第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営の基本方針

当社グループは、「公明正大且つ信用あるオークション市場の創造と拡大」、「常に信用を重んじる中での慎重かつ大胆な挑戦」、「豊かで美しく潤いある生活文化の追求」の実現を目指して事業を進めております。

 

(2)目標とする経営指標

当社グループの効率的な経営の実現を目標として、ROE(自己資本当期純利益率)15%以上を連結での中長期的な指標として掲げております。

 

(3)経営戦略等

当社グループが今後さらなる成長と発展を遂げるためには、「(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」に記載の課題に対応することが経営戦略上重要であると考えており、オークションにおける取扱点数と取扱価格の増加、そして新型コロナウイルス感染症の感染拡大に影響されにくい新規事業の開発を目指します。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

オークション関連事業においては、古美術やワイン等の一部のオークションの堅調な推移が期待できる一方、ここ数年、近代美術の中低価格帯の相場が低迷しており、この状況は今期も継続する可能性があります。

当社グループは、「日本近代美術再生プロジェクト」と題した、日本の20世紀の近代美術の再評価と価値付けに取り組んでまいりましたが、近代美術だけでなく、近代美術以外の新たな柱となり得るコンテンポラリーアート(戦後美術を含む)へのシフトに注力してまいります。また、新たに「資産形成アート投資サロン」を立ち上げ、アートコレクターを呼び込み、オークションへの取扱点数と取扱価格を増加させると同時に、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に影響されにくい新たな事業の開発に積極的に取り組んでまいります。具体的には、ITを利用して顧客の美術作品の保管する倉庫事業を立ち上げると同時に、アートファンドを立ち上げることにより、アートの価値を高め、事業の拡大を図ってまいります。また、オークション事業から派生した資産防衛ダイヤモンド事業は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大にかかる各国の金融緩和政策から生じるインフレ懸念から、資産防衛としてのダイヤモンドへの需要が高まってきており売上の増大を目指します。

エネルギー関連事業においては、同事業そのものの縮小を図り、アート関連事業に経営のリソースを集中させていくため、太陽光発電施設事業を縮小していきます。一方、マレーシアから日本へのPKS(ヤシ殼)輸出事業は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大によるマレーシア国内でのロックダウン状態が解除され次第、事業活動を積極的に再開し収益化を目指します。

 

(5)新型コロナウイルス感染症の影響及びその対応

 2020年1月以降世界的に感染が拡大している新型コロナウイルス感染症を契機として、政府による緊急事態宣言が発動され、個人の外出自粛や企業の事業活動が制限されるなど、先行き不透明な状態が続いていくと考えられます。

 当社としては、お客様、取引先、関係先等及びに従業員の安全確保を最優先とし、リモートワークやオンライン会議の利用による接触機会の低減、マスクの着用義務、アルコール消毒の徹底などの感染予防策を実施し、感染防止に努めております。

 

(6)その他、経営上重要な事項

注記事項(重要な後発事象)を参照ください。

 

2【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

1.グループ全体

小規模組織について

当社グループはグループ従業員数40名程度と規模が小さく、内部管理体制も当該規模に応じたものとなっております。今後も必要に応じ、内部管理体制の充実とそれに伴う人員補充を実施していく方針でありますが、人材の確保及び管理体制の維持ができなかった場合、適切な組織的対応が出来ず、組織効率が低下する可能性があり、業務に支障をきたすおそれがあります。

 

2.オークション関連事業

(1)オークションへの出品について

日本国内の美術市場全体では、取引全体のボリュームは対前年比で若干の増加と堅調に推移してはいるものの、依然として先行き不透明感を払拭するまでには至っておらず、特に近代美術の分野では、市場全体の流通量の減少傾向が続いており、予断を許さない状況が続いております。いかなる状況においても出品募集営業を徹底して強化していく所存でありますが、出品数の減少が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)売上高の構成について

オークション関連事業の売上高の主たる構成要素は、落札価額に対する手数料収入(落札手数料及び出品手数料)であります。落札手数料は、落札価額の200万円以下に対し15.0%、200万円超5,000万円以下に対し12.0%、5,000万円超に対し10.0%、出品手数料は、落札価額の10.0%(いずれも別途消費税)としております。

