ乖離が生じる可能性があり、これらの要因が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3)デリバティブ取引のリスクについて
当社グループの金融機関からの長期借入金には、一部市場金利に連動するものが含まれており、変動金利の長期借入金につきましては、金利スワップ取引を利用しております。当該デリバティブ取引は、期末ごとに時価評価したうえで損益処理することとしており、この評価損益が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
1.資本業務提携及び第三者割当増資による新株式発行
当社は平成28年10月28日開催の取締役会において、采譽投資有限公司に対する第三者割当による新株式発行及び采譽投資有限公司の100%子会社である喜昌投資有限公司との業務提携契約の締結を内容とする資本業務提携を行うことを決議し、同日付で三者間で資本業務提携契約を締結いたしました。
(1)資本提携の内容
(第三者割当による新株式の発行)
当社は、平成28年10月28日開催の取締役会において、采譽投資有限公司を割当先とする第三者割当による新株式の発行を決議し、平成28年11月14日に払込が完了しております。その概要は以下のとおりです。
①発行株式の種類及び数 当社普通株式330,000株
②発行価格 1株につき342円
③発行価額の総額 112,860,000円
④資本組入額の総額 56,430,000円(1株につき171円)
⑤募集の方法 第三者割当の方式による
⑥払込期日 平成28年11月14日
⑦割当先及び割当株式数 采譽投資有限公司 330,000株
本第三者割当増資後の持株比率 5.44%
発行済株式総数に対する
所有株式数の割合 4.76%
(2)業務提携の内容
喜昌投資有限公司は、采譽投資有限公司の100%子会社として平成27年12月に設立された、香港を拠点とするBVI持株会社であり、現在、中国芸術傳媒有限公司(メディア事業)、中国文化投資管理有限公司(投資事業)、中国芸術品投資管理有限公司(文化事業)を傘下に置いております。当社は、本資本業務提携で調達した資金の一部を、中国芸術品投資管理有限公司に投資し、中国芸術品投資管理有限公司に対する喜昌投資有限公司と当社の最終的な持株比率が6対4となるように、合弁化します。
合弁化後の中国芸術品投資管理有限公司の事業は、
①中国大陸系企業の美術品収集の仲介及びコンサルティング
②中国大陸系企業が保有する美術館への作品納入及びそれを通じての日本近代美術及びコンテンポラリーアートの市場創造と拡大
③アジアの富裕層に向けた高級アイテム及びサービスの紹介と販売
④文化事業を含む中国大陸系企業の日本への投資の仲介等
が当面の内容となりますが、その中で当社は、これまで培ってまいりました美術品の公開オークション会社としての経験と実績、また富裕層向けビジネスの経験と実績を活かし、中国大陸系企業が行う日本における美術品の購入及び日本向け投資等の窓口として様々な事業ならびに投資を支援してまいります。
2.連結子会社のシンジケートローン契約締結及び資金の借入
当社の連結子会社であるエーペック株式会社(以下「エーペック」といいます。)は、平成28年9月20日付で、株式会社三井住友銀行をアレンジャーとするシンジケートローン契約を締結すること及び下記のとおり資金の借入を行うことを決議し、それぞれ契約を締結し借入の実行を行いました。
(1)シンジケートローン契約締結の目的
主にエーペックの主要ビジネスである低圧型太陽光発電施設販売事業の運転資金に充当いたします。
(2)シンジケートローン契約の概要
①組成金額 13億5,000万円
②契約締結日 平成28年9月29日
③ファシリティ コミット型シンジケートローン
④契約期間 平成28年9月30日から平成29年9月29日まで
うちコミット期間 6か月
⑤適用利率 基準金利+スプレッド
⑥担保提供 定期預金
⑦アレンジャー兼エージェント 株式会社三井住友銀行
⑧参加金融機関 株式会社三井住友銀行 他
3.正規特約店委託契約
当社は、平成29年5月31日現在9業者と正規特約店委託契約を締結しております。
(1)契約の目的
特約店は、美術業者や得意先コレクターから当社オークションへの出品に関する業務を行うことを目的としております。業務内容は、オークション売却希望者から売却委託を受け、当社と出品契約を締結する業務と、オークション売却希望者を当社に紹介し、オークション売却希望者と当社の間の出品契約の締結の仲介をする業務があります。
(2)契約期間に関する事項
契約期間は、契約日から1年間とし、それ以降は自動更新であります。
(3)紹介料に関する事項
特約店の紹介による出品契約が締結された場合、当社は落札価額に応じた紹介料を特約店に支払います。
(4)契約解除に関する事項
契約満了の30日前までに契約解除の申し出があった場合、当社オークションへの出品及び紹介総額が一定基準に満たない場合、その他契約違反が生じた場合、当社は契約を解除することができます。
該当事項はありません。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりまして、当社グループは、過去の実績値や現状等を踏まえ、合理的と判断される前提に基づき継続的に見積り、判断及び評価を行っております。
当社グループの経営陣が、当連結会計年度末において、見積り、判断及び評価等により、当社グループの連結財務諸表に重要な影響を及ぼすと考えているものとしては、貸倒引当金、棚卸資産の評価、退職給付に係る負債、法人税等及び繰延税金資産があげられます。
なお、見積り、判断及び評価等については、過去の実績や現状等に基づいて合理的と考えられる要因等に基づいて行っておりますが、見積りや評価には、不確実性が伴うため、実際の結果と異なる場合があります。
(2)財政状態の分析
当連結会計年度の資産につきましては、総資産は、前年度比2,473,023千円増の6,432,210千円となりました。内訳は流動資産が1,460,242千円増の5,026,441千円、固定資産は1,012,781千円増の1,405,769千円となりました。流動資産の主な内訳と増減は、現金及び預金1,617,433千円(前年度比448,192千円の減少)、売掛金1,957,424千円(前年度比1,700,867千円の増加)、商品884,064千円(前年度比257,242千円の増加)、前渡金95,777千円(前年度比103,307千円の減少)であります。固定資産の主な内訳と増減は、有形固定資産の機械装置及び運搬具979,832千円(前年度比727,367千円の増加)、投資その他の資産の関係会社株式102,657千円(前年度なし)であります。
負債は前年度比2,235,640千円増の4,421,853千円となりました。内訳は流動負債が1,493,574千円増の3,272,049千円、固定負債が742,065千円増の1,149,803千円となりました。流動負債の主な内訳と増減は、短期借入金2,226,035千円(前年度比1,243,535千円の増加)、オークション未払金274,696千円(前年度比76,121千円の減少)、1年内返済予定の長期借入金287,972千円(前年度比226,800千円の増加)、役員賞与引当金57,255千円(前年度比977千円の減少)であります。固定負債の主な内訳と増減は、長期借入金334,584千円(前年度比7,028千円の増加)及び退職給付に係る負債46,600千円(前年度比4,050千円の増加)であります。
純資産は、前年度比237,383千円増加の2,010,357千円となりました。この主な内訳と増減は、資本金987,181千円(前年度比56,724千円の増加)、資本剰余金592,464千円(前年度比56,724千円の増加)、利益剰余金650,576千円(前年度比126,190千円の増加)、自己株式△223,655千円であります。この結果、1株当たり純資産額は330.56円、自己資本比率は31.2%となっております。
また、キャッシュ・フローの分析については「第2[事業の状況]の1[業績等の概要](2)キャッシュ・フロー」に記載のとおりです。
(3)経営成績の分析
当連結会計年度の経営成績の分析は、「第2[事業の状況]の1[業績等の概要]」に詳述したとおりであります。