なお、作品を仕入れた後に、在庫商品としてオークションやプライベートセールで売却する場合があります。この場合、オークションでの落札価額またはプライベートセールでの販売価格を商品売上高としてそのまま売上高に計上するため、在庫商品の取扱高の増減が、売上高変動のひとつの要因となります。その他、カタログの販売高、出品者から徴収するカタログ掲載料で構成されるカタログ収入、有料会員から徴収する会費収入があります。

 

(3)美術品の査定について

オークションに出品されるすべての作品は、査定委員会にて現物を直接検分して、評価額を決定しております。査定委員会は、常任委員の他、必要に応じて担当部長ならびに社外の専門家を交えて複数のメンバーで構成しています。作品の評価額は、オークション出品の際、そのままエスティメイト(落札予想価格帯)を構成するため、適切な評価額を決定する体制を整えています。

しかしながら、査定委員会が現下の市況と大きく乖離した評価をし、その結果オークションで落札されないケースが連続した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)鑑定・鑑別の外部委託について

オークションに出品される美術品や宝飾品の真贋に関しては、権威ある第三者機関に鑑定・鑑別を依頼しております。美術品に関しては、当社グループが認める鑑定機関及び鑑定人が存在する作家の作品に関しその鑑定を受け、宝飾品に関しては、原則として当社グループが定める鑑別機関の鑑別を受けることとしており、当社グループは、販売委託者と鑑定・鑑別機関及び鑑定人の仲介を行っておりますが、当社グループが鑑定・鑑別を行うことはありません。

オークションの開催・運営にあたっての規則であるオークション規約及び特約に基づき、当社グループが開催する近代美術、近代陶芸、戦後美術&コンテンポラリーアートの出品作品、ブランドバック等のブランド雑貨に関し、当社グループは、オークションの開催日から5年以内に、落札作品が真作でないとの証明がなされた場合、落札作品を引き取り、落札者に代金を返還することになっております。但し、近代美術PartⅡ等のオークションで取り扱う低価格作品、骨董(アンティーク)等の真贋判定の困難な作品に関しては保証しておりません。出品作品の真贋には、最善の注意を払い対応しておりますが、真作でない作品を誤って取り扱うことにより、信用低下につながる可能性があり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)オークション未収入金及びオークション未払金について

オークション未収入金及びオークション未払金は、オークション事業により発生する、落札者及び出品者に対する未決済債権及び債務であります。オークション規約及び販売委託に関する約定に基づき、落札者からは、オークション開催日から土日祝日を除く10日以内に購入代金が支払われ、出品者に対しては、オークション開催日から35日以内に販売代金を支払っており、従ってオークション未収入金及びオークション未払金の期末残高は、オークションの開催日程と連結会計年度末日との関係で増減します。

 

(6)前渡金制度について

当社グループは、営業戦略上、業者のみならず一般コレクターからの出品を促進するためのシステムとして、オークションへの出品が決定した作品に関し、販売委託契約締結と同時に販売代金の一部を前渡しすることができる前渡金制度を採用しております。主に近代美術オークションにおいて契約締結から支払までの期間が最長約4ヶ月であることに関し、出品者の急な資金需要に対応できる施策として、当社グループの出品募集に大きく貢献しております。

前渡金が支払われている作品が不落札となった場合には、オークション終了後に出品者から前渡金が返還されることになっていますが、万一、出品者が前渡金を返済できない事態が生じたとしても、不落札の作品を売却し、前渡金返済に充てることができます。しかしながら、今後事業が拡大する中で、前渡金の返還及び回収が滞る事案が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)一括保証取引について

オークションへの一括の大口出品に関して、営業戦略上、落札価額合計額の最低金額の保証を行う場合があります。一括保証した金額については、作品をお預かりし、契約締結後に前渡金として保証金額の支払いを行う場合がありますが、実際の落札価額合計額が、この保証金額に満たない場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8)美術品等の保管について

当社グループでは、作品を当社グループの倉庫等で保管しております。保管中、作品にはすべて保険を付保しており、盗難、火災等については保険の対象となっております。しかし、地震等の自然災害に起因する事故については保険対象外の扱いとなっていることから、地震等の自然災害が発生し、作品が損壊した場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

また、オークション規約上、当社グループの故意または重過失に起因する損害に関しては、通常の損害の他、予見可能な損害までを責任の範囲と定めており、通常損害保険で担保されない範囲の損害が発生することにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9)法的規制等について

当社グループが行っているオークション形態は、海外においてオークション事業を展開しているクリスティーズ、サザビーズ等の事業をモデルとしております。日本国内においては、商法第551条の問屋(といや)に該当し、オークションの運営にあたっては、オークション規約を制定しておりますが、同規約は、民法、商法、消費者契約法、古物営業法等の規制を受けております。

これら、日本国内における法的規制により、過去において当社グループの財政状態、経営成績に影響を及ぼした事実はありません。しかしながら、当社グループが行うオークションという事業形態は、日本国内で完全に認知を得ているわけではなく、将来的にオークションの運営に支障を来すような法令等の規制を受けた場合、当社グループの事業活動に影響を及ぼす可能性があります。

現在、当社グループでは定期開催のオークションの他、西洋美術オークション、戦後美術&コンテンポラリーアートオークション、ワインオークション、個人収集品オークション等を随時開催しております。また、チャリティオークション開催のためのカタログ作製作業やオークション会場運営等の業務提供も行っております。酒類の取り扱いに関しては「酒税法」の、宝石・貴金属等の取り扱いに関しては「犯罪による収益の移転防止に関する法律」の、西洋美術の一部の作品の取り扱いに関しては「電気用品安全法」の、象牙等の希少野生動植物種の剥製、標本、器官等の取り扱いに関しては「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律」の定めに従い行っております。今後も、取扱商品が拡大していく中で個別に法的規制を受けるケースが考えられますが、当社グループは、いかなる場合も法令を遵守し対応していく所存であります。しかしながら、将来的に個別の法的規制により当社グループが取り扱えないアイテムが発生し、当社グループの事業計画の変更を余儀なくされ、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(10)古物の取り扱いについて

当社グループは、盗難品や遺失物を取り扱わないよう、定期的に社内教育を行っております。しかしながら、不測の事態により盗難品や遺失物を取り扱った場合、信用失墜により取扱高の減少及び法令手続に基づく損失の発生等の可能性があります。

 

(11)著作権について

オークションカタログに図版を掲載するに当たり、著作権者或いは著作権管理団体に著作権使用に係る許諾を受けることを、当社グループで把握しているものについては実施しています。また、それ以外のものについては著作権法第47条の2の定める範囲内で掲載しております。著作権使用料は出品者負担として、請求がある著作権者或いは著作権管理団体に支払っておりますが、今後請求先が増加し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(12)顧客情報の取り扱いについて

当社グループは、オークション出品者に対して、その出品者との間で締結される販売委託契約により、顧客情報に関する守秘義務を負っております。当社グループは、個人情報の取り扱いについては充分注意しておりますが、不測の事態により情報が外部に漏洩する事態となった場合、信用の失墜による取扱高の減少及び損害賠償による損失の発生等の可能性があります。

 

(13)戦略的在庫商品の保有について

美術市場全体の安定化と規模の拡大を実現する事を目標に、いわゆる近代美術の巨匠といわれる作家の名品(マスターピース)クラスの作品を購入し、戦略的在庫として保有し、作品ごとに、販売時期、価格及び販売先に関して理想とする最良の環境での販売を考えており、その環境が整うまでは保有することを予定しております。戦略的在庫商品の購入後は、経済環境や美術品取引市場の著しい変動により、保有する戦略的在庫商品の評価の見直しを迫られる可能性があります。また、販売が計画通り進まず、保有期間の長期化による資金の固定化や、予想していた販売収益が得られない可能性があり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(14)新型コロナウイルス感染症の影響について

2019年12月に新型コロナウイルス感染症が確認され、日本全国に拡大を続けています。当社は、お客様、取引先、関係先等及び従業員の安全を第一とし、感染拡大を防ぐための行動を継続していきます。

当社は業績への影響を軽微に抑えるため、テレワークの導入やweb会議等を活用して「密閉、密集、密接」を避ける対応を実施しておりますが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による影響が長期化、深刻化した場合、オークションの延期、中止などにより、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

3.エネルギー関連事業

(1)法的規制等について

低圧型太陽光発電施設販売事業では、今後は利回りに着目した需要の継続的な開拓が必須となりますが、固定価格買取制度が大幅に変更された結果、市場全体の販売価格は低下しており、事業の採算性に関して今まで以上に十分な検討が必要となってまいります。

 

(2)気象・災害等について

太陽光発電は、気象条件により発電量が左右されるほか、設備の劣化や天災・火災等の事故により、想定した発電量と実際の発電量との間に予期せぬ乖離が生じる可能性があり、これらの要因が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)PKS事業について

当社グループは、マレーシアにおいて、バイオマス発電の燃料となるPKS(パーム椰子殻)販売事業を行っておりますが、再生可能エネルギーに占めるバイオマス発電の割合は上昇が見込まれるため、今後、原材料の仕入価格が上昇して利益を圧迫し、または量的確保そのものが難しくなる可能性があり、これらの要因が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、仕入等の取引は外貨建て取引のため、為替相場の変動により仕入価格・仕入数量に影響を及ぼす可能性があり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

4.その他

(1)為替相場について

当社グループの海外現地法人は、外貨建ての財務諸表を作成しているため、日本円に換算する際、為替レートによる換算リスクが生じます。このため急激な為替変動が起こった場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(2)デリバティブ取引のリスクについて

当社グループの金融機関からの長期借入金には、一部市場金利に連動するものが含まれており、変動金利の長期借入金につきましては、金利スワップ取引を利用しております。当該デリバティブ取引は、期末ごとに時価評価したうえで損益処理することとしており、この評価損益が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度(2020年6月1日~2021年5月31日)におけるわが国の経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が一旦落ち着きをみせ、緊急事態宣言が解除されてからは国内の経済活動は徐々に再開しましたが、11月以降に新型コロナウイルス感染症による景気下振れのリスクが急速に顕在化いたしました。新型コロナウイルス感染症の感染拡大が内外経済に与える影響に加え、米中通商問題、ミャンマーでのクーデターなどの海外での問題、また経済の動向や金融資本市場の変動の影響も受け、先行きは極めて不透明な状況にあります。

そのような中、日本国内の美術品市場は、昨年後半から徐々に活気を取り戻り始めましたが、特にコンテンポラリーアート市場は全体の流通量も増加しております。この傾向は今後しばらく続くと思われ、当社もこの分野の強化をしてまいります。20世紀の日本近代美術は、依然、これまでの低迷感から抜け出しているとは言い切れない状況ではありますが、現在のアート業界全体の勢いを鑑みると、今後、日本の近代美術が大きく復活する可能性もあります。

エネルギー関連事業では、事業縮小を進めていますが、当期は、自社所有の秩父太陽光発電所の売却を完了しました。マレーシアのPKS事業に関しては、マレーシアの新型コロナウイルス感染拡大によるロックダウンがたびたび実施され、事業推進が困難な環境となり、情報収集を中心とする1年となりました。新型コロナウイルス感染症が収束次第、事業を本格的に再開し収益化を目指します。

 

 a.財政状態

当連結会計年度末の資産合計は、前年比154,092千円増の3,239,184千円となりました。

当連結会計年度末の負債合計は、前年比133,193千円増の1,457,911千円となりました。

当連結会計年度末の純資産合計は、前年比20,898千円増の1,781,272千円となりました。

 

b.経営成績

各事業の業績は次のとおりです。

 

1.オークション関連事業

 オークション関連事業は、取扱高4,127,972千円(前年比45.6%増)、売上高1,869,280千円(前年比21.5%増)、セグメント利益275,843千円(前年は146,361千円のセグメント損失)となりました。

種別の業績は次のとおりです。

 

 

 

第32期

 

2021年5月期

 

取扱高

前年比増減

売上高

前年比増減

オークション

オークション

オークション

落札率

(千円)

(%)

(千円)

(%)

開催数

出品数

落札数

(%)

近代美術オークション

902,400

66.7

170,552

71.1

7

649

493

76.0

近代陶芸オークション

385,932

27.1

70,016

21.4

4

819

752

91.8

近代美術PartⅡオークション

233,430

47.3

57,859

66.3

7

1,341

1,155

86.1

その他オークション

(注)2

1,120,915

209.1

282,211

220.2

22

2,996

2,577

86.0

オークション事業合計

2,642,677

93.5

580,640

107.1

40

5,805

4,977

85.7

プライベートセール

1,483,319

1.2

1,270,876

2.7

 

 

 

 

その他

1,976

△40.8

17,763

△11.4

 

 

 

 

オークション関連

その他事業合計

1,485,295

1.1

1,288,640

2.4

 

 

 

 

オークション関連事業合計

4,127,972

45.6

1,869,280

21.5

 

 

 

 

 

(注)1.取扱高の前年比増減率と売上高の前年比増減率の乖離の大きな要因のひとつに、商品売上高の増減があ
ります。商品売上高は、オークション落札価額に対する手数料収入、カタログ収入、年会費等と同様に
売上高を構成する要素であり、在庫商品を販売した場合、その販売価格(オークションでの落札の場合
には落札価額)を商品売上高として、売上高に計上することとしております。

   2.その他オークションは、出品の状況により随時開催しております。

 

ⅰ)オークション事業

当連結会計年度は、2020年5月期に開催できなかった近代美術オークション、近代美術PartⅡオークション及び戦後美術&コンテンポラリーアートオークションを各2回、西洋美術オークション、ワインオークション及びMANGAオークションを各1回の計9回のオークションを当期に加え、オークションの開催回数は40回(前年度開催回数21回)でした。主な内訳は、近代美術オークション、近代美術PartⅡオークション及び戦後美術&コンテンポラリーアートオークションを各7回、近代陶芸オークション及びワインオークションを4回、西洋美術オークション、MANGAオークション及びBags/Jewellery&Watchesオークションを各3回、特別オークションを1回で取扱高は昨年と比し93.5%増加し、大幅な増加となりました。

近代美術オークションは、出品点数86.0%増、落札点数85.3%増、エスティメイト下限合計額に対する落札価額合計額の比率は、平均で120.3%と高水準で推移いたしました。

近代陶芸オークションは、出品点数19.4%増、落札点数20.7%増、エスティメイト下限合計額に対する落札価額合計額の比率は、平均で168.8%と極めて高水準で推移いたしました。

近代美術PartⅡオークションは、出品点数96.9%増、落札点数85.1%増、エスティメイト下限合計額に対する落札価額合計額の比率は、平均で119.0%と高水準で推移いたしました。

その他オークションでは、ワインオークションはワイン・リカーオークションと名称を変え、ウイスキーの取り扱いを本格的に始め、取扱高は325,640千円、前年比101.6%増となっております。新たな柱となり得る戦後・現代美術へのシフトの一環として、戦後美術&コンテンポラリーアートオークションを7回開催し、取扱高137,130千円、落札率83.3%の実績を上げました。また、初夏特別オークションを開催しており、落札率100%、エスティメイト下限合計額に対する落札価額合計額の比率は、294.9%と高水準で推移いたしました。

その結果、2020年5月期に開催予定で、今期に延期したオークション分の取扱高を前期に組み替えなおしても、オークションの年間取扱高は前年比34.7%増加いたしました。

オークション入札もこれまでの会場、電話、書面のほかにライブビッティングによる入札を可能にし、オークションに参加する顧客の幅が大きく拡大しております。

 

ⅱ)オークション関連その他事業

プライベートセール部門では第3四半期以降復調の兆しが見られ、取扱件数は順調に推移し、取扱高1,483,319千円となりました。また、4月中旬以降に販売を開始したShinwa Art NFTを紐づけた作品の売上は短い期間ではありましたが順調に売り上げを伸ばし、取扱高27,236千円となっております。

その他、資産防衛ダイヤモンド販売事業は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大にかかる各国の金融緩和政策から生じるインフレ懸念から、資産防衛としての需要が高まり、今期は取扱高471,147千円、前年比で96.1%増加しました。

 

2.エネルギー関連事業

マレーシアにおけるPKS事業では、継続して収益改善に取り組むとともに、販売先の開拓にも注力いたしましたが、新型コロナウイルス感染症の影響による、マレーシア政府のたびたびのロックダウン政策により、事業推進が困難な環境となり、情報収集を中心とする1年となりました。新型コロナウイルス感染症が収束次第、事業を本格再開し収益化を目指します。一方、当社が自社所有しておりました発電所を売却し、当連結会計年度の売上高937,177千円(前年比435.2%増、対前年増加額762,059千円)、セグメント利益は、51,555千円(前年は34,590千円のセグメント損失)となりました。

 

以上により、当連結会計年度の業績は、売上高2,813,145千円(前年比63.6%増、対前年増加額1,093,989千円)、営業利益211,998千円(前年は271,469千円の営業損失)、経常利益198,421千円(前年は322,739千円の経常損失)、親会社株主に帰属する当期純利益23,367千円(前年は305,705千円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動によるキャッシュ・フローの増加、投資活動及び財務活動によるキャッシュ・フローの減少の結果159,688千円の資金獲得となり、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は345,571千円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローは次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において営業活動の結果獲得した資金は、758,679千円(前年は36,151千円の獲得)となりました。これは主に、棚卸資産の減少による資金増加814,187千円、オークション未払金の増加による資金増加543,627千円、オークション未収入金の増加による資金減少520,422千円によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において投資活動の結果使用した資金は、16,913千円(前年は322,021千円の獲得)となりました。これは主に有形固定資産売却による資金増加3,282千円、保険積立金の積立による資金減少5,155千円、無形固定資産の取得による資金減少17,070千円によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において財務活動の結果使用した資金は、578,352千円(前年度は932,149千円の使用)となりました。これは主に長期借入金よる資金増加181,500千円に対し、短期借入金の純減少額による資金減少164,800千円及びセールアンド割賦バックの支出による資金減少503,451千円によるものであります。

 

③生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

当社グループは、主に美術品等のオークション事業運営とエネルギー関連事業を行っており、生産実績の記載はしておりません。

 

 b.受注実績

当社グループは、受注生産を行っておりませんので、受注実績の記載はしておりません。

 

 c.販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2020年6月1日

  至 2021年5月31日)

前年同期比(%)

オークション関連事業(千円)

1,869,280

21.5

エネルギー関連事業(千円)

937,177

435.2

報告セグメント計(千円)

2,806,457

63.8

その他(千円)

6,688

19.2

合計(千円)

2,813,145

63.6

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

 

相手先

前連結会計年度

(自  2019年6月1日

至  2020年5月31日)

当連結会計年度

(自  2020年6月1日

至  2021年5月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

株式会社ニトリ

767,794

44.7

株式会社新生鍍金工業

780,640

27.8

株式会社クレール

345,454

12.3

(注)当連結会計年度の株式会社ニトリの販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合につきましては、当該割合が100分の10未満のため、記載を省略しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①当連結会計年度の財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.経営成績等

 1.財政状態の分析

当連結会計年度の資産につきましては、総資産は、前年比154,092千円増の3,239,184千円となりました。内訳は流動資産が210,427千円増の2,732,474千円、固定資産は56,335千円減の506,709千円となりました。流動資産の主な内訳と増減は、現金及び預金477,576千円(前年比159,689千円の増加)、オークション未収入金521,770千円(520,422千円の増加)、売掛金493,402千円(479,098千円の増加)、商品1,031,922千円(前年比851,675千円の減少)、前渡金64,723千円(前年比45,037千円の減少)であります。固定資産の主な内訳と増減は、建物(純額)46,922千円(前年比10,754千円の減少)、繰延税金資産174,141千円(前年比27,101千円の減少)であります。

負債は前年比133,193千円増の1,457,911千円となりました。内訳は流動負債が535,740千円増の1,106,332千円、固定負債が402,547千円減の351,579千円となりました。流動負債の主な内訳と増減は、短期借入金86,700千円(前年比164,800千円の減少)、オークション未払金545,962千円(前年比543,627千円の増加)であります。固定負債の主な内訳と増減は、長期借入金332,921千円(1年内返済予定の長期借入金含む)(前年比117,581千円の増加)であります。

純資産は、前年比20,898千円増加の1,781,272千円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益23,367千円を計上したことにより利益剰余金がΔ63,190千円となったことによるものです。この結果、1株当たり純資産額は250.64円、自己資本比率は55.0%となっております。

 

 2.経営成績

当連結会計年度の経営成績は、「(1)経営成績等の状況の概要①財政状態及び経営成績の状況b.経営成績」に記載のとおりであります。

 

b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

オークション関連事業においては、古美術やワイン等の一部のオークションの堅調な推移が期待できる一方、ここ数年、近代美術の中低価格帯の相場が低迷しており、この状況は今期も継続する可能性があります。

当社グループは、「日本近代美術再生プロジェクト」と題した、日本の20世紀の近代美術の再評価と価値付けに取り組んでまいりましたが、近代美術だけでなく、近代美術以外の新たな柱となり得るコンテンポラリーアート(戦後美術を含む)へのシフトに注力してまいります。また、新たに「資産形成アート投資サロン」を立ち上げ、アートコレクターを呼び込み、オークションへの取扱点数と取扱価格を増加させると同時に、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に影響されにくい新たな事業の開発に積極的に取り組んでまいります。具体的には、ITを利用して顧客の美術作品の保管する倉庫事業を立ち上げると同時に、アートファンドを立ち上げることにより、アートの価値を高め、事業の拡大を図ってまいります。また、オークション事業から派生した資産防衛ダイヤモンド事業は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大にかかる各国の金融緩和政策から生じるインフレ懸念から、資産防衛としてのダイヤモンドへの需要が高まってきており売上の増大を目指します。

エネルギー関連事業においては、同事業そのものの縮小を図り、アート関連事業に経営のリソースを集中させていくため、太陽光発電施設事業を縮小していきます。一方、マレーシアから日本へのPKS(ヤシ殼)輸出事業は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大によるマレーシア国内でのロックダウン状態が解除され次第、事業活動を積極的に再開し収益化を目指します。

 

c.資本の財源及び資金の流動性

資金需要

当社グループの事業活動における資金需要の主なものは、オークション事業の商品仕入及び前渡金、エネルギー関連事業のPKS(ヤシ殼)輸出事業仕入資金、各事業の販売費及び一般管理費があります。

 

 

財務政策

当社グループの事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金の活用及び金融機関からの借入を主に資金の調達を行っております。

オークション関連事業の資金については、取引行1行と計100,000千円の当座貸越契約を締結しており、安定的な調達を図っております。

また、持株会社体制への移行を行い、運転資金及び設備資金管理を一元管理し、資金調達コストの低減化、全社グループでの効率的な資金活用を図っております。

 

d.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

ROE(自己資本当期純利益率)を重要な指標として位置づけ、当社グループの効率的な経営の実現を目標として、15%以上を連結での中長期的な指標として掲げております。当連結会計年度のROE(自己資本当期純利益率)は、1.3%でした。

 

②.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

③.重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。

連結財務諸表の作成のために当社グループが採用している重要な会計処理基準は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。

連結財務諸表の作成に当たりまして、当社グループは、過去の実績値や現状等を踏まえ、合理的と判断される前提に基づき継続的に見積り、判断及び評価を行っておりますが、見積りや評価には、不確実性が伴うため、実際の結果と異なる場合があります。

当社が行った見積りのうち重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

なお、仮定の前提である新型コロナウイルス感染症による影響については、第5「経理の状況」 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載のとおりであります。

 

4【経営上の重要な契約等】

1.正規特約店委託契約

当社子会社(Shinwa Auction株式会社)は、2021年5月31日現在、9業者と正規特約店委託契約を締結しております。

(1)契約の目的

特約店は、美術業者や得意先コレクターからオークションへの出品に関する業務を行うことを目的としております。業務内容は、オークション売却希望者から売却委託を受け、販売委託契約を締結する業務と、オークション売却希望者を紹介することにより、オークション売却希望者との販売委託契約の締結の仲介をする業務があります。

(2)契約期間に関する事項

契約期間は、契約日から1年間とし、それ以降は自動更新であります。

(3)紹介料に関する事項

特約店の紹介による出品契約が締結された場合には、落札価額に応じた紹介料を特約店に支払います。

(4)契約解除に関する事項

契約満了の30日前までに契約解除の申し出があった場合、オークションへの出品及び紹介総額が一定基準に満たない場合、その他契約違反が生じた場合は、正規特約店委託契約を解除することができます。

(5)その他

当社は2021年7月29日開催の取締役会において、当社とアイアート株式会社(以下、「アイアート」といいます。)は、当社を株式交換完全親会社、アイアートを株式交換完全子会社とする株式交換を実施することを決議し、株式交換契約を締結いたしました。

詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」の(重要な後発事象)をご参照ください。

 

5【研究開発活動】

 該当事項はありません